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特開2024-124219債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124219
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032227
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 直樹
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 太一
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB11
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】過入金が発生した場合に、顧客の合意を得た内容で過入金の返却の有無等をシステム上で処理可能となり、業務作業でのミスを低減し得る債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態の債権管理装置は、制御部を備える債権管理装置であって、顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出部と、前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える債権管理装置であって、
顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、
顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、
顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出部と、
前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付部と、
を備えることを特徴とする債権管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記過入金処理受付部が受け付けた処理方法に基づき、過入金の口座取引データを作成する口座取引データ作成部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
過入金を顧客に返却する場合の仕訳データを作成する仕訳データ作成部と、
顧客に返却する金額、返却を行う金融機関情報、返却日を含む送金データを作成する送金データ作成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項4】
前記過入金算出部は、入金日が返済日より後日である場合、遅延損害金を加算した請求額と入金額とを比較して過入金の有無および過入金の額を算出することを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項5】
前記過入金処理受付部は、顧客に返却する金額を受付可能であって、返却する金額が振込手数料以下の場合、雑収入として処理することを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項6】
制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理方法であって、
顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、
顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、
顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、
にアクセス可能であり、
前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出ステップと、
前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付ステップと、
を含むことを特徴とする債権管理方法。
【請求項7】
制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理プログラムであって、
顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、
顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、
顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、
にアクセス可能であり、
前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出ステップと、
前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付ステップと、
を実行することを特徴とする債権管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の分割購入等に伴う支払において、スマートフォンやATM等の普及により様々なチャネルができ、債務者からの入金経路の複雑化し、過入金となるケースが多くなっている。
【0003】
従来、過入金が発生した場合は、システム上で過入金を全額返却するか、手動で過入金を翌月請求分として一部充当した後、残金を全額返却しているが、過入金の発生が多くなっているため、作業に時間を取られるとともに、業務作業でのミスも発生しやすくなる。
【0004】
