(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124258
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】エアフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/52 20060101AFI20240905BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240905BHJP
【FI】
B01D46/52 B
F24F8/108 210
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032280
(22)【出願日】2023-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】506149483
【氏名又は名称】株式会社有馬工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉井 邦仁
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA13
4D058KC04
4D058KC37
4D058KC52
4D058KC54
(57)【要約】
【課題】フィルタケーシングをコンパクトに構成しながら、フィルタケーシングとエアフィルタとの間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止すること。
【解決手段】フィルタケーシング内に設けられた上部レールおよび下部レールと、エアフィルタの上部から上方に延出し、当該上部の全長にわたって延びるように設けられる上部スライド板と、エアフィルタの下部から下方に延出し、当該下部の全長にわたって延びるように設けられる下部スライド板とを備え、上部スライド板および下部スライド板は、それぞれ、対応するレールのガイド溝に挿入された状態で、ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、上部レールおよび下部レールは、長手方向と直交する方向の断面形状が長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、ガイド溝の溝幅が、対応するスライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタ装置であって、
フィルタケーシング内の上部に設けられた上部レールと、
フィルタケーシング内の下部に設けられた下部レールと、
フィルタケーシング内に設けられるエアフィルタと、
前記エアフィルタのフィルタ枠の上部から上方に延出し、前記フィルタ枠の上部の全長にわたって延びるように設けられる上部スライド板と、
前記エアフィルタのフィルタ枠の下部から下方に延出し、前記フィルタ枠の下部の全長にわたって延びるように設けられる下部スライド板と
を備え、
前記上部スライド板は、前記上部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、
前記下部スライド板は、前記下部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、
前記上部レールは、前記上部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、前記上部レールのガイド溝の溝幅が前記上部スライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品であり、
前記下部レールは、前記下部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、前記下部レールのガイド溝の溝幅が前記下部スライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品である、
エアフィルタ装置。
【請求項2】
前記上部スライド板および前記下部スライド板は、それぞれ、前記フィルタ枠の上部および前記フィルタ枠の下部において、前記エアフィルタの厚さ方向における一方側の面に設けられている、
請求項1に記載のエアフィルタ装置。
【請求項3】
前記上部スライド板および前記下部スライド板は、それぞれ、前記フィルタ枠の上部および前記フィルタ枠の下部において、前記エアフィルタの厚さ方向における一方側の面で、かつ、気流の流れ方向の上流側の面に設けられている、
請求項1に記載のエアフィルタ装置。
【請求項4】
前記上部スライド板および前記下部スライド板は、前記エアフィルタの厚さよりも薄い厚さを有する、
請求項1に記載のエアフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場などに清浄な空気を取り込むために、屋外と屋内との間には大気中の浮遊粒子を除去するためのエアフィルタ装置が設けられる場合がある。エアフィルタ装置は、たとえば、ダクトに接続されたフィルタケーシング内にエアフィルタが設置されることにより構成される。特許文献1には、そのようなエアフィルタ装置の一例が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のエアフィルタ装置は、フィルタケーシング内に断面U字状の上側ガイドレールおよび下側ガイドレールを備えている。エアフィルタのフィルタ枠が上側ガイドレール内および下側ガイドレール内でスライド可能である。フィルタケーシングには、ハンドルおよび押圧部材が設けられている。ハンドルを操作することにより、押圧部材がフィルタをフィルタケーシングの内壁面に向けて押圧し、これにより、エアフィルタの位置が保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のエアフィルタ装置においては、フィルタケーシングとエアフィルタとの間の隙間を通じて、屋外から屋内に小さな虫が侵入する場合がある。特許文献1には、押圧部材がエアフィルタをフィルタケーシングの内壁面に向けて押圧する押圧機構により、エアフィルタの位置が保持される構成が開示されている。しかしながら、このような押圧機構によっては、フィルタケーシングとエアフィルタとの間の隙間を通じた小さな虫の侵入を防止できない可能性がある。また、ハンドルおよび押圧部材を含む押圧機構を設ける必要があるため、フィルタケーシングの構成が複雑化するとともに、フィルタケーシングが大型化する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑みて、フィルタケーシングをコンパクトに構成しながら、フィルタケーシングとエアフィルタとの間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することが可能なエアフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエアフィルタ装置は、フィルタケーシング内の上部に設けられた上部レールと、フィルタケーシング内の下部に設けられた下部レールと、フィルタケーシング内に設けられるエアフィルタと、前記エアフィルタのフィルタ枠の上部から上方に延出し、前記フィルタ枠の上部の全長にわたって延びるように設けられる上部スライド板と、前記エアフィルタのフィルタ枠の下部から下方に延出し、前記フィルタ枠の下部の全長にわたって延びるように設けられる下部スライド板とを備え、前記上部スライド板は、前記上部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、前記下部スライド板は、前記下部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、前記上部レールは、前記上部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、前記上部レールのガイド溝の溝幅が前記上部スライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品であり、前記下部レールは、前記下部