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特開2024-124229情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124229
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20240905BHJP
   G06Q 10/0639 20230101ALI20240905BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20240905BHJP
   G06F 16/35 20190101ALI20240905BHJP
【FI】
G16H50/30
G06Q10/0639
G06F40/279
G06F16/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032239
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 維烝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 徳太郎
【テーマコード(参考)】
5B091
5B175
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA01
5B091EA01
5B175DA01
5B175FA03
5B175GC03
5L010AA20
5L049AA20
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】メンタルチェックに関する情報の収集を容易とする。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付け、受付部により受け付けられた自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類し、音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出し、分類部により分類された自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた前記自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する分類部と、
音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する算出部と、
前記分類部により分類された前記自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、前記感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記所定の質問事項としてユーザの業務上のストレスに関する内容に関する質問事項について、該ユーザの入力する所定の言語による前記自然言語文章を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記所定の質問事項に対するユーザの回答を文字入力または音声入力により入力される前記自然言語文章として受け付ける、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分類部は、前記自然言語文章から所定の単語および要約の少なくともいずれか1つを抽出し、スコアリングおよび重み付けを行うことで前記所定の選択肢に分類する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記分類部は、前記ユーザが所定の質問事項に回答する際に得られた前記音声情報または前記映像情報を用いて所定の分析を行い、前記自然言語文章を前記所定の選択肢に分類する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、ユーザに関する情報と、前記音声情報、前記映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、予め設定された所定の項目ごとに前記感情パラメータを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、予め設定された所定の項目として主項目の喜び、怒り、悲しみ、驚き、無感情と、参考項目として憂鬱、疲れ、落ち着き、元気、安心、感動、共感、緊張との項目のうち少なくともいずれか1つを用いて学習済みの学習モデルに基づいて前記感情パラメータを算出する、
ことを特徴とする請求項1または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記分類情報を用いて算出された文章分析データに含まれる評点または選択情報を用いて算出された選択分析データに含まれる評点と、前記感情パラメータに含まれる評点とを用いて、前記所定の情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記所定の情報として、所定の機関への提出情報、不調予測に関する情報、満足度測定に関する情報のうち1つまたは複数の組み合わせを出力する、
ことを特徴とする請求項1または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、前記分類情報を用いて算出された文章分析データに含まれる評点、選択情報を用いて算出された選択分析データに含まれる評点、前記感情パラメータに含まれる評点の少なくともいずれか1つを用いて、ユーザの健康状態に関する提案情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記算出部の算出結果に基づいて、前記所定の質問事項を表示させるアバターの表情を変更する変更部を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置に実行させる情報処理方法であって、
ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付ける受付工程と、
前記受付工程により受け付けられた前記自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する分類工程と、
音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する算出工程と、
前記分類工程により分類された前記自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、前記感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた前記自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する分類ステップと、
音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する算出ステップと、
前記分類ステップにより分類された前記自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、前記感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力する出力ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仕事や職業生活に関して強い不安や悩み、またはストレスを感じている労働者の数が増加しており、当該労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することが益々重要な課題となっている。こうした背景を踏まえ「ストレスチェック制度」が創設された(例えば、非特許文献1を参照)。そこで、従来技術として、従業員のストレスチェックをシステム上で計測する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-21660号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室,「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」,<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、メンタルチェックに関する情報の収集が難しい場合があった。例えば、従来技術は、所定のタイミングでメンタルチェックのための質問に回答する画面をユーザに表示し入力を促す。