(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124193
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/47 20140101AFI20240905BHJP
A63F 13/493 20140101ALI20240905BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240905BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240905BHJP
【FI】
A63F13/47
A63F13/493
A63F13/69 510
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032192
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】509197380
【氏名又は名称】株式会社gumi
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 孝有
(72)【発明者】
【氏名】山口 佳輝
(57)【要約】
【課題】ユーザのゲームに対する飽きを抑制する。
【解決手段】ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付ける受付部131と、各分岐において受付部131が受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させる進行管理部132と、分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する抽選であるストーリー抽選であって、所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選の実行をユーザに許可する抽選管理部133と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付ける受付部と、
各分岐において前記受付部が受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させる進行管理部と、
分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可する抽選管理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記ストーリーの進行過程において前記ユーザが到達した箇所であって、ストーリーを再開する箇所として定められた再開箇所の選択をさらに受付け、
前記進行管理部は、前記受付部が受付けた前記再開箇所からストーリーを進行させ、
前記抽選管理部は、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーとは異なる分岐ストーリーにおける進行状況が前記所定の条件を満たした場合に、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーそれぞれに対応するストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽選管理部は、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選それぞれを、所定の期間毎に定められた上限回数を上限として前記ユーザに実行を許可する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザが保有するゲーム媒体を記憶する記憶部をさらに有し、
前記抽選管理部は、前記ユーザによる、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選それぞれの実行回数が前記上限回数以上である場合に、前記上限回数を超えて該ストーリー抽選を実行するためのゲーム媒体と引き換えに、前記ストーリー抽選の実行を許可する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ストーリー抽選それぞれは、対応する分岐ストーリーごとに排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が異なる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ストーリー抽選は、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が、前記分岐ストーリーの進行状況に関わらず実行可能な抽選における排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率とは異なる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ストーリー抽選は、前記分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たした回数に応じて、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が異なる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザが特典としてゲーム媒体を付与する条件を満たした場合に、前記ストーリー抽選の実行回数に応じて異なるゲーム媒体を付与する特典付与部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記ストーリー抽選によって排出される所定のゲーム媒体が排出されたユーザに対して、所定のストーリーの選択を受付ける、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付けるステップと、
