(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124200
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電磁波透過性部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/02 20060101AFI20240905BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20240905BHJP
B29C 45/37 20060101ALI20240905BHJP
B60R 13/00 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
G02B5/02 B
B29C45/14
B29C45/37
B60R13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032205
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000225740
【氏名又は名称】南部化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】坂本 恵利香
【テーマコード(参考)】
2H042
3D024
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
2H042BA03
2H042BA15
2H042BA16
3D024BA07
3D024BA20
4F202AA13
4F202AD05
4F202AD08
4F202AD20
4F202AE10
4F202AG03
4F202AH17
4F202AR13
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CD25
4F206AA13
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD20
4F206AE10
4F206AG03
4F206AH17
4F206AR13
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB22
4F206JL02
4F206JM04
4F206JN11
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】部材の表面粗さを小さくすることで電磁波透過性能を向上させることができる、電磁波透過性部材の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の電磁波透過性部材100の製造方法は、あらかじめ測定された、裏側基材30の板厚と、裏側基材30の裏面31の表面粗さと、電磁波透過性部材100のヘイズとの関係を取得するステップと、電磁波透過性部材100を形成する金型における、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨するステップと、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さを取得するステップと、電磁波透過性部材100の目標ヘイズを取得するステップと、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さ、並びに電磁波透過性部材100の目標ヘイズから、裏側基材30の最大許容板厚を決定するステップと、金型を用いて、最大許容板厚以下の裏側基材30を形成するステップとを含むことを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側基材と、フィルム材と、裏側基材とを積層した電磁波透過性部材の製造方法であって、
あらかじめ測定された、前記裏側基材の板厚と、前記裏側基材の裏面の表面粗さと、前記電磁波透過性部材のヘイズとの関係を取得するステップと、
電磁波透過性部材を形成する金型における、前記裏側基材の裏面を形成する半金型を研磨するステップと、
前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さを取得するステップと、
前記電磁波透過性部材の目標ヘイズを取得するステップと、
前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さ、並びに前記電磁波透過性部材の目標ヘイズから、前記裏側基材の最大許容板厚を決定するステップと、
前記金型を用いて、前記最大許容板厚以下の前記裏側基材を形成するステップと
を含むことを特徴とする電磁波透過性部材の製造方法。
【請求項2】
表側基材と、フィルム材と、裏側基材とを積層した電磁波透過性部材の製造方法であって、
あらかじめ測定された、前記裏側基材の板厚と、前記裏側基材の裏面の表面粗さと、前記電磁波透過性部材のヘイズとの関係を取得するステップと、
前記電磁波透過性部材の目標ヘイズを取得するステップと、
前記目標ヘイズから、裏側基材の裏面の最大許容表面粗さを決定するステップと、
前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さを取得するステップと、
