(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124162
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】POS端末、宅配クリーニングシステム及び情報入力作業方法
(51)【国際特許分類】
G07G 1/06 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032143
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】591261428
【氏名又は名称】株式会社ライト
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中村 健太郎
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142DA04
3E142EA04
3E142GA03
3E142GA16
3E142JA03
(57)【要約】
【課題】作業者の負担軽減を図ることができるPOS端末を提供する。
【解決手段】POS端末2は、印刷部14と、この印刷部14を制御する制御部11とを備える。そして、制御部11は、宅配クリーニングサービスに係るクリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示15を有するコード付き伝票16を印刷するように印刷部14を制御する。預かり情報は、少なくともクリーニング品の品名を含む。コード表示15は、QRコード(登録商標)である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
クリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示を有する伝票を印刷するように、前記印刷部を制御する
ことを特徴とするPOS端末。
【請求項2】
印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
宅配クリーニングサービスに係るクリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示を有する伝票を印刷するように、前記印刷部を制御する
ことを特徴とするPOS端末。
【請求項3】
前記預かり情報は、少なくともクリーニング品の品名を含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載のPOS端末。
【請求項4】
前記コード表示は、QRコード(登録商標)である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のPOS端末。
【請求項5】
前記伝票は、前記コード表示に対応する前記預かり情報を表示する預かり情報表示部を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のPOS端末。
【請求項6】
前記伝票は、作業者が前記預かり情報に関する情報入力作業を行う際に使用する専用伝票である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のPOS端末。
【請求項7】
請求項1又は2記載のPOS端末と、
前記POS端末の印刷部で印刷された伝票のコード表示を読み取って預かり情報を取得する読取装置と、
前記読取装置からの預かり情報を受信し、その預かり情報を顧客端末に送信する情報処理装置と
を備えることを特徴とする宅配クリーニングシステム。
【請求項8】
請求項1又は2記載のPOS端末の印刷部で印刷された伝票を使用して行う情報入力作業方法であって、
読取装置の読取部で前記伝票のコード表示を読み取る
ことを特徴とする情報入力作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の負担軽減を図ることができるPOS端末、宅配クリーニングシステム及び情報入力作業方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、クリーニング店では、来店した顧客からクリーニング品を預かった際に、POS端末の印刷部によって、預かり伝票及び工場内作業伝票がそれぞれ印刷される(特許文献1の
図2、
図3を参照)。
【0003】
預かり伝票は、預かり品であるクリーニング品の預かり証(仕上品の引換券)として顧客に渡される客用伝票である。
【0004】
