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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124272
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】継手構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 19/025 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
F16L19/025
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032311
(22)【出願日】2023-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】517102215
【氏名又は名称】中大冷凍材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】邱聖踊
【テーマコード(参考)】
3H014
【Fターム(参考)】
3H014CA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】管部材が継手本体によりしっかりと挿入することができる、継手構造を提供する。
【解決手段】管部材2は、嵌合端21と挿入端22を有し、挿入端は第1当接面を有し、第1当接面は継手本体1の内周に突き当てられ、挿入端は第1組付け口13に軸方向に挿入され、挿入端の外壁221に、第2当接面を有するブロッキング部23が外向きに環状設置されている。カバー部材3は第1組付け口を覆い、嵌合端は貫通孔31から外側に突出し、貫通孔の孔径はブロッキング部の外径よりも小さく、貫通孔の周縁に、第2当接面に突き当てられる受け面が形成されることで、管部材は第1組付け口の軸方向に沿って往復移動することができず、継手本体は管部材に対してスムーズに回転でき、継手本体または管部材の緩みを防ぐことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体輸送装置に接続するための継手構造であって、
継手本体と、管部材と、少なくとも1つのシール部材と、カバー部材とを備え、
前記継手本体に第1組付け端及び第2組付け端が設置され、前記第1組付け端は第1組付け口を有し、前記第2組付け端は第2組付け口を有し、前記第1組付け口と前記第2組付け口とは貫通孔によって接続され、前記第1組付け口は内壁を有し、前記第1組付け端の外周面に第1接続部が設置され、前記第2組付け口は流体輸送装置と組付けるために使用され、
前記管部材は嵌合端と挿入端を有し、前記挿入端は、前記第1組付け口に軸方向に挿入され、第1当接面と外壁を有し、第1当接面は継手本体の内周に突き当てられ、前記外壁に、第2当接面を有するブロッキング部が外向きに環状設置され、
前記少なくとも1つのシール部材は、前記内壁と前記外壁との間に設けられ、
前記カバー部材に第2接続部と貫通孔が設けられ、前記カバー部材は、前記第2接続部によって前記第1接続部に接続して前記第1組付け端を覆い、前記管部材の前記嵌合端は前記貫通孔から外側に突出し、前記貫通孔の孔径は前記ブロッキング部の外径よりも小さく、前記貫通孔の周縁に、前記第2当接面に突き当てられる受け面が形成されることで、前記管部材は前記第1組付け口の軸方向に沿って往復移動することができない、継手構造。
【請求項2】
前記管部材の前記外壁に環状溝が凹設され、前記シール部材は前記環状溝に埋設される、請求項1に記載の継手構造。
【請求項3】
前記第1組付け口の前記内壁に環状溝が凹設され、前記シール部材は前記環状溝に埋設される、請求項1に記載の継手構造。
【請求項4】
前記貫通孔の孔径は前記嵌合端の外径よりも大きく、前記嵌合端の外周面と前記貫通孔の孔壁との間に間隔が形成される、請求項1に記載の継手構造。
【請求項5】
前記第1組付け口は底面を有し、前記貫通孔は前記底面と連通する、請求項1に記載の継手構造。
【請求項6】
前記貫通孔に、前記第2組付け口に向かって延びるプラグ部材が設置され、前記プラグ部材は、前記第1組付け口と前記第2組付け口とを連通する導流孔を有し、前記プラグ部材と前記第2組付け口の内壁との間に弾性環状座が介在する、請求項1に記載の継手構造。
【請求項7】
前記プラグ部材の前記第2組付け口に向かって延びる一端に、円錐シート形状の押当て部が形成され、前記プラグ部材の前記押当て部に対する他端に、螺合部が形成され、前記貫通孔の孔壁に、前記螺合部が螺合する雌ねじが設けられる、請求項6に記載の継手構造。
【請求項8】
前記プラグ部材に環状凸部が突設され、前記弾性環状座の内側に環状段部が凹設され、前記プラグ部材は前記弾性環状座に挿入され、前記環状凸部は前記環状段部に当接する、請求項7に記載の継手構造。
【請求項9】
前記内壁に段縁が環状設置され、前記ブロッキング部は、前記第1組付け口に面する第1当接面と、前記第1当接面とは反対側の第2当接面とを有し、前記第1当接面は前記段縁に突き当てられる、請求項1に記載の継手構造。
【請求項10】
前記段縁と前記ブロッキング部は、円環状であり、かつ形状及びサイズが一致する、請求項9に記載の継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を輸送するための継手構造に関し、特に、継手本体が管部材に対してスムーズに回転でき、継手本体または管部材の緩みを防ぎ、継手本体に挿入された管部材が継手本体の軸方向に対して往復移動できないようにする、継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術の継手構造は、管部材と結合するための短芯、ねじスリーブ、及び前記ねじスリーブに収容された漏れ防止ガスケットを備え、前記ねじスリーブの一端に機器と接続可能なねじ山部が設けられ、他端には内側に突出した突縁が設けられ、前記短芯は前記ねじスリーブ内に設けられ、前記突縁に当接して位置決めされる。