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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124204
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/00 20060101AFI20240905BHJP
   E05F 15/73 20150101ALI20240905BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20240905BHJP
【FI】
E06B3/00 C
E05F15/73
E05F15/611
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032209
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】酒井 秀忠
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA06
2E052CA06
2E052EA03
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052GB01
(57)【要約】
【課題】顔認証を行う際に、顔認証が行われる人が正しい認証位置にいるか否かを確認することが可能な建具を提供すること。
【解決手段】戸体本体3と、戸体本体3が閉位置に位置するときの戸体本体3の戸先側に配置される、袖部4又は子扉と、人を特定して認証するディスプレイ付顔認証装置73と、を備え、ディスプレイ付顔認証装置73は、撮像機能を有し、袖部4又は子扉に設けられ、ディスプレイ付顔認証装置73のディスプレイ731には、ディスプレイ付顔認証装置73による撮像結果が表示される建具1である。戸体本体3を開閉駆動する電動開閉機構5と、ディスプレイ付顔認証装置73による認証に基づき電動開閉機構5の制御をする制御部72と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸体本体と、
前記戸体本体が閉位置に位置するときの前記戸体本体の戸先側に配置される、袖部又は子扉と、
人を特定して認証するディスプレイ付顔認証装置と、を備え、
前記ディスプレイ付顔認証装置は、撮像機能を有し、前記袖部又は子扉に設けられ、
前記ディスプレイ付顔認証装置のディスプレイには、前記ディスプレイ付顔認証装置による撮像結果が表示される建具。
【請求項2】
開き戸を構成する前記戸体本体を開閉駆動する電動開閉機構と、
前記ディスプレイ付顔認証装置による認証に基づき前記電動開閉機構の制御をする制御部と、を備える請求項1に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔認証により施解錠を行う建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-143769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の建具においては、顔認証を行う際には、顔認証が行われる人が正しい認証位置にいる必要がある。しかし、実際には正しい認証位置にいるか否かの確認ができないという問題がある。
【0005】
本開示は、顔認証を行う際に、顔認証が行われる人が正しい認証位置にいるか否かを確認することが可能な建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、戸体本体と、前記戸体本体が閉位置に位置するときの前記戸体本体の戸先側に配置される、袖部又は子扉と、人を特定して認証するディスプレイ付顔認証装置と、を備え、前記ディスプレイ付顔認証装置は、撮像機能を有し、前記袖部又は子扉に設けられ、前記ディスプレイ付顔認証装置のディスプレイには、前記ディスプレイ付顔認証装置による撮像結果が表示される建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の建具を室外側から見た図である。
図2】一実施形態の建具の制御装置による制御を示すフローチャートである。
図3】一実施形態の建具のLEDが点灯した状態を示す図である。
