(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124276
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】光輝性固形粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20240905BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240905BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20240905BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20240905BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20240905BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20240905BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/25
A61K8/26
A61K8/891
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032323
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福本 悠貴
(72)【発明者】
【氏名】多田 文子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB151
4C083AB152
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB361
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC662
4C083AC792
4C083AC852
4C083AC862
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD492
4C083BB25
4C083BB26
4C083CC11
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF05
4C083FF06
(57)【要約】
【課題】指で塗布しても小道具で塗布しても光輝性が高く、滑らかにのび、粉っぽさがなく、密着感等の官能特性に優れ、かつ耐衝撃性に優れた光輝性固形粉末化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(a)~(c)を含有する光輝性固形粉末化粧料。
(a)平均粒子径40μm~350μmの光輝性粉末 10~80質量%
(b)平均粒子径5μm~8μmの板状粉体 5~50質量%
(c)油性成分 10~30質量%
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)~(c)を含有する光輝性固形粉末化粧料。
(a)平均粒子径40μm~350μmの光輝性粉末 10~80質量%
(b)平均粒子径5μm~8μmの板状粉体 5~50質量%
(c)油性成分 10~30質量%
【請求項2】
前記成分(a)が、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆アルミナ、酸化チタン被覆マイカから選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の光輝性固形粉末化粧料。
【請求項3】
前記成分(b)が、タルク、マイカ、セリサイト、合成金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の光輝性固形粉末化粧料。
【請求項4】
前記成分(c)が、液状のシリコーン油を含有する請求項1又は2記載の光輝性固形粉末化粧料。
【請求項5】
前記成分(c)が、液状のシリコーン油を含有する請求項3記載の光輝性固形粉末化粧料。
【請求項6】
前記成分(a)~(c)を含有し、前記成分(a)~(c)及び水添ポリイソブテン、イソドデカン、エタノール、水から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から溶媒を除去する工程(2)を有する製造方法により製造されたことを特徴とする請求項1記載の光輝性固形粉末化粧料。
【請求項7】
次の成分(a)~(c)を含有し、前記成分(a)~(c)及び水添ポリイソブテン、イソドデカン、エタノール、水から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から溶媒を除去する工程(2)を有することを特徴とする光輝性固形粉末化粧料の製造方法。
(a)平均粒子径40μm~350μmの光輝性粉末 10~80質量%
(b)平均粒子径5μm~8μmの板状粉体 5~50質量%
(c)油性成分 10~30質量%
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光輝性が高く、滑らかにのび、粉っぽさがなく、密着感等の官能特性に優れ、かつ耐衝撃性に優れた光輝性固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
固形粉末化粧料は、携帯性、化粧方法の簡便性等に優れているため、多くの顧客から支持を受けている。特にマイカや薄片状ガラス粉末に二酸化チタンなどを被覆した光輝性粉末を多量に配合した固形粉末化粧料は、光輝性粉末の干渉反射光による華やかな光沢感を有しているため、顧客からのニーズが高まっている。光輝性粉末は嵩比重が高いため、光輝性粉末を多量に配合した固形粉末化粧料は空気を逃がしにくく耐衝撃性が低下する。そのため、耐衝撃性を改善することを目的に、特定の金属石鹸を配合する技術(特許文献1)、特定の油性成分を配合する技術(特許文献2)、特定の金属石鹸を配合し、特定の揮発性溶媒を用いて湿式製法により充填する技術(特許文献3)等が知られている。