上記従来の継手を実際に使用する際は、まず管部材を短芯に結合し、管部材の材質や短芯の外周にあるバーブ(barb)などにより、管部材が短芯にしっかりと結合し、一体に固定された状態と見なすことができる。次に、ねじ山部によってねじスリーブを機器の継ぎ口に螺合し、ねじスリーブが継ぎ口にねじ込まれ続けると、突縁が短芯を押して継ぎ口に向かって移動させ、漏れ防止ガスケットを継ぎ口に接触するまで押し込み、このとき、ねじスリーブを締め付けて、漏れ防止ガスケットを継ぎ口に当接させることで、管部材と機器の接続が完了する。作業中に管部材がよじれたり、ねじれたりすることが多く、管部材が短芯に締め付けられているため、ねじり力は短芯に伝達される。しかし、短芯と漏れ防止ガスケットは、ねじスリーブによって継ぎ口に締め付けられているため、極めて大きな摩擦力が発生し回転できない。一方、ねじスリーブは突縁によって短芯にしっかりと当接するため、短芯と締結状態を形成し、ねじり力もねじスリーブに伝達され、ねじスリーブが継ぎ口に対して回転する現象が発生し、その結果、管部材が緩んで漏れが発生する。
【0003】
他の従来技術では、冷媒などの流体を輸送する装置またはパイプの間は、特殊な継手で接続する必要がある。継手に流体が流れる貫通孔があり、流体は継手の貫通孔を通って流れることができる。図13を参照し、従来技術の継手構造は、継手本体91と管部材92を備え、継手本体91は第1組付け口911、第2組付け口912、及び第1組付け口911と第2組付け口912とを連通する貫通孔913を有し、第1組付け口911に、管部材92が軸方向に挿入され、第2組付け口912には、流体を入力または出力するための流体輸送装置93が組付けられている。管部材92は、通路を有する管状構造であり、第1組付け口911を通って継手本体91の内側から突出し、継手本体91の外側に突出した管部材92に、パイプ94が嵌合されており、継手本体91と管部材92との間に、弾性シール部材95が設置されることで、継手本体91と管部材92とを密着させることができる。
【0004】
図13に示すように、管部材92は、第1組付け口911に軸方向に挿入され、第1組付け口911に対して軸方向に回転でき、これにより、管部材92に嵌合されたパイプ94の方向を調整して、もつれや結び目を回避する。管部材92の外壁に突縁921が環状設置され、第1組付け口911に、突縁921に対応する段縁914が環状設置され、突縁921が段縁914の一側に突き当てられると、管部材92は第1組付け口911の軸方向に沿って外側に移動し続けることができない。
【0005】
ただし、管部材92は第1組付け口911の軸方向に対して外側に移動することができないが、軸方向内側への移動は制限されていないため、管部材92を軸方向に回転させる過程で、管部材92が継手本体91の方向に向かって移動することで、継手本体91と管部材92との間に隙間が生じ、液漏れやガス漏れが発生する可能性がある。また、パイプ94は弾性材料で製造されることが多いため、通常より硬い金属材料で固定部材96を製造し、固定部材96によって管部材92とパイプ94を同時に覆い、両者を締め付けて、管部材92とそれに嵌合されたパイプ94とをより強固に接続することができるが、締め付けの過程で、誤って管部材92を押し込みやすく、管部材92が第1組付け口911の方向に向かって移動し、隙間が生じる原因にもなるため、改善の余地がある。
【0006】
そこで、上記の問題をいかに改善するかが、本発明が解決しようとする主たる課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、管部材が継手本体の組付け口に軸方向に挿入され、管部材の他端にカバー部材が嵌合され、カバー部材によって管部材が組付け口に固定され、継手本体が管部材に対してスムーズに回転でき、継手本体または管部材の緩みを防ぐことに加えて、管部材が継手本体の軸方向に対して往復移動できないことで、管部材は継手本体によりしっかりと挿入することができる、継手構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、流体輸送装置に接続するための継手構造であって、継手構造が、継手本体と、管部材と、少なくとも1つのシール部材と、カバー部材とを備え、継手本体に第1組付け端及び第2組付け端が設置され、第1組付け端が第1組付け口を有し、第2組付け端が第2組付け口を有し、第1組付け口と第2組付け口とが貫通孔によって接続され、第1組付け口が内壁を有し、第1組付け端の外周面に第1接続部が設置され、第2組付け口が流体輸送装置と組付けるために使用され、管部材が嵌合端と挿入端を有し、挿入端が、第1組付け口に軸方向に挿入され、第1当接面と外壁を有し、第1当接面が継手本体の内周に突き当てられ、外壁に、第2当接面を有するブロッキング部が外向きに環状設置され、少なくとも1つのシール部材が、内壁と外壁との間に設けられ、カバー部材に第2接続部と貫通孔が設けられ、カバー部材が、第2接続部によって第1接続部に接続して第1組付け端を覆い、管部材の嵌合端が貫通孔から外側に突出し、貫通孔の孔径がブロッキング部の外径よりも小さく、貫通孔の周縁に、第2当接面に突き当てられる受け面が形成されることで、管部材が第1組付け口の軸方向に沿って往復移動することができない、継手構造を提供する。
【0009】
好ましくは、管部材の外壁に環状溝が凹設され、シール部材は環状溝に埋設される。
【0010】
好ましくは、第1組付け口の内壁に環状溝が凹設され、シール部材は前記環状溝に埋設される。
【0011】
好ましくは、貫通孔の孔径は嵌合端の外径よりも大きく、嵌合端の外周面と貫通孔の孔壁との間に間隔が形成される。
【0012】
好ましくは、貫通孔に、第2組付け口に向かって延びるプラグ部材が設置され、プラグ部材は、第1組付け口と第2組付け口とを連通する導流孔を有し、プラグ部材と第2組付け口の内壁との間に弾性環状座が介在し、プラグ部材の第2組付け口に向かって延びる一端に、円錐シート形状の押当て部が形成され、プラグ部材の押当て部に対する他端に、螺合部が形成され、貫通孔の孔壁に、螺合部が螺合する雌ねじが設けられ、プラグ部材に環状凸部が突設され、弾性環状座の内側に環状段部が凹設され、プラグ部材は弾性環状座に挿入され、環状凸部は環状段部に当接する。