特許文献1には、請求人のコンピュータ装置と、この請求人のコンピュータ装置とWebページを通じて商品取引を行なう被請求人側の管理本部及びこの管理本部の傘下にある任意数の部署又は傘下にある任意数の登録企業の共通の識別情報及び個別のパスワードが振付けられた各コンピュータ装置と、各コンピュータ装置間の情報通信を行なう通信網とを含む構成で、かつ、請求人のコンピュータ装置から管理本部のコンピュータ装置への電子請求書の一括請求方式で、電子請求書の総合的な、かつ、効率の良い管理を実現することができる商品取引情報総合管理システムとして、被請求人からの入金を月別に管理し、入金が過不足0の場合は入金済みと判定し、次月請求分のみ請求、入金無し又は入金不足金額の場合は次月の請求書に自動的に繰越として次月請求分で上乗せ請求、過入金額の場合は次月請求金額からマイナス相殺し、次月請求分で過入金額相殺請求、と各々と判定して、前記請求書作成手段による前記個別の又は一括した電子請求書の作成に反映させる入金管理手段を備えるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-9245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のシステムでは、過入金が発生した場合に次月請求金額からマイナス相殺し、次月請求分で過入金額相殺請求することが可能となるが、過入金額が次月請求金額以上の場合を含め返金処理については全く考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、過入金が発生した場合に、顧客の合意を得た内容で過入金の返却の有無等をシステム上で処理可能となり、業務作業でのミスを低減し得る債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権管理装置は、制御部を備える債権管理装置であって、顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出部と、前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権管理装置は、前記制御部は、前記過入金処理受付部が受け付けた処理方法に基づき、過入金の口座取引データを作成する口座取引データ作成部、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る債権管理装置は、前記制御部は、過入金の仕訳データを作成する仕訳データ作成部と、顧客に返却する金額、返却を行う金融機関情報、返却日を含む送金データを作成する送金データ作成部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る債権管理装置は、前記過入金算出部は、入金日が返済日より後日である場合、遅延損害金を加算した請求額と入金額とを比較して過入金の有無および過入金の額を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る債権管理装置は、前記過入金処理受付部は、顧客に返却する金額を受付可能であって、返却する金額が振込手数料以下の場合、雑収入として処理することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る債権管理方法は、制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理方法であって、顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、にアクセス可能であり、前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出ステップと、前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る債権管理プログラムは、制御部を備える債権管理装置で実行される債権管理プログラムであって、顧客番号を含む顧客情報、顧客が使用する金融機関情報を含む顧客データと、顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、合計金額、請求日を含む債権の請求データと、顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む入金データと、にアクセス可能であり、前記請求データと前記入金データとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する過入金算出ステップと、前記過入金の処理方法を受け付ける過入金処理受付ステップと、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、過入金が発生した場合に、顧客の合意を得た内容で過入金の返却、充当等の処理をシステム上で受付可能となり、業務作業でのミスも低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施の形態に係る債権管理装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、従来の債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図3図3は、従来の債権管理装置での過入金(預り金)の処理の受付画面MAの一例を示す図である。
図4図4は、従来の債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図5図5は、過入金(預り金)を一部返却する場合の処理フローを示す図である。
図6図6は、従来の債権管理装置で過入金(預り金)を一部返却する場合に作成される口座取引データの一例を示す図である。
図7図7は、従来の債権管理装置で過入金(預り金)を一部返却する場合に作成される仕訳データの一例を示す図である。
図8図8は、従来の債権管理装置で過入金(預り金)を一部返却する場合に作成される仕訳データの一例を示す図である。
図9図9は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図10図10は、本実施の形態に係る債権管理装置での過入金(預り金)の処理の受付画面MB-1の一例を示す図である。
図11図11は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図12図12は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される仕訳データの一例を示す図である。
図13図13は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される送金データの一例を示す図である。
図14図14は、従来の債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図15図15は、預り金を一部雑収入にする場合の処理フローを示す図である。
図16図16は、従来の債権管理装置で預り金を一部雑収入にする場合に作成される口座取引データの一例を示す図である。
図17図17は、従来の債権管理装置で預り金を一部雑収入にする場合に作成される仕訳データの一例を示す図である。
図18図18は、従来の債権管理装置で預り金を一部雑収入にする場合に作成される仕訳データの一例を示す図である。