各分岐において前記受付けるステップにおいて受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させるステップと、
分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに実行させる、
ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付けるステップと、
各分岐において前記受付けるステップにおいて受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させるステップと、
分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可するステップと、
を有するプログラム。
【請求項12】
情報処理装置と、情報端末と、を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付ける受付部と、
各分岐において前記受付部が受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させ、進行対象の分岐ストーリーを示す情報を前記情報端末に送信する、進行管理部と、
分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可し、前記ユーザに許可された前記ストーリー抽選を示す情報を前記情報端末に送信する、抽選管理部と、
を有し、
前記情報端末は、ストーリーの各分岐における前記ユーザのストーリー選択を前記情報処理装置に送信する操作受付部と、
前記情報処理装置から進行対象の分岐ストーリーを示す情報を受信し、受信した進行対象の分岐ストーリーを示す情報に対応する画面を提示する提示部と、
を有する、
情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータを、
ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付け、受付けた前記ユーザのストーリー選択を、前記ゲームを管理する情報処理装置に送信する選択受付部と、
前記選択受付部が受付けたストーリー選択に対応するストーリーとして前記情報処理装置において特定された進行対象の分岐ストーリーを示す情報と、前記ゲームの進行状況を示す情報と、を前記情報処理装置から取得する取得部と、
前記取得部が取得した進行対象の分岐ストーリーを示す情報に対応する画面を提示する提示部と、
として機能させ、
前記提示部は、前記取得部が取得した前記ゲームの進行状況を示す情報が示す分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選を選択可能に表示する画面をさらに提示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
抽選によりユーザにアイテムを付与するゲームにおいて、ストーリーの進行状況に応じて有利なアイテムが付与される抽選確率を変更することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術においては、ユーザに有利なアイテムを入手するための条件を早期に満たしてしまい、有利なアイテムを入手したユーザがゲームに飽きてしまうという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザのゲームの飽きを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付ける受付部と、各分岐において前記受付部が受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させる進行管理部と、分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可する抽選管理部と、を有する。
【0007】
前記受付部は、前記ストーリーの進行過程において前記ユーザが到達した箇所であって、ストーリーを再開する箇所として定められた再開箇所の選択をさらに受付け、前記進行管理部は、前記受付部が受付けた前記再開箇所からストーリーを進行させ、前記抽選管理部は、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーとは異なる分岐ストーリーにおける進行状況が前記所定の条件を満たした場合に、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーそれぞれに対応するストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可してもよい。
【0008】
前記抽選管理部は、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選それぞれを、所定の期間毎に定められた上限回数を上限として前記ユーザに実行を許可してもよい。
【0009】
前記ユーザが保有するゲーム媒体を記憶する記憶部をさらに有し、前記抽選管理部は、前記ユーザによる、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選それぞれの実行回数が前記上限回数以上である場合に、前記上限回数を超えて該ストーリー抽選を実行するためのゲーム媒体と引き換えに、前記ストーリー抽選の実行を許可してもよい。
【0010】
