IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小林 聡子の特許一覧

<>
  • 特開-ペット用オムツカバー 図1
  • 特開-ペット用オムツカバー 図2
  • 特開-ペット用オムツカバー 図3
  • 特開-ペット用オムツカバー 図4
  • 特開-ペット用オムツカバー 図5
  • 特開-ペット用オムツカバー 図6
  • 特開-ペット用オムツカバー 図7
  • 特開-ペット用オムツカバー 図8
  • 特開-ペット用オムツカバー 図9
  • 特開-ペット用オムツカバー 図10
  • 特開-ペット用オムツカバー 図11
  • 特開-ペット用オムツカバー 図12
  • 特開-ペット用オムツカバー 図13
  • 特開-ペット用オムツカバー 図14
  • 特開-ペット用オムツカバー 図15
  • 特開-ペット用オムツカバー 図16
  • 特開-ペット用オムツカバー 図17
  • 特開-ペット用オムツカバー 図18
  • 特開-ペット用オムツカバー 図19
  • 特開-ペット用オムツカバー 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124287
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ペット用オムツカバー
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A01K23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083537
(22)【出願日】2023-05-20
(62)【分割の表示】P 2023031883の分割
【原出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】599154490
【氏名又は名称】小林 聡子
(72)【発明者】
【氏名】小林聡子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】犬などのペットの主に尿を受け取るためのオムツカバーおよびオムツを胴体にフィットし装着させることが難しかった。
【解決手段】本発明のオムツカバーは、水分を吸収できる吸収体を載置でき、ペットの排尿部を覆う吸収体保持部と、屈曲可能なバンド状の部材で構成され、前記吸収体保持部の第一の方向の一端側に両端または途中の少なくとも2か所が接続されたバンド部と、前記吸収体保持部の第一の方向の他端側に設けられ、前記バンド部と連結できる係止部と、を有し、前記バンド部は、前記バンド部の両端側の一対の腕部と、前記一対の腕部を連結するとともに前記係止部に連結する腕連結部を備え、前記一対の腕部が、前記第一の方向と直交する第二の方向に離間できるように構成されており、本発明のペット用オムツは、吸収体と吸収体保持部が一体化されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を吸収できる吸収体を内部に有し、ペットの排尿部を覆う吸収体部と、
屈曲可能なバンド状の部材で構成され、前記吸収体部の第一の方向の一端側に両端または途中の少なくとも2か所が接続されたバンド部と、
前記吸収体部の第一の方向の他端側に設けられ、前記バンド部と連結できる係止部と、
を有し、
前記バンド部は、前記バンド部の両端側の一対の腕部と、前記一対の腕部を連結するとともに前記係止部に連結する腕連結部を備え、
前記一対の腕部の前記一端側と前記一対の腕部の前記他端側の少なくとも一方側において、前記一対の腕部が、前記第一の方向と直交する第二の方向に離間できるように構成されている