図19図19は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図20図20は、本実施の形態に係る債権管理装置での預り金の処理の受付画面MB-2の一例を示す図である。
図21図21は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される口座取引データの一例を示す図である。
図22図22は、本実施の形態に係る債権管理装置で作成される仕訳データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る債権管理装置、債権管理方法、および債権管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る債権管理装置の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る債権管理装置100の構成の一例を示す図である。
【0019】
債権管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、債権管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0020】
債権管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。債権管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、債権管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権管理装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置400および出力装置500が接続されている。出力装置500には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置400には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置500をモニタ500とし、入力装置400をキーボード400またはマウス400として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、例えば、顧客データ106aと、請求データ106bと、入金データ106cと、口座取引データ106dと、仕訳データ106eと、送金データ106fと、等が格納されている。
【0025】
顧客データ106aは、債権の契約を行っている顧客に関するデータである。顧客データ106aには、顧客番号を含む顧客情報、顧客の債権額等の債権情報、顧客が使用する金融機関情報等が格納されている。
【0026】
請求データ106bは、債権契約に基づく、顧客の月毎の請求に関するデータである。請求データ106bには、顧客番号を含む顧客情報、元金金額、利息金額、元金と利息を合計した請求金額、請求日を含む請求情報が格納されている。
【0027】
入金データ106cは、顧客からの入金に関するデータである。入金データ106cには、顧客番号を含む顧客情報、入金額、入金日を含む金情報が格納されている。
【0028】
口座取引データ106dは、顧客からの入金、過入金(預り金)の返却等の取引毎に作成されるデータである。口座取引データ106dには、顧客番号を含む顧客情報、取引のデータ区分、取引日、入金額、元金金額、利息金額、遅延損害金、繰り越し預り金、発生預り金、預り金返却額等の口座取引情報が格納されている。
【0029】
仕訳データ106eは、顧客からの入金、過入金(預り金)等の取引毎の仕訳の際に作成されるデータである。
【0030】
送金データ106fは、過入金を顧客に返却するために作成されるデータである。送金データ106fは、顧客番号を含む顧客情報、過入金の送金日、送金元の銀行コード、送金先である銀行コード、銀行名、支店名、口座情報等の金融機関情報、送金額等の送金情報が格納されている。
【0031】
制御部102は、債権管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0032】
制御部102は、機能概念的に、過入金算出部102a、過入金処理受付部102b、口座取引データ作成部102c、仕訳データ作成部102d、送金データ作成部102eなどを備える。
【0033】
過入金算出部102aは、請求データ106bと入金データ106cとの比較により、過入金の有無および過入金の額を算出する。
【0034】
過入金処理受付部102bは、過入金算出部102aが過入金であると判定した場合、発生した過入金の処理方法を受け付ける。過入金の処理方法の受け付けは、例えば、図10に示すような受付画面MB-1等により受け付ける。
【0035】
口座取引データ作成部102cは、入金および出金にかかる口座取引データ106dを作成する。また、口座取引データ作成部102cは、過入金処理受付部102bが受け付けた処理方法に基づき、過入金の口座取引データ106dを作成する。
【0036】
仕訳データ作成部102dは、顧客からの入金、過入金(預り金)等の取引毎の仕訳の際に仕訳データ106eを作成する。
【0037】
送金データ作成部102eは、過入金(預り金)が発生し、過入金(預り金)を顧客に返却する際に、顧客に返却する金額、返却を行う金融機関情報、返却日を含む送金データ106fを作成する。
【0038】
[2.処理]
ここでは、債権管理装置100で実行される処理の具体例について、従来の債権管理装置と対比しながら、図2~22を参照して説明する。
【0039】
例えば、2022年10月10の期限で20,000円(元金18,000円、利息2,000円)の請求があり、2022年10月20日に42,000円の入金があった場合を例として説明する。なお、当該顧客との契約は、毎月10日を期限として20,000円を分割払いするものであり、11月10日にも20,000円(元金18,000円、利息2,000円)の支払いが発生し、入金が期限内に行われない場合は、遅延損害金1,000円が発生する。
【0040】
従来の債権管理装置では、過入金(預り金)が発生した場合、システム上で過入金(預り金)を全額返却するか、手動で入金処理が行われていた。
【0041】
顧客による入金が確認されると、図2に示すような口座取引データ106d’-1が作成される。口座取引データ106d’-1は、例えば、顧客番号、枝番、取引SEQ、データ区分、取引日、入金額、充当_元金、充当_利息、充当_遅延損害金、繰越_預り金、発生_預り金、預り金返却額等から構成されている。