しかし、従来技術では、ユーザ自身が設問の確認や設問への回答の入力を手間に感じ、入力に非協力的であったり、入力される情報が不正確であったりする場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記の課題を解決し目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けられた前記自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する分類部と、音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する算出部と、前記分類部により分類された前記自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、前記感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、メンタルチェックに関する情報の収集を容易とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るメンタルチェックの概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るストレスチェック制度に係る質問項目の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の装置構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る質問画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るストレス診断の概要を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る不調予測の概要を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る満足度測定の概要を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るアバターを用いた質問画面の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態に係る情報処理装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以降、「実施形態」)について説明する。なお、各実施形態は、以下に記載する内容に限定されない。
【0010】
〔1.序説〕
本実施形態に係る情報処理装置100は、職場の従業員等(以降、「ユーザ」と表記)によるメンタルチェックに関する設問への従業員の音声、表情、入力する自然言語文章に基づく回答を通して、当該ユーザのメンタルチェックに関する情報を収集する。なお、ここでいうメンタルチェックに関する情報は、ストレスチェック制度に係る質問事項への回答内容や、当該回答実施時に取得される音声情報、映像情報等を含む。
【0011】
次に、情報処理装置100は、所定の分析(自由記入文章分析、選択分析、音声感情分析、映像感情分析)を実施する。そして、情報処理装置100は、分析結果(文章分析データ、選択分析データ、感情パラメータ)に基づいて所定の情報を出力する。
【0012】
ここから、序説として、メンタルチェックの概要およびメンタルチェックにおける各種分析の概要について説明する。
【0013】
〔1-1.メンタルチェックの概要〕
まず、図1を用いて本実施形態に係る情報処理装置100が提供するメンタルチェックに関する技術の概要を説明する。図1は、実施形態に係るメンタルチェックの概要を示す図である。
【0014】
図1に示す通り、本実施形態に係る情報処理装置100は、メンタルチェック(職業上のストレス状態やメンタルヘルスの状態をチェックする調査のことで、本実施形態においては「メンタルチェック」と表記)として、ストレス診断、メンタルヘルスケアおよび日常チェックという機能を提供する。
【0015】
本実施形態のストレス診断は、ストレス診断に係る所定の質問項目に回答することで算出されるユーザの職業上のストレス状態を調査する機能である。このストレス診断は、「ストレスチェック」、「不調予測」、「満足度測定」の機能が内包される(図1の(1-1))。なお、本実施形態において「ストレスチェック」は、厚生労働省が所管する労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施に係る内容という前提で説明するが、これに限定されない。
【0016】
ここで、図2を用いて、ストレスチェック制度に係る調査項目について説明する。図2は、実施形態に係るストレスチェック制度に係る質問項目の一例を示す図である。具体的には、情報処理装置100は、図2に示すような「職業性ストレス簡易調査票の項目10」といったような厚生労働省が所管する労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に係る項目に基づく質問を実施して、メンタルチェックに関する情報を収集する。この職業性ストレス簡易調査票の項目10は、「A.自身の仕事について」が17項目、「B.1か月の自身の状態」29項目、「C.周囲の人間について」が9項目、「D.満足度」が2項目の計57項目で構成される。従来、ユーザは、上記の57項目について予め準備された所定の書式の用紙や入力システム等に対して、自身で入力を行う必要があった。そのため、ユーザにとって負荷が大きく、入力の協力が得られない場合や入力された情報の精度が低い場合があるといった課題があった。
【0017】
ここで、図1に戻り説明を続ける。前述したような課題に対して、本実施形態に係る情報処理装置100は、前述のストレスチェック制度に係る質問項目について、音声入力、文字入力、選択肢の選択入力に基づきユーザから回答を収集する。さらに、情報処理装置100は、音声入力で得られる音声情報や付随して得られる映像情報を用いてユーザの感情を分析する。そのため、本実施形態の情報処理装置100は、従来よりも効率的に、かつ情報量の多いストレス診断に関する情報の収集を可能とする。
【0018】
そして、情報処理装置100は、ストレス診断に関する分析結果を所定の形式(例えば、厚生労働省といった所定の機関に提出する書類作成のためのデータや、ユーザの不調や満足度を表すデータ等)にて出力する(図1の(1-2))。
【0019】
本実施形態に係る情報処理装置100が提供するメンタルヘルスケアは、医師によるオンライン診断の際の事前問診として用いられる機能である。このメンタルヘルスケアは、「不調予測」と「満足度測定」の機能が内包される(図1の(2-1))。例えば、メンタルヘルスケアは、医師によりオンライン診断が実施される際に行われる事前問診の情報や、診断中に取得された情報(例えば、医師とのコミュニケーション時の音声や表情の情報、医師からの質問への回答内容等)に基づいて、ユーザのメンタルヘルスに関する分析結果(例えば、事前問診の結果やオンライン診断におけるユーザのメンタル状態の変化、ユーザのメンタル状態や身体の健康状態が心配される場合に医療受診を勧める等の提案情報等)を出力することができる(図1の(2-2))。
【0020】
本実施形態に係る情報処理装置100が提供する日常チェックは、ユーザの日常業務におけるメンタル状態のチェックを行う機能である。この日常チェックは、「不調予測」と「満足度測定」の機能が内包される(図1の(3-1))。例えば、日常チェックは、日常業務中(例えば、出勤時、朝礼時、休憩前、退勤時等)にて、前述したストレスチェックのような設問以外の設問(例えば、「今日の体調はいかがですか?」、「悩み事はありますか?」等)を実施する。そして、情報処理装置100は、取得された情報に基づいてユーザの日常チェックに関する分析結果を出力することができる(図1の(3-2))。そのため、日常チェックの機能によって情報処理装置100は、定期的なストレスチェックではチェックが難しい日常業務におけるユーザのメンタル状態のチェックを可能とする。
【0021】
〔1-2.メンタルチェックにおける各種分析の概要〕
ここから、本実施形態に係る情報処理装置100が提供するメンタルチェックにおける各種分析の概要について、図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の機能ブロック図の一例を示す図である。なお、図3では、各機能部の詳細な機能は後述することとし、本項目では処理の流れのみを説明する。
【0022】
情報処理装置100の受付部131は、ユーザが操作する端末装置200からのメンタルチェックに関する所定の情報入力を受け付ける(図3の(1))。そして、受付部131は、受け付けた所定の情報(自然言語文章情報122a、選択情報122b、音声情報122c、映像情報122d)を受付情報記憶部122に記憶させる(図3の(2))。続いて、算出部133は、ユーザから受け付けた所定の情報を用いて各種分析(自由記入文章分析、選択分析、音声感情分析、映像感情分析)を実施する。
