(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124167
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】試験問題解答システム、試験問題解答方法及び試験問題解答プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032154
(22)【出願日】2023-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】515062647
【氏名又は名称】外山 弘道
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】外山 弘道
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試験問題への解答を効率化する試験問題解答システムを提供する。
【解決手段】試験問題への解答を支援する試験問題解答システムは、処理部及び記憶部を備える。記憶部は、1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報とを含む試験情報を記憶する。処理部は、解答者からの要求に応じて、試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面W2を表示させる。試験画面W2は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄W22の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素(設問の番号W21)と、を含む。処理部は、解答者により操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄W22を識別表示可能とする試験画面W2を表示処理する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験問題への解答を支援する試験問題解答システムであって、
前記試験問題解答システムは、処理部及び、記憶部を備え、
前記記憶部は、1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報と含む試験情報を記憶し、
前記処理部は、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理可能に構成され、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記処理部は、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を表示処理する試験問題解答システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記操作がされると、問題を表示させる問題画面を前記試験画面とは異なるウィンドウに表示可能に、前記試験画面を表示処理する請求項1に記載の試験問題解答システム。
【請求項3】
前記解答者からの要求に応じて、前記異なるウィンドウが開いた状態で、更に別の操作要素が操作されると、前記処理部は、前記異なるウィンドウに表示中の問題情報を、該操作要素に対応する設問に応じた問題情報に更新する請求項2に記載の試験問題解答システム。
【請求項4】
前記処理部は、解答者からの要求に応じて前記試験画面を表示させる際に、設問毎に記憶された問題情報を表示させない請求項1に記載の試験問題解答システム。
【請求項5】
前記試験情報は、前記番号と共に、設問の区分を含み、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる全設問に対する解答欄を一覧に含み、各設問の区分を把握可能に表示させる請求項1に記載の試験問題解答システム。
【請求項6】
前記操作要素は、前記解答欄と並べて配置された各設問の番号である請求項1に記載の試験問題解答システム。
【請求項7】
試験問題への解答を支援する試験問題解答プログラムであって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報と含む試験情報を記憶したコンピュータに、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を実行させ、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する試験問題解答プログラム。
【請求項8】
試験問題への解答を支援する試験問題解答方法であって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報と含む試験情報を記憶したコンピュータが、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を有し、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する試験問題解答方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験問題解答システム、試験問題解答方法及び試験問題解答プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットを介して、サーバから試験問題のデータを配信し、端末で解答を入力することで試験問題への解答を行う為のシステムが提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、問題の解答を入力する入力欄を含む入力画面データを送信する処理部と、入力画面データに基づき、入力画面を表示するデータ出力部と、入力欄に入力された入力データを送信するデータ入力部とを備え、処理部は、問題の正答を含む正答データに基づき、入力データの正誤を判定する判定部と、判定部の判定結果を示す正誤データを含む正誤画面データを生成する正誤画面生成部とを備えた学習支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、マークシート形式の試験のように複数の設問に対する解答欄が並べて配置されると共に、複数の問題が一つの問題画面に並べて配置された試験画面を考えると、解答欄毎に問題画面から問題を探す工程と、正しい解答欄を照合して、解答を記述する工程が必要となってしまう。また、問題画面と解答欄のそれぞれに対してスクロール操作により解答欄の照合を行う必要があるが、双方のスクロールの量が対称ではない点も照合作業を煩雑なものとする。設問毎に、問題と解答欄を並べて表示させた場合、照合の負荷は生じないが、試験問題全体の問題量を把握したり、解答済/未解答の問題量を俯瞰可能な効果が失われてしまう。