取得された前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さが、前記裏側基材の裏面の最大許容表面粗さより小さくなるまで、前記裏側基材の裏面を形成する半金型を研磨するステップと、
前記最大許容表面粗さ以下の表面粗さを有する前記半金型を用いて、前記裏側基材の裏面を形成するステップと
を含むことを特徴とする電磁波透過性部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁波透過性部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の外観を向上させるために、意匠性の高い装飾部材が車両に装着されている。特に近年は、前方の車両位置などを検知するための赤外線センサー等から出射される赤外光などの電磁波の経路を塞がないように、高い意匠性に加えて電磁波透過性を有するカバー部品やエンブレム部品の開発が進められている(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-111010号公報
【特許文献2】特開2020- 79053号公報
【特許文献3】特許第6431864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような赤外線センサー等を覆うカバー部品では、部品の意匠性を高めるために表面の表面粗さを小さく抑えているものの、赤外線センサー等が配置される裏面の表面粗さが十分に管理されておらず、表面と比較して裏面の表面粗さが大きい場合があった。そして、電磁波透過性部材の裏面の表面粗さが大きい場合にヘイズが大きくなり、電磁波透過性部材の裏側に配置された赤外線センサー等から出射された電磁波が測定対象物で反射して赤外線センサー等に戻るまでに電磁波透過性部材の裏面で拡散される。この電磁波の拡散によって、測定対象物の検出が阻害されることがあったため、この点において改善の余地があった。
【0005】
また、樹脂成型品によるセンサーカバーの技術には、例えば特許文献2及び3に開示されたものも存在するが、樹脂成型品の面粗度とヘイズとの定量的な関係を用いているとは言えなかった。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部材の表面粗さを小さくすることで電磁波透過性能を向上させることができる、電磁波透過性部材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、
表側基材と、フィルム材と、裏側基材とを積層した電磁波透過性部材の製造方法であって、
あらかじめ測定された、前記裏側基材の板厚と、前記裏側基材の裏面の表面粗さと、前記電磁波透過性部材のヘイズとの関係を取得するステップと、
電磁波透過性部材を形成する金型における、前記裏側基材の裏面を形成する半金型を研磨するステップと、
前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さを取得するステップと、
前記電磁波透過性部材の目標ヘイズを取得するステップと、
前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さ、並びに前記電磁波透過性部材の目標ヘイズから、前記裏側基材の最大許容板厚を決定するステップと、
前記金型を用いて、前記最大許容板厚以下の前記裏側基材を形成するステップと
を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、
表側基材と、フィルム材と、裏側基材とを積層した電磁波透過性部材の製造方法であって、
あらかじめ測定された、前記裏側基材の板厚と、前記裏側基材の裏面の表面粗さと、前記電磁波透過性部材のヘイズとの関係を取得するステップと、
前記電磁波透過性部材の目標ヘイズを取得するステップと、
前記目標ヘイズから、裏側基材の裏面の最大許容表面粗さを決定するステップと、
前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さを取得するステップと、
取得された前記裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さが、前記裏側基材の裏面の最大許容表面粗さより小さくなるまで、前記裏側基材の裏面を形成する半金型を研磨するステップと、
前記最大許容表面粗さ以下の表面粗さを有する前記半金型を用いて、前記裏側基材の裏面を形成するステップと
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、部材の表面粗さを小さくすることで電磁波透過性能を向上させることができる、電磁波透過性部材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法によって製造される電磁波透過性部材の断面図である。
【
図2】
図1に示す電磁波透過性部材の裏側基材の板厚と内部ヘイズの関係を示す図である。
【
図3】
図1に示す電磁波透過性部材の裏側基材の裏面の表面粗さと外部ヘイズとの関係を示す図である。
【
図4】
