(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124255
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】タイヤの製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/30 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B29D30/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032273
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】塚田 泰正
【テーマコード(参考)】
4F215
4F501
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215VA11
4F215VD07
4F215VK02
4F215VL01
4F215VL07
4F215VP28
4F501TA11
4F501TC07
4F501TD03
4F501TD33
4F501TE01
4F501TE07
4F501TL27
4F501TV06
(57)【要約】
【課題】ブレーカークッションを含む場合にローカバーの各部品が組み合わされる際の工数を少なくすること
【解決手段】
ここでの開示されるタイヤの製造方法には、以下の工程A,Bが含まれる。
工程A:ブレーカー用ゴムシート21の予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシート22が貼り合わされ、かつ、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態でタイヤ一本分の予め定められた長さに切断される工程;
工程B:ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態で、タイヤの成形ドラムに巻き付けられて端部が突き合わされる工程。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシートが貼り合わされ、かつ、前記ブレーカー用ゴムシートと前記ブレーカークッション用ゴムシートとが貼り合わされた状態でタイヤ一本分の予め定められた長さに切断される工程と、
前記ブレーカー用ゴムシートと前記ブレーカークッション用ゴムシートとが貼り合わされた状態で、タイヤの成形ドラムに巻き付けられて端部が突き合わされる工程と
を含む
タイヤの製造方法。
【請求項2】
帯状のブレーカー用ゴムシートを搬送する第1搬送機構と、
帯状のブレーカークッション用ゴムシートを搬送する第2搬送機構と、
前記第1搬送機構で搬送される前記ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置に、前記第2搬送機構で搬送される前記ブレーカークッション用ゴムシートを貼り合わせる、貼り合わせ機構と、
前記ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置に前記ブレーカークッション用ゴムシートが貼り合わされた状態で、タイヤ一本分の予め定められた長さに切断される切断機構と、
前記切断機構によって切断された前記ブレーカー用ゴムシートと前記ブレーカークッション用ゴムシートのアッセンブリを、成形ドラムに供給する供給機構と
を備えた、タイヤ成形装置。
【請求項3】
ブレーカークッションのジョイント部と、前記ブレーカークッションに接するブレーカーのジョイント部とが、周方向において同じ位置にあるタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-024109号公報には、ブレーカークッションを含む、トラックやバスなどに用いられる空気入りタイヤの製造方法が開示されている。
【0003】
同公報に開示される背景技術によれば、1st成形ドラムにインナーやカーカスプライなどを貼り付けて1stカバーが成形される。他方で、2nd成形ドラムにブレーカーやトレッドなどを貼り付けて2ndカバーが成形される。このとき、1stカバーのカーカスプライのショルダー部に相当する位置に、2ndカバーの内周面に位置するブレーカーのエッジ部分(ブレーカーエッジ)との緩衝材料であるブレーカークッションが貼り付けられる。そして、1stカバーを膨張させて、1stカバーが2ndカバーに貼り付けられる。
【0004】
さらに、同公報に開示された技術では、2ndカバー成形工程において、ブレーカーの内側にブレーカークッションを貼り付けて、ブレーカークッションが貼り付けられた2ndカバーを成形することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本発明者は、ブレーカークッションを有するタイヤに関して作業工数を低減させたいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここでの開示されるタイヤの製造方法には、以下の工程A,Bが含まれる。
工程A:ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシートが貼り合わされ、かつ、ブレーカー用ゴムシートとブレーカークッション用ゴムシートとが貼り合わされた状態でタイヤ一本分の予め定められた長さに切断される工程;
工程B:ブレーカー用ゴムシートとブレーカークッション用ゴムシートとが貼り合わされた状態で、タイヤの成形ドラムに巻き付けられて端部が突き合わされる工程。
【0008】
ここでの開示されるタイヤの製造装置は、第1搬送機構と、第2搬送機構と、貼り合わせ機構と、切断機構と、供給機構とを備えている。
