(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124199
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】リハビリ支援装置
(51)【国際特許分類】
G16H 20/30 20180101AFI20240905BHJP
【FI】
G16H20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032203
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】507126487
【氏名又は名称】公立大学法人奈良県立医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 健治
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの症状に適したリハビリ動画を精度よく選択してユーザに提示する。
【解決手段】リハビリ支援装置は、複数の症状特定用動画と、複数のリハビリ動画とを含む複数の動画を格納する第1格納装置(211)と、ユーザの操作を受け付ける第1操作入力装置(201)と、第1表示装置(202)と、第1制御装置(203)とを備える。第1制御装置(203)は、ユーザの要求に応じて第1格納装置(211)に格納されている複数の症状特定用動画のうちの少なくとも1つを第1表示装置(202)に表示させ、ユーザが症状特定用動画の視聴結果に基づいて第1操作入力装置(201)に入力した症状回答情報に基づいて複数のリハビリ動画のうちのいずれか1つを選択して第1表示装置(202)に表示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リハビリテーションを支援するためのリハビリ支援装置であって、
ユーザが自身の症状を自身で特定するための方法が各々に記録された複数の特定用動画と、症状に対して効果のあるリハビリ内容が各々に記録された複数のリハビリ動画とを含む複数の動画を格納する第1格納装置と、
ユーザの操作を受け付ける第1操作入力装置と、
前記ユーザに情報を表示する第1表示装置と、
前記第1表示装置に表示される情報を制御する第1制御装置とを備え、
前記第1制御装置は、
前記ユーザの要求に応じて前記第1格納装置に格納されている前記複数の特定用動画のうちの少なくとも1つを前記第1表示装置に表示させ、
前記ユーザが前記特定用動画の視聴結果に基づいて前記第1操作入力装置に入力した回答情報に基づいて前記複数のリハビリ動画のうちのいずれか1つを選択して前記第1表示装置に表示させる、リハビリ支援装置。
【請求項2】
前記第1制御装置は、
前記回答情報によって前記ユーザの症状が特定できる場合、前記回答情報によって特定される症状に対応するリハビリ動画を選択して前記第1表示装置に表示させ、
前記回答情報によって前記ユーザの症状を特定できない場合、前記第1表示装置に未だ表示させていない特定用動画を選択して前記第1表示装置に表示させる、請求項1に記載のリハビリ支援装置。
【請求項3】
前記第1格納装置に格納される前記複数の動画には、ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定するための方法が記録された効果判定用動画が含まれ、
前記第1制御装置は、前記ユーザの要求に応じて前記効果判定用動画を前記第1表示装置に表示させる、請求項1に記載のリハビリ支援装置。
【請求項4】
前記ユーザが自身の症状およびリハビリ動作の少なくとも一方を自身で撮影した動画である相談動画が入力される相談動画入力部と、
前記相談動画入力部に入力された前記相談動画を格納する第2格納装置と、
医療の専門家の操作を受け付ける第2操作入力装置と、
前記専門家に情報を表示する第2表示装置と、
前記専門家の要求に応じて前記第2格納装置に格納された前記相談動画を前記第2表示装置に表示させる第2制御装置と、
前記専門家が前記相談動画の視聴結果に基づいて前記第2操作入力装置に入力したアドバイス情報を格納する第3格納装置とをさらに備え、
前記第1制御装置は、前記ユーザの要求に応じて、前記第3格納装置に格納された前記アドバイス情報を前記第1表示装置に表示させる、請求項1に記載のリハビリ支援装置。
【請求項5】
前記第1格納装置に格納される前記複数の動画には、ユーザが前記相談動画を自身で撮影するための方法が記録された撮影説明動画が含まれ、
前記第1制御装置は、前記ユーザの要求に応じて、前記第1格納装置に格納された前記撮影説明動画を前記第1表示装置に表示させる、請求項4に記載のリハビリ支援装置。
【請求項6】
ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定した結果を示す効果情報が入力される効果情報入力部と、
前記効果情報入力部に入力された前記効果情報を格納する第4格納装置とをさらに備え、
前記第2制御装置は、前記専門家の要求に応じて、前記第4格納装置に格納された前記効果情報を前記第2表示装置に表示させる、請求項4に記載のリハビリ支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リハビリテーションを支援するためのリハビリ支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体の各部位の痛みやコリ、関節可動域の狭小化、筋力の低下、発声および会話力の低下などの症状は加齢とともに増え、これらの症状を抱えて生活している成人は多い。特に、疾病を抱えて在宅療養している高齢患者においては、運動機能が低下していることもあり上記の症状が顕著に表れる。上記の症状は、医療専門家(医師、理学療法士など)による適切なリハビリ指導を在宅で継続して受けることで改善され得る。
