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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124314
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240905BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20240905BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20240905BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20240905BHJP
   B64U 101/30 20230101ALN20240905BHJP
【FI】
H04N7/18 U
B64U10/13
B64U20/87
H04N21/262
B64U101:30
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181006
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2023031285の分割
【原出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】山崎 颯
【テーマコード(参考)】
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CE01
5C054DA07
5C054FA04
5C054FE14
5C164FA07
5C164SA25S
5C164SB36S
5C164SB41P
5C164SC21S
5C164TA06S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】飛行体が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになる事態を抑制できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、飛行体が飛行を開始する前に、映像処理装置に、飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって飛行体が無線通信によって送信した映像データの配信又は録画を開始させるための開始情報を送信する開始情報送信部122と、映像処理装置が映像データの配信又は録画を開始してから基準時間が経過したことを特定する特定部124と、飛行体が飛行を開始する前に基準時間が経過したことを特定部が特定したことを条件として、映像処理装置に、映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報を送信する停止情報送信部125と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体が飛行を開始する前に、映像処理装置に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって前記飛行体が無線通信によって送信した映像データを配信又は録画するためのリソースの起動指示を送信する送信部と、
前記映像処理装置が前記リソースを起動してから基準時間が経過したことを特定する特定部と、
を有し、
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始する前に前記基準時間が経過したことを前記特定部が特定したことを条件として、前記映像処理装置に、前記リソースを削除させるための削除指示を送信する、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記飛行体が飛行を開始する前であり、かつユーザが飛行させる前記飛行体を選択しており、かつ前記基準時間が経過する日時の所定時間前になったことを条件として、前記基準時間を延長する基準時間決定部をさらに有し、
前記特定部は、前記基準時間決定部が延長した前記基準時間が経過したことを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記飛行体が飛行を開始することに応じて、前記基準時間を延長する基準時間決定部をさらに有し、
前記特定部は、前記基準時間決定部が延長した前記基準時間が経過したことを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記飛行体の飛行経路及び飛行日時を含む飛行予定情報を取得する取得部をさらに有し、
前記基準時間決定部は、前記飛行予定情報に基づいて延長時間を決定し、決定した前記延長時間を前記基準時間に加算することによって前記基準時間を延長する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記基準時間決定部は、前記飛行体が飛行を開始する前のタイミングである場合と、前記飛行体が飛行を開始するタイミングである場合と、で異なる延長時間を決定し、決定した前記延長時間を前記基準時間に加算することによって前記基準時間を延長する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記飛行体に飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する飛行制御部をさらに有し、
前記飛行制御部は、前記映像処理装置が前記リソースを削除中である場合に、前記飛行開始情報を送信しない、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始した後に前記基準時間が経過したことを前記特定部が特定した場合に、前記削除指示を送信しない、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始した後に前記基準時間が経過したことを前記特定部が特定した場合に、前記飛行体が飛行している間に前記削除指示を送信せず、前記飛行体が飛行を終了した後に前記削除指示を送信する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末において前記飛行体が選択されたことに応じて、前記起動指示を送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記飛行体の飛行経路及び飛行日時を含む飛行予定情報が設定されたことに応じて、前記起動指示を送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記リソースは、前記映像データを配信する配信部と、前記映像データを録画する録画部と、を含み、
