(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124224
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置、セル劣化度算出システム、セル劣化度算出方法およびセル劣化度算出プログラム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04664 20160101AFI20240905BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20240905BHJP
C25B 15/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M8/04664
H01M8/04537
C25B15/00 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032232
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】椎野 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】霜鳥 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】水口 浩司
【テーマコード(参考)】
4K021
5H127
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
5H127AC05
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DB49
5H127DB53
5H127DB63
5H127DB67
(57)【要約】
【課題】セルの劣化度を容易に得ることができる電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置を提供する。
【解決手段】実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置は、セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得する第1取得部と、新品時のセルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得する第2取得部と、第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出する第1算出部と、第2特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出する第2算出部と、第1対象電圧値および第2対象電圧値に基づいて、セルの劣化度を示すセル劣化度を算出する第3算出部と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置であって、
前記セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得する第1取得部と、
新品時の前記セルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得する第2取得部と、
前記第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出する第1算出部と、
前記第2特性データに基づいて、前記基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出する第2算出部と、
前記第1対象電圧値および前記第2対象電圧値に基づいて、前記セルの劣化度を示すセル劣化度を算出する第3算出部と、
を備えた、電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置。
【請求項2】
前記第3算出部は、前記第2対象電圧値から前記第1対象電圧値を引いた差分を前記第2対象電圧値で除算することにより前記セル劣化度を算出する、
請求項1に記載の電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置。
【請求項3】
前記基準電流値を設定する基準設定部を更に備え、
前記基準設定部は、前記第1特性データから電圧値がゼロであるときの電流値よりも大きい電流値を前記基準電流値に設定する、
請求項1または2に記載の電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置。
【請求項4】
前記基準設定部は、電流値に対する電圧値の変化率が変化率閾値以下になる最小の電流値を前記基準電流値に設定する、
請求項3に記載の電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置。
【請求項5】
前記第3算出部により算出された前記セル劣化度が劣化度閾値以上であるか否かを判定する判定部を更に備えた、
請求項1または2に記載の電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置。
【請求項6】
電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する電気化学セルスタックのセル劣化度算出システムであって、
