(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124328
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】カバーアセンブリ、バッテリー、およびバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/557 20210101AFI20240905BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/567 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/562 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M50/557
H01M50/566
H01M50/567
H01M50/562
H01M50/188
H01M50/586
H01M50/591
H01M50/55 101
H01M50/176
H01M50/184 A
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205642
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】202310209750.9
(32)【優先日】2023-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】車 佩佩
(72)【発明者】
【氏名】錢 佳
(72)【発明者】
【氏名】曹 生榮
(72)【発明者】
【氏名】陸 天奇
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011EE01
5H043AA19
5H043DA09
5H043DA13
5H043HA11D
5H043HA13D
5H043JA01D
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カバーアセンブリ、バッテリー、およびバッテリーパックを提供する。
【解決手段】カバーアセンブリは、カバープレート1、電極板2、第1絶縁体3、および第2絶縁体4を含む。電極板2は、カバープレート1上に配置され、電極板2は、互いに電気接続された第1電極部21および第2電極部22を含む。第1絶縁体3は、電極板2とカバープレート1の間に配置され、第2絶縁体4は、電極板2のカバープレート1から離れた側に配置される。第1電極部21に対応する第1絶縁体3の領域に、第1貫通孔31が設けられ、第2電極部22に対応する第2絶縁体4の領に、第2貫通孔41が設けられ、第1貫通孔31と第2貫通孔41の正投影は、カバープレート1上で重ならない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバープレートと、
電極板と、
第1絶縁体および第2絶縁体と、
を含み、
前記カバープレート上に配置された前記電極板が、互いに電気接続された第1電極部および第2電極部を含み、
前記第1絶縁体が、前記電極板と前記カバープレートの間に配置され、
前記第2絶縁体が、前記電極板の前記カバープレートから離れた側に配置され、
前記第1絶縁体の前記第1電極部に対応する領域に、第1貫通孔が設けられ、
前記第2絶縁体の前記第2電極部に対応する領域に、第2貫通孔が設けられ、
前記カバープレート上の前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の正射影が、互いに重ならないカバーアセンブリ。
【請求項2】
前記第1電極部および前記第2電極部が、横方向に配置された請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記カバープレートの前記第1電極部に対応する領域に、第3貫通孔が設けられ、
前記第1絶縁体の前記第1貫通孔の外周縁に、前記カバープレートに向かって延伸する第1環状突起が設けられ、
前記第1環状突起の外周面が、前記第3貫通孔の内周面と合う請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記カバープレートが、カバー基板であり、
前記カバープレートの電極板から離れた側に、プラスチック板が設けられ、
前記プラスチック板上に、前記第3貫通孔に対応する貫通孔が設けられた請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項5】
前記カバーアセンブリが、さらに、シールリングを含み、
前記シールリングが、主体部および前記主体部の一端の外周側に設けられたフランジを含み、
前記フランジの2つの端面が、それぞれ前記電極板および前記カバープレートに押し付けられ、
前記主体部の外周面が、前記第3貫通孔の内壁面に取り付けられた請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1電極部および前記第2電極部のうちの少なくとも1つが、前記電極板の表面から突出し、対応する貫通孔の中に突出する請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記カバープレート上に、溝が設けられ、
前記溝に、前記電極板が配置された請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記カバーアセンブリが、さらに、固定板を含み、