前記特定部は、前記配信部が前記映像データの配信を開始してから第1の前記基準時間が経過したことと、前記録画部が前記映像データの録画を開始してから第2の前記基準時間が経過したことと、を特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
飛行体が飛行を開始する前に、映像処理装置に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって前記飛行体が無線通信によって送信した映像データの配信又は録画するためのリソースの起動指示を送信するステップと、
前記映像処理装置が前記リソースを起動してから基準時間が経過したことを特定するステップと、
前記飛行体が飛行を開始する前に前記基準時間が経過したことを前記特定するステップにおいて特定したことを条件として、前記映像処理装置に、前記リソースを削除させるための削除指示を送信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体の飛行に関する情報を処理する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クラウドサーバがドローンに対してユーザによって選択されたルートを送信し、ドローンがルートに沿って飛行しながら撮像をし、クラウドサーバがドローンによって撮像された画像をユーザ端末に送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-153221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サーバにおいて、ドローン等の飛行体が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソース(サービス等)は、飛行体が飛行を開始する前の所定のタイミングで起動され、飛行体が飛行を終了することに応じて停止されるように構成されていることがある。このような構成において、天候不良等によってユーザが飛行体の飛行を開始させることができない場合に、映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになるという問題があった。サーバにおいて映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになると、サーバのプロセッサ及びメモリが無駄に占有されたり、リソースの稼働時間に応じて高額な料金がユーザに課されたりする場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行体が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになる事態を抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、飛行体が飛行を開始する前に、映像処理装置に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって前記飛行体が無線通信によって送信した映像データを配信又は録画するためのリソースの起動指示を送信する送信部と、前記映像処理装置が前記リソースを起動してから基準時間が経過したことを特定する特定部と、を有し、前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始する前に前記基準時間が経過したことを前記特定部が特定したことを条件として、前記映像処理装置に、前記リソースを削除させるための削除指示を送信する。
【0007】
前記情報処理装置は、前記飛行体が飛行を開始する前であり、かつユーザが飛行させる前記飛行体を選択しており、かつ前記基準時間が経過する日時の所定時間前になったことを条件として、前記基準時間を延長する基準時間決定部をさらに有し、前記特定部は、前記基準時間決定部が延長した前記基準時間が経過したことを特定してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記飛行体が飛行を開始することに応じて、前記基準時間を延長する基準時間決定部をさらに有し、前記特定部は、前記基準時間決定部が延長した前記基準時間が経過したことを特定してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記飛行体の飛行経路及び飛行日時を含む飛行予定情報を取得する取得部をさらに有し、前記基準時間決定部は、前記飛行予定情報に基づいて延長時間を決定し、決定した前記延長時間を前記基準時間に加算することによって前記基準時間を延長してもよい。
【0010】
前記基準時間決定部は、前記飛行体が飛行を開始する前のタイミングである場合と、前記飛行体が飛行を開始するタイミングである場合と、で異なる延長時間を決定し、決定した前記延長時間を前記基準時間に加算することによって前記基準時間を延長してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記飛行体に飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する飛行制御部をさらに有し、前記飛行制御部は、前記映像処理装置が前記リソースを削除中である場合に、前記飛行開始情報を送信しなくてもよい。
【0012】
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始した後に前記基準時間が経過したことを前記特定部が特定した場合に、前記削除指示を送信しなくてもよい。
【0013】
前記送信部は、前記飛行体が飛行を開始した後に前記基準時間が経過したことを前記特定部が特定した場合に、前記飛行体が飛行している間に前記削除指示を送信せず、前記飛行体が飛行を終了した後に前記削除指示を送信してもよい。
【0014】
前記送信部は、前記飛行体の飛行を管理するための情報端末において前記飛行体が選択されたことに応じて、前記起動指示を送信してもよい。
【0015】
前記送信部は、前記飛行体の飛行経路及び飛行日時を含む飛行予定情報が設定されたことに応じて、前記起動指示を送信してもよい。
【0016】