【0013】
好ましくは、内壁に段縁が環状設置され、ブロッキング部は、第1組付け口に面する第1当接面と、第1当接面とは反対側の第2当接面とを有し、第1当接面は段縁に突き当てられ、段縁とブロッキング部は、円環状であり、かつ形状及びサイズが一致する。
【0014】
本発明の上記目的及び利点について、以下の選択された実施形態の詳細な説明及び添付の図面から深い理解を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態の分解図である。
図3】本発明の第1実施形態の概略構造図である。
図4】本発明の第1実施形態の部分拡大図である。
図5】本発明の第1実施形態の部分拡大図である。
図6】本発明の第1実施形態のプラグ部材と弾性環状座の概略図である。
図7】本発明の組立概略図である。
図8】本発明の組立構造概略図である。
図9】本発明の組立態様の変形例である。
図10】本発明の第2実施形態の概略構造図である。
図11】本発明の第3実施形態の概略構造図である。
図12】本発明の第4実施形態の概略構造図である。
図13】従来技術の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~9を参照し、本発明によって提供される継手構造の第1実施形態が示される。継手構造は、継手本体1、管部材2、カバー部材3、及び2つのシール部材4を備える。
【0017】
継手本体1に、第1組付け端11及び第2組付け端12が設置され、第1組付け端11は円柱状であり、その外周面と端面に、それぞれ第1接続部111と第1組付け口13が設置され、本実施形態では、第1接続部111は雄ねじで構成され、第2組付け端12は、流体輸送装置7と組付けるための第2組付け口14を有し、第1組付け口13と第2組付け口14とは、貫通孔15によって接続され、図3に示すように、第1組付け口13は、底面131、内壁132、及び端面133を有し、内壁132に段縁134が環状設置され、貫通孔15は底面131と連通する。
【0018】
管部材2は、パイプが嵌合する嵌合端21を有し、嵌合端21の外周面にバーブ構造が設けられているため、パイプが嵌合後に管部材2から離脱しにくく、管部材2の嵌合端21に対する他端は挿入端22であり、挿入端22は柱状構造であり、外壁221と端面222を有し、外壁221にブロッキング部23が外向きに環状設置され、ブロッキング部23は、第1組付け口13に面する第1当接面231と、第1当接面231とは反対側の第2当接面232を有し、挿入端22は第1組付け口13に軸方向に挿入され、第1当接面231は段縁134に突き当てられ、それによって、管部材2は、第1組付け口13の軸方向に沿って第2組付け口14に向かって移動することができない。本実施形態では、ブロッキング部23と段縁134は両方とも環状であり、かつサイズが一致するため、管部材2は第1組付け口13内で軸方向に回転することができる。
【0019】
カバー部材3は、円蓋状であり、その端面に貫通孔31を有し、外周面に第2接続部32が設置され、カバー部材3は、第2接続部32によって第1接続部111に接続して第1組付け端13を覆う。本実施形態では、第2接続部32は、第1接続部111に対応する雌ねじであり、それによって、カバー部材3は第1組付け端11に螺合して設置され、第1組付け口13に挿入された管部材2は、その嵌合端21が貫通孔31を通ってカバー部材3の外側から突出し、貫通孔31の孔径はブロッキング部23の外径よりも小さく、貫通孔31の周縁に第2当接面232に突き当てられる受け面33が形成されることで、管部材2は第1組付け口13の軸方向に沿ってカバー部材3に向かって移動することができない。
【0020】
なお、図5に示すように、貫通孔31の孔径は嵌合端21の外径よりも大きく、嵌合端21の外周面と貫通孔31の孔壁とが直接接触しておらず、両者の間に間隔Dが形成されることで、カバー部材3を製造する際、貫通孔31を嵌合端21の外周面に密着させるように貫通孔31の孔径を正確に計算する必要がないため、加工プロセスの自由度が高くなり、製造精度の閾値が低下する。また、管部材2が第1組付け口13内で軸方向に回転するとき、嵌合端21の外周面が貫通孔31の内壁と摩擦することがないため、管部材2は、第1組付け口13の軸方向に対してよりスムーズに回転することができる。
【0021】
なお、図5に示すように、本実施形態では、ブロッキング部23の第2当接面232は、第1組付け口13の一端面133から突出しており、もちろん、他の実行可能な実施形態では、第2当接面232は、端面133と位置合わせされるように配置してもよく、または受け面は、第2当接面232が第1組付け口13の端面133に凹むように配置してもよく、受け面33が第2当接面232に当接する限り、カバー部材3は、管部材2のカバー部材3の方向への移動を規制することができる。
【0022】
シール部材4は、ここでは2つの弾性Oリングであり、継手本体1の第1組付け口13と管部材2との間に介在し、それによって、管部材2と継手本体1は密着して流体漏れのリスクを低減することができる。本第1実施形態では、挿入端22の外壁221に、少なくとも1つの環状溝223(本実施形態では2つ)が凹設され、2つのシール部材4は、それぞれ環状溝223に埋設され、シール部材4は、挿入端22の外壁221と第1組付け口13の内壁132との間に密着して介在することで、流体が継手構造を通過するときに漏れない。
【0023】
本発明の継手構造の第1実施形態では、流体輸送装置に適合するように、対応するプラグ部材5と弾性環状座6がさらに配置されている。以下、プラグ部材5と弾性環状座6の詳細な構造について説明する。
【0024】
図2~6を参照し、プラグ部材5は、貫通孔15から第2組付け口14の軸方向に向かって延在して設置され、プラグ部材5の貫通孔15内に配置された一端は、螺合部51を有し、貫通孔15の孔壁に、螺合部51が螺合する雌ねじが設けられ、プラグ部材5は、第1組付け口13と第2組付け口14とを連通する導流孔52を有し、導流孔52は、第2組付け口14の軸方向に延び、第1端521と第2端522を有し、第1端521は螺合部51の端面に設けられ、第2端522は、プラグ部材5の第2組付け口14に向かって延びる一端に設けられ、第2端522の出口の外側に、円錐シート形状の押当て部53が形成され、プラグ部材5の周縁に、環状凸部54が突設され、プラグ部材5と第2組付け口14の内壁との間に弾性環状座6が介在し、弾性環状座6の内側に環状段部61が凹設され、プラグ部材5は弾性環状座6に挿入され、環状凸部54は環状段部61に当接する。
