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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124322
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】物品提供装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240905BHJP
   A47K 10/44 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A47K10/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192671
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2023032120の分割
【原出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】516231165
【氏名又は名称】株式会社ネクイノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
(72)【発明者】
【氏名】松永 治久
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014MC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品を排出する装置において、物品の詰まりを防止しながら、筐体を省スペース化するための技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様の物品提供装置は、複数の物品を収容可能な収容部と、収容部に収容されている物品を排出口に搬送する搬送部と、排出口に取り付けられ、かつ物品の非排出時に排出口の開口が物品の排出時に比べて小さくなるように開閉状態が調整される扉8と、扉の開閉状態をセンシングするセンサ22aと、外部装置からの指示に応じて、物品の一部が物品提供装置の内部に留まり、かつ当該物品の残部が物品提供装置の外部に露出した状態となるまで当該物品を排出するよう搬送部を制御し、センサ22aのセンシング結果に基づいて排出された物品の取り出しの有無を判定し、排出された物品が取り出されたと判定するまで次の物品の排出を行わない制御部とを備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品提供装置であって、
複数の物品を収容可能な収容部と、
前記収容部に収容されている物品を排出口に搬送する搬送部と、
前記排出口に取り付けられ、かつ前記物品の非排出時に前記排出口の開口が前記物品の排出時に比べて小さくなるように開閉状態が調整される扉と、
前記扉の開閉状態をセンシングするセンサと、
外部装置からの指示に応じて、前記物品の一部が前記物品提供装置の内部に留まり、かつ当該物品の残部が前記物品提供装置の外部に露出した状態となるまで当該物品を排出するよう前記搬送部を制御し、前記センサのセンシング結果に基づいて排出された前記物品の取り出しの有無を判定し、排出された前記物品が取り出されたと判定するまで次の物品の排出を行わない制御部と
を具備する、物品提供装置。
【請求項2】
前記扉は、前記物品の排出時に、前記排出口とともに当該物品を挟んで支持する、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項3】
前記扉は、一端側を軸として回動可能に構成され、前記物品の排出時には当該物品によって、当該扉の他端が前記排出口から離れる方向に押し退けられる、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項4】
前記センサは、前記扉の開閉状態によって変化する物理量を計測する、
請求項3に記載の物品提供装置。
【請求項5】
前記扉は、上下方向および前記物品の排出方向に対して直交する軸周りに回動し、
前記センサは、光学センサであって、前記物品の非排出時に当該センサから発せられる光線が前記扉または当該扉に連動する部材によって遮蔽されず、かつ前記物品の排出時に当該センサから発せられる光線が前記扉または当該扉に連動する部材によって遮蔽されるように設置され、
前記制御部は、前記センサから発せられた光線の遮蔽の有無により前記扉の開閉状態を検知する、
請求項4に記載の物品提供装置。
【請求項6】
前記扉は、上下方向および前記物品の排出方向に対して直交する軸周りに回動し、
前記センサは、光学センサであって、前記物品の非排出時に当該センサから発せられる光線が前記扉または当該扉に連動する部材によって遮蔽され、かつ前記物品の排出時に当該センサから発せられる光線が前記扉または当該扉に連動する部材によって遮蔽されないように設置され、
前記制御部は、前記センサから発せられた光線の遮蔽の有無により前記扉の開閉状態を検知する、
請求項4に記載の物品提供装置。
【請求項7】
前記収容部は、前記物品の収容状態に関わらず着脱可能に構成される、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項8】
前記扉は、上下方向に開閉可能に構成され、前記物品の排出時には当該物品によって上方に押し退けられる、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項9】
前記扉は、前記排出口の開口を小さくする方向に付勢されており、前記物品の排出時には当該物品からの抗力によって当該物品が前記開口を通過可能な大きさにするように開かれる、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項10】
