(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124266
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20240905BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240905BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240905BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240905BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20240905BHJP
B60K 35/23 20240101ALI20240905BHJP
【FI】
G06F3/04842
G01C21/36
G09G5/38
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/00 510Z
G02B27/01
B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032298
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 凌
【テーマコード(参考)】
2F129
2H199
3D344
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】表示された情報に対するユーザの利便性を向上できる表示装置を提供する。
【解決手段】本実施形態における表示装置は、特定の対象物を示す画像である対象物画像22と、対象物画像22に係る対象物8に関して実行される処理を示し、ユーザからの選択指示を受け付け可能な少なくとも一の関連処理画像23を表示領域20に表示する表示制御部と、一の関連処理画像23が選択された場合、選択された一の関連処理画像23に係る処理を実行する、処理実行部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の対象物を示す画像である対象物画像と、前記対象物画像に係る前記対象物に関して実行される処理を示し、ユーザからの選択指示を受け付け可能な少なくとも一の関連処理画像を表示領域に表示する表示制御部と、
一の前記関連処理画像が選択された場合、選択された前記一の関連処理画像に係る処理を実行する、処理実行部と、を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記ユーザからの選択指示を受け付け可能な前記対象物画像を表示し、前記対象物画像が選択された場合、選択された前記対象物画像に係る前記関連処理画像を表示する、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記対象物画像を車両の前方風景と重畳表示される虚像として表示する、請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示領域に常に表示される常態表示画像を更に表示し、前記関連処理画像を前記常態表示画像が表示される領域以外の領域に表示する、請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記処理は、前記対象物画像に係る前記対象物へのルート案内、前記対象物に関する詳細情報の所定の記憶領域への記録、前記対象物に関する詳細情報の所定の送信先への送信、及び前記対象物への通話発信の少なくとも一つである、請求項1記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用等の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されている表示システムにおいて、表示部に表示された施設マーク等を示す表示物に対して、ユーザにより選択されていない表示物については簡易的な情報を表示し、選択されている表示物については詳細な情報を表示することが行われている。これにより、特許文献1の表示システムは、選択されユーザが注目している表示物のみを詳細に表示しつつ、ユーザが関心の低い表示物を簡易的に表示させて、表示の煩雑化を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の表示システムは、ユーザが注目している表示物の詳細な情報を表示するのみであり、その後ユーザがその情報に関して行う行動に対して連動性がなかった。
【0005】
本開示はこのような事情を考慮してなされたもので、表示された情報に対するユーザの利便性を向上できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、上述した課題を解決するために、特定の対象物を示す画像である対象物画像と、対象物画像に係る対象物に関して実行される処理を示し、ユーザからの選択指示を受け付け可能な少なくとも一の関連処理画像を表示領域に表示する表示制御部と、一の関連処理画像が選択された場合、選択された一の関連処理画像に係る処理を実行する、処理実行部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置においては、表示された情報に対するユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態におけるHUDのシステム構成例を示す図。