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、前記下部レールのガイド溝の溝幅が前記下部スライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フィルタケーシングをコンパクトに構成しながら、フィルタケーシングとエアフィルタとの間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置が適用される空調設備の一例を模式的に示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置において、フィルタケーシング内にエアフィルタを挿入する様子の一例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置において、フィルタケーシングの扉を開いて、フィルタケーシング内にエアフィルタを挿入した状態の一例を示す側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置におけるエアフィルタの一例を示す正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置の一例を示す正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置において、フィルタケーシング内にエアフィルタを挿入し、扉を閉じた状態の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るエアフィルタ装置を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明に係るエアフィルタ装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
図1~
図3に示される、本実施形態に係るエアフィルタ装置1は、工場、オフィス、家屋などの屋内に清浄な空気を送り込むために、屋外の空気(大気)を取込み、空気中の浮遊粒子を除去するように構成されている。また、エアフィルタ装置1は、大気中で浮遊または飛翔している虫を除去するように構成されている。エアフィルタ装置1は、屋外、屋内、または屋外と屋内の間(以下これらを総称して屋内等とも称する)に配置される。具体的には、たとえば、
図1に示されるように、エアフィルタ装置1は、屋外の空気を屋内に導入するダクトDUに接続される。
図1に示される例では、エアフィルタ装置1は、エアフィルタ装置1に対して屋外側(
図1における左側)に位置するダクトDUと、エアフィルタ装置1に対して屋内側(
図1における右側)に位置するダクトDUとの間に設けられる。
【0012】
なお、本明細書において、建物の上下方向を「上下方向」(
図2に参照符号Xで示す方向)と称する。また、エアフィルタ装置1において、エアフィルタ装置1が屋内等に配置されたときに屋内等の上下方向Xに沿う方向を、エアフィルタ装置1の「上下方向」(
図1に参照符号Xで示す方向)と称する(エアフィルタ装置1が屋内等に配置されていない状態においても同様とする)。また、エアフィルタ装置1における空気の流れ方向を「流れ方向」(
図2に参照符号Yで示す方向)と称する。また、エアフィルタ装置1において、エアフィルタ装置1の「上下方向」および「流れ方向」と直交する方向を、エアフィルタ装置1の「左右方向」(
図1に参照符号Zで示す方向)と称する。
図1に示される例では、
図1における左側が「流れ方向」の上流側であり、
図1における右側が「流れ方向」の下流側である。すなわち、空気は
図1における左側(屋外側)から右側(屋内側)へ流れる。
【0013】
図1~
図3に示されるように、エアフィルタ装置1は、エアフィルタ2と、上部スライド板3と、下部スライド板4と、フィルタケーシング5と、上部レール6と、下部レール7とを備えている。
【0014】
エアフィルタ2(
図1~
図6参照)は、空気中で浮遊または飛翔する小さな物体(マイクロメートル~ミリメートルオーダーの物体)、たとえば、粉塵等の微粒子、小さな虫などを捕集するものであり、たとえば、中性能フィルタまたは高性能フィルタとして好ましく用いられる。エアフィルタ2は、フィルタケーシング5内に設けられる。
図2、
図4および
図5に示されるように、エアフィルタ2は、フィルタ本体21と、フィルタ枠22とを備えている。
【0015】
フィルタ本体21は、エアフィルタとしての捕集機能を有する。フィルタ本体21は、たとえば、ガラス繊維または合成繊維を繊維材料とする、不織布、マット、またはフェルト状の濾材にプリーツ加工を施した加工済み濾材が用いられる。本実施形態では、フィルタ本体21は、全体として、流れ方向Yに厚さを有する略直方体状に形成されている。
【0016】
フィルタ枠22は、フィルタ本体21を外周側から取り囲むように、フィルタ本体21の全周にわたって設けられている。フィルタ本体21は、その周縁部がフィルタ枠22の内側に保持されている。本実施形態では、フィルタ枠22は、四角形状の枠体として形成されている。具体的には、フィルタ枠22は、直線状に延びる4つの辺部を四角形状に組み合わせることにより構成されている。すなわち、フィルタ枠22は、上辺部22a、下辺部22b、右側辺部22c、および左側辺部22dを有している。上辺部22a、下辺部22b、右側辺部22c、および左側辺部22dは、それぞれ、流れ方向Yの上流側(
図1の左側、および
図3の左側)から見て、エアフィルタ2の上部、下部、右側部、および左側部に位置している。
【0017】
フィルタ枠22の断面形状は、フィルタ本体21を保持可能であればよく、特に限定されないが、本実施形態では、上辺部22a、下辺部22b、右側辺部22c、および左側辺部22dは、各々、フィルタ枠22の内側に開口する断面コ字形状に形成されている。すなわち、各辺部は、長手方向と直交する方向の断面形状が、コ字形状に形成されている。各辺部は、断面コ字形状に形成されることにより、フィルタ本体21の縁部を収容保持する凹部を有している。フィルタ枠22の材質は、フィルタ本体21を保持可能であればよく、特に限定されないが、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス等の金属材料が採用されている。
【0018】
上部スライド板3は、エアフィルタ2のフィルタ枠22の上部から上方に延出し、フィルタ枠22の上部の全長にわたって延びるように設けられている。上部スライド板3は、上部レール6上をスライドすることにより上部レール6と係合して、エアフィルタ2をフィルタケーシング5の内面に接続する機能を有する。上部スライド板3がフィルタ枠22に設けられる方法は、特に限定されないが、たとえば、ボルト等の締結部材、かしめ、または溶接等による接合を採用することができる。なお、上部スライド板3は、フィルタ枠22と一体的に構成されていてもよい。たとえば、上部スライド板3は、上辺部22aとともに押出成形または切削加工により一体的に製造されてもよい。
【0019】
本明細書において、「フィルタ枠22の上部から上方に延出し」とは、エアフィルタ2が上下方向Xおよび左右方向Zに沿った平面に対して平行に配置されている状態において、上部スライド板3の少なくとも一部がフィルタ枠22の上部から上方に延出していることを意味する。具体的には、上部スライド板3の少なくとも一部が、フィルタ枠22の上辺部22aから上方に延出していることを意味する。
【0020】
また、本明細書において、「フィルタ枠22の上部の全長にわたって延びる」とは、エアフィルタ2が上下方向Xおよび左右方向Zに沿った平面に対して平行に配置されている状態において、上部スライド板3がフィルタ枠22の上部の長手方向(左右方向Zに沿った方向)の全長にわたって延びていることを意味する。具体的には、上部スライド板3が、フィルタ枠22の上辺部22aの長手方向の全長にわたって延びていることを意味する。本実施形態では、上部スライド板3の長さ(左右方向Zに沿った方向の長さ)は、フィルタ枠22の上辺部22aの長さ(左右方向Zに沿った方向の長さ)と同じである。
【0021】
本実施形態では、上部スライド板3は、帯板状に形成されている。具体的には、上部スライド板3は、フィルタ枠22の上部の全長にわたって直線的に延びる長方形状に形成されている。