他方、工場内作業伝票は、クリーニング工場において作業者がクリーニング処理後のクリーニング品のアセンブリ作業(仕上品を顧客ごとにまとめる作業)を行う際に使用する店用伝票である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、クリーニングの新しい利用形態として、配送業者(宅配業者)を介する宅配クリーニングサービス(以下、「宅配クリーニング」という場合がある)が広く普及している。
【0007】
この宅配クリーニングは、顧客とクリーニング業者との間でのクリーニング品の受け渡しを配送業者(宅配業者)を利用して行うため、顧客は、わざわざクリーニング品を持ってクリーニング店に来店する必要がなく、店舗へ行く時間がない顧客にとって非常に便利なサービスである。
【0008】
そして、宅配クリーニングにおいて、例えば配送業者の配送によりクリーニング品(預かり品)がクリーニング工場に到着した際に、そのクリーニング品の品名や点数等を含む明細情報を顧客にメール等で知らせるために、作業者がその明細情報を手入力していることがある。
【0009】
しかし、そのような作業者による手入力の作業は、非常に手間がかかり、作業者にとって負担が大きい。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業者の負担軽減を図ることができるPOS端末、宅配クリーニングシステム及び情報入力作業方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るPOS端末は、印刷部と、前記印刷部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、クリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示を有する伝票を印刷するように、前記印刷部を制御するものである。
【0012】
また、本発明に係るPOS端末は、印刷部と、前記印刷部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、宅配クリーニングサービスに係るクリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示を有する伝票を印刷するように、前記印刷部を制御するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る宅配クリーニングシステムの概略構成図である。
【
図2】同上宅配クリーニングシステムのPOS端末の印刷部で印刷されたコード付き伝票(情報入力作業用の伝票)の一例を示す図である。
【
図3】同上宅配クリーニングシステムのPOS端末の印刷部で印刷された工場内作業伝票(アセンブリ作業用の伝票)の一例を示す図である。
【
図4】同上宅配クリーニングシステムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】同上宅配クリーニングシステムのサーバに入力された預かり情報の一例を示す図である。
【
図6】宅配クリーニングサービスを申し込んだ顧客に送られたメールの一例を示す図である。
【
図7】宅配クリーニングサービスを申し込んだ顧客に送られたメールの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態について
図1ないし
図7を参照して説明する。
【0016】
図1において、1は情報処理システムである宅配クリーニングシステムで、この宅配クリーニングシステム1は、顧客に対して宅配クリーニングサービスを提供するために使用されるシステムである。
【0017】
宅配クリーニングシステム1は、
図1に示すように、POS端末2と、読取装置である読取端末3と、情報処理装置であるサーバ4と、顧客端末(携帯端末であるスマホや、パソコン等のコンピュータ)5とを備えている。
【0018】
そして、読取端末3、サーバ4及び顧客端末5は、例えば互いに通信(情報のやりとり)ができるように、インターネット等のネットワーク(通信回線)6を介して互いに接続可能となっている。
【0019】
また、POS端末2及び読取端末3は、クリーニング品に対してクリーニング処理が行われるクリーニング工場(クリーニング店の店舗等でもよい)に設置されている。なお、読取端末3とサーバ4とで他社システムが構成され、この他社システムはクリーニング業者の自社システム(例えば複数のPOS端末及びこれらと連携したサーバからなるシステム)とは異なるものである。
【0020】
さらに、POS端末2は、図示しない自社のサーバ(クラウドサービスのサーバ等でもよい)とネットワーク6を介して接続可能(通信可能)なものである。そして、POS端末2が連携としている自社のサーバには、POS端末2からクリーニング品に関する預かり情報(受付情報である注文情報)が送信され、その預かり情報は顧客分析や顧客対応等に利用される。