図4】一実施形態の建具のディスプレイ付顔認証装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の建具の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明においては、ドア本体3及び袖部4の横方向を左右方向Xとする。左右方向Xは、ドア本体3の幅方向であり、袖部4の幅方向である。左右方向Xにおいて、一方側をX1側(図1における右側)とし、他方側をX2側(図1における左側)とする。
【0009】
図1に示すように、本実施形態の建具1は、住宅用の建物に固定される枠体2と、枠体2内の左右方向XのX1側に開閉可能に配置されるドア本体3(戸体本体)と、枠体2内の左右方向XのX2側に配置される袖部4と、電動ドアクローザ5(電動開閉機構)と、2つの電気錠装置71と、制御ユニット72と、人を特定する顔認証装置73と、を備える。
【0010】
玄関周りの構造において、建具1に隣接した位置には、壁部11が配置される。壁部11は、室外側から見た場合に、建具1の左右方向Xの両側の側方に隣接して配置される一対の側方壁部12と、建具1の上方に隣接して配置される上方壁部13と、を有する。
【0011】
枠体2は、建物の壁部11の内周に形成される開口部の四周に沿って設けられる。枠体2は、横枠としての上枠21及び下枠22と、左右方向XのX1側に配置される吊元側の縦枠23と、左右方向XのX2側に配置される縦枠24と、により矩形に枠組みされる。枠体2内には、ドア本体3及び袖部4が、左右方向Xに隣接して配置されている。ドア本体3は、左右方向XのX1側に配置されている。袖部4は、ドア本体3の左右方向XのX2側に配置されている。
【0012】
ドア本体3は、上下方向に長い略長方形の板状に形成されている。ドア本体3は、左右方向XのX1側の縦枠23に設けられる丁番231の回転軸を中心に回転して開閉可能な開きドアである。ドア本体3は、閉じた状態から室外側(図1の紙面の手前側)に向けて回転する、いわゆる外開きで取り付けられる。
【0013】
ドア本体3の上部の吊元側には、電動ドアクローザ5が設けられている。電動ドアクローザ5は、ドア本体3を電動で開閉駆動する。電動ドアクローザ5は、後述するように、有線の配線により、袖部4に設けられる制御ユニット72に電気的に接続されている。電動ドアクローザ5は、制御ユニット72により制御されることで、ドア本体3を電動で開閉できる。
【0014】
ドア本体3の室外側の表面には、ハンドルは設けられていない。ドア本体3の室内側の表面には、室内側ハンドル(図示せず)が設けられている。室内側ハンドルは、ドア本体3の戸先側の端部寄りに配置される。
【0015】
袖部4は、ドア本体3に隣接して枠体2内に配置されている。袖部4は、ドア本体3が閉位置に位置する場合において、ドア本体3の戸先側に配置されている。袖部4は、左右方向XのX2側の縦枠24に設けられる丁番241の回転軸を中心に回転して開閉可能な子扉である。袖部4は、閉じた状態から室外側(図1の紙面の手前側)に向けて回転する、いわゆる外開きで取り付けられる。袖部4は、通常時は、閉じた状態で固定されており、引っ越し等において大きな荷物を出し入れする際に枠体2内の開口部を大きく広げたい場合などに、開いた状態で使用される。
【0016】
袖部4には、2つの電気錠装置71と、制御ユニット72(制御部)と、顔認証装置73(生体認証装置)と、が設けられている。電気錠装置71、制御ユニット72及び顔認証装置73の各電気デバイスは、袖部4側に集約されている。これにより、ドア本体3の加工や部品格納スペースが不要となり、生産性を向上させることができる。
【0017】
電気錠装置71は、ドア本体3を施解錠する。2つの電気錠装置71は、それぞれ、モータ(図示せず)などの施解錠駆動部(図示せず)が配置されたボックス部711と、図示しないフック状のデッド鎌部と、を有する。
【0018】
図示しないデッド鎌部は、袖部4の側端面からドア本体3側に出没可能に設けられている。デッド鎌部は、施錠時において先端が上方に突出する鎌形状に形成される。デッド鎌部は、ドア本体3の錠受け部32に係合可能である。電気錠装置71は、電気錠装置71のモータ(図示せず)を駆動させることで、デッド鎌部を移動させて、ドア本体3を施解錠する。
【0019】
顔認証装置73は、認証システムを構成し、暗証番号の入力が可能なディスプレイ731(図4参照)を有しているいわゆるディスプレイ付顔認証装置であり、顔認証が行われる人の撮像が可能な撮像機能を有する。顔認証装置73は、ドア本体3の室外側の所定領域内に人が入ってきたことを感知して、当該人の顔情報を読み取り、顔情報に基づき、当該人が予め設定され登録された特定の利用者か否か判断する。これと同時に、顔認証装置73は、当該人の撮像を行い、図4に示すように、撮像結果である撮像された動画Fを、顔認証装置73のディスプレイ731に表示する。