ここで、第1搬送機構は、帯状のブレーカー用ゴムシートを搬送する機構である。第2搬送機構は、帯状のブレーカークッション用ゴムシートを搬送する機構である。貼り合わせ機構は、第1搬送機構で搬送されるブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置に、第2搬送機構で搬送されるブレーカークッション用ゴムシートを貼り合わせる、機構である。切断機構は、ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシートが貼り合わされた状態で、タイヤ一本分の予め定められた長さに切断される構である。供給機構は、切断機構によって切断されたブレーカー用ゴムシートとブレーカークッション用ゴムシートのアッセンブリを、成形ドラムに供給する機構である。
【0009】
ここで開示されるタイヤは、ブレーカークッションのジョイント部と、ブレーカークッションに接するブレーカーのジョイント部とが、周方向において同じ位置にある。
【発明の効果】
【0010】
かかるタイヤの製造方法および製造装置によれば、ブレーカークッションを含む場合にローカバーの各部品が組み合わされる際の工数が少なくなる。ここで開示されるタイヤは、ユニフォミティやバランスレベルが高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、タイヤの断面構造を示す模式図である。
【
図2】
図2は、工程Aを具現化するタイヤ成形装置10を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、タイヤの1stカバーC1と2ndカバーC2とを組み付ける工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、ここで開示されるタイヤの製造方法および製造装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、タイヤの断面構造を示す模式図である。
図1に示されているように、ブレーカー21は、トレッドゴム76とカーカスプライ72との間に入れる補強コード層20である。ブレーカー21は、いわゆるラジアルタイヤでは、「ベルト」と称され、バイアスタイヤでは、「ブレーカー」と称されうる。ここでは、区別せず、トレッドゴム76とカーカスプライ72の間に入れる補強コード層を、「ブレーカー」と称する。従って、「ブレーカー」には、ラジアルタイヤにおいて、「ベルト」と称される部材が含まれうる。ブレーカークッション22は、ブレーカー21のエッジ部とカーカスプライ72(ケースとも称される)などとの間に、配置されるゴム層である。ブレーカークッション22は、トレッドゴム76から伝播する振動などのダメージを緩和し、トレッド全体の発熱を低減する役割があり、乗り心地、耐久性などに大きな影響を及ぼしうる部材である。
【0014】
ここで開示されるタイヤの製造方法には、以下の工程A,Bが含まれる。ここで、
図2は、工程Aを具現化するタイヤ成形装置10を模式的に示す図である。
図3は、工程Bを模式的に示す図である。
【0015】
〈工程A〉
工程Aでは、
図2に示されているように、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態でタイヤ一本分の予め定められた長さに切断される工程である。
図2に示されているように、ブレーカー用ゴムシート21の予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシート22が貼り合わされる。
【0016】
タイヤ成形装置10は、
図2に示されているように、第1搬送機構41と、第2搬送機構42と、貼り合わせ機構43と、切断機構44と、供給機構45とを備えている。
【0017】
第1搬送機構41は、帯状のブレーカー用ゴムシート21を搬送する機構である。ここで、ブレーカー用ゴムシート21は、補強材としてコードを含む、予め定められた幅の帯状のゴムシートである。ブレーカー用ゴムシート21は、巻軸51に巻かれた状態で第1搬送機構41にセットされている。第1搬送機構41は、ブレーカー用のサービサー53に至る予め定められた搬送経路に沿って、巻軸51からブレーカー用ゴムシート21を送り出すように構成されている。ブレーカー用のサービサー53は、ブレーカー21を予め定められた搬送位置に搬送するものである。この実施形態では、ブレーカー用のサービサー53は、2ndカバーを成形するための成形ドラムにブレーカー21およびブレーカークッション22のアッセンブリ56を搬送するように構成されている。ブレーカー用のサービサー53は、例えば、ローラコンベアを備えているとよい。
【0018】
第2搬送機構42は、帯状のブレーカークッション用ゴムシート22を搬送する機構である。ここで、ブレーカークッション用ゴムシート22は、予め定められた幅の帯状のゴムシートであり、巻軸52に捲回された状態で第2搬送機構42にセットされている。第2搬送機構42は、ブレーカークッション用ゴムシート22をブレーカー用のサービサー53に至る予め定められた搬送経路に沿って、巻軸52からブレーカークッション用ゴムシート22が送り出されるように構成されている。
【0019】
ここで、ブレーカークッション用ゴムシート22は、所要のクッション性を有するように調製されたゴム材料であり、予め定められた断面形状に成形さている。ブレーカークッション用ゴムシート22の断面形状は、図示は省略するが、タイヤの構造に合わせて適宜に設計されうる。ブレーカークッション用ゴムシート22の断面形状は、例えば、ブレーカーのエッジ部においてカーカスプライとサイドウォールとの間に生じる隙間を埋めるような形状であるとよい。
【0020】