【0003】
しかしながら、医療専門家による在宅指導は、患者の費用負担および医療専門家の時間的制約などの要因によって頻繁には実施できないのが現状である。特に僻地では医療専門家が移動に時間を要し全ての在宅指導の要望を満たすことが困難という状況にある。さらに、今後、日本国においては、いわゆる団塊世代が後期高齢者となり医療保険制度の財政が逼迫することが予測されており、その結果、リハビリを要する高齢患者が医療専門家による適切なリハビリ指導を十分には受けられず、QOL(Quality Of Life)あるいはADL(Activities of Daily Living)の低下を招いているケースが増えることが懸念される。
【0004】
上述のような問題に関連して、たとえば、特許第6942932号公報(特許文献1)には、自宅にいるユーザ(患者)に自宅でリハビリ動画を視聴させることができるリハビリ支援装置が開示されている。このリハビリ支援装置は、症状に対して効果のあるリハビリ内容が各々に記憶された複数のリハビリ動画を予め準備しておき、これらのリハビリ動画のうちからユーザが選択したリハビリ動画をユーザに提示する。これにより、ユーザは、リハビリ動画を自宅で視聴し、視聴したリハビリ動作を自宅で行なうことができる。その結果、ユーザは、医療専門家による在宅指導を受けることなく症状の改善を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許第6942932号公報に開示されたリハビリ支援装置においては、ユーザが自身の症状を自ら特定し、その症状に適するリハビリ動画を自ら選択する必要がある。しかしながら、ユーザは医療専門家ではないため、ユーザが自身の症状を誤って特定したり、自身の症状にあまり効果のない不適切なリハビリ動画を選択してしまったりすることも想定される。
【0007】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザの症状に適したリハビリ動画を精度よく選択してユーザに提示することができるリハビリ支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によるリハビリ支援装置は、リハビリテーションを支援するためのリハビリ支援装置であって、ユーザが自身の症状を自身で特定するための方法が各々に記録された複数の特定用動画と、症状に対して効果のあるリハビリ内容が各々に記録された複数のリハビリ動画とを含む複数の動画を格納する第1格納装置と、ユーザの操作を受け付ける第1操作入力装置と、ユーザに情報を表示する第1表示装置と、第1表示装置に表示される情報を制御する第1制御装置とを備える。第1制御装置は、ユーザの要求に応じて第1格納装置に格納されている複数の特定用動画のうちの少なくとも1つを第1表示装置に表示させ、ユーザが特定用動画の視聴結果に基づいて第1操作入力装置に入力した回答情報に基づいて複数のリハビリ動画のうちのいずれか1つを選択して第1表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザの症状に適したリハビリ動画を精度よく選択してユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】リハビリ支援装置の全体構成を模式的に示す図である。
【
図2】ユーザ端末、サーバおよび専門家端末の詳細構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図3】第1格納装置におけるリハビリ動画の格納構造の一例を示す図である。
【
図4】リハビリ動画に含まれる要約識別データの構成の一例を示す図である。
【
図5】第1格納装置における撮影説明動画の格納構造の一例を示す図である。
【
図6】リハビリ動画の選択の流れの一例を模式的に示す図である。
【
図7】リハビリ支援装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図8】リハビリ支援装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図9】リハビリ支援装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
<全体構成>
図1は、本実施の形態によるリハビリ支援装置の全体構成を模式的に示す図である。このリハビリ支援装置は、ユーザ端末10と、サーバ11と、専門家端末12とを備える。ユーザ端末10は、医療専門家が勤務する医療施設から離れた遠隔地(自宅等)でリハビリを実施するユーザが使用する情報端末である。専門家端末12は、ユーザからの相談対応や指導を行う医療専門家が使用する情報端末である。ユーザ端末10および専門家端末12は、パーソナルコンピュータあるいはスマートフォン等によって実現することがきる。
【0013】
ユーザ端末10は、インターネット等を介して、動画等を格納するサーバ11に接続可能に構成されている。また、専門家端末12は、インターネット等を介してサーバ11に接続可能に構成されている。
【0014】
図2は、
図1に示されるユーザ端末10、サーバ11および専門家端末12の詳細構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【0015】