【0006】
また、試験対策として過去問や模試等の試験問題に取り組む際や本試験において、ユーザは、典型的には出題順に設問に解答するが、試験問題の性質、出題傾向によっては、特定の設問を飛ばして試験問題に取り組む場合もある。例えば、TOEIC(登録商標)のような出題数の多い試験問題であったり、特定の大問が難問・奇問等を含む試験問題に取り組むような場合、個別の設問に解答するペース配分や試験問題全体に対する未解答/解答済の割合、優先して取り組むべき出題傾向の設問等を勘案して、試験問題に取り組むテクニックも重要となる。上述のような試験画面において、設問を飛ばして解答したり、これまでに行った解答を再確認する場合には特に照合作業は煩雑となってしまう。
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みて、試験問題への解答を効率化する試験問題解答システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記発明を解決するために、本発明は、試験問題への解答を支援する試験問題解答システムであって、
前記試験問題解答システムは、処理部及び、記憶部を備え、
前記記憶部は、1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報と含む試験情報を記憶し、
前記処理部は、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理可能に構成され、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記処理部は、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を表示処理する。
【0009】
また、本発明は、試験問題への解答を支援する試験問題解答プログラムであって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報と含む試験情報を記憶したコンピュータに、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を実行させ、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する。
【0010】
また、本発明は、試験問題への解答を支援する試験問題解答方法であって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報と含む試験情報を記憶したコンピュータが、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を有し、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記処理部は、解答者からの要求に応じて前記試験画面を表示させる際に、設問毎に記憶された問題情報を表示させない。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記操作要素は、前記解答欄と並べて配置された各設問の番号である。
【0013】
このような構成とすることで、CBT(Computer Based Testing)による本試験の受験や試験対策学習を効率的に実施可能となる。試験画面に対する操作によって、設問毎に登録された問題を表示させると共に、問題に対応する解答欄が識別可能となり、解答欄の照合が極めて容易となる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記処理部は、前記操作がされると、問題を表示させる問題画面を前記試験画面とは異なるウィンドウに表示可能に、前記試験画面を表示処理する。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記解答者からの要求に応じて、前記異なるウィンドウが開いた状態で、更に別の操作要素が操作されると、前記処理部は、前記異なるウィンドウに表示中の問題情報を、該操作要素に対応する設問に応じた問題情報に更新する。
【0016】
このような構成とすることで、解答欄や問題の配置・サイズ、拡大縮小等を任意に行うことができ、解答者が取り組みやすい形で、試験問題を利用することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記試験情報は、前記番号と共に、設問の区分を含み、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる全設問に対する解答欄を一覧に含み、各設問の区分を把握可能に表示させる。
【0018】
このような構成とすることで、特定の区分の設問を優先して解答したり、特定の区分の設問を後回しにして解答することが容易になる。
【0019】
本発明は、試験問題への解答を効率化する試験問題解答システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態のシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施形態のシステムのハードウェア構成図。
【
図5】一実施形態の学習手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0022】
例えば、本実施形態では試験問題解答システム0の構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態における試験問題解答プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。本実施形態では、サーバコンピュータである試験問題解答サーバ1において、試験問題解答プログラムを起動させる場合について説明する。