前記ストーリー抽選それぞれは、対応する分岐ストーリーごとに排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が異なっていてもよい。
【0011】
前記ストーリー抽選は、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が、前記分岐ストーリーの進行状況に関わらず実行可能な抽選における排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率とは異なっていてもよい。
【0012】
前記ストーリー抽選は、前記分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たした回数に応じて、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が異なっていてもよい。
【0013】
前記ユーザが特典としてゲーム媒体を付与する条件を満たした場合に、前記ストーリー抽選の実行回数に応じて異なるゲーム媒体を付与する特典付与部をさらに有してもよい。
【0014】
前記受付部は、前記ストーリー抽選によって排出される所定のゲーム媒体が排出されたユーザに対して、所定のストーリーの選択を受付けてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付けるステップと、各分岐において前記受付けるステップにおいて受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させるステップと、分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可するステップと、を有する。
【0016】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに実行させる、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付けるステップと、各分岐において前記受付けるステップにおいて受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させるステップと、分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可するステップと、を有する。
【0017】
本発明の第4の態様の情報処理システムにおいては、情報処理装置と、情報端末と、を有する情報処理システムであって、前記情報処理装置は、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付ける受付部と、各分岐において前記受付部が受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させ、進行対象の分岐ストーリーを示す情報を前記情報端末に送信する、進行管理部と、分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選の実行を前記ユーザに許可し、前記ユーザに許可された前記ストーリー抽選を示す情報を前記情報端末に送信する、抽選管理部と、を有し、前記情報端末は、ストーリーの各分岐における前記ユーザのストーリー選択を前記情報処理装置に送信する操作受付部と、前記情報処理装置から進行対象の分岐ストーリーを示す情報を受信し、受信した進行対象の分岐ストーリーを示す情報に対応する画面を提示する提示部と、を有する。
【0018】
本発明の第5の態様のプログラムにおいては、コンピュータを、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付け、受付けた前記ユーザのストーリー選択を、前記ゲームを管理する情報処理装置に送信する選択受付部と、前記選択受付部が受付けたストーリー選択に対応するストーリーとして前記情報処理装置において特定された進行対象の分岐ストーリーを示す情報と、前記ゲームの進行状況を示す情報と、を前記情報処理装置から取得する取得部と、前記取得部が取得した進行対象の分岐ストーリーを示す情報に対応する画面を提示する提示部と、として機能させ、前記提示部は、前記取得部が取得した前記ゲームの進行状況を示す情報が示す分岐ストーリーの進行状況が所定の条件を満たす場合に、前記ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する前記抽選であるストーリー抽選であって、前記所定の条件を満たした分岐ストーリーに対応する前記ストーリー抽選を選択可能に表示する画面をさらに提示する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザのゲームの飽きを抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムの概要を説明する図である。
【
図2】実施形態にかかる情報処理システムの概要を説明する図である。
【
図3】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図4】記憶部12が記憶するゲーム媒体管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】記憶部12が記憶する抽選管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】情報端末2に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】情報端末2に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】記憶部12が記憶する排出テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】記憶部12が記憶する排出テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】記憶部12が記憶する特典テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】情報端末2の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