【0025】
以上、本発明の継手構造の第1実施形態に係る継手構造について説明したが、以下では、継手構造と流体輸送装置7及びパイプ8とを実際に組み立てる場合の態様について説明する。
【0026】
図7~8を参照し、継手本体1の第2組付け口14に、流体輸送装置7が組付けられており、図8に示すように、流体輸送装置7の内部には、ニードル弁71が設けられ、ニードル弁71に弁ニードル72が挿入されている。弁ニードル72がプラグ部材5の押当て部53に当接すると、ニードル弁71の開口部が開き、流体がニードル弁71から第2組付け口14に流れることができ、パイプ8は管部材2の嵌合端21に嵌合し、嵌合端21の外周面のバーブ構造により、パイプ8が管部材2から離脱しにくくなっている。本実施形態では、固定部材81を管部材2とパイプ8に同時に嵌合してから、固定部材81の外周面から外力を加えて締め付けることで、さらにパイプ8が管部材2の嵌合端21から離脱しにくくなる。固定部材81に力を加える過程において、管部材2のブロッキング部23は、継手本体1の段縁134とカバー部材3の受け面33とで両側から同時に当て止めされているため、管部材2は継手本体1の軸方向に対して往復移動することができないが、継手本体1と管部材2は互いにスムーズに回転できる。
【0027】
図9を参照し、本発明の継手構造の変形例が示される。図9に示すように、継手本体1と組付ける対象は、任意の流体輸送装置7であってもよく、なお、継手構造に流体を入力及び出力する方向は交換可能であるため、空気注入筒のエアガンなどの他の実行可能な実施形態では、ガスはパイプ8から本発明の継手構造に入力され、第1組付け口13から貫通孔15を通って第2組付け口14に流れ、最後に第2組付け口14からエアガンに流入する(図2、3に示す第1組付け口13、貫通孔15、第2組付け口14)。
【0028】
本発明の継手構造の第1実施形態により、管部材2は、継手本体1の第1組付け口13に軸方向に挿入され、第1組付け口13内で軸方向に回転でき、その結果、管部材2は、パイプ8の方向を調整して、パイプ8のもつれや結び目を回避する効果がある。また、管部材2のブロッキング部23は継手本体1の段縁134とカバー部材3の受け面33との間に介在することにより、本発明の継手構造は、管部材2が軸方向に回転できる効果を保ちつつ、管部材2は第1組付け口13の軸方向に対して往復移動できないようにすることで、管部材2を軸方向に回転させる過程で、管部材2が第1組付け口13の方向に向かって移動することで、継手本体1と管部材2との間に隙間が生じ、流体の漏れが発生するおそれがない。同様に、固定部材81がパイプ8に嵌合されて締め付けられるときも、パイプ2が誤って押されて第1組付け口13の方向に向かって移動するおそれがない。
【0029】
なお、本発明の第1当接面231が継手本体1の内周に突き当てられることは、管部材2の嵌合端21の上面が継手本体1の内周によってブロックされることを意味する(図3、4、8、10、11、12に示すように)。第1実施形態では、前記第1当接面231は、ブロッキング部23の上面に設けられ、段縁134に当接するが、実際には、前記第1当接面231が継手本体1の内周によってブロックされることができれば、カバー部材3と協働して管部材2を継手本体1とカバー部材3との間に挟み込むことができることを理解されたい。従って、前記第1当接面231は、挿入端22上の任意の位置(例えば、本実施形態の図5に示すブロッキング部23の上面、または図4に示す端面222、または図11、12に示す凸壁16に当接する端面222)であってもよく、継手本体1の内周のストッパ(例えば、図4に示す底面131、または図11、12に示す凸壁16、または図5に示す段縁134)と協働してもよく、その両方とすることができる。
【0030】
図10を参照し、本発明の継手構造の第2実施形態が示され、説明の便宜上、類似または同一の構造を有する要素には、本発明の第1実施形態を参照して番号が付けられている。本発明の第2実施形態の構造は、第1実施形態とほぼ同様であるが、第1実施形態との違いは、シール部材4を設置するための環状溝223が、第1組付け口13の内壁132に配置されていることである。図10に示すように、挿入端22の外壁221は滑らかな円弧面であり、これにより、管部材2の製造がより容易になる。本発明の継手構造の第2実施形態では、管部材2は、第1組付け口13に軸方向に挿入され、第1組付け口13の軸方向に対して回転できるため、管部材2は、方向を調整する効果があり、一方、管部材2は第2組付け口14の軸方向に往復移動することができず、管部材2と継手本体1とは互いにスムーズに回転することができる。
【0031】
最後に、図11を参照し、本発明の継手構造の第3実施形態が示され、前述の第1実施形態との違いは、第2組付け端12の外周面に、異なる流体輸送装置7を螺合するための雄ねじ構造が設けられていることである。本実施形態では、管部材2は継手本体1の第1組付け口13に軸方向に挿入され、管部材2にはブロッキング部23も外向きに環状設置され、ブロッキング部23が継手本体1の段縁134及びカバー部材3の受け面33によってブロックされるため、管部材2は、第1組付け口13の軸方向に対して回転できるが、軸方向に移動することができないため、本発明の第3実施形態も、前述の第1実施形態と同様の効果を有する。
【0032】
図12を参照し、本発明の継手構造の第4実施形態が示され、前述の第3実施形態との違いは、環状溝223及びシール部材4が第1組付け口13の内壁132に設置されていることである。
【0033】
上記の実施形態の開示は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではなく、同等の要素の置換は、本発明の範囲内のものである。
【0034】
