(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124278
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023043580
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】523094144
【氏名又は名称】株式会社エンジニアプラス
(72)【発明者】
【氏名】早川 周作
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】会社組織など特定の集団を構成する個人の、前記集団における特性を高い精度で判定する。
【解決手段】特定の集団を構成する構成員の一人である個人の固有情報の入力を受け付け、前記個人に対して提示される複数の質問情報を記憶し、不特定者の固有情報である基本固有情報と人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶し、記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力し、出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信し、前記個人の固有情報および前記回答情報と、前記基本特性情報とを照合する照合部と、少なくとも照合結果に基づいて、前記基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出し、抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定し、判定された前記個人の特性に関する情報を提示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の集団を構成する構成員の一人である個人の、前記集団における特性を判定する情報処理システムであって、
前記個人の固有情報の入力を受け付ける受付部と、
前記個人に対して提示される複数の質問情報を記憶する質問情報記憶部と、
不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶する基本特性情報記憶部と、
前記質問情報記憶部に記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力する出力部と、
前記出力部に出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信する受信部と、
前記受付部に受け付けられた前記個人の固有情報および前記受信部に受信された回答情報と、前記基本特性情報記憶部に記憶される基本特性情報とを照合する照合部と、
少なくとも前記照合部の照合結果に基づいて、前記基本特性情報記憶部に記憶される基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部に抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定する判定部と、
前記判定部に判定された前記個人の特性に関する情報を提示する提示部と
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記受付部は、前記個人の固有情報以外の前記個人の任意情報をさらに受け付け、
前記抽出部は、前記照合部の照合結果と前記受付部に受け付けられた前記個人の任意情報とに基づいて、最適な特性情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記集団を構成する構成員の特性に関する構成員特性情報を記憶する構成員特性情報記憶部をさらに有し、
前記照合部は、前記受付部に受け付けられた前記個人の固有情報および前記受信部に受信された回答情報と、前記構成員特性情報記憶部に記憶される構成員特性情報とをさらに照合し、
前記抽出部は、少なくとも前記照合部の照合結果に基づいて、前記構成員特性情報記憶部に記憶される構成員特性情報に対応する構成員の中から、前記集団における前記個人の協力者となる構成員に関する情報をさらに抽出し、
前記提示部は、前記抽出部に抽出された前記構成員の情報をさらに提示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記集団を構成する構成員のプロフィールに関する情報を記憶するプロフィール情報記憶部と、
前記プロフィール情報記憶部に記憶される各構成員のプロフィールに関する情報に対して、アクセスされたログに関する情報を記憶するログ情報記憶部と、
前記ログ情報記憶部に記憶されたログに関する情報に基づいて、前記集団を構成する構成員同士の関連度を評価する評価部と、をさらに有し、
前記抽出部は、前記照合部の照合結果と、前記評価部に評価された前記関連度に基づいて、前記構成員特性情報記憶部に記憶される構成員の中から、前記集団における前記個人の協力者となる構成員の情報を抽出する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
特定の集団を構成する構成員の一人である個人の、前記集団における特性を判定する情報処理方法であって、
前記個人の固有情報の入力を受け付け、
前記個人に対して提示される複数の質問情報を記憶し、
不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶し、
記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力し、
出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信し、
受け付けられた前記個人の固有情報および受信された前記回答情報と、前記基本特性情報とを照合し、