[情報処理システムSの概要]
図1及び
図2は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、ユーザにゲームを提供するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1及び情報端末2を有する。情報処理装置1及び情報端末2は、ネットワークNを介して通信可能に接続される。情報処理システムSにおいては、複数のチャプタに分割されたストーリーを進行させるゲームが提供される。ネットワークNは例えばインターネットである。
【0022】
情報処理装置1は、ゲームの進行状況、抽選においてユーザに付与されるアイテム、ユーザが保有するゲーム媒体等を管理する。情報処理装置1は、情報端末2から操作内容やゲームの進行状況を取得し、条件を満たした場合に当該ユーザにストーリー抽選を実行可能にする。情報処理装置1は、情報端末2から抽選の実行依頼を取得し、取得した実行依頼が示す抽選により排出されるゲーム媒体を決定する。情報処理装置1は、例えばサーバである。
【0023】
情報端末2は、ゲームを実行するためのゲームプログラムを動作させ、ユーザの操作を受付け、ユーザの選択又はストーリーの進行状況に応じた画面を表示する。情報端末2は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ又はゲーム機器である。情報端末2は、ユーザからの操作を受付けるタッチパネルやキーボードなどの入力部と情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部を有する。
【0024】
図2(a)に示すとおり、情報処理システムSにおいて提供されるゲームにおいては、メインストーリーと、メインストーリーの進行過程に設けられた複数の分岐ポイントから分岐する複数の分岐ストーリーと、から構成される。メインストーリーは、ユーザの選択に限らず全てのユーザが共通して進行させるストーリーであり、分岐ストーリーは、分岐ポイントにおいてユーザがした選択に対応して進行するストーリーである。情報処理システムSにおいて提供されるゲームにおいては、一例として、分岐ストーリーの終点に到達した場合、メインストーリーの続きが進行するよう構成される。
【0025】
情報処理システムSにおいて提供されるゲームは、ゲーム媒体を利用してゲームの進行条件(例えばクエストのクリア)を達成させ、ストーリーを進行させるゲームである。ゲーム媒体は、様々なゲーム効果を発生させるためのオブジェクトである。ゲーム媒体は一例として、道具、装備、魔法、キャラクター等である。ゲーム媒体は、後述するように抽選を実行するための道具や実行回数の上限を超えて抽選を実行するための道具であってもよい。一例として、ゲーム媒体は抽選により付与されてもよいし、ゲームの進行状況が所定の条件を達成した場合(例えば、所謂クリア報酬)やユーザの利用状況が所定の条件を達成した場合(例えば所謂ログインボーナス)に付与されてもよい。
【0026】
情報処理システムSにおいて提供されるゲームにおいては、複数の種類の抽選が実行できる。複数の種類の抽選はそれぞれ、抽選により排出されるゲーム媒体の内容、ゲーム媒体を排出する確率、抽選が実行可能になる条件等が異なる。抽選が実行可能になる条件は、一例として、分岐ストーリーの進行状況が所定の条件(例えば、所定の地点に到達すること)を満たすことである。本明細書においては、分岐ストーリーの進行状況に基づいて実行可能になる抽選を特に「ストーリー抽選」と言い、分岐ストーリーの進行状況に関わらず実行可能な抽選を「常設抽選」と言う。ストーリー抽選は、常設抽選と比較して、ゲームを有利に進める効果を有するゲーム媒体(単に「有利なゲーム媒体」と言う場合がある)が排出されやすく設定される。ゲームを有利に進める効果を有するゲーム媒体は一例として、ゲームにおける強さ(当該ゲーム媒体の有する攻撃力、防御力、効果等)が高いもの、ゲーム内資産に変換された場合の価格が高いもの、入手確率の低さに対応する希少性を有するものである。以下では、ストーリー抽選が実行可能になるための条件を「解放条件」と言う場合がある。
【0027】
図2(b)に示す通り、情報処理システムSにおいては、ストーリーが分岐ポイントまで進行した場合ユーザによる選択を受け付ける。情報処理システムSにおいては、受け付けた選択に対応する分岐ストーリーを進行させ、分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たした場合、当該分岐ストーリーに対応する抽選を当該ユーザに実行可能にする。
【0028】
[情報処理装置1の構成]
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、受付部131、進行管理部132、抽選管理部133及び特典付与部134を有する。
【0029】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0030】
記憶部12は、ユーザが保有するゲーム媒体を記憶する。