【0021】
これに対し、POS端末2が連携していない他社システムのサーバ4に預かり情報を渡そうとすると、そのデータ連携には、大掛かりなカスタマイズ等が必要で高いコストがかかることになる。
【0022】
このため、POS端末2は、他社システムのサーバ4とは連携(データ共有)しておらず、当該POS端末2で受け付けた預かり情報は、後述するコード付き伝票のコード表示に変換されて他社システムに連携されることになる。つまり、本実施形態に係る宅配クリーニングシステム1は、クリーニング工場での検品時(受付時)にPOS端末2に入力された預かり情報をコード表示である「QRコード(登録商標)」に変換し、その預かり情報を他社システムに連携するものである。
【0023】
POS端末(POSレジスタ)2は、
図1に示すように、制御部11と、情報記憶部である記憶部12と、入力部兼表示部であるタッチパネル部(入力部と表示部とが別の構成であってもよい)13と、紙製の伝票等の印刷物(少なくともコード付き伝票を含む)を印刷(印刷出力)する印刷部(プリンター部)14とを備えている。
【0024】
そして、制御部11は、宅配クリーニングサービスに係るクリーニング品、すなわち宅配クリーニングを申し込んだ顧客(申込顧客)から預かった預かり品であるクリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示15を有する伝票であるコード付き伝票16を印刷(印刷出力)するように、印刷部14を制御する。
【0025】
つまり、印刷部14は、制御部11による制御に基づいて、宅配クリーニングに係るクリーニング品に関する預かり情報(少なくとも預かり情報)をコード化したコード表示15を有するコード付き伝票16を印刷する。
【0026】
このコード付き伝票16の表面(印字面)の所定位置に印字されるコード表示(コード情報表示部)15は、例えばマトリックス型の二次元コードである「QRコード(登録商標)」である。なお、印刷を行う印刷部14は、例えばコード付き伝票16を印刷すると同時に、それに対応する工場内作業伝票17を印刷する。
【0027】
読取端末3は、
図1に示すように、コード付き伝票16のコード表示(QRコード)15を読み取るためのコード読取手段である読取部20を備えている。そして、読取端末3は、コード付き伝票16のコード表示15をその読取部20で読み取って当該コード表示15に含まれる預かり情報を取得し、この取得した預かり情報をサーバ4に送信する。
【0028】
サーバ4は、例えば顧客が顧客端末5を用いてネット上で宅配クリーニングを申し込むことが可能なウェブサイト(ECサイト等)を管理する管理サーバ(クラウドサーバ)である。そして、サーバ4は、読取装置3から送信されてくる情報を受信し、この受信した預かり情報を顧客端末5に送信する。
【0029】
なお、読取端末3及びサーバ4は、図示しないが、いずれも一般的なコンピュータと同様、制御部、記憶部、入力部、表示部等を備えている。また、読取端末3の表示部は、例えばコード表示15が読取部20で読み取られた際にそのコード表示15に含まれる預かり情報を表示するようにしてもよい。
【0030】
ここで、
図2は、POS端末2の印刷部14で印刷されたコード付き伝票(情報入力作業用の伝票)16の一例を示す図である。
【0031】
コード付き伝票16は、例えばクリーニング工場において、作業者(情報入力作業者)が読取端末(QRリーダー端末等)3を用いて少なくとも預かり情報に関する情報入力作業を行う際に使用する伝票(作業者による情報入力作業のための専用伝票)である。
【0032】
そして、コード付き伝票16は、少なくともコード表示15と、このコード表示15に対応する預かり情報(コード表示に含まれる情報)を表示する預かり情報表示部21とを有するものである。
【0033】
具体的には、コード付き伝票16は、
図2に示すように、例えば伝票番号、受付日、仕上日、顧客情報(氏名、電話番号及び会員番号)等に加えて、クリーニング品(宅配クリーニングサービスの利用者である申込顧客から預かった預かり品)に関する預かり情報を表示する預かり情報表示部21と、クリーニング品を識別するためのタグ番号(各クリーニング品ごとに付される識別用のタグの番号)を表示するタグ番号表示部22と、クリーニング品の数量(点数)を表示する数量表示部23と、クリーニング代金の合計額を表示する合計額表示部24と、クリーニング品に関する預かり情報をコード化したコード表示(QRコード)15とを有している。
【0034】
なお、預かり情報に対応したコード表示15は、当該伝票16の表面下部の所定位置に一定の大きさで印字されている。また、当該伝票16の表面上部には、当該伝票16が情報入力作業のための専用伝票であることを示すタイトル表示26が印字されている。