ことを特徴とするペット用オムツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などのペットに尿などの水分を吸収する吸収体を排尿部近傍に装着するためのペット用オムツカバーおよびオムツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペットとして飼われる犬や猫は室内で飼う事が多くなっているが、排尿のしつけができていない犬、老犬、老猫になった時などは部屋のあちこちで排尿してしまい、後片づけが大変である。さらに犬、とくにオス犬の場合、屋外での散歩中など、マーキングと呼ばれる排尿を何度もし、公共の場所や民家の塀などにかけてしまう事があり、飼い主のマナーの問題となっている。近年では犬連れ可能なカフェやレストランがあるが、施設内の排尿や犬同士のトラブル回避のため、ペット用の使い捨てできるオムツや、尿を吸収できる吸収体を載置し胴体に巻きつけたり、着衣させて装着するオムツカバーの装着義務の施設も増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4614880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オス犬用では排尿部に尿などの水分を吸収できる吸収体をあてがい、胴体に吸収体と同様の幅のものを腹巻のように装着する、吸収体を載置して使うオムツカバーおよび、それらが一体型となっている犬のオムツなどがある。
メス犬用のオムツやオムツカバーは、その排尿部の位置から犬の胴体の下半身、後ろ脚としっぽを出し全体を覆うもので、パンツのように被覆部分が多くなる。
【0005】
特許文献1は犬の動きによって、動物用吸収体保持バンドがずれにくくするために、角度を持って2か所で胴体に留める位置を作っている。しなしながら、それぞれの帯体は、左右から引き合せて連結させるために十分な接合面が必要となり、その結果幅広な帯となっている。すると、横腹から背中までを覆う面積も大きくなってしまう。さらにまず、一か所を留めてから、次いでもう一か所を留めるという作業になるので、作業中に吸収体保持部を支えにくくなり、一度で適当な位置に装着させることが難しかった。また、体長などから吸収体保持部の大きさに合わせてサイズを選んだ時に、犬の犬種や個体差により胴回りの長さの差が大きく、それぞれの帯のながさが足りなくなったり、長すぎて接合面が合わなかったり、接合面が小さくなり外れやすくなっていた。逆に、犬の胴回りを優先してサイズを選ぶと、吸収体保持部が大きすぎたり、小さすぎたりして装着時に適切なサイズを選ぶことで難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の欠点を解決するために本発明のペット用オムツカバーは、
水分を吸収できる吸収体を載置でき、ペットの排尿部を覆う吸収体保持部と、
屈曲可能なバンド状の部材で構成され、前記吸収体保持部の第一の方向の一端側に両端または途中の少なくとも2か所が接続されたバンド部と、
前記吸収体保持部の第一の方向の他端側に設けられ、前記バンド部と連結できる係止部と、
を有し、
前記バンド部は、前記バンド部の両端側の一対の腕部と、前記一対の腕部を連結するとともに前記係止部に連結する腕連結部を備え、
前記一対の腕部の前記一端側と前記一対の腕部の前記他端側の少なくとも一方側において、前記一対の腕部が、前記第一の方向と直交する第二の方向に離間できるように構成されている
ことを特徴としたものである。
また、本発明のペット用オムツは水分を吸収できる吸収体を内部に有し、ペットの排尿部を覆う吸収体部と、
屈曲可能なバンド状の部材で構成され、前記吸収体部の第一の方向の一端側に両端または途中の少なくとも2か所が接続されたバンド部と、
前記吸収体部の第一の方向の他端側に設けられ、前記バンド部と連結できる係止部と、
を有し、
前記バンド部は、前記バンド部の両端側の一対の腕部と、前記一対の腕部を連結するとともに前記係止部に連結する腕連結部を備え、
前記一対の腕部の前記一端側と前記一対の腕部の前記他端側の少なくとも一方側において、前記一対の腕部が、前記第一の方向と直交する第二の方向に離間できるように構成されていること