【0023】
例えば、ユーザから自然言語文章情報122aを受け付けた場合、分類部132は、自然言語文章情報122aについて所定の分類処理を行い、分類情報を生成する(図3の(3-1))。続けて、算出部133は、生成された分類情報に基づく自由記入文章分析を実施して(図3の(3-2))、文章分析データを算出する(図3の(3-3))。
【0024】
ユーザから選択情報122bを受け付けた場合、算出部133は、前述の選択情報122bを用いて選択分析を実施して(図3の(4-1))、選択分析データを算出する(図3の(4-2))。なお、ここでいう選択分析には、音声による選択肢の選択である「音声選択分析」と(図3の(4-3))、端末装置200の画面上に表示された選択肢を選択する「クリック選択分析」とが含まれていてよい(図3の(4-4))。
【0025】
ユーザから音声入力により回答を受け付けた場合、算出部133は、受け付けた音声入力の情報に含まれる音声情報122cを用いて音声感情分析を実施して(図3の(5-1))、感情パラメータ(音声分析データ)を算出する(図3の(5-2))。他方、ユーザから回答を受け付けた際に撮像装置により併せて映像を取得していた場合、算出部133は、併せて取得された映像情報122dを用いて映像感情分析を実施して(図3の(6-1))、感情パラメータ(映像分析データ)を算出する(図3の(6-2))。なお、本実施形態において「感情パラメータ」とは、算出部133により実施される音声感情分析または映像感情分析によって出力される、ユーザの感情を定量化(例えば、数値、感情の分類等)した情報のことであり、以降は単に「感情パラメータ」と表記する。
【0026】
加えて、算出部133は、前述の分析を実施する際に予め情報処理装置100のユーザ情報記憶部124に記憶されたユーザに関する情報を加味して分析を実施することができる(図3の(7))。例えば、算出部133は、ユーザの年齢、性別、その他属性情報等を考慮して分析を行い、文章分析データ、選択分析データ、感情パラメータ(音声分析データまたは映像分析データ)を算出することができる。
【0027】
出力部134は、算出部133により算出された各種分析の結果をユーザの端末装置200に対して出力する(図3の(8))。例えば、出力部134は、算出部133により算出された文章分析データ、選択分析データ、感情パラメータ(音声分析データまたは映像分析データ)を用いて、「ストレス診断に関する分析結果」、「メンタルヘルスケアに関する分析結果」、「日常チェックに関する分析結果」を出力することができる。なお、図3では、入力工程(図3左の端末装置200)と出力工程(図3右の端末装置200)で異なる端末装置200が示されているが、同じ端末装置200であってもよい。
【0028】
このようにして、本実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザから様々な入力方法に基づいてメンタルチェックに関する情報を受け付けて所定の分析を行い、メンタルチェックに関する分析結果の情報を出力することができる。その結果、情報処理装置100は、ユーザの情報入力の工数や手間を削減する、という効果を提供できる。また、情報処理装置100は、従来よりも精度の高いユーザのメンタルヘルスケアを実現できる。
【0029】
〔2.情報処理装置の構成〕
ここから、図4を用いて、本実施形態に係る情報処理装置100の構成例について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置100の装置構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザからメンタルチェックに関する情報を収集し、所定の分析および分析結果の出力を行う。図4に示す通り、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0030】
(通信部110)
通信部110は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネット等の電気通信回線を介して通信を制御する。そして、通信部110は、必要に応じてネットワークと有線または無線で接続され、双方向に情報の送受信を行うことができる。本実施形態においては、端末装置200から情報処理装置100への情報の入力、または情報処理装置100から端末装置200への情報の出力は、通信部110を介して通信が行われる前提で説明する。また、音声入力、文字入力、映像の撮像は、端末装置200を介して行われる前提で説明を行うが、個別の入力デバイスにより通信部110を介して入力が行われてもよい。
【0031】
(記憶部120)
記憶部120は、制御部130による各種処理に用いるデータおよびプログラムを格納する。そして、記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現する。また、図4に示す通り、記憶部120は、学習モデル記憶部121と、受付情報記憶部122と、分類情報記憶部123と、ユーザ情報記憶部124と、算出情報記憶部125とを有する。
【0032】
(学習モデル記憶部121)
学習モデル記憶部121は、所定の学習モデルを記憶する。例えば、学習モデル記憶部121は、入力された自然言語文章に対して後述の分類部132が所定の分類を実施する際に使用する学習モデルを記憶する。例えば、学習モデル記憶部121は、ユーザにより入力された自然言語文章情報122aを入力として、当該自然言語文章情報122aに含まれる単語を抽出して出力する学習モデルを記憶することができる。また、学習モデル記憶部121は、ユーザにより入力された自然言語文章情報122aを入力として、当該自然言語文章情報122aの要約文章を出力する学習モデルを記憶することができる。なお、ここでいう学習モデルは、特に限定されるものではなく、前述した単語の抽出または要約文章の出力が可能な学習モデルであれば記憶してよい。
【0033】
また、学習モデル記憶部121は、後述の算出部133が所定の分析を行う際の学習モデルも記憶することができる。例えば、学習モデル記憶部121は、算出部133が用いる学習モデルとして、ユーザの音声情報や映像情報を用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルを記憶してよい。なお、ここでいう学習モデルは、特に限定されるものではなく、前述した音声情報や映像情報を用いて所定の評点を算出可能な学習モデルであれば記憶してよい。
【0034】
(受付情報記憶部122)
受付情報記憶部122は、ユーザにより入力された自然言語文章に関する情報、ユーザにより選択された選択肢の選択情報、音声入力により得られた音声情報、付随して得られた映像情報を記憶する。具体的には、受付情報記憶部122は、自然言語文章情報122aと、選択情報122bと、音声情報122cと、映像情報122dとを記憶する。
【0035】
(自然言語文章情報122a)
自然言語文章情報122aは、メンタルチェックに関する質問(例えば、前述のストレスチェック制度に係る質問項目に基づき作成される質問等)に対するユーザの回答のうち自然言語文章により回答された情報である。例えば、自然言語文章情報122aは、図2の職業性ストレス簡易調査票の項目10に含まれる「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対して、ユーザが自然言語文章として自由に入力した情報であってよい。一例として、自然言語文章情報122aは、前述の「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対してのユーザの回答として、「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」といったような自然言語文章の情報であってよい。
【0036】
(選択情報122b)
選択情報122bは、メンタルチェックに関する質問に対するユーザの回答のうち選択肢の選択により回答された結果に関する情報である。例えば、選択情報122bは、前述の「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対してのユーザにより選択された選択肢として、「D:ちがう(気軽に話しかけることができない)」といった選択に関する情報であってよい。
【0037】
(音声情報122c)
音声情報122cは、メンタルチェックに関する質問に対するユーザの回答のうち、音声に基づいて回答した回答時のユーザの音声情報である。例えば、音声情報122cは、「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対して、ユーザが音声にて回答を行った際のユーザの音声に関する情報(音声情報)であってよい。なお、音声情報122cは、ユーザの音声がそのまま録音された情報であってもよいし、所定の処理(例えば、圧縮、編集、データ変換等)が行われた後の情報であってもよい。
