(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124194
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032194
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉永 和治
(72)【発明者】
【氏名】高木 大樹
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022LL07
3F022MM57
(57)【要約】
【課題】走行フロアで停止した搬送車に対するアクセスが容易となる物品搬送設備を実現する。
【解決手段】第2走行フロアF2は、第1走行フロアF1よりも上側であって上下方向視で第1走行フロアF1と重複するように配置されている。第1走行フロアF1は、上下方向視で第2走行フロアF2の外縁2Eから外側に張り出す外側張出部10を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送車と、
前記搬送車が走行可能な第1走行フロア及び第2走行フロアと、を備えた物品搬送設備であって、
前記第2走行フロアは、前記第1走行フロアよりも上側であって上下方向視で前記第1走行フロアと重複するように配置され、
前記第1走行フロアは、上下方向視で前記第2走行フロアの外縁から外側に張り出す外側張出部を備える、物品搬送設備。
【請求項2】
水平面に沿う特定の方向を第1方向とし、上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記第1走行フロアには、前記第1方向に沿って延在する複数の第1走行経路が、前記第2方向に互いに隣接して配置され、
前記第2走行フロアには、前記第1方向に沿って延在する複数の第2走行経路が、前記第2方向に互いに隣接して配置され、
前記第1走行経路の本数は、前記第2走行経路の本数よりも多く、
上下方向視において、前記第2走行フロアに対して前記第2方向の外側に、少なくとも1本の前記第1走行経路が配置されている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記搬送車に電力を供給する充電ステーションを備え、
前記充電ステーションは、少なくとも前記第2走行フロアに設けられ、
前記第2走行フロアに設けられた前記充電ステーションは、前記第2走行フロアにおける前記第2方向の最外側に配置された前記第2走行経路から、前記第2方向の外側に張り出している、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第1走行フロアと前記第2走行フロアとの間で前記搬送車を昇降させると共に、互いに水平方向に離間して配置された第1リフタ及び第2リフタを備え、
前記第1走行フロアと前記第2走行フロアとのそれぞれに、前記第1リフタと前記第2リフタとを繋ぐリフタ間経路が設けられ、
前記第1リフタと前記第2リフタと前記リフタ間経路との組が、複数並んで配置され、
上下方向視において、隣り合う前記リフタ間経路同士の間に、前記外側張出部が配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送車と、前記搬送車が走行可能な第1走行フロア及び第2走行フロアと、を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2022-050240号公報(特許文献1)には、無人搬送車を用いて荷物を搬送する設備が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に記載された設備では、搬送路(30)の全体は、搬送車(10)が走行可能なようにほぼ平滑に連続して繋がっている。搬送車(10)は、同一の走行フロアに設定された搬送路(30)を走行することで、搬送エリア(A1)でピックアップした物品を作業エリア(A2)へ搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建屋内の同一空間内に、上記のような搬送路が設定された走行フロアを上下方向に複数層設けることが考えられる。これにより、設備全体として、ハンドリング可能な物品数を増やすことができ、搬送能力を高めることが可能となる。しかしながら、このように複数の走行フロアを設けた場合の問題点として以下が挙げられる。下側の走行フロアは作業者の立ち入りが比較的容易であるため、例えば当該下側の走行フロアにおいて搬送車が異常停止した場合であっても、作業者は、異常停止した搬送車に対してアクセスし易い。一方で問題となるのが、上側の走行フロアである。下側の走行フロアよりも高い位置にある上側の走行フロアは、作業者の立ち入りが困難である場合があり、そのような場合には、作業者は、当該上側の走行フロアで異常停止した搬送車に対してアクセスし難い。
【0006】
上記実情に鑑みて、走行フロアで停止した搬送車に対するアクセスが容易となる物品搬送設備の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