【0023】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、試験問題解答システム0は、試験問題解答サーバ1、複数の解答者端末2及び、複数の提供者端末3を備える。試験問題解答サーバ1は、解答者端末2及び提供者端末3とネットワークNWを介して通信可能に構成されている。ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0024】
試験問題解答サーバ1としては、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、複数のコンピュータを用いて試験問題解答サーバ1を構成することも可能である。解答者端末2及び提供者端末3として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。なお、解答者端末2及び提供者端末3は、試験問題解答サーバ1に対してリクエストを行い、レスポンスを受け取る為のアプリケーションを有する。
【0025】
本実施形態では、解答者端末2及び提供者端末3は、Webブラウザアプリケーションを介して、学習プラットフォームにアクセスし、試験対策の学習を行う場合について説明する。そのため、解答者端末2及び提供者端末3はアプリケーションとしてWebブラウザを有している。解答者端末2及び提供者端末3は学習プラットフォームにアクセスする為に、学習プラットフォームを利用する為のネイティブアプリを有していてもよい。なお、本発明は、試験対策の学習用途に限られず、例えば、本試験や模擬試験等の受験等においても利用することができる。
【0026】
解答者端末2は、学習プラットフォームを利用して、試験問題に解答するユーザ(解答者と呼称する)が利用する端末を指す。提供者端末3は、学習の為の試験問題を登録などするユーザ(提供者と呼称する)を利用する端末を指す。典型的には、提供者は、学習コンテンツを販売する出版社となる。
【0027】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成図である。
図2(a)は、試験問題解答サーバ1のハードウェア構成の一例を示す図である。試験問題解答サーバ1は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0028】
処理部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る試験問題解答プログラム、OSやWebブラウザ、その他のアプリケーションを実行することで、試験問題解答サーバ1の動作処理全体を制御する。
【0029】
記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係る試験問題解答プログラム及び、処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている試験問題解答プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0030】
通信部103は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、試験問題解答サーバ1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0031】
図2(b)は、は端末9(解答者端末2及び提供者端末3)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9はハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0032】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、試験問題解答サーバ1を操作する為のWebブラウザアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。
【0033】
<試験問題解答サーバ1の機能構成要素>
図3に示すように、試験問題解答サーバ1は、機能構成要素として、登録部11、表示処理部13、及び採点部15を備える。
【0034】
登録部11は、端末から送信された情報を記憶部102に格納する。本実施形態では、提供者端末3からの入力に基づいて、試験情報を記憶部102に格納する。また、解答者端末2からの入力に基づいて、試験問題に対する解答を含む、履歴情報を記憶部102に格納する。
【0035】
<学習プラットフォーム>
表示処理部13は、端末9からの要求に応じて、リソース情報及び/又は必要な情報を用いて学習プラットフォームの各種画面及び情報を表示処理し、表示処理結果を返送する。本実施結果では、表示処理部13は、URL(Uniform Resource Locator)により指定され、運用・管理している学習プラットフォームの各種画面及び情報を、要求(リクエスト)された端末9において閲覧可能に提供する。本実施形態では、記憶部102は、解答者端末2及び、提供者端末3に対して、学習プラットフォームを利用する為に送信されるリソース情報を有する。本実施形態では、リソース情報は、例えば、所定のマークアップ言語(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language))により記述された文書、CSS(Cascading Style Sheets)、ウェブブラウザ上で動作するプログラム(例えば、JavaScript(登録商標))、画像等を含み得る。
【0036】
<試験情報、問題情報>
図4は記憶部102に格納されたデータのデータ構成図である。試験情報は、1単位の試験問題に関する情報である。試験問題の単位は任意であるが、本実施形態では、
図4(b)に示すように、TOEICのリスニング相当のテスト(
図4(b)における「練習テスト(1)リスニング」)と、リーディング相当のテスト(
図4(b)における「練習テスト(1)リーディング」)とを、それぞれ1単位の試験問題としている。1単位の試験問題は、例えば、リスニングとリーディングの双方を含むものであってもよい。別の例では、例えば、基本情報技術者試験の午前・午後の試験を、それぞれ1単位の試験問題としてもよい。試験情報は更に、試験時間を有する。また、
図4(a)に示す教材に含まれ、試験情報(教材)の登録を行った提供者が、試験情報に紐付けて管理される。
【0037】
試験情報は、試験問題に含まれる複数の設問に関する情報を有する。本実施形態では、
図4(c)に示すように問題番号(