前記リソースは、前記映像データを配信する配信部と、前記映像データを録画する録画部と、を含み、前記特定部は、前記配信部が前記映像データの配信を開始してから第1の前記基準時間が経過したことと、前記録画部が前記映像データの録画を開始してから第2の前記基準時間が経過したことと、を特定してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、飛行体が飛行を開始する前に、映像処理装置に、前記飛行体が撮像をすることによって生成された映像データであって前記飛行体が無線通信によって送信した映像データの配信又は録画するためのリソースの起動指示を送信するステップと、前記映像処理装置が前記リソースを起動してから基準時間が経過したことを特定するステップと、前記飛行体が飛行を開始する前に前記基準時間が経過したことを前記特定するステップにおいて特定したことを条件として、前記映像処理装置に、前記リソースを削除させるための削除指示を送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、飛行体が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになる事態を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な飛行管理画面を表示している情報端末の模式図である。
図4】飛行体が飛行を開始する前の映像処理装置を制御する処理を説明するための模式図である。
図5】飛行体が飛行を開始する際及び飛行体が飛行を開始した後の映像処理装置4を制御する処理を説明するための模式図である。
図6】情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。
図7】情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、情報端末2と、飛行体3と、映像処理装置4と、を含む。情報処理装置1及び映像処理装置4は、それぞれ単一の装置、又は複数の装置である。また、情報処理装置1及び映像処理装置4は、それぞれコンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。情報処理システムSは、その他の端末、装置等を含んでもよい。
【0021】
情報処理装置1は、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データに対する処理を実行する映像処理装置4を制御するコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、ネットワークを介して情報端末2、飛行体3及び映像処理装置4と通信可能なサーバである。映像データに対する処理は、映像データの配信と、映像データの録画と、の少なくとも一方を含む。情報処理装置1は、映像処理装置4に映像データの配信又は録画を開始させるための開始情報と、映像処理装置4に映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報と、を送信する。以下、映像データの配信又は録画を行うことは、映像データの配信及び録画の両方を行うことを含む。また、情報処理装置1は、飛行体3を飛行させるための制御を行ってもよい。
【0022】
情報端末2は、ユーザが使用する、飛行体3の飛行を管理するためのコンピュータである。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザは、例えば、飛行体3を操縦し、管理し、又は所有する人である。情報端末2は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネル等の操作部と、を有する。情報端末2は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1及び映像処理装置4との間で情報を送受信する。
【0023】
飛行体3は、指定された飛行経路を飛行するとともに、飛行中又は飛行前後に撮像をする装置である。飛行体3は、例えば、ドローン等の無人飛行装置である。飛行体3は、所定の撮像範囲を撮像するためのカメラ等の撮像部を有する。飛行体3は、無線通信によって情報処理装置1及び映像処理装置4との間で情報を送受信する。
【0024】
映像処理装置4は、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データであって飛行体3が無線通信によって送信した映像データに対する処理を実行するコンピュータである。映像処理装置4は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1、情報端末2及び飛行体との間で情報を送受信する。
【0025】
映像処理装置4は、例えば、配信部41及び録画部42を含む。映像処理装置4は、配信部41又は録画部42の一方のみを含んでもよい。配信部41は、例えば、飛行体3から映像データを受信し、受信した映像データを情報端末2に送信するとともに、録画部42に通知する。録画部42は、例えば、配信部41から配信された映像データを所定の記憶部に記憶させる。
【0026】
配信部41及び録画部42は、例えば、それぞれ映像処理装置4上で実行される仮想的なリソース(サービス等)である。映像処理装置4は、例えば、情報処理装置1から開始情報を受信したことに応じて、配信部41又は録画部42をメモリ上で起動することにより、映像データの配信又は録画を開始する。映像処理装置4は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、配信部41又は録画部42をメモリから削除することにより、映像データの配信又は録画を停止する。配信部41又は録画部42の起動及び削除には数十秒から数分の時間が掛かるため、配信部41又は録画部42の起動を開始してから映像データの配信又は録画が開始されるまでには時間差があり、配信部41又は録画部42の削除を開始してから映像データの配信又は録画が停止されるまでには時間差がある。
【0027】
配信部41は、録画部42と一体化され、録画部42として機能してもよい。この場合に、配信部41は、例えば、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データを、情報端末2に配信するとともに、録画データとして所定の記憶部に記憶させる。
【0028】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、飛行体3が飛行を開始する前に、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を開始させるための開始情報を送信する。情報処理装置1は、飛行体3が飛行を終了した後に、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報を送信する。
【0029】
一方、情報処理装置1は、飛行体3が飛行を開始する前に、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始してから所定の基準時間が経過したことを特定する。情報処理装置1は、飛行体3が飛行を開始する前に基準時間が経過したことを特定したことを条件として、映像処理装置4に停止情報を送信する。