【0035】
また、この
図2に図示した例では、預かり情報は、例えば連番表示であるタグ番号(例えば「0-328」、「0-329」、「0-330」)が発番された複数(例えば3つ)のクリーニング品の品名(例えば「ズボン」、「セーター」)と、当該クリーニング品に対する追加処理内容(例えば「汗抜き加工」)と、当該クリーニング品の状態(例えば「糸ひきあり」)と、当該クリーニング品のクリーニング代金(例えば「440」)とを含んだものである。
【0036】
なお、当該クリーニング品の状態は、例えば「糸ひきあり」等といった破損の状態のほか、例えば「袖汚れあり」等といった汚れの状態や、色・柄等の外観の状態等を含むものである。
【0037】
そして、コード付き伝票16では、このような預かり情報が預かり情報表示部21に表示され、かつ、この預かり情報がQRコード化されてコード表示(QRコード)15として表示されている。なお、QRコードに含まれる預かり情報は、少なくともクリーニング品の品名(タグ番号を発番するアイテムのみを対象)を含むものであり、タグ番号を発番する必要がないもの、すなわち例えばコース名(デラックスコース)やパック名(10点パック)等は、QRコードに取り込まれないようにしてもよい。
【0038】
また、
図3は、POS端末2の印刷部14で印刷された工場内作業伝票(アセンブリ作業用の伝票)17の一例を示す図である。
【0039】
工場内作業伝票(工場控え伝票)17は、例えばクリーニング工場において、作業者(アセンブリ作業者)がクリーニング処理後のクリーニング品(仕上品)のアセンブリ作業を行う際に使用する伝票(作業者によるアセンブリ作業のための専用伝票)である。
【0040】
そして、工場内作業伝票17は、
図2に示すように、上述したコード付き伝票16と同様、例えば伝票番号、受付日、仕上日、顧客情報(氏名、電話番号及び会員番号)等に加えて、預かり情報表示部21と、タグ番号表示部22と、数量表示部23と、合計額表示部24とを有するが、預かり情報表示部21の預かり情報をコード化したQRコードは有していない。
【0041】
次いで、
図4を参照しつつ宅配クリーニングシステム1による処理の流れを説明する。
【0042】
宅配クリーニングの利用を希望する顧客は、例えばサーバ4のウェブサイトにアクセスしてネット上で宅配クリーニングサービスの申込を行った後、クリーニング品(例えば衣類3点)を収納体(段ボールや袋等)内に収納して配送業者(配送員)に渡す。
【0043】
そして、配送業者がクリーニング処理前のクリーニング品を顧客宅からクリーニング工場まで配送トラック等で配送し、そのクリーニング品がクリーニング工場に到着すると(ステップ1)、作業者がクリーニング品の検品(受付)を行う(ステップ2)。
【0044】
つまり、検品作業を行う作業者は、POS端末2のタッチパネル部13を操作して、宅配クリーニングの利用者である顧客から預かったクリーニング品(例えば衣類3点)に関する預かり情報を含む所定の情報をPOS端末2に入力して登録(記憶)する。
【0045】
このような検品作業が完了すると、POS端末2の印刷部14が、制御部11による制御に基づいて、コード付き伝票16及び工業内作業伝票17を同時に印刷(発行)する(ステップ3)。
【0046】
そして、一の伝票である工業内作業伝票17は、例えば親ハンガーのクリップ部に取り付けられてアセンブリ作業に利用される。
【0047】
他方、前記一の伝票とは別の他の伝票であるコード付き伝票16は、POS端末2と連携(データ共有)していない他社システムのサーバ4への情報入力作業に利用される。
【0048】
つまり、情報入力作業を行う作業者は、読取端末3の読取部20を用いて、コード付き伝票16のコード表示(QRコード)15を読み取る(ステップ4)。なお、作業者は、例えば1日分の複数枚のコード付き伝票16を積み重ねた状態にして情報入力作業を行うようにしてもよい。すなわち例えば、複数枚のコード付き伝票16を伝票差し等の伝票取付体に取り付けて上下に積み重ねた後、その積み重ね状態のコード付き伝票16を1枚ずつめくりながらコード表示15を読取部20で読み取ることで効率的な作業が可能となる。
【0049】
すると、読取端末3は、コード表示(QRコード)15に含まれた預かり情報(例えば衣類3点の情報)を取得し、この取得した預かり情報をサーバ4に送信してその記憶部に入力する(ステップ5)。なお、サーバ4に送信されて入力(登録)された預かり情報は、例えば
図5に示すようなものである。
【0050】
次いで、サーバ4は、その預かり情報を顧客の顧客端末5に送信する(ステップ6)。すなわち、サーバ4は、預かり情報の内容を顧客に知らせるために、例えば