図4(c)における「区分」、「番号」)、問題情報(
図4(c)における「問題文」)、解答欄タイプ、候補、及び正答を有している。問題番号は、各設問の番号を示す情報であり、本実施形態では、大問やセクションに相当する「区分」と、各区分に属した設問の「番号」を含むものとする。なお、区分として、小問等、区分を2階層以上に細分化する為の第2以降の区分を含んでもよい。また、解答欄の番号と枝問の番号を異ならせる場合には、更に枝問等の番号となる第2以降の区分を含んでもよい。候補は解答欄に表示される選択肢の候補を示し、正答は正解の選択肢を示す。本実施形態では、解答欄タイプが択一形式の場合について説明するが、試験問題によっては、択一形式に代えて、又は加えて、複数選択形式やテキスト入力形式等の解答欄が設定可能であることが好ましい。
【0038】
問題情報は、設問毎に設定される問題(出題内容)を表示する為の情報であり、本実施形態では、問題が掲載されたウェブページのURLを問題情報として登録する。提供者は事前に問題が掲載されたウェブページを用意しておき、そのURLを問題情報として登録する。問題は、例えば、HTMLファイルそのものに記述されてもよいし、ウェブページにおいて、PDF(Portable Document Format)等の文章ファイルや画像ファイル、音声ファイル、動画ファイル等によって問題を提示可能に構成してもよい。問題が掲載されたウェブページを表示させるためのリソース情報は、解答者端末2よりネットワークNW経由でアクセスが可能な外部のウェブサーバに格納されてもよいし、試験問題解答サーバ1(記憶部102)に格納されてもよい。
【0039】
<学習の手順>
次いで、
図5~8を用いて、試験問題解答システム0を用いた学習の手順について処理詳細について説明する。
図5は、学習の手順を示したフローチャートである。
【0040】
<トップページ>
S501では、解答者は学習方法を指定して、試験を開始する。まず、表示処理部13は、解答者端末2から学習したい試験問題の指定を受け付けると、
図6(a)に示す試験問題のトップページW1を表示処理し、解答者端末2に表示させる。トップページW1は、全問テストボタンW11、不正解問題再挑戦ボタンW12及び、重要問題再挑戦ボタンW13(ワンナビボタン)を有している。
【0041】
この試験問題に初めて取り組む場合、不正解問題再挑戦ボタンW12及び、重要問題再挑戦ボタンW13の一方又は双方は、選択できないように無効化されているか、非表示となる。解答者が全問テストボタンW11を押下した場合、解答者端末2は、試験問題解答サーバ1に対して、当該試験問題に含まれた全ての設問に対して解答を入力可能な試験画面(以降、「試験画面(全部)」とする)の表示処理要求を行う。表示処理部13は、解答者(解答者端末2)からの要求に応じ、試験情報に基づいて、試験問題を用いた学習に取り組む為の試験画面を表示処理し、表示処理結果を送信する。表示処理結果を受信した解答者端末2のウェブブラウザは、表示処理結果として受け取ったリソース情報や必要な情報(試験情報に含まれた試験名称や時間、問題番号等)を表示させ、これにより、解答者は試験を開始することができる。
【0042】
<試験画面>
図6(b)は、試験画面(全部)の画面表示例である。試験画面W2は、設問の番号W21と、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄W22と、時間表示部W23と、終了ボタンW24と、を備える。本実施形態では、指定された試験情報に含まれた全ての設問に対する解答欄W22が、一つの画面に一覧表示されている。画面外の設問については、スクロール操作によって表示可能に構成される。時間表示部W23には、試験時間に基づいて、試験開始からの残り時間が表示され、解答者は、試験時間中に、解答欄W22に解答を入力する。
【0043】
S502において、試験時間が終了したか否かが判断される。試験時間が終了した場合(S502でYES)は、S508に進み、試験終了となる。また、S503において、終了ボタンW24が押下された場合(S503でYES)は、S508に進み、試験終了となる。試験終了となると、登録部11は解答欄W22になされた入力を受け付け、解答と試験情報等が紐付けられた履歴情報として記憶部102に格納する。
図4(d)は履歴情報の一例である。また、採点部15は、履歴情報として格納した解答を、試験情報の正答に基づいて採点し、正否を判断する。
【0044】
<問題画面>
試験画面W2は、各設問の解答欄W22に付随した操作要素を含み、解答者により操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を試験画面W2とは異なるウィンドウに表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄W22を識別表示可能とする。本実施形態では、試験画面W2における番号W21が操作要素である。一例として、試験画面W2のリソース情報はJavaScript等のクライアントサイド原語で記述されたプログラムを含み、解答者端末2のウェブブラウザは、操作要素(番号W21)が指定されると、このプログラムに基づいて別のウィンドウを開いたり、別のウィンドウに表示された問題を更新したりすると共に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄W22を呈色等する。
【0045】
S501において、解答者は全問テストボタンW11や、不正解問題再挑戦ボタンW12、重要問題再挑戦ボタンW13を選択操作することで学習方法を指定し、試験を開始する。表示処理部13は、試験の開始要求を受け付けると、試験画面W2の表示処理として、試験問題に含まれた複数の(本実施形態では、全ての)設問毎に記憶された問題情報を含む試験画面W2のリソース情報を解答者端末2に返送する。この時、問題情報は、試験画面W2において操作要素として指定可能なハイパーリンクとして埋め込まれ、試験画面W2において直ちに表示されない。
【0046】
S504では、解答者端末2の処理部91は、操作要素(番号W21)が操作されると、操作要素に対応する設問に応じて問題を表示させる問題画面を、試験画面W2とは異なるウィンドウに表示させる。また、解答者端末2の処理部91は、操作された最先の操作要素(番号W21)に対応する設問の解答欄を識別表示する。
【0047】