【0038】
(映像情報122d)
映像情報122dは、メンタルチェックに関する質問に対するユーザの回答の際に、撮像装置で撮像されたユーザの映像に関する情報である。例えば、映像情報122dは、「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対して、ユーザが「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」や、「D:ちがう(気軽に話しかけることができない)」という回答を行った際に撮像装置により撮像されたユーザの表情や動作等に関する情報(映像情報)であってよい。
【0039】
なお、映像情報122dは、ユーザの映像がそのまま録画された情報であってもよいし、所定の処理(例えば、圧縮、編集、データ変換等)が行われた後の情報であってもよい。また、映像情報122dは、ユーザの入力行動に付随して取得されてよく、音声入力や文字入力、選択肢の選択入力の際に映像情報として取得されてよい。また、映像情報122dは、ユーザの入力行動に付随せず単独で取得されてもよい。
【0040】
(分類情報記憶部123)
分類情報記憶部123は、後述の分類部132により自然言語文章情報122aに含まれる単語等の情報を入力として学習モデルに基づき分類された分類に関する情報である分類情報123aを記憶する。例えば、分類情報記憶部123は、「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」という自然言語文章情報122aが、分類部132によって「D:ちがう(気軽に話しかけることができない)」といったように分類された分類に関する情報(分類情報)を記憶できる。
【0041】
(ユーザ情報記憶部124)
ユーザ情報記憶部124は、メンタルチェックの実施対象であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報記憶部124は、年齢と、性別と、その他属性情報等を記憶する。年齢は、ユーザの年齢に関する情報であり、例えば、ユーザが予め入力した生年月日に関する情報等に基づいて自動的に算出された年齢についての数値またはテキストといった情報であってよい。また、性別は、ユーザの性別に関する情報であり、例えば、ユーザ等が自身で選択した性別に関する情報であってよい。
【0042】
また、その他属性情報は、ユーザに関する年齢または性別以外の属性情報であり、例えば、ユーザの性格、ユーザの所属組織、職位、勤続年数、勤怠状況に関する情報、人事評価に関する情報、経歴、保有資格等の情報であってよい。なお、前述した情報はあくまで一例であり、その他属性情報は、ユーザに関する情報であれば限定無く記憶することができる。
【0043】
(算出情報記憶部125)
算出情報記憶部125は、後述の算出部133により算出された各種分析データに関する情報を記憶する。例えば、算出情報記憶部125は、算出部133により実施された自由記入分析による文章分析データ(例えば、分類情報123aを用いて算出された評点等)を記憶できる。また、算出情報記憶部125は、算出部133により実施された選択分析による選択分析データ(例えば、選択情報122bを用いて算出された評点等)を記憶できる。
【0044】
また、算出情報記憶部125は、算出部133により実施された音声分析による感情パラメータ(例えば、音声情報122cを用いて算出された評点等の音声分析データ等)記憶できる。また、算出情報記憶部125は、算出部133により実施された映像分析による感情パラメータ(例えば、映像情報122dを用いて算出された評点等の映像分析データ等)を記憶できる。
【0045】
なお、算出情報記憶部125は、前述したような対象のユーザに係る各種算出情報について、累積して記憶することができる。
【0046】
(制御部130)
制御部130は、各種の処理手順等を規定したプログラムや処理データを一時的に格納するための内部メモリを有し、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現される。また、図4に示す通り、制御部130は、受付部131と、分類部132と、算出部133と、出力部134と、変更部135とを有する。
【0047】
(受付部131)
受付部131は、ユーザにより所定の方法に基づいて入力されたメンタルチェックに関する情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章(自然言語文章情報122a)として受け付ける。また、受付部131は、所定の質問事項としてユーザの業務上のストレスに関する内容に関する質問事項について、ユーザの入力する所定の言語による自然言語文章(自然言語文章情報122a)を受け付ける。例えば、受付部131は、前述の「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対して、「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」といったような自然言語文章情報122aを受け付けることができる。なお、受付部131は、所定の言語について、対象となる国ごとの言語(例えば、日本語、英語、中国語、スペイン語、アラビア語、ヒンディー語、フランス語等)を特に限定せずに受け付けることができる。
【0048】
なお、受付部131は、前述の所定の質問事項に対するユーザの回答を文字入力または音声入力により入力される自然言語文章(自然言語文章情報122a)として受け付けることができる。具体的には、受付部131は、前述したような「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」といったような自然言語文章が音声入力また文字入力された場合に自然言語文章情報122aとして受け付けることができる。そして、受付部131は、受け付けた自然言語文章情報122aを受付情報記憶部122に記憶させる。
【0049】
受付部131は、ユーザが端末装置200の画面上で選択した選択肢の選択情報(選択情報122b)を受け付けることができる。例えば、受付部131は、ユーザの端末装置200の画面上に表示された「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対して、ユーザにより選択された選択肢「D:全くない(気軽に話しかけることができない)」を選択情報122bとして受け付けることができる。そして、受付部131は、受け付けた情報を選択情報122bとして、受付情報記憶部122に記憶させる。
【0050】
受付部131は、音声入力により取得されたユーザの音声情報122cを受け付けることができる。例えば、受付部131は、メンタルチェックに関する質問事項に対して音声による回答により得られた音声情報を受け付けることができる。一例として、受付部131は、前述の「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」という質問に対して、音声により入力された「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」や、「D:ちがう(気軽に話しかけることができない)」という回答に含まれるユーザの音声を音声情報122cとして受け付けることができる。そして、受付部131は、受け付けた情報を音声情報122cとして、受付情報記憶部122に記憶させる。
【0051】
受付部131は、ユーザの入力行動に付随して取得された映像情報122dを受け付けることができる。受付部131は、メンタルチェックに関する質問事項へ回答時に付随して取得されたユーザの映像に関する情報を受け付けることができる。例えば、受付部131は、質問事項に回答する際のユーザの表情や行動、動作等について撮像された映像を映像情報122dとして受け付けることができる。そして、受付部131は、受け付けた情報を映像情報122dとして、受付情報記憶部122に記憶させる。
【0052】
ここで、図5を用いて受付部131が情報を受け付けるための質問画面(受付画面)について説明する。図5は、実施形態に係る質問画面の一例を示す図である。
【0053】
図5に示す通り、質問画面20は、アバター表示20aと、自己の映像20bと、選択肢20cと、自由記入欄20dと、選択ボタン20eと、マイク/カメラ切替ボタン20fと、サイド画面20gとが含まれる。
【0054】