【0003】
しかしながら、上記の方法では耐衝撃性を向上することはできるが、粉体の凝集性が強くなるため、化粧料の使用時におけるのびの滑らかさが低下し、薄片状の光輝性粉末が効果的に肌にのび広がらず、ムラ付きし、光輝性が損なわれる。
【0004】
光輝性固形粉末化粧料の耐衝撃性と光輝性を兼ね備える技術として、特許文献4では所定の判定基準を満たしたタルクを配合する技術が開示されているが、試験方法が特殊であるため、当業者が再現するのは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5733921号公報
【特許文献2】特許第5022140号公報
【特許文献3】特許第5688206号公報
【特許文献4】特開2004-238366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、指で塗布しても小道具で塗布しても光輝性が高く、滑らかにのび、粉っぽさがなく、密着感等の官能特性に優れ、かつ耐衝撃性に優れた光輝性固形粉末化粧料の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、光輝性粉末を含有する固形粉末化粧料において、平均粒子径が5μm~8μmの板状粉体と油性成分を含有させることで、平均粒子径が8μm超の板状粉体と油性成分を含有させた場合と比較し、外観の光輝性が高く、指で塗布してもチップ等の小道具で塗布しても、滑らかにのび、粉飛びせずに肌なじみがよく、かつ密着感があり、塗布時の光輝性及び耐衝撃性にも優れることを見出した。
【0008】
本発明は、次の成分(a)~(c)を含有する光輝性固形粉末化粧料である。
(a)平均粒子径40μm~350μmの光輝性粉末 10~80質量%
(b)平均粒子径5μm~8μmの板状粉体 5~50質量%
(c)油性成分 10~30質量%
【0009】
前記成分(a)は、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆アルミナ、酸化チタン被覆マイカであることが好ましい。
【0010】
前記成分(b)は、タルク、マイカ、セリサイト、合成金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウムであることが好ましい。
【0011】
前記成分(c)は、液状のシリコーン油を含有することが好ましい。
【0012】
本発明は、前記成分(a)~(c)を含有し、前記成分(a)~(c)及び水添ポリイソブテン、イソドデカン、エタノール、水から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から溶媒を除去する工程(2)を有する製造方法により製造された光輝性固形粉末化粧料であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記成分(a)~(c)を含有し、前記成分(a)~(c)及び水添ポリイソブテン、イソドデカン、エタノール、水から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から溶媒を除去する工程(2)を有することを特徴とする光輝性固形粉末化粧料の製造方法でもある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光輝性固形粉末化粧料は、外観の光輝性が高く、指で塗布しても小道具で塗布しても、肌に滑らかにのび、粉っぽさがなく、粉飛びせずに肌になじみ、密着感等の官能特性に優れ、かつ耐衝撃性も兼ね備えるものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
本発明における成分(a)平均粒子径40μm~350μmの光輝性粉末は、特に限定されず、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆アルミナ、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆タルク、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄/酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄/酸化チタン被覆ガラス末等の化粧品において汎用される材料を使用することができる。これらのうち、酸化チタン被覆ガラス末又は酸化チタン被覆合成金雲母が光輝性及び透明感が高いため好ましい。酸化チタン被覆ガラス末としては、メタシャインMT1040RR(平均粒子径40μm)メタシャインMT1080RS(平均粒子径80μm)、メタシャインMT1120RY(平均粒子径120μm)、メタシャインMT1150RS(平均粒子径150μm)(以上、日本板硝子社製)、酸化チタン被覆合成金雲母としては、Helios R100S(平均粒子径100μm)、Helios R300R(平均粒子径210μm)(以上、トピー工業社製)等が市販されている。
【0016】
成分(a)光輝性粉末の平均粒子径は、40μm~350μmである。好ましくは60μm~250μmであり、さらに好ましくは80μm~200μmである。平均粒子径が40μm未満であると、化粧料の使用時における取れが悪く、光輝性粉末のキラキラ感が不足する。平均粒子径が350μmを超えると、粉飛びが発生し、使用性が悪くなる。
本発明の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡の写真上に無作為に引いた直線上にある粒子20個の最大径を平均して得られた粒子の粒子径である。