図7(a)は問題画面W3の画面表示例である。図示例では、試験画面W2において、3番の設問が操作された状態を示し、問題画面W3には、操作された3番の問題が表示される。また、図示例では、3番の設問に対応する番号W21の部分と、解答欄W22が呈色され、他の設問に対応した番号W21や解答欄W22と識別可能に表示される。なお、識別表示の方法は任意であり、例えば、番号W21や解答欄W22を指し示すカーソルを表示させたり、番号W21や解答欄W22の枠線を変化させたりしてもよい。
【0048】
S504において、操作要素(番号W21)が操作された際に、試験画面W2とは異なるウィンドウが開かれていない場合(S505でNO)、解答者端末2の処理部91は、新規ウィンドウを開き(S506)、問題画面W3を表示させる(S507)。一方、S504において、操作要素が操作された際に、試験画面W2とは異なるウィンドウが既に開いた状態の場合(S505でYES)、S507に進み、解答者端末2の処理部91は、異なるウィンドウに既に表示中の問題を、該操作要素に対応する設問に応じた問題情報(URL)に基づき、更新する。
【0049】
なお、問題画面W3において、次の番号及び/又は前の番号の問題を表示させるボタン等の操作要素が配置されていてもよい。この操作要素が操作されることで問題画面中の問題が次の/前の問題に更新される際に、併せて、解答者端末2の処理部91は、試験画面W2において更新された問題の番号を識別表示してもよい。例えば、操作要素(番号W21)が操作された際に、解答者端末2の処理部91は、表示処理部13に対して、問題情報(URL)を含む問題画面W3の表示処理要求を行う。表示処理部13は、問題情報(URL)によってアクセス可能なウェブページの内容が埋め込まれた問題画面W3を表示処理し、表示処理結果を返送する。
【0050】
<不正解問題への再挑戦>
また、解答者は、全問テストが終了した後、採点部15による採点結果に基づき、不正解問題について再挑戦を行うことができる。トップページW1において不正解問題再挑戦ボタンW12を押下することで、不正解だった設問全ての解答欄が表示された試験画面が表示され、不正解だった問題に対して再挑戦することができる。試験情報に含まれた各設問には、提供者等によって重要度が設定されてよく、トップページW1において重要問題再挑戦ボタンW13を押下することで、不正解の問題のうち、重要度が最も高い1つの設問の解答欄のみが表示された試験画面が表示され、不正解だった最も重要な設問に再挑戦することもできる。
【0051】
図7(b)は、別の試験問題について、不正解問題再挑戦ボタンW12を押下することで表示させた試験画面W2’の一例である。またなお、試験画面W2’は、1単位の試験問題に含まれる各設問の区分を把握可能に表示させる。図示例では、区分W25を表示させることで、各設問の番号が属するセクションが把握可能に表示される。なお、区分W25は、各設問の番号W22と並べて表示させる等、任意の配置・表現方法で表示されてよい。
【0052】
<問題情報の登録>
提供者端末3は、試験問題解答サーバ1に対して、提供者が問題情報を登録する際の問題管理画面の表示処理要求を行う。表示処理部13は、問題管理画面を表示処理し、表示処理結果を返送する。
【0053】
図8(a)は、提供者が問題情報を登録する際の問題管理画面の画面表示例である。問題管理画面W4は、番号選択部W41と、リンク表示部W42と、を備える。提供者は、提供者端末3の入力部94を操作して、番号選択部W41を選択する。番号選択部W41が選択されると、表示処理部13は、
図8(b)に示すように、問題登録画面W4’を表示処理する。
【0054】
問題登録画面W4’は、問題入力部W43と、登録ボタンW44と、キャンセルボタンW45と、を備える。提供者は、提供者端末3の入力部94を操作して、問題入力部W43に対して問題が掲載されたウェブページのURLを入力し、登録ボタンW44を押下する。登録部11は提供者端末3より、設問毎に問題情報の登録を受け付けて記憶部102に格納する。キャンセルボタンW45が押下されると、問題登録画面W4’を閉じる。
【0055】
本実施形態では、問題情報をURLとしたが、問題を示すテキストやファイルが登録可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
0 :試験問題解答システム
1 :試験問題解答サーバ
11 :登録部
13 :表示処理部
15 :採点部
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
2 :解答者端末
3 :提供者端末
9 :端末
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験問題への解答を支援する試験問題解答システムであって、
前記試験問題解答システムは、処理部及び、記憶部を備え、
前記記憶部は、1単位の試験問題に含まれる設問毎に、各設問の番号を示す問題番号を含む試験情報を記憶し、
前記処理部は、前記記憶部に試験問題を登録する提供者より、前記問題番号毎に、問題を表示させるためのリンクの入力を受け付け、前記問題番号と前記リンクとを対応づけて前記記憶部に登録し、
前記処理部は、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理した結果を解答者の端末に表示させ、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答を入力することができる解答欄の一覧と、各設問の解答欄のそれぞれに付随した複数の操作要素とを含み、
前記解答欄は、前記試験画面のみに含まれ、
前記処理部は、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問の問題を前記解答者の端末に表示すると共に、操作された直近の操作要素に対応する設問の解答欄について識別表示した前記試験画面を、前記解答者の端末に表示処理する試験問題解答システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記操作がされると、問題を表示させる問題画面を前記試験画面とは異なるウィンドウに表示するように、前記試験画面を表示処理する請求項1に記載の試験問題解答システム。
【請求項3】
前記処理部は、前記操作がされると、前記試験画面に含まれる前記複数の操作要素が視認される状態で、前記試験画面に前記問題画面を重ねて表示する請求項2に記載の試験問題解答システム。