物品を搬送する搬送車と、
前記搬送車が走行可能な第1走行フロア及び第2走行フロアと、を備えた物品搬送設備であって、
前記第2走行フロアは、前記第1走行フロアよりも上側であって上下方向視で前記第1走行フロアと重複するように配置され、
前記第1走行フロアは、上下方向視で前記第2走行フロアの外縁から外側に張り出す外側張出部を備える。
【0008】
本構成によれば、第2走行フロアよりも下側に配置された第1走行フロアは、比較的作業者が立ち入り易いため、第1走行フロアにおいて搬送車が異常停止した場合であっても、作業者は、第1走行フロアに立ち入ることで当該搬送車にアクセスすることができる。第1走行フロアよりも上側に配置された第2走行フロアにおいて搬送車が異常停止した場合には、作業者は、第1走行フロアの外側張出部に載った状態で、手を伸ばすなどして、第2走行フロアで停止した搬送車に対して比較的容易にアクセスすることが可能となる。以上より、本構成によれば、走行フロアで停止した搬送車に対するアクセスが容易となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1走行フロア及び第2走行フロアのそれぞれを示す平面図
【
図2】第1走行フロア及び第2走行フロアのそれぞれを概略的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
物品搬送設備は、物品を搬送する搬送車と、搬送車が走行可能な第1走行フロア及び第2走行フロアと、を備えている。以下、物品搬送設備の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
以下では、水平面に沿う特定の方向を「Y方向」とし、上下方向視でY方向に直交する方向を「X方向」とする。また、X方向における一方側を「X方向第1側X1」とし、他方側を「X方向第2側X2」とする。Y方向は、「第1方向」に相当する。X方向は、「第2方向」に相当する。
【0013】
図1に示すように、物品搬送設備100は、床面9と、第1階層の走行フロアFである第1走行フロアF1と、第2階層の走行フロアFである第2走行フロアF2と、第1走行フロアF1と第2走行フロアF2との間で搬送車1(
図2参照)を昇降させると共に、互いに水平方向に離間して配置された第1リフタL1及び第2リフタL2と、を備えている。
【0014】
本実施形態では、第1階層と第2階層とは、上下方向に互いに隣接する階層である。床面9よりも上側に第1階層が配置されている。第1階層よりも上側に第2階層が配置されている。すなわち、床面9よりも上側に第1走行フロアF1が配置され、第1走行フロアF1よりも上側に第2走行フロアF2が配置されている(
図4も参照)。
【0015】
物品搬送設備100は、搬送車1に対して物品G(
図2参照)を供給する物品供給部2と、搬送車1によって搬送された物品Gを受け入れる物品受入部3と、を備えている。本実施形態では、物品搬送設備100には、物品供給部2から供給された物品Gを搬送車1に引き渡す作業が行われる作業エリアWAが設けられている。物品供給部2は、作業エリアWAに隣接して配置されている。また、物品搬送設備100には、物品受入部3で受け入れられた物品Gの仕分け作業が行われる仕分けエリアSAが設けられている。物品受入部3は、仕分けエリアSAに隣接して配置されている。本実施形態では、第1階層のみに、作業エリアWAと仕分けエリアSAとが配置されている。
【0016】
第1走行フロアF1と第2走行フロアF2とのそれぞれに、第1リフタL1と第2リフタL2とを繋ぐリフタ間経路Rbが設けられている。搬送車1は、リフタ間経路Rbを走行することにより、第1リフタL1と第2リフタL2との間を移動することができる。
【0017】
本実施形態では、リフタ間経路RbにおけるX方向第1側X1の端部に、第1リフタL1が配置されている。リフタ間経路RbにおけるX方向第2側X2の端部に、第2リフタL2が配置されている。
【0018】
本実施形態では、第1リフタL1と第2リフタL2と第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbと第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbとが、搬送ユニットUを構成している。すなわち、第1リフタL1及び第2リフタL2と、各走行フロアFにおいてこれらの各リフタ(L1,L2)を繋ぐリフタ間経路Rbとが、搬送ユニットUを構成している。
【0019】
本実施形態では、搬送ユニットUが、Y方向に並んで複数配置されている。
図1に示す例では、3つの搬送ユニットUが、Y方向に並んで配置されている。但し、搬送ユニットUの数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0020】
第1走行フロアF1と第2走行フロアF2とのそれぞれに、複数の搬送ユニットUのリフタ間経路RbをY方向に接続する接続エリアAcが設けられている。第1走行フロアF1と第2走行フロアF2とのそれぞれにおいて、接続エリアAcが各リフタ間経路Rbを接続している。搬送車1は、接続エリアAcを介して、各リフタ間経路Rbを行き来することができる。