図1に示す電磁波透過性部材の裏側基材の裏面の表面粗さ、板厚、及び電磁波透過性部材のヘイズとの関係を示す図である。
【
図5】裏側基材の裏面の表面粗さを小さくすることによって裏側基材の厚みの選択肢を確保する例を示す、フローチャートである。
【
図6】本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法に用いる製造装置の一例を示すブロック図である。
【
図7】ヘイズデータ及び目標ヘイズから裏側基材の裏面の最大許容表面粗さを決定し、裏側基材の裏面を形成する半金型の表面粗さが裏側基材の裏面の最大許容表面粗さ以下になるまで半金型を研磨することによって目標ヘイズを達成する例を示す、フローチャートである。
【
図8】電磁波透過性部材の製造方法における層形成プロセスの実施手順を示す、フローチャートである。
【
図9A】フィルム材に電磁波透過性インキで両面印刷を行った状態を示す図である。
【
図9B】
図9Aのフィルム材をインサート材として表側基材をインサート成形した状態を示す図である。
【
図9C】
図9Bのインサート成形品に対して、更に裏側基材をインサート成形した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示をより具体的に例示説明する。
【0012】
図1に示す本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法によって製造される電磁波透過性部材100は、電磁波透過性部材100に意匠性を付与するための電磁波透過性かつ光輝性を有するフィルム材20と、フィルム材20の一方の面(表面、
図1の左側の面)を覆う電磁波透過性を有する表側基材10と、フィルム材20の他方の面(裏面、
図1の右側の面)を覆う電磁波透過性を有する裏側基材30とを備えている。また、フィルム材20の表側には、電磁波透過性部材100を表側から見たときの意匠を形作る表側有色インキ21及びフィルム材20と表側基材10とを密着させる表側バインダー22とを設けている。本実施形態においてフィルム材20は、厚み方向に図示しない凹凸形状を有している。なお、表側有色インキ21及び表側バインダー22は、それぞれ電磁波透過性を備えている。
【0013】
なお、本願明細書において、「電磁波透過性を備えている」とは、電磁波透過性部材100が例えば赤外光透過性を必要とされる用途に用いられる場合には、「赤外光透過性を備えている」ことを意味するものとする。
【0014】
また、フィルム材20の裏側には、電磁波透過性部材100の表側から裏側が透けて見えないようにするための裏側有色インキ23及びフィルム材20と裏側基材30とを密着させる裏側バインダー24とを設けている。裏側有色インキ23及び裏側バインダー24は、それぞれ電磁波透過性を備えているが、裏側有色インキ23については表側から裏側が透けて見えないようにするため可視光を遮光する機能を有している。
【0015】
本実施形態に係る電磁波透過性部材100は、例えば車両の前部に装着されるエンブレムなどとして用いられることを想定しており、エンブレムの後方に装着された赤外線センサー等から発信される赤外光などの電磁波を透過させることができる。したがって、これらの電磁波が透過する領域に金属が用いられていないことが望ましい。なお、電磁波透過性とは全ての電磁波を透過させる性質を意味するものではなく、赤外線センサー等から発信される電磁波を透過させることができればよく、例えば可視光を反射又は吸収させるものであってもよい。
【0016】
電磁波透過性部材100が、赤外線透過性を有する部材である場合、例えば近赤外線である750nmから1600nmの範囲で透過性を有するものとすることができる。なお、赤外線センサーは、例えば905nmの波長の赤外線を出射するセンサーとすることができるが、出射する赤外線の波長は、860nmから1550nmの範囲で選択可能とすることができる。なお、電磁波透過性部材100は、レーダー装置から発信されるミリ波やマイクロ波など、赤外光以外の電磁波を透過させるものであってもよい。
【0017】
本明細書、特許請求の範囲、及び図面においては、
図1に示す表側基材10側(
図1の左側)を表側、裏側基材30側(
図1の右側)を裏側とする。
【0018】
表側基材10は、本実施形態では、可視光に対して透明なポリカーボネート(PC)を主材とする材料で構成されている。電磁波透過性部材100は、表側から視認されることが想定されており、表側基材10側が前側になるように車両の前部に装着される。すなわち、透明なPCを通してフィルム材20の凹凸形状が視認されることによって、電磁波透過性部材100の意匠性を向上させている。
【0019】
表側基材10は、その表面11が意匠面とされているので、表面粗さが管理されており、本実施形態では、表面11の表面粗さRaは0.02[μm]以下である。本明細書において、表面粗さRaには、算術平均粗さ(Ra)を用いている。算術平均粗さ(Ra)は、粗さ計で測定した粗さ曲線の一部を基準長さで抜き出し、その区間の凹凸状態を平均値で表したものである。
【0020】