【0030】
このような構成により、情報処理システムSは、映像処理装置4が映像データの配信又は録画した後に飛行体3が飛行を開始していない状況であっても、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始してから所定の基準時間が経過したことを条件として、映像処理装置4に映像データの配信又は録画を停止させる。これにより、情報処理システムSは、飛行体3が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになる事態を抑制できる。
【0031】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0032】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、一又は複数の飛行体3それぞれ識別するための識別情報(以下、飛行体ID(Identification))と、当該飛行体3を飛行させる予定の飛行経路と、当該飛行体3を飛行させる予定の予定時刻と、を関連付けた飛行予定情報を記憶する。記憶部11は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0033】
制御部12は、取得部121と、開始情報送信部122と、基準時間決定部123と、特定部124と、停止情報送信部125と、飛行制御部126と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部121、開始情報送信部122、基準時間決定部123、特定部124、停止情報送信部125及び飛行制御部126として機能する。
【0034】
情報端末2は、記憶部21と、制御部22とを有する。記憶部21は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部21は、制御部22が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部21は、情報端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部22との間でデータの授受を行ってもよい。
【0035】
制御部22は、送信部221と、受信部222と、判定部223と、を有する。制御部22は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、送信部221、受信部222及び判定部223として機能する。
【0036】
情報処理システムSが本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。まず情報端末2は、飛行体3の飛行を管理するための飛行管理画面を表示部上に表示する。
【0037】
図3は、例示的な飛行管理画面を表示している情報端末2の模式図である。飛行管理画面は、例えば、飛行体3の選択欄2aと、飛行体3が撮像した映像データを含む映像欄2bと、飛行体3に飛行を開始させるためのボタン2cと、を含む。また、飛行管理画面は、選択された飛行体3の飛行予定情報(飛行経路)等、飛行体3の飛行に関するその他の情報を含んでもよい。
【0038】
選択欄2aは、例えば、ユーザが飛行させることができる一又は複数の飛行体3の選択肢を含む。ユーザが飛行させることができる飛行体3は、例えば、情報処理装置1の記憶部11に飛行予定情報が予め記憶されている飛行体3である。情報端末2は、選択欄2aに対するユーザによる操作に応じて、飛行させる飛行体3の選択を受け付ける。その後、情報処理システムSは、映像処理装置4を制御する処理を開始する。
【0039】
図4は、飛行体3が飛行を開始する前の映像処理装置4を制御する処理を説明するための模式図である。情報端末2の送信部221は、飛行管理画面におけるユーザによる操作に応じて、ユーザが選択した飛行体3を示す機体選択要求を、情報処理装置1に送信する(a1)。機体選択要求は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0040】
情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した機体選択要求を受信し、受信した機体選択要求が示す飛行体IDを取得する。取得部121は、記憶部11において、取得した飛行体IDに関連付けられた飛行予定情報を取得する。また、取得部121は、情報端末2においてユーザにより入力された飛行予定情報を取得し、取得した飛行予定情報をユーザが選択した飛行体3の飛行体IDと関連付けて記憶部11に記憶させてもよい。
【0041】
開始情報送信部122は、ユーザが選択した飛行体3(例えば、取得部121が取得した飛行体IDに対応する飛行体3)が飛行を開始する前に、映像処理装置4に、飛行体3が撮像をすることによって生成された映像データであって飛行体3が無線通信によって送信した映像データの配信又は録画を開始させるための開始情報を送信する(a2)。開始情報は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0042】
開始情報送信部122は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを取得部121が取得したこと、すなわち情報端末2においてユーザが飛行体3を選択したことに応じて、開始情報を送信する。また、開始情報送信部122は、取得部121が取得した飛行予定情報を飛行体3に送信し、飛行体3への飛行予定情報の送信が完了したこと(例えば、飛行予定情報が飛行体3に設定されたこと)に応じて、開始情報を送信してもよい。
【0043】
開始情報送信部122は、映像処理装置4が含む配信部41に映像データの配信を開始させるための開始情報を送信するとともに、映像処理装置4が含む録画部42に映像データの録画を開始させるための開始情報を送信してもよい。また、開始情報送信部122は、配信部41に映像データの配信を開始させるための開始情報を送信した後に(例えば、開始情報送信部122が配信部41から起動完了の通知を受信した後に)、録画部42に映像データの録画を開始させるための開始情報を送信してもよい。また、開始情報送信部122は、映像処理装置4に単一の開始情報を送信してもよい。
【0044】
飛行体3は、例えば、電源が入ると、撮像部を用いて撮像した映像データを映像処理装置4に送信することを開始する。映像処理装置4において、配信部41は、情報処理装置1から開始情報を受信したことに応じて、ユーザが選択した飛行体3(例えば、開始情報が含む飛行体IDに対応する飛行体3)から受信した映像データを、録画部42に配信することを開始するとともに、情報端末2に配信することを開始する。情報端末2は、配信部41から映像データを受信し、受信した映像データを図3に例示した飛行管理画面中の映像欄2bに表示する。