【0021】
本実施形態では、第1走行フロアF1には、Y方向に沿って延在する複数の第1走行経路R1が、X方向に互いに隣接して配置されている。本例では、複数の第1走行経路R1が、第1走行フロアF1における接続エリアAcに配置されている。図示の例では、6本の第1走行経路R1が、接続エリアAcにおいて、X方向に互いに隣接して配置されている。搬送車1は、第1走行経路R1を走行することによって、第1走行フロアF1において各リフタ間経路Rbを行き来することができる。
【0022】
本実施形態では、第2走行フロアF2には、Y方向に沿って延在する複数の第2走行経路R2が、X方向に互いに隣接して配置されている。本例では、複数の第2走行経路R2が、第2走行フロアF2における接続エリアAcに配置されている。図示の例では、4本の第2走行経路R2が、接続エリアAcにおいて、X方向に互いに隣接して配置されている。搬送車1は、第2走行経路R2を走行することによって、第2走行フロアF2において各リフタ間経路Rbを行き来することができる。
【0023】
本実施形態では、物品搬送設備100は、搬送車1に電力を供給する充電ステーション6を備えている。充電ステーション6は、少なくとも第2走行フロアF2に設けられている。本実施形態では、充電ステーション6は、第1走行フロアF1にも設けられている。図示の例では、充電ステーション6は、各走行フロアFにおける接続エリアAcに設けられている。
【0024】
次に、物品搬送設備100の概略構成について、
図2を主に参照して説明する。
図2は、第1走行フロアF1及び第2走行フロアF2のそれぞれを概略的に示す平面図であり、1つの搬送ユニットUを示している。なお、
図2は、物品搬送設備100の概略構成を簡潔に説明するための図である。従って、
図2においては、物品搬送設備100の概略構成の説明に不要な要素は省略し、或いは、説明に必要な要素であっても簡略化して示している。
【0025】
図2に示すように、物品搬送設備100は、第1走行フロアF1及び第2走行フロアF2のそれぞれに形成された走行面Ffを走行する搬送車1を備えている。各階層の走行フロアFにおいて、複数の搬送車1が走行面Ffを走行している。
【0026】
本実施形態では、物品搬送設備100には、設備全体における物品Gの搬送を制御する制御装置Mが設けられている。制御装置Mは、複数の搬送車1を制御するように構成されている。制御装置Mは、各搬送車1に対して、搬送指令や待機指令などを行う。搬送指令では、物品Gの搬送元と搬送先とが指定される。搬送指令を受けた搬送車1は、指定された搬送元において物品Gを受け取ると共に、指定された搬送先へ当該物品Gを搬送する。また、待機指令では、待機場所が指定される。待機指令を受けた搬送車1は、指定された待機場所まで走行して、その場で次の指令等を受けるまで待機する。
【0027】
搬送車1は、無人で走行するように構成されている。本実施形態では、搬送車1には、バッテリ(蓄電装置)が搭載されており、バッテリに蓄えられた電力を駆動源として動作するように構成されている。上述のように、物品搬送設備100には充電ステーション6(
図1参照)が設けられており、搬送車1は、バッテリの蓄電量が少なくなった場合には、充電ステーション6において充電することができる。
【0028】
詳細な図示は省略するが、本実施形態では、走行フロアFにおける複数箇所に、位置情報を保持した位置情報保持部が設けられている。位置情報保持部には、当該位置情報保持部が設けられた位置を示すアドレス情報が含まれている。搬送車1は、位置情報保持部を検出するための検出部(不図示)を備えており、この検出部によって位置情報保持部を検出することにより、検出時における自車の現在位置を把握可能となっている。搬送車1は、複数の位置情報保持部を順次読み取りながら、目的の場所に向かって走行する。例えば、位置情報保持部として、識別情報を保有した1次元コード又は2次元コードを用いることができる。或いは、位置情報保持部として、識別情報を保有したRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag)を用いることができる。
【0029】
上述のように、物品搬送設備100は、搬送車1に物品Gを供給する物品供給部2と、搬送車1によって搬送された物品Gを受け入れる物品受入部3と、を備えている。また、作業エリアWAが、物品供給部2に隣接して配置されている。作業エリアWAでは、物品供給部2から供給された物品Gを搬送車1に引き渡す作業が行われる。また、仕分けエリアSAが、物品受入部3に隣接して配置されている。仕分けエリアSAでは、物品受入部3に受け入れられた物品Gの仕分け作業が行われる。
【0030】
本実施形態では、第1走行フロアF1のみに、物品供給部2と物品受入部3とが配置されている。換言すれば、第1走行フロアF1のみに、作業エリアWAと仕分けエリアSAとが配置されている。そして、第1走行フロアF1において、リフタ間経路Rbに隣接するように、物品受入部3が配置されている。但し、上記のような構成に限定されることなく、物品供給部2と物品受入部3とは、第2走行フロアF2に配置されていてもよい。