を特徴としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のペット用オムツカバーを装着すると、吸収体保持部に尿などの水分を吸収できる吸収体を載置し、オス、メスともにそれぞれの排尿部近傍に適切な大きさで効果的に装着することができ、背中や足回りなどの排尿に関係のない部位を覆うことがなくなり、見かけも良くなる。一対の腕部が背中上で細めのバンドが離間して装着されるので、幅の広いバンドと同様の保持効果がありながら、覆う部分がない分蒸れなども解消される。さらに犬は装着による圧迫感からも解放される。また、ペット用オムツは前記ペット用オムツカバーの吸収体保持部と吸収体が一体化したものであり、前記ペット用オムツカバーと同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】オムツカバーの第1実施例の斜視図
図2】オムツカバーの第1実施例の使用方法を表す斜視図
図3】オムツカバーのC―C´の断面図
図4】オムツカバーの第1実施例の使用状態を示す斜視図
図5】オムツカバーの第1実施例の使用状態を示す犬の横方向からみた概略図
図6】オムツカバーの第2実施例の使用状態を示す斜視図
図7】オムツカバーの第3実施例の斜視図
図8】オムツカバーの第4実施例の斜視図
図9】オムツカバーの第5実施例の斜視図
図10】オムツカバーの第5実施例の使用方法を表す斜視図
図11】オムツカバーの第5実施例の使用状態を示す斜視図
図12】オムツカバーの第5実施例の使用状態を示す犬の横方向からみた概略図
図13】オムツカバーの第5実施例の使用状態を示す犬の背中側からみた概略図
図14】オムツカバーの第5実施例の他の使用状態を示す斜視図
図15】オムツカバーの第6実施例の斜視図
図16】オムツカバーの第7実施例の斜視図
図17】オムツカバーの第5実施例のその他の使用方法を示す斜視図
図18】オムツの第1実施例の斜視図
図19】オムツのD―D´断面図
図20】オムツカバーの第8実施例の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のペット用オムツカバーを、犬に装着することを例に図面を参照しながら詳細に説明する。
図 1は、オムツカバーの第1実施例の斜視図である。図1に示すように、吸収体保持部(1)には、尿などの水分をすばやく吸収し、一定量を保持できる布や高分子吸収材などが備わっている吸収体(1a)を載置できる。ペットの排尿部を十分に覆いかつ、尿を吸収できる大きさであり、大まかに言えば大型犬、中型犬、小型犬、と大きさを変えるとよい。この時、吸収体保持部(1)は、防水性のある布やシリコン樹脂等の素材であることが望ましい。
【0010】
吸収体保持部(1)の第一の方向すなわち長手方向の一端A側に、屈曲可能なバンド状の腕部(4a)と腕部(4b)が一対に設けられている。腕部(4a)と腕部(4b)は、腕連結部(5)にて連結され一本のバンド部(2)として構成され、それぞれの腕部はバンド接続部(2a)、(2b)により吸収体保持部(1)に接続されている。したがって、バンド部(2)はバンドの長さ方向に対して輪状に形成される。このとき、吸収体保持部(1)の前記一端A側の第二の方向すなわち短手方向の両端になるよう、バンド接続部(2a)、(2b)は間隔をあける方が好ましい。
【0011】
また、吸収体保持部(1)の他端B側には、第二の方向と同様の幅で延設された係止部(3)が形成され、そこに係止具としてオスの面ファスナー(3a)とメスの面ファスナー(3b)が設けられている(オスとメスを逆に配置してもよい)。係止部を折り返したときに、折り返し部分が止まるように、面ファスナーのオスとメスの両方が合わさった部分が接着されるものである。この時、オスの面ファスナー(3a)もしくはメスの面ファスナー(3b)のどちらか一方を長くすることで、係止部(3)の接合位置により胴周りの長さを調整することも可能である。なお、係止部(3)の折り返し部分を本実施例のようにオスとメスの面ファスナーで止める代わりにオスとメスのボタン、あるいは、ボタンとボタン穴で止めてもよい。
【0012】