ユーザ端末10は、第1操作入力装置201と、第1表示装置202と、第1制御装置203と、相談動画入力部206と、効果情報入力部207とを備える。
【0016】
第1操作入力装置201は、ユーザの操作を受け付け、ユーザの操作によって入力された情報(後述の症状回答情報など)を第1制御装置203に送信する。第1表示装置202は、第1制御装置203からの指令に基づく情報をユーザに表示する。
【0017】
第1制御装置203は、第1表示装置202に表示される情報を制御する。第1制御装置203は、ユーザの要求に応じて、サーバ11との通信を行なって、サーバ11に格納されている動画あるいは情報を取得して第1表示装置202に表示させる。なお、第1表示装置202に表示される内容については後に詳述する。
【0018】
相談動画入力部206には、ユーザが自身の症状およびリハビリ動作の少なくとも一方を自身で撮影した動画である相談動画が入力される。相談動画入力部206に入力された相談動画は、サーバ11に送信されてサーバ11に格納される。
【0019】
効果情報入力部207には、ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定した結果を示す情報である効果情報が入力される。効果情報入力部207に入力された効果情報は、サーバ11に送信されてサーバ11に格納される。
【0020】
サーバ11は、第1格納装置211と、第2格納装置212と、第3格納装置213と、第4格納装置214とを備える。
【0021】
第1格納装置211は、ユーザ自身による在宅でのリハビリを支援するための複数種類の動画、具体的には、症状特定用動画、リハビリ動画、撮影説明動画、および効果判定用動画が格納されている。
【0022】
症状特定用動画には、ユーザが自身の症状を自身で特定するための方法が記録されている動画である。第1格納装置211には、複数の部位および症状にそれぞれ対応する複数の症状特定用動画が格納されている。
【0023】
リハビリ動画は、症状に対して効果のあるリハビリ動作が記録された動画である。撮影説明動画は、ユーザが相談動画を自身で撮影するための方法が記録された動画である。効果判定用動画は、ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定するための方法が記録された動画である。第1格納装置211には、複数の部位および症状にそれぞれ対応する、複数の症状特定用動画、複数のリハビリ動画、複数の撮影説明動画、および複数の効果判定用動画が格納されている。なお、第1格納装置211に格納されている動画は、いずれも医療専門家によって監修された動画である。
【0024】
図3は、第1格納装置211におけるリハビリ動画の格納構造の一例を示す図である。第1格納装置211には、複数のリハビリ動画30が、複数の部位および症状に関連付けられて格納されている。
【0025】
各リハビリ動画30は、リハビリ方法を説明した動画データ31と、一人でリハビリを実施する動画であるのか介護者と一緒にリハビリを実施する動画であるのかを識別する動画種別情報32と、動画のポイントになる箇所を示した要約識別データ33と、医療専門家によって付加された追加補足情報34とが格納されている。
【0026】
図4は、リハビリ動画30に含まれる要約識別データ33の構成の一例を示す図である。ユーザがリハビリ動画30の内容を短時間で確認したい場合、あるいはユーザが同じリハビリ動画30を日常的に繰り返して視聴したい場合には、リハビリ動画30のすべてをユーザに視聴させる必要がないケースがある。このようなケースに鑑み、要約識別データ33には、動画のポイントになる動作を識別できるデータが格納されている。
図4に示す例では、要約識別データ33に、動画のポイントになる複数の動作にそれぞれ対応する複数の要約識別番号が格納されている。要約識別番号の各々は、ポイントになる各動作の再生開始時刻と再生終了時刻との組合わせが関連付けられて格納されている。ユーザは、要約識別番号で識別される動作のみを再生することにより、リハビリ動画30のポイントとなる動作を短時間で確認することができる。
【0027】
図5は、第1格納装置211における撮影説明動画の格納構造の一例を示す図である。第1格納装置211には、複数の部位および症状にそれぞれ対応する複数の撮影説明動画40が格納されている。
【0028】
各撮影説明動画40は、ユーザが撮影した相談動画を医療専門家が視聴することで医療専門家がユーザのリハビリ動作および相談内容を正確に把握することができるように、医療専門家が期待する相談動画のサンプル41と、ユーザが相談動画を撮影する際に必要な事項を説明した情報42とが格納されている。ユーザは、撮影説明動画40を視聴することによって、医療専門家がユーザのリハビリ動作の適否を判断するのに重要な動作や注意すべき動作等の要点をおさえた相談動画を撮影することができる。
【0029】
図2に戻って、サーバ11の第2格納装置212は、ユーザ端末10から受信した相談動画を格納する。相談動画は、上述したように、ユーザが自身の症状およびリハビリ動作の少なくとも一方を自身で撮影した動画である。
【0030】
第3格納装置213は、専門家端末12から受信したアドバイス情報を格納する。なお、アドバイス情報は、ユーザからの相談動画を視聴した医療専門家がユーザに対して個別にアドバイス等を行なった内容を示す情報である。アドバイス情報は、動画情報であってもよいし、動画を伴わない音声あるいは文字の情報であってもよい。
【0031】
第4格納装置214は、ユーザ端末10から受信した効果情報を格納する。効果情報は、上述したように、ユーザが在宅でのリハビリの効果を自身で判定した結果を示す情報である。効果情報は、動画情報であってもよいし、動画を伴わない音声あるいは文字の情報であってもよい。