【0022】
上部スライド板3の製造方法は、上部スライド板3がエアフィルタ2のフィルタ枠22の上部から上方に延出し、フィルタ枠22の上部の全長にわたって延びるように形成されるのであれば、特に限定されないが、たとえば、押出成形または切削加工により製造される。また、上部スライド板3の材質は、上部スライド板3が上部レール6上をスライドすることにより上部レール6と係合して、エアフィルタ2をフィルタケーシング5の内面に接続することができるのであれば、特に限定されないが、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス等の金属材料が採用されている。
【0023】
本実施形態では、上部スライド板3は、フィルタ枠22の上部において、エアフィルタ2の厚さ方向(流れ方向Yに沿った方向)における一方側の面221(
図1~
図5参照)に設けられている。具体的には、上部スライド板3は、フィルタ枠22の上辺部22aにおいて、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221に設けられている。上部スライド板3が、フィルタ枠22の上部において、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221に設けられる構成により、エアフィルタ2の重心が上部スライド板3に対して、流れ方向Yにずれた位置にある。したがって、エアフィルタ2が上部スライド板3によってフィルタケーシング3内に接続された状態において、エアフィルタ2が上部スライド板3とは反対側にわずかに傾き、上部スライド板3が上部レール6の後述するガイド溝61内に押し付けられる。これにより、上部スライド板3と上部レール6との密着の度合いが高まり、上部スライド板3と上部レール6との間の隙間を通じた虫の侵入の防止効果をより高めることができる。
【0024】
また、本実施形態では、上部スライド板3は、フィルタ枠22の上部において、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221で、かつ、気流の流れ方向AFの上流側の面に設けられている。具体的には、上部スライド板3は、フィルタ枠22の上辺部22aにおいて、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221で、かつ、気流の流れ方向AFの上流側の面(
図1に示される例では、上記一方側の面221と同じ面)に設けられている。上部スライド板3が、フィルタ枠22の上部において、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221に設けられることに加えて、上部スライド板3が、気流の流れ方向AFの上流側の面に設けられる構成により、エアフィルタ2の重心が上部スライド板3に対して、流れ方向Yにずれた位置にあることに加えて、気流の風圧がエアフィルタ2を流れ方向Yの下流側に傾斜させようとする。したがって、エアフィルタ2が上部スライド板3によってフィルタケーシング3内に接続された状態において、上部スライド板3が上部レール6の後述するガイド溝61内に、より強く押し付けられる。これにより、上部スライド板3と上部レール6との密着の度合いがより高まり、上部スライド板3と上部レール6との間の隙間を通じた虫の侵入の防止効果をより一層高めることができる。
【0025】
上部スライド板3は、エアフィルタ2の厚さよりも薄い厚さを有する。上部スライド板3が、エアフィルタ2の厚さよりも薄い厚さを有する構成により、上部スライド板3をコンパクトに構成することができる。また、上部スライド3の厚さが大きい場合と比べて、上部スライド板3を上部レール6に係合させる際に、上部スライド板3を上部レール6に対して位置合わせしやすい。したがって、上部スライド板3を上部レール6に対して容易に係合させることができる。
【0026】
上部スライド板3は、上部レール6のガイド溝61に挿入された状態で、ガイド溝61に沿ってスライド可能に構成されている。このような構成により、上部スライド板3を上部レール6のガイド溝61に挿入し、上部スライド板3をガイド溝61に沿ってスライドさせることができる。これにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内の上部に係合させることができる。すなわち、エアフィルタ2がフィルタケーシング5内の上部に接続された状態で、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内に収容することができる。また、エアフィルタ2がフィルタケーシング5内に収容された状態で、上部スライド板3を上部レール6のガイド溝61に対してスライドさせることにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5から取り出すことができる。
【0027】
上部スライド板3が、上部レール6のガイド溝61に挿入された状態で、ガイド溝61に沿ってスライド可能に構成するために、たとえば、上部スライド板3が上部レール6のガイド溝61に挿入された状態で、上部スライド板3とガイド溝61との間には、虫が侵入しない程度の若干の隙間があることが好ましい。本明細書における「虫」は、特に限定されるものではないが、たとえば、ミリメートルオーダーの大きさを有する小さい虫である。具体的には、たとえば、0.1~5(mm)程度、より好ましくは、0.1~1(mm)程度の大きさを有する小さな虫である。そのような虫の種類としては、たとえば、アザミウマ、コバエ等の虫を挙げることができる。このような小さな虫の侵入を防止することにより、流れ方向Yにおいて、エアフィルタ2の上流側から上部スライド板3とガイド溝61との間の隙間を通じて虫が侵入するのを防止することができる。したがって、隙間を通じてエアフィルタ2の下流側に侵入した虫が、エアフィルタ2の下流側の面付近で繁殖したり、エアフィルタ2の下流側の面付近に巣を作ったりするのを防止することができる。したがって、虫の侵入に起因するエアフィルタ2の通気効率の低下を防止することができる。
【0028】
下部スライド板4は、エアフィルタ2のフィルタ枠22の下部から下方に延出し、フィルタ枠22の下部の全長にわたって延びるように設けられている。下部スライド板4は、下部レール7上をスライドすることにより下部レール7と係合して、エアフィルタ2をフィルタケーシング5の内面に接続する機能を有する。下部スライド板4がフィルタ枠22に設けられる方法は、特に限定されないが、たとえば、ボルト等の締結部材、かしめ、または溶接等による接合を採用することができる。なお、下部スライド板4は、フィルタ枠22と一体的に構成されていてもよい。たとえば、下部スライド板4は、下辺部22bとともに押出成形または切削加工により一体的に製造されてもよい。
【0029】
本明細書において、「フィルタ枠22の下部から下方に延出し」とは、エアフィルタ2が上下方向Xおよび左右方向Zに沿った平面に対して平行に配置されている状態において、下部スライド板4の少なくとも一部がフィルタ枠22の下部から下方に延出していることを意味する。具体的には、下部スライド板4の少なくとも一部が、フィルタ枠22の下辺部22bから下方に延出していることを意味する。
【0030】
また、本明細書において、「フィルタ枠22の下部の全長にわたって延びる」とは、エアフィルタ2が上下方向Xおよび左右方向Zに沿った平面に対して平行に配置されている状態において、下部スライド板4がフィルタ枠22の下部の長手方向(左右方向Zに沿った方向)の全長にわたって延びていることを意味する。具体的には、下部スライド板4が、フィルタ枠22の下辺部22bの長手方向の全長にわたって延びていることを意味する。本実施形態では、下部スライド板4の長さ(左右方向Zに沿った方向の長さ)は、フィルタ枠22の下辺部22bの長さ(左右方向Zに沿った方向の長さ)と同じである。
【0031】
本実施形態では、下部スライド板4は、帯板状に形成されている。具体的には、下部スライド板4は、フィルタ枠22の下部の全長にわたって直線的に延びる長方形状に形成されている。
【0032】