【0031】
作業エリアWAは、第1走行フロアF1における複数のリフタ間経路Rbのそれぞれに対して、隣接するように配置されている。すなわち、第1走行フロアF1における複数のリフタ間経路Rb(
図1に示す例では3つのリフタ間経路Rb)と同数の作業エリアWAが設けられている。
【0032】
物品供給部2からの物品Gは、当該物品Gのまま、或いは容器Cに収容された状態で搬送車1に供給される。本実施形態では、物品供給部2は、物品Gを、供給容器Cpに収容した状態で作業エリアWAに供給する。作業エリアWAでは、供給容器Cpに収容された物品Gを取り出して、リフタ間経路Rbで待機する搬送車1に当該物品Gを引き渡す作業が行われる。すなわち本実施形態では、搬送車1への物品Gの引き渡しは、供給容器Cpとは別の容器Cに物品Gを収容した状態で行われてもよいし、物品Gを容器Cに収容することなくそのまま引き渡す態様で行われてもよい。この引渡作業を介して、物品供給部2から搬送車1へ物品Gが供給される。本実施形態では、作業エリアWAでの上記作業が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって上記作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって上記作業が行われてもよい。
【0033】
搬送車1は、物品G又は物品Gが収容された容器Cを搬送するように構成されている。搬送車1は、物品供給部2から供給された物品G、本例では作業エリアWAにて受け取った物品G又は物品Gが収容された容器Cを、物品受入部3に搬送する。
【0034】
物品受入部3は、作業エリアWAとは離れた場所において、リフタ間経路Rbに対してY方向に隣接して設けられている。本例では、リフタ間経路Rbに対してY方向の両側のそれぞれに、物品受入部3が設けられている。
【0035】
本実施形態では、物品受入部3は、X方向に沿って並んで配置された複数の搬送機構30を備えている。複数の搬送機構30のそれぞれは、搬送車1から受け入れた物品G又は物品Gが収容された容器Cを、Y方向に沿って搬送するように構成されている。搬送機構30は、例えば、コンベヤ、又はシュートを用いて構成される。
【0036】
上述のように、物品受入部3に隣接して、仕分けエリアSAが配置されている。物品受入部3における搬送機構30によってY方向の外側へ搬送された物品G又は物品Gが収容された容器Cは、仕分けエリアSAへ搬送される。すなわち、搬送車1は、物品供給部2にて受け取った物品G又は物品Gが収容された容器Cを仕分けエリアSAに搬送するように構成されている。本例では、搬送車1は、物品受入部3の搬送機構30を介して、物品供給部2にて受け取った物品G又は物品Gが収容された容器Cを仕分けエリアSAに搬送する。
【0037】
仕分けエリアSAでは、搬送車1によって搬送された物品Gの仕分け作業が行われる。仕分け作業は、予め定められたオーダー情報に基づいて行われる。例えば、オーダー情報には、例えば、顧客情報、出荷先情報、物品種別情報などの各種情報が含まれる。
【0038】
本実施形態では、搬送車1が、容器Cに収容された物品Gを仕分けエリアSAに搬送する場合には、仕分けエリアSAでは、容器Cから物品Gを取り出す取出作業が行われる。すなわち、仕分け作業には、搬送車1によって搬送された容器Cから物品Gを取り出す取出作業が含まれる。本実施形態では、仕分けエリアSAでの仕分け作業(上記取出作業を含む)が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって仕分け作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって仕分け作業が行われてもよい。
【0039】
仕分けエリアSAにおいて仕分けられた物品Gは、搬出コンベヤ5(
図1参照)によって、仕分けエリアSA外へ搬出され、例えば次の工程が行われる場所へと搬送される。
【0040】
仕分けエリアSAでの取出作業により、容器Cと物品Gとが分離され、空の容器Cが発生する。本実施形態では、仕分けエリアSAでの取出作業によって発生した空の容器Cを回収する空容器回収コンベヤ4が、物品受入部3が配置された走行フロアF(本例では第1走行フロアF1)に設けられている。
【0041】
本実施形態では、空容器回収コンベヤ4は、作業エリアWAに隣接する位置まで延在している。本例では、空容器回収コンベヤ4は、作業エリアWAの内部まで延在している。空容器回収コンベヤ4によって回収された空の容器Cは、作業エリアWAまで搬送され、作業エリアWAでの作業に再利用される。
【0042】
搬送車1は、第1走行フロアF1において物品Gを仕分けエリアSA(物品受入部3)に引き渡した後は、第1リフタL1に乗って、第2走行フロアF2へ向かう。そして、搬送車1は、第2走行フロアF2を走行して第2リフタL2に乗り、再び第1走行フロアF1へ戻る。戻った搬送車1は、上記同様に、作業エリアWA(物品供給部2)において物品Gを受け取り、当該物品Gを仕分けエリアSA(物品受入部3)へ搬送する。