表側基材10は、表側基材10を通してフィルム材20が視認可能であればよく、構成材料はPCに限定されない。表側基材10には、透明度が高いアクリル樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)など)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は半透明の合成樹脂材料などを用いてもよい。
【0021】
本実施形態において、表側基材10は、フィルム材20をインサート材としてインサート成形することによって形成することができる。表側基材10は、フィルム材20の表面に塗布された表側バインダー22によって、フィルム材20に接着されている。ここで接着とは物理的か化学的かを問わず、複数の物体が接合・固定される現象をすべて含む。なお、表側基材10における表面には、電磁波透過性部材100を傷、紫外線又は風雨などから保護するハードコートが塗布されていてもよい。
【0022】
裏側基材30は、本実施形態では、電磁波透過性を備えるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)を主材とする材料で構成されている。裏側基材30は必ずしも透明性を備えている必要は無い。また、ABSに代えて、アクリル樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、耐候性に優れたアクリルニトリル・スチレン・アクリレート樹脂(ASA)、アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合合成樹脂(AES)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、半透明の合成樹脂材料、又は電磁波透過性を備える不透明の合成樹脂材料などを用いてもよい。また、表側基材10と同じ材料を用いてもよい。裏側基材30が不透明材料である場合には、裏側に裏側有色インキ23を配置しなくてもよい。
【0023】
裏側基材30は、その裏面31が外部から視認できないため、通常は表面粗さが管理されていない。本実施形態では、この裏側基材30の裏面31の表面粗さRaを管理することによって、電磁波透過性部材100の電磁波透過性能を向上させている。
【0024】
裏側基材30は、フィルム材20を積層した表側基材10をインサート材としてインサート成形することによって形成することができる。裏側基材30は、フィルム材20の裏面に塗布された後述する裏側バインダー24によって、フィルム材20に接着されている。
【0025】
図1において、表側基材10の表面11及び裏側基材30の裏面31は、表面粗さが管理された略平面とされており、赤外線センサー等から出射される赤外光などの電磁波が透過する電磁波透過性能を備えている。このような構成によって、表側基材10の表面11及び裏側基材30の裏面31を通過する電磁波が分散されてしまい赤外線センサーによる検出結果に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0026】
なお、電磁波が凹凸形状を通過する際の分散を抑制するために、当該電磁波の波長における表側基材10と裏側基材30の屈折率の差異がなるべく小さいことが好ましい。
【0027】
フィルム材20は、電磁波透過性を有し、光輝性を有するフィルムであり、金属を用いずに金属調の光沢を発現させたフィルム部材である。フィルム材20を構成する材料としては、例えば、東レ株式会社製のピカサス(登録商標)などの加飾性に優れた樹脂フィルムを用いることができる。
【0028】
図2は、板厚と内部ヘイズの関係を示す図である。ここで、「ヘイズ」とは、部品を通過した光のうち拡散した光の割合を表した数値である。「ヘイズ」は、部品の透明さの程度を表しており、以下の数式(1)で表される。
ヘイズ = 拡散透過率/全光線透過率×100[%] (1)
【0029】
「ヘイズ」は、透過光のうち、光軸から2.5度以上傾いて透過した光線の割合であり、「JIS-K-7136:2000」において測定法が規定されている。電磁波として赤外線を想定した本実施形態では、赤外領域のヘイズが低いほど赤外線透過部品としての性能が優れていることを示す。なお、電磁波透過性部材100の電磁波透過性能が確保されている目安は、電磁波の波長帯において、全光線透過率:60[%]以上、ヘイズ:15[%]以下である。また、電磁波透過性部材100は、電磁波透過性能以外にも外観及び強度の仕様を満たす必要がある。
【0030】
また、「ヘイズ」は、部品の板厚や材質に依存する「内部ヘイズ」と、部品の表面状態や外部環境に依存する「外部ヘイズ」とに分類することができる。そして、「ヘイズ」、「内部ヘイズ」及び「外部ヘイズ」の間には、以下の数式(2)で示す関係が成立する。
ヘイズ = 内部ヘイズ + 外部ヘイズ (2)
【0031】
本願明細書において、「ヘイズ」の測定には、分光ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製 HSP-150VIR)を使用し、波長380nm~1600nmの範囲における全光線透過率、拡散透過率、およびヘイズを測定している。測定サンプルには、板厚の異なる赤外線透過性ABSの試験片を使用した。
【0032】
図2に測定結果を示す(実線)。
図2より、部品の板厚(光線に平行な方向の厚み)を薄くするほどヘイズは減少し、板厚とヘイズ(主に内部ヘイズ)との関係は、概ね一次関数で表せることが分かる。