下部スライド板4の製造方法は、下部スライド板4がエアフィルタ2のフィルタ枠22の下部から下方に延出し、フィルタ枠22の下部の全長にわたって延びるように形成されるのであれば、特に限定されないが、たとえば、押出成形または切削加工により製造される。また、下部スライド板4の材質は、下部スライド板4が下部レール7上をスライドすることにより下部レール7と係合して、エアフィルタ2をフィルタケーシング5の内面に接続することができるのであれば、特に限定されないが、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス等の金属材料が採用されている。
【0033】
下部スライド板4は、フィルタ枠22の下部において、エアフィルタ2の厚さ方向(流れ方向Yに沿った方向)における一方側の面221に設けられている。具体的には、下部スライド板4は、フィルタ枠22の下辺部22bにおいて、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221に設けられている。下部スライド板4が、フィルタ枠22の下部において、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221に設けられる構成により、エアフィルタ2の重心が下部スライド板4に対して、流れ方向Yにずれた位置にある。したがって、エアフィルタ2が下部スライド板4によってフィルタケーシング5内に接続された状態において、エアフィルタ2が下部スライド板4とは反対側にわずかに傾き、下部スライド板4が下部レール7の後述するガイド溝71内に押し付けられる。これにより、下部スライド板4と下部レール7との密着の度合いが高まり、下部スライド板4と下部レール7との間の隙間を通じた虫の侵入の防止効果をより高めることができる。
【0034】
下部スライド板4は、フィルタ枠22の下部において、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面211で、かつ、気流の流れ方向AFの上流側の面に設けられている。具体的には、下部スライド板4は、フィルタ枠22の下辺部22bにおいて、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221で、かつ、気流の流れ方向AFの上流側の面(
図1に示される例では、上記一方側の面221と同じ面)に設けられている。下部スライド板4が、フィルタ枠22の下部において、エアフィルタ2の厚さ方向における一方側の面221に設けられることに加えて、下部スライド板4が、気流の流れ方向AFの上流側の面に設けられる構成により、エアフィルタ2の重心が下部スライド板4に対して、流れ方向Yにずれた位置にあることに加えて、気流の風圧がエアフィルタ2を流れ方向Yの下流側に傾斜させようとする。したがって、エアフィルタ2が下部スライド板4によってフィルタケーシング5内に接続された状態において、下部スライド板4が下部レール7の後述するガイド溝71内に、より強く押し付けられる。これにより、下部スライド板4と下部レール7との密着の度合いがより高まり、下部スライド板4と下部レール7との間の隙間を通じた虫の侵入の防止効果をより一層高めることができる。
【0035】
本実施形態では、下部スライド板4は、エアフィルタ2の厚さよりも薄い厚さを有する。下部スライド板4が、エアフィルタ2の厚さよりも薄い厚さを有する構成により、下部スライド板4をコンパクトに構成することができる。また、下部スライド4の厚さが大きい場合と比べて、下部スライド板4を下部レール7に係合させる際に、下部スライド板4を下部レール7に対して位置合わせしやすい。したがって、下部スライド板4を下部レール7に対して容易に係合させることができる。
【0036】
下部スライド板4は、下部レール7のガイド溝71に挿入された状態で、ガイド溝71に沿ってスライド可能に構成されている。このような構成により、下部スライド板4を下部レール7のガイド溝71に挿入し、下部スライド板4をガイド溝71に沿ってスライドさせることができる。これにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内の下部に係合させることができる。すなわち、エアフィルタ2がフィルタケーシング5内の下部に接続された状態で、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内に収容することができる。また、エアフィルタ2がフィルタケーシング5内に収容された状態で、下部スライド板4を下部レール7のガイド溝71に対してスライドさせることにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5から取り出すことができる。
【0037】
下部スライド板4が、下部レール7のガイド溝71に挿入された状態で、ガイド溝71に沿ってスライド可能に構成するために、たとえば、下部レール7のガイド溝71に挿入された状態で、下部スライド板4とガイド溝71との間には、虫が侵入しない程度の若干の隙間があることが好ましい。上述の虫(小さな虫)の侵入を防止することにより、流れ方向Yにおいて、エアフィルタ2の上流側から下部スライド板4とガイド溝71との間の隙間を通じて虫が侵入するのを防止することができる。したがって、隙間を通じてエアフィルタ2の下流側に侵入した虫が、エアフィルタ2の下流側の面付近で繁殖したり、エアフィルタ2の下流側の面付近に巣を作ったりするのを防止することができる。したがって、虫の侵入に起因するエアフィルタ2の通気効率の低下を防止することができる。
【0038】
フィルタケーシング5は、エアフィルタ2を収容する筐体である。本実施形態では、フィルタケーシング5は、中空の略直方体状に形成されている。具体的には、フィルタケーシング5は、板状である6つの壁部を直方体状に組み合わせることにより構成されている。すなわち、フィルタケーシング5は、上壁部53a、下壁部53b、前壁部53c、後壁部53d、右側壁部53e、および左側壁部53fを有している。上壁部53a、下壁部53b、前壁部53c、後壁部53d、右側壁部53e、および左側壁部53fは、それぞれ、流れ方向Yの上流側(
図1の左側、および
図3の左側)から見て、フィルタケーシング5の上部、下部、前部、後部、右側部、および左側部に位置している。上壁部53a、下壁部53b、右側壁部53e、および左側壁部53fは、それぞれ、フィルタケーシング5がエアフィルタ2を収容した状態で、エアフィルタ2の上部、下部、右側部、および左側部を支持するように構成されている。上壁部53a、下壁部53b、前壁部53c、後壁部53d、右側壁部53e、および左側壁部53fの材質は、収容したエアフィルタ2を支持可能であればよく、特に限定されないが、本実施形態では、たとえば、構造材として、ステンレス等の金属板が採用されている。また、本実施形態では、収容したエアフィルタ2を直接支持する部分(たとえば、右側壁部53e(扉部55を含む)および左側壁部53f)は、構造材の上にゴム等の弾性部材が積層されることにより構成されている。
【0039】
本実施形態では、フィルタケーシング5は、上部(上壁部53a)に設けられた上部レール6によってエアフィルタ2の上部を支持する。また、フィルタケーシング5は、下部(下壁部53b)に設けられた下部レール7によってエアフィルタ2の下部を支持する。また、フィルタケーシング5は、右側部(右側壁部53e)によってエアフィルタ2の右側部を支持する。また、フィルタケーシング5は、左側部(左側壁部53f)によってエアフィルタ2の左側部を支持する。上部レール6および下部レール7については後述する。右側壁部53eの内面および左側壁部53fの内面は、ゴム等の弾性材料により構成されている。これにより、右側壁部53eの内面および左側壁部53fの内面は、それぞれ、フィルタケーシング5に収容されたエアフィルタ2の右側部および左側部を弾性的に支持する。
【0040】
本実施形態では、フィルタケーシング5は、右側部(右側壁部53e)および左側部(左側壁部53f)のいずれか一方に、エアフィルタ2を出し入れ可能な開口部54と、開口部54を開閉する扉部55とを有している。
図2および