【0045】
録画部42は、情報処理装置1から開始情報を受信したことに応じて、配信部41から配信された映像データを録画することを開始する。録画部42は、例えば、映像処理装置4が有する記憶部又は映像処理装置4の外部に設けられた記憶部に、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDと関連付けて映像データを記憶させる。
【0046】
開始情報送信部122が映像処理装置4に開始情報を送信した後に、基準時間決定部123は、映像処理装置4に停止情報を送信する基準とする基準時間を決定する。基準時間は、例えば、記憶部11に予め記憶された所定の時間(10分、30分、1時間等)である。特定部124は、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始した時点からの経過時間の測定を開始する。特定部124は、例えば、映像処理装置4から起動完了の通知を受信した時点からの経過時間、又は開始情報送信部122が映像処理装置4に開始情報を送信した時点からの経過時間を測定する。
【0047】
基準時間は、飛行体3が飛行する予定の期間である飛行予定期間よりも短いことが望ましい。基準時間決定部123は、例えば、取得部121が取得した飛行予定情報が示す予定時刻から飛行体3の飛行予定期間を特定し、特定した飛行予定期間よりも短い基準時間を決定する。これにより、情報処理システムSは、基準時間が長く設定されることにより、飛行体3が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが無駄に長時間起動されることを抑制できる。
【0048】
基準時間決定部123は、配信部41に対して用いる第1の基準時間と、録画部42に対して用いる第2の基準時間と、を決定してもよい。第1の基準時間及び第2の基準時間は、同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよい。
【0049】
開始情報送信部122は、基準時間決定部123が決定した基準時間を示す情報を、情報端末2に送信する(a3)。情報端末2において、受信部222は、情報処理装置1が送信した基準時間を示す情報を受信する。判定部223は、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始した時点(例えば、開始情報送信部122が映像処理装置4に開始情報を送信した時点)からの経過時間の測定を開始する。
【0050】
取得部121は、所定の時間間隔で、映像処理装置4から、配信部41及び録画部42それぞれの状態を示す状態情報を取得する。配信部41及び録画部42それぞれの状態は、例えば、停止していること、起動中であること、映像データの配信中又は録画中であること、削除中(停止中)であることのうちいずれかである。開始情報送信部122は、取得部121が取得した状態情報を、所定の時間間隔で情報端末2に送信する(a4)。情報端末2において、受信部222は、情報処理装置1が送信した状態情報を受信する。
【0051】
特定部124は、測定している経過時間に基づいて、飛行体3が飛行を開始する前に、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始してから(例えば、開始情報送信部122が映像処理装置4に開始情報を送信してから)、基準時間決定部123が決定した基準時間が経過したか否かを特定する。基準時間は、基準時間決定部123が最初に決定した基準時間又は後述の延長要求に応じて延長した基準時間である。
【0052】
停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を開始する前に基準時間が経過したことを特定部124が特定したことを条件として、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報を送信する(a5)。停止情報は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0053】
基準時間決定部123が配信部41に対して用いる第1の基準時間及び録画部42に対して用いる第2の基準時間を決定した場合に、特定部124は、配信部41が映像データの配信を開始してから第1の基準時間が経過したか否かを特定し、録画部42が映像データの録画を開始してから第2の基準時間が経過したか否かを特定する。停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を開始する前に第1の基準時間が経過したことを特定部124が特定したことを条件として、配信部41に、映像データの配信を停止させるための停止情報を送信する。停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を開始する前に第2の基準時間が経過したことを特定部124が特定したことを条件として、録画部42に、映像データの録画を停止させるための停止情報を送信する。
【0054】
映像処理装置4において、配信部41は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、ユーザが選択した飛行体3(例えば、停止情報が含む飛行体IDに対応する飛行体3)から受信した映像データを配信部41に配信することを停止する。録画部42は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、配信部41から配信された映像データを録画することを停止する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3が飛行を開始していない状況であっても基準時間が経過したことに応じて映像データの配信又は録画を停止するため、飛行体3が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになる事態を抑制できる。
【0055】
停止情報送信部125は、映像処理装置4が含む配信部41に映像データの配信を停止させるための停止情報を送信するとともに、映像処理装置4が含む録画部42に映像データの録画を停止させるための停止情報を送信してもよい。また、停止情報送信部125は、映像処理装置4に単一の停止情報を送信してもよい。
【0056】