図4は、記憶部12が記憶するゲーム媒体管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。ゲーム媒体管理テーブルにおいては、「ゲーム媒体」と、「保有数」と、が関連付けられている。「ゲーム媒体」は、ユーザが保有するゲーム媒体の種類を示す。「ゲーム媒体」は、ゲーム媒体を識別するIDで示されてもよい。保有数は、当該ゲーム媒体の保有数を示す。ゲーム媒体管理テーブルにおいては、さらにユーザIDが関連付けられていてもよい。
【0031】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、進行管理部132、抽選管理部133及び特典付与部134として機能する。
【0032】
受付部131は、ユーザによる選択肢やストーリーの進行状況を示す情報を情報端末2から取得する。受付部131は、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受け付ける。一例として、情報端末2に表示された
図2(b)に示す画面において情報端末2は、ユーザの選択を受け付け、ユーザが選択した選択肢を示す情報を情報処理装置1に送信する。受付部131は、情報端末2が送信した選択肢を示す情報を取得する。
【0033】
進行管理部132は、各分岐において受付部131が受付けたストーリー選択に対応するストーリーである分岐ストーリーを進行させる。進行管理部132は、受付部131が受付けた選択肢に対応する分岐ストーリーを進行させるよう情報処理装置1に指示を送信する。進行管理部132は、ユーザによるストーリーの進行状況を記憶部12に記憶させてもよい。
【0034】
抽選管理部133は、ユーザの抽選の実行可否を管理する。
図5は、記憶部12が記憶する抽選管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。抽選管理テーブルは、ユーザによる抽選の実行可否を管理するためのテーブルである。抽選管理テーブルにおいては、「抽選ID」と、「解放条件」と、「解放済みフラグ」と、が関連付けられている。「抽選ID」は、抽選を識別するID(Identification)である。「解放条件」は、当該抽選を実行可能にするための条件となる分岐ストーリーを示す。すなわち、「解放条件」が設定された抽選は、ストーリー抽選である。「解放済みフラグ」は、当該抽選が実行可能か否かを示す。「解放済みフラグ」が「済」である場合、当該抽選が実行可能であることを示し、「未」である場合、当該抽選が実行できないことを示す。抽選管理テーブルにおいては、ユーザのユーザIDがさらに関連付けられていてもよい。抽選管理テーブルにおいては、抽選の実行回数がさらに関連付けられていてもよい。
【0035】
抽選管理部133は、分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たす場合に、ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する抽選であるストーリー抽選であって、解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選の実行をユーザに許可する。解放条件は、一例として、分岐ストーリーをクリアすることである。解放条件は、分岐ストーリーが開始されたことであってもよいし、予め定められたポイントまでストーリーが進行したことであってもよい。また、解放条件は、所定の時間内に分岐ストーリーにおけるステージをクリアすることであってもよいし、所定数以上の相手キャラクターを倒すことであってもよい。抽選管理部133は、分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たした場合、抽選管理テーブルにおいて解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選の「解放済みフラグ」に当該抽選が実行可能になったことを示すフラグを設定する。
【0036】
情報端末2は、
図6に示す抽選を実行するための画面を表示する。
図6に示す画面においては、実行可能な複数の抽選(B01、B02、B03)が選択可能に表示され、実行ボタンB04をユーザが押すと、情報端末2は、ユーザが選択した抽選の抽選IDを含む抽選の実行依頼を情報処理装置1に送信する。抽選管理部133は、抽選の実行依頼を取得すると、実行依頼に含まれる抽選IDに基づいて、排出されるゲーム媒体を決定し、決定したゲーム媒体を示す情報を情報端末2に送信する。抽選において排出されるゲーム媒体を決定する方法については後述する。
図6に示す画面において、鍵マークが表示されたボタンB05は、対応する分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たしておらず、押せないように構成されている。
【0037】
解放条件を満たしていないストーリー抽選が選択された場合に選択されたストーリー抽選の解放条件を表示するよう構成されてもよい。
図7は、この場合に情報端末2が表示する画面の一例を示す図である。
図7に示す画面においては、解放条件を満たしていないストーリー抽選Cを実行するためのボタンB05がユーザにより選択されている。この場合、情報端末2は、ストーリー抽選Cを解放するための解放条件を表示する。
【0038】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザにストーリー抽選を実行するためにより多くの分岐ストーリーを攻略する動機を与え、ユーザのゲームの飽きを抑制することができる。
【0039】
情報処理システムSにおいて提供されるゲームにおいては、クリア済みのストーリーを再度プレイするための再開箇所が予め設定されていてもよい。再開箇所は、一例としてメインストーリーを構成する各チャプタの開始点である。
【0040】