図3に示される例では、開口部54および扉部55は、フィルタケーシング5の右側部(右側壁部53e)に設けられている。たとえば、エアフィルタ2の交換作業、エアフィルタ2の洗浄作業を行う際に、ユーザは、開口部54を通じてエアフィルタ2をフィルタケーシング5に対して出し入れすることができる。具体的には、たとえば、扉部55を開いた状態で、開口部54を通じてエアフィルタ2を出し入れすることができる。本実施形態では、扉部55は、片開きの扉である。扉部55は、開口部54の縁部に蝶番等の連結部材57によって回動可能に連結されている。
【0041】
本実施形態では、フィルタケーシング5は、扉部55を閉じた状態を維持するためのロック機構56を備えている。本実施形態では、ロック機構56は、扉部55を閉じた状態に維持する機能と、扉部55の閉じた状態を解除する機能と、扉部55をエアフィルタ2の側部に押し付ける機能とを有している。具体的には、ロック機構56は、締付け機構561と、締付け操作部562とを備えている。締付け機構561は、ユーザによる締付け操作部562の操作に応じて、扉部55の閉状態の維持および解除を行うように構成されている。締付け操作部562は、たとえば、扉部55に回転可能に設けられた回転ハンドルを有している。締付け操作部562は、ユーザによる回転ハンドルの回転操作に応じて、締付け機構561による扉部55の閉状態の維持および解除を行い得るように構成されている。
【0042】
本実施形態では、締付け機構561は、回転ハンドルの回転中心に接続された雄ねじ部563と、開口部54において連結部材57とは反対側の縁部付近に設けられた雌ねじ部564とにより構成されている。雄ねじ部563を雌ねじ部564に螺合させることにより、扉部55を閉じた状態に維持することができる。また、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が収容された状態で、雄ねじ部563を雌ねじ部564に螺合させることにより、扉部55の内面をエアフィルタ2の側部に押し付けることができる。これにより、扉部55の内面をエアフィルタ2の一方側の側部(たとえば右側部)に密着させて、エアフィルタ2の一方側の側部が支持される。また、フィルタケーシング5における扉部55とは反対側の内面(たとえば左側壁部53fの内面)をエアフィルタ2の他方側の側部(たとえば左側部)に密着させて、エアフィルタ2の他方側の側部が支持される。これにより、エアフィルタ2の一方側の側部(たとえば右側部)とフィルタケーシング5の一方側の側壁部(たとえば右側壁部53e)との間の隙間と、エアフィルタ2の他方側の側部(たとえば右側部)とフィルタケーシング5の他方側の側壁部(たとえば左側壁部53f)との間の隙間とが閉鎖される。したがって、これらの隙間を通じた虫の侵入を防止することができる。
【0043】
また、フィルタケーシング5の側壁部53e、53fの内面がゴムなどの弾性材料により構成されている場合には、エアフィルタ2の一方側の側部(たとえば右側部)とフィルタケーシング5の一方側の側壁部(たとえば右側壁部53e)とが弾性的に密着し、エアフィルタ2の他方側の側部(たとえば右側部)とフィルタケーシング5の他方側の側壁部(たとえば左側壁部53f)とが弾性的に密着するので、これらの隙間をより確実に閉鎖することができる。したがって、これらの隙間を通じた虫の侵入をより確実に防止することができる。
【0044】
フィルタケーシング5は、流れ方向Yの上流側端部および下流側端部がそれぞれ開口している。具体的には、フィルタケーシング5は、流れ方向Yの上流側端部および下流側端部に、それぞれ、上流側開口部51および下流側開口部52を有している。すなわち、本実施形態では、フィルタケーシング5は、上流側開口部51を有する前壁部53cと、下流側開口部52を有する後壁部53dとを備えている。上流側開口部51からフィルタケーシング5内に流入した空気は、エアフィルタ2において濾過された後、下流側開口部52を通じてフィルタケーシング5から流出する。
【0045】
本実施形態では、フィルタケーシング5は、エアフィルタ2を着脱可能に支持するように構成されている。具体的には、フィルタケーシング5の上壁部53aおよび下壁部53bは、それぞれ、エアフィルタ2の上部および下部を、上部レール6および下部レール7を介して着脱可能に支持するように構成されている。具体的には、上部スライド板3が上部レール6のガイド溝61に挿入された状態で、ガイド溝61に沿ってスライド可能に構成されるとともに、下部スライド板4が下部レール7のガイド溝71に挿入された状態で、ガイド溝71に沿ってスライド可能に構成されることにより、フィルタケーシング5に対するエアフィルタ2の着脱が可能となっている。
【0046】
上部レール6(
図1~
図3、
図6、
図9、
図10参照)は、フィルタケーシング5内の上部に設けられている。上部レール6は、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が挿入される際、および、フィルタケーシング5からエアフィルタ2が取り出される際に、エアフィルタ2の上部に設けられた上部スライド板3をガイドする機能(以下、ガイド機能とも称する)を有する。また、上部レール6は、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が配置された状態で上部スライド板3と係合して、エアフィルタ2の上部を支持する機能(以下、支持機能とも称する)を有する。また、上部レール6は、上部スライド板3と係合した状態で、上部スライド板3との間の隙間に虫が侵入するのを防止する機能(以下、侵入防止機能とも称する)を有する。侵入防止機能は、上部レール6と上部スライド板3との間の隙間を通じて、虫がエアフィルタ2の上流側から下流側へ通過するのを防止する機能である。上部レール6の材質は、上述のガイド機能、支持機能および侵入防止機能を確保できるのであれば特に限定されないが、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料が採用される。上部レール6は、フィルタケーシング5内に、たとえば、ボルト等の締結部材、かしめ、または溶接などにより取り付けられる。なお、上部レール6は、フィルタケーシング5の内面に一体的に形成されてもよい。
【0047】
上部レール6の断面形状(上部レール6の長手方向と直交する方向の断面形状)は、上述のガイド機能、支持機能および侵入防止機能を確保することができるのであれば、特に限定されないが、たとえば、
図6に示されように、フィルタケーシング5の上壁部53aの内面に支持される基部6aと、基部6aから下方へ突出し、上部スライド板3の一方の面(エアフィルタ2側の面)を支持する第1の支持部6bと、基部6aから下方へ突出し、上部スライド板3の他方の面(エアフィルタ2とは反対側の面)を支持する第2の支持部6cとを有する。本実施形態では、第1の支持部6bは、基部6aから下方へ延びる下方延出部と、下方延出部の先端から上部スライド板3へ向けて屈曲する鉤状部とを有している。この鉤状部の先端が上部スライド板3に対向して、上部スライド板3を支持するように構成されている。また、第2の支持部6cは、基部6aから下方へ延びる下方延出部と、下方延出部の先端から上部スライド板3へ向けて屈曲する鉤状部とを有している。この鉤状部の先端が上部スライド板3に対向して、第1の支持部6bとは反対側から上部スライド板3を支持するように構成されている。なお、上述のガイド機能、支持機能および侵入防止機能を確保することができるのであれば、第1の支持部6bおよび第2の支持部6cは、基部6aから下方へ延びる下方延出部を有し、下方延出部の先端から上部スライド板3へ向けて屈曲する鉤状部を有さない形状であってもよい。この場合、第1の支持部6bの下方延出部が上部スライド板3に対向して、上部スライド板3を支持するように構成される。また、第2の支持部6cの下方延出部が上部スライド板3に対向して、第1の支持部6bとは反対側から上部スライド板3を支持するように構成される。
【0048】