【0043】
本実施形態では、第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbと第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbとは、互いに平行であり、搬送車1の走行を許容する向きがX方向において互いに反対側を向くように設定されている。
【0044】
本実施形態では、搬送車1は、第1走行フロアF1のリフタ間経路RbをX方向第1側X1に向けて走行するように構成されている。また、搬送車1は、第2走行フロアF2のリフタ間経路RbをX方向第2側X2に向けて走行するように構成されている。
【0045】
本実施形態では、第1リフタL1は、搬送車1の上昇用に設定されている。すなわち、第1リフタL1は、第1走行フロアF1から第2走行フロアF2へ搬送車1を移動させるためのリフタである。
【0046】
本実施形態では、第2リフタL2は、搬送車1の下降用に設定されている。すなわち、第2リフタL2は、第2走行フロアF2から第1走行フロアF1へ搬送車1を移動させるためのリフタである。
【0047】
本実施形態では、搬送車1は、下降用の第2リフタL2の出口から第1走行フロアF1に出て、作業エリアWAにおいて物品Gを受け取る。その後、搬送車1は、物品Gを保持した状態で第1走行フロアF1のリフタ間経路RbをX方向第1側X1に向けて走行し、仕分けエリアSAにおいて当該物品Gを引き渡す。さらにその後、搬送車1は、第1走行フロアF1から上昇用の第1リフタL1に進入し、第2走行フロアF2へ向かう。搬送車1は、上昇用の第1リフタL1の出口から第2走行フロアF2に出て、第2走行フロアF2のリフタ間経路RbをX方向第2側X2に向けて走行する。そして、搬送車1は、下降用の第2リフタL2に進入し、第1走行フロアF1へ向かう。このようにして、搬送車1は、第1走行フロアF1と第2走行フロアF2とを循環する。
【0048】
ここで、走行フロアFで搬送車1が異常停止した場合には、当該搬送車1の修理や回収を行う必要がある。そのため、走行フロアFで異常停止した搬送車1に対して作業者Wがアクセス可能であることが求められる。本開示に係る物品搬送設備100は、走行フロアFで停止した搬送車1に対する作業者Wのアクセスを容易とするものである。以下、詳細に説明する。
【0049】
図3は、物品搬送設備100の要部を示す平面図である。
図3では、第1走行フロアF1と第2走行フロアF2とを、上下方向視で重ね合わせて示しており、双方のフロアを区別し易いために第2走行フロアF2を灰色に着色して示している。なお、
図3では、以下の説明に不要な要素は省略している。
【0050】
第2走行フロアF2は、第1走行フロアF1よりも上側であって上下方向視で第1走行フロアF1と重複するように配置されている。少なくとも、第2走行フロアF2における接続エリアAcの全体が、第1走行フロアF1における接続エリアAcに対して上下方向視で重複している。さらに本例では、第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbにおける、接続エリアAcからX方向に突出する部分の一部Rbpが、第1走行フロアF1の接続エリアAcに対して上下方向視で重複している。
【0051】
第1走行フロアF1には、作業者Wが第1走行フロアF1に立ち入るための進入口Enが設けられている。作業者Wは、第1走行フロアF1においてメンテナンスの必要性が生じた場合に、進入口Enから第1走行フロアF1に立ち入ることができる。作業者Wは、第1走行フロアF1で搬送車1が異常停止した場合に、進入口Enから第1走行フロアF1に立ち入ることで、異常停止した搬送車1に対してアクセスすることができる。作業者Wが第1走行フロアF1に立ち入る場合には、少なくとも、作業者Wが立ち入るエリアでの搬送車1の走行が禁止される。なお、以下では、異常停止した搬送車1を「異常停止車1t」と称することがある。
【0052】
本実施形態では、進入口Enは、複数の搬送ユニットU毎に設けられている。本例では、物品搬送設備100は、3つの搬送ユニットUを備えており、これらの各搬送ユニットUに隣接するように進入口Enが設けられている。
【0053】
第1走行フロアF1は、上下方向視で第2走行フロアF2の外縁2Eから外側に張り出す外側張出部10を備えている。外側張出部10は、作業者Wが載ることができる強度を備えている。換言すれば、外側張出部10は、作業者Wの足場として機能する。第2走行フロアF2で搬送車1が異常停止した場合には、作業者Wは、外側張出部10に載ることで、第2走行フロアF2に向けて手を伸ばすなどして、異常停止車1tにアクセスすることができる。
【0054】