【請求項4】
前記解答者からの要求に応じて、前記異なるウィンドウが開いた状態で、更に別の操作要素が操作されると、前記処理部は、前記異なるウィンドウに表示中の問題を、該操作要素に対応する設問に応じた問題に更新する請求項2に記載の試験問題解答システム。
【請求項5】
前記問題番号は、設問の区分を含み、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる全設問に対する解答を入力することができる解答欄を一覧に含み、各設問の区分を把握可能に表示させる請求項1に記載の試験問題解答システム。
【請求項6】
試験問題への解答を支援する試験問題解答プログラムであって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、各設問の番号を示す問題番号を含む試験情報を記憶したコンピュータにおいて、
前記コンピュータに前記試験問題を登録する提供者より、前記問題番号毎に、問題を表示させるためのリンクの入力を受け付け、前記問題番号と前記リンクとを対応づけて登録する工程を前記コンピュータに実行させ、
更に、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を前記コンピュータに実行させ、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答を入力することができる解答欄の一覧と、各設問の解答欄のそれぞれに付随した複数の操作要素とを含み、
前記解答欄は、前記試験画面のみに含まれ、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問の問題を、前記解答者の端末に表示すると共に、操作された直近の操作要素に対応する設問の解答欄について識別表示した前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する試験問題解答プログラム。
【請求項7】
試験問題への解答を支援する試験問題解答方法であって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、各設問の番号を示す問題番号を含む試験情報を記憶したコンピュータにおいて、
前記コンピュータに前記試験問題を登録する提供者より、前記問題番号毎に、問題を表示させるためのリンクの入力を受け付け、前記問題番号と前記リンクとを対応づけて前記コンピュータが登録する工程を有し、
更に、前記コンピュータが、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を有し、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答を入力することができる解答欄の一覧と、各設問の解答欄のそれぞれに付随した複数の操作要素とを含み、
前記解答欄は、前記試験画面のみに含まれ、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問の問題を、前記解答者の端末に表示すると共に、操作された直近の操作要素に対応する設問の解答欄について識別表示した前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する試験問題解答方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記発明を解決するために、本発明は、試験問題への解答を支援する試験問題解答システムであって、
前記試験問題解答システムは、処理部及び、記憶部を備え、
前記記憶部は、1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報とを含む試験情報を記憶し、
前記処理部は、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理可能に構成され、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記処理部は、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を表示処理する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明は、試験問題への解答を支援する試験問題解答プログラムであって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報とを含む試験情報を記憶したコンピュータに、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を実行させ、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明は、試験問題への解答を支援する試験問題解答方法であって、
1単位の試験問題に含まれる設問毎に、設問の番号と、問題を示す問題情報とを含む試験情報を記憶したコンピュータが、解答者からの要求に応じて、前記試験情報に基づき、試験問題に取り組む為の試験画面を表示処理する工程を有し、
前記試験画面は、1単位の試験問題に含まれる複数の設問に対する解答欄の一覧と、各設問の解答欄に付随した操作要素とを含み、
前記表示処理する工程では、解答者により前記操作要素が操作されることで操作要素に対応する設問に応じて問題を表示可能であって、更に、操作された最先の操作要素に対応する設問の解答欄を識別表示可能とする前記試験画面を、前記コンピュータが表示処理する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
解答者端末2は、学習プラットフォームを利用して、試験問題に解答するユーザ(解答者と呼称する)が利用する端末を指す。提供者端末3は、学習の為の試験問題を登録などするユーザ(提供者と呼称する)が利用する端末を指す。典型的には、提供者は、学習コンテンツを販売する出版社となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図2(b)
は、端末9(解答者端末2及び提供者端末3)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9はハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。