【0032】
専門家端末12は、第2操作入力装置221と、第2表示装置222と、第2制御装置223とを備える。
【0033】
第2操作入力装置221は、医療専門家の操作を受け付け、医療専門家の操作によって入力された情報(上述のアドバイス情報など)を第2制御装置223に送信する。
【0034】
第2表示装置222は、第2制御装置223からの指令に基づく情報を医療専門家に表示する。
【0035】
第2制御装置223は、第2表示装置222に表示される情報を制御する。第2制御装置223は、医療専門家の要求に応じて、サーバ11との通信を行なって、サーバ11に格納される相談動画あるいは効果情報を第2表示装置222に表示させる。
【0036】
<支援モード>
本実施の形態によるリハビリ支援装置は、第1支援モード、第2支援モードおよび第3支援モードのいずれかのモードで、ユーザの在宅でのリハビリを支援することができる。
【0037】
(第1支援モード)
第1支援モードは、ユーザ自身がリハビリ動画を見ながら在宅でリハビリを実施するときに使用されるモードである。
【0038】
第1支援モードでは、まず、第1表示装置202に、ユーザが自身の症状を選択するためのメニュー画面が表示される。ユーザは、メニュー画面において、症状がある部位を入力すると、サーバ11に格納された動画のうちから、入力された部位に対応する症状特定用動画が選択され、選択された症状特定用動画が第1表示装置202が表示される。症状特定用動画には、入力された部位における症状をユーザ自身で特定するための方法が記録されている。ユーザは、症状特定用動画を視聴することで、自身のどの部分が痛むのか、どこに運動制限があるのかといった自身の症状を、自身で的確に特定することができる。
【0039】
たとえば、ユーザによって入力された部位が腰である場合、腰に対応する症状特定用動画が選択される。腰に対応する症状特定用動画には、たとえば、複数の体位のうちのどの体位で痛むのかをユーザに選んでもらい、仰臥位になれない場合には、太もも前方の筋肉が固くなっている症状がある可能性があることをユーザに知らせる内容が記録されていてもよい。なお、太もも前方の筋肉が固くなる症状がある場合には、たとえばユーザに横向きに寝てもらって、大腿の前面を伸ばすように、大腿を股関節から後ろの方に介護者に引っ張ってもらうか、あるいはユーザ自身でそのような動きを繰り返すことにより、大腿前面の筋がストレッチされ、仰臥位に寝ることも可能になったりする。同様な動きを、背筋に力を入れておこなったりすることで、背筋が増強されたりすることにより、骨盤の前傾がとれ、歩きにくかったのが歩けたりするようになる。このような変化は80歳代でも認められたりするので、上述のような動作をリハビリで行なうことは健康寿命を延ばすためにも必要と考えられる。
【0040】
症状特定用動画を視聴したユーザが自身で特定した自身の症状をサーバ11に回答するための情報である症状回答情報を第1操作入力装置201に入力すると、サーバ11の第1格納装置211に格納されたリハビリ動画のうちから、症状回答情報によって特定される症状に対応するリハビリ動画が選択され、選択されたリハビリ動画が第1表示装置202に表示される。これにより、ユーザは、自身の症状に効果のある適切なリハビリ動画を自身の都合のよいタイミングで視聴することができる。そして、ユーザは、視聴したリハビリ動作を自宅で行なうことで、医療専門家による在宅指導を受けることなく、自身の症状の改善を図ることができる。
【0041】
図6は、リハビリ動画の選択の流れの一例を模式的に示す図である。なお、本実施の形態において、リハビリ動画の選択は、第1制御装置203によって行なわれる。
【0042】
まず、ユーザが自身の症状がある部位を入力すると、入力された部位に対応する症状特定用動画60が選択されて第1表示装置202に表示される。症状特定用動画60には、たとえば症状を特定するための質問が含まれていてもよい。たとえば肩の関節に対応する症状特定用動画60には、肩の関節を指定の方向に指定の角度まで曲げる動作を動画で示し、どの角度まで曲げることができたかを質問する内容が含まれていてもよいし、症状をさらに適切に特定するために、腕の関節の他の方向への可動域や他の関節の可動域について質問する内容が含まれていてもよい。これらにより、幅広い肩関節のどの関節面に問題があり、どのようなリハビリを行っていけばいいのかが明らかになる。
【0043】
症状特定用動画60を視聴したユーザが自身の症状を特定して症状回答情報を入力すると、入力された症状回答情報によってユーザの症状を特定できるか否かが判断される。症状回答情報によってユーザの症状を特定できる場合には、特定された症状に対応するリハビリ動画30aが選択されて第1表示装置202に表示される。症状回答情報によってユーザの症状を特定できない場合には、未だ表示されていない別の症状特定用動画60が選択されて第1表示装置202に表示される。これらの処理は、ユーザの症状が特定できるまで繰り返される。これにより、ユーザの症状を精度よく特定することができる。
【0044】
なお、サーバ11の第1格納装置211に格納されたリハビリ動画に、ユーザが単独でで行なう単独リハビリ動画と、介護者等が一緒に行う共同リハビリ動画とが含まれる場合には、ユーザに単独リハビリ動画と共同リハビリ動画との双方を提示し、ユーザにどちらのリハビリ動画を視聴するのかを選択させるようにしてもよい。これにより、ユーザは、たとえば介護者がいる時間帯では共同リハビリ動画を視聴して介護者と一緒に在宅でのリハビリを行ない、介護者がいない時間帯では単独リハビリ動画を視聴して一人で在宅でのリハビリを行なうことができる。