前記物品の排出口が、前記物品の排出方向に対して、平行よりも下方向を向くように傾斜して構成される、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項11】
前記物品提供装置の筐体は、上下方向に伸びるスリットを備え、
前記収容部における前記物品の収容状態が、前記スリットを介して、前記物品提供装置の筐体の外部から視認可能である、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項12】
前記物品提供装置の筐体は、前記収容部に収容されている物品のうち最も下方にある排出対象物品よりも上方にある支持対象物品を下方から支持し、かつ当該排出対象物品を支持しない支持部を備える、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記物品の排出が完了した後に、当該物品が取り出し可能であることを伝える情報を提示する、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記物品の排出が完了してから当該物品が取り出されたと判定されないまま所定時間が経過した後に、当該物品が取り出されるまで次の物品が排出できないことを伝える情報を提示する、
請求項1に記載の物品提供装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記物品の排出が完了してから当該物品が取り出されたと判定されないまま所定時間が経過した後に、新たに物品の排出を要求したユーザに、当該物品が取り出されるまで次の物品が排出できないことを伝える情報を提示する、
請求項14に記載の物品提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトイレにおいて、ユーザに衛生用品を提供する技術的思想が提案されている。
特許文献1には、男性に小用拭き取り紙を提供する提供装置について開示されている。この提供装置は、小用拭き取り紙の後端部を検知した場合に当該紙の紙取出口に向けての移動を停止し、当該紙の抜き取りを検知した場合に次の紙を排出することで、紙の個別提供の実現を企図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-254892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術的思想では、小用拭き取り紙の後端を光学的にセンシングすることで抜き取りを検知している。しかしながら、例えば、小用拭き取り紙の位置が何らかの要因によりやや前方にずれた場合に、当該紙の抜き取りを誤って検知し、次の紙を排出した時に取出口で紙詰まりが起こるおそれがある。
【0005】
一方、取出口の外側に物品を完全に出し切るようにすれば、物品の詰まりは防止できるかもしれない。しかしながら、かかる構成では、排出した物品をユーザが受け取るまで貯留するための張出しやポケットが必要になる。故に、かかる構成は、多少なりとも筐体の大型化につながり、限られた設置空間を圧迫することになる。
【0006】
本開示の目的は、物品を排出する装置において、物品の詰まりを防止しながら、筐体を省スペース化するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の物品提供装置は、複数の物品を収容可能な収容部と、収容部に収容されている物品を排出口に搬送する搬送部と、排出口に取り付けられ、かつ物品の非排出時に排出口の開口が物品の排出時に比べて小さくなるように開閉状態が調整される扉と、扉の開閉状態をセンシングするセンサと、外部装置からの指示に応じて、物品の一部が物品提供装置の内部に留まり、かつ当該物品の残部が物品提供装置の外部に露出した状態となるまで当該物品を排出するよう搬送部を制御し、センサのセンシング結果に基づいて排出された物品の取り出しの有無を判定し、排出された物品が取り出されたと判定するまで次の物品の排出を行わない制御部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の物品提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の物品提供装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態の物品提供装置の表示装置の外観を示す図である。
図4】本実施形態の物品提供装置の本体の外観を示す図である。
図5】本実施形態の物品提供装置の本体の外観を示す図である。
図6】本実施形態の物品提供装置の本体の内部構造を示す図である。
図7】本実施形態の物品提供装置の収容部を示す図である。
図8】本実施形態の物品提供装置の扉付近を示す図である。
図9】本実施形態の物品提供装置の扉と扉センサとの位置関係を示す図である。
図10】本実施形態の物品提供装置の扉と扉センサとの位置関係を示す図である。
図11】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図12】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図13】本実施形態の物品提供装置の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
以降の説明において、後述する物品提供装置の本体筐体を基準として、上方(T方向)、下方(B方向)、前方(F方向)、後方(R方向)、左方向(SL方向)、および右方向(SR方向)を定義する。物品提供装置の本体筐体が水平に設置されている場合に、上方は鉛直上方向に略一致し、下方は鉛直下方向に略一致する。また、物品は、後方から前方に向かって排出されることとする。
【0011】
(1)物品提供システムの構成