【0017】
成分(a)光輝性粉末の配合量は、10~80質量%である。好ましくは15~60質量%、さらに好ましくは20~50質量%である。10質量%未満であると、化粧料の使用時における取れが悪く、光輝性粉末のキラキラ感が不足する傾向がある。80質量%を超えると、粉飛びが発生し、密着感が悪くなり、耐衝撃性も損なわれる傾向がある。
【0018】
成分(a)光輝性粉末は、官能特性の向上、化粧持続性の向上のため、一部又は全部をシリコーン類、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて公知の方法で疎水化処理して使用してもよい。
【0019】
本発明における成分(b)平均粒子径5μm~8μmの板状粉体は、特に限定されず、タルク、マイカ、セリサイト、合成金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウム、カオリン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、セルロース等の化粧品において汎用される材料を使用することができる。これらのうち、タルク、マイカ、セリサイト、合成金雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウムが肌への密着感、滑沢性が高いため好ましい。タルクとしては、タルクJA-13R(平均粒子径6μm)(浅田製粉社製)、マイカとしては、SA―マイカM―102(平均粒子径7μm)(三好化成社製)、合成金雲母としては、PDM―5L(平均粒子径7μm)(トピー工業社製)、窒化ホウ素としてはSHP-3(平均粒子径7μm)(水島合金鉄社製)、硫酸バリウムとしては、板状硫酸バリウムH(平均粒子径7μm)(堺化学工業社製)等が市販されている。
【0020】
成分(b)板状粉体の平均粒子径は、5μm~8μmである。平均粒子径が5μm未満であると、化粧料の使用時の取れが悪く、滑らかにのびず、化粧料の使用性が悪くなる。平均粒子径が8μmを超えると、化粧料の使用時に粉飛びが発生し、密着感に欠け、光輝性粉末のキラキラ感が発揮されない。
【0021】
成分(b)板状粉体の配合量は、5~50質量%である。好ましくは7~40質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。5質量%未満であると、化粧料の使用時に粉飛びが発生し、密着感に欠け、光輝性粉末のキラキラ感が発揮されない傾向がある。特に小道具を使用した際に肌への密着感が著しく低下する。50質量%を超えると、化粧料の使用時における取れが悪く、滑らかにのびず、光輝性粉末のキラキラ感が発揮されない傾向がある。
【0022】
成分(b)板状粉体は、官能特性の向上、化粧持続性の向上のため、一部又は全部をシリコーン類、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて公知の方法で疎水化処理して使用してもよい。
【0023】
本発明における成分(c)油性成分は、特に限定されず、シリコーン油類、エステル油類、炭化水素類、高級アルコール類、油脂類、ロウ類、硬化油類、脂肪酸類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。特に液状のシリコーン油を配合すると、化粧料の使用時におけるのびが滑らかになり、指で使用しても小道具で使用しても肌に化粧料が滑らかに配向するため、光輝性粉末のキラキラ感が効果的に発揮される。
【0024】
成分(c)油性成分の配合量は、10~30質量%である。好ましくは、15~25質量%である。10質量%未満であると、化粧料の取れが多くなり、粉飛びが発生し、密着感に欠け、光輝性粉末のキラキラ感が発揮されず、耐衝撃性も著しく低下する傾向にある。30質量%を超えると、化粧料の取れが悪くケーキングを起こし、化粧仕上がりが著しく悪化する傾向にある。
【0025】
また、成分(c)油性成分のうち、20~50質量%が25℃の粘度が100mm2/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の液状のシリコーン油であると、化粧料の使用時におけるのびが軽く、滑らかに均一に付着し、光輝性粉末のキラキラ感が効果的に発揮されるため好ましい。
【0026】
本発明の光輝性固形粉末化粧料は、前記成分(a)~(c)を含む化粧料基材と水添ポリイソブテン、イソドデカン、エタノール、水から選ばれる1種又は2種以上の溶媒とを混合し、容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られるものである。
前記の製造方法では、成分(a)~(c)を含む化粧料基材に含有する空気が溶媒で置換されたスラリーとして容器に充填されるため、空気の噛み込みムラがなく、耐衝撃性が向上する。
また、成分(c)油性成分がスラリー中で均一に分散されて、粉体成分をコーティングするため、光輝性化粧料の肌への密着感が向上する。さらに、スラリー状態で容器に充填され加圧成型されると、粒子の配向により、特に成分(a)の40μm~350μmの光輝性粉末のキラキラ感が顕著に発揮される。
【0027】
本発明の光輝性固形粉末化粧料においては、一般に化粧料に用いられる粉末成分を配合することができる。具体的には、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛等の粉末が例示される。官能特性の向上、化粧持続性の向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用することが好ましい。
【0028】