図2の実線は電磁波として波長:905[nm]の赤外光を用いた場合のヘイズの実測値を示しており、表面粗さを抑えて部品の表面状態や外部環境に依存する「外部ヘイズ」を極力抑えた状態でヘイズを測定した結果である。また、
図2の破線は、電磁波として波長:905[nm]の赤外光を用いた場合に、裏側基材30の材料として上述の様々な材料を用いた場合に想定される「内部ヘイズ」がばらつく範囲を示している。
【0033】
図3は、試験片の表面粗さとヘイズとの関係を示した図である。電磁波透過性部材100の表側基材10は、意匠面を構成するため、表面11の表面粗さについては、電磁波透過性部材100の成形金型における表側基材10の表面11を形成する半金型の表面粗さが管理されており、表側基材10の表面粗さに起因する外部ヘイズは十分に小さく抑制されている。これに対して、裏側基材30の裏面31は、意匠面を構成しないことから表面粗さについても管理されていないことが一般的である。
図3より、裏側基材30を成形する半金型の表面粗さを研磨し、表面粗さRaを0.02[μm]程度にまで小さくすることによって、ヘイズを5%以下程度にまで抑制できることが分かった。
【0034】
図3によれば、面粗度とヘイズ(主に外部ヘイズ)との関係についても概ね一次関数で近似することができる。すなわち、裏側基材30の裏面31の表面粗さを小さくすることによってヘイズを低下させることができる。なお、面粗度の測定については、ヘイズ測定箇所とほぼ同じ場所を触針式表面粗さ形状測定機(テーラーホブソン フォームタリサーフ:PG1840)にて測定した。測定方法は、JIS B0601:2001に準拠した。測定サンプルには、厚み約8.6mmの射出成形品(ポリカーボネート(PC)+赤外線透過性ABS)を使用した。PCは、表側基材10,ABSは裏側基材30を想定したものである。
【0035】
図2及び
図3の結果を利用すると、電磁波透過性部材100の目標ヘイズを定めた場合に、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310(
図9C参照)を研磨して裏側基材30の裏面31の表面粗さを小さくすることによって裏側基材30の厚みを厚くする選択肢を確保しつつ電磁波透過性部材100を製造することができる。また、電磁波透過性部材100の目標ヘイズを定めた場合に、裏側基材30の裏面31の表面粗さをどの程度まで小さくすれば目標ヘイズに到達するかを予測して電磁波透過性部材100を製造することができる。以下に実施手順を示す。
【0036】
図4は、裏側基材30の板厚を薄い方からt1,t2,t3の3段階で変えた時の電磁波透過性部材100のヘイズを測定した結果を示しており、横軸を裏側基材30の裏面31の表面粗さRa、縦軸をヘイズとしている。縦軸のヘイズは、電磁波透過性部材100の透過光におけるヘイズであり、表側基材10及びフィルム材20に起因するヘイズも含まれている。
図4のデータは、板厚が固定された表側基材10及びフィルム材20と、板厚及び表面粗さを変えた裏側基材30とを組み合わせた電磁波透過性部材100を複数作成しておき、各電磁波透過性部材100ごとにヘイズを測定することによってあらかじめ作成し、製造装置110の記憶部102(
図6参照)に保存しておく。
【0037】
図5は、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨して裏側基材30の裏面31の表面粗さを小さくすることによって裏側基材30の厚みの選択肢を確保する例を示している。また、
図6は、電磁波透過性部材100の製造装置110の構成の一例を示している。まず、最初のステップでは、あらかじめ製造装置110の制御部101は、記憶部102に保存された、板厚及び表面粗さを変えた裏側基材30を用いた電磁波透過性部材100ごとにヘイズを測定した結果(
図4参照)を取得する(
図5のステップS101)。
【0038】
次に、制御部101は、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨させた後、(
図5のステップS102)、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さを測定させて、取得する(
図5のステップS103)。また、制御部101は、電磁波透過性部材100における赤外線の透過率の仕様等を考慮して決定された目標ヘイズHA
Dを取得する(
図5のステップS104)。この目標ヘイズHA
Dの取得は、作業者が入出力部103から手動で入力した値を取得してもよいし、制御部101が通信部104経由で目標ヘイズHA
Dを取得してもよい。また、半金型310の研磨(ステップS102)は、制御部101が通信部104経由で研磨装置を制御してもよいし、作業者が手動で研磨してもよい。半金型310の研磨は、裏側基材30における電磁波の出射側である裏面31を形成する金型部分の研磨である。研磨に際しては、表面に凹凸が残らないように最初は切削面程度に仕上げる粒度#300から使用し、7から10段階の粒度変更を経て#5000以上、好ましくは#8000以上へと鏡面仕上げを行う。鏡面仕上げは、ダイヤモンドペースト等の研磨粒子を含有するコンパウンド材を使用することが好ましい。また、表面粗さRaの取得(ステップS103)についても、制御部101が通信部104経由で表面粗さ計を制御して値を取得してもよいし、作業者が手動で表面粗さ計を操作して、入出力部103から測定された表面粗さRaを入力してもよい。