図示は省略されるが、帯状のブレーカークッション用ゴムシート22は、第1搬送機構41で搬送されるブレーカークッション22の幅方向の両側のエッジ部にそれぞれ搬送される。
図2では、第2搬送機構42は一つであるように描かれているが、実際には、第2搬送機構42は、2つある。2つの第2搬送機構42から、ブレーカークッション用ゴムシート22が送り出されて、第1搬送機構41で搬送されるブレーカー用ゴムシート21の幅方向の両側に搬送されるとよい。
【0021】
貼り合わせ機構43は、第1搬送機構41で搬送されるブレーカー用ゴムシート21の予め定められた位置に、第2搬送機構42で搬送されるブレーカークッション用ゴムシート22を貼り合わせる機構である。この実施形態では、ブレーカー用のサービサー53の上に圧着用ローラ54が設けられており、帯状のブレーカー用ゴムシート21の幅方向の両端に、それぞれブレーカークッション用ゴムシート22が貼り合わされ、圧着用ローラ54で押えられる。これによって、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが圧着されるとよい。ブレーカー用ゴムシート21にブレーカークッション用ゴムシート22を貼り合わせる位置は、加硫成形前に成形されるローカバーにおいて、予め定められた位置に配置されるように設定されるとよい。ブレーカー用ゴムシート21にブレーカークッション用ゴムシート22を貼り合わせる位置は、例えば、第1搬送機構41に対して第2搬送機構42でブレーカークッション用ゴムシート22が搬送される位置が調整されることによって、調整されうる。かかる観点で、第2搬送機構42は、ブレーカークッション用ゴムシート22を搬送する位置を微調整しうる機構が組み込まれているとよい。
【0022】
切断機構44は、ブレーカー用ゴムシート21の予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシート22が貼り合わされた状態で、タイヤ一本分の予め定められた長さに切断される機構である。この実施形態では、ブレーカー用のサービサー53の上にカッター55が設けられている。そして、カッター55によって、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態で、タイヤ一本分の予め定められた長さに切断される。切断面は、例えば、ブレーカー21のコード21bの角度に合わせて所定の角度で斜めにカットされてもよい。これにより、タイヤの周方向において、突き合せ位置が集中せず、タイヤのユニフォミティ(均一性)が向上する。なお、切断面は、斜めにカットされることに限定されない。なお、
図3に示された例では、切断面は、ブレーカー21のコード21bに沿った角度に合わせて斜めにカットされている。ブレーカークッション用ゴムシート22もブレーカー21のコード21bに沿った角度に合わせて斜めにカットされている。この場合、カット面がブレーカー21のコード21bに沿っており、カット面が未加硫のゴムである。このため、カット面を重ねずに突き合わせることによってジョイントさせることが可能である。
【0023】
供給機構45は、切断されたブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22のアッセンブリ56を、成形ドラムに供給する機構である。この実施形態では、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22のアッセンブリ56は、ブレーカー用のサービサー53に載せられて、2ndカバーが成形される成形ドラムに供給される。
【0024】
〈工程B〉
工程Bは、
図3に示されているように、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態で、タイヤの成形ドラム57に巻き付けられて端部が突き合わされる工程である。この実施形態では、タイヤの2ndカバー用の成形ドラム57は、2ndカバーC2が成形されるための成形ドラムであり、ブレーカー21やトレッドゴム76などが組み合わされる。
図3では、成形ドラム57が一列に展開された状態で図示されている。成形ドラム57は、実際には円筒形状であり、周方向に並べられた複数のドラムセグメント57aを有している。ブレーカー21およびブレーカークッション22は、円筒形状の成形ドラム57の外周面に沿って巻かれて、端部のジョイント部21a,22aが付き合わされてジョイントされる。ブレーカー21およびブレーカークッション22は、端部がジョイントされて円筒形状に成形された後、成形ドラム57が縮径し、成形ドラム57から取り外される。
【0025】
図4は、タイヤの1stカバーC1と2ndカバーC2とを組み付ける工程を示す模式図である。
図4に示されているように、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態で筒形状に成形された2ndカバーC2は、成形ドラム57から、タイヤの1stカバーC1が組み付けられた成形機60に移送される。成形機60では、タイヤの1stカバーC1として、インナーライナー71、カーカスプライ72、ビード73、エイペックス74などが組み込まれている。工程Bにおいて、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22とが貼り合わされた状態で成形されたタイヤの2ndカバーC2は、1stカバーC1の外周面に対して対向するように配置される。この状態で、1stカバーC1の端部をターンアップさせてビード部を形成しつつ、1stカバーC1をトロイダル状に膨らませることによって、1stカバーC1と2ndカバーC2とを貼り合わせ、また図示は省略するが、サイドウォール用のゴムシートなど、他の部材が適宜に貼り合わされることによって、加硫前のローカバーが成形される。