【0042】
従来の債権管理装置では、システム上で過入金(預り金)を全額返却する場合、図3に示すような過入金(預り金)の処理の受付画面MAで、預り金21,000円の返却処理の受付を行う。受付画面MAで返却区分、返却日、振込額の入力を行うことにより返却処理が確定する。返却区分84は全額返却を意味している。
【0043】
受付画面MAで返却処理を受け付けると、図4に示すような預り金返却に関する口座取引データ106d’-2が作成される。
【0044】
一方、過入金(預り金)を全額返却しない場合、手動で入金処理を行う必要があった。例えば、図5に示すようなフローで過入金(預り金)を一部返却する場合について説明する。2022年10月20日に42,000円の入金のうちの21,000円の過入金(預り金)について、2022年10月21日に顧客に連絡して、20,000円を翌月11月分に充当し、残りの1,000円を2022年10月25日に返却すると合意したケースについて説明する。20,000円の預り金については、図6に示すような口座取引データ106d’’-1を手動で作成する。なお、口座取引データ106d’’-1において、発生_預り金は、今回の入金で発生した預り金であり、繰越_預り金は現時点での預り金の合計である。
【0045】
口座取引データ106d’’-1を作成後、預り金20,000円について図7に一例を示す仕訳データ106e’’-1を手動で作成し、登録すると、仕訳データ106e’’-2が自動作成される。
【0046】
その後、顧客に残金1,000円を送金するために送金用端末により手動で送金データを登録し、手動で図8に示す仕訳データ106e’’-3を作成する。以上のように、従前の債権管理装置では、過入金(預り金)を一部返却したい場合、手動で入金処理等を行う必要があり、過入金の多発に伴い、作業にミスが生じることがあった。
【0047】
本実施の形態にかかる債権管理装置100では、過入金(預り金)を顧客に一部返却したい場合でも、システム上で処理が可能となり、作業ミスを軽減することができる。以下、上記のケースについての本実施の形態にかかる債権管理装置100における処理を説明する。
【0048】
顧客による入金が確認されると、過入金算出部102aが請求データ106bと入金データ106cとの比較により、過入金(預り金)の有無および過入金(預り金)の額を算出する。過入金算出部102aは、入金日が返済日より後日である場合、遅延損害金を加算した請求額と入金額とを比較して過入金の有無および過入金の額を算出する。2022年10月10の期限で20,000円(元金18,000円、利息2,000円)の請求があり、2022年10月20日に42,000円の入金があった場合、入金日が返済日より後日であるため、請求金額は21,000円(元金18,000円、利息2,000円、遅延損害金1,000円)となり、過入金(預り金)は21,000円となる。
【0049】
口座取引データ作成部102cは、請求データ106b、入金データ106cおよび過入金算出部が算出した過入金(預り金)の額に基づき、図9に示すような口座取引データ106d-1を作成する。口座取引データ106d-1は、例えば、顧客番号、枝番、取引SEQ、データ区分、取引日、入金額、充当_元金、充当_利息、充当_遅延損害金、繰越_預り金、発生_預り金、預り金返却額等から構成されている。過入金(預り金)の処理方法が未定なため、内容は従来の口座取引データ106d’-1(図2参照)と同様のものである。
【0050】
2022年10月20日に42,000円の入金があった場合、10月分の請求に対する充当_元金、充当_利息として、18,000円、2,000円が充当され、10月の期限を超過しているため、充当_遅延損害金として1,000円も充当される。入金42,000円から上記の合計21,000円を引いた金額である21,000円が過入金(預り金)となる。
【0051】
過入金(預り金)が発生した場合、過入金(預り金)について顧客に連絡し、過入金(預り金)をいつ、いくら返却するかを決定する。ここでは、2022年10月21日に顧客に連絡して、20,000円を翌月11月分に充当し、残りの1,000円を2022年10月25日に返却すると合意したケースについて説明する。
【0052】
返却額および返却日の決定後、過入金処理受付部102bは、図10に示すような過入金(預り金)の処理の受付画面MB-1を介して、繰越預り金21,000円の返却処理を受け付ける。受付画面MB-1では、返却区分、返却日、返却金額を入力することで過入金(預り金)の処理受付を行うことができる。他の項目については、顧客データ102a、および口座取引データ106dから自動入力される。過入金処理受付部102bは、オペレータが受付画面MB-1で返却区分83を入力することで、顧客との間で合意した内容で過入金(預り金)のシステム上での一部返却を受け付ける。なお、過入金処理受付部102bは、返却区分84の選択により、従前と同様に過入金の全額返却も受付可能である。
【0053】
過入金処理受付部102bが過入金(預り金)の処理を受け付けると、口座取引データ作成部102cは、図11に示すような過入金(預り金)についての口座取引データ106d-2を作成する。
【0054】
口座取引データ106d-2を作成後、仕訳データ作成部102dは、図12に示すような仕訳データ106e-1を作成する。
【0055】
また、送金データ作成部102eは、図13に示すような送金データ106fを作成する。送金データ作成部102eは、顧客データ106aおよび仕訳データ106eに基づき、顧客番号を含む顧客情報、過入金の送金日、送金元の銀行コード、送金先である銀行コード、銀行名、支店名、口座情報等の金融機関情報、送金額等を含む送金データ106fを作成する。
【0056】
本実施の形態にかかる債権管理装置100では、過入金(預り金)について顧客と合意した内容で返却をシステム上で行うことができるため、手入力による作業ミスを低減することができるとともに、作業の軽減を図ることができる。
【0057】
また、2022年10月10の期限で20,000円(元金18,000円、利息2,000円)の請求があり、2022年10月20日に41,100円の入金があった場合の過入金(預り金)について本実施の形態にかかる債権管理装置100での処理について説明する。この入金は期限内に行われていないものであり、遅延損害金1,000円が発生しており、過入金(預り金)は20,100円である。
【0058】