【0020】
当該人が予め設定され登録された利用者である場合には、顔認証装置73は、当該人を認証する。認証した旨の認証信号は、制御ユニット72に送信される。制御ユニット72は、当該人が予め設定され登録された利用者ではない場合には、当該人を認証せずに、認証しない旨の信号は、制御ユニット72に送信される。これと同時に、顔認証装置73は、当該人の撮像を行い、ドア本体3の室外側の予め設定された所定領域の外に当該人が出るまでの間、又は、予め設定された時間の間、当該人の撮像及び記録を継続する。そして図4に示すように、撮像結果である撮像された動画Fを、顔認証装置73のディスプレイ731に表示する。
【0021】
顔認証装置73は、ディスプレイを有しているいわゆるディスプレイ付顔認証装置であるため、撮像結果である撮像された動画Fを、顔認証装置73のディスプレイ731に表示することができ、利用者が正しい認証位置に位置していることを視認して確認することができる。この結果、操作性向上を図ることができる。また、袖部4に顔認証装置73が設けられているため、別途壁等に顔認証装置を設置する手間がかからず、施工性の向上を図ることが可能となる。また、ドア本体3が自動開閉の開きドアであるため、ドア本体に顔認証装置を設置すると、顔認証をした利用者に、開き始めたドア本体が衝突する危険性があるが、袖部4に顔認証装置73が設けられているため、衝突の危険性がなく、安全性向上を図ることが可能となる。
【0022】
制御ユニット72は、顔認証装置73により人を認証した場合には、ドア本体3の電気錠装置71のデッド鎌部をモータ(図示せず)により移動させて、ドア本体3を解錠すると共に、認証した特定の人に対応する、あらかじめ設定され記憶された情報に基づいて、袖部4に設けられたLED75(警報装置、照明装置)を、例えば、オレンジ色により適切に点灯し、且つ、電動ドアクローザ5によりドア本体3を開位置に移動させるように制御する。
【0023】
顔認証装置73が当該人を認証しなかった場合には、制御ユニット72は、認証されなかった当該人に対応する、あらかじめ設定され記憶された情報に基づいて、袖部4に設けられたLED75(警報装置、照明装置)を所定の色、例えば赤色等により点滅させ、且つ、顔認証装置73が当該人の顔を録画するように、LED75及び顔認証装置73に対して制御する。即ち、制御ユニット72は、顔認証装置73による認証の結果を、照明装置としてのLED75による照明により表示する制御を行う。
【0024】
制御ユニット72は、有線で、2つの電気錠装置71、顔認証装置73、ドアホンモニター74、LED75及び電動ドアクローザ5に接続されている。具体的には、制御ユニット72と2つの電気錠装置71とは、袖部4の内部に配置される配線81により、有線で接続されている。制御ユニット72と顔認証装置73とは、袖部4の内部に配置される配線82により、有線で接続されている。顔認証装置73は、袖部4の内部に配置される有線の配線96と、壁部11の内部に配置される有線の配線97とが、袖部4と縦枠24との間で通電金具85により通電され、ドアホンモニター74に接続されている。ドアホンモニター74においては、顔認証装置73により撮像された人の動画を表示可能である。これにより、ドアホンモニター74において、撮像された人を確認することができる。
【0025】
制御ユニット72には、袖部4の内部に配置される配線91と、壁部11の内部に配置される配線92とが、袖部4と縦枠24との間で通電金具85により通電され、また、配線92、及び、ACアダプタ94を介して、有線で交流電源が接続され、給電される。また、制御ユニット72には、袖部4の内部に配置される配線83により、有線でLED75が接続されている。LED75は、袖部4の4つの周縁部のうちのいずれか少なくとも1つ、例えば、図3に示すように、縦枠24に対向する袖部4の縁部に設けられている。LED75は、袖部4の4つの周縁部のうちの全ての周縁に設けられていてもよい。LED75は、当該縁部において発光して、発光した光751は、袖部4と縦枠24との隙間から屋外側へ照射される。
【0026】
また、制御ユニット72には、袖部4の内部に配置される配線91と、壁部11の内部に配置される配線84とが、袖部4と縦枠24との間で通電金具85により通電され、また、ドア本体3の内部に配置される配線86と、配線84とが、ドア本体3と縦枠23との間で通電金具87により通電されて、有線で、電動ドアクローザ5が接続されている。