上記のように、当業者は、本発明が上記目的を達成できることを理解することができ、特許法の規定に適合しているため、法に則って出願する。
【符号の説明】
【0035】
継手本体1
第1組付け端11
第1接続部111
第2組付け端12
第1組付け口13
底面131
内壁132
端面133
段縁134
第2組付け口14
貫通孔15
凸壁16
管部材2
嵌合端21
挿入端22
外壁221
端面222
環状溝223
ブロッキング部23
第1当接面231
第2当接面232
カバー部材3
貫通孔31
第2接続部32
受け面33
シール部材4
プラグ部材5
螺合部51
導流孔52
第1端521
第2端522
押当て部53
環状凸部54
弾性環状座6
環状段部61
流体輸送装置7
ニードル弁71
弁ニードル72
パイプ8
固定部材81
継手本体91
第1組付け口911
第2組付け口912
貫通孔913
段縁914
管部材92
突縁921
流体輸送装置93
パイプ94
シール部材95
固定部材96
間隔D
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体輸送装置に接続するための継手構造であって、
継手本体と、管部材と、少なくとも1つのシール部材と、カバー部材とを備え、
前記継手本体に第1組付け端及び第2組付け端が設置され、前記第1組付け端は第1組付け口を有し、前記第2組付け端は第2組付け口を有し、前記第1組付け口と前記第2組付け口とは第1貫通孔によって接続され、前記第1組付け口は内壁を有し、前記第1組付け端の外周面に第1接続部が設置され、前記第2組付け口は流体輸送装置と組付けるために使用され、
前記管部材は嵌合端と挿入端を有し、前記挿入端は、前記第1組付け口に軸方向に挿入され、第1当接面と外壁を有し、第1当接面は継手本体の内周に突き当てられ、前記外壁に、第2当接面を有するブロッキング部が外向きに環状設置され、
前記少なくとも1つのシール部材は、前記内壁と前記外壁との間に設けられ、
前記カバー部材に第2接続部と第2貫通孔が設けられ、前記カバー部材は、前記第2接続部によって前記第1接続部に接続して前記第1組付け端を覆い、前記管部材の前記嵌合端は前記第2貫通孔から外側に突出し、前記第2貫通孔の孔径は前記ブロッキング部の外径よりも小さく、前記第2貫通孔の周縁に、前記第2当接面に突き当てられる受け面が形成されることで、前記管部材は前記第1組付け口の軸方向に沿って往復移動することができ
前記第1貫通孔に、前記第2組付け口に向かって延びるプラグ部材が設置され、前記プラグ部材は、前記第1組付け口と前記第2組付け口とを連通する導流孔を有し、前記プラグ部材と前記第2組付け口の内壁との間に弾性環状座が介在し、
前記プラグ部材の前記第2組付け口に向かって延びる一端に、円錐シート形状の押当て部が形成され、前記プラグ部材の前記押当て部に対する他端に、螺合部が形成され、前記第1貫通孔の孔壁に、前記螺合部が螺合する雌ねじが設けられる、継手構造。
【請求項2】
前記管部材の前記外壁に環状溝が凹設され、前記シール部材は前記環状溝に埋設される、請求項1に記載の継手構造。
【請求項3】
前記第1組付け口の前記内壁に環状溝が凹設され、前記シール部材は前記環状溝に埋設される、請求項1に記載の継手構造。
【請求項4】
前記第2貫通孔の孔径は前記嵌合端の外径よりも大きく、前記嵌合端の外周面と前記第2貫通孔の孔壁との間に間隔が形成される、請求項1に記載の継手構造。
【請求項5】
前記第1組付け口は底面を有し、前記第1貫通孔は前記底面と連通する、請求項1に記載の継手構造。
【請求項6】
前記プラグ部材に環状凸部が突設され、前記弾性環状座の内側に環状段部が凹設され、前記プラグ部材は前記弾性環状座に挿入され、前記環状凸部は前記環状段部に当接する、請求項に記載の継手構造。
【請求項7】
前記内壁に段縁が環状設置され、前記ブロッキング部は、前記第1組付け口に面する第1当接面と、前記第1当接面とは反対側の第2当接面とを有し、前記第1当接面は前記段縁に突き当てられる、請求項1に記載の継手構造。
【請求項8】
前記段縁と前記ブロッキング部は、円環状であり、かつ形状及びサイズが一致する、請求項に記載の継手構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を輸送するための継手構造に関し、特に、継手本体が管部材に対してスムーズに回転でき、継手本体または管部材の緩みを防ぎ、継手本体に挿入された管部材が継手本体の軸方向に対して往復移動できないようにする、継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術の継手構造は、管部材と結合するための短芯、ねじスリーブ、及び前記ねじスリーブに収容された漏れ防止ガスケットを備え、前記ねじスリーブの一端に機器と接続可能なねじ山部が設けられ、他端には内側に突出した突縁が設けられ、前記短芯は前記ねじスリーブ内に設けられ、前記突縁に当接して位置決めされる。上記従来の継手を実際に使用する際は、まず管部材を短芯に結合し、管部材の材質や短芯の外周にあるバーブ(barb)などにより、管部材が短芯にしっかりと結合し、一体に固定された状態と見なすことができる。次に、ねじ山部によってねじスリーブを機器の継ぎ口に螺合し、ねじスリーブが継ぎ口にねじ込まれ続けると、突縁が短芯を押して継ぎ口に向かって移動させ、漏れ防止ガスケットを継ぎ口に接触するまで押し込み、このとき、ねじスリーブを締め付けて、漏れ防止ガスケットを継ぎ口に当接させることで、管部材と機器の接続が完了する。作業中に管部材がよじれたり、ねじれたりすることが多く、管部材が短芯に締め付けられているため、ねじり力は短芯に伝達される。しかし、短芯と漏れ防止ガスケットは、ねじスリーブによって継ぎ口に締め付けられているため、極めて大きな摩擦力が発生し回転できない。一方、ねじスリーブは突縁によって短芯にしっかりと当接するため、短芯と締結状態を形成し、ねじり力もねじスリーブに伝達され、ねじスリーブが継ぎ口に対して回転する現象が発生し、その結果、管部材が緩んで漏れが発生する。
【0003】