請求項1または2に記載の電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置と、
前記第1特性データを格納する第1データベースと、
前記第2特性データを格納する第2データベースと、を備え、
前記第1取得部は、前記第1データベースから前記第1特性データを取得し、
前記第2取得部は、前記第2データベースから前記第2特性データを取得する、
電気化学セルスタックのセル劣化度算出システム。
【請求項7】
電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法であって、
前記セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得するステップと、
新品時の前記セルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得するステップと、
前記第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出するステップと、
前記第2特性データに基づいて、前記基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出するステップと、
前記第1対象電圧値および前記第2対象電圧値に基づいて、前記セルの劣化度を示すセル劣化度を算出するステップと、を備えた、
電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法。
【請求項8】
電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法をコンピュータに実行させる電気化学セルスタックのセル劣化度算出プログラムであって、
前記セル劣化度算出方法は、
前記セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得するステップと、
新品時の前記セルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得するステップと、
前記第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出するステップと、
前記第2特性データに基づいて、前記基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出するステップと、
前記第1対象電圧値および前記第2対象電圧値に基づいて、前記セルの劣化度を示すセル劣化度を算出するステップと、を備えた、
電気化学セルスタックのセル劣化度算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置、セル劣化度算出システム、セル劣化度算出方法およびセル劣化度算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池、水電解装置および二酸化炭素電解装置等を構成する電気化学セルスタックは、複数のセルを積層することによって構成されている。セルを構成する膜電極接合体は、アノード電極と、カソード電極と、アノード電極とカソード電極との間に介在された電解質膜と、を含んでいる。電気化学セルスタックの使用を継続すると、アノード電極およびカソード電極に含まれる触媒材料が劣化したり、電解質膜が劣化したりする。この場合、電気化学セルスタックの性能が低下し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-069948号公報
【特許文献2】特開2019-160701号公報
【特許文献3】特開2022-137607号公報
【特許文献4】特開2021-046575号公報
【特許文献5】特開2012-214904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施の形態は、セルの劣化度を容易に得ることができる電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置、セル劣化度算出システム、セル劣化度算出方法およびセル劣化度算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置は、電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する装置である。電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置は、セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得する第1取得部と、新品時のセルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得する第2取得部と、第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出する第1算出部と、第2特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出する第2算出部と、第1対象電圧値および第2対象電圧値に基づいて、セルの劣化度を示すセル劣化度を算出する第3算出部と、を備えている。
【0006】