図4に示すように、第1走行フロアF1と第2走行フロアF2との上下方向の間隔(以下、「フロア間隔D」と称する。)は、作業者Wの身長よりも短い。詳細には、フロア間隔Dは、平均的な作業者Wの身長(例えば、約1.7メートル)よりも短い。第2走行フロアF2は、概ね、第1走行フロアF1で直立姿勢となっている作業者Wの胸の高さに配置される。例えば、フロア間隔Dは、1.2~1.5メートルとされる。これにより、外側張出部10に載っている作業者Wが、第2走行フロアF2で停止している異常停止車1tに対して適切にアクセスすることができる。また、第1走行フロアF1に載っている作業者Wが、第2走行フロアF2の下を通ることができ、第1走行フロアF1で停止している異常停止車1tに対して無理なくアクセスすることができる。
【0055】
上述のように、本実施形態では、搬送ユニットUが、Y方向に並んで複数配置されている(
図1等参照)。すなわち、第1リフタL1と第2リフタL2とリフタ間経路Rbとの組が、複数並んで配置されている。
図3に示すように、本実施形態では、上下方向視において、隣り合うリフタ間経路Rb同士の間に、外側張出部10が配置されている。
【0056】
図3に示すように、本実施形態では、第2走行フロアF2の外縁2Eは、直線状の複数の辺2sを備えている。「第2走行フロアF2の外縁2E」とは、上下方向視において第2走行フロアF2の外形を示す縁である。本例では、複数の辺2sは、Y方向に沿って直線状に延在する複数の第1辺2syと、X方向に沿って直線状に延在する複数の第2辺2sxと、を含む。複数の第1辺2syと複数の第2辺2sxとを組み合わせることによって、第2走行フロアF2の外縁2Eが構成されている。
【0057】
本実施形態では、外側張出部10は、第2走行フロアF2の外縁2Eの少なくとも2つの辺2sに対して上下方向視で外側に張り出している。上記の少なくとも2つの辺2sに、互いに平行な向かい合う1組の辺が含まれる構成とすると好適である。この場合、第2走行フロアF2における当該1組の辺に挟まれた部分に対して、作業者Wは互いに反対側からアクセスすることが可能となる。例えば、
図3に示す例では、上記の少なくとも2つの辺2sに、互いに向かい合う1組の第1辺2syが含まれており、第2走行フロアF2における当該1組の第1辺2syに挟まれた部分に対して、作業者WはX方向の互いに反対側からアクセスすることができる。具体的には、第2走行フロアF2における当該1組の第1辺2syに挟まれた部分にある4本の第2走行経路R2のうち、X方向第1側X1の2本の第2走行経路R2に対して、作業者WはX方向第1側X1からアクセスすることができ、X方向第2側X2の2本の第2走行経路R2に対して、作業者WはX方向第2側X2からアクセスすることができる。
【0058】
本例では、第1走行フロアF1は、複数の外側張出部10を備えている。複数の外側張出部10は、第1外側張出部11と第2外側張出部12とを含む。第1外側張出部11は、第2走行フロアF2の外縁2Eが備える第1辺2sy及び第2辺2sxのそれぞれに対して上下方向視で外側に張り出している。第2外側張出部12は、第2走行フロアF2の外縁2Eが備える第2辺2sxのみに対して上下方向視で外側に張り出している。本例では、第1走行フロアF1における充電ステーション6が設けられたエリアが、第2外側張出部12となっている。以下、第1外側張出部11と第2外側張出部12とを特に区別しない場合には、これらを「外側張出部10」と総称する。
【0059】
上述のように、第1走行フロアF1には、Y方向に沿って延在する複数の第1走行経路R1が、X方向に互いに隣接して配置されている。また、第2走行フロアF2には、Y方向に沿って延在する複数の第2走行経路R2が、X方向に互いに隣接して配置されている。本実施形態では、第1走行経路R1の本数は、第2走行経路R2の本数よりも多い。そして、上下方向視において、第2走行フロアF2に対してX方向の外側に、少なくとも1本の第1走行経路R1が配置されている。本例では、上下方向視において、第2走行フロアF2に対してX方向の両外側のそれぞれに、少なくとも1本の第1走行経路R1が配置されている。図示の例では、第1走行経路R1の本数は「6本」であり、第2走行経路R2の本数は「4本」である。そして、第2走行フロアF2に対してX方向の両外側のそれぞれに、第1走行経路R1が1本ずつ配置されている。
【0060】
複数の第1走行経路R1のうち、上下方向視で第2走行フロアF2に対してX方向の外側に配置された第1走行経路R1の一部が、外側張出部10(第1外側張出部11)とされる。
【0061】
本実施形態では、第2走行フロアF2に設けられた充電ステーション6は、第2走行フロアF2におけるX方向の最外側に配置された第2走行経路R2から、X方向の外側に張り出している。そのため本実施形態では、複数の第1走行経路R1のうちX方向の最外側に配置された第1走行経路R1は、その一部が第2走行フロアF2の充電ステーション6と上下方向視で重複し、他の一部が上下方向視で第2走行フロアF2から外側に張り出している。当該第1走行経路R1のうち上下方向視で第2走行フロアF2から張り出した部分が、外側張出部10とされ、当該張り出した部分が第1外側張出部11とされる。
【0062】
本実施形態では、第2走行フロアF2における接続エリアAcの外縁2Eに沿って、搬送車1の落下を規制する落下規制壁7が設けられている。本例では、落下規制壁7の高さは、搬送車1の高さよりも低い(