【0039】
例えば、ステップS103で取得した表面粗さRaが
図4のRa1であった場合、制御部101は、ステップS101で取得した
図4に示すデータより、これまでの板厚t1(
図4の点A)から板厚t3(
図4の点B)へと板厚を増加させても目標ヘイズHA
Dをクリアできる(ヘイズ≦HA
Dを達成できる)と判断し、裏側基材30の最大許容板厚を、「板厚t3」と決定する。
【0040】
次に、制御部101は、最大許容板厚以下の裏側基材30を成形することによって電磁波透過性部材100を製造する(ステップS106)。この手順によって、制御部101は、半金型310を研磨して裏側基材30の裏面31の表面粗さを小さくすることによって、裏側基材30の厚みの選択肢を確保することができる。すなわち、最大許容板厚以下の板厚で裏側基材30を形成すればよいという結果を得ることができる。
【0041】
図7は、あらかじめ取得した
図4に示すヘイズデータ及び目標ヘイズHA
Dから、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さを決定し、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さが裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さ以下になるまで裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨することによって目標ヘイズHA
Dを達成する手順の例を示している。まず、最初のステップでは、
図5と同様に、あらかじめ製造装置110の制御部101は、記憶部102に保存された、板厚及び裏面31の表面粗さを変えた裏側基材30を用いた電磁波透過性部材100ごとにヘイズを測定した結果(
図4参照)を取得する(
図7のステップS201)。
【0042】
次に、制御部101は、電磁波透過性部材100における赤外線の透過率の仕様等を考慮して決定された目標ヘイズHA
Dを取得する(
図7のステップS202)。この目標ヘイズHA
Dの取得は、作業者が入出力部103から手動で入力した値を取得してもよいし、制御部101が通信部104経由で目標ヘイズHA
Dを取得してもよい。
【0043】
次に、制御部101は、ステップS202で取得した目標ヘイズHA
Dから、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さを決定する(
図7のステップS203)。このステップS203は、例えば裏側基材30の板厚がt3であった場合に、
図4において、ヘイズが目標ヘイズHA
Dとなる表面粗さRa1(
図4における点B)が裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さとなる。
【0044】
次に、制御部101は、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さを取得する(
図7のステップS204)。このステップS204により、現在の表面粗さがRa2(
図4の点C)であったとすると、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さが、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さRa1以下であるか否かを判定する(
図7のステップS205)。裏側基材30の裏面31を形成する半金型の表面粗さ(
図4の点CにおいてRa2)が、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さRa1より大きいため、ステップS205で「NO」と判定されて、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨する(
図7のステップS206)。研磨された裏側基材30の裏面31を形成する半金型310は、再びステップS204で表面粗さを測定され、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さRa1以下となるまで(ステップS205でYESになるまで)繰り返される。
【0045】
次に、制御部101は、最大許容表面粗さRa1以下の表面粗さを有する半金型310を用いて裏側基材30を成形するとともに、電磁波透過性部材100を製造する(ステップS207)。ステップS207の実行によって、最大許容表面粗さRa1以下の表面粗さを有する裏側基材30を形成することができるので、
図4より電磁波透過性部材100のヘイズを目標ヘイズHA
D以下とすることができる。
【0046】
次に、電磁波透過性部材100の製造方法における層形成プロセス(
図5におけるステップS106及び
図7におけるステップS207)について、
図8及び
図9Aから
図9C等を用いて更に詳細に説明する。
【0047】