【0045】
また、上述の
図3,
図4に示したように各リハビリ動画30には要約識別データ33および追加補足情報34が含まれるため、リハビリ動画30を第1表示装置202に表示させる際に、要約識別データ33に基づいて要約された動画を表示するのか否か、および、追加補足情報34を併せて表示するのか否かを、ユーザに選択させるようにしてもよい。
【0046】
また、リハビリ動画30を第1表示装置202に表示させる時間帯を予約設定できるようにし、予約設定された時刻になったらその旨をユーザに音声あるいは画像でユーザに通知するようにしてもよい。これにより、ユーザにリハビリの実施を促すことができる。
【0047】
(第2支援モード)
第2支援モードは、ユーザが通院あるいは受診時に医療専門家から推奨されたリハビリ動画を視聴するときに使用されるモードである。第2支援モードでは、まず、第1表示装置202に、ユーザがリハビリ動画を選択するためのメニュー画面が表示される。ユーザは、メニュー画面に表示された複数のリハビリ動画のうちから、医療専門家から推奨されたリハビリ動画を選択する操作を行なう。これにより、ユーザが選択したリハビリ動画が第1表示装置202が表示される。これにより、ユーザは、医療専門家から指定されたリハビリ動画を自身の都合のよいタイミングで視聴することができる。
【0048】
(第3支援モード)
第3支援モードは、ユーザが自身で在宅で行なっているリハビリあるいはその効果について、ユーザが医療専門家にアドバイスを求めるときに使用されるモードである。
【0049】
第3支援モードでは、ユーザが自身の症状およびリハビリ動作の少なくとも一方を自身で撮影した動画である相談動画を医療専門家に送信することで、医療専門家からのアドバイスを受けることができる。
【0050】
上述の第1支援モードではユーザ自身が選択したリハビリ動画を視聴して在宅でリハビリを行うことができるが、ユーザが症状の改善が実感できなかったり自身のリハビリ動作が正しいか自信が持てなかったりすると、ユーザは安心して在宅でのリハビリを継続することができなくなることが想定される。このような場合に対応できるように、本実施の形態によるリハビリ支援装置には、自身のリハビリあるいはその効果について在宅で医療専門家からアドバイスを受けることができる第3支援モードが設けられている。
【0051】
具体的には、第3支援モードでは、第1表示装置202に、ユーザが医療専門家に相談したい内容を入力するためのメニュー画面が表示される。
【0052】
ユーザは、メニュー画面において、たとえばユーザが現在継続しているリハビリ動作について相談したい旨の要求を入力すると、サーバ11に格納された動画のうちから、ユーザの相談内容に適する撮影説明動画が選択され、選択された撮影説明動画が第1表示装置202に表示される。撮影説明動画には、ユーザが相談動画を自身で撮影するための方法(たとえば、撮影手順、撮影条件、望ましい例としてのサンプル動画、説明情報など)が記録されている。ユーザは、撮影説明動画を視聴することで、どのような方法で相談動画を撮影すべきかを容易に把握することができる。
【0053】
ユーザが自身で撮影した相談動画を相談動画入力部206に入力すると、その相談動画がサーバ11に送信されて第2格納装置212に格納される。
【0054】
第2格納装置212に相談動画が格納されると、ユーザからの相談動画がある旨の通知がサーバ11から専門家端末12に送信される。この通知に気付いた医療専門家が相談動画の表示を要求する操作を第2操作入力装置221に対して行なうと、第2制御装置223は、第2格納装置212に格納されている相談動画を第2表示装置222に表示させる。これにより、医療専門家は、ユーザからの相談動画を自身の都合のよいタイミングで視聴することができる。
【0055】
相談動画を視聴した医療専門家がユーザのリハビリ動作が正しい動作になっていないと判断した場合は、医療専門家は、ユーザのリハビリ動作の改善点などを示す情報を上述のアドバイス情報として第2操作入力装置221に入力することができる。たとえば、医療専門家は、ユーザからの相談動画の必要箇所にマーカーを付して、その部分の改善点を示すメッセージを挿入した情報を、アドバイス情報として入力するようにしてもよい。また、ユーザの症状に対してより適切なリハビリ動画がある場合は、医療専門家は、そのリハビリ動画を推奨する旨のメッセージをアドバイス情報として入力するようにしてもよい。
【0056】
また、ユーザは、メニュー画面において、たとえばユーザが在宅でのリハビリの効果について相談したい旨の要求を入力すると、サーバ11に格納された動画のうちから、ユーザの要求に適する効果判定用動画が選択され、選択された効果判定用動画が第1表示装置202が表示される。効果判定用動画には、上述したように、ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定するための方法が記録されている。たとえば、効果判定用動画には、ユーザに対して在宅でのリハビリ効果を3段階(効果を実感できる、不明、実感できない)で回答させるように質問する内容が含まれていてもよい。これにより、ユーザにリハビリ効果を文章で回答するように質問するよりも、ユーザが質問に対して明確な回答を行えるためユーザも回答し易く、また医療専門家も客観性の高い効果の検証を行なうことができる。
【0057】
効果判定用動画を視聴したユーザが自身で判定したリハビリの効果を効果情報として効果情報入力部207に入力すると、その効果情報がサーバ11に送信されて第4格納装置214に格納される。