図2に示すように、オムツカバーは使用する前に、吸収体保持部(1)に吸収体(1a)を載置する。図3に示すように、吸収体保持部(1)には吸収体が収まりやすいように深さがあるとよい。また、吸収体(1a)は不織布の内側に水分を保持できるような高分子吸収材を備えた使い捨てのものでもよいし、保水力のある布やスポンジなどを使えば、洗って何度も使うことができる。
【0013】
まずはオムツカバーの第1の実施例を、オス犬(6)に着用する場合を説明する。図 4に示すように、オス排尿部(7)は前足、後ろ足の間、後ろ足寄りの腹部分になる。吸収体(1a)を載置した吸収体保持部(1)を、オス排尿部(7)を覆うようにあてがう。ついで腕連結部(5)を引っ張り、腕連結部(5)が係止具(3a)、係止具(3b)のいずれかもしくは間に位置するように係止部(3)を折りたたみ、オスの面ファスナー(3a)とメスの面ファスナー(3b)を接着させる。すると2本の腕部(4a)、(4b)を同時に簡単に胴体に装着させることができる。この時、バンド部の一部を引っ張ることで、犬の胴体サイズにほどよい長さに調整することができるが、それで出た余剰部分については後述する。また、バンド接続部(2a)、(2b)は互いに離間して吸収体保持部(1)に接続されている。
【0014】
これを装着すると、図5に示すように係止部(3)も第二の(短手)方向に対して幅があり、背中部分にかかる一対、すなわち2本の腕部(4a)、(4b)は互いに離間状態を保つことができる。すなわち、幅広い帯で装着するのと同様に吸収体保持部(1)を胴体のオス排尿部(7)を覆う適切な位置に装着することができる。
【0015】
この時、バンド部(2)は一本の輪になっており、係止部(3)にひっかけ、畳むだけで連結できるので、2本の腕部を同時にかつ簡単に胴体に装着することができる。腕連結部(5)はバンド部(2)の長さ方向にスライド可能に係止部(3)に連結され(図4のバンドの可動方向を参照)、一対の、すなわち2本の腕部(4a)、(4b)の引っ張り具合のバランスが偏っていたり、2本の腕部(4a)、(4b)の位置それぞれの胴回りの長さが違っていても、自然とちょうどよい引っ張り具合に調整される。さらにバンド部(2)の一部分を引っ張ることによって、犬の胴まわりにきつ過ぎず、弱すぎず、ちょうど良い締め具合の長さになるよう、装着したあとでも2本の腕部の長さを調節することができる。前述した図4に現れたバンド部(2)の余剰分は、結び目(8)をつくりバンド部(2)の長さを適切な長さに短くして固定してもよい。
【0016】
図6のオムツカバーの第2実施例は、係止具を一か所のボタンなどにすることで、係止部(3)の幅が狭い状態を表している。この場合、バンド接続部(2a)、(2b)が離間しているので係止部(3)の幅が狭くても、犬の背中上では腕部(4a)、(4b)は離間されながら胴体に一周させて、吸収体保持部(1)を装着することができる。オムツカバーの第1実施例で述べたように、余剰のバンド部分は結び目(8)をつくり長さを固定する。この時、バンド接続部(2a)、(2b)は、少なくとも吸収体保持部(1)の第二(短手)方向の1/2以上の離間距離を持つと、吸収体保持部(1)をより安定させて胴体に保持させることができる。
第2の実施例においても、第1の実施例同様に、本発明品を装着後でも、犬の胴回りに簡単に、サイズを合わせやすく調整することができる。
【0017】
図7のオムツカバーの第3実施例での係止部(3)は、吸収体保持部(1)の他端B側に形状保持力のある平板な部材からなり、その両端近傍にそれぞれ、バンド通し穴(3c)(3d)と、そこから前記部材の側辺に繋がる切り込み(3e)(3f)が設けられている。このバンド通し穴(3c)と切り込み(3e)と、同じくバンド通し穴(3d)と切り込み(3f)とで、係止具を構成している。2つのバンド通し穴(3c)(3d)を離間させて設け、そこに腕連結部(5)をそれぞれの切り込みより差し込めば穴に通すことができ、バンド部(2)はスライド可能に係止部(3)に係止される。第3の実施例においては、第一の実施例同様に係止部(3)が吸収体保持部(1)の他端B側の第二の方向の幅に延設されており、腕部(4a)(4b)が犬の背中で離間し装着されるのでずれにくくなる。また、余剰なバンド部(2)を結んで固定する手段の代わりに、根元をきつく締めて固定するアジャスター(9a)を設ければ、バンド部(2)の長さの調整が容易になる。