少なくとも照合された照合結果に基づいて、前記基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出し、
抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定し、
判定された前記個人の特性に関する情報を提示する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
特定の集団を構成する構成員の一人である個人の固有情報の入力を受け付ける手段と、
前記個人に対して提示される複数の質問情報を記憶する手段と、
不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶する手段と、
記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力する手段と、
出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信する手段と、
受け付けられた前記個人の固有情報および受信された前記回答情報と、前記基本特性情報とを照合する手段と、
少なくとも照合された照合結果に基づいて、前記基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出し、
抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定する手段と
判定された前記個人の特性に関する情報を提示する手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人の氏名や生年月日や血液型、性別などの情報に基づいて個人の個性などを判断する手法は知られている。このような手法に用いられる情報は元来有する固有情報であり、いわゆる占いなどによる個性診断で多く使われているが、仕事の遂行能力や組織の中での役割の適性といったビジネスにおいて活用する技術も知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される技術では、例えば、個人の生年月日等によって決定される個性類型とこの個性類型と一対一に対応する個性診断コメント等に基づいて個人の個性を診断する点が記載されている。しかしながら、上記のような技術では、生年月日など個人が元来有する固有情報を主とする診断では、個人の気質や強みなどの特性を正確に判定することが難しく、個人が最も能力や力を発揮できる組織を構成することができないという課題があった。
【0005】
また、固有情報に基づかず、個人が自己の性格や過去の業務実績などを申告することにより、その個人の性質や能力を判断することも一般的に知られているが、自己申告の場合には、申告内容の真偽が定かではなく、場合によっては正しい判定ができない事態が生じるという課題があった。
【0006】
本開示は、会社組織など特定の集団を構成する個人の、前記集団における特性をより高い精度で判定することができる情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、特定の集団を構成する構成員の一人である個人の、前記集団における特性を判定する情報処理システムであって、前記個人の固有情報の入力を受け付ける受付部と、前記個人に対して提示される複数の質問情報を記憶する質問情報記憶部と、不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶する基本特性情報記憶部と、前記質問情報記憶部に記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力する出力部と、前記出力部に出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信する受信部と、前記受付部に受け付けられた前記個人の固有情報および前記受信部に受信された回答情報と、前記基本特性情報記憶部に記憶される基本特性情報とを照合する照合部と、少なくとも前記照合部の照合結果に基づいて、前記基本特性情報記憶部に記憶される基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出する抽出部と、前記抽出部に抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定する判定部と、前記判定部に判定された前記個人の特性に関する情報を提示する提示部とを有する。
【0008】
また一実施形態によれば、特定の集団を構成する構成員の一人である個人の固有情報の入力を受け付け、前記個人に対して提示される複数の質問情報を記憶し、不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶し、記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力し、出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信し、受け付けられた前記個人の固有情報および受信された前記回答情報と、前記基本特性情報とを照合し、少なくとも照合された照合結果に基づいて、前記基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出し、抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定し、判定された前記個人の特性に関する情報を提示する。
【0009】