物品提供システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の物品提供システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、物品提供システム1は、物品提供装置5と、サーバ50と、クライアント装置70とを備える。
物品提供装置5とサーバ50とは、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
物品提供装置5とクライアント装置70とは、例えばBluetooth(登録商標)またはNFC(Near Field Communication)などにより接続される。或いは、物品提供装置5とクライアント装置70とは、ネットワークNWを介して接続されてもよい。
サーバ50とクライアント装置70とは、ネットワークNWを介して接続される。
【0013】
物品提供装置5は、外部装置(例えばサーバ50)からの制御に応じて、ユーザに物品を供給する。物品は、典型的には生理用品(例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー、タンポン等)、またはその他の衛生用品(例えば、使い捨ておむつ、尿取りパッド、失禁パッド、マスク等)であるが、これに限らず様々な物を含み得る。
物品提供装置5は、例えば個室トイレ(つまり、便器が備え付けられた個室)、授乳室、等に設置され得る。
【0014】
サーバ50は、外部装置(例えば、物品提供装置5またはクライアント装置70)から送信されたリクエストに応じたレスポンスを行う。サーバ50は、情報処理装置の一例である。サーバ50は、例えば、サーバコンピュータである。
【0015】
クライアント装置70は、サーバ50にリクエストを送信する。クライアント装置70は、情報処理装置の一例である。クライアント装置70は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置70のユーザは、所定のサービス(例えば、アプリケーション、またはSaaS(Software as a Service))のアカウントを作成することができ、アカウントの作成後に物品提供装置5から物品の提供を受けることができる。
【0016】
(1-1)物品提供装置の構成
物品提供装置の構成について説明する。図2は、本実施形態の物品提供装置の構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態の物品提供装置の表示装置の外観を示す図である。
【0017】
図2に示すように、物品提供装置5は、コントローラ10と、搬送部21と、センサ22と、表示装置30とを備える。コントローラ10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。コントローラ10は、搬送部21、センサ22、および表示装置30に接続される。
【0018】
なお、物品提供装置5は、図2に示さない構成、例えばタグリーダを備えていてもよい。タグリーダは、典型的にはRFID(Radio Frequency Identification)リーダである。ただし、タグリーダは、RFIDリーダに加えて、またはRFIDリーダの代わりに、媒体に記録された識別情報を取得可能な任意のハードウェアを備えることができる。例えば、タグリーダは、何らかの近距離無線通信方式に従って媒体から送信される無線信号を受信可能な通信装置を備えていてもよいし、何らかのアルゴリズムによって符号化されたコード(例えばQRコード(登録商標))を読み取り(つまり復号)可能なコードリーダを備えていてもよい。
【0019】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0020】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム(例えば、物品提供装置5の制御プログラム)
【0021】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
・表示装置30に表示するための画像データ(例えば広告データ)
【0022】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、物品提供装置5の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0023】
入出力インタフェース13は、物品提供装置5に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示、センシング信号)を取得し、かつ、物品提供装置5に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像、制御信号)を出力するように構成される。
【0024】
入力デバイスは、例えば、センサ22、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
【0025】
出力デバイスは、例えば、搬送部21、表示装置30、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0026】
通信インタフェース14は、物品提供装置5と外部装置(例えば、サーバ50またはクライアント装置70)との間の通信を制御するように構成される。一例として、通信インタフェース14は、BluetoothもしくはNFCインタフェース、無線LAN(Local Area Network)インタフェース、または移動体通信インタフェースの少なくとも1つを含むことができる。
【0027】
搬送部21は、物品を収容する収容部(後述)から、物品を取り出すための排出口(後述)まで、物品を搬送する。搬送部21は、搬送手段および駆動手段を含む。
【0028】
搬送手段は、駆動手段からの駆動力によって動作し、収容部に収容されている物品を所定個数(例えば1個)単位で、排出口へ搬送する。搬送手段は、例えば、スライダ、ローラーコンベア、またはベルトコンベアなどであってよい。