【0018】
図8のオムツカバーの第4の実施例にバンド部(2)が係止部(3)に連結されている状態を表す。また腕部のいずれか一方に、バンド部(2)の幅から飛び出さないように、可動させて長さを固定させるアジャスター(9b)を設けてもよい。このようなアジャスター(9b)は、余剰なバンド部(2)が飛び出さないので、どこかにひっかける心配が少なくなる。
【0019】
オムツカバーの第5の実施例では図9図10に示すように、吸収体保持部(1)の他端B側に設けられた係止部(3)は先端側が第二の(短手)方向に離間するように2方向に延設され、その先端に、一対の係止具、ここでは、それぞれの係止具が、オスの面ファスナー(3a)とメスの面ファスナー(3b)が設けられている。ここでは、係止部(3)は、Tの字のような形状を形成している。吸収体保持部(1)とバンド部(2)側に関してはオムツカバーの第1実施例で説明した内容と同様である。
【0020】
図11に示すようにオムツカバーの第5実施例は、主にメス犬(10)のメス排尿部(11)やオス、メス共有の肛門部(12)に、吸収体保持部(1)に吸収体(1a)を載置し装着することに有効である。吸収体保持部(1)の一端A側を尻尾方向に向け、尻尾のつけ根近傍にある肛門部(12)やその下方にあるメス排尿部(11)に覆いかぶせ、バンド部(2)は尻尾を通した後に腕部(4a)、(4b)を交差させ、腕連結部(5)すなわちバンド部(2)の輪となっている部分を胴体の側面左右に現れる一対の係止部(3)それぞれにひっかけてから、係止具(3)である面ファスナー(3a)(3b)を接着させる。すると、背中部分に現れる一対の腕部(4a)、(4b)はそれぞれ第2の方向に離間されて犬の胴体に装着されている。またこの時、吸収体保持部(1)の他端B側と、そこに延設された一対の係止部(3)と、バンド部(2)の一部すなわち腕接続部(5)とで、胴体を一周するように装着される。さらに、バンド部(2)の一部分を引っ張りだすことで、適切な締め具合で装着することができるが、その際にでた余剰なバンド部(2)の処理については後述する。
【0021】
図12に示すようにこの時、バンド部(2)はそれぞれの係止部(3)にて、バンドの可動方向を示すようスライド可能に係止されているので、バンド部(2)の一部を引っ張り出すことで、犬が苦しくなく、緩すぎないようにバンド部(2)の長さを調節することができる。前述した図11に現れた余剰なバンド部(2)は結び目(8)を作り長さを固定し、調整することができる。
【0022】
図13のバンド部の離間状態に示すように、メス犬(10)の背中部分に一対の腕部(4a)、(4b)は交差する部分を除き、離間されて装着されており、背中部分はバンド部(2)だけしか現れない。以上のように、排尿部近傍を覆う位置に、余分な締め付け部分で胴体を覆うことがなくなるので、犬への負担が少なく、吸収体保持部(1)が適切な位置であることを目視しやすく装着することができる。また、装着時にバンド部(2)を犬の足や胴体に通すことなく装着できるので4本の足で立ったままでも、装着が可能である。この時、一対の腕部(4a)(4b)を、尻尾を通したのちに一度交差させてから、胴体の周方向に係止することで、それぞれの腕部は後ろ足の横側面側とは対角の方向に引っ張られるので、前記後ろ足の横側面側にずれ落ちることがなく、吸収体保持部(1)の一端A側を引っ張り上げて、犬に沿うように装着することができる。この場合、バンド接続部(2a)(2b)は必ずしも離間している必要はない。肛門部(12)はオス、メスともに同じ場所になるので、下痢や介護が必要になった犬などでは、排便を受けることに使用できる。
【0023】