前記固定板が、前記電極板の前記カバープレートから離れた側で覆われ、
前記固定板上の前記第2電極部に対応する領域に、第4貫通孔が設けられた請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記固定板が、受け溝を有し、
前記受け溝の外周縁に、前記カバープレートに対して平行な延在縁部が設けられ、
前記延在縁部が、前記カバープレートに溶接および固定された請求項8に記載のカバーアセンブリ。
【請求項10】
前記固定板に向かって延伸する第2環状突起が、前記第2絶縁体の前記第2貫通孔の外周縁に設けられ、
前記第2環状突起の外周面が、前記第4貫通孔の内周面と合う請求項8に記載のカバーアセンブリ。
【請求項11】
前記第1絶縁体および前記第2絶縁体のうちの少なくとも1つが、プラスチック板である請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項12】
前記第1電極部および前記第2電極部が、溶接またはリベットにより固定された請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項13】
前記第1電極部および前記第2電極部が、異なる材料の2つの導電性金属で作られた請求項1から12までのいずれか一項に記載のカバーアセンブリ。
【請求項14】
前記第1電極部の材料が、銅であり、
前記第2電極部の材料が、アルミニウムである請求項13に記載のカバーアセンブリ。
【請求項15】
前記電極板、前記第1電極部、および前記第2電極部が、同じ金属によって一体的に形成された請求項1から11までのいずれか一項に記載のカバーアセンブリ。
【請求項16】
請求項1に記載の前記カバーアセンブリを含み、
前記バッテリーが、さらに、ハウジングおよび前記ハウジング内に配置されたバッテリーセルを含み、
前記バッテリーセルが、タブを有し、
前記カバーアセンブリが、前記ハウジング上で覆われ、
前記第1電極部が、前記タブに電気接続されたバッテリー。
【請求項17】
請求項16に記載の複数の前記バッテリーを含み、複数の前記バッテリーが、前記第2電極部を介して直列または並列に接続されたバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーアセンブリ、バッテリー、およびバッテリーパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、リチウムイオンバッテリーは、通常、極柱(electrode pole)を介してバッテリーハウジングの内側からバッテリーハウジングの外側に電流を導いている。大半のバッテリーセルのトップカバーが採用している従来の極柱構造は、バッテリーセルの外部極柱がトップカバーに対して垂直な形でバッテリーセルハウジングの内部に入る構造となっている。こうすることによって、バッテリーが外部環境に電気接続されたときに、極柱とバッテリーセルタブの間のはんだ接合と極柱と外部電気コネクタの間のはんだ接合は、極柱が同じ高さになる。このような構成では、極柱の一端を溶接したときに極柱の他端が影響を受ける可能性があるため、それにより、極柱の電気導電性に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ハウジング内のバッテリーの極柱とバッテリーセルタブの間のはんだ接合が極柱と外部電気コネクタの間のはんだ接合と同じ高さになるという先行技術の欠陥によって生じる問題を解決するためのカバーアセンブリ、バッテリー、およびバッテリーパックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の技術方案により上記の技術課題を解決する。
【0005】
本発明は、下記のカバーアセンブリを提供する。
カバープレートと、
電極板と、
第1絶縁体および第2絶縁体と、を含み、
カバープレート上に配置された電極板が、互いに電気接続された第1電極部および第2電極部を含み、
第1絶縁体が、電極板とカバープレートの間に配置され、
第2絶縁体が、電極板のカバープレートから離れた側に配置され、
第1絶縁体の第1電極部に対応する領域に、第1貫通孔が設けられ、第2絶縁体の第2電極部に対応する領域に、第2貫通孔が設けられ、第1貫通孔と第2貫通孔のカバープレート上の正射影は、互いに重ならない。
【0006】
この方案において、カバーアセンブリは、上述した構造を採用し、電極板をカバープレート上に配置して、絶縁体を電極板の両側に配置することにより、電極板とカバープレートが互いに絶縁されることを確保する。2つの絶縁体上の電極の接続部分に対応する貫通孔をずらすことによって、電極板の2つの電極がそれぞれバッテリーセルタブおよび外部電気コネクタに接続されたときに、外部電気コネクタと電極板の間のはんだ接合とバッテリーセルタブと電極板の間のはんだ接合が同じ高さ方向にならない。このようにして、従来の極柱構造を採用することによって生じる状況、すなわち、極柱の一端を溶接したときに溶接された極柱の他端が影響を受ける状況を回避することができる。それにより、電極板の導電性能に対する悪影響を効果的に軽減することができる。さらに、この方案の構造を採用することによって、溶接中に溶接部分に当接しやすくなるため、溶接中の安定性が確保され、不良溶接の発生率が減少する。
【0007】
好ましくは、第1電極部および第2電極部は、横方向に配置される。
【0008】