【0029】
駆動手段は、例えばモータ(一例として、ステッピングモータ)である。駆動手段は、コントローラ10(プロセッサ12)からの制御信号に応じて動作し、または動作を停止する。つまり、コントローラ10は、駆動手段を動作させることで、物品を排出口まで移送させ、ユーザに提供することができる。
【0030】
センサ22は、少なくとも、排出口の扉(後述)の開閉状態をセンシングする扉センサを含む。扉センサの詳細は後述する。なお、以降の説明において、扉の閉状態とは、排出口が完全に塞がれていることを必ずしも意味せず、扉の開状態に比べて排出口の開口が小さければよい。さらに、センサ22は、収容部における物品の残量を検出するための残量センサ、物品提供装置5の周囲における人の存在を検出するための人感センサ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0031】
残量センサは、少なくとも、収容部における物品の有無を検出する。残量センサは、物品の残数量を複数段階(例えば、0%、30%、および100%の3段階)で、または個数単位で検出可能に構成されてもよい。一例として、残量センサは、赤外線センサである。残量センサは、収容部に取り付けられてもよいし、収容部を着脱可能に構成する場合には、物品提供装置5の後述する本体筐体の内部に取り付けれられてもよい。
【0032】
表示装置30は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、または電子ペーパーである。図3に示すように、表示装置30は、物品提供装置5の本体とは独立して構成され得る。表示装置30と物品提供装置5(コントローラ10)とは、例えばHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの画像信号を伝送可能な手段により接続される。
【0033】
表示装置30は、便器を備えた個室のうち当該便器を使用する(例えば便器に腰掛ける)時のユーザから見て正面の壁に設置されてよい。他方、物品提供装置5の本体は、例えば便器を備えた個室のうち当該便器を使用する時のユーザから見て背面または側面の壁(例えば便器のタンクの上方)に設置されてよい。これにより、ユーザは、便器に腰掛けた状態で首を動かすことなく、表示装置30の表示部31に表示された広告または案内を閲覧することができ、かつ肉厚になりがちな収容部を備える物品提供装置5の本体が視界に入りにくくなるので個室内に物品提供装置5が設置されていることによる圧迫感を覚えにくい。
【0034】
コントローラ10は、表示装置30の表示部31に広告を表示することができる。広告は常時表示されてもよいし、人感センサにより人が検知されている間に限って表示されてもよい。物品、または物品を提供するために用いられるその他の物は、広告による収入を原資の少なくとも一部として調達(購入、または製造)され、無料でユーザに配布されてもよい。なお、残量センサによって収容部に物品が存在しないことが検知された場合に、コントローラ10は、物品の在庫切れを伝える画面を表示装置30の表示部31に表示してもよい。
【0035】
(1-1-1)物品提供装置の本体の構成
図4は、本実施形態の物品提供装置の本体の外観を示す図である。図5は、本実施形態の物品提供装置の本体の外観を示す図である。図6は、本実施形態の物品提供装置の本体の内部構造を示す図である。図7は、本実施形態の物品提供装置の収容部を示す図である。図8は、本実施形態の物品提供装置の扉付近を示す図である。図9は、本実施形態の物品提供装置の扉と扉センサとの位置関係を示す図である。図10は、本実施形態の物品提供装置の扉と扉センサとの位置関係を示す図である。
【0036】
図4に示すように、物品提供装置5の本体の筐体6は、蓋7と、扉8とを備える。さらに、筐体6は、コントローラ10、搬送部21、センサ22、および収容部を内部に備える。
【0037】
蓋7は、筐体6の前方(F方向)および上方(T方向)を開閉可能に構成される。蓋7は、筐体6の上後方(T-R方向)の端部に固定されており、当該端部を軸として回動可能に構成される。回動方向は、左方向(SL方向)から見て時計回りである。蓋7の上記端部はフリーストップヒンジを備えており、任意の開閉状態で蓋7を静止させることができる。このため、物品の補充作業を容易に行うことができる。
【0038】
蓋7は、上下方向(T-B方向)に伸びるスリット7aを備えている。このため、収容部における物品の収容状態が、スリット7aを介して、物品提供装置5(筐体6)の外部から視認可能である。
【0039】
図8に示すように、扉8は、筐体6の前方(F方向)の面の下部に設けられた排出口に取り付けられる。扉8の開閉状態に応じて、排出口の開口の大きさも変動する。具体的には、扉8は、物品の非排出時に、排出口の開口が物品の排出時に比べて小さくなるように、その開閉状態が調整される。扉8は、その上方(T方向)の端部が筐体6に固定されており、当該端部を軸として回動可能に構成される。回動方向は、左方向(SL方向)から見て時計回りである。
【0040】
図5に示すように、扉8は、物品3の排出時には当該物品3によって、扉8の他端が排出口から離れる方向(図5の例では、前方(F方向))に押し退けられる。これにより、搬送部21は、物品3の一部(前方側の一部)が排出口から露出する状態となるまで、当該物品3を搬送できる。物品3が取り出されると、扉8は自身に加わる重力により、物品3の排出時とは逆方向に回動し、排出口を閉じる。
【0041】
扉8は、物品3の排出時に排出口の下端とともに物品3を挟んで支持する。これにより、物品3を、その一部が物品提供装置5の本体の内部に留まり、かつその残部が物品提供装置5の本体の外部に露出した状態で留めることができる。
【0042】