他の従来技術では、冷媒などの流体を輸送する装置またはパイプの間は、特殊な継手で接続する必要がある。継手に流体が流れる貫通孔があり、流体は継手の貫通孔を通って流れることができる。図13を参照し、従来技術の継手構造は、継手本体91と管部材92を備え、継手本体91は第1組付け口911、第2組付け口912、及び第1組付け口911と第2組付け口912とを連通する貫通孔913を有し、第1組付け口911に、管部材92が軸方向に挿入され、第2組付け口912には、流体を入力または出力するための流体輸送装置93が組付けられている。管部材92は、通路を有する管状構造であり、第1組付け口911を通って継手本体91の内側から突出し、継手本体91の外側に突出した管部材92に、パイプ94が嵌合されており、継手本体91と管部材92との間に、弾性シール部材95が設置されることで、継手本体91と管部材92とを密着させることができる。
【0004】
図13に示すように、管部材92は、第1組付け口911に軸方向に挿入され、第1組付け口911に対して軸方向に回転でき、これにより、管部材92に嵌合されたパイプ94の方向を調整して、もつれや結び目を回避する。管部材92の外壁に突縁921が環状設置され、第1組付け口911に、突縁921に対応する段縁914が環状設置され、突縁921が段縁914の一側に突き当てられると、管部材92は第1組付け口911の軸方向に沿って外側に移動し続けることができない。
【0005】
ただし、管部材92は第1組付け口911の軸方向に対して外側に移動することができないが、軸方向内側への移動は制限されていないため、管部材92を軸方向に回転させる過程で、管部材92が継手本体91の方向に向かって移動することで、継手本体91と管部材92との間に隙間が生じ、液漏れやガス漏れが発生する可能性がある。また、パイプ94は弾性材料で製造されることが多いため、通常より硬い金属材料で固定部材96を製造し、固定部材96によって管部材92とパイプ94を同時に覆い、両者を締め付けて、管部材92とそれに嵌合されたパイプ94とをより強固に接続することができるが、締め付けの過程で、誤って管部材92を押し込みやすく、管部材92が第1組付け口911の方向に向かって移動し、隙間が生じる原因にもなるため、改善の余地がある。
【0006】
そこで、上記の問題をいかに改善するかが、本発明が解決しようとする主たる課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、管部材が継手本体の組付け口に軸方向に挿入され、管部材の他端にカバー部材が嵌合され、カバー部材によって管部材が組付け口に固定され、継手本体が管部材に対してスムーズに回転でき、継手本体または管部材の緩みを防ぐことに加えて、管部材が継手本体の軸方向に対して往復移動できないことで、管部材は継手本体によりしっかりと挿入することができる、継手構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、流体輸送装置に接続するための継手構造であって、継手構造が、継手本体と、管部材と、少なくとも1つのシール部材と、カバー部材とを備え、継手本体に第1組付け端及び第2組付け端が設置され、第1組付け端が第1組付け口を有し、第2組付け端が第2組付け口を有し、第1組付け口と第2組付け口とが第1貫通孔によって接続され、第1組付け口が内壁を有し、第1組付け端の外周面に第1接続部が設置され、第2組付け口が流体輸送装置と組付けるために使用され、管部材が嵌合端と挿入端を有し、挿入端が、第1組付け口に軸方向に挿入され、第1当接面と外壁を有し、第1当接面が継手本体の内周に突き当てられ、外壁に、第2当接面を有するブロッキング部が外向きに環状設置され、少なくとも1つのシール部材が、内壁と外壁との間に設けられ、カバー部材に第2接続部と第2貫通孔が設けられ、カバー部材が、第2接続部によって第1接続部に接続して第1組付け端を覆い、管部材の嵌合端が第2貫通孔から外側に突出し、第2貫通孔の孔径がブロッキング部の外径よりも小さく、第2貫通孔の周縁に、第2当接面に突き当てられる受け面が形成されることで、管部材が第1組付け口の軸方向に沿って往復移動することができない、継手構造を提供する。
【0009】
好ましくは、管部材の外壁に環状溝が凹設され、シール部材は環状溝に埋設される。
【0010】
好ましくは、第1組付け口の内壁に環状溝が凹設され、シール部材は前記環状溝に埋設される。
【0011】
好ましくは、第2貫通孔の孔径は嵌合端の外径よりも大きく、嵌合端の外周面と第2貫通孔の孔壁との間に間隔が形成される。
【0012】
好ましくは、第1貫通孔に、第2組付け口に向かって延びるプラグ部材が設置され、プラグ部材は、第1組付け口と第2組付け口とを連通する導流孔を有し、プラグ部材と第2組付け口の内壁との間に弾性環状座が介在し、プラグ部材の第2組付け口に向かって延びる一端に、円錐シート形状の押当て部が形成され、プラグ部材の押当て部に対する他端に、螺合部が形成され、第1貫通孔の孔壁に、螺合部が螺合する雌ねじが設けられ、プラグ部材に環状凸部が突設され、弾性環状座の内側に環状段部が凹設され、プラグ部材は弾性環状座に挿入され、環状凸部は環状段部に当接する。
【0013】
好ましくは、内壁に段縁が環状設置され、ブロッキング部は、第1組付け口に面する第1当接面と、第1当接面とは反対側の第2当接面とを有し、第1当接面は段縁に突き当てられ、段縁とブロッキング部は、円環状であり、かつ形状及びサイズが一致する。
【0014】
本発明の上記目的及び利点について、以下の選択された実施形態の詳細な説明及び添付の図面から深い理解を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態の分解図である。
図3】本発明の第1実施形態の概略構造図である。
図4】本発明の第1実施形態の部分拡大図である。
図5】本発明の第1実施形態の部分拡大図である。
図6】本発明の第1実施形態のプラグ部材と弾性環状座の概略図である。
図7】本発明の組立概略図である。
図8】本発明の組立構造概略図である。
図9】本発明の組立態様の変形例である。
図10】本発明の第2実施形態の概略構造図である。
図11】本発明の第3実施形態の概略構造図である。
図12】本発明の第4実施形態の概略構造図である。