アバター表示20aは、質問を行うアバターが表示される画面である。例えば、二次元のキャラクターや実在する人物に基づいて生成されたアバターが表示されてよい。また、表示されたアバターは、図2の職業性ストレス簡易調査票の項目10に基づいて、例えば、「次の人たち(上司)はどのくらい気軽に話ができますか?」といったような質問をユーザに表示できる。
【0055】
自己の映像20bは、ユーザの端末装置200に付属する撮像装置等により撮像されたユーザが表示される。選択肢20cは、前述した職業性ストレス簡易調査票の項目10等に基づいて生成されたメンタルチェックに関する質問への回答が選択肢として表示される。
【0056】
自由記入欄20dは、前述の選択肢20cに対する回答として、音声入力や文字入力により自然言語文章を入力する画面である。選択ボタン20eは、前述の選択肢20cに対する回答として音声入力や文字入力を行うことができない、もしくは行うことを希望しないユーザが質問に回答する際にユーザが選択肢を選択するために画面上に表示された押しボタンタイプの選択肢である。
【0057】
マイク/カメラ切替ボタン20fは、ユーザの端末装置200のマイクまたはカメラ(撮像装置)の機能有効化を切り替えるボタンである。なお、本実施形態においては、マイクオフの場合は、音声感情分析機能をオフとし、前述の選択ボタン20eに基づく選択回答および選択分析とする。また、カメラオフの場合は、映像感情分析機能をオフとする。サイド画面20gは、各種情報を表示する画面である。例えば、サイド画面20gは、ユーザの氏名や所属、過去の分析結果等の情報が表示されてよい。
【0058】
このようにして、受付部131は、質問画面20を介して各種の情報を取得することができる。なお、受付部131は、音声入力についてマイク等の音声入力デバイスを介して情報を受け付けることができる。また、受付部131は、文字入力について端末装置の画面上の操作、または入力デバイスを介して情報を受け付けることができる。また、受付部131は、映像情報について撮像装置等の映像入力デバイスを介して情報を受け付けることができる。
【0059】
(分類部132)
ここで、図4に戻り説明を続ける。分類部132は、受付部131により受け付けられた自然言語文章(自然言語文章情報122a)を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する。具体的には、分類部132は、自然言語文章(自然言語文章情報122a)から所定の単語および要約の少なくともいずれか1つを抽出し、スコアリングおよび重み付けを行うことで所定の選択肢に分類する。
【0060】
具体的には、分類部132は、ユーザにより入力された自然言語文章情報122aを用いて抽出した単語についてスコアリングを行った上で50%の重み付けを行う。他方、分類部132は、ユーザにより入力された自然言語文章情報122aを用いて抽出した要約についてスコアリングを行った上で50%の重み付けを行う。そして、分類部132は、重み付けされた単語に係るスコアと重み付けされた要約に係るスコアとを整合し、所定の選択肢へ分類分けを行う。
【0061】
そのため、分類部132は、前述した「上司はいつも忙しそうにしており、気軽に話しかけることができない」という自然言語文章情報122aを、単語および要約の抽出とスコアリングに基づいて「D:ちがう(気軽に話しかけることができない)」という選択肢に分類できる。
【0062】
さらに、分類部132は、ユーザが所定の質問事項に回答する際に得られた音声情報または映像情報を用いて所定の分析を行い、自然言語文章(自然言語文章情報122a)を所定の選択肢に分類する。例えば、分類部132は、ユーザが映像付きの音声入力で自然言語文章情報122aを入力した際に取得された音声情報122cまたは映像情報122dを用いて実施された音声感情分析または映像感情分析の結果を加味した選択肢の分類を行うことができる。例えば、分類部132は、音声感情分析または映像感情分析の結果に基づいて、ユーザが「不満」の感情であると判定される場合には、「A:そうだ(気軽に話しかけられる)」といった回答であっても、「D:ちがう(気軽に話しかけることができない)」といった選択肢に分類することができる。
【0063】
(算出部133)
算出部133は、受付部131により受け付けられたメンタルチェックに関する情報を用いて、所定の分析を行う。例えば、算出部133は、前述の分類情報123aを用いて所定の学習モデルに基づく自由記入文章分析として、単語検出や抽出型要約(例えば、翻訳、誤り訂正、類似文検索、文書セグメンテーション、文書カテゴリ分類、単語カテゴリ分類等)を行い文章分析データの算出ができる。具体的には、算出部133は、「分類情報」を用いた自由記入文章分析として、予め設定された条件に基づいて評点を算出することができる。例えば、算出部133は、分類情報に含まれる質問項目の選択肢の情報を用いて、選択肢ごとに設定された評点に基づいてユーザごとの評点結果を算出することができる。
【0064】
また、算出部133は、前述の選択情報122bを用いて所定の学習モデルに基づき選択分析データを算出できる。他方、算出部133は、「選択情報」を用いた選択分析として、予め設定された条件に基づいて評点を算出することができる。具体的には、算出部133は、選択情報に含まれる質問項目の選択肢の情報を用いて、選択肢ごとに設定された評点に基づいてユーザごとの評点結果を算出することができる。
【0065】
また、算出部133は、音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する。
【0066】
具体的には、算出部133は、前述の音声情報122cを用いて所定の学習モデルに基づく音声感情分析として、音声処理(例えば、年齢分類、性別分類、言語分類、感情分類等)を行い感情パラメータ(音声分析データ)の算出ができる。そして、算出部133は、前述の音声情報122cを用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルに基づいて算出された感情パラメータ(音声分析データ)を用いて、ユーザの質問事項の評点結果を算出できる。なお、算出部133は、予め設定された評点条件を用いてもよいし、別途音声情報122cを用いて評点結果を算出するように学習させた学習モデルを用いてもよい。
【0067】
また、算出部133は、映像情報122dを用いて所定の学習モデルに基づく映像感情分析として、画像映像処理(例えば、年齢分類や表情分類等)を行い感情パラメータ(表情分析データ)の算出ができる。そして、算出部133は、前述の映像情報122dを用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルに基づいて算出された感情パラメータ(映像分析データ)を用いて、ユーザの質問事項の評点結果を算出できる。なお、算出部133は、予め設定された評点条件を用いてもよいし、別途映像情報122dを用いて評点結果を算出するように学習させた学習モデルを用いてもよい。
【0068】
また、算出部133は、予め設定された所定の項目として主項目の喜び、怒り、悲しみ、驚き、無感情と、参考項目として憂鬱、疲れ、落ち着き、元気、安心、感動、共感、緊張との項目のうち少なくともいずれか1つを用いて学習済みの学習モデルに基づいて感情パラメータを算出する。なお、前述した感情はあくまで一例であり、算出部133は、人間の感情(例えば、感情円環モデル等に含まれるその他の感情等)の範疇であれば限定無く利用することができる。
【0069】
また、算出部133は、ユーザ情報記憶部124に記憶されたユーザに関する情報と、音声情報122c、映像情報122dのうち少なくともいずれか1つを用いて、予め設定された所定の項目ごとに感情パラメータを算出する。具体的には、算出部133は、ユーザ情報記憶部124に記憶されたユーザに関する情報(年齢、性別、その他属性情報等)を用いて、前述の音声情報122cまたは映像情報122dから算出された感情パラメータを補正して算出することができる。
【0070】
(出力部134)
出力部134は、分類部132により分類された自然言語文章の分類情報123aまたは画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報122bと、感情パラメータ(音声分析データまたは映像分析データの少なくともいずれか一方)とに基づいて所定の情報を出力する。具体的には、出力部134は、分類情報123aを用いて算出された文章分析データに含まれる評点または選択情報122bを用いて算出された選択分析データに含まれる評点と、感情パラメータに含まれる評点とを用いて、所定の情報を出力する。
【0071】