蓋7を開くと、収容部9が露出する。物品3は、収容部9の内部空間に、上下方向(T-B方向)に積み重ねて収容される。収容部9は、重し9aを備えている。物品3には、上方から重し9aの重量に応じた力が加わるので、物品3の収容量に関わらず、収容部9の内壁に引っかかることなく、最も下方に積まれている物品3が搬送部21により搬送可能な状態を維持することができる。
【0043】
収容部9は、物品3の収容状態が視認しやすいように、光透過性を備える素材により構成される。図7に示すように、収容部9は、筐体6に対して着脱可能に構成されてよい。収容部9に物品3を補充する代わりに、筐体6に取り付けられていた収容部9を物品3が補充済みの新たな収容部9と取り替えることで、物品3の補充作業を効率的に行うことができる。
【0044】
また、収容部9は下端部にツメ9bを備えているので、収容部9の取り付け時には搬送部21による物品の搬送を阻害することなく、収容部9の取り外し時には物品3が落下するのを防ぐことができる。すなわち、収容部9は、物品3の収容状態に関わらず着脱可能に構成されてよい。
【0045】
収容部9は、筐体6に取り付けられた状態で前方(F方向)が開口した形状である。故に、収容部9を筐体6に取り付けた状態で、この開口を介して物品3を補充することが可能である。さらに、収容部9は、前端にツメ9cを備えているので、開口の左右方向(SR-SL方向)の寸法は、物品3の左右方向の寸法よりも小さくなる。故に、収容された物品3が開口から落下することがない。
【0046】
図9および図10に示すように、扉センサ22aは、扉8の側方(図9および図10の例では左方向(SL方向))に配置される。扉センサ22aは、扉8の開閉状態によって変化する物理量を計測することで、当該扉8の開閉状態をセンシングする。
【0047】
具体的には、扉センサ22aは光学センサであり、一例として発光部および受光部を備える。発光部は、扉8の回転軸の方向(つまり、左方向(SL方向)または右方向(SR方向))に光線を発し、受光部は、発光部と対向する(つまり、直接届く光線を受光する)ように設けられてもよいし、発光部と隣接して(つまり、反射光を受光するように)設けられてもよい。図9および図10に示すように、扉センサ22aは、物品3の非排出時に扉センサ22a(発光部)から発せられる光線が扉8(の側面)によって遮蔽されず、かつ物品3の排出時に当該扉センサ22a(発光部)から発せられる光線が扉8(の側面)によって遮蔽されるように設置される。そして、コントローラ10(プロセッサ12)は、扉センサ22a(の受光部)における検出強度に基づいて、扉センサ22a(発光部)から発せられた光線の遮蔽の有無により扉8の開閉状態を検知する。つまり、コントローラ10(プロセッサ12)は、光線が遮蔽されたことを示すセンシング結果が得られた場合に扉8が開いている(つまり、物品3は、取り出されておらず排出口に留まっている)と判定し、光線が遮蔽されなかったことを示すセンシング結果が得られた場合に扉8が閉じている(つまり、物品3は、排出口から取り出されており、次の物品3の排出が可能である)と判定する。なお、遮蔽の有無とは、光または他の波動の減衰の強弱により判断することができる。遮蔽がある状態とは相対的に減衰が大きい状態を意味し、遮蔽がない状態とは相対的に減衰が小さい状態を意味し得る。
【0048】
上記例では、扉センサ22aは、閉じた状態の扉8に比べて前方(F方向)に設けられているが、閉じた状態の扉8に比べて後方(R方向)に設けられてもよい。すなわち、扉8のうち回転軸よりも上方(T方向)側の部分は、扉8が開くと後方に倒れるが、当該部分が光線を遮ってもよい。
【0049】
なお、扉8そのもの光線を遮る代わりに、扉8と連動して動く部材(例えば扉8に取り付けられ、左右方向(SL-SR方向)に略直交する平面を備えた板部材)が光線を遮るように構成することも可能である。すなわち、扉センサ22aは、物品3の非排出時に扉センサ22a(発光部)から発せられる光線が板部材によって遮蔽されず、かつ物品3の排出時に当該扉センサ22a(発光部)から発せられる光線が板部材によって遮蔽されるように設置される。かかる板部材を用いることで、扉8に比べて左右方向の寸法が小さい板部材の両側にそれぞれ扉センサ22aの発光部および受光部を設置することができるので、扉8の両側に設置する場合に比べて、発光部と受光部との間の距離を短くすることができる。なお、かかる板部材の平面形状は、例えば1/4周分の円環であってよい。これにより、板部材の動きを確保するために必要なスペースを抑えることができる。
【0050】
また、図9および図10に示すように、筐体6のうち排出口の下端部に相当する部分6aは、物品3の排出方向に対して、平行よりも下方(B方向)を向くように傾斜して構成されている。具体的には、筐体6が水平に設置されている場合には、排出口の下端部に相当する部分6aは、後方(R方向)から前方(F方向)に向かって、水平よりも下方を向くように傾斜して構成されている。これにより、物品3を円滑に排出できるとともに、排出可能な物品3の厚み(収容状態における上下方向(T-B方向)の寸法)の幅を広げることができる。
【0051】
図9および図10に示すように、筐体6は、支持部6bを備えている。支持部6bは、収容部9において最も下方(B方向)にある物品3(以下、「排出対象物品」という)よりも上方(T方向)側に収容されている物品3(以下、「支持対象物品」という)をリフトアップすることで下方から支持する。他方、支持部6bは、排出対象物品を支持しない。これにより、排出対象物品に加わる支持対象物品の重量による摩擦力が減少するので、収容部9における支持対象物品の多寡に関わらず当該排出対象物品をスムーズに排出することができる。排出対象物品が取り出されると、支持対象物品のうち最も下側に収容されている物品3が支持部6bから落下し、次の排出対象物品となる。