実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出システムは、電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出するシステムである。電気化学セルスタックのセル劣化度算出システムは、上述の電気化学セルスタックの劣化度算出装置と、第1特性データを格納する第1データベースと、第2特性データを格納する第2データベースと、を備えている。第1取得部は、第1データベースから第1特性データを取得し、第2取得部は、第2データベースから第2特性データを取得する。
【0007】
実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法は、電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する方法である。電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法は、セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得するステップと、新品時のセルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得するステップと、第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出するステップと、第2特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出するステップと、第1対象電圧値および第2対象電圧値に基づいて、セルの劣化度を示すセル劣化度を算出するステップと、を備えている。
【0008】
実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出プログラムは、電気化学セルスタックのセルの劣化度を算出する電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法をコンピュータに実行させるプログラムである。セル劣化度算出方法は、セルの電圧電流特性を示す第1特性データを取得するステップと、新品時のセルの電圧電流特性を示す第2特性データを取得するステップと、第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値を算出するステップと、第2特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第2対象電圧値を算出するステップと、第1対象電圧値および第2対象電圧値に基づいて、セルの劣化度を示すセル劣化度を算出するステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
実施の形態によれば、セルの劣化度を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施の形態による電気化学セルスタックの概略構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す電気化学セルスタックのシステム概略構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出システムを示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す第1データベースに格納される第1特性データを説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す第2データベースに格納される第2特性データを説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、セルの電圧電流特性を示すグラフである。
【
図8】
図8は、
図5および
図6に示す特性データを得るための測定方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本実施の形態による電気化学セルスタックのセル劣化度算出装置、セル劣化度算出システム、セル劣化度算出方法およびセル劣化度算出プログラムについて説明する。ここではまず、本実施の形態による電気化学セルスタックについて説明する。電気化学セルスタックは、二酸化炭素もしくは水などの電気分解装置、または燃料電池などに用いられる。
【0012】
図1に示すように、電気化学セルスタック1は、一対の集電板2と、一対の集電板2の間に積層された複数のセル10と、セル10と交互に積層された複数のセパレータ30と、を備えている。セル10は、膜電極接合体(MEA)10Mと、セル枠20と、を含んでいる。セル10、セパレータ30および集電板2は、一対の締付板3で締め付けられて押圧されている。一対の締付板3は、図示しないボルトおよびナット等を用いて締め付けられている。締付板3と集電板2との間に、絶縁板4が介在されている。
【0013】
膜電極接合体10Mは、カソード電極11と、アノード電極12と、カソード電極11とアノード電極12との間に介在された電解質膜13と、を含んでいる。膜電極接合体10Mは、薄板状に形成されている。膜電極接合体10Mは、電気化学セルスタック1の積層方向Dで見たときに、矩形状に形成されていてもよい。
【0014】
カソード電極11は、カソード触媒層11aと、カソードガス拡散層11bと、を含んでいる。カソード触媒層11aは電解質膜13に接している。カソードガス拡散層11bは、セパレータ30に接しており、後述するカソード流路から供給されたカソード流体を拡散させる。電気化学セルスタック1が電気分解装置に用いられる場合には、カソードガス拡散層11bは、例えば、カーボンペーパまたはチタン不織布で形成されていてもよい。カソードガス拡散層11bは、カソード触媒層11aに接合されている。カソード触媒層11aが、カソード流体を拡散することができれば、カソードガス拡散層11bは設けられていなくてもよい。