また、出力部134は、所定の情報として、所定の機関への提出情報、不調予測に関する情報、満足度測定に関する情報のうち1つまたは複数の組み合わせを出力する。例えば、出力部134は、算出部133により算出されたユーザの評点結果の一覧を出力できる。また、出力部134は、前述の一覧表形式のデータのみならず、評点結果やユーザの感情等が視覚化されたグラフ形式で表示することができる。また、出力部134は、ストレス診断結果を所定の機関に提出する場合、所定の機関ごとの様式に合わせた提出用データを出力することができる。なお、出力部134による出力情報の一例は、後述の実施例の項目で説明する。
【0072】
さらに、出力部134は、分類情報123aを用いて算出された文章分析データに含まれる評点、選択情報122bを用いて算出された選択分析データに含まれる評点、感情パラメータに含まれる評点の少なくともいずれか1つを用いて、ユーザの健康状態に関する提案情報を出力する。前述したように、本実施形態に係る情報処理装置100は、メンタルヘルスケアの機能として、日ごろから収集されたデータを用いて診療(例えば、オンライン診断等)に関する情報を出力することができる。具体的には、出力部134は、特定の回数を超えて所定の条件(例えば、ユーザのメンタル状態や身体の健康状態が心配される場合等)を満たす結果が継続した場合に、ユーザの健康状態に関する提案情報(例えば、医療受診を勧める等)を出力することができる。また、出力部134は、前述のユーザの健康状態に関する提案情報について、都度出力を行ってもよいし、算出情報記憶部125により累積して記憶された算出情報に基づいて出力を行ってもよい。
【0073】
(変更部135)
変更部135は、算出部133の算出結果に基づいて、所定の質問事項を表示させるアバターの表情を変更する。具体的には、変更部135は、算出部133により算出されたユーザのメンタルチェックに関する情報に基づいて、質問を行うアバターの表示や当該表示の変更をリアルタイムに行うことができる。
【0074】
例えば、変更部135は、アバターの表情を変更する場合に、回答済みの設問までのストレススコアを抽出し、抽出されたスコアにより表情を分類する。そして、変更部135は、分類に基づいて該当する表情を決定し、アバターの表情をリアルタイムに変更することができる。
【0075】
例えば、変更部135は、ユーザのメンタルチェックに関する情報に基づきユーザのストレスが高いと判断される場合には、ユーザを心配するような表情といったユーザの感情に共感する表情へ変更することができる。
【0076】
(端末装置200)
端末装置200は、情報処理装置100から出力された所定の情報の表示を行う情報処理端末である。なお、端末装置200は、スマートデバイス、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。また、端末装置200は、ユーザの音声入力、文字入力、映像の撮像映像を、当該端末装置200に接続された入力デバイスを介して受け付けることができる。
【0077】
〔3.実施例〕
ここから、本実施形態に係る情報処理装置100が実現する実施例について説明する。本項目では、「ストレス診断」、「不調予測」、「満足度測定」、「アバターによる質問」についてそれぞれ説明する。
【0078】
〔3-1.ストレス診断〕
まず、本実施形態に係る情報処理装置100が実現する「ストレス診断」の実施例について図6を用いて説明する。図6は、実施形態に係るストレス診断の概要を示す図である。図6に示す通り、情報処理装置100は、ユーザの操作する端末装置200にメンタルチェックに関する質問事項(例えば、職業性ストレス簡易調査票の項目10に示された項目に基づいた質問事項等)を表示する(図6の(1))。なお、本実施形態においては、表示する質問は、厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室により提供された「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(例えば、P34からP35)<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>」に基づき設定されてよい。
【0079】
情報処理装置100は、端末装置200を介して、ユーザの質問の回答を受け付ける(図6の(2))。なお、ユーザは、「音声入力または文字入力」または「選択入力」にて、質問に回答することができる。そして、情報処理装置100は、ストレス診断に係る分析として「自由記入文章分析(図6の(3-1))」または「選択分析(図6の(3-2))」を実施する。
【0080】
自由記入文章入力の場合、分類部132は、ユーザにより音声入力または文字入力により入力された自然言語文章から単語および要約を抽出し、所定の分類を行う。そして、算出部133は、分類部132により分類された分類情報を用いて、自由記入文章分析を実施する。他方、選択回答の場合、算出部133は、ユーザにより選択された選択肢の選択情報を用いて、選択分析を実施する。
【0081】
具体的には、算出部133は、「分類情報」または「選択情報」の少なくともいずれか一方を用いて、予め設定された条件に基づいて評点を実施する。例えば、本実施形態においては、評点の基準は、厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室により提供された「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(例えば、P40)<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>」に基づき設定されてよい。
【0082】
そして、出力部134は、評点結果を一覧表30のような形式で出力する(図6の(4))。さらに、出力部134は、一覧表30をグラフ40といったようなグラフ形式で出力することができる(図6の(5))。また、出力部134は、ストレス診断結果を所定の機関に提出する場合、所定の機関ごとの様式に合わせた所定の機関への提出用データ50を出力することができる(図6の(6))。例えば、情報処理装置100は、グラフ40について図6に示すような各評点をレーダーチャート形式に表示してよい。また、その他にも、情報処理装置100は、グラフ40について、過去のユーザの評点の推移が分かるような、時系列データの折れ線グラフ形式で表示してもよい。
【0083】
〔3-2.不調予測〕
次に、本実施形態に係る情報処理装置100が実現する「不調予測」の実施例について、図7を用いて説明する。図7は、実施形態に係る不調予測の概要を示す図である。図7に示す通り、情報処理装置100は、ユーザの操作する端末装置200にメンタルチェックに関する質問事項(例えば、職業性ストレス簡易調査票の項目10に示された項目に基づいた質問事項等)を表示する(図7の(1))。なお、本実施形態においては、表示する質問は、厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室により提供された「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(例えば、P34からP35)<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>」に基づき設定されてよい。
【0084】
情報処理装置100は、端末装置200を介して、ユーザの質問の回答を受け付ける(図7の(2))。なお、ユーザは、「音声入力または文字入力」または「選択入力」にて、質問に回答することができる。そして、情報処理装置100は、不調予測に係る分析として「自由記入文章分析(図7の(3-1))」または「選択分析(図7の(3-2))」の少なくともいずれか一方を実施する。さらに、情報処理装置100は、不調予測に係る分析として「音声感情分析(図7の(3-3))」または「映像感情分析(図7の(3-4))」を合わせて実施することができる。なお、本事例においては、メンタルチェックに関する質問事項に対してユーザが「映像付き音声回答」にて質問に回答する前提とする。
【0085】
自由記入文章入力の場合、分類部132は、ユーザにより音声入力または文字入力により入力された自然言語文章から単語および要約を抽出し、所定の分類を行う。そして、算出部133は、分類部132により分類された分類情報を用いて、自由記入文章分析を実施する。他方、選択回答の場合、算出部133は、ユーザにより選択された選択肢の選択情報を用いて、選択分析を実施する。
【0086】
さらに、情報処理装置100は、ユーザの質問回答時に取得された音声情報と映像情報とを用いて、音声感情分析または映像感情分析の少なくともどちらか一方を実施する。
【0087】
具体的には、算出部133は、前述の音声情報を用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルに基づいて算出された感情パラメータ(音声分析データ)を用いて、ユーザの質問事項の評点結果を算出できる。なお、算出部133は、予め設定された評点条件を用いてもよいし、別途音声情報を用いて評点結果を算出するように学習させた学習モデルを用いてもよい。