情報処理装置1の特定部124が、基準時間が経過したか否かを特定することと並行して、情報端末2の判定部223は、基準時間を延長するための延長条件が満たされたか否かを判定する。延長条件は、例えば、(1)飛行体3が飛行を開始する前であること、(2)ユーザが飛行させる飛行体3を選択していること、(3)基準時間が経過する日時の所定時間前になったこと、を含む。延長条件は、さらに(4)配信部41又は録画部42の停止が開始される前であることを含んでもよい。
【0057】
判定部223は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行開始要求を送信部221が送信していない場合に、飛行体3が飛行を開始する前であると判定し、そうでない場合に、飛行体3が飛行を開始した後であると判定する。
【0058】
判定部223は、例えば、ユーザが飛行体3の選択を解除するための解除操作を行っていない場合に、ユーザが飛行させる飛行体3を選択していると判定し、そうでない場合に、ユーザが飛行させる飛行体3を選択していないと判定する。解除操作は、例えば、図3に例示した飛行管理画面中のキャンセルボタンを選択する操作、選択中の飛行体3とは異なる飛行体3を選択する操作、飛行体3を飛行させるためのアプリケーションを終了する操作等である。
【0059】
判定部223は、例えば、測定している経過時間が、受信部222が受信した情報が示す基準時間から所定時間を引いた時間以上である場合に、基準時間が経過する日時の所定時間前になったと判定し、そうでない場合に、基準時間が経過する日時の所定時間前になっていないと判定する。所定時間は、記憶部21に予め記憶された、基準時間及び後述の延長時間よりも短い所定の時間(1分、5分等)である。
【0060】
判定部223は、例えば、受信部222が受信した状態情報が配信部41及び録画部42が削除中(停止中)であることを示す場合に、配信部41又は録画部42の停止が開始された後であると判定し、そうでない場合に、配信部41又は録画部42の停止が開始される前であると判定する。
【0061】
送信部221は、上述の(1)~(3)又は(1)~(4)の延長条件が満たされたと判定部223が判定したことを条件として、延長要求を送信する(a5’)。延長要求は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0062】
情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した延長要求を受信する。取得部121が延長要求を受信したことは、飛行体3が飛行を開始する前であり、かつユーザが飛行させる飛行体3を選択しており、かつ基準時間が経過する日時の所定時間前になったことを含む延長条件が満たされたことに対応している。延長条件は、さらに配信部41又は録画部42の停止が開始される前であることを含んでもよい。
【0063】
基準時間決定部123は、飛行体3が飛行を開始する前であり、かつユーザが飛行させる飛行体3を選択しており、かつ基準時間が経過する日時の所定時間前になったことを条件として、基準時間を延長する。基準時間決定部123は、例えば、延長前の基準時間に所定の延長時間を加算することによって、基準時間を延長する。延長時間は、例えば、記憶部11に予め記憶された所定の時間(10分、30分、1時間等)である。基準時間決定部123が配信部41に対して用いる第1の基準時間及び録画部42に対して用いる第2の基準時間を決定した場合に、基準時間決定部123は、第1の基準時間及び第2の基準時間それぞれに延長時間を加算する。
【0064】
開始情報送信部122は、延長後の基準時間を示す情報を、情報端末2に送信する。特定部124は、延長後の基準時間が経過したか否かを特定する。停止情報送信部125は、延長後の基準時間が経過したことを特定部124が特定したことを条件として、停止情報を送信する。延長後の基準時間が経過する前に取得部121が延長要求を受信した場合に、基準時間決定部123は、再び基準時間を延長する。
【0065】
このように、情報処理システムSは、飛行体3が選択されている状況では基準時間を延長することにより基準時間が到来しないようにし、ユーザが飛行体3を飛行させる意志があるにもかかわらず基準時間が経過することで映像データの配信又は録画が停止されることを抑制できる。
【0066】
基準時間決定部123は、取得部121が取得した飛行予定情報に基づいて、延長時間を決定してもよい。基準時間決定部123は、例えば、飛行予定情報が示す予定時刻から飛行体3の飛行予定期間を特定し、特定した飛行予定期間よりも長い延長時間を決定する。基準時間決定部123は、決定した延長時間を基準時間に加算することによって基準時間を延長する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3が飛行している間に基準時間が経過することで映像データの配信又は録画が停止されることを抑制できる。
【0067】
図5は、飛行体3が飛行を開始する際及び飛行体3が飛行を開始した後の映像処理装置4を制御する処理を説明するための模式図である。情報端末2において、送信部221は、ユーザによる図3に例示した飛行管理画面中のボタン2cを選択する操作に応じて、飛行開始要求を情報処理装置1に送信する(b1)。飛行開始要求は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0068】
情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した飛行開始要求を受信する。飛行制御部126は、飛行開始要求が含む飛行体IDに対応する飛行体3に、飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する(b2)。飛行開始情報は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行予定情報を含む。また、飛行制御部126は、情報端末2から飛行開始要求を受け付けることなく、現在時刻が、飛行予定情報が示す予定時刻になったことに応じて、飛行体3に飛行開始情報を送信してもよい。
【0069】
飛行制御部126は、取得部121が取得した状態情報が、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を停止させている状態であること(例えば、配信部41及び録画部42が停止していること又は削除中であること)を示す場合に、飛行開始情報を送信しなくてもよい。これにより、情報処理システムSは、映像処理装置4が映像データの配信又は録画をできない状態で飛行体3の飛行を開始することを抑制できる。
【0070】