【0015】
アノード電極12は、アノード触媒層12aと、アノードガス拡散層12bと、を含んでいる。アノード触媒層12aは電解質膜13に接している。アノード触媒層12aは電解質膜13に接している。アノードガス拡散層12bは、セパレータ30に接しており、後述するアノード流路32から供給されたアノード流体を拡散させる。電気化学セルスタック1が電気分解装置に用いられる場合には、アノードガス拡散層12bは、例えば、カーボンペーパまたはチタン不織布で形成されていてもよい。アノードガス拡散層12bは、アノード触媒層12aに接合されている。アノード触媒層12aが、アノード流体を拡散することができれば、アノードガス拡散層12bは設けられていなくてもよい。
【0016】
電解質膜13は、電解質材料で形成されている。電気化学セルスタック1が電気分解装置に用いられる場合には、電解質膜13の例としては、イオン交換膜または多孔質膜などが挙げられるが、任意である。
【0017】
アノード電極12は、電解質膜13の一方の面に形成されており、カソード電極11は、電解質膜13の他方の面に形成されている。アノード電極12およびカソード電極11は、電解質膜13に接合されている。
【0018】
電気化学セルスタック1が燃料電池として用いられる場合には、電気エネルギを生成する発電反応が行われる。この場合、カソード電極11に、後述するカソード流路31からカソード流体(
図1の符号F1参照)が供給される。カソード流体は、酸素を含有しているガスであり、例えば、空気であってもよい。アノード電極12に、後述するアノード流路32からアノード流体(
図1の符号F2参照)が供給される。アノード流体は、例えば、水素を含有するガスであってもよい。カソード流体とアノード流体が供給されることにより、膜電極接合体10Mにおいて、電気化学反応が生じる。この結果、電気エネルギを取り出すことができる。
【0019】
電気化学セルスタック1が電気分解装置として用いられる場合には、電気エネルギを用いて電気分解反応が行われる。この場合、カソード流体は、水蒸気または二酸化炭素ガスであってもよく、カソード電極において水蒸気または二酸化炭素ガスが電気分解されてもよい。アノード電極12には、電解溶液が供給されてもよい。電解溶液は、例えば、炭酸水素カルシウム(KHCO3)等の電解質を含む水溶液であってもよい。
【0020】
図2に示すように、セル10には、識別情報を示す識別記号14が付されている。識別情報は、IDコードであってもよい。識別記号14は、カソード電極11のカソード流路31に対向する面、またはアノード電極12のアノード流路32に対向する面に付されていてもよい。識別記号14は、マージン部に付されていてもよい。マージン部は、後述するセル枠20のうちのシール部(図示せず)よりも外側に配置されている。識別記号14は、例えば印刷、レーザまたは手書きなどによって、セル枠20に付されていてもよい。識別記号14は、英数字でセル枠20に付されていてもよく、あるいは、1次元バーコードまたは2次元バーコードでセル枠20に付されていてもよい。
【0021】
図2に示すように、電気化学セルスタック1の積層方向Dで見たときに、膜電極接合体10Mは、セル枠20によって囲まれている。セル枠20は、プラスチックフィルムで形成されていてもよい。プラスチックフィルムの材質には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリアミド、メラミン樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ABS樹脂、ポリエーテルエチルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂などを用いることが可能である。セル枠20は、アノード流体およびカソード流体に対する不透過性を有している。
【0022】
セル枠20は、開口20aを含んでいる。この開口20aに膜電極接合体10Mが挿入されて、接着剤で接着されている。接着剤としては、アクリル、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ウレタン、ポリ酢酸ビニルなどを用いることができる。
【0023】
セル枠20に、カソード流体供給口21、アノード流体供給口22、カソード流体排出口23およびアノード流体排出口24が設けられている。すなわち、本実施の形態による電気化学セルスタック1は、内部マニホールド構造を有している。各流体供給口21、22および各流体排出口23、24は、セル枠20を貫通している。各流体供給口21、22は、膜電極接合体10Mの一側に位置し、各流体排出口23、24は、膜電極接合体10Mの他側に位置している。
【0024】
セパレータ30は、導電性を有しているとともに、ガス不透過性を有している。セパレータ30によって、アノード流体の雰囲気とカソード流体の雰囲気が隔離されている。
【0025】