また一実施形態によれば、プログラムであって、特定の集団を構成する構成員の一人である個人に対して提示される複数の質問情報を記憶する手段と、不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報を記憶する手段と、記憶される複数の質問情報を前記個人に提示する質問情報として出力する手段と、出力された前記複数の質問情報に対する回答情報を受信する手段と、受け付けられた前記個人の固有情報および受信された前記回答情報と、前記基本特性情報とを照合する手段と、少なくとも照合された照合結果に基づいて、前記基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出し、抽出された特性情報に基づいて、前記個人の特性を判定する手段と判定された前記個人の特性に関する情報を提示する手段として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成によれば、会社組織など特定の集団を構成する個人の、前記集団における特性をより高い精度で判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る情報処理システムシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】事業者端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】質問情報記憶部のデータ構造を示す図である。
【
図5】基本特性情報記憶部のデータ構造を示す図である。
【
図6】構成員特性情報記憶部のデータ構造を示す図である。
【
図7】ログ情報記憶部のデータ構造を示す図である。
【
図8】プロフィール情報を表示する画面例を示す図である。
【
図9】実施の形態に係る情報処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成において同一の符号を付して、それらの名称および機能も同じである。
【0013】
<実施の形態>
本実施の形態では、企業等の特定の集団を構成する構成員の一人である個人の、この集団における特性を判定する情報処理システムについて説明する。
【0014】
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。情報処理システム1は、サーバ10と、ユーザ端末20と、管理者末30とを含み、各構成が通信ネットワークNによって互いに通信可能に接続されている。
【0015】
サーバ10は、クラウド上に設けられ、ユーザ端末10からの操作に応じて、ユーザである、集団Gを構成する構成の一人である個人の特定を判定する。またサーバ10は、管理者端末30からの操作に応じて、個人の特性を判定するために必要な情報を記憶する。
【0016】
ユーザ端末20は、集団Gを構成する構成員の一人である個人(以下、ユーザともいう)が操作する端末装置である。ユーザは、ユーザ端末20を介して、ユーザ個人の固有情報や任意情報を入力するとともに、サーバ10から受信する質問情報に対する回答情報をサーバ10に送信する。
【0017】
管理者端末30は、サーバ10を管理する管理者が操作する端末装置である。管理者は、管理者端末30を介して、サーバ10が実行する各種処理に必要な情報の入力等を行う。
【0018】
<サーバの構成>
図2は、サーバ10の機能的な構成を示すブロック図である。サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0019】
通信部11は、サーバ20がユーザ端末20、管理者端末30等外部の装置との通信を行うための処理を行う。
【0020】
記憶部12は、ユーザ(個人)の個性を判定しユーザに対して提示するために必要な情報や、ユーザの個人の協力者となる構成員の情報を抽出しユーザに対して提示するための情報を記憶する。記憶部は、質問情報記憶部121と、基本特性情報記憶部122と、構成員特性情報記憶部123と、プロフィール情報記憶部124と、ログ情報記憶部125とを有する。
【0021】
質問情報記憶部121は、ユーザに対して出力される複数の質問情報を記憶する。質問情報記憶部121に記憶される質問情報は、テキストデータで構成されている。質問情報には、必要に応じて、テキストデータ以外に動画データ、画像データ、音声データ等の他の種別データを含めることができる。
【0022】
質問情報記憶部121は、質問情報を、
図4に示すようなデータ構造を有する質問情報データベース1211に記憶する。質問情報データベース1211は、例えば、「質問事項」、「回答形式」および「回答選択肢」に関するデータを含む。設定された質問事項に対する回答形式が「選択式」である場合には、回答者であるユーザに対して提示する回答選択肢が設定されている。一方、設定された質問事項に対する回答形式が「記述式」である場合には、回答者に対して提示する回答選択肢は設定されず、回答者による自由な記述を許容する。質問情報データベース1211に含まれるデータは、
図4に示した例に限られず、他の情報に関するデータを含む構成とすることができる。
【0023】
基本特性情報記憶部122は、不特定者の固有情報である基本固有情報と、人の類型に関する類型情報と、基本固有情報と類型情報との組み合わせによって決定される不特定者の特性に関する基本特性情報とを記憶する。
【0024】
基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報を構成する不特定者の固有情報は、ある対象者が元来有している固有の情報である。基本固有情報には、例えば、生年月日、血液型、兄弟構成に関する情報が含まれる。
【0025】
基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報を構成する類型情報は、この対象者の性格・性質等を表す任意に設定される情報である。類型情報には、例えば、「自律タイプ、協調タイプのいずれか1つ」、「左脳タイプ、右脳タイプのいずれか1つ」、「思考に関して、具体的、抽象的のいずれか1つ」、「臨機応変型、タスク型のいずれか1つ」に関する情報が含まれる。