まず、金属調の光沢を発現させた電磁波透過性の光輝フィルムをフィルム材20として準備し(
図8のステップS301)、フィルム材20の上面及び下面に電磁波透過性インキで両面印刷を行う(
図8のステップS302及び
図9A)。より具体的には、フィルム材20の上面に電磁波透過性を有する、例えば紺色用の表側有色インキ21及び表側バインダー22を形成する。表側有色インキ21の形成は、例えばスクリーン印刷を用いてパターニングしており、表側から見て表側有色インキ21が形成されていないインキ未形成領域21aにおいて、透明又は半透明の表側バインダー22を通して光輝性を有するフィルム材20の色を視認することができる。なお、表側バインダー22は、意匠を形作る表側有色インキ21及びフィルム材20と表側基材10とを接着し密着させる機能を備えている。
【0048】
また、上述の表側有色インキ21及び表側バインダー22の形成と同時に、フィルム材20の裏側に裏側有色インキ23及び裏側バインダー24を形成する。裏側バインダー24は、裏側有色インキ23及びフィルム材20と裏側基材30とを接着し密着させる機能を備えている。なお、裏側基材30に不透明樹脂を用いている場合には、この裏側有色インキ23の配置を省略することもできる。フィルム材20は、電磁波透過性を十分に確保するために、金属を用いていないことが好ましい。本実施形態において、フィルム材20の厚みは約130μmである。
【0049】
次に、ステップS302により表面及び裏面に印刷を施したフィルム材20に対して高圧成形によるプレフォーミングを行う(
図8のステップS303)。本実施形態では、平板状のフィルム材20に対してプレフォーミングを行うことによって、図示しない凹凸形状を形成する。ステップS303で用いる高圧成形は、高い空気圧下で成形を行うことによって熱によるフィルムの膨張や変形が少なく比較的高い寸法精度の立体成形を行うことができる。なお、プレフォーミングには、上述の高圧成形のほか、フィルム材20と型の間を真空引きすることによってフィルム材20を型に密着させて成形する真空成形や、油圧式などのベンディング機によって形状付与するようにしてもよい。
【0050】
なお、インキの発泡やフィルム材20の層間剥離等による外観不良はヘイズを悪化させる要因となる。それらの外観不良が発生しないように高圧賦形条件を適宜調整する必要がある。
【0051】
次に、ステップS303によって凹凸形状を形成したフィルム材20を、プレス型抜きによって所定の形状へとトリミングを行う(
図8のステップS304)。ここでいう所定の形状とは、金型の表側基材10側の半金型230のキャビティに対応した形状である。
【0052】
次に、金型内で表側基材10のインサート成形を行う(
図8のステップS305及び
図9B)。
【0053】
表側基材10のインサート成形を行うに際しては、まず、金型のうちの裏側基材30側の半金型210(
図9B参照)にインサート材としてのフィルム材20を配置する。裏側基材30側の半金型210へのフィルム材20の配置に際しては、まずフィルム材20の凹凸形状を裏側基材30側の半金型210の凹凸型部に嵌合させて位置合わせを行う。位置合わせされたフィルム材20は、裏側基材30側の半金型210により吸引されて仮固定される。
【0054】
フィルム材20を裏側基材30側の半金型210に配置した後、可動側金型である裏側基材30側の半金型210を表方向(
図9Bの上方向)に移動させて表側基材10を形成する半金型230に当接させて金型を閉じる。そして、射出成形機から表側基材10を形成する半金型230内に溶融したPCを供給し、表側基材10を成形する(
図8のステップS305)。なお、
図9Bにおいて溶融した表側基材10の樹脂を供給するゲートは図示を省略している。
【0055】
次に、成形した表側基材10を表側基材10形成用の半金型230から離型させ、表側基材10とフィルム材20を積層した状態で裏側基材30側の半金型210から離型する。その後、成形品を大気雰囲気下で冷却する。
【0056】
次に、フィルム材20の裏側に裏側基材30(ABS)をインサート成形する(
図8のステップS306及び
図9C)。裏側基材30の成形は、ステップS305において裏側基材30側の半金型210から離型させた表側基材10及びフィルム材20の積層体を、インサート材として
図9Cに示す表側基材10側の半金型330内にセットした状態で吸引して仮固定する。次に、表側基材10側の半金型330と裏側基材30側の半金型310とを合わせて金型を閉じ、溶融した裏側基材30の樹脂を表側基材10側の半金型330のキャビティ内に半金型310側から射出する。本実施形態では、
図9Cに示すように、裏側基材30の樹脂を表側基材10側の半金型330のキャビティ内に射出するが、裏側基材30の裏面31(
図9Cにおける裏側基材30の下面)については、裏側基材30側の半金型310によって形成されている。従って、裏側基材30の裏面31の表面粗さは、裏側基材30側の半金型310の表面粗さによって決定される。なお、
図9Cにおいて溶融した裏側基材30の樹脂を供給するゲートは図示を省略している。
【0057】
ステップS306において裏側基材30の成形を行った後に急冷させないように金型内部で徐冷し、その後金型から離型させ、成形品を大気雰囲気下で冷却する。
【0058】