【0088】
また、算出部133は、前述の映像情報を用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルに基づいて算出された感情パラメータ(映像分析データ)を用いて、ユーザの質問事項の評点結果を算出できる。なお、算出部133は、予め設定された評点条件を用いてもよいし、別途映像情報を用いて評点結果を算出するように学習させた学習モデルを用いてもよい。
【0089】
そして、算出部133は、前述した自由記入文章分析または選択分析、および音声感情分析と映像感情分析に基づいて、予め設定された条件に基づいて評点を算出する。例えば、算出部133は、ユーザの入力結果に基づく評点とユーザの感情に基づいた評点とを所定の配分(例えば、ユーザの選択70%:感情分析結果30%等)にて合計してよい。なお、本実施形態においては、評点の基準は、厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室により提供される「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(例えば、P40)<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>」に基づき設定されてよい。
【0090】
そして、情報処理装置100は、評点結果を一覧表31のような形式で出力する(図7の(4))。さらに、情報処理装置100は、一覧表31をグラフ41といったようなグラフ形式で出力することができる(図7の(5))。例えば、情報処理装置100は、グラフ41について図7に示すような各評点をレーダーチャート形式に表示してよい。また、その他にも、情報処理装置100は、グラフ41について、過去のユーザの評点の推移が分かるような、時系列データの折れ線グラフ形式で表示してもよい。
【0091】
〔3-3.満足度測定〕
次に、本実施形態に係る情報処理装置100が実現する「満足度測定」の実施例について図8を用いて説明する。図8は、実施形態に係る満足度測定の概要を示す図である。図8に示す通り、情報処理装置100は、ユーザの操作する端末装置200にメンタルチェックに関する質問事項(例えば、職業性ストレス簡易調査票の項目10に示された項目に基づいた質問事項等)を表示する(図8の(1))。なお、本実施形態においては、表示する質問は、厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室により提供された「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(例えば、P34からP35)<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>」に基づき設定されてよい。
【0092】
情報処理装置100は、端末装置200を介して、ユーザの質問の回答を受け付ける(図8の(2))。なお、ユーザは、「音声入力または文字入力」または「選択入力」にて、質問に回答することができる。そして、情報処理装置100は、満足度測定に係る分析として「自由記入文章分析(図8の(3-1))」または「選択分析(図8の(3-2))」の少なくともいずれか一方を実施する。さらに、情報処理装置100は、満足度測定に係る分析として「音声感情分析(図8の(3-3))」または「映像感情分析(図8の(3-4))」を合わせて実施することができる。なお、本事例においては、メンタルチェックに関する質問事項に対してユーザが「映像付き音声回答」にて質問に回答する前提とする。なお、満足度測定においては全ての質問の項目ではなく、満足度に係る項目のみを対象とする。例えば、メンタルチェックに関する質問事項(職業性ストレス簡易調査票の項目10)の中に示された、項目10a、項目10b、項目10c等であってよい。
【0093】
自由記入文章入力の場合、分類部132は、ユーザにより音声入力または文字入力により入力された自然言語文章から単語および要約を抽出し、所定の分類を行う。そして、算出部133は、分類部132により分類された分類情報を用いて、自由記入文章分析を実施する。他方、選択回答の場合、算出部133は、ユーザにより選択された選択肢の選択情報を用いて、選択分析を実施する。
【0094】
さらに、情報処理装置100は、ユーザの質問回答時に取得された音声情報と映像情報とを用いて、音声感情分析または映像感情分析の少なくともどちらか一方を実施する。
【0095】
具体的には、算出部133は、前述の音声情報を用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルに基づいて算出された感情パラメータ(音声分析データ)を用いて、ユーザの質問事項の評点結果を算出できる。なお、算出部133は、予め設定された評点条件を用いてもよいし、別途音声情報を用いて評点結果を算出するように学習させた学習モデルを用いてもよい。
【0096】
また、算出部133は、前述の映像情報を用いて予め評点結果を算出するように学習した学習モデルに基づいて算出された感情パラメータ(映像分析データ)を用いて、ユーザの質問事項の評点結果を算出できる。なお、算出部133は、予め設定された評点条件を用いてもよいし、別途映像情報を用いて評点結果を算出するように学習させた学習モデルを用いてもよい。
【0097】
そして、算出部133は、前述した自由記入文章分析または選択分析、および音声感情分析と映像感情分析に基づいて、予め設定された条件に基づいて評点を算出する。例えば、算出部133は、ユーザの入力結果に基づく評点とユーザの感情に基づいた評点とを所定の配分(例えば、ユーザの選択70%:感情分析結果30%等)にて合計してよい。なお、本実施形態においては、評点の基準は、厚生労働省労働基準局安全衛生部 労働衛生課産業保健支援室により提供される「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(例えば、P40)<https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf>」に基づき設定されてよい。
【0098】
そして、情報処理装置100は、評点結果を一覧表32のような形式で出力する(図8の(4))。さらに、情報処理装置100は、一覧表32をグラフ42といったようなグラフ形式で出力することができる(図8の(5))。例えば、情報処理装置100は、グラフ42について図8に示すような各評点をレーダーチャート形式に表示してよい。また、その他にも、情報処理装置100は、グラフ42について、過去のユーザの評点の推移が分かるような、時系列データの折れ線グラフ形式で表示してもよい。
【0099】
〔3-4.アバターによる質問〕
続いて、本実施形態に係る情報処理装置100が実現するアバターによる質問の実施について図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係るアバターを用いた質問画面の一例を示す図である。
【0100】
図9に示す通り、情報処理装置100は、デフォルトの質問画面(図5の質問画面20)以外にも、女性21aにより質問が行われる質問画面21や、男性22aにより質問が行われる質問画面22をユーザの端末装置200に表示させることができる。このようにして、情報処理装置100は、複数の質問画面を表示させることができるため、ユーザの属性に合わせた質問画面を表示させてユーザの質問への回答率向上や精度向上といった効果を提供することができる。
【0101】
〔4.処理手順〕
ここから、図10を用いて、情報処理装置100の処理手順について説明する。図10は、実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。なお、各ステップは、入れ替えて実施されてもよいし、実施されないステップが存在してもよい。
【0102】
受付部131は、ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付ける(工程S101)。分類部132は、受付部131により受け付けられた自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する(工程S102)。続けて、算出部133は、音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する(工程S103)。出力部134は、分類部132により分類された自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力し(工程S104)、工程を終了する。