図1に示すように、セパレータ30は、複数のカソード流路31と、複数のアノード流路32と、を含んでいる。カソード流路31は、セパレータ30のカソード電極11の側の面に形成されており、カソード流路31を流れるカソード流体は、カソード電極11に供給される。カソード流路31は、直線流路構造、サーペンタイン流路構造またはクランク流路構造を有していてもよく、任意である。アノード流路32は、セパレータ30のアノード電極12の側の面に形成されており、アノード流路32を流れるアノード流体は、アノード電極12に供給される。アノード流路32は、直線流路構造、サーペンタイン流路構造またはクランク流路構造を有していてもよく、任意である。
【0026】
上述したセル枠20と同様に、セパレータ30には、カソード流体供給口33(
図8参照)、アノード流体供給口34、カソード流体排出口35およびアノード流体排出口36が形成されている。カソード流体は、カソード流体供給口33からカソード流路31を通ってカソード流体排出口35に流れる。アノード流体は、アノード流体供給口34からアノード流路32を通ってアノード流体排出口36に流れる。セパレータ30は、金属薄膜のプレス加工またはカーボン材料の射出成形で形成されていてもよく、任意である。
【0027】
セパレータ30は、セル10には接合されておらず、
図1に示すように、上述した締付板3による押圧力で、セル10に押圧されている。
【0028】
このように構成された電気化学セルスタック1は、運転後に分解することができる。より具体的には、まず、締付板3を締め付けていたボルトおよびナットが取り外される。そして、電気化学セルスタック1の最上位置に位置する締付板3、絶縁板4および集電板2が取り外される。そして、セパレータ30とセル10とが順次取り外されて、各セル10が分離される。このようにして、膜電極接合体10Mを備えたセル10を取り出すことができる。
【0029】
図3に、上述した電気化学セルスタック1を備えた電気化学セルスタックシステム100の例が示されている。
図3に示す電気化学セルスタックシステム100は、電気化学セルスタック1と、補機101と、電力変換装置102と、制御装置103と、を備えていてもよい。
【0030】
電気化学セルスタック1は、補機101によって起動されるとともに運転を行うことができる。電気化学セルスタック1が燃料電池として用いられる場合、補機101は、燃料電池に、水素ガスおよび空気を供給する。補機101は、例えばブロアなどによって構成される。燃料電池が運転を行っている間、補機101には動作電力が商用系統から供給される。燃料電池の発電電力は、電力変換装置102によって直流電流から交流電流に変換され、外部負荷に供給される。電気化学セルスタック1が電気分解装置として用いられる場合、補機101は、電気分解装置に、水蒸気または二酸化炭素ガスを供給するとともに電解溶液を供給する。電気分解に用いる電力は、商用系統から電力変換装置102を通って供給される。電力変換装置102は、商用系統からの電力を、交流電流から直流電流に変換して電気分解装置に供給する。補機101および電力変換装置102は、制御装置103によって制御される。
【0031】
次に、本実施の形態による電気化学セルスタック1のセル劣化度算出システム40について説明する。セル劣化度算出システム40は、電気化学セルスタック1のセル10のセル劣化度を算出するためのシステムである。
【0032】
図4に示すように、本実施の形態による電気化学セルスタック1のセル劣化度算出システム40は、第1データベース41と、第2データベース42と、セル劣化度算出装置50と、を備えていてもよい。各データベース41、42およびセル劣化度算出装置50は、LAN(Local Area Network)などのネットワークNで接続されている。本実施の形態においては、セル劣化度算出装置50に、第1データベース41および第2データベース42が接続されている。
【0033】
図5に示すように、第1データベース41には、セル10の電圧電流特性を示す第1特性データが格納されている。第1データベース41には、複数のセル10についての第1特性データが格納されていてもよい。各第1特性データには、識別情報が割り当てられており、各第1特性データは、識別情報と関連付けられている。第1特性データは、互いに対応する電流値と電圧値の複数の組み合わせで構成されている。第1特性データの詳細については後述する。識別情報がIDコードである場合、
図5に示すように、連続するIDコードが各セル10に割り当てられてもよい。しかしながら、各セル10に割り当てられるIDコートの番号のつけ方は、識別機能を有していれば任意である。第1データベース41は、クラウドサーバに記録されていてもよい。第1特性データは、測定された際にクラウドサーバに記録されることにより第1データベース41に格納されてもよい。
【0034】
図6に示すように、第2データベース42には、新品時のセル10の電圧電流特性を示す第2特性データが格納されている。第1データベース41に第1特性データが格納されたセル10が同一構造を有している場合には、第2データベース42には、共通のデータとして、1つの第2特性データが格納されていてもよい。第2特性データは、互いに対応する電流値と電圧値の複数の組み合わせで構成されている。第2特性データの詳細については後述する。第2データベース42は、クラウドサーバに記録されていてもよい。第2特性データは、測定された際にクラウドサーバに記録されることにより第2データベース42に格納されてもよい。
【0035】
次に、本実施の形態によるセル劣化度算出装置50について説明する。セル劣化度算出装置50は、電気化学セルスタック1のセル10のセル劣化度を算出するための装置である。
【0036】