【
図2】車両の前方に形成される表示領域を示す説明図。
【
図3】HUDの制御部により実行されるPOIアイコン及び行動アイコンを表示するためのPOI関連処理を説明するフローチャート。
【
図4】関連処理としてPOIのルート案内を実行する、ルート案内処理を説明するフローチャート。
【
図5】関連処理としてPOIに関する詳細情報の記憶部への記録を実行する、情報保存処理を説明するフローチャート。
【
図6】関連処理としてPOIに関する詳細情報の所定の送信先への送信を実行する、情報共有処理を説明するフローチャート。
【
図7】関連処理としてPOIへの通話発信を実行する、通話発信処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の表示装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本開示の表示装置は、例えば自動車や二輪車等の車両や、船舶、農業機械、建設機械に搭載される表示装置に適用することができる。本実施形態においては、表示装置が車両に搭載され、車両から取得した各種情報等に基づいて所要の情報を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD、Head Up Display)である例を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態におけるHUD10のシステム構成例を示す図である。
【0011】
以下の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「右」及び「左」は、
図1及び2における定義「Fr.」、「Re.」、「To.」、「Bo.」、「R」、及び「L」に従う。
【0012】
HUD10は、車両1のインストルメントパネル内に搭載される。HUD10は、表示器11と、平面鏡12と、凹面鏡13と、筐体15と、制御部30と、を有する。HUD10は、表示器11が表示した画像に係る表示光Lを、リレー光学系である平面鏡12及び凹面鏡13で反射させ、車両1上のウインドシールド3(投影部材)に照射する。車両1のユーザ(視認者。ドライバー及び同乗者を含む。)4は、画像を、ウインドシールド3における画像に係る表示光Lの反射光を虚像Vとして視認する。これにより、画像は、ウインドシールド3を介して(ウインドシールド3の前方で)ユーザ4に視認される実景と重なる仮想的な領域に表示されることになる。
【0013】
ここで、
図2は、車両1の前方に形成される表示領域20を示す説明図である。
【0014】
表示領域20は、車両1の前方の実空間に形成される四角形状の領域である。HUD10は、この表示領域20において、前両の前方風景(前方路面7等)や対象物(POI8)と重畳表示されて視認されるように、画像を表示する。表示領域20には、例えば車両1の走行に必要な情報を示す画像が、常態表示画像21として常に表示されている。常態表示画像21は、例えば車速を示す画像や、走行中の道路の法定速度を示す画像である。
【0015】
表示器11は、例えば四角形状の表示面に画像を表示し、画像に係る表示光Lを平面鏡12に向けて出射する。表示器11は、例えばTFT(Thin Film Transistor)型の液晶表示器や有機EL(Electroluminescence)表示器11である。なお、表示器11はプロジェクタ及び表示面を構成するスクリーンを有するものであってもよい。
【0016】
平面鏡12は、表示器11が出射した表示光Lを、凹面鏡13に向けて反射させる。凹面鏡13は、平面鏡12で反射した表示光Lを更に反射させ、ウインドシールド3に向けて出射する。凹面鏡13は、拡大鏡としての機能を有し、表示器11に表示された画像を拡大してウインドシールド3側へ反射する。すなわち、ユーザ4が視認する虚像Vは、表示器11に表示された画像が拡大された像である。
【0017】
筐体15は、筐体15の内部に、平面鏡12、凹面鏡13を取付部材(図示せず)を介して位置決めし固定する。また、筐体15は、例えば表示器11及び制御部30が実装された制御基板を取付部材(図示せず)を介して位置決めし固定する。
【0018】
制御部30は、特に、後述する車両1の各部から取得する情報に基づいて、主に表示器11に表示される画像に関する処理を制御する。制御部30は、表示制御部31と、表示画像生成部32と、処理実行部33と、記憶部34と、を有する。
【0019】
制御部30は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックコントローラ、集積回路等であり、所要の処理を実行する。表示制御部31は、表示器11に画像を表示するための所要の制御を行う。表示画像生成部32は、表示制御部31の制御に基づいて、表示器11に表示される画像の描画処理を実行し、所要の画像を生成する。処理実行部33は、後述するPOI関連処理において、POIに関する所定の処理を実行する。記憶部34は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ等であり、プログラムやデータを記録する。
【0020】
車両1は、HUD10の他に、カメラ41と、GPS(Global Positioning System)42と、カーナビゲーションシステム43と、通信部44と、入力部45と、を有する。カメラ41、GPS42、カーナビゲーションシステム43、通信部44及び入力部45と、制御部30とは、例えばCAN(Controller Area Network)バス50を介して接続されている。