上部レール6は、上部レール6の長手方向と直交する方向の断面形状が当該長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、上部レール6のガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さ(流れ方向Yに沿う方向の厚さ)に対応するように構成された押出成形品である。本実施形態では、ガイド溝61の溝幅は、第1の支持部6bと第2の支持部6cとの間隔である。
図6に示される例では、第1の支持部6bの先端(鉤部の先端)と、第2の支持部6cの先端(鉤部の先端)との間隔である。なお、第1の支持部6bおよび第2の支持部6cが、基部6aから下方へ延びる下方延出部を有し、下方延出部の先端から上部スライド板3へ向けて屈曲する鉤状部を有さない形状である場合には、ガイド溝61の溝幅は、第1の支持部6bの下方延出部と、第2の支持部6cの下方延出部との間隔である。
【0049】
本明細書において、「上部レール6の長手方向と直交する方向の断面形状が当該長手方向の全長にわたって同じ」とは、上部レール6の長手方向(左右方向Zに沿う方向)全体にわたって、上部レール6の断面形状および大きさが同じであることを意味する。すなわち、上部レール6の長手方向における直線性および断面の均一性の精度が高いことを意味する。
【0050】
また、本明細書において、「上部レール6のガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さに対応する」とは、上部レール6のガイド溝61の溝幅(ガイド溝61の一方の側壁と他方の側壁間の距離)が上部スライド板3の厚さ(ガイド溝61の溝幅に沿う方向の厚さ)と実質的に同じであることを意味する。ここで言う「実質的に同じ」とは、上部レール6に対する上部スライド板3のスライドが可能な(スライドが阻害されない)程度に、ガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さと同じ、または、ガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さよりもわずかに大きいことを意味する。ここで言う「わずかに大きい」とは、ガイド溝61の溝幅と上部スライド板3の厚さとの差が、上述の虫の侵入を防止できる程度に小さいことを意味する。そのような差(隙間の大きさ)は、侵入を防止したい対象の虫の大きさに応じた値であり、たとえば、0.01~5(mm)、好ましくは、0.05~1(mm)、より好ましくは、0.1~0.3(mm)である。なお、ここで言う「差(隙間の大きさ)」は、上部スライド板3がガイド溝61に挿入された状態で、ガイド溝61の一方の側壁と上部スライド板3との間の隙間の大きさと、ガイド溝61の他方の側壁と上部スライド板3との間の隙間の大きさとの合計である。したがって、ガイド溝61内の溝幅方向における上部スライド板3の位置に応じて、ガイド溝61の一方の側壁と上部スライド板3との間の隙間の大きさと、ガイド溝61の他方の側壁と上部スライド板3との間の隙間の大きさとは、上記合計の値の範囲内で各々変動し得る。
【0051】
また、本明細書における「押出成形品」とは、押出成形により製造された部品または部分であることを意味する。押出成形品は、たとえば金属板の折り曲げ加工等による塑性加工品(板金加工品)と比べて、一方向に延びる棒状部材を製造した場合の、棒状部材の長手方向における直線性および断面の均一性の精度が高い。したがって、「押出成形品」である上部レール6の形状および大きさは、「上部レール6のガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さに対応する」精度が高い。したがって、このような高精度の押出成形品である上部レール6のガイド溝61に対して、上部スライド板3を挿入することにより、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することができる。また、特許文献1のような複雑な構成を採用することなく、小さな虫の侵入を防止することができるため、フィルタケーシング5をコンパクトに構成しながら、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間からの小さな虫の侵入を防止することができる。
【0052】
下部レール7(
図1~
図3、
図6、
図9、
図10参照)は、フィルタケーシング5内の下部に設けられている。下部レール7は、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が挿入される際、および、フィルタケーシング5からエアフィルタ2が取り出される際に、エアフィルタ2の上部に設けられた上部スライド板3をガイドする機能(以下、ガイド機能とも称する)を有する。また、下部レール7は、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が配置された状態で上部スライド板3と係合して、エアフィルタ2の上部を支持する機能(以下、支持機能とも称する)を有する。また、下部レール7は、下部スライド板4と係合した状態で、下部スライド板4との間の隙間に虫が侵入するのを防止する機能(以下、侵入防止機能とも称する)を有する。侵入防止機能は、下部レール7と下部スライド板4との間の隙間を通じて、虫がエアフィルタ2の上流側から下流側へ通過するのを防止する機能である。下部レール7の材質は、上述のガイド機能、支持機能および侵入防止機能を確保できるのであれば特に限定されないが、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料が採用される。下部レール7は、フィルタケーシング5内に、たとえば、ボルト等の締結部材、かしめ、または溶接などにより取り付けられる。なお、下部レール7は、フィルタケーシング5の内面に一体的に形成されてもよい。
【0053】
下部レール7の長手方向と直交する方向の断面形状は、上述のガイド機能および支持機能を奏することができるのであれば、特に限定されないが、たとえば、
図6に示される上部レール6と同様の断面形状を採用することができる。本実施形態では、下部レール7の断面形状(下部レール7の長手方向と直交する方向の断面形状)は、上述のガイド機能および支持機能を確保することができるのであれば、特に限定されないが、たとえば、
図4に示される上部レール6と同様に、フィルタケーシング5の下壁部53bの内面に支持される基部と、基部から上方へ突出し、下部スライド板4の一方の面(エアフィルタ2側の面)を支持する第1の支持部と、基部から上方へ突出し、下部スライド板4の他方の面(エアフィルタ2とは反対側の面)を支持する第2の支持部とを有する。本実施形態では、第1の支持部は、基部から上方へ延びる上方延出部と、上方延出部の先端から下部スライド板4へ向けて屈曲する鉤状部とを有している。この鉤状部の先端が下部スライド板4に対向して、下部スライド板4を支持するように構成されている。また、第2の支持部は、基部から上方へ延びる上方延出部と、上方延出部の先端から下部スライド板4へ向けて屈曲する鉤状部とを有している。この鉤状部の先端が下部スライド板4に対向して、第1の支持部とは反対側から下部スライド板4を支持するように構成されている。なお、上述のガイド機能、支持機能および侵入防止機能を確保することができるのであれば、第1の支持部および第2の支持部は、上部レール6と同様に、基部から上方へ延びる上方延出部を有し、上方延出部の先端から下部スライド板4へ向けて屈曲する鉤状部を有さない形状であってもよい。この場合、第1の支持部の上方延出部が下部スライド板4に対向して、下部スライド板4を支持するように構成される。また、第2の支持部の上方延出部が下部スライド板4に対向して、第1の支持部とは反対側から下部スライド板4を支持するように構成される。
【0054】
下部レール7は、下部レール7の長手方向(左右方向Zに沿う方向)と直交する方向の断面形状が当該長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、下部レール7のガイド溝71の溝幅が下部スライド板4の厚さ(流れ方向Yに沿う方向の厚さ)に対応するように構成された押出成形品である。本実施形態では、ガイド溝71の溝幅は、上述の第1の支持部と第2の支持部との間隔である。具体的には、たとえば、上述の第1の支持部の先端(鉤部の先端)と、第2の支持部の先端(鉤部の先端)との間隔である。なお、第1の支持部および第2の支持部が、基部から上方へ延びる上方延出部を有し、上方延出部の先端から下部スライド板4へ向けて屈曲する鉤状部を有さない形状である場合には、ガイド溝71の溝幅は、第1の支持部の上方延出部と、第2の支持部の上方延出部との間隔である。