【0026】
基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報は、上記基本固有情報と類型情報との組み合わせによって決定される情報である。基本特性情報には、例えば、印象、気質、本質、強み、弱みが含まれる。
【0027】
基本特性情報記憶部122は、基本固有情報、類型情報および基本特性情報を、
図5に示すようなデータ構造を有する基本特性情報データベース1221に記憶する。基本特性情報データベース1221に含まれるデータは、
図5に示した例に限られず、一部の情報に関するデータが含まない構成とすることができ、また他の情報に関するデータを含む構成とすることができる。
【0028】
構成員特性情報記憶部123は、集団Gを構成する構成員の特性に関する構成員特性情報を記憶する。構成員特性情報記憶部123に記憶される構成員特性情報は、特性判定の対象となるユーザが所属する集団Gにおいて、現在所属する構成員および現在は所属しないが過去に所属した構成員の特性に関する情報である。
【0029】
構成員特性情報には、例えば、構成員の氏名に関する情報、特性情報、固有情報、類型情報および協力者に関する情報が含まれる。特性情報には、例えば、印象、気質、本質、強み、弱みが含まれる。固有情報には、例えば、生年月日、血液型、兄弟構成に関する情報が含まれる。類型情報には、例えば、「自律タイプ、協調タイプのいずれか1つ」、「左脳タイプ、右脳タイプのいずれか1つ」、「思考に関して、具体的、抽象的のいずれか1つ」、「臨機応変型、タスク型のいずれか1つ」に関する情報が含まれる。
【0030】
構成員特性情報に含まれる協力者に関する情報は、集団Gに在席する構成員であり、各構成員が集団Gの中で活動する場合に力になってくれる最適な協力者に関する情報である。協力者に関する情報は、例えば、その協力者の氏名に関する情報である。
【0031】
構成員特性情報記憶部123は、構成員特性情報を、
図6に示すようなデータ構造を有する構成員特性情報データベース1231に記憶する。構成員特性情報データベース1231に含まれるデータは、
図6に示した例に限られず、一部の情報に関するデータが含まない構成とすることができ、また他の情報に関するデータを含む構成とすることができる。
【0032】
プロフィール情報記憶部124は、集団Gを構成する構成員のプロフィールに関する情報を記憶する。プロフィール情報記憶部124に記憶されるプロフィールに関する情報は、各構成員に関するさまざまな情報が体系的にまとめられた情報である。プロフィールに関する情報には、例えば、氏名に関する情報、構成員の顔写真に関する情報、集団Gにおける所属に関する情報の他、構成員特性情報を構成する情報などが含まれる。プロフィール情報記憶部124に記憶されるプロフィールに関する情報は、
図8に示すような画面情報として表される。
【0033】
ログ情報記憶部125は、プロフィール情報記憶部に記憶される各構成員のプロフィールに関する情報に対して、アクセスされたログに関する情報を記憶する。ログ情報記憶部125に記憶されるログに関する情報は、
図8に示すような画面情報(プロフィールページ)に集団Gにおける構成員のいずれかがアクセスした場合に、そのアクセスに関する履歴が時系列で記録される情報である、ログに関する情報には、例えば、アクセス日時に関する情報、アクセス者に関する情報、アクセスした情報に関する情報、そのアクセス者が同じプロフィールに関する情報にアクセスした累計回数に関する情報が含まれる。
【0034】
ログ情報記憶部125は、ログに関する情報を、
図7に示すようなデータ構造を有するログ情報データベース1251に記憶する。ログ情報データベース1251に含まれるデータは、
図7に示した例に限られず、一部の情報に関するデータが含まない構成とすることができ、また他の情報に関するデータを含む構成とすることができる。
【0035】
制御部13は、ユーザ端末10からのアクセスに応じて、記憶部12に記憶される情報を読み出して、ユーザの特性を判定し、ユーザに対して判定したユーザの特性に関する情報を提示する。制御部は、受付部131と、出力部132と、受信部133と、照合部134と、抽出部135と、判定部136と、提示部137と、評価部138とを有する。これらの構成部は、例えばサーバやパーソナルコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
受付部131は、通信部11を介して、ユーザ端末10から送信される、ユーザである個人の固有情報の入力を受け付ける。受付部131は、固有情報以外に個人の任意情報をさらに受け付けることもできる。任意情報としては、個人の学歴や職歴、スキル、業務経験など、その個人に元来備わったものではなく、個人の現在までの人生や経験によって形成された情報が該当する。
【0037】
出力部132は、ユーザ端末10からのアクセスに応じて、質問情報記憶部121に記憶される質問情報を、通信部11を介して、ユーザ端末10に対して出力する。
【0038】
受信部133は、通信部11を介して、ユーザ端末10から送信される、質問情報に対するユーザによる回答情報を受信する。
【0039】
照合部134は、受付部131に受け付けられたユーザの固有情報および受信部に受信された回答情報133と、基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報とを照合する。照合部134は、ユーザが入力した自身の固有情報と回答情報とから構成される情報と、基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報とを対比しながら照合する。この照合処理においては、両情報に含まれる固有情報の一致度や、予め関連度が設定される情報の一致度、両情報に含まれるキーワード情報の一致度や類似度などが参照される。
【0040】