図6に示すようなメール(アプリ等で顧客に知らせてもよい)を顧客の顧客端末5に送信する。なお、顧客のメールアドレスは、例えば宅配クリーニングサービスの申込時にサーバ4に登録された顧客情報等から取得すればよい。
【0051】
顧客は、受信したメール内容を見ることで、クリーニング品の検品結果及びクリーニング代金(料金)を確認でき、そのクリーニング代金の支払いを行う。なお、例えば配送業者に渡した衣類と検品結果とが不一致の場合や、料金に納得できないような場合には、顧客はクリーニング工場等に問合せを行う。
【0052】
その後、クリーニング工場内で、クリーニング品に対してクリーニング処理が行われる。そして、クリーニング処理後のクリーニング品(仕上品)は、アセンブリ作業後、収納体内に収納されて配送業者に渡され、その配送業者の配送により顧客宅へ届けられる。このため、顧客は、店舗や工場等に取りに行く必要もなく、綺麗になった仕上品を自宅で受け取れる。
【0053】
そして、上記宅配クリーニングシステム1によれば、POS端末2は、印刷部14と、この印刷部14を制御する制御部11とを備え、この制御部11は、宅配クリーニングサービスに係るクリーニング品に関する預かり情報に対応するコード表示15を有するコード付き伝票16を印刷するように印刷部14を制御するため、作業者は、読取端末3の読取部20でコード付き伝票16のコード表示15を読み取るという簡単な作業を行うことによって、この読取端末3を介して預かり品の預かり情報をサーバ4に入力でき、よって作業者の負担軽減を図ることができる。
【0054】
すなわち、例えばクリーニング工場内の作業者は、他社システムに対する預かり情報の情報入力作業を行う際に、読取端末3の読取部20でコード付き伝票16のコード表示(QRコード)15を読み取るだけでよいため、作業者による情報入力作業の作業効率の向上を図ることができ、かつ、作業者による情報入力作業の作業ミスの発生も防止できる。
【0055】
また、POS端末2の印刷部14で印刷されるコード付き伝票16は、コード表示15に対応する預かり情報を表示する預かり情報表示部21を有するため、例えば読取部20でQRコードを読み取れない場合が生じたとしても、作業者はその預かり情報表示部21を見ながら預かり情報を読取端末3の入力部を操作して入力することでサーバ4に送信(入力)でき、しかも例えば顧客からクリーニング工場に直接問合せがあった場合でも当該伝票16をみて適切に対応できる。
【0056】
さらに、コード付き伝票16は、作業者が預かり情報に関する情報入力作業を行う際に使用する専用伝票であることから、例えばQRコードを工場内作業伝票に印字した場合等とは異なり、多くのコード付き伝票をまとめて一箇所に置いておくことができ、効率的に情報入力作業ができる。
【0057】
なお、預かり情報は、少なくともクリーニング品(預かり品)の品名を含むものであればよく、例えばネットでの宅配クリーニングサービスの申込時にクレジットカード決済等でクリーニング代金の支払いを済ました場合(例えば「10点パックで1万円」等というパック料金の支払い済みの場合等)においては、必ずしも預かり情報にクリーニング代金を含む必要がない。それゆえ、この場合には、例えば
図7に示すようなメールが顧客端末に送信される。
【0058】
また、宅配クリーニングサービスは、顧客宅からクリーニング工場へのクリーニング品の配送と、クリーニング工場から顧客宅へのクリーニング品の配送との両者を配送業者(宅配業者)が行うものには限定されず、例えば前者又は後者のみを配送業者が行うようなものでもよい。
【0059】
さらに、伝票のコード表示(QRコード等の二次元コード)に対応する預かり情報は、宅配クリーニングサービスに係るクリーニング品に関するものには限定されず、例えば来店した顧客から預かったクリーニング品に関するもの等でもよい。
【0060】
また、伝票のコード表示に含まれる情報(QRコード化される情報である連携内容)は、クリーニング品に関する預かり情報のみには限定されず、例えばデータの利用目的等に応じて、上記預かり情報に加えて、伝票に含まれる情報の中から仕上日、タグ番号、顧客情報等をQRコード化してもよく、また伝票に含まれない料金支払い方法の情報等をQRコード化してもよい。つまり、QRコード化される情報は、少なくとも預かり情報を含むものであればよく、必要に応じて顧客に通知する他の情報を含めてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 宅配クリーニングシステム
2 POS端末
3 読取装置である読取端末
4 情報処理装置であるサーバ
5 顧客端末
11 制御部
14 印刷部
15 コード表示(QRコード)
16 伝票であるコード付き伝票
20 読取部
21 預かり情報表示部