【0027】
このように、ACアダプタを介して制御ユニット72に給電された電気は、2つの電気錠装置71、顔認証装置73、LED75へ給電される。これにより、建具1を設置する際に、建具1の各部へ給電するための外部電源工事を、制御ユニット72への給電工事の一箇所で済ませることが可能となり、施工性の向上が図られた建具1とすることが可能となる。また、配線を目視されにくい位置とすることが可能となり、意匠性の向上が図られた建具1とすることが可能となる。このような配線により、制御ユニット72は、建具1の各種動作を制御する。通電金具85、通電金具87は、例えばコイル状の金属部材により構成され、配線を内部に配置することで、配線が袖部4やドア本体3の開閉の際に挟まらないように保護する。
【0028】
次に、本実施形態の建具1において、利用者がドア本体3を開く際の制御について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。先ず、室外側からドア本体3を解錠してドア本体3を開けて室内に入りたい場合には、利用者はドア本体3の前に近づく。これにより、利用者がドア本体3の室外側の所定領域内に入ることにより顔認証装置73に対して所定距離よりも近付いたときに、ステップS101において、顔認証装置73による顔情報の取得が行われ、ステップS102において、所定領域内に入った利用者が、予め登録された利用者であるか否かの判断が行われる。
【0029】
ステップS102において、所定領域内に入った利用者が、予め登録された利用者であると、顔認証装置73が判断した場合には(ステップS102:YES)、顔認証装置73は、当該利用者を認証し、認証した旨の認証信号を、制御ユニット72に送信する。そして制御の処理は、ステップS103へと進む。所定領域内に入った利用者が、予め登録された利用者ではないと、顔認証装置73が判断した場合には(ステップS102:NO)、制御の処理はステップS104へと進む。
【0030】
ステップS103において制御ユニット72は、電気錠装置71がドア本体3を解錠する制御を行う。そして制御の処理はステップS105へと進む。
【0031】
ステップS105において制御ユニット72は、認証した利用者に対応する、あらかじめ設定され記憶された情報に基づいて、袖部4に設けられたLED75を、例えば、オレンジ色により点灯して、解錠された旨の解錠の情報として表示し、且つ、適切な開速度にて、電動ドアクローザ5によりドア本体3を開位置に移動させる制御を行う。これにより、認証した利用者が、健常者の場合や、車椅子利用者の場合や、成人の場合や、子供や高齢者の場合等に対応して、それぞれに適した使い勝手を実現することが可能となる。
【0032】
より具体的には、このときのドア本体3の開速度は、当該認証した利用者に対応した適切な速度とされる。具体的には、例えば、ドア本体3は、当該認証した利用者が成人の健常者であれば、速い速度で開き、当該認証した利用者が車椅子利用者や、子供や高齢者等の場合には、ゆっくりと開くように、制御ユニット72は、電動ドアクローザ5に対して制御を行う。これにより、ドア本体3の開速度が速くて利用者に衝突すること等を回避することが可能となり、利用者のそれぞれに適した使い勝手を実現することが可能となる。
【0033】
また、このときのドア本体3の開角度は、当該認証した利用者に対応した適切な角度とされる。具体的には、例えば、ドア本体3は、当該認証した利用者が健常者であれば、45度の角度で開き、当該認証した利用者が車椅子利用者の場合には、90度の角度で開くように、制御ユニット72は、電動ドアクローザ5に対して制御を行う。これにより、ドア本体3の開角度が狭くて利用者が通過しにくい等を回避することが可能となり、利用者のそれぞれに適した使い勝手を実現することが可能となる。
【0034】
また、このときのドア本体3の開時間は、当該認証した利用者に対応した適切な時間とされる。具体的には、例えば、ドア本体3は、当該認証した利用者が成人の健常者であれば、10秒間開き続け、当該認証した利用者が車椅子利用者や、子供や高齢者等の場合には、30秒間開き続けるように、制御ユニット72は、電動ドアクローザ5に対して制御を行う。これにより、ドア本体3の開時間が短くて利用者が通過し終える前にドア本体3が閉じてしまう等を回避することが可能となり、利用者のそれぞれに適した使い勝手を実現することが可能となる。
【0035】