停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を開始した後(例えば、飛行制御部126が飛行開始情報を送信した後)であって飛行体3が飛行を終了する前に基準時間が経過したことを特定部124が特定した場合には、停止情報を送信しなくてもよい。この場合に、停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を終了した後に停止情報を送信する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3が飛行している間に基準時間が経過することで映像データの配信又は録画が停止されることを抑制できる。
【0071】
飛行体3は、情報処理装置1から飛行開始情報を受信したことに応じて、飛行を開始するとともに、情報処理装置1に飛行を開始したことを示す飛行開始通知を送信する(b3)。飛行開始通知は、例えば、飛行体3が離陸した時刻を含む。
【0072】
基準時間決定部123は、飛行体3が飛行を開始すること(例えば、飛行制御部126が飛行開始情報を送信したこと、又は取得部121が飛行体3から飛行開始通知を受信したこと)に応じて、基準時間を延長してもよい。基準時間決定部123は、例えば、延長前の基準時間に所定の延長時間を加算することによって、基準時間を延長する。延長時間は、例えば、記憶部11に予め記憶された所定の時間(10分、30分、1時間等)である。また、特定部124は、飛行体3が飛行を開始することに応じて、経過時間の測定を停止してもよい。
【0073】
また、基準時間決定部123は、図4に例示した飛行体3が飛行を開始する前のタイミングである場合と、図5に例示した飛行体3が飛行を開始するタイミングである場合と、で異なる延長時間を決定してもよい。基準時間決定部123は、例えば、飛行体3が飛行を開始するタイミングである場合の延長時間を、飛行体3が飛行を開始する前のタイミングである場合の延長時間よりも長い時間に決定する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3が飛行を開始するタイミングで基準時間をより長く延長することができ、飛行体3が飛行している間に基準時間が経過することで映像データの配信又は録画が停止されるおそれをさらに低減できる。
【0074】
飛行体3は、飛行開始情報が含む飛行予定情報に従って飛行した後、ドローンポート等の所定の地点に飛行し、飛行を終了(着陸)するとともに、情報処理装置1に飛行を終了したことを示す飛行終了通知を送信する(b4)。飛行終了通知は、例えば、飛行体3が着陸した時刻、飛行体3のプロペラを停止した時刻、又は飛行体3の電源が切られた時刻(すなわち、電源がOFFになった時刻)を含む。
【0075】
情報処理装置1において、取得部121は、飛行体3が送信した飛行開始通知及び飛行終了通知を受信する。停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を終了したこと(例えば、取得部121が飛行終了通知を受信したこと)に応じて、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報を送信する(b5)。停止情報は、例えば、ユーザが選択した飛行体3の飛行体IDを含む。
【0076】
映像処理装置4において、配信部41は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、ユーザが選択した飛行体3(例えば、停止情報が含む飛行体IDに対応する飛行体3)から受信した映像データを録画部42に配信することを停止する。録画部42は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、配信部41から配信された映像データを録画することを停止する。これにより、情報処理システムSは、飛行体3が飛行を終了したことに応じて、映像データの配信又は録画を停止することができる。
【0077】
[飛行管理方法のシーケンス]
図6図7は、情報処理システムSが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。飛行体3は、例えば、電源が入ると、撮像部を用いて撮像した映像データを映像処理装置4に送信することを開始する(S11)。
【0078】
情報端末2は、飛行体3の飛行を管理するための飛行管理画面を表示部上に表示する。情報端末2は、飛行管理画面において飛行させる飛行体3の選択をユーザから受け付け、ユーザが選択した飛行体3を示す機体選択要求を情報処理装置1に送信する(S12)。
【0079】
情報処理装置1において、情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した機体選択要求を受信し、受信した機体選択要求が示す飛行体IDを取得する。取得部121は、記憶部11において、取得した飛行体IDに関連付けられた飛行予定情報を取得する。
【0080】
開始情報送信部122は、ユーザが選択した飛行体3が飛行を開始する前に、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を開始させるための開始情報を送信する(S13)。
【0081】
映像処理装置4は、情報処理装置1から開始情報を受信したことに応じて、ユーザが選択した飛行体3から受信した映像データの配信及び録画を開始する(S14)。また、映像処理装置4は、ユーザが選択した飛行体3から受信した映像データを情報端末2に配信することを開始する。情報端末2は、配信部41から映像データを受信し、受信した映像データを表示部上に表示する。
【0082】
開始情報送信部122が映像処理装置4に開始情報を送信した後に、基準時間決定部123は、映像処理装置4に停止情報を送信する基準とする基準時間を決定する(S15)。特定部124は、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始した時点からの経過時間の測定を開始する。
【0083】
開始情報送信部122は、基準時間決定部123が決定した基準時間を示す情報を、情報端末2に送信する。情報端末2において、受信部222は、情報処理装置1が送信した基準時間を示す情報を受信する。判定部223は、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始した時点からの経過時間の測定を開始する。
【0084】
取得部121は、所定の時間間隔で、映像処理装置4から、配信部41及び録画部42それぞれの状態を示す状態情報を取得する(S16)。開始情報送信部122は、取得部121が取得した状態情報を、所定の時間間隔で情報端末2に送信する。情報端末2において、受信部222は、情報処理装置1が送信した状態情報を受信する。
【0085】