【0052】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。図11は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0053】
図11に示すように、サーバ50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。
【0054】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0055】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0056】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0057】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ50の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ52は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0058】
入出力インタフェース53は、サーバ50に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ50に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0059】
通信インタフェース54は、サーバ50と外部装置(例えば、物品提供装置5、またはクライアント装置70)との間の通信を制御するように構成される。
【0060】
(1-3)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。図12は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0061】
図12に示すように、クライアント装置70は、記憶装置71と、プロセッサ72と、入出力インタフェース73と、通信インタフェース74とを備える。クライアント装置70は、ディスプレイ81に接続される。
【0062】
記憶装置71は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置71は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0063】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、または健康管理アプリケーション)のプログラム
【0064】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
・ディスプレイ81に表示するための画像データ(例えば広告データ)
【0065】
プロセッサ72は、記憶装置71に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置70の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ72は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0066】
入出力インタフェース73は、クライアント装置70に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置70に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ81、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0067】
通信インタフェース74は、クライアント装置70と外部装置(例えば、物品提供装置5、またはサーバ50)との間の通信を制御するように構成される。一例として、通信インタフェース74は、BluetoothもしくはNFCインタフェース、無線LAN(Local Area Network)インタフェース、または移動体通信インタフェースの少なくとも1つを含むことができる。
【0068】
ディスプレイ81は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ81は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0069】
(2)物品提供装置の動作
本実施形態の物品提供装置の動作について説明する。図13は、本実施形態の物品提供装置の動作のフローチャートである。
【0070】
コントローラ10は、例えば電源投入後に図13の動作を開始する。
【0071】
図13に示すように、コントローラ10は、排出指示待ち(S110)を実行する。
具体的には、コントローラ10は、外部装置(例えば、サーバ50またはクライアント装置70)からの排出指示を待機する。排出指示は、クライアント装置70のユーザからの要求に応じて、サーバ50またはクライアント装置70からコントローラ10へ送信される。サーバ50またはクライアント装置70は、ユーザの要求に対して、物品3の排出の可否を判定し、物品3の排出を許可する場合に限って排出指示を送信してもよい。
【0072】
ステップS110において排出指示を受信すると、コントローラ10は、搬送部の起動(S111)を開始する。
具体的には、コントローラ10は、搬送部21に制御信号を送出し、駆動手段を動作させる。これにより、収容部9において最も下方(B方向)側に配置された物品3が、搬送手段により排出口へ搬送される。コントローラ10は、駆動手段を所定量動作させる。一例として、コントローラ10は、搬送部21の備えるカムが一回転するまで駆動手段を動作させ続ける。これにより、物品3は、その一部が物品提供装置5の本体の内部に留まり、かつその残部が物品提供装置5の本体の外部に露出した状態で留まる(物品3の排出の完了)。