【0058】
第4格納装置214に効果情報が格納されると、ユーザからの効果情報がある旨の通知がサーバ11から専門家端末12に送信される。この通知に気付いた医療専門家が効果情報の表示を要求する操作を第2操作入力装置221に対して行なうと、第2制御装置223は、第4格納装置214に格納されている効果情報を第2表示装置222に表示させる。これにより、医療専門家は、ユーザからの効果情報を自身の都合のよいタイミングで確認することができる。
【0059】
効果情報を視聴した医療専門家がリハビリ効果についてのコメントをユーザに返信したい場合は、医療専門家は、リハビリ効果についてのコメント情報を上述のアドバイス情報として第2操作入力装置221に入力することができる。
【0060】
医療専門家がアドバイス情報を第2操作入力装置221に入力すると、そのアドバイス情報がサーバ11に送信されて第3格納装置213に格納される。
【0061】
第3格納装置213にアドバイス情報が格納されると、医療専門家からのアドバイスがある旨の通知がサーバ11からユーザ端末10に送信される。この通知に気付いたユーザがアドバイス情報の表示を要求する操作を第1操作入力装置201に対して行なうと、第1制御装置203は、第3格納装置213に格納されているアドバイス情報を第1表示装置202に表示させる。これにより、ユーザは、医療専門家からのアドバイス情報を自身の都合のよいタイミングで確認することができる。
【0062】
<フローチャート>
図7は、ユーザが在宅でリハビリを実施するときにリハビリ支援装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
ユーザ端末10(より詳しくは第1制御装置203)は、ユーザが症状のある部位を指定して、リハビリ動画の視聴を要求しているか否かを判定する(ステップS10)。視聴要求がない場合(ステップS10においてNO)、ユーザ端末10は、以降の処理をスキップして処理を終了する。
【0064】
視聴要求がある場合(ステップS10においてYES)、ユーザ端末10は、ユーザが特定のリハビリ動画を選択したか否かを判定する(ステップS11)。ユーザが特定のリハビリ動画を選択した場合(ステップS11においてYES)、ユーザ端末10は、支援モードを上述の第2支援モードに移行させて、ユーザが選択したリハビリ動画を第1表示装置202に表示させる(ステップS17)。
【0065】
一方、ユーザがリハビリ動画を選択していない場合(ステップS11においてNO)、ユーザ端末10は、支援モードを上述の第1支援モードに移行させて以下の処理を行なう。
【0066】
まず、ユーザ端末10は、ユーザによって指定された部位に対応する症状特定用動画を第1表示装置202に表示させる(ステップS12)。
【0067】
次いで、ユーザ端末10は、ユーザからの症状回答情報の入力を受け付ける(ステップS13)。ユーザ端末10は、受け付けた症状回答情報によってユーザの症状を特定できるか否かを判定する(ステップS14)。
【0068】
ユーザの症状を特定できない場合(ステップS14においてNO)、ユーザ端末10は、ユーザに未だ表示していない症状特定用動画を第1表示装置202に表示させる(ステップS15)。その後、ユーザ端末10は、処理をステップS13に戻し、ユーザの症状が特定できるようになるまでステップS13~S15の処理を繰り返す。
【0069】
ユーザの症状を特定できる場合(ステップS14においてYES)、ユーザ端末10は、特定された症状に効果のあるリハビリ動画を第1表示装置202に表示させる(ステップS16)。
【0070】
以上のような処理により、ユーザは、自身の症状に効果のある適切なリハビリ動画を自身の都合のよいタイミングで視聴することができる。
【0071】
ユーザは、リハビリ動画で紹介されているリハビリ動作を在宅で一定期間行ない、その効果を自宅に居ながら医療専門家に相談することができる。
【0072】
図8は、ユーザが在宅で医療専門家に相談するときにリハビリ支援装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0073】
ユーザ端末10は、ユーザが在宅でのリハビリについての相談を要求しているか否かを判定する(ステップS30)。相談要求がない場合(ステップS30においてNO)、ユーザ端末10は、以降の処理をスキップして処理を終了する。
【0074】
相談要求がある場合(ステップS30においてYES)、ユーザ端末10は、支援モードを上述の第3支援モードに移行させて以下の処理を行なう。
【0075】
まず、ユーザ端末10は、サーバ11に格納されている撮影説明動画をサーバ11から取得して第1表示装置202に表示させる(ステップS31)。ユーザは、第1表示装置202に表示される撮影説明動画を視聴することで、どのような方法で相談動画を撮影すべきかを容易に把握することができる。
【0076】
次いで、ユーザ端末10は、ユーザによって撮影された相談動画が取得されたか否かを判定する(ステップS32)。相談動画が取得されていない場合(ステップS32においてNO)、ユーザ端末10は、相談動画を取得するまでステップS32の処理を繰り返す。
【0077】
相談動画が取得された場合(ステップS32においてYES)、ユーザ端末10は、取得された相談動画をサーバ11に送信して第2格納装置212に格納する(ステップS33)。
【0078】
第2格納装置212に相談動画が格納されることによって、ユーザからの相談動画があることを示す相談通知がサーバ11から専門家端末12に送信される。