情報端末2の判定部223は、受信部222が受信した基準時間を示す情報及び状態情報に基づいて、基準時間を延長するための延長条件が満たされたか否かを判定する。延長条件は、例えば、(1)飛行体3が飛行を開始する前であること、(2)ユーザが飛行させる飛行体3を選択していること、(3)基準時間が経過する日時の所定時間前になったこと、を含む。延長条件は、さらに(4)配信部41又は録画部42の停止が開始される前であることを含んでもよい。判定部223は、延長条件が満たされたと判定しない場合(S17のNO)、延長条件が満たされたか否かの判定を繰り返す。
【0086】
送信部221は、延長条件が満たされたと判定部223が判定したことを条件として(S17のYES)、延長要求を送信する(S18)。情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した延長要求を受信する。基準時間決定部123は、取得部121が受信した延長要求に基づいて、飛行体3が飛行を開始する前であり、かつユーザが飛行させる飛行体3を選択しており、かつ基準時間が経過する日時の所定時間前になったことを条件として、基準時間を延長する(S19)。
【0087】
情報処理装置1において、特定部124は、測定している経過時間に基づいて、飛行体3が飛行を開始する前に、映像処理装置4が映像データの配信又は録画を開始してから、基準時間決定部123が決定した基準時間が経過したか否かを特定する。特定部124は、基準時間が経過したことを特定しない場合(S20のNO)、基準時間が経過したか否かの特定を繰り返す。
【0088】
停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を開始する前に基準時間が経過したことを特定部124が特定したことを条件として(S20のYES)、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報を送信する(S21)。映像処理装置4は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、ユーザが選択した飛行体3から受信した映像データの配信又は録画を停止する(S22)。
【0089】
図7のシーケンスは、図6のシーケンスのステップS14の後に並行して実行される。情報端末2は、飛行管理画面において、ユーザによる飛行開始要求の操作を受け付ける。情報端末2は、飛行開始要求の操作を受け付けていない場合に(S31のNO)、ユーザによる飛行開始要求の操作の受け付けを繰り返す。送信部221は、飛行開始要求の操作を受け付けたことに応じて(S31のYES)、ユーザが選択した飛行体3の飛行開始要求を情報処理装置1に送信する(S32)。情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した飛行開始要求を受信する。飛行制御部126は、飛行開始要求が含む飛行体IDに対応する飛行体3に、飛行を開始させるための飛行開始情報を送信する(S33)。
【0090】
飛行体3は、情報処理装置1から飛行開始情報を受信したことに応じて、飛行を開始するとともに、情報処理装置1に飛行を開始したことを示す飛行開始通知を送信する。飛行体3は、飛行開始情報が含む飛行予定情報に従って飛行した後、ドローンポート等の所定の地点に飛行し、飛行を終了(着陸)するとともに、情報処理装置1に飛行を終了したことを示す飛行終了通知を送信する。
【0091】
情報処理装置1において、取得部121は、飛行体3が送信した飛行開始通知及び飛行終了通知を受信する。停止情報送信部125は、飛行体3が飛行を終了したことに応じて、映像処理装置4に、映像データの配信又は録画を停止させるための停止情報を送信する(S34)。映像処理装置4は、情報処理装置1から停止情報を受信したことに応じて、ユーザが選択した飛行体3から受信した映像データの配信又は録画を停止する(S35)。
【0092】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSは、飛行体3が飛行を開始していない状況であっても基準時間が経過したことに応じて映像データの配信又は録画を停止するため、飛行体3が撮像した映像データを配信又は録画するためのリソースが起動されたままになる事態を抑制できる。情報処理システムSは、飛行体3が選択されている状況では基準時間を逐次延長することにより基準時間が到来しないようにし、ユーザが飛行体3を飛行させる意志があるにもかかわらず基準時間が経過することで映像データの配信又は録画が停止されることを抑制できる。
【0093】
[変形例]
上述の実施形態では情報端末2が基準時間を延長するための延長条件が満たされたか否かを判定しているが、情報処理装置1が基準時間を延長するための延長条件が満たされたか否かを判定してもよい。この場合に、情報処理装置1の制御部12は、判定部223として機能する。
【0094】
情報処理装置1において、開始情報送信部122は、基準時間決定部123が決定した基準時間を示す情報を、判定部223に通知する。開始情報送信部122は、取得部121が取得した状態情報を、所定の時間間隔で判定部223に通知する。判定部223は、開始情報送信部122から通知された基準時間を示す情報及び状態情報に基づいて、基準時間を延長するための延長条件が満たされたか否かを判定する。
【0095】
本変形例によれば、飛行体3が延長条件の判定を行うために必要な計算及び通信の負荷を削減することができる。
【0096】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0098】
情報処理装置1、情報端末2、飛行体3及び映像処理装置4のプロセッサは、図6図7に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1、情報端末2、飛行体3及び映像処理装置4のプロセッサは、図6図7に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを実行することによって、図6図7に示す情報処理方法を実行する。図6図7に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0099】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 開始情報送信部
123 基準時間決定部
124 特定部
125 停止情報送信部
126 飛行制御部
2 情報端末
21 記憶部
22 制御部
221 送信部
222 受信部
223 判定部
3 飛行体
4 映像処理装置
41 配信部
42 録画部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7