また、主にメス犬に使うことができる。メス犬は排尿だけでなく、ヒートという繁殖期に尿排尿部近傍の生殖器から血液がでる場合がある。他の犬への防御策として犬が集まる場所でのマナーとしてオムツなどの装着が必要な時がある。メス犬の場合、図14に示すように、吸収体保持部(1)をメス排尿部(11)だけを覆い、バンド部(2)の引っ張り具合を調整し、肛門部(12)を露出させるように装着することができる。メス犬の尿や生理だけを受け取ればよい場合、肛門部まで覆うとオムツ内で便が張り付き、広がってしまう。便の始末ができる場合には、肛門部は露出させる方がよい。
【0024】
オムツカバーの第5実施例においては、装着時に2本の腕部が離間することに加え、バンド部(2)の一部、すなわち腕連結部(5)と一対の係止部(3)を介し吸収体保持部(1)の他端B側の一部とで、胴体を一周し装着されている。このため、一端側Aの腕部(4a)(4b)が犬の動きによって引っ張られても、胴体にしっかり装着されているのでずれにくく、犬の下半身に保持される。バンド部(2)で胴体へ装着しているので、すべての実施例と同様に、犬の排尿部近傍以外の毛をおさえつけることなく、外観への影響が少ない。
【0025】
オムツカバーの第6実施例について、図15で説明する。係止具はそれぞれにバンド部(2)が可動可能に通るバンド通し穴(3c)、(3d)とその穴に通すための切り込み(3e)、(3f)を組み合わせ、バンド部(2)がスライド可能に係止できればよい。また、余剰なバンド部(2)の長さを固定させるためにアジャスター(9a)を設けてもよい。またアジャスターは前記オムツカバーの第4の実施例で述べたような、スライドさせて長さを変えるものでもよい。
【0026】
図 16に示すように、オムツカバーの第7実施例は、オムツカバーの第1実施例の係止具(3)に、両端にバンド部(2)をひっかけて係止できるフック状の係止具を設けた補助具(13)取り付けて、図13と同様にメス犬および肛門用に装着させることもできる。
【0027】
図17に示すように、猫(14)はオス排尿部とメス排尿部が同じようなところにある。猫(14)はスプレーという、においをつける行動をとる。家の中でスプレーをされても大丈夫なように、当発明品の吸収体保持部とバンド部の長さを猫に合わせた大きさにすることもできる。また、他の4足動物にも使うことができる。
【0028】
図18図19に示すように吸収体保持部(1)と吸収体(1a)を一体化し、吸収体部(15)として全体を不織布などで可燃可能な素材で作ることもできる。この場合は、吸収体(1a)を取り換えて使い続けるのではなく、毎回使ったら処分するペット用オムツとして使うことになる。使い捨てができるので水資源の節約、旅行用にも重宝する。
【0029】
オムツカバーの第8実施形態を説明する。吸収体保持部(1)は必ずしも四角形である必要はない。またバンド接続部(2a)、(2b)は必ずしも離間する必要はない。一端にバンド部(2)、他端に係止部(3)を設ける必要があるが、係止部(3)は吸収体保持部(1)に必ずしも延設させる必要はない。図20に示すように、バンド部(2)を介して設けてもよい。その場合、係止部(3)は幅を広くし、一端側のバンド部(2)をかけて係止した場合に2本の腕部(4a)、(4b)が犬の背中側で一部が離間されて装着されればよい。
【0030】
以上のすべての実施例において、バンド部(2)は細帯状、さらに伸縮性のあるゴム素材であることが好ましい。細帯状にすることで、余剰部分が結びやすくなり、伸縮性のあるゴム素材にすればさらに犬に負担なくフィットし、動きによるズレも少なくなる。
【0031】
従来のペット用オムツカバーあるいはペット用オムツにあっては、胴回りの長さに対して一部分を重ねて接合させることでサイズを調整していた。しかし、サイズの可変部分を増やそうとすれば、細身の場合は無駄に重なり余る部分が邪魔になることがあり、逆に太り気味だと足りなくなる。サイズが合わない時にはどちらにしろ接合部分が少なくなり、外れやすくなる。また、接合することでサイズを合わせているので、一度接合すると、より犬に快適にフィットさせるためには何度かつけ外す作業が必要になった。大型犬になり、接合部分が広くなると、さらに一度でフィットさせることが難しくなった。