受付部131は、ストーリーの進行過程においてユーザが到達した箇所であって、ストーリーを再開する箇所として定められた再開箇所の選択をさらに受付ける。一例として、情報端末2は、情報処理装置1にストーリーの進行状況を問い合わせる。進行管理部132は、ユーザが再開可能な再開箇所を示す情報を情報端末2に送信する。情報端末2は、ストーリーの再開箇所を選択可能に表示する画面を表示する。情報端末2は、ユーザが選択した再開箇所を示す情報を情報処理装置1に送信し、受付部131は、これを取得する。
【0041】
進行管理部132は、受付部131が受付けた再開箇所からストーリーを進行させる。進行管理部132は、受付部131が受付けた再開箇所からストーリーを進行させるよう情報処理装置1に指示する。進行管理部132は、進行中のストーリーとして、受付部131が受付けた再開箇所に対応するストーリーを示す情報を記憶してもよい。
【0042】
抽選管理部133は、解放条件を満たした分岐ストーリーとは異なる分岐ストーリーにおける進行状況が解放条件を満たした場合に、解放条件を満たした分岐ストーリーそれぞれに対応するストーリー抽選の実行をユーザに許可する。抽選管理部133は、記憶部12が記憶する抽選管理テーブルの解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選に解放済みフラグを設定する。
【0043】
情報処理装置1がこのように構成されることで、一例として、ユーザは解放したいストーリー抽選の解放条件の最寄りの再開箇所からゲームを再開することが可能となり、ユーザのゲームをプレイするモチベーションを維持することができる。
【0044】
ストーリー抽選は通常の抽選より有利なゲーム媒体を獲得できる可能性が高く設定されるため、ユーザが限度なくストーリー抽選を実行できるようにすると、ユーザが有利なゲーム媒体をすぐに獲得し、ゲームに飽きてしまう問題が生じうる。そこで、情報処理システムSにおいて提供されるゲームにおいては、ストーリー抽選の実行回数に制限が設けられていてもよい。
【0045】
抽選管理部133は、解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選それぞれを、所定の期間毎に定められた上限回数を上限としてユーザに実行を許可する。所定の期間は例えば1日である。記憶部12が記憶する抽選管理テーブルにおいては、ユーザがストーリー抽選を実行可能な回数をストーリー抽選ごとに記憶されていてもよい。また、抽選管理テーブルにおいては、ストーリー抽選を実行可能な回数は無償で実行できる回数と、有償で購入可能なゲーム媒体を使用して実行可能なアイテムを使用して実行できる回数と、が管理されていてもよい。一例として、抽選管理部133は、情報端末2から抽選の実行依頼を取得した場合、抽選管理テーブルを参照し、抽選管理テーブルにおいて当該抽選の実行回数が予め設定された閾値を超えているか否かを判定し、予め設定された閾値を超えていない場合に、ストーリー抽選の実行を情報端末2に許可する。
【0046】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザが有利なゲーム媒体をすぐに獲得し、ゲームに飽きてしまうことを抑制するという効果を奏する。
【0047】
所定の条件を満たしたユーザには抽選の実行回数の制限を撤廃するよう情報処理装置1が構成されてもよい。具体的には、抽選管理部133は、ユーザによる、解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選それぞれの実行回数が上限回数以上である場合に、上限回数を超えて該ストーリー抽選を実行するためのアイテム(以下、「抽選チケット」と言う)と引き換えに、ストーリー抽選の実行を許可する。
図6に示す画面においては、「チケットを使用」と表示されたボタンB06が表示されている。ユーザが情報端末2に表示されたB06のボタンを押すと、抽選管理部133は、当該ユーザのゲーム媒体管理テーブルから抽選チケットの保有数を1減少させ、抽選チケットを使用した時刻が属する所定の期間内においては、ストーリー抽選の実行回数に関わらず当該ストーリー抽選の実行を当該ユーザに実行させる。抽選管理部133は、ユーザが抽選チケットを使用した場合、有償で購入できるゲーム媒体の使用を条件にストーリー抽選の実行を許可してもよい。
【0048】
なお、抽選チケットは、分岐ストーリーのクリアを条件として付与するように情報処理装置1が構成されてもよい。このように構成されることで、ユーザにストーリーを何度もプレイする動機付けをすることができる。
【0049】
ストーリー抽選それぞれに異なるゲーム媒体が排出されるよう設定されることで、様々なゲーム媒体を入手するために分岐ストーリーを攻略するようユーザを動機づけることができる。
【0050】
図8は、記憶部12が記憶する排出テーブルのデータ構造の一例を示す図である。排出テーブルは、抽選において排出されるゲーム媒体を決定するために用いられるテーブルである。抽選管理部133は、抽選の実行依頼を受付けた際、排出テーブルを参照し、排出するゲーム媒体を決定する。排出テーブルにおいては、「抽選ID」と、「媒体ID」と、「排出確率」と、が関連付けられている。「抽選ID」は、抽選の種類を示すIDである。「媒体ID」及び「排出確率」はそれぞれ当該抽選において排出候補となるゲーム媒体の種類と排出される確率を示す。「排出確率」が0%のゲーム媒体は、当該抽選においては当該ゲーム媒体が排出されないことを示している。
【0051】
図8に示す排出テーブルにおいてそれぞれの抽選は、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が異なっている。一例として、