【0021】
カメラ41は、車両1内外の画像を撮影する。カメラ41は、本実施形態においては特に、後述するPOI関連処理に用いるための車両1の前方の画像を取得する。GPS42は、人工衛星等から受信したGPS信号に基づいて車両1の位置を算出する。カーナビゲーションシステム43は、地図データを記録する記憶部を有し、GPS42からの位置情報に基づいて、現在位置近傍の地図データを記憶部から読み出したり、所定の目的地までの案内経路を決定したりして、取得した情報を制御部30に出力する。また、カーナビゲーションシステム43は、地図データを参照することにより、車両1の前方の施設の名称・種類を制御部30に出力しうる。通信部44は、例えば、WAN(Wide Area Network)に直接アクセスできる通信モジュール、WANにアクセス可能な外部装置(モバイルルータ等)や公衆無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント、ユーザ4が所有するスマートフォン等の通信端末と通信するための通信モジュール等を有し、インターネット通信等を行う。入力部45は、車両1の所定位置に設けられたボタンやタッチパネル、音声入力装置、ハンドサインを検出可能なカメラ等である。
【0022】
なお、カメラ41、GPS42、カーナビゲーションシステム43、通信部44及び入力部45は、車両1に搭載されたものに限られず、制御部30との間で有線又は無線により通信を行う、これらと同等の機能を有する端末(例えばスマートフォン、タブレットPC(Personal Computer))により実現されてもよい。
【0023】
次に、HUD10の制御部30により実行される、POI関連処理について詳細に説明する。
【0024】
本実施形態におけるHUD10は、特に、車両1の前方風景と重畳表示される虚像Vとして、ユーザ4の関心が向いている対象物、いわゆるPOI(Point of Interest)8を示す画像(対象物画像)としてPOIアイコン22を、表示領域20内に一又は複数表示する。POIアイコン22は、例えば
図2に示すように、車両1の進行方向上に位置する飲食店、食料品店、ホームセンター等の各種施設を示すものである。POIアイコン22は、POI8をユーザ4に認識させる画像で構成されており、各POIアイコン22が共通のアイコン(例えばピン状や特定の図形の画像)で表されたり、POI8のジャンルを直感的に認識させるようなアイコン(例えば
図2に示すような、サービスの内容を図形化した画像)で表されたりする。
【0025】
HUD10は、POI8に対してユーザ4が取り得る行動をHUD10上で実行可能なようになっており、これにより単にPOIアイコン22を表示するのみならず、ユーザ4のPOI8に対する行動を連続的に行わせることで、利便性を向上させるようになっている。
図3は、HUD10の制御部30により実行されるPOIアイコン22及び行動アイコン23を表示するためのPOI関連処理を説明するフローチャートである。
【0026】
ステップS1において、表示制御部31は、車両1の進行方向上に、ユーザ4のPOI8を検出したか否かを判定する。具体的には、まず、表示制御部31は、例えばGPS42から車両1の現在位置及びカーナビゲーションシステム43から周辺施設の情報を取得する。また、表示制御部31は、カメラ41から車両1の前方の画像及びカーナビゲーションシステム43から周辺施設の情報を取得する。表示制御部31は、通信部44を介して例えばインターネット上で周辺施設に関する詳細情報を取得し、記憶部34に記録する。詳細情報は、例えば周辺施設の施設名、位置情報、ジャンル、電話番号、営業時間、取扱商品、周辺施設に対するレビュー等である。なお、カーナビゲーションシステム43が周辺施設の詳細情報を保有する場合、表示制御部31はカーナビゲーションシステム43から詳細情報を取得してもよい。
【0027】
表示制御部31は、詳細情報から、取得した周辺施設がユーザ4のPOIであるか否かを判定する。表示制御部31は、例えば、事前に入力部45を介してユーザ4から取得したキーワードや関心のある施設のジャンル等を取得することにより、周辺施設がユーザ4のPOIであるか否かを判定することができる。
【0028】
表示制御部31は、取得した周辺施設がユーザ4のPOIではなく、POIは検出されないと判定した場合(ステップS1のNO)、検出されるまで待機する。一方、表示制御部31は、POI8が検出されたと判定した場合(ステップS1のYES)、ステップS2において、検出されたPOIに対応するPOIアイコン22を表示する。POIアイコン22は、アイコンのみから構成される場合に限らず、テキストと共に又はテキストのみによって構成される画像であってもよい。表示制御部31は、表示画像生成部32を制御し、実景のPOI8と重畳するようにPOIアイコン22を生成させ、表示器11に表示させる。これにより、ユーザ4には、ウインドシールド3越しに、実景としてのPOI8に、POIアイコン22としての虚像Vが重畳して視認され、ユーザ4は進行方向上に自身のPOI8が存在することを認識しやすい。
【0029】
表示制御部31は、POIアイコン22を、ユーザ4からの選択指示を受け付け可能なように表示する。表示制御部31は、例えばハンドルに備え付けられたボタンや、音声入力等の入力部45を介するユーザ4からの指示に基づいて選択を受け付けることができる。また、入力部45が、ユーザ4のハンドサインや視線によりユーザ4の指示を受け付け可能な場合には、これらの方法により選択指示を受け付けることができる。例えば、予め規定されたハンドサインをユーザ4が行ったことが検知された場合に、入力部45は指示を受け付ける。また、ユーザ4の視線方向が、特定のPOIアイコン22に所定時間以上向けられていることが検知された場合に、入力部45は指示を受け付ける。