【0073】
なお、コントローラ10は、扉センサ22aからのセンシング結果を取得し、扉8が開いたことを検知するまで、駆動手段を動作させ続け、扉8が開いたことを検知すると搬送部21への制御信号の送出を停止することで、駆動手段の動作を停止させてもよい。
【0074】
物品3の排出が完了した後、コントローラ10は、物品3の取り出しが可能であることを伝える情報を提示してもよい。第1例として、コントローラ10は、表示装置30の表示部31に、物品3の取り出しが可能であることを伝えるメッセージまたは画像(動画を含み得る)を表示させてもよい。第2例として、コントローラ10は、図示しないスピーカに物品3の取り出しが可能であることを伝える音声を出力させてもよい。第3例として、コントローラ10は、物品3の排出を要求したユーザのクライアント装置70に、物品3の取り出しが可能であることを伝える情報を送信してもよい。
【0075】
物品3の排出が完了した後、コントローラ10は、扉センサ22aからのセンシング結果を取得し、扉8が閉じたこと検知するまで、または所定時間が経過するまで待機する。扉が閉じたことを検知すると、コントローラ10は、排出指示待ち(S110)を再実行する。
【0076】
ステップS112の後、扉8が閉じたことを検知することなく所定時間が経過すると、コントローラ10は、エラー処理(S112)を実行する。
具体的には、コントローラ10は、物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝える情報を提示する。第1例として、コントローラ10は、表示装置30の表示部31に、物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝えるメッセージまたは画像(動画を含み得る)を表示させてもよい。第2例として、コントローラ10は、図示しないスピーカに物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝える音声を出力させてもよい。第3例として、コントローラ10は、物品3の排出を要求したユーザ(つまり、現在取り出し可能な物品3の排出を要求したユーザ)のクライアント装置70に、物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝える情報を送信してもよい。第4例として、コントローラ10は、物品3の排出完了後に新たに物品3の排出を要求したユーザ(つまり、現在取り出し可能な物品3の排出を要求したユーザとは異なるユーザ)のクライアント装置70に、物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝える情報を送信してもよい。ステップS112の後、扉8が閉じたことを検知すると、コントローラ10は、排出指示待ち(S110)を再実行する。
【0077】
(3)小括
本実施形態の物品提供装置5は、複数の物品3を収容可能な収容部9と、排出口に取り付けられ、かつ物品3の非排出時に排出口の開口が物品3の排出時に比べて小さくなるように開閉状態が調整される扉8と、コントローラ10とを備える。物品提供装置5は、収容部9に収容されている物品を排出口に搬送する搬送部21と、扉8の開閉状態をセンシングするセンサ22とを備える。コントローラ10は、外部装置からの指示に応じて、物品3の一部が物品提供装置5の内部に留まり、かつ当該物品3の残部が物品提供装置5の外部に露出した状態となるまで当該物品3を排出するよう搬送部21を制御し、扉センサ22aのセンシング結果に基づいて排出された物品3の取り出しの有無を判定し、排出された物品3が取り出されたと判定するまで次の物品3の排出を行わない。物品提供装置5によれば、物品3を完全には排出しないので、排出した物品をユーザが受け取るまで貯留するための張出しやポケットが不要であり、筐体6を省スペースに構成することができる。また、物品提供装置5によれば、扉8の開閉状態のセンシング結果に基づいて物品3の取り出しの有無を判定し、排出された物品3が取り出されたと判定するまで次の物品3の排出を行わないので、物品3の位置のずれによる誤判定が生じにくく、物品3の詰まりを防止することができる。
【0078】
扉8は、物品3の排出時に、排出口とともに当該物品3を挟んで支持してもよい。これにより、物品3を落下させることなくユーザに提供することができる。
【0079】
扉8は、一端側を軸として回動可能に構成され、物品3の排出時には当該物品3によって、当該扉8の他端が排出口から離れる方向に押し退けられてもよい。これにより、扉8そのものを電動化することなく、物品3の排出に伴って扉8を開くことができる。
【0080】
扉センサ22aは、扉8の開閉状態によって変化する物理量を計測してもよい。これにより、扉8の開閉状態を正確に検知することができる。
【0081】
扉8は、上下方向および物品3の排出方向に対して直交する軸周りに回動してもよい。扉センサ22aは、光学センサであって、物品3の非排出時に当該扉センサ22aから発せられる光線が扉8または当該扉8に連動する部材によって遮蔽されず、かつ物品3の排出時に当該扉センサ22aから発せられる光線が扉8または当該扉8に連動する部材によって遮蔽されるように設置されてもよい。コントローラ10は、扉センサ22aから発せられた光線の遮蔽の有無により扉8の開閉状態を検知してもよい。これにより、扉8の開閉状態を正確に検知することができる。
【0082】
収容部9は、物品3の収容状態に関わらず、着脱可能に構成されてもよい。これにより、収容部9に物品3を補充する代わりに、筐体6に取り付けられていた収容部9を物品3が補充済みの新たな収容部9と取り替えることで、物品3の補充作業を効率的に行うことができる。
【0083】
排出口は、物品3の排出方向に対して、平行よりも下方向を向くように傾斜して構成されてもよい。これにより、物品3を円滑に排出できるとともに、排出可能な物品3の厚み(収容状態における上下方向(T-B方向)の寸法)の幅を広げることができる。