図4に示すように、セル劣化度算出装置50は、入力部51と、表示部52と、記憶部53と、通信部54と、演算部60と、を含んでいてもよい。入力部51は、情報を入力するように構成されており、例えば、キーボード、マウスまたはタッチパネルなどで構成されていてもよい。表示部52は、情報を表示するように構成されており、例えば、ディスプレイなどで構成されていてもよい。表示部52は、後述する表示情報作成部68により作成された表示情報を表示してもよい。記憶部53は、情報を記憶するように構成されており、例えば、メモリまたはストレージなどで構成されていてもよい。通信部54は、ネットワークNを介してデータベース41、42が記憶されている外部機器と通信するように構成されていてもよい。例えば、通信部54は、通信インターフェースなどで構成されていてもよい。
【0037】
図4に示すように、演算部60は、第1取得部61、第2取得部62、基準設定部63、第1算出部64、第2算出部65、第3算出部66、判定部67および表示情報作成部68などの機能ブロックを含んでいてもよい。これらの機能ブロックは、例えば、記憶部53内に格納されたコンピュータプログラムを演算部60により実行することで実現されてもよい。このプログラムは、電気化学セルスタック1の設計プログラムの例であり、記録媒体からセル劣化度算出装置50にインストールされてもよい。あるいは、セル劣化度算出プログラムは、ネットワークN上のサーバなどからセル劣化度算出装置50にダウンロードされてもよい。
【0038】
第1取得部61は、セル10の電圧電流特性を示す第1特性データを取得する。第1特性データは、関連付けられた識別情報とともに、上述した第1データベース41から取得する。第1取得部61は、通信部54およびネットワークNを介して、第1データベース41から第1特性データを取得するように構成されている。
【0039】
第2取得部62は、新品時のセル10の電圧電流特性を示す第2特性データを取得する。第2取得部62は、通信部54およびネットワークNを介して、第2データベース42から第2特性データを取得するように構成されている。
【0040】
基準設定部63は、基準電流値を設定する。基準電流値は、後述する第1対象電圧値および第2対象電圧値を算出するために用いられる。
図7に示すように、基準設定部63は、第1特性データから電圧値がゼロであるときの電流値(零点電流値I
0)よりも大きい電流値を基準電流値I
Sに設定する。基準設定部63は、第1特性データの電流値に対する電圧値の変化率(ΔV/ΔI)が変化率閾値以下になる最小の電流値を基準電流値I
Sに設定してもよい。この場合、電流値の増大に伴う電圧値の変化が小さくなった電流値を基準電流値に設定することができる。上述した電流値に対する電圧値の変化率が小さくなると、この変化率の変動が抑制され、第1対象電圧値および第2対象電圧値の精度を向上できる。このため、変化率閾値は、セル劣化度を精度よく算出することができる値に設定されていてもよい。
【0041】
第1算出部64は、第1対象電圧値を算出する。第1対象電圧値V
1は、
図7に示すように、第1特性データに基づいて、基準設定部63により設定された基準電流値に対応する電圧値を示す。第1特性データを構成する電流値と電圧値で
図7に示すような第1特性曲線を算出して、この第1特性曲線で基準電流値に対応する電圧値を第1対象電圧値としてもよい。第1特性曲線の例が、
図7に実線で示されている。
【0042】
第2算出部65は、第2対象電圧値を算出する。第2対象電圧値V
2は、
図7に示すように、第2特性データに基づいて、基準電流値I
Sに対応する電圧値を示す。第2特性データから第2対象電圧値を算出する処理は、第1特性データから第1対象電圧値を算出する上述した処理と同様であってもよい。第2特性データを構成する電流値と電圧値で
図7に示すような第2特性曲線を算出して、この第2特性曲線で基準電流値に対応する電圧値を第2対象電圧値としてもよい。第2特性曲線の例が、
図7に破線で示されている。
【0043】
第3算出部66は、第1対象電圧値および第2対象電圧値に基づいてセル劣化度を算出する。セル劣化度は、セル10の劣化度を示す。例えば、第2算出部65は、第2対象電圧値から第1対象電圧値を引いた差分を第2対象電圧値で除算することによりセル劣化度を算出してもよい。すなわち、第1対象電圧値をV
1、第2対象電圧値をV
2とすると、以下の式(1)に従って、セル劣化度αが算出されてもよい。
【数1】
【0044】
判定部67は、第3算出部66により算出されたセル劣化度が劣化度閾値以上であるか否かを判定してもよい。この場合、セル10の劣化の程度を判定することができる。劣化度閾値は、例えば、劣化が比較的激しいとみなすことができる値であってもよい。セル劣化度が比較的激しい場合には、セル劣化度が大きくなる。あるいは、劣化度閾値は、例えば、セル10に短絡が発生したとみなすことができる値であってもよい。短絡が発生している場合には、第1対象電圧値V1と第2対象電圧値V2との差が大きくなり、セル劣化度が大きくなる。
【0045】
表示情報作成部68は、第3算出部66により算出されたセル劣化度を含む表示情報を作成する。表示情報には、判定部67によるセル劣化度の判定結果が含まれていてもよい。表示情報作成部68により作成された表示情報は、上述した表示部52で表示されてもよい。
【0046】
次に、第1特性データおよび第2特性データの作成方法について説明する。ここでは、