【0079】
専門家端末12は、相談通知をサーバ11から受信すると、相談通知を受信した旨を第2表示装置222に表示させて医療専門家に知らせる(ステップS40)。
【0080】
次いで、専門家端末12は、医療専門家が相談通知の内容を確認することを要求しているか否かを判定する(ステップS41)。確認要求がない場合(ステップS41においてNO)、専門家端末12は、確認要求があるまでステップS41の処理を繰り返す。
【0081】
確認要求がある場合(ステップS41においてYES)、専門家端末12は、相談動画を第2表示装置222に表示させる(ステップS42)。これにより、医療専門家は、自身の都合のよいタイミングで、ユーザからの相談内容を把握し、相談に対するアドバイス情報を入力することができる。
【0082】
その後、専門家端末12は、医療専門家からのアドバイス情報を取得したか否かを判定する(ステップS43)。アドバイス情報を取得していない場合(ステップS43においてNO)、専門家端末12は、アドバイス情報を取得するまでステップS43の処理を繰り返す。
【0083】
アドバイス情報を取得した場合(ステップS43においてYES)、専門家端末12は、取得したアドバイス情報をサーバ11に送信して第3格納装置213に格納する(ステップS44)。
【0084】
第3格納装置213にアドバイス情報が格納されることによって、医療専門家からのアドバイス情報があることを示すアドバイス通知がサーバ11からユーザ端末10に送信される。
【0085】
ユーザ端末10は、アドバイス通知をサーバ11から受信すると、アドバイス通知を受信した旨を第1表示装置202に表示させてユーザに知らせる(ステップS34)。
【0086】
次いで、ユーザ端末10は、ユーザがアドバイス情報の内容を確認することを要求しているか否かを判定する(ステップS35)。確認要求がない場合(ステップS35においてNO)、ユーザ端末10は、確認要求があるまでステップS35の処理を繰り返す。
【0087】
確認要求がある場合(ステップS35においてYES)、ユーザ端末10は、アドバイス情報を第1表示装置202に表示させる(ステップS36)。これにより、ユーザは、自身の都合のよいタイミングで医療専門家からのアドバイス情報を確認することができる。
【0088】
図9は、ユーザが在宅でのリハビリの効果を確認するときにリハビリ支援装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0089】
ユーザ端末10は、ユーザが在宅でのリハビリの効果確認を要求しているか否かを判定する(ステップS50)。
【0090】
効果確認要求がない場合(ステップS50においてNO)、ユーザ端末10は、以降の処理をスキップして処理を終了する。
【0091】
効果確認要求がある場合(ステップS50においてYES)、ユーザ端末10は、支援モードを上述の第3支援モードに移行させて以下の処理を行なう。
【0092】
まず、ユーザ端末10は、サーバ11に格納されている効果判定用動画をサーバ11から取得して第1表示装置202に表示させる(ステップS51)。ユーザは、第1表示装置202に表示される効果判定用動画を視聴することで、リハビリの効果をどのように判定すべきかを自宅に居ながら容易に把握することができる。
【0093】
次いで、ユーザ端末10は、ユーザが自身で判定したリハビリの効果を示す効果情報を医療専門家に送信することを要求しているか否かを判定する(ステップS52)。効果情報の送信が要求されていない場合(ステップS52においてNO)、ユーザ端末10は、以降の処理をスキップして処理を終了する。
【0094】
効果情報の送信が要求された場合(ステップS52においてYES)、ユーザ端末10は、ユーザからの効果情報を取得し(ステップS53)、取得された効果情報をサーバ11に送信して第4格納装置214に格納する(ステップS54)。
【0095】
第4格納装置214に効果情報が格納されることによって、ユーザからの効果情報があることを示す効果通知がサーバ11から専門家端末12に送信される。
【0096】
専門家端末12は、効果通知をサーバ11から受信すると、効果通知を受信した旨を第2表示装置222に表示させて医療専門家に知らせる(ステップS60)。
【0097】
次いで、専門家端末12は、医療専門家が効果通知の内容を確認することを要求しているか否かを判定する(ステップS61)。確認要求がない場合(ステップS61においてNO)、専門家端末12は、確認要求があるまでステップS61の処理を繰り返す。
【0098】
確認要求がある場合(ステップS61においてYES)、専門家端末12は、効果情報を第2表示装置222に表示させる(ステップS62)。これにより、医療専門家は、ユーザが自身で判定したリハビリ効果の内容を、自身の都合のよいタイミングで確認することができる。
【0099】
なお、
図9には示されていないが、医療専門家がリハビリ効果に対するアドバイス情報を送信することを希望する場合には、上述の
図8のステップS43,S44,S34~S36と同様の処理を行なって、医療専門家のアドバイス情報をユーザに通知するようにしてもよい。
【0100】