図8に示す抽選管理テーブルにおいては、「G102」の抽選においては、「O101」のゲーム媒体が排出されないように設定されている(「0%」)一方、「G101」の抽選においては、「O101」のゲーム媒体が排出されるように設定されている(「2%」)。
【0052】
ストーリー抽選は、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が、分岐ストーリーの進行状況に関わらず実行可能な抽選における排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率とは異なっていてもよい。一例として、ストーリー抽選においては、常設抽選と比較して有利なゲーム効果を発生させるゲーム媒体をより発生させやすく設定される。
図8に示す排出テーブルの例においては、「O101」と「O201」のゲーム媒体はゲームを有利に進める効果の高いゲーム媒体であるが、常設抽選である抽選ID「G001」の抽選では排出されないように設定されている一方、ストーリー抽選である抽選ID「G101」、「G102」、「G103」においては「O101」及び「O201」の少なくともいずれか排出されるように設定されている。
【0053】
分岐ストーリーのクリア回数に応じてゲーム媒体の排出内容が異なるよう情報処理装置1が構成されてもよい。すなわち、ストーリー抽選は、分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たした回数に応じて、排出候補のゲーム媒体の内容又は排出候補のゲーム媒体それぞれを排出する確率が異なる。具体的には、進行管理部132は、分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たした回数を記憶部12に記憶させてもよい。例えば、進行管理部132は、記憶部12が記憶する抽選管理テーブルにおける解放済みフラグに代えて又は加えて分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たした回数を記憶させてもよい。
【0054】
この場合に抽選管理部133が参照する排出テーブルのデータ構造の一例を
図9に示す。
図9に示す排出テーブルにおいては「達成回数」がさらに関連付けられている。「達成回数」は、当該抽選の解放条件となる分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たした回数である。
図9に示す排出テーブルにおいては達成回数ごとに異なる排出内容が設定されている。一例として、達成回数の値が大きくなるほどゲームを有利に進める効果を有するアイテムが排出されやすくなるよう設定される。
【0055】
抽選管理部133は、情報端末2から抽選の実行依頼を取得した場合、抽選管理テーブルを参照し、当該ユーザの達成回数に対応するゲーム媒体の排出確率を参照し、排出するゲーム媒体を決定する。
【0056】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザがより有利な効果を有するゲーム媒体を入手するために解放条件を満たすよう何度もプレイすることが期待でき、ユーザの飽きを防止することができる。
【0057】
ストーリー抽選の実行回数に応じて付与される特典が異なると、ストーリー抽選を実行するためにより多くのストーリーを攻略するようユーザを動機づけることができる。
【0058】
特典付与部134は、ユーザが特典としてゲーム媒体を付与する条件(以下、「特典付与条件)と言う)を満たした場合に、ストーリー抽選の実行回数に応じて異なるゲーム媒体を付与する。特典としてゲーム媒体を付与する条件は、例えばゲームにログインすることや所定のストーリーをクリアすること等である。この場合、抽選管理部133は、ストーリー抽選を実行する際、実行回数を記憶部12に記憶させる。
【0059】
記憶部12においては、ユーザが特典付与条件を満たした場合に付与される特典の内容を示す特典テーブルが記憶されている。
図10は、記憶部12が記憶する特典テーブルのデータ構造の一例を示す図である。特典テーブルにおいては、「特典種別」、「ストーリー抽選実行回数」及び「ゲーム媒体」が関連付けられている。「特典種別」は、特典が付与される条件に対応する情報であり、例えば「ログインボーナス」や「クリアボーナス」等である。「ストーリー抽選実行回数」は、ストーリー抽選の実行回数がその条件を満たした場合に対応するゲーム媒体が排出されることを示す。「ストーリー抽選実行回数」に値が無いレコードは、ストーリー抽選の実行回数がいずれにも合致しない場合に選択されるレコードであることを示す。「ゲーム媒体」は、当該条件に合致する場合に排出されるゲーム媒体を示す。一例として、ストーリー抽選の実行回数に条件が設定された場合に排出されるゲーム媒体は、ストーリー抽選の実行回数に条件がない場合に排出されるゲーム媒体に対してより有利な効果を有するゲーム媒体が設定される。
【0060】
特典付与部134は、ユーザが特典付与条件を満たした場合、記憶部12を参照し、当該ユーザのストーリー抽選の実行回数を取得する。特典付与部134は、特典テーブルを参照し、ユーザが満たした特典付与条件に対応する特典種別及びユーザのストーリー抽選の実行回数に対応するゲーム媒体を特定し、特定したゲーム媒体をユーザに付与することを決定する。
【0061】
情報処理装置1がこのように構成されることで、より有利な特典を入手するためにストーリーを攻略するようユーザを動機づけ、ユーザの飽きを抑制することができる。
【0062】
ストーリー抽選によってのみ獲得可能な特定のゲーム媒体を入手することにより、選択できるストーリーを有するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0063】