図13】従来技術の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~9を参照し、本発明によって提供される継手構造の第1実施形態が示される。継手構造は、継手本体1、管部材2、カバー部材3、及び2つのシール部材4を備える。
【0017】
継手本体1に、第1組付け端11及び第2組付け端12が設置され、第1組付け端11は円柱状であり、その外周面と端面に、それぞれ第1接続部111と第1組付け口13が設置され、本実施形態では、第1接続部111は雄ねじで構成され、第2組付け端12は、流体輸送装置7と組付けるための第2組付け口14を有し、第1組付け口13と第2組付け口14とは、第1貫通孔15によって接続され、図3に示すように、第1組付け口13は、底面131、内壁132、及び端面133を有し、内壁132に段縁134が環状設置され、第1貫通孔15は底面131と連通する。
【0018】
管部材2は、パイプが嵌合する嵌合端21を有し、嵌合端21の外周面にバーブ構造が設けられているため、パイプが嵌合後に管部材2から離脱しにくく、管部材2の嵌合端21に対する他端は挿入端22であり、挿入端22は柱状構造であり、外壁221と端面222を有し、外壁221にブロッキング部23が外向きに環状設置され、ブロッキング部23は、第1組付け口13に面する第1当接面231と、第1当接面231とは反対側の第2当接面232を有し、挿入端22は第1組付け口13に軸方向に挿入され、第1当接面231は段縁134に突き当てられ、それによって、管部材2は、第1組付け口13の軸方向に沿って第2組付け口14に向かって移動することができない。本実施形態では、ブロッキング部23と段縁134は両方とも環状であり、かつサイズが一致するため、管部材2は第1組付け口13内で軸方向に回転することができる。
【0019】
カバー部材3は、円蓋状であり、その端面に第2貫通孔31を有し、外周面に第2接続部32が設置され、カバー部材3は、第2接続部32によって第1接続部111に接続して第1組付け端13を覆う。本実施形態では、第2接続部32は、第1接続部111に対応する雌ねじであり、それによって、カバー部材3は第1組付け端11に螺合して設置され、第1組付け口13に挿入された管部材2は、その嵌合端21が第2貫通孔31を通ってカバー部材3の外側から突出し、第2貫通孔31の孔径はブロッキング部23の外径よりも小さく、第2貫通孔31の周縁に第2当接面232に突き当てられる受け面33が形成されることで、管部材2は第1組付け口13の軸方向に沿ってカバー部材3に向かって移動することができない。
【0020】
なお、図5に示すように、第2貫通孔31の孔径は嵌合端21の外径よりも大きく、嵌合端21の外周面と第2貫通孔31の孔壁とが直接接触しておらず、両者の間に間隔Dが形成されることで、カバー部材3を製造する際、第2貫通孔31を嵌合端21の外周面に密着させるように第2貫通孔31の孔径を正確に計算する必要がないため、加工プロセスの自由度が高くなり、製造精度の閾値が低下する。また、管部材2が第1組付け口13内で軸方向に回転するとき、嵌合端21の外周面が第2貫通孔31の内壁と摩擦することがないため、管部材2は、第1組付け口13の軸方向に対してよりスムーズに回転することができる。
【0021】
なお、図5に示すように、本実施形態では、ブロッキング部23の第2当接面232は、第1組付け口13の一端面133から突出しており、もちろん、他の実行可能な実施形態では、第2当接面232は、端面133と位置合わせされるように配置してもよく、または受け面は、第2当接面232が第1組付け口13の端面133に凹むように配置してもよく、受け面33が第2当接面232に当接する限り、カバー部材3は、管部材2のカバー部材3の方向への移動を規制することができる。
【0022】
シール部材4は、ここでは2つの弾性Oリングであり、継手本体1の第1組付け口13と管部材2との間に介在し、それによって、管部材2と継手本体1は密着して流体漏れのリスクを低減することができる。本第1実施形態では、挿入端22の外壁221に、少なくとも1つの環状溝223(本実施形態では2つ)が凹設され、2つのシール部材4は、それぞれ環状溝223に埋設され、シール部材4は、挿入端22の外壁221と第1組付け口13の内壁132との間に密着して介在することで、流体が継手構造を通過するときに漏れない。
【0023】
本発明の継手構造の第1実施形態では、流体輸送装置に適合するように、対応するプラグ部材5と弾性環状座6がさらに配置されている。以下、プラグ部材5と弾性環状座6の詳細な構造について説明する。
【0024】
図2~6を参照し、プラグ部材5は、第1貫通孔15から第2組付け口14の軸方向に向かって延在して設置され、プラグ部材5の第1貫通孔15内に配置された一端は、螺合部51を有し、第1貫通孔15の孔壁に、螺合部51が螺合する雌ねじが設けられ、プラグ部材5は、第1組付け口13と第2組付け口14とを連通する導流孔52を有し、導流孔52は、第2組付け口14の軸方向に延び、第1端521と第2端522を有し、第1端521は螺合部51の端面に設けられ、第2端522は、プラグ部材5の第2組付け口14に向かって延びる一端に設けられ、第2端522の出口の外側に、円錐シート形状の押当て部53が形成され、プラグ部材5の周縁に、環状凸部54が突設され、プラグ部材5と第2組付け口14の内壁との間に弾性環状座6が介在し、弾性環状座6の内側に環状段部61が凹設され、プラグ部材5は弾性環状座6に挿入され、環状凸部54は環状段部61に当接する。
【0025】
以上、本発明の継手構造の第1実施形態に係る継手構造について説明したが、以下では、継手構造と流体輸送装置7及びパイプ8とを実際に組み立てる場合の態様について説明する。
【0026】