【0026】
ここで開示されるタイヤの製造方法によれば、ブレーカー用ゴムシート21と、ブレーカークッション用ゴムシート22とが、予め定められた位置に重ねられた状態で、一緒に切断され、成形ドラム57に供給されて巻き付けられる。このため、ブレーカー用ゴムシート21に対するブレーカークッション用ゴムシート22の配置が精度良く行える。例えば、ブレーカー用ゴムシート21に対してブレーカークッション用ゴムシート22がずれる事象を抑制できる。また、ブレーカー用ゴムシート21と、ブレーカークッション用ゴムシート22とが別々に加工され、別々に成形ドラム57に供給され、予め定められた位置に貼り合わされる場合に比べて、ローカバーの各部品が組み合わされる際の工数が少なくなる。特に、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション用ゴムシート22の切断や組み付けを一緒に行える。これにより、ブレーカークッション22を含まない構造のタイヤ成形と同程度のサイクルタイムで、ブレーカークッション22を含む構造のタイヤを成形できる。
【0027】
また、ここで開示されるタイヤの製造装置によれば、上記の製造方法が具現化され、ブレーカー用ゴムシート21と、ブレーカークッション用ゴムシート22とが、予め定められた位置に重ねられた状態で、一緒に切断される。また、かかる製造方法および製造装置によれば、
図3に示されているように、ブレーカークッション22のジョイント部22aと、ブレーカークッション22に接するブレーカー用ゴムシート21のジョイント部21aとが、周方向において同じ位置にあるローカバーが成形され、かかる特徴を有するタイヤが製造される。つまり、ブレーカー用ゴムシート21と、ブレーカークッション用ゴムシート22とが、別々に切断されて重ね合わされ、かつ、ジョイントされる場合に比べて、ジョイント部が揃いやすく、カット部を一体として突き合わせやすい。
【0028】
このため、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション22の切断位置、および、ジョイント部分が一致する。このため、ブレーカー用ゴムシート21とブレーカークッション22とが成形ドラム57に別々に貼り合わされる場合に比べて、周上での材料の厚みのバラツキが小さく抑えられ、ユニフォミティやバランスレベルが向上する。つまり、ここで開示される製造方法によって製造されたタイヤは、ユニフォミティやバランスレベルが高い。また、1ロットで製造されるタイヤ間においても、成形されるタイヤの個体差が少なくなり、品質の均一性なども向上する。
【0029】
以上、ここでの開示について、種々説明したが、ここでの開示は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態や変形例に限定されない。また、種々言及した実施形態や変形例の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。
【0030】
本発明(1)は、タイヤの製造方法に関する。
ここで、本発明(1)におけるタイヤの製造方法は、
ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置にブレーカークッション用ゴムシートが貼り合わされ、かつ、前記ブレーカー用ゴムシートと前記ブレーカークッション用ゴムシートとが貼り合わされた状態でタイヤ一本分の予め定められた長さに切断される工程と、
前記ブレーカー用ゴムシートと前記ブレーカークッション用ゴムシートとが貼り合わされた状態で、タイヤの成形ドラムに巻き付けられて端部が突き合わされる工程と
を含む。
【0031】
本発明(2)は、タイヤの製造装置に関する。
ここで、本発明(2)におけるタイヤの製造装置は、
帯状のブレーカー用ゴムシートを搬送する第1搬送機構と、
帯状のブレーカークッション用ゴムシートを搬送する第2搬送機構と、
前記第1搬送機構で搬送される前記ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置に、前記第2搬送機構で搬送される前記ブレーカークッション用ゴムシートを貼り合わせる、貼り合わせ機構と、
前記ブレーカー用ゴムシートの予め定められた位置に前記ブレーカークッション用ゴムシートが貼り合わされた状態で、タイヤ一本分の予め定められた長さに切断される切断機構と、
前記切断機構によって切断された前記ブレーカー用ゴムシートと前記ブレーカークッション用ゴムシートのアッセンブリを、成形ドラムに供給する供給機構と
を備えている。
【0032】
本発明(3)は、タイヤに関する。
ここで、本発明(3)におけるタイヤは、
ブレーカークッションのジョイント部と、前記ブレーカークッションに接するブレーカーのジョイント部とが、周方向において同じ位置にある。
【符号の説明】
【0033】
10 タイヤ成形装置
21 ブレーカー用ゴムシート(ブレーカー)
21a ブレーカー21のジョイント部
22 ブレーカークッション用ゴムシート(ブレーカークッション)
22a ブレーカークッション22のジョイント部
41 第1搬送機構
42 第2搬送機構
43 貼り合わせ機構
44 切断機構
45 供給機構
51 ブレーカー用ゴムシート21の巻軸
52 ブレーカークッション用ゴムシート22の巻軸
53 ブレーカー用のサービサー
54 圧着用ローラ
55 カッター
56 ブレーカー用ゴムシートとブレーカークッション用ゴムシートとのアッセンブリ
57 2ndカバー用の成形ドラム
57a ドラムセグメント
60 成形機
71 インナーライナー
72 カーカスプライ
73 ビード
74 エイペックス
76 トレッドゴム
C1 1stカバー
C2 2ndカバー