図4参照)。これにより、第1走行フロアF1の外側張出部10に載っている作業者Wが、第2走行フロアF2で停止している異常停止車1tに対してアクセスする場合に、落下規制壁7が妨げとなり難い。
【0063】
上記の落下規制壁7によって、第2走行フロアF2における接続エリアAcの外縁2Eから搬送車1が落下することを規制することができる。しかし仮に、第2走行フロアF2における接続エリアAcの外縁2Eから搬送車1が落下することがあっても、当該搬送車1は、第1走行フロアF1の外側張出部10に落下することになる。そのため、床面9で作業をしている作業者Wに対して搬送車1が落下しないようにできる。そして、第1走行フロアF1には、作業者Wは通常立ち入ることはないため、第1走行フロアF1の外側張出部10に搬送車1が落下したとしても、作業者Wの安全性には悪影響を及ぼし難い。
【0064】
一方で、第1走行フロアF1は、上下方向視で第2走行フロアF2から外側に張り出していない部分を有している。本実施形態では、第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbと、第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbとが、上下方向視で重複(完全に重複)している。換言すれば、第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbは、第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbに対して、上下方向視で外側に張り出していない。そのため仮に、搬送車1が第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbから落下した場合には、当該搬送車1は直接床面9に落下することになる。
【0065】
そこで、本実施形態では、第2走行フロアF2におけるリフタ間経路Rbの縁に沿って、搬送車1の落下を規制する落下規制部材8が設けられている。詳細な図示は省略するが、落下規制部材8の高さは、上述の落下規制壁7の高さよりも高い。これにより、第2走行フロアF2におけるリフタ間経路Rbの縁から搬送車1が落下する可能性を低減し易い。さらに本例では、落下規制部材8の高さは、搬送車1の高さよりも高い。これにより、搬送車1が落下する可能性を更に低減できる。なお、落下規制部材8は、網目を有するネット部材を用いて構成されていると好適である。これによれば、落下規制部材8が搬送車1の高さより高くても、落下規制部材8の内側においてリフタ間経路Rbを走行する搬送車1を、作業者Wが外側から視認し易い。
【0066】
〔その他の実施形態〕
次に、その他の実施形態について説明する。
【0067】
(1)上記の実施形態では、第2走行フロアF2の外縁2Eは、直線状の複数の辺2sを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2走行フロアF2の外縁2Eは、直線状の複数の辺2sに代えて、或いは直線状の複数の辺2sに加えて、曲線状の辺を備えていてもよい。
【0068】
(2)上記の実施形態では、第2走行フロアF2に対してX方向の両外側のそれぞれに、第1走行経路R1が1本ずつ配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、2本以上の第1走行経路R1が、第2走行フロアF2に対してX方向の両外側のそれぞれに配置されていてもよい。また、第2走行フロアF2に対してX方向の両外側の何れかのみに、すなわち、一方側のみに、1本以上の第1走行経路R1が配置されていてもよい。
【0069】
(3)上記の実施形態では、第2走行フロアF2に設けられた充電ステーション6が、第2走行フロアF2におけるX方向の最外側に配置された第2走行経路R2から、X方向の外側に張り出している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2走行フロアF2に設けられた充電ステーション6は、第2走行経路R2内に配置されていてもよい。
【0070】
(4)上記の実施形態では、第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbと、第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbとが、上下方向視で重複(完全に重複)している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbと、第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbとは、上下方向視でずれて配置されていてもよい。例えば、第1走行フロアF1のリフタ間経路Rbは、第2走行フロアF2のリフタ間経路Rbから張り出す部分を有していてもよい。この場合、当該部分も「外側張出部10」となる。
【0071】