開時間が経過すると、制御ユニット72は、電動ドアクローザ5に対して、当該認証した利用者に対応した適切な閉速度にて、ドア本体3を閉位置に移動させる制御を行う。このときのドア本体3の閉速度は、当該認証した利用者に対応した適切な速度とされる。具体的には、例えば、ドア本体3は、当該認証した利用者が健常者であれば、速い速度で閉じ、当該認証した利用者が車椅子利用者の場合には、ゆっくりと閉じるように、制御ユニット72は、電動ドアクローザ5に対して制御を行う。これにより、ドア本体3の閉速度が速くて利用者が危険に感じること等を回避することが可能となり、利用者のそれぞれに適した使い勝手を実現することが可能となる。そして制御の処理は終了する。
【0036】
これにより、認証される利用者がドア本体3の前に近づくだけで、完全非接触で、自動でドア本体3が解錠され、自動でドア本体3が開く。これにより、利用者は、完全非接触で、室内に入ることができる。その後、当該認証した利用者に対応した適切な所定時間経過後(例えば、数秒後)に、ドア本体3が閉められ、ドア本体3は、電気錠装置71により施錠される。
【0037】
ステップS104において制御ユニット72は、袖部4に設けられたLED75を所定の色、例えば赤色等により点滅させて、解錠されなかった旨の解錠の情報として表示し、且つ、顔認証装置73が当該人の顔を録画し、顔認証装置73のディスプレイに、撮像結果である撮像された動画を表示するように、LED75及び顔認証装置73に対して制御する。
【0038】
これにより、警報としてのLED75が赤色等により点滅することで、視認性を高めることが可能となり、周囲の人から注目されることが可能となる。これにより、顔認証装置73により顔情報の取得がされた人が、万が一犯罪を試みようとしていた場合であっても、犯罪を踏みとどまらせることが可能となる。また、顔認証装置73が、撮像結果である人の撮像された動画を表示することで、当該人は自分が撮像されたことを認識し、万が一犯罪を試みようとしていた場合であっても、犯罪を踏みとどまらせることが可能となる。この結果、防犯性を向上させることが可能となる。
【0039】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0040】
例えば、制御ユニットは、ドア本体の開閉の手動/自動の切替の制御を行ってもよい。これにより、手動でドア本体を開きたい利用者や自動でドア本体を開きたい利用者のそれぞれの好みにあわせた使い勝手を実現することが可能となる。
【0041】
また、前記実施形態においては、生体認証装置としてディスプレイ付顔認証装置73が用いられたが、これに限定されない。他の生体認証装置、例えば、指紋、瞳等の認証を行う装置が用いられてもよい。
【0042】
また、本実施形態においては、袖部4を開閉可能に構成したが、これに限定されない。袖部は、開閉不能に固定されるように構成しされてもよい。この場合、ディスプレイ付顔認証装置は、開閉不能な袖部に設けられていてもよい。
【0043】
また、本実施形態においては、制御ユニット72へ、ACアダプタ94を介して建具1の外部から給電されて、制御ユニット72から、電気錠装置71、電動ドアクローザ5、顔認証装置73へ給電が行われたが、これに限定されない。例えば、電気錠装置、電動開閉機構、生体認証装置、及び、制御部の4つの装置のうちのいずれか1つの装置に建具の外部から給電され、1つの装置から他の3つの装置へ給電を行えばよい。制御ユニット72から給電を行う場合には、電気錠装置71、制御ユニット72、顔認証装置73、電動ドアクローザ5において、制御ユニット72は、電気錠装置71や電動ドアクローザ5のように駆動部を備えず、また、顔認証装置73のように外部露出をしていない為、故障による交換が発生する可能性が低い。更に、制御ユニット72、は全ての機器と電気的に直接接続されている。このため、制御ユニット72からの給電が最も好ましい。また、ACアダプタ94に代えて、壁内配線から給電されてもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、ドア本体3の室外側の表面には、ハンドルは設けられていなかったが、この構成に限定されず、ハンドルが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 建具、3 ドア本体(戸体本体)、4 袖部、5 電動ドアクローザ(電動開閉機構)、71 電気錠装置、72 制御ユニット(制御部)、73 顔認証装置(鍵生体認証装置) 75 LED(警報装置、照明装置) 94 ACアダプタ
図1
図2
図3
図4