以上のように、本実施の形態によるリハビリ支援装置は、複数の症状特定用動画および複数のリハビリ動画とを含む複数の動画を格納する第1格納装置211と、ユーザの操作を受け付ける第1操作入力装置201と、ユーザに情報を表示する第1表示装置202と、第1制御装置203とを備える。第1制御装置203は、ユーザの要求に応じて第1格納装置211に格納されている複数の症状特定用動画のうちの少なくとも1つを第1表示装置202に表示させる。ユーザが症状特定用動画の視聴結果に基づいて第1操作入力装置201に症状回答情報を入力すると、第1制御装置203は、症状回答情報に基づいて第1格納装置211に格納されている複数のリハビリ動画のうちのいずれか1つを選択して第1表示装置202に表示させる。これにより、ユーザの症状に適したリハビリ動画を精度よく選択してユーザに提示することができる。
【0101】
なお、本実施の形態においては第1制御装置203がユーザ端末10に配置される例について説明したが、第1制御装置203は、必ずしもユーザ端末10に配置されることに限定されない。たとえば、第1制御装置203の全部または一部の機能が、サーバ11および専門家端末12の少なくとも一方に配置されていてもよい。
【0102】
同様に、本実施の形態においては第2制御装置223が専門家端末12に配置される例について説明したが、第2制御装置223は、必ずしも専門家端末12に配置されることに限定されない。たとえば、第2制御装置223の全部または一部の機能が、サーバ11およびユーザ端末10の少なくとも一方に配置されていてもよい。
【0103】
また、本実施の形態においては第1~第4格納装置211~214がサーバ11に配置される例について説明したが、第1~第4格納装置211~214は、必ずしもサーバ11に配置されることに限定されない。たとえば、第1~第4格納装置211~214の全部または一部が、ユーザ端末10および専門家端末12の少なくとも一方に配置されていてもよい。
【0104】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合せることができる。
【0105】
以上に説明した例示的な実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例である。
【0106】
(第1項) 本開示によるリハビリ支援装置は、リハビリテーションを支援するためのリハビリ支援装置であって、ユーザが自身の症状を自身で特定するための方法が各々に記録された複数の特定用動画と、症状に対して効果のあるリハビリ内容が各々に記録された複数のリハビリ動画とを含む複数の動画を格納する第1格納装置と、ユーザの操作を受け付ける第1操作入力装置と、ユーザに情報を表示する第1表示装置と、第1表示装置に表示される情報を制御する第1制御装置とを備える。第1制御装置は、ユーザの要求に応じて第1格納装置に格納されている複数の特定用動画のうちの少なくとも1つを第1表示装置に表示させ、ユーザが特定用動画の視聴結果に基づいて第1操作入力装置に入力した回答情報に基づいて複数のリハビリ動画のうちのいずれか1つを選択して第1表示装置に表示させる。
【0107】
(第2項) 第1項に記載のリハビリ支援装置において、第1制御装置は、回答情報によってユーザの症状が特定できる場合、回答情報によって特定される症状に対応するリハビリ動画を選択して第1表示装置に表示させ、回答情報によってユーザの症状を特定できない場合、第1表示装置に未だ表示させていない特定用動画を選択して第1表示装置に表示させる。
【0108】
(第3項) 第1項に記載のリハビリ支援装置において、第1格納装置に格納される複数の動画には、ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定するための方法が記録された効果判定用動画が含まれる。第1制御装置は、ユーザの要求に応じて効果判定用動画を第1表示装置に表示させる。
【0109】
(第4項) 第1項に記載のリハビリ支援装置において、リハビリ支援装置は、ユーザが自身の症状およびリハビリ動作の少なくとも一方を自身で撮影した動画である相談動画が入力される相談動画入力部と、相談動画入力部に入力された相談動画を格納する第2格納装置と、医療の専門家の操作を受け付ける第2操作入力装置と、専門家に情報を表示する第2表示装置と、専門家の要求に応じて第2格納装置に格納された相談動画を第2表示装置に表示させる第2制御装置と、専門家が相談動画の視聴結果に基づいて第2操作入力装置に入力したアドバイス情報を格納する第3格納装置とをさらに備える。第1制御装置は、ユーザの要求に応じて、第3格納装置に格納されたアドバイス情報を第1表示装置に表示させる。
【0110】
(第5項) 第4項に記載のリハビリ支援装置において、第1格納装置に格納される複数の動画には、ユーザが相談動画を自身で撮影するための方法が記録された撮影説明動画が含まれる。第1制御装置は、ユーザの要求に応じて、第1格納装置に格納された撮影説明動画を第1表示装置に表示させる。
【0111】
(第6項) 第4項に記載のリハビリ支援装置において、リハビリ支援装置は、ユーザが自身のリハビリの効果を自身で判定した結果を示す効果情報が入力される効果情報入力部と、効果情報入力部に入力された効果情報を格納する第4格納装置とをさらに備える。第2制御装置は、専門家の要求に応じて、第4格納装置に格納された効果情報を第2表示装置に表示させる。
【符号の説明】
【0112】
10 ユーザ端末、11 サーバ、12 専門家端末、30 リハビリ動画、31 動画データ、32 動画種別情報、33 要約識別データ、34 追加補足情報、40 撮影説明動画、41 サンプル、42 情報、60 症状特定用動画、201 第1操作入力装置、202 第1表示装置、203 第1制御装置、206 相談動画入力部、207 効果情報入力部、211 第1格納装置、212 第2格納装置、213 第3格納装置、214 第4格納装置、221 第2操作入力装置、222 第2表示装置、223 第2制御装置。