図1に示す電気化学セルスタック1が二酸化炭素電解装置を構成する場合を例にとって説明する。
【0047】
図8に示すように、セル10に印加される電圧とセル10に流れる電流を測定するために、電気化学セルスタック1には、複数の測定ピン70が取り付けられている。カソード電極11用の測定ピン70は、セパレータ30のカソード電極11に対向する面に形成されたカソード側凹部37に挿入されていてもよい。カソード側凹部37は、
図8において表面に形成されているカソード流路31とは異なる位置に形成されている。便宜上、
図8においてカソード流路31は簡略化して図示している。カソード側凹部37に挿入された測定ピン70は、カソード電極11に電気的に接触することができる。アノード電極12用の測定ピン70は、セパレータ30のアノード電極12に対向する面に形成されたアノード側凹部38に挿入されていてもよい。アノード側凹部38は、
図8において裏面に形成されているアノード流路32とは異なる位置に形成されている。アノード側凹部38に挿入された測定ピン70は、アノード電極12に電気的に接触することができる。
図8では、代表的に、1つのセル10についての測定状態が示されているが、電気化学セルスタック1を構成する各セル10について電圧値と電流値を測定するために、各セパレータ30のカソード側凹部37およびアノード側凹部38に、測定ピン70が挿入されている。すなわち、1つのセル10に対して2つの測定ピン70を用いて測定が行われてもよい。
【0048】
カソード電極11用の各測定ピン70と、アノード電極12用の各測定ピン70は、電気線71を介して測定装置72に接続されている。電気線71は、測定ピン70と測定装置72とを電気的に接続している。電気化学セルスタック1が内部マニホールド構造を有している場合、図示しないシール材などを用いて、測定ピン70が気密にセパレータ30に取り付けられる。このことにより、カソード流体およびアノード流体などの流体が、漏洩することを防止している。電気線71は、図示しないハウジングを貫通して、外部に配置された測定装置72に接続されている。
【0049】
測定装置72は、各セル10の電圧値と電流値を測定する。測定装置72は、上述した第1データベース41にネットワークNを介して接続されている。測定装置72が測定した電圧値と電流値は、対応するセル10の識別情報と関連付けられて、第1データベース41に送信される。
図5に示すように、電圧値と電流値は、第1特性データとして第1データベース41に格納される。第1データベース41には、各セル10に対応して複数の第1特性データが格納される。各第1特性データは、対応するセル10の識別情報と関連付けられる。
【0050】
第1特性データは、電気化学セルスタック1を備えた二酸化炭素電解装置において、二酸化炭素電解ではなく、水電解を行った場合に得られた電圧電流特性を示すデータであってもよい。水電解時には、
図1に示すカソード流体F1としての水がカソード電極11に供給され、アノード流体F2としての電解溶液(炭酸水素カルシムなど)がアノード電極12に供給される。膜電極接合体10Mにおいて水電解が行われ、カソード電極11において水素ガスが生成されてカソード電極11から排出される。アノード電極12において酸素ガスが生成されてアノード電極12から排出される。
【0051】
第1特性データを作成するための測定は、水電解を行いながら行われる。水電解反応が定常状態に達した後、電圧値および電流値の一方を変化させながら、電圧値および電流値が測定される。各セル10について測定された電圧値と電流値は、複数の第1特性データとして第1データベース41に格納される。このようにして、
図7に実線で示すような、電圧電流特性を示す第1特性データが得られる。すなわち、第1特性データは、電気化学セルスタック1を分解することなく、得ることができる。第1データベース41に格納された各第1特性データには、識別情報が割り当てられており、各第1特性データは、識別情報と関連付けられている。
【0052】
第1特性データは、運転後の電気化学セルスタック1のセル10について電圧値および電流値を測定することにより得られてもよい。測定ピン70および電気線71は、測定時に取り付けられ、終了後には取り外されてもよい。
【0053】
第2特性データは、新品時の電気化学セルスタック1を用いて水電解を行った場合に得られた電圧電流特性を示すデータであってもよい。すなわち、電気化学セルスタック1の出荷時または納入時などの運転を行う前に、上述した第1特性データと同様にして、電圧値と電流値を測定する。
図6に示すように、電圧値と電流値は、第2特性データとして第2データベース42に格納される。このようにして、
図7に破線で示すような、電圧電流特性を示す第2特性データが得られる。
【0054】
次に、本実施の形態による電気化学セルスタック1のセル劣化度算出方法について
図9を用いて説明する。
【0055】
まず、ステップS1として、第1取得部61が、セル10の電圧電流特性を示す第1特性データを取得する。例えば、
図5に示すように、第1データベース41に格納されている第1特性データのうち、任意の1つのセル10に対応する第1特性データが取得される。
【0056】
ステップS2として、第2取得部62が、新品時のセル10の電圧電流特性を示す第2特性データを取得する。
図9に示す例では、ステップS2は、ステップS1の後に行われている。しかしながら、ステップS2は、ステップS1の前に行われてもよく、ステップS1と同時に行われてもよい。
【0057】