(5)上記の実施形態では、第2走行フロアF2における接続エリアAcの外縁2Eに沿って、搬送車1の落下を規制する落下規制壁7が設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、落下規制壁7は設けられていなくてもよい。
【0072】
(6)上記の実施形態では、第2走行フロアF2におけるリフタ間経路Rbの縁に沿って、搬送車1の落下を規制する落下規制部材8が設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、落下規制部材8は設けられていなくてもよい。
【0073】
(7)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0074】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記実施形態の概要について説明する。
【0075】
物品を搬送する搬送車と、
前記搬送車が走行可能な第1走行フロア及び第2走行フロアと、を備えた物品搬送設備であって、
前記第2走行フロアは、前記第1走行フロアよりも上側であって上下方向視で前記第1走行フロアと重複するように配置され、
前記第1走行フロアは、上下方向視で前記第2走行フロアの外縁から外側に張り出す外側張出部を備える。
【0076】
本構成によれば、第2走行フロアよりも下側に配置された第1走行フロアは、比較的作業者が立ち入り易いため、第1走行フロアにおいて搬送車が異常停止した場合であっても、作業者は、第1走行フロアに立ち入ることで当該搬送車にアクセスすることができる。第1走行フロアよりも上側に配置された第2走行フロアにおいて搬送車が異常停止した場合には、作業者は、第1走行フロアの外側張出部に載った状態で、手を伸ばすなどして、第2走行フロアで停止した搬送車に対して比較的容易にアクセスすることが可能となる。以上より、本構成によれば、走行フロアで停止した搬送車に対するアクセスが容易となる。
【0077】
水平面に沿う特定の方向を第1方向とし、上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記第1走行フロアには、前記第1方向に沿って延在する複数の第1走行経路が、前記第2方向に互いに隣接して配置され、
前記第2走行フロアには、前記第1方向に沿って延在する複数の第2走行経路が、前記第2方向に互いに隣接して配置され、
前記第1走行経路の本数は、前記第2走行経路の本数よりも多く、
上下方向視において、前記第2走行フロアに対して前記第2方向の外側に、少なくとも1本の前記第1走行経路が配置されている、と好適である。
【0078】
本構成によれば、複数の第1走行経路のうち、上下方向視で第2走行フロアに対して第2方向の外側に配置された第1走行経路が、外側張出部として活用される。従って、通常は搬送車が走行するための複数の第1走行経路のうち一部を、第2走行フロアの搬送車に対してアクセスするための外側張出部として活用することができる。
【0079】
前記搬送車に電力を供給する充電ステーションを備え、
前記充電ステーションは、少なくとも前記第2走行フロアに設けられ、
前記第2走行フロアに設けられた前記充電ステーションは、前記第2走行フロアにおける前記第2方向の最外側に配置された前記第2走行経路から、前記第2方向の外側に張り出している、と好適である。
【0080】
本構成によれば、充電ステーションに対するアクセスについても、第1走行フロアの外側張出部から行い易くなる。そのため本構成によれば、メンテナンス等の充電ステーションに対する作業の容易性を高め易い。
【0081】
前記第1走行フロアと前記第2走行フロアとの間で前記搬送車を昇降させると共に、互いに水平方向に離間して配置された第1リフタ及び第2リフタを備え、
前記第1走行フロアと前記第2走行フロアとのそれぞれに、前記第1リフタと前記第2リフタとを繋ぐリフタ間経路が設けられ、
前記第1リフタと前記第2リフタと前記リフタ間経路との組が、複数並んで配置され、
上下方向視において、隣り合う前記リフタ間経路同士の間に、前記外側張出部が配置されている、と好適である。
【0082】
本構成によれば、第2走行フロアにおける隣り合うリフタ間経路の間で異常停止した搬送車に対して、外側張出部から容易にアクセスすることが可能となる。例えば、リフタ間経路から他のリフタ間経路へ経路変更を行っている最中の搬送車が異常停止した場合であっても、当該搬送車に対して容易にアクセスできる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示に係る技術は、物品を搬送する搬送車と、前記搬送車が走行可能な第1走行フロア及び第2走行フロアと、を備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 :物品搬送設備
F :走行フロア
F1 :第1走行フロア
10 :外側張出部
R1 :第1走行経路
F2 :第2走行フロア
R2 :第2走行経路
2E :外縁
2s :辺
1 :搬送車
6 :充電ステーション
G :物品
W :作業者
Y :第1方向
X :第2方向