抽出部135は、照合部134の照合結果に基づいて、基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出する。抽出部135によって抽出される特性情報は、照合部134の上記照合処理により、ユーザによって入力された情報と最も関連度の高い特性情報に相当する。抽出部135は、特性情報を抽出する処理において、照合部134による照合結果に加えて、受付部131によって受け付けられたユーザの任意情報を考慮することもできる。
【0041】
また抽出部135は、照合部134の照合結果に基づいて、構成員特性情報記憶部123に記憶される構成員特性情報に対応する構成員の中から、集団Gにおけるユーザの協力者となる構成員に関する情報を抽出する。抽出部135は、構成員に関する情報を抽出する処理において、照合部134による照合結果に加えて、後述する評価部138によって評価される構成員同士の関連度に基づいて、構成員に関する情報を抽出することもできる。
【0042】
判定部136は、少なくとも抽出部135に抽出された特性情報に基づいて、ユーザである個人の特性を判定する。判定部136によって判定される個人の特性は、抽出部135によって抽出された特性情報と同一の情報とすることもできるが、その他の任意の情報を参照して、最終的な個人の特性を判定することもできる。
【0043】
提示部137は、判定部136に判定された個人の特性に関する情報を提示する。さらに提示部137は、抽出部135に抽出されたユーザの協力者となる構成員に関する情報を提示する。提示部137によって提示された情報は、通信部11を介して、ユーザ端末10に送信される。
【0044】
評価部138は、ログ情報記憶部125に記憶されたログに関する情報に基づいて、集団Gを構成する構成員同士の関連度を評価する。評価部138が評価する構成員同士の関連度は、双方の構成員が互いの活動や業務にどの程度興味を持っているかを表す興味度や、双方の構成員の相性などを図る指標である。評価部138は、例えば、一の特定の構成員が他の特定の構成員のプロフィールに関する情報にアクセスした累計回数や一定期間にアクセスした回数、一の特定の構成員が他の特定の構成員のプロフィールに関する情報の内どの情報にアクセスしたか、一の特定の構成員と他の特定の構成とが同一の部署や所属などにどの程度の期間所属していたか(同一の部署等での継続性)、一の特定の構成員と他の特定の構成とによる一対一での打ち合わせや面談等でのお互いの評価情報、などがログに関する情報として抽出され、抽出されたこれらの少なくともいずれかのログに関する情報に基づき関連度を評価する。
【0045】
評価部138は、ログ情報記憶部125に記憶されたログに関する情報に加えて、他の情報を参照して評価することもできる。例えば、評価部138は、一の特定の構成員が他の特定の構成員に対して送信した電子メールの回数や電子メールの内容(テキスト情報)、一の特定の構成員と他の特定の構成員とが過去に共同で対応した活動や業務の結果に関する情報などを参照して双方の構成員同士の関連度を評価することができる。
【0046】
<管理者端末の構成>
図3は、管理者端末30の機能的な構成を示すブロック図である。管理者端末30は、通信部31、記憶部32と、情報入力部33と、表示部34と、プロセッサ35とを有する。
【0047】
通信部31は、管理者端末30がサーバ10等の外部の装置との通信を行うための処理を行う。
【0048】
記憶部32は、例えば、フラッシュメモリ、ROM、RAM等により構成され、管理者端末30が使用するプログラムや、サーバ10から受信するデータ等の情報を記憶する。
【0049】
情報入力部33は、例えば、表示部34を構成するタッチパネルや、キーボード、操作ボタン等の入力装置であり、事業者による入力操作を受け付ける処理を行う。
【0050】
表示部34は、プロセッサ35の制御に応じて、動画データ、画像データ、テキストデータに関する情報を表示する。表示部34は、例えば、LCDや有機EL等によって実現される。
【0051】
プロセッサ35は、例えば、CPUによって実現され、記憶部32に記憶されたプログラムやデータ等を読み込むことにより管理者端末30の各構成を制御する。プロセッサ35は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより実現する機能部として、通信制御部351と、表示制御部352と、演算部353とを含む。
【0052】
通信制御部351は、通信部31におけるデータの送受信の動作を制御する。通信制御部351は、例えば、表示部34に表示させるテキストデータ、画像データ等をサーバ10から受信し、或いは入力したテキストデータ、画像データ等をサーバ10へ送信する。
【0053】
表示制御部352は、表示部34において、動画データ、画像データ、テキストデータ等の情報の表示を制御する。表示制御部352は、サーバ10から受信したデータに基づいた情報を表示部34に表示させる。
【0054】
演算部353は、画像処理、音声データの処理、その他の演算処理を実行する。
【0055】
<プロフィールに関する情報の構成例>
本実施の形態に係る情報処理システムにおいて実現されるユーザである個人の、集団Gにおける特性に関する情報およびユーザの協力者となる集団Gにおける構成員の情報を表したプロフィールに関する情報の構成例について説明する。
【0056】