ステップS2の後、ステップS3として、基準設定部63が基準電流値を設定する。基準電流値は、
図7に示す零点電流値I
0よりも大きい値に設定されてもよく、第1特性データの電流値に対する電圧値の変化率が変化率閾値以下になる最小の電流値を基準電流値に設定されてもよい。
【0058】
ステップS3の後、ステップS4として、第1算出部64は、ステップS1において取得された第1特性データに基づいて第1対象電圧値V1(
図7参照)を算出する。
【0059】
ステップS5として、第2算出部65は、ステップS2において取得された第2特性データに基づいて第2対象電圧値V2(
図7参照)を算出する。
図9に示す例では、ステップS5は、ステップS4の後に行われている。しかしながら、ステップS5は、ステップS4の前に行われてもよく、ステップS4と同時に行われてもよい。
【0060】
ステップS5の後、ステップS6として、第3算出部66は、ステップS4において算出された第1対象電圧値と、ステップS5において算出された第2対象電圧値に基づいてセル劣化度を算出する。第3算出部66は、上述した式(1)を用いてセル劣化度を算出してもよい。
【0061】
ステップS6の後、ステップS7として、判定部67は、ステップS6において算出されたセル劣化度が劣化度閾値以上であるか否かを判定する。セル劣化度が劣化度閾値以上である場合、対応するセル10に短絡が発生したとみなされてもよい。
【0062】
ステップS7の後、ステップS8として、表示情報作成部68は、ステップS6において算出されたセル劣化度と、ステップS7による判定結果と、を含む表示情報を作成する。作成された表示情報は、表示部52で表示されてもよい。
【0063】
上述したセル劣化度を算出したセル10とは異なる他のセル10のセル劣化度を算出する場合には、ステップS1において、他のセル10の第1特性データを取得し、ステップS2~ステップS8を行えばよい。上述したステップS1~ステップS8を、各セル10について行うことにより、複数のセル10についてセル劣化度を算出することができる。
【0064】
このように本実施の形態によれば、セル10の電圧電流特性を示す第1特性データに基づいて、基準電流値に対応する電圧値を示す第1対象電圧値が算出され、新品時のセル10の電圧電流特性を示す第2特性データに基づいて、基準電流値に対応する第2対象電圧値が算出される。第1対象電圧値および第2対象電圧値に基づいて、セル10のセル劣化度が算出される。このことにより、第1対象電圧値と第2対象電圧値とを用いるだけでセル10のセル劣化度を算出することができる。このため、セル劣化度を容易に得ることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、第2対象電圧値から第1対象電圧値を引いた差分を第2対象電圧値で除算することによりセル劣化度が算出される。このことにより、セル10のセル劣化度を容易に算出することができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、第1特性データから電圧値がゼロであるときの電流値よりも大きい電流値が基準電流値に設定される。このことにより、第1対象電圧値を算出することができる電流値に基準電流値を適切に設定することができ、セル劣化度の算出精度を向上させることができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、電流値に対する電圧値の変化率が変化率閾値以下になる最小の電流値が基準電流値に設定される。このことにより、基準電流値をより一層適切に設定することができ、セル劣化度の算出精度をより一層向上させることができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、セル劣化度が劣化度閾値以上であるか否かが判定される。このことにより、劣化が比較的激しいセル10を選定することができる。また、劣化度閾値を、短絡が発生したとみなせる値にした場合には、セル10に短絡が発生しているか否かを判定することもできる。
【0069】
なお、上述した本実施の形態においては、電気化学セルスタック1が内部マニホールド構造を有している例について説明した。しかしながら、実施の形態は、このことに限られることはない。例えば、電気化学セルスタック1は外部マニホールド構造を有していてもよい。この場合、セル枠20は用いられることはなく、膜電極接合体10Mとセパレータ30が積層された積層体の外側面に、各ガスの流路を形成するマニホールドが設けられる。
【0070】
また、上述した本実施の形態においては、2つのセル10の間に、カソード流路31とアノード流路32とを含む1つのセパレータ30が介在されている例について説明した。しかしながら、実施の形態は、このことに限られることはない。例えば、2つのセル10の間に、カソード流路を含むカソード側セパレータと、アノード流路を含むアノード側セパレータが介在されていてもよい。カソード側セパレータとアノード側セパレータとの間に、図示しない冷却水流路が形成されていてもよい。
【0071】
以上述べた実施の形態によれば、セルの劣化度を容易に得ることができる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1:電気化学セルスタック、40:セル劣化度算出システム、50:セル劣化度算出装置、61:第1取得部、62:第2取得部、63:基準設定部、64:第1算出部、65:第2算出部、66:第3算出部、67:判定部