【0084】
筐体6は、上下方向に伸びるスリット7aを備えてもよく、収容部9における物品3の収容状態が、スリット7aを介して、筐体6の外部から視認可能であってもよい。これにより、物品3の補充作業者またはユーザが、物品3の残量がどれくらいであるかを容易に把握できる。
【0085】
筐体6は、収容部9に収容されている物品3のうち最も下方にある排出対象物品よりも上方にある支持対象物品を下方から支持し、かつ当該排出対象物品を支持しない支持部6bを備えてもよい。これにより、排出対象物品に加わる摩擦力を軽減し、スムーズに排出することができる。
【0086】
コントローラ10は、物品3の排出が完了した後に、当該物品3が取り出し可能であることを伝える情報を提示してもよい。これにより、排出口がユーザの視界に入っていない状態でも、ユーザは物品3が提供されたことを容易に把握することができる。
【0087】
コントローラ10は、物品3の排出が完了してから当該物品3が取り出されたと判定されないまま所定時間が経過した後に、当該物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝える情報を提示してもよい。これにより、現在排出されている物品3を要求したユーザ、もしくはその後に物品提供装置5を利用しようとするユーザ、または物品提供装置5のメンテナンスを行う者に対して、物品3の取り出しを促し、物品3の正常な排出を継続することができる。
【0088】
コントローラ10は、物品3の排出が完了してから当該物品が取り出されたと判定されないまま所定時間が経過した後に、新たに物品3の排出を要求したユーザに、当該物品3が取り出されるまで次の物品3が排出できないことを伝える情報を提示してもよい。これにより、かかるユーザに、物品3の取り出しを促し、物品3の正常な排出を継続することができる。
【0089】
(4)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、コントローラ10と接続されてもよい。表示装置30は、物品提供装置5と一体化されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、サーバ50と接続されてもよい。記憶装置71は、ネットワークNWを介して、クライアント装置70と接続されてもよい。ディスプレイ81は、クライアント装置70と一体化されてもよい。
【0090】
上記説明では、扉センサ22aが、物品3の非排出時に当該扉センサ22aから発せられる光線が扉8または当該扉8に連動する部材によって遮蔽されず、かつ物品3の排出時に当該扉センサ22aから発せられる光線が扉8または当該扉8に連動する部材によって遮蔽されるように設置される例を示した。しかしながら、扉センサ22aは、物品3の非排出時に当該扉センサ22aから発せられる光線が扉8または当該扉8に連動する部材によって遮蔽され、かつ物品3の排出時に当該扉センサ22aから発せられる光線が扉8または当該扉8に連動する部材によって遮蔽されないように設置されてもよい。本構成によっても扉8の開閉状態を正確に検知することができる。
【0091】
上記説明では、扉8が、その上方(T方向)の端部が筐体6に固定され、当該端部を軸として回動可能に構成される例を示した。しかしながら、扉8の構成はこれに限られず、異なる軸で、または異なる方向に回動可能に構成されてもよい。さらに、扉8は、回動可能な構成に限られず、物品3の排出時に排出口の開口が大きくなり、かつ、物品3の非排出時に排出口の開口が小さくなるように構成されていればよい。
第1例として、扉8は、上下方向(T-B方向)に直線的に開閉可能に構成され、物品3の排出時には当該物品3によって上方(T方向)に押し退けられてもよい。物品3を取り出すと、扉8は自身に加わる重力により降下するので、物品3の非排出時には排出口の開口の大きさは小さくなる。これにより、扉8が回動可能な構成に制限されないので、扉8について幅広い構造が採用可能となる。なお、本構成例では、例えば扉センサ22aを物品の非排出時における扉8の上端よりも高く、かつ、物品の排出時における扉8の上端よりも低い位置に設置することで、扉8の開閉状態が検知可能となる。
第2例として、扉8は、排出口の開口を小さくする方向にばね等の付勢手段により付勢されており、物品3の排出時には当該物品3からの抗力によって当該物品3が開口を通過可能な大きさにするように開かれてもよい。物品3を取り出すと、付勢手段からの力により、扉8は移動して排出口の開口の大きさは小さくなる。これにより、扉8に加わる重力に頼らず扉8を閉じることができるので、扉8について幅広い構造が採用可能となる。
【0092】
上記説明では、物品提供装置5の動作として各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。
【0093】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 :物品提供システム
3 :物品
5 :物品提供装置
6 :筐体
7 :蓋
7a :スリット
8 :扉
9 :収容部
9a :重し
9b :ツメ
10 :コントローラ
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :搬送部
22 :センサ
22a :扉センサ
30 :表示装置
31 :表示部
50 :サーバ
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
70 :クライアント装置
71 :記憶装置
72 :プロセッサ
73 :入出力インタフェース
74 :通信インタフェース
81 :ディスプレイ
図1
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