【0055】
本明細書において、「下部レール7の長手方向と直交する方向の断面形状が当該長手方向の全長にわたって同じ」とは、下部レール7の長手方向(左右方向Zに沿う方向)全体にわたって、下部レール7の断面形状および大きさが同じであることを意味する。すなわち、下部レール7の長手方向における直線性および断面の均一性の精度が高いことを意味する。
【0056】
また、本明細書において、「下部レール7のガイド溝71の溝幅が下部スライド板4の厚さに対応する」とは、下部レール7のガイド溝71の溝幅(ガイド溝71の一方の側壁と他方の側壁間の距離)が下部スライド板4の厚さ(ガイド溝71の溝幅に沿う方向の厚さ)と実質的に同じであることを意味する。ここで言う「実質的に同じ」とは、下部レール7に対する下部スライド板4のスライドが可能な(スライドが阻害されない)程度に、ガイド溝71の溝幅が下部スライド板4の厚さと同じ、または、ガイド溝71の溝幅が下部スライド板4の厚さよりもわずかに大きいことを意味する。ここで言う「わずかに大きい」とは、ガイド溝71の溝幅と下部スライド板4の厚さとの差が、上述の虫の侵入を防止できる程度に小さいことを意味する。そのような差(隙間の大きさ)は、侵入を防止したい対象の虫の大きさに応じた値であり、たとえば、0.01~5(mm)、好ましくは、0.05~1(mm)、より好ましくは、0.1~0.3(mm)である。なお、ここで言う「差(隙間の大きさ)」は、下部スライド板4がガイド溝71に挿入された状態で、ガイド溝71の一方の側壁と下部スライド板4との間の隙間の大きさと、ガイド溝71の他方の側壁と下部スライド板4との間の隙間の大きさとの合計である。したがって、ガイド溝71内の溝幅方向における下部スライド板4の位置に応じて、ガイド溝71の一方の側壁と下部スライド板4との間の隙間の大きさと、ガイド溝71の他方の側壁と下部スライド板4との間の隙間の大きさとは、上記合計の値の範囲内で各々変動し得る。
【0057】
また、本明細書における「押出成形品」は、上述のように、たとえば金属板の折り曲げ加工等による塑性加工品(板金加工品)と比べて、一方向に延びる棒状部材を製造した場合の、棒状部材の長手方向における直線性および断面の均一性の精度が高い。したがって、「押出成形品」である下部レール7の形状および大きさは、「下部レール7のガイド溝71の溝幅が下部スライド板4の厚さに対応する」精度が高い。したがって、このような高精度の押出成形品である下部レール7のガイド溝71に対して、下部スライド板4を挿入することにより、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することができる。また、特許文献1のような複雑な構成を採用することなく、小さな虫の侵入を防止することができるため、フィルタケーシング5をコンパクトに構成しながら、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間からの小さな虫の侵入を防止することができる。
【0058】
次に、本実施形態に係るエアフィルタ装置1の使用方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。ここでは、当初、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が設置されていない状態を想定する。その後、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2を設置するものとする。その後、必要に応じて(エアフィルタ2の交換等)、フィルタケーシング5からエアフィルタ2を取り出すものとする。
【0059】
まず、
図2に示されるように、フィルタケーシング5の扉部55を開いて、開口部54を露出させる。次に、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2を設置する作業を行う。具体的には、上部スライド板3を上部レール6のガイド溝61に挿入し、上部スライド板3をガイド溝61に沿ってスライドさせる。これにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内の上部に係合させる。また、下部スライド板4を下部レール7のガイド溝71に挿入し、下部スライド板4をガイド溝71に沿ってスライドさせる。これにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内の下部に係合させる。これにより、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が収容される(
図3参照)。
【0060】
次に、フィルタケーシング5内にエアフィルタ2が収容された状態で、扉部55を閉じて(
図7参照)、開口部54を塞ぐ(
図8参照)。そして、ロック機構56の雄ねじ部563を雌ねじ部564に螺合させる(
図10参照)ことにより、扉部55の内面をエアフィルタ2の側部に押し付ける。これにより、扉部55の内面をエアフィルタ2の一方側の側部(たとえば右側部)に密着させることで、エアフィルタ2の一方側の側部がフィルタケーシング5に支持される。また、フィルタケーシング5における扉部55とは反対側の内面(たとえば左側壁部53fの内面)をエアフィルタ2の他方側の側部(たとえば左側部)に密着させる。これにより、エアフィルタ2の他方側の側部がフィルタケーシング5に支持される。したがって、エアフィルタ2の一方側の側部(たとえば右側部)とフィルタケーシング5の一方側の側壁部(たとえば右側壁部53e)との間の隙間と、エアフィルタ2の他方側の側部(たとえば右側部)とフィルタケーシング5の他方側の側壁部(たとえば左側壁部53f)との間の隙間とが閉鎖される。したがって、これらの隙間を通じた虫の侵入を防止することができる。
【0061】
また、扉部55の内面および左側壁部53fの内面が弾性材料により構成されている場合には、エアフィルタ2の一方側の側部および他方側の側部が、フィルタケーシング5の内面に弾性的に押圧されて支持される。したがって、エアフィルタ2の両側部とフィルタケーシング5との密着性が高まるので、エアフィルタ2の両側部とフィルタケーシング5との間の隙間を通じた虫の侵入防止効果をより高めることができる。
【0062】
また、押出成形品である上部レール6の形状および大きさは、上部レール6のガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さに対応する精度が高い。したがって、このような高精度の押出成形品である上部レール6のガイド溝61に対して、上部スライド板3を挿入することにより、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することができる。同様に、押出成形品である下部レール7の形状および大きさは、下部レール7のガイド溝71の溝幅が下部スライド板4の厚さに対応する精度が高い。したがって、このような高精度の押出成形品である下部レール7のガイド溝71に対して、下部スライド板4を挿入することにより、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することができる。また、特許文献1のような複雑な構成を採用することなく、小さな虫の侵入を防止することができるため、フィルタケーシング5をコンパクトに構成しながら、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間からの小さな虫の侵入を防止することができる。
【0063】
次に、本実施形態に係るエアフィルタ装置1の製造方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るエアフィルタ装置1の製造方法は、エアフィルタ2を収容可能なフィルタケーシング5を準備する工程(
図2参照)と、フィルタケーシング5内の上部に設けられる上部レール6を準備する工程(