図8は、ある構成員のプロフィールに関する情報を表示する画面例を示す図である。この構成例では、集団Gを構成する構成員のプロフィール情報が画面500上に表示される。画面500の左上の表示領域A510には、構成員の氏名に関する情報が表示される。画面500の右側の表示領域B520には、構成員の顔写真に関する画像情報が表示される。表示領域Aの下方に位置する表示領域C530には、この構成員の特性に関する情報と構成員の協力者の情報が表示される。表示領域C530には、構成員の特性に関する情報として、「印象」に関する情報531、「気質」に関する情報532、「本質」に関する情報533、「強み」に関する情報534および「弱み」に関する情報535の表示枠がそれぞれ配置される。また、表示領域C530には、この構成員の協力者である、集団Gにおける構成員の一人の情報536の表示枠が配置される。各表示枠531~536には、「詳細」と表示されるボタンが配置され、このボタンをクリックすることにより、それぞれの情報の詳細が表示される。
【0057】
<処理動作の説明>
本実施の形態に係る情報処理システムにおける処理動作について説明する。
【0058】
図9は、サーバを介した、情報処理の流れを示すフロー図である。以下では、集団Gを構成する構成員の一人である個人(ユーザ)の、集団Gにおける特性を判定し、判定されたユーザの特性に関する情報を提示するとともに、ユーザの協力者に関する情報を提示する例について説明する。
【0059】
ステップS11において、個人の固有情報の入力を受け付ける。
【0060】
ステップS12において、質問情報記憶部121に記憶される複数の質問情報を、ユーザ端末10を介して出力する。
【0061】
ステップS13において、ユーザ端末10から送信される、質問情報に対するユーザによる回答情報を受信する。
【0062】
なおステップS11における個人の固有情報および任意情報の入力の受け付けと、ステップS13におけるユーザによる回答情報の受信は、説明の便宜上ステップS11、ステップS13の順としているが、各処理は別個に実行される必要はなく、同時に実行されてもよい。
【0063】
ステップS14において、受け付けられたユーザの固有情報および受信部に受信された回答情報133と、基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報とを照合する。
【0064】
ステップS15において、前ステップでの照合結果に基づいて、基本特性情報記憶部122に記憶される基本特性情報の中から、最適な特性情報を抽出する。
【0065】
ステップS16において、前ステップで抽出された特性情報に基づいて、ユーザである個人の特性を判定する。
【0066】
ステップS17において、ステップS14での照合結果に基づいて、構成員特性情報記憶部123に記憶される構成員特性情報に対応する構成員の中から、集団Gにおけるユーザの協力者となる構成員に関する情報を抽出する。
【0067】
ステップS18において、ステップS16で判定されたユーザの特定に関する情報と、前ステップで抽出されたユーザの協力者となる構成員に関する情報を、ユーザ端末10を介して提示する。
【0068】
以上のように、本開示に係る実施の形態によれば、集団を構成する構成員の一人であるユーザである個人の固有情報および質問情報に対する回答情報と不特定者の基本特性情報とを照合し、照合結果に基づいてユーザの、集団における特性が判定されるので、ユーザである個人の特性を高い精度で判定することができる。そしてこれにより、判定されたユーザの特性を踏まえて、集団において当該ユーザが最も能力や力を発揮できる組織作りなどを行うことができる。
【0069】
また本開示に係る実施の形態によれば、上記照合結果に基づいて、ユーザの協力者となる構成員に関する情報がさらに抽出されるので、判定されたユーザの特性とユーザの協力者の情報を踏まえて、集団において当該ユーザが最も能力や力を発揮できる組織作りなどより高い精度で行うことができる。
【0070】
また本開示に係る実施の形態によれば、ユーザの協力者となる構成員に関する情報を抽出する処理において、上記照合結果に加えて、評価部によって評価される構成員同士の関連度を参照するので、ユーザの協力者をより高い精度で抽出することができる。特に、評価部はログ情報記憶部に記憶されるログに関する情報等に基づいて上記関連度を評価する。具体的に評価部は、一の特定の構成員が他の特定の構成員のプロフィールに関する情報にアクセスした累計回数や一定期間にアクセスした回数、一の特定の構成員が他の特定の構成員のプロフィールに関する情報の内どの情報にアクセスしたか、一の特定の構成員と他の特定の構成とが同一の部署や所属などにどの程度の期間所属していたか(同一の部署等での継続性)、一の特定の構成員と他の特定の構成とによる一対一での打ち合わせや面談等でのお互いの評価情報、などがログに関する情報として抽出され、抽出されたこれらの少なくともいずれかのログに関する情報に基づき関連度を評価する。このように、構成員間での情報のアクセスや情報のやり取りに関する情報が蓄積されることにより、関連度の評価精度が高められ、その結果ユーザの協力者がより高い精度で抽出される。
【0071】
以上、本開示に係る実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態およびその変形は、発明の範囲、要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0072】
1:情報処理システム、10:サーバ、11:通信部、12:記憶部、13:制御部、20:ユーザ端末、30:管理者端末、31:通信部、32:記憶部、33:情報入力部、34:表示部、35:プロセッサ、100:画面、121:質問情報記憶部、122:基本特性情報記憶部、123:構成員特性情報記憶部、124:プロフィール情報記憶部、125:ログ情報記憶部、131:受付部、132:出力部、133:受信部、134:照合部、135:抽出部、136:判定部、137:提示部、138:評価部、351:通信制御部、352:表示制御部、353:演算部、500:表示画面、510:表示領域A、520:表示領域B、530:表示領域C、1211:質問情報データベース、1221:基本特性情報データベース、1231:構成員特性情報データベース、1251:ログ情報データベース