本発明の光輝性固形粉末化粧料では、更に、化粧料において一般に用いられるその他の成分、例えば、多価アルコールのような水性成分、界面活性剤、薬効成分、着香剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、懸濁剤、安定化剤、湿潤剤、抗酸化剤、pH調整剤、粘度調整剤、着色剤、防腐剤等を配合するものであってもよい。これらの成分の添加時期は特に限定されない。
【0029】
本発明の光輝性固形粉末化粧料は、メイクアップ化粧料として好適に使用することができ、より具体的には例えば、アイシャドウ、頬紅、ハイライト等として用いることができる。
【実施例0030】
以下に、実施例を示して本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は全て質量%を表す。
【0031】
実施例に先立ち、本発明で用いた評価方法を説明する。
(評価方法1:官能評価)
化粧品評価パネル20名に実施例1~11及び比較例1~8の化粧料を使用してもらい、塗布時のキラキラ感、のびの滑らかさ、粉飛びのなさ、密着感、取れ(ケーキングのなさ)について各自が以下の評価基準に従って5段階評価し、化粧料毎に評点を付し、さらに全パネルの評点の平均点を以下の4段階の判定基準に従って判定した。
【0032】
(評価基準)
評価結果 : 評点
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
(判定基準)
評点の平均点 : 判定
4.5以上 : ◎
3.5以上~4.5未満 : ○
1.5以上~3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0033】
(評価方法2:耐衝撃性)
実施例及び比較例の化粧料をそれぞれ5個用意し、コンパクトケース内に収容した状態で、40cmの高さからアクリル板上に正立方向で繰り返し5回自由落下させ、落下後の中味表面状態を目視にて以下の基準に従って4段階評価した。そして化粧料毎に評点を付し、さらにn=5の評点の平均点を以下の4段階の判定基準に従って判定した。
【0034】
(評価基準)
内容 : 評点
変化なし : 4点
僅かにヒビ割れがあるが、使用性に問題なし : 3点
ヒビ割れ、スキマ有り : 2点
大きなヒビ割れやスキマ有り : 1点
(判定基準)
n=5の評点の平均点 : 判定
3.5以上 : ◎
3.0以上~3.5未満 : ○
2.0以上~3.0未満 : △
2.0未満 : ×
【0035】
(実施例1~11、比較例1~8)
表1に示した各原料を用いて以下に示す製法に従って光輝性固形粉末化粧料を製造した。
【0036】
(製法)
1.粉末成分1~29をヘンシェルミキサーで均一に分散する。
2.油剤成分30~33を75℃に加熱溶解し、均一に分散する。
3.1の粉末成分をヘンシェルミキサーで攪拌しながら、2の油性成分を添加し、均一分散して化粧料基剤を得る。
4.3の化粧料基剤100質量部に水添ポリイソブテン34を40質量部加えてスラリーとする。
5.4のスラリーを内高1.5mmの薄皿容器にバック充填して加圧成型し、70℃で一晩乾燥して溶媒を除去し、光輝性アイシャドウを得た。
【0037】
表1から明らかなように、本発明の光輝性アイシャドウ(実施例1~11)は、外観及び塗布時のキラキラ感、のびの滑らかさ、粉飛びのなさ、密着感、取れ(ケーキングのなさ)、耐衝撃性において優れたものであった。
【0038】
【0039】
なお、表1の中の各成分は、以下のものを使用した。
*1 タルクJA-13R(浅田製粉社製)
*2 タルクJA-46R(浅田製粉社製)
*3 タルクJA-68R(浅田製粉社製)
*4 SA-マイカM-102(三好化成社製)
*5 PDM-5L(トピー工業社製)
*6 SHP-3(JFEミネラル社製)
*7 Timiron Diamond Cluster MP-149(BASF社製)
*8 Flamenco Ultra Sparkle 4500(BASF社製)
*9 Gemtone Tan Opal(BASF社製)
*10 Timica Golden Bronze(BASF社製)
*11 Cloisonne Copper(BASF社製)
*12 Colorona Ochre(メルク社製)
*13 Timiron Splendid Red(メルク社製)
*14 Timiron Supersheen MP-1001(メルク社製)
*15 メタシャインMT1040RS(日本板硝子社製)
*16 メタシャインMT1080RR(日本板硝子社製)
*17 メタシャインMT1120RY(日本板硝子社製)
*18 メタシャインMT1150RS(日本板硝子社製)
*19 TWINCLEPEARL 300(日本光研社製)
*20 Helios R100S(トピー工業社製)
*21 Helios R300R(トピー工業社製)
*22 シリコーンKF-56A(信越化学工業社製)
【0040】
実施例12:アイシャドウ
(1) タルク(平均粒子径:8μm) *23 18.99
(2) マイカ(平均粒子径:19μm) *24 8.0
(3) ミリスチン酸亜鉛 4.0
(4) シリカ 0.5
(5) ラウロイルリシン 1.0
(6) 赤202 0.8
(7) グンジョウ 4.6
(8) ベンガラ 0.11
(9) 黄酸化鉄 0.3
(10)黒酸化鉄 0.3
(11)酸化チタン 2.4
(12)酸化チタン被覆アルミナ(平均粒子径:18μm) *25 9.0
(13)酸化チタン被覆アルミナ(平均粒子径:18μm) *26 3.0
(14)酸化チタン被覆マイカ(平均粒子径:20μm) *12 3.0
(15)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:40μm) *27 8.0
(16)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:80μm) *28 4.0