次に、冷却された成形品における表側基材10の表面にUV硬化性の透明塗料であるハードコートを塗布する(
図8におけるステップS307)。このハードコートは、電磁波透過性部材100の表面を傷、紫外線又は風雨などから保護する役割を果たしている。ハードコートを塗布するに際しては、UV硬化前に予備乾燥を行って塗料内の溶剤を揮発させながらレベリングさせることによって、均一な塗装面へと仕上げることができる。
【0059】
以上述べたように、本実施形態は、表側基材10と、フィルム材20と、裏側基材30とを積層した電磁波透過性部材100の製造方法であって、あらかじめ測定された、裏側基材30の板厚と、裏側基材30の裏面31の表面粗さと、電磁波透過性部材100のヘイズとの関係を取得するステップと、電磁波透過性部材100を形成する金型における、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨するステップと、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さを取得するステップと、電磁波透過性部材100の目標ヘイズを取得するステップと、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さ、並びに電磁波透過性部材100の目標ヘイズから、裏側基材30の最大許容板厚を決定するステップと、金型を用いて、最大許容板厚以下の裏側基材30を形成するステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨して裏側基材30の裏面31の表面粗さを小さくすることによって、裏側基材30の裏面31で発生する外部ヘイズを抑制し、電磁波透過性部材100で生じるヘイズを目標ヘイズ以下へと低減することができる。これによって、裏側基材30の厚みの選択肢を広げることができる。
【0060】
また、定期的に金型や製品の面粗度を測定することによって、保守の管理項目とすることができるので、安定した品質の維持管理に役立てることができる。
【0061】
また、本実施形態は、表側基材10と、フィルム材20と、裏側基材30とを積層した電磁波透過性部材100の製造方法であって、あらかじめ測定された、裏側基材30の板厚と、裏側基材30の裏面31の表面粗さと、電磁波透過性部材100のヘイズとの関係を取得するステップと、電磁波透過性部材100の目標ヘイズを取得するステップと、目標ヘイズから、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さを決定するステップと、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さを取得するステップと、取得された裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さが、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さより小さくなるまで、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨するステップと、最大許容表面粗さ以下の表面粗さを有する半金型310を用いて、裏側基材30を形成するステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、あらかじめ測定されたヘイズデータ及び目標ヘイズから、裏側基材30の裏面31の最大許容表面粗さを決定し、裏側基材30の裏面31を形成する半金型310の表面粗さが裏側基材30の裏面31のう以下になるまで裏側基材30の裏面31を形成する半金型310を研磨することによって目標ヘイズを達成することができる。
【0062】
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0063】
例えば、本実施形態では、電磁波透過性部材100が赤外光に対する透過性を有することを前提に説明したが、この態様には限定されず、レーダー装置から発信されるミリ波やマイクロ波などの他の波長帯の電磁波を透過させるものであってもよい。
【0064】
また、本実施形態では、表側基材10及び裏側基材30をインサート成形するに際して裏側基材30側の半金型210,310を可動側金型とし、表側基材10側の半金型230,330を固定側金型とすることを想定しているが、この態様には限定されない。裏側基材30側の半金型210,310を固定側金型とし、表側基材10側の半金型230,330を可動側金型としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 表側基材
11 表面
20 フィルム材
21 表側有色インキ
21a インキ未形成領域
22 表側バインダー
23 裏側有色インキ
24 裏側バインダー
30 裏側基材
31 裏面
100 電磁波透過性部材
101 制御部
102 記憶部
103 入出力部
104 通信部
110 電磁波透過性部材の製造装置
210 裏側基材側の半金型(前工程用)
230 表側基材側の半金型(表側基材の表面成形用)
310 裏側基材側の半金型(裏側基材の裏面成形用)
330 表側基材側の半金型(裏側基材の樹脂射出用)