図7~8を参照し、継手本体1の第2組付け口14に、流体輸送装置7が組付けられており、図8に示すように、流体輸送装置7の内部には、ニードル弁71が設けられ、ニードル弁71に弁ニードル72が挿入されている。弁ニードル72がプラグ部材5の押当て部53に当接すると、ニードル弁71の開口部が開き、流体がニードル弁71から第2組付け口14に流れることができ、パイプ8は管部材2の嵌合端21に嵌合し、嵌合端21の外周面のバーブ構造により、パイプ8が管部材2から離脱しにくくなっている。本実施形態では、固定部材81を管部材2とパイプ8に同時に嵌合してから、固定部材81の外周面から外力を加えて締め付けることで、さらにパイプ8が管部材2の嵌合端21から離脱しにくくなる。固定部材81に力を加える過程において、管部材2のブロッキング部23は、継手本体1の段縁134とカバー部材3の受け面33とで両側から同時に当て止めされているため、管部材2は継手本体1の軸方向に対して往復移動することができないが、継手本体1と管部材2は互いにスムーズに回転できる。
【0027】
図9を参照し、本発明の継手構造の変形例が示される。図9に示すように、継手本体1と組付ける対象は、任意の流体輸送装置7であってもよく、なお、継手構造に流体を入力及び出力する方向は交換可能であるため、空気注入筒のエアガンなどの他の実行可能な実施形態では、ガスはパイプ8から本発明の継手構造に入力され、第1組付け口13から第1貫通孔15を通って第2組付け口14に流れ、最後に第2組付け口14からエアガンに流入する(図2、3に示す第1組付け口13、第1貫通孔15、第2組付け口14)。
【0028】
本発明の継手構造の第1実施形態により、管部材2は、継手本体1の第1組付け口13に軸方向に挿入され、第1組付け口13内で軸方向に回転でき、その結果、管部材2は、パイプ8の方向を調整して、パイプ8のもつれや結び目を回避する効果がある。また、管部材2のブロッキング部23は継手本体1の段縁134とカバー部材3の受け面33との間に介在することにより、本発明の継手構造は、管部材2が軸方向に回転できる効果を保ちつつ、管部材2は第1組付け口13の軸方向に対して往復移動できないようにすることで、管部材2を軸方向に回転させる過程で、管部材2が第1組付け口13の方向に向かって移動することで、継手本体1と管部材2との間に隙間が生じ、流体の漏れが発生するおそれがない。同様に、固定部材81がパイプ8に嵌合されて締め付けられるときも、パイプ2が誤って押されて第1組付け口13の方向に向かって移動するおそれがない。
【0029】
なお、本発明の第1当接面231が継手本体1の内周に突き当てられることは、管部材2の嵌合端21の上面が継手本体1の内周によってブロックされることを意味する(図3、4、8、10、11、12に示すように)。第1実施形態では、前記第1当接面231は、ブロッキング部23の上面に設けられ、段縁134に当接するが、実際には、前記第1当接面231が継手本体1の内周によってブロックされることができれば、カバー部材3と協働して管部材2を継手本体1とカバー部材3との間に挟み込むことができることを理解されたい。従って、前記第1当接面231は、挿入端22上の任意の位置(例えば、本実施形態の図5に示すブロッキング部23の上面、または図4に示す端面222、または図11、12に示す凸壁16に当接する端面222)であってもよく、継手本体1の内周のストッパ(例えば、図4に示す底面131、または図11、12に示す凸壁16、または図5に示す段縁134)と協働してもよく、その両方とすることができる。
【0030】
図10を参照し、本発明の継手構造の第2実施形態が示され、説明の便宜上、類似または同一の構造を有する要素には、本発明の第1実施形態を参照して番号が付けられている。本発明の第2実施形態の構造は、第1実施形態とほぼ同様であるが、第1実施形態との違いは、シール部材4を設置するための環状溝223が、第1組付け口13の内壁132に配置されていることである。図10に示すように、挿入端22の外壁221は滑らかな円弧面であり、これにより、管部材2の製造がより容易になる。本発明の継手構造の第2実施形態では、管部材2は、第1組付け口13に軸方向に挿入され、第1組付け口13の軸方向に対して回転できるため、管部材2は、方向を調整する効果があり、一方、管部材2は第2組付け口14の軸方向に往復移動することができず、管部材2と継手本体1とは互いにスムーズに回転することができる。
【0031】
最後に、図11を参照し、本発明の継手構造の第3実施形態が示され、前述の第1実施形態との違いは、第2組付け端12の外周面に、異なる流体輸送装置7を螺合するための雄ねじ構造が設けられていることである。本実施形態では、管部材2は継手本体1の第1組付け口13に軸方向に挿入され、管部材2にはブロッキング部23も外向きに環状設置され、ブロッキング部23が継手本体1の段縁134及びカバー部材3の受け面33によってブロックされるため、管部材2は、第1組付け口13の軸方向に対して回転できるが、軸方向に移動することができないため、本発明の第3実施形態も、前述の第1実施形態と同様の効果を有する。
【0032】
図12を参照し、本発明の継手構造の第4実施形態が示され、前述の第3実施形態との違いは、環状溝223及びシール部材4が第1組付け口13の内壁132に設置されていることである。
【0033】
上記の実施形態の開示は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではなく、同等の要素の置換は、本発明の範囲内のものである。
【0034】
上記のように、当業者は、本発明が上記目的を達成できることを理解することができ、特許法の規定に適合しているため、法に則って出願する。
【符号の説明】
【0035】
継手本体1
第1組付け端11
第1接続部111
第2組付け端12
第1組付け口13
底面131
内壁132
端面133
段縁134
第2組付け口14
第1貫通孔15
凸壁16
管部材2
嵌合端21
挿入端22
外壁221
端面222
環状溝223
ブロッキング部23
第1当接面231
第2当接面232
カバー部材3
第2貫通孔31
第2接続部32
受け面33
シール部材4
プラグ部材5
螺合部51
導流孔52
第1端521
第2端522
押当て部53
環状凸部54
弾性環状座6
環状段部61
流体輸送装置7
ニードル弁71
弁ニードル72
パイプ8
固定部材81
継手本体91
第1組付け口911
第2組付け口912
貫通孔913
段縁914
管部材92
突縁921
流体輸送装置93
パイプ94
シール部材95
固定部材96
間隔D