(17)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:80μm) *29 4.0
(18)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:120μm) *30 3.0
(19)酸化チタン被覆合成金雲母(平均粒子径:100μm) *31 3.0
(20)ミリスチン酸オクチルドデシル 7.7
(21)リンゴ酸ジイソステアリル 4.4
(22)ワセリン 3.3
(23)ジメチコン *32 6.6
*23 タルクJA-24R(浅田製粉社製)
*24 Y-2300X(ヤマグチマイカ社製)
*25 Timiron Glam Silver(メルク社製)
*26 Ronastar Red Lights(メルク社製)
*27 メタシャインMT1040RR(日本板硝子社製)
*28 メタシャインMT1080RB(日本板硝子社製)
*29 メタシャインMT1080RS(日本板硝子社製)
*30 メタシャインMT1120RB(日本板硝子社製)
*31 Helios R100R(トピー工業社製)
*32 シリコーンKF-96A-20cs(信越化学社製)
(製法)
実施例1~11と同様の方法でアイシャドウを得た。
【0041】
実施例13:頬紅
(1) タルク(平均粒子径:6μm) *1 33.24
(2) 合成金雲母(平均粒子径:7μm) *5 15.0
(3) マイカ 10.0
(4) ミリスチン酸亜鉛 3.0
(5) シリカ 0.5
(6) ラウロイルリシン 1.0
(7) (ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー 1.0
(8) 赤226 1.2
(9) 黄4号 0.8
(10)グンジョウ 0.16
(11)酸化鉄(ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄合算) 0.1
(12)酸化チタン被覆マイカ(平均粒子径:23μm) *33 5.0
(13)酸化チタン被覆マイカ(平均粒子径:21μm) *13 2.0
(14)酸化チタン被覆マイカ(平均粒子径:21μm) *34 2.0
(15)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:40μm) *35 6.0
(16)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:40μm) *27 5.0
(17)トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 6.3
(18)リンゴ酸ジイソステアリル 2.8
(19)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 2.8
(20)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン *22 1.4
(21)マイクロクリスタリンワックス 0.7
*33 Timiron Starluster MP-115(メルク社製)
*34 Timiron Splendid Gold(メルク社製)
*35 メタシャインMT1040RY(日本板硝子社製)
(製法)
実施例1~11と同様の方法でアイシャドウを得た。
【0042】
実施例14:アイシャドウ
(1) タルク(平均粒子径:11μm) *3 2.0
(2) 硫酸バリウム(平均粒子径:7μm) *36 12.84
(3) 合成金雲母(平均粒子径:20μm) *37 1.0
(4) ミリスチン酸亜鉛 3.0
(5) シリカ 0.5
(6) ベンガラ 0.28
(7) 黄酸化鉄 0.28
(8) 黒酸化鉄 0.1
(9) 酸化チタン被覆アルミナ(平均粒子径:18μm) *25 5.0
(10)酸化チタン被覆マイカ(平均粒子径:67μm) *38 10.0
(11)酸化チタン被覆マイカ(平均粒子径:27μm) *9 5.0
(12)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:120μm) *39 10.0
(13)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:150μm) *40 10.0
(14)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:150μm) *41 10.0
(15)酸化チタン被覆合成金雲母(平均粒子径:100μm) *20 5.0
(16)酸化チタン被覆合成金雲母(平均粒子径:210μm) *21 5.0
(17)イソノナン酸イソノニル 7.0
(18)リンゴ酸ジイソステアリル 4.0
(19)ワセリン 3.0
(20)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン *22 6.0
*36 板状硫酸バリウムH(堺化学工業社製)
*37 PDM-20L(S)(トピー工業社製)
*38 Timiron Diamond Cluster MP-149(メルク社製)
*39 メタシャインMT1120RS(日本板硝子社製)
*40 メタシャインMT1150RR(日本板硝子社製)
*41 メタシャインMT1150RS(日本板硝子社製)
(製法)
1.粉末成分をヘンシェルミキサーで均一に分散する。
2.油剤成分を75℃に加熱溶解し、均一に分散する。
3.1の粉末成分をヘンシェルミキサーで攪拌しながら、2.油剤成分を添加し、均一に分散して化粧料基剤を得る。
4.3の化粧料基剤100質量部にイソドデカンを40質量部加えてスラリーとする。
5.4のスラリーを内高1.5mmの薄皿容器にバック充填して加圧成型し、70℃で一晩乾燥して揮発性溶媒を除去し、アイシャドウを得た。