これに対して、本発明品のバンド部の構造ならば、まずは係止具に留めることで仮止めになり、その後、装着しながらにして、必要に応じて胴体への締め付け具合などを調整することができる。子犬から成犬になる間があっという間なので、1サイズで胴囲の許容範囲が少ないものは使える期間が短くなってしまう。また、成犬になっても、太ったり痩せたりと、サイズが変わることがある。本発明品は、胴体に装着する手段として2つの部材を接合、係止させるものではなく、1本のベルトで出来るようにしたことで、接合部分を無くし、さらにはバンドの余剰部分が邪魔にならずに調整できることで適応サイズを広く設定することができる。
【0032】
体重25キロ~30キロの大型犬で、オス用で具体的な数値を提示する。ウエストが50cm~70cmを想定する。吸収体保持部を30cmと20cmの四角形で一端の両端からバンド部を形成する。バンド部は100cmほどあるとよい。これをウエスト70cmに装着するとほぼそのままで胴体に装着できる。また、同じものをウエスト50cmのオス犬に装着すると、40cmの余剰分がでるが、20cmほどの輪を作って根元を結んでおけばよい。
【0033】
それまでの、吸収体保持部の短手方向の幅で胴体に一周させて装着するオス用のオムツでは、吸収体以外の部分は腹巻状となって見えている。サイズの調整が幅と同様の係止部分を面ファスナー等重ねてつけることが多く、例えば20cm細くなった場合の差に対応するには少なくとも25cm分の係止手段が必要になる。そして、約20cmの接合されない部分が出てくる。この部分はひっかけたりして外れる要因にもなる。見かけもよくないし、重なる部分が多いので特に夏には暑苦しく見える。また、ポメラニアンなどの長毛の犬種では、ふさふさした毛の部分とオムツを巻いている部分の差が大きく、非常に見かけが悪い。また、同じような素材のものが巻かれている状態なので、胴回りに対して吸収体部分がズレていてもわかりにくい。本発明品を使用すると、保持手段のバンド部分は細いバンドを2本で離間させて背中部分に装着させることで、幅広の保持手段と同様の効果がありながら体への締め付けが最小限ですみ、また毛に埋もれてしまうのでバンド部分が目立たなくなる。しかしながら腹部分の吸収体保持部は目視できるので、ずれていることがすぐにわかり、直すことができる。
【0034】
なお、上記いずれの実施例もバンド部の両端を吸収体保持部(1)または吸収体部(15)に接続固定しているが、バンド部(2)の途中を吸収体保持部(1)または吸収体部(15)に固定してもよい。その場合、バンド部(2)に係止具を複数個、それに係止可能な係止具を吸収体保持部(1)もしくは吸収体部(15)に設ければ、固定する位置が変えられ、バンド部の長さを変えることができる。したがって、各々の犬のサイズに合わせることが可能となる。
【0035】
なお、第1図から第17図に示したオムツカバーの第1実施例から第7実施例、第20図に示したオムツカバーの第8実施例のいずれの実施例も、オムツカバーを例にとって説明しているが、オムツカバーの吸収体保持部と吸収体を一体化した吸収体部をもちいたオムツにすることが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 吸収体保持部
1a 吸収体
2 バンド部
2a バンド接続部
2b バンド接続部
3 係止部
3a オスの面ファスナー
3b メスの面ファスナー
3c バンド通し穴
3d バンド通し穴
3e 切り込み
3f 切り込み
4a 腕部
4b 腕部
5 腕連結部
6 オス犬
7 オス排尿部
8 結び目
9a アジャスター
9b アジャスター
10 メス犬
11 メス排尿部
12 肛門部
13 補助具
14 猫
15 吸収体部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20