図2参照)と、フィルタケーシング5内の下部に設けられる下部レール7を準備する工程(
図2参照)と、フィルタケーシング5内の上部に上部レール6を設ける工程(
図2参照)と、フィルタケーシング5内の下部に下部レール7を設ける工程(
図2参照)と、エアフィルタ2のフィルタ枠22の上部から上方に延出し、フィルタ枠22の上部の全長にわたって延びる上部スライド板3をエアフィルタ2に設ける工程(
図2参照)と、エアフィルタ2のフィルタ枠22の下部から下方に延出し、フィルタ枠22の下部の全長にわたって延びる下部スライド板4をエアフィルタ2に設ける工程(
図2参照)と、上部スライド板3を上部レール6のガイド溝61に沿ってスライドさせてガイド溝61に挿入するとともに、下部スライド板4を下部レール7のガイド溝71に沿ってスライドさせてガイド溝71に挿入することにより、エアフィルタ2をフィルタケーシング5内に配置する工程(
図3参照)とを備える。
【0064】
上部レール6を準備する工程において、上部レール6の長手方向と直交する方向の断面形状が当該長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、上部レール6のガイド溝61の溝幅が上部スライド板3の厚さに対応するように、上部レール6が押出成形により製造される。
【0065】
また、下部レール7を準備する工程において、下部レール7の長手方向と直交する方向の断面形状が当該長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、下部レール7のガイド溝71の溝幅が、下部スライド板4の厚さに対応するように、下部レール7が押出成形により製造される。
【0066】
これらの工程を備えた本実施形態に係るエアフィルタ装置1の製造方法によれば、上述のように、長手方向における直線性および断面の均一性の精度が高い押出成形品である上部レール6のガイド溝61および下部レール7のガイド溝71に対して、それぞれ、上部スライド板3および下部スライド板4を挿入することにより、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間から小さな虫が侵入するのを防止することができるエアフィルタ装置1が得られる。また、特許文献1のような複雑な構成を採用することなく、小さな虫の侵入を防止することができるため、フィルタケーシング5をコンパクトに構成しながら、フィルタケーシング5とエアフィルタ2との間の隙間からの小さな虫の侵入を防止することができるエアフィルタ装置1が得られる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
【0068】
(1)エアフィルタ装置であって、
フィルタケーシング内の上部に設けられた上部レールと、
フィルタケーシング内の下部に設けられた下部レールと、
フィルタケーシング内に設けられるエアフィルタと、
前記エアフィルタのフィルタ枠の上部から上方に延出し、前記フィルタ枠の上部の全長にわたって延びるように設けられる上部スライド板と、
前記エアフィルタのフィルタ枠の下部から下方に延出し、前記フィルタ枠の下部の全長にわたって延びるように設けられる下部スライド板と
を備え、
前記上部スライド板は、前記上部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、
前記下部スライド板は、前記下部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、
前記上部レールは、前記上部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、前記上部レールのガイド溝の溝幅が前記上部スライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品であり、
前記下部レールは、前記下部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、前記下部レールのガイド溝の溝幅が前記下部スライド板の厚さに対応するように構成された押出成形品である、
エアフィルタ装置。
【0069】
(2)前記上部スライド板および前記下部スライド板は、それぞれ、前記フィルタ枠の上部および前記フィルタ枠の下部において、前記エアフィルタの厚さ方向における一方側の面に設けられている、
(1)に記載のエアフィルタ装置。
【0070】
(3)前記上部スライド板および前記下部スライド板は、それぞれ、前記フィルタ枠の上部および前記フィルタ枠の下部において、前記エアフィルタの厚さ方向における一方側の面で、かつ、気流の流れ方向の上流側の面に設けられている、
(1)または(2)に記載のエアフィルタ装置。
【0071】
(4)前記上部スライド板および前記下部スライド板は、前記エアフィルタの厚さよりも薄い厚さを有する、
(1)~(3)のいずれか1つに記載のエアフィルタ装置。
【符号の説明】
【0072】
1 エアフィルタ装置
2 エアフィルタ
21 フィルタ本体
22 フィルタ枠
22a 上辺部
22b 下辺部
22c 右側辺部
22d 左側辺部
221 一方側の面
3 上部スライド板
4 下部スライド板
5 フィルタケーシング
51 上流側開口部
52 下流側開口部
53a 上壁部
53b 下壁部
53c 前壁部
53d 後壁部
53e 右側壁部
53f 左側壁部
54 開口部
55 扉部
56 ロック機構
561 締付け機構
562 締付け操作部
563 雄ねじ部
564 雌ねじ部
57 連結部材
6 上部レール
6a 基部
6b 第1の支持部
6c 第2の支持部
61 ガイド溝
7 下部レール
71 ガイド溝
AF 気流の流れ方向
DU ダクト
X 上下方向
Y 流れ方向
Z 左右方向
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタ装置であって、
フィルタケーシング内の上部に設けられた上部レールと、
フィルタケーシング内の下部に設けられた下部レールと、
フィルタケーシング内に設けられるエアフィルタと、
前記エアフィルタのフィルタ枠の上部から上方に延出し、前記フィルタ枠の上部の全長にわたって延びるように設けられる上部スライド板と、
前記エアフィルタのフィルタ枠の下部から下方に延出し、前記フィルタ枠の下部の全長にわたって延びるように設けられる下部スライド板と
を備え、
前記上部スライド板は、前記上部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、
前記下部スライド板は、前記下部レールのガイド溝に挿入された状態で、前記ガイド溝に沿ってスライド可能に構成され、
前記上部レールは、(i)前記上部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、(ii)前記上部レールに対する前記上部スライド板のスライドが可能な程度に、前記上部レールのガイド溝の溝幅が前記上部スライド板の厚さと同じ、または、前記上部レールのガイド溝の溝幅が前記上部スライド板の厚さよりもわずかに大きいように構成された押出成形品であり、
前記下部レールは、(i)前記下部レールの長手方向と直交する方向の断面形状が前記長手方向の全長にわたって同じであり、かつ、(ii)前記下部レールに対する前記下部スライド板のスライドが可能な程度に、前記下部レールのガイド溝の溝幅が前記下部スライド板の厚さと同じ、または、前記下部レールのガイド溝の溝幅が前記下部スライド板の厚さよりもわずかに大きいように構成された押出成形品であり、
前記上部スライド板および前記下部スライド板は、それぞれ、前記フィルタ枠の上部および前記フィルタ枠の下部において、前記エアフィルタの厚さ方向における一方側の面に設けられている、
エアフィルタ装置。
【請求項2】
前記上部スライド板および前記下部スライド板は、それぞれ、前記フィルタ枠の上部および前記フィルタ枠の下部において、気流の流れ方向の上流側の面に設けられている、
請求項1に記載のエアフィルタ装置。
【請求項3】
前記上部スライド板および前記下部スライド板は、前記エアフィルタの厚さよりも薄い厚さを有する、
請求項1に記載のエアフィルタ装置。