【0030】
ステップS3において、表示制御部31は、車両1の走行により、POI8が表示器11の表示領域20外となったか否かを判定する。表示制御部31は、POI8が表示領域20外となり、POIアイコン22が実景としてのPOI8に重畳表示できないと判定した場合(ステップS3のYES)、ステップS9に進み、POIアイコン22を表示領域20から消去して処理を終了する。一方、表示制御部31は、POI8が未だ表示領域20内にありPOIアイコン22がPOI8に重畳表示可能であると判定した場合(ステップS3のNO)、ステップS4において、POIアイコン22の選択を受け付けたか否かを判定する。POIアイコン22が複数表示されている場合には、表示制御部31は、一のPOIアイコン22の選択を受け付けたか否かを判定する。表示制御部31は、POIアイコン22の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS4のNO)、領域外判定ステップS3に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0031】
一方、表示制御部31は、POIアイコン22の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS4のYES)、ステップS5において、選択されたPOIアイコン22に対応する一又は複数の行動アイコン23を表示する。行動アイコン23(関連処理画像)は、POIアイコン22に係るPOI8に対して実行される処理を示す画像である。具体的には、行動アイコン23は、
図2に示すように、POIアイコン22に係るPOI8へのルート案内を実行する画像、POI8に関する詳細情報の記憶部34(所定の記憶領域)への記録を実行する画像、POI8に関する詳細情報の所定の送信先への送信を実行する画像、及びPOI8への通話発信を実行する画像、の少なくとも一つである。行動アイコン23は、
図2に示すような直感的に処理の内容を認識させるアイコン及び処理の内容を示すテキストから構成される画像であってもよいし、テキストのみ又はアイコンのみから構成される画像であってもよい。
【0032】
表示制御部31は、行動アイコン23を、例えば
図2に示すように、表示領域20の右下に表示する。このとき、行動アイコン23が常態表示画像21の視認性を妨げないように、常態表示画像21が表示される領域以外の領域に行動アイコン23が表示されるのが好ましい。また、行動アイコン23がユーザ4の前方の視界を過度に遮らない領域に表示されるのが好ましい。表示制御部31は、行動アイコン23を、POIアイコン22同様に、ユーザ4からの選択指示を受け付け可能に表示する。
【0033】
表示制御部31は、POIアイコン22の表示時間に連動させて行動アイコン23を表示してもよいし、POIアイコン22が消去された後もユーザ4の利便性を考慮して一定時間は行動アイコン23の表示を維持してもよい。
【0034】
ステップS6において、表示制御部31は、一の行動アイコン23の選択を受け付けたか否かを判定する。表示制御部31は、一の行動アイコン23の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS6のNO)、ステップS7において、所定時間が経過したか否かを判定する。表示制御部31は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS7のNO)、選択判定ステップS6に戻り以降の処理を繰り返す。
【0035】
一方、表示制御部31は、所定時間が経過したと判定した場合(ステップS7のYES)、ユーザ4により行動アイコン23が選択される可能性が低いとみなし、ステップS9において行動アイコン23を表示領域20から消去する。なお、表示制御部31は、所定時間の経過以外にも、ユーザ4からの入力部45を介した指示により行動アイコン23を消去してもよい。
【0036】
表示制御部31は、選択判定ステップS6において、一の行動アイコン23の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS6のYES)、ステップS8において、処理実行部33は、選択された一の行動アイコン23に係る関連処理(
図4から7)を実行する。その後、ステップS9において、表示制御部31は、行動アイコン23を消去し、POI関連処理を終了する。
【0037】
次に、行動アイコン23に係る関連処理の具体例について説明する。以下、関連処理の具体例として、関連処理が、POI8へのルート案内、POI8に関する詳細情報の記憶部34への記録、POI8に関する詳細情報の所定の送信先への送信、及びPOI8への通話発信である例を説明する。
【0038】
図4は、関連処理としてPOI8のルート案内を実行する、ルート案内処理を説明するフローチャートである。
【0039】
ステップS11において、処理実行部33は、GPS42より車両1の現在位置情報を取得する。ステップS12において、処理実行部33は、カーナビゲーションシステム43よりPOI8の位置情報を取得する。ステップS13において、処理実行部33は、車両1の現在位置情報と、POI8の位置情報から、POI8までのルートを作成する。
【0040】