従来の債権管理装置では、上記で説明したように過入金(預り金)が発生した場合、システム上で過入金(預り金)を全額返却するか、手動で入金処理が行われる。
【0059】
顧客による入金が確認されると、図14に示すような口座取引データ106d’-3が作成される。発生_預り金、繰越_預り金が20,100円である。
【0060】
従来の債権管理装置では、システム上で過入金(預り金)を全額返却する場合、図3に示すような過入金(預り金)の処理の受付画面MAで、預り金20,100の返却処理の受付を行うことにより、図4に示すような口座取引データ106d’-2が作成される。上記で説明した場合と異なるのは、返却金額(21,000円と20,100円)のみである。
【0061】
一方、過入金(預り金)を全額返却しない場合、手動で入金処理を行う。例えば、図15に示すようなフローで過入金(預り金)の一部を雑収入とする場合について説明する。2022年10月20日に41,100円の入金があり、20,100円の過入金(預り金)について、2022年10月21日に顧客に連絡して、20,000円を翌月11月分に充当し、残りの100円を雑収入とする旨合意したケースについて説明する。過入金(預り金)の一部を雑収入とするのは、返却金(預り金、100円)が振込手数料より少ない場合である。オペレータは、20,100円の預り金について、図16に示すような口座取引データ106d’’-2を手動で作成する。
【0062】
口座取引データ106d’’-2を作成後、預り金20,000円について図17に一例を示す仕訳データ106e’’-4を手動で作成し、登録すると、仕訳データ106e’’-5が自動作成される。
【0063】
その後、残金100円を雑収入とするために、手動で図18に示す仕訳データ106e’’-6を作成する。以上のように、従前の債権管理装置では、過入金(預り金)を一部雑収入とする場合にも、手動で入金処理等を行う必要があり、過入金の多発に伴い、作業ミスの発生も増加する。
【0064】
これに対し本実施の形態にかかる債権管理装置100では、顧客による入金が確認されると、過入金算出部102aが請求データ106bと入金データ106cとの比較により、過入金(預り金)の有無および過入金(預り金)の額を算出する。過入金算出部102aは、入金日が返済日より後日である場合、遅延損害金を加算した請求額と入金額とを比較して過入金の有無および過入金の額を算出する。2022年10月10日の期限で20,000円(元金18,000円、利息2,000円)の請求があり、2022年10月20日に41,100円の入金があった場合、入金日が返済日より後日であるため、請求金額は21,000円(元金18,000円、利息2,000円、遅延損害金1,000円)となり、過入金(預り金)は20,100円となる。
【0065】
口座取引データ作成部102cは、請求データ106b、入金データ106cおよび過入金算出部が算出した過入金(預り金)の額に基づき、図19に示すような口座取引データ106d-3を作成する。
【0066】
2022年10月20日に41,100円の入金があった場合、10月分の請求に対する充当_元金、充当_利息として、18,000円、2,000円が充当され、10月の期限を超過しているため、充当_遅延損害金として1,000円も充当される。入金41,100円から上記の合計21,000円を引いた金額である20,100円が過入金(預り金)となる。
【0067】
過入金処理受付部102bは、図20に示すような過入金(預り金)の処理の受付画面MB-2を介して、繰越預り金20,100円の返却処理を受け付ける。受付画面MB-2では、返却区分81を選択することにより、預り金の一部の雑収入としての処理を受け付ける。
【0068】
過入金処理受付部102bが過入金(預り金)の処理を受け付けると、口座取引データ作成部102cは、図21に示すような過入金(預り金)についての口座取引データ106d-4を作成する。
【0069】
口座取引データ106d-4を作成後、仕訳データ作成部102dは、図22に示すような仕訳データ106e-2を作成することにより、過入金(預り金)の一部を雑収入とすることができる。
【0070】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0073】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0074】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0075】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0076】
また、債権管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0077】
例えば、債権管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0078】
また、このコンピュータプログラムは、債権管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0079】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0080】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0081】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0082】
また、債権管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0083】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、例えばノンバンク、ネットバンク又は銀行等の金融業で利用できる。
【符号の説明】
【0085】
100 債権管理装置
102 制御部
102a 過入金算出部
102b 過入金処理受付部
102c 口座取引データ作成部
102d 仕訳データ作成部
102e 送金データ作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 顧客データ
106b 請求データ
106c 入金データ
106d 口座取引データ
106e 送金データ
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図18
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図22