受付部131は、ストーリー抽選によって排出される所定のゲーム媒体が排出されたユーザに対して、所定のストーリーの選択を受付ける。所定のストーリーは、メインストーリーと分岐ストーリーとのいずれとも異なるストーリーであり、条件を満たした場合に選択できるように設定されたストーリーである。
【0064】
具体的には、受付部131は、記憶部12が記憶するユーザが保有するゲーム媒体を参照し、ユーザが所定のゲーム媒体を保有しているか否かを判定する。所定のゲーム媒体は、ストーリー抽選によってのみ獲得することが可能なゲーム媒体である。受付部131は、ユーザが所定のゲーム媒体を保有している場合、所定のストーリーを選択可能に構成された選択画面をユーザの情報端末2に表示させ、情報端末2は、ユーザによるストーリーの選択を受付け、情報処理装置1にユーザの選択を送信する。
【0065】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図11は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、情報処理装置1がユーザによる選択を受付けた時点から開始している。
【0066】
受付部131は、ユーザの分岐ストーリーの選択を受付ける(S01)。進行管理部132は、受付部131が受付けた選択に対応する分岐ストーリーを進行させる(S02)。
【0067】
抽選管理部133は、分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たすか否かを判定する(S03)。分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たさない場合(S03におけるNO)、情報処理装置1は、処理を終了する。分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たす場合(S03におけるYES)、抽選管理部133は、解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選を実行可能にする(S04)。そして、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0068】
[情報処理装置1による効果]
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザのゲームの飽きを抑制するという効果を奏する。
【0069】
<第2の実施形態>
上記の実施例においては、情報処理装置1においてストーリー抽選を実行可能にする処理が行われることを説明したが、情報端末2において解放条件を満たした場合にストーリー抽選を実行可能にする処理がされるよう構成されてもよい。この場合の情報端末2の構成について
図12に示す。
【0070】
情報端末2は、通信部21、入力部22、表示部23、記憶部24及び制御部25を有する。制御部25は、選択受付部251、取得部252及び提示部253を有する。
【0071】
通信部21は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。入力部22は、ユーザの入力を受付けるためのデバイスであり、例えばタッチパネルやキーボードである。表示部23は、提示部253が生成した画面を表示するためのディスプレイである。
【0072】
記憶部24は、ROM、RAM、SSD、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部24は、制御部25が実行するプログラムを予め記憶している。制御部25は、例えばCPU等のプロセッサである。制御部25は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、選択受付部251、取得部252及び提示部253として機能する。
【0073】
選択受付部251は、ゲームにおけるストーリーの進行過程においてそれぞれが複数の選択肢を有する複数の分岐が設けられたストーリーの各分岐においてユーザのストーリー選択を受付け、受付けたユーザのストーリー選択を、ゲームを管理する情報処理装置1送信する。
【0074】
取得部252は、選択受付部251が受付けたストーリー選択に対応するストーリーとして情報処理装置1において特定された進行対象の分岐ストーリーを示す情報と、ゲームの進行状況を示す情報と、を情報処理装置1から取得する。取得部252は、ログイン時等の所定のタイミングでゲームの進行状況を情報処理装置1に問い合わせる。取得部252は当該ユーザに対して実行可能に設定されている抽選を問い合わせてもよい。
【0075】
提示部253は、取得部252が取得した進行対象の分岐ストーリーを示す情報に対応する画面を提示する。また、提示部253は、取得部252が取得したゲームの進行状況を示す情報が示す分岐ストーリーの進行状況が解放条件を満たす場合に、ゲーム内で使用できるゲーム媒体を排出するための抽選のうち、分岐ストーリーそれぞれに対応する抽選であるストーリー抽選であって、解放条件を満たした分岐ストーリーに対応するストーリー抽選を選択可能に表示する画面をさらに提示する。すなわち、提示部253は、取得部252が取得したゲームの進行状況を示す情報に基づいて、
図6に示す画面を表示部23に表示させる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0077】
1 情報処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
21 通信部
22 入力部
23 表示部
24 記憶部
25 制御部
131 受付部
132 進行管理部
133 抽選管理部
134 特典付与部
251 選択受付部
252 取得部
253 提示部