ステップS14において、処理実行部33及び表示制御部31は、表示器11に表示させるルート案内画像を表示画像生成部32に生成させ、表示器11に表示させる。表示制御部31は、実景に重畳させてルート案内画像を表示してもよいし、鳥瞰図として表示された地図上に重畳させてルート案内画像を表示してもよい。
【0041】
図5は、関連処理としてPOI8に関する詳細情報の記憶部34への記録を実行する、情報保存処理を説明するフローチャートである。
【0042】
ステップS21において、処理実行部33は、通信部44を介して例えばインターネット上でPOI8に関する詳細情報を取得する。詳細情報は、例えばPOI8の施設名、位置情報、ジャンル、電話番号、営業時間、取扱商品、周辺施設に対するレビュー等である。ステップS22において、処理実行部33は、取得した詳細情報から、記憶部34に保存するための保存情報を生成する。
【0043】
ステップS23において、処理実行部33は、生成した保存情報を記憶部34に記憶する。ステップS24において、処理実行部33は、ユーザ4からの要求を入力部45から受け付けた場合等の所要のタイミングにおいて、記憶部34から保存情報を読み出し、POI8の詳細情報を表示してユーザ4に提供する。表示制御部31は、POI8の詳細情報を、例えば表示領域20にテキストデータで表示してもよいし、音声読み上げにより音声で出力してもよい。
【0044】
処理実行部33は、記憶部34の保存可能容量に応じて保存情報を保存することができ、例えば保存可能容量を超えた場合には、古い保存情報から削除してもよい。また、処理実行部33は、入力部45を介して保存情報を削除する指示を受け付けた場合に、削除してもよい。
【0045】
図6は、関連処理としてPOI8に関する詳細情報の所定の送信先への送信を実行する、情報共有処理を説明するフローチャートである。
【0046】
ステップS31において、処理実行部33は、通信部44を介して例えばインターネット上でPOI8に関する情報を取得する。POI8に関する情報は、例えばサイトのURL(Uniform Resource Locator)である。処理実行部33が取得するURLは、POI8が提供する公式のサイトのURLであってもよいし、口コミサイト等の第三者が提供しているサイトのURLであってもよい。
【0047】
ステップS32において、処理実行部33は、共有先の候補を出力する。処理実行部33は、例えば入力部45を介して共有先の入力を受け付けてもよいし、予め記憶部34に記録してもよいし、通信部44を介してユーザ4のスマートフォン等の通信端末と通信し、通信端末に登録された連絡先やSNS(Social Networking Service)上の連絡先を取得してもよい。処理実行部33は、共有先の候補を、表示領域20に表示してもよいし、音声により出力してもよい。
【0048】
ステップS33において、処理実行部33は、入力部45を介して共有先の選択を受け付ける。ステップS34において、処理実行部33は、通信部44を介して、選択された共有先にPOI8に関する情報を送信する。
【0049】
図7は、関連処理としてPOI8への通話発信を実行する、通話発信処理を説明するフローチャートである。
【0050】
ステップS41において、処理実行部33は、POI8の電話番号を取得する。処理実行部33は、例えば通信部44を介して、インターネット上でPOI8の電話番号を取得する。ステップS42において、処理実行部33は、音声通話端末に対してPOI8の電話番号に対して通話発信を実行するよう指示する。処理実行部33は、音声通話端末として、例えばユーザ4のスマートフォンを用い、このスマートフォンに電話番号を送信して通話発信を実行させてもよい。処理実行部33は、通話発信前に、ユーザ4に対して通話発信の確認メッセージ(「電話をかけますか?」等)を表示領域20に表示し、ユーザ4から発信の指示を受け付けた場合に、通話発信を実行してもよい。
【0051】
このような本実施形態におけるHUD10は、上述したPOI関連処理を実行することにより、単にPOI8の情報を表示するのみならず、表示された情報に対してユーザ4が行うであろう行動を連続的に行わせることができるため、表示された情報に対するユーザ4の利便性を向上できる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0053】
例えば、本開示の表示装置がHUD10である例を用いて説明したが、HUD10以外の、液晶ディスプレイ等に表示した画像を視認させるディスプレイ式の表示装置であってもよいし、HUD10及びディスプレイ式の表示装置との両者を備えていてもよい。この場合、例えば対象物画像(POIアイコン)や関連処理画像(行動アイコン)をHUDに表示し、選択された対象物(POI)に関する詳細情報をディスプレイ式の表示装置に表示してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 車両
3 ウインドシールド
4 ユーザ
7 前方路面
8 POI(Point of Interest、対象物)
10 ヘッドアップディスプレイ、HUD
11 表示器
12 平面鏡
13 凹面鏡
15 筐体
20 表示領域
21 常態表示画像
22 POIアイコン(対象物画像)
23 行動アイコン(関連処理画像)
30 制御部
31 表示制御部
32 表示画像生成部
33 処理実行部
34 記憶部
41 カメラ
42 GPS
43 カーナビゲーションシステム
44 通信部
45 入力部
50 CANバス
L 表示光
V 虚像