【0103】
〔5.効果〕
ここから、本実施形態の情報処理装置100が提供する効果について説明する。まず、従来の課題として、近年実施されているメンタルチェックの実施の際に、所定のタイミングでユーザにメンタルチェックのための質問に回答する画面を表示し入力を促すが、ユーザ自身は、設問の確認や設問への回答の入力を手間に感じ、入力に非協力的であったり、入力される情報が不正確であったりする場合があった。
【0104】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置100の受付部131は、ユーザのメンタルチェックに関する所定の質問事項に対するユーザの回答を自然言語文章として受け付ける。情報処理装置100の分類部132は、受付部131により受け付けられた自然言語文章を、学習モデルを用いて所定の選択肢に分類する。情報処理装置100の算出部133は、音声により入力された音声情報および撮像装置により入力された映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、感情パラメータを算出する。情報処理装置100の出力部134は、分類部132により分類された自然言語文章の分類情報または画面に表示された選択肢に応じて選択された選択情報と、感情パラメータとに基づいて所定の情報を出力する、ことを特徴とする。したがって、本実施形態によれば、メンタルチェックに関する情報の収集を容易とする、という効果を奏する。
【0105】
具体的には、情報処理装置100の受付部131は、所定の質問事項としてユーザの業務上のストレスに関する内容に関する質問事項について、ユーザの入力する所定の言語による自然言語文章を受け付ける。さらに、情報処理装置100の受付部131は、所定の質問事項に対するユーザの回答を文字入力または音声入力により入力される自然言語文章として受け付ける。これにより、情報処理装置100は、ユーザによる質問への回答時の工数や手間を削減し、質問への回答率や入力された情報の精度を向上させる効果を提供する。
【0106】
情報処理装置100の分類部132は、自然言語文章から所定の単語および要約の少なくともいずれか1つを抽出し、スコアリングおよび重み付けを行うことで所定の選択肢に分類する。また、情報処理装置100の分類部132は、ユーザが所定の質問事項に回答する際に得られた音声情報または映像情報を用いて所定の分析を行い、自然言語文章を所定の選択肢に分類する。これにより、情報処理装置100は、ユーザによる質問への回答を容易にすることで、ユーザの工数や手間を削減し、質問への回答率や入力された情報の精度を向上させる効果を提供する。
【0107】
情報処理装置100の算出部133は、ユーザに関する情報と、音声情報、映像情報のうち少なくともいずれか1つを用いて、予め設定された所定の項目ごとに感情パラメータを算出する。具体的には、情報処理装置100の算出部133は、予め設定された所定の項目として主項目の喜び、怒り、悲しみ、驚き、無感情と、参考項目として憂鬱、疲れ、落ち着き、元気、安心、感動、共感、緊張との項目のうち少なくともいずれか1つを用いて学習済みの学習モデルに基づいて感情パラメータを算出する。これにより、情報処理装置100は、ユーザによる質問への回答に関する情報のみならずユーザの感情を加味した結果の出力を可能とし、より精度の高いユーザのメンタルヘルスケアを可能とする効果を提供する。
【0108】
具体的には、出力部134は、分類情報123aを用いて算出された文章分析データに含まれる評点または選択情報122bを用いて算出された選択分析データに含まれる評点と、感情パラメータに含まれる評点とを用いて、所定の情報を出力する。例えば、情報処理装置100の出力部134は、所定の情報として、所定の機関への提出情報、不調予測に関する情報、満足度測定に関する情報のうち1つまたは複数の組み合わせを出力する。これにより、情報処理装置100は、ユーザから収集した情報に基づくより精度の高いユーザのメンタルヘルスケアを可能とする効果を提供する。
【0109】
情報処理装置100の変更部135は、算出部133の算出結果に基づいて、所定の質問事項を表示させるアバターの表情を変更する。これにより、情報処理装置100は、ユーザが質問への回答する際にアバターからの心理的な共感を提供することにより、ユーザの安心感を向上させ、より精度の高い質問への回答を促すことを可能とする効果を提供する。
【0110】
〔6.ハードウェア構成〕
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0111】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で手動的に行うこともできる。この他、図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0112】
[プログラム]
一実施形態として、情報処理装置100を構成する各種の装置は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして、前述した情報処理プログラムを、所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の情報処理プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置100を構成する各種の装置として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0113】
図11は、本実施形態に係る情報処理装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0114】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0115】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、情報処理装置100を構成する各種の装置の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、情報処理装置100を構成する各種の装置における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0116】
また、前述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、前述した実施形態の処理を実行する。
【0117】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0118】
〔7.その他〕
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態は、開示の一部をなす記述および図面により限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本実施形態の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
10 職業性ストレス簡易調査票の項目
10a,10b,10c 項目
20,21,22 質問画面
20a アバター表示
20b 自己の映像
20c 選択肢
20d 自由記入欄
20e 選択ボタン
20f マイク/カメラ切替ボタン
20g サイド画面
21a 女性
22a 男性
30,31,32 一覧表
40,41,42 グラフ
50 所定の機関への提出用データ
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 学習モデル記憶部
122 受付情報記憶部
122a 自然言語文章情報
122b 選択情報
122c 音声情報
122d 映像情報
123 分類情報記憶部
123a 分類情報
124 ユーザ情報記憶部
125 算出情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 分類部
133 算出部
134 出力部
135 変更部
200 端末装置
1000 コンピュータ
1010 メモリ
1011 ROM
1012 RAM
1020 CPU
1030 ハードディスクドライブインタフェース
1040 ディスクドライブインタフェース
1050 シリアルポートインタフェース
1060 ビデオアダプタ
1070 ネットワークインタフェース
1080 バス
1090 ハードディスクドライブ
1091 OS
1092 アプリケーションプログラム
1093 プログラムモジュール
1094 プログラムデータ
1100 ディスクドライブ
1110 マウス
1120 キーボード
1130 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11