この方案において、上記の電極板構造を採用して、異なる長さの電極板を置き換えることによって、電極板の電極部をバッテリーセルタブの位置まで延伸し、バッテリーセルタブと溶接することができる。このようにして、従来のバッテリー極柱とバッテリーセルタブが同じ高さ方向にないときにアダプターを使用して電気接続するという欠点を回避することができる。それにより、生産性、優位率、安全性能が向上するだけでなく、アダプターを介して極柱とバッテリーセルタブを接続するときに構造の内部抵抗が増えるのを回避することもできる。さらに、バッテリーセルの電力性能が向上し、バッテリーパックを形成するときにバッテリーパックの全体的な高さを減らすことができ、バッテリーパックのエネルギー密度も向上させることができる。
【0009】
好ましくは、カバープレートの第1電極部に対応する領域に、第3貫通孔が設けられ、第1絶縁体の第1貫通孔の外周縁に、カバープレートに向かって延伸する第1環状突起が設けられ、第1環状突起の外周面は、第3貫通孔の内周面と合う。
【0010】
この方案において、第1絶縁体に環状突起を設定し、カバープレートの第3貫通孔と一致させることによって、第1絶縁体は、カバープレートから相対位置を保つことができるため、それにより、第1絶縁体を電極板およびカバープレートと組み立てるときに位置偏差が生じるのを回避し、さらに、電極板の絶縁保護に影響を与えることを回避することができる。
【0011】
好ましくは、第1電極部および第2電極部のうちの少なくとも1つは、電極板の表面から突出し、対応する貫通孔の中に突出する。
【0012】
この方案において、第1電極部または第2電極部は、電極板の表面から外側に向かって突出するため、タブまたは外部電気コネクタとの溶接が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0013】
好ましくは、カバープレート上に、溝が設けられ、溝に、電極板が配置される。
【0014】
この方案において、カバープレートの溝に電極板を配置することによって、カバーアセンブリの高さを減らすことができるため、それにより、バッテリーの高さを減らし、バッテリーのエネルギー密度を増やすことができる。
【0015】
好ましくは、カバープレートは、カバー基板であり、カバープレートの電極板から離れた側に、プラスチック板が設けられ、プラスチック板上に、第3貫通孔に対応する貫通孔が設けられる。
【0016】
好ましくは、カバーアセンブリは、さらに、シールリングを含み、シールリングは、主体部および主体部の一端の外周側に設けられたフランジを含む。フランジの2つの端面は、それぞれ電極板とカバープレートに押し付けられ、主体部の外周面は、第3貫通孔の内壁面に取り付けられる。
【0017】
この方案において、シールリングは、カバープレートと電極板の間を封止するように構成されるため、それにより、外部の塵や液体がバッテリーセルのハウジングに侵入して、バッテリーセルの安全性能に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0018】
好ましくは、カバーアセンブリは、さらに、固定板を含み、固定板は、電極板のカバープレートから離れた側で覆われ、固定板上の第2電極部に対応する領域に、第4貫通孔が設けられる。
【0019】
この方案において、固定板を設定することによって、電極板が中央で圧入される(press-fitted)ため、電極板の2つの電極部の接合面は、接合面に対して垂直な強い力に耐える必要がなくなるため、それにより、電極板の信頼性が向上し、電極板上の溶接に対する全体的な厚さ要件が減少する。
【0020】
好ましくは、固定板は、受け溝(receiving groove)を有し、受け溝の外周縁に、カバープレートに対して平行な延在縁部(extending edge)が設けられ、延在縁部は、カバープレートに溶接および固定される。
【0021】
この方案において、上記の構造を採用することにより、カバープレートに固定板を溶接および固定しやすくなる。
【0022】
好ましくは、固定板に向かって延伸する第2環状突起が、第2絶縁体の第2貫通孔の外周縁に設けられ、第2環状突起の外周面は、第4貫通孔の内周面と合う。
【0023】
この方案において、第2絶縁体に第2環状突起を設定して、第2環状突起を固定板上の第4貫通孔と一致させることによって、固定板の位置を制限することができるため、溶接中に固定板が動いて溶接に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0024】
好ましくは、第1絶縁体および第2絶縁体のうちの少なくとも1つは、プラスチック板である。
【0025】
この方案において、第1絶縁体および第2絶縁体は、プラスチック板で作られるため、加工が容易で、コスト効率も良い。
【0026】
好ましくは、第1電極部と第2電極部は、溶接またはリベットにより固定される。
【0027】
好ましくは、第1電極部および第2電極部は、異なる材料の2つの導電性金属で作られる。
【0028】
好ましくは、第1電極部の材料は、銅であり、第2電極部の材料は、アルミニウムである。
【0029】
好ましくは、電極板、第1電極部、および第2電極部は、同じ金属によって一体的に形成される。
【0030】
本発明は、さらに、上記のカバーアセンブリを含むバッテリーを提供する。
【0031】
バッテリーは、さらに、ハウジングおよびハウジング内に配置されたバッテリーセルを含み、バッテリーセルは、タブを有し、カバーアセンブリは、ハウジング上で覆われ、第1電極部は、タブに電気接続される。
【0032】
本発明は、さらに、上述した複数のバッテリーを含むバッテリーパックを提供し、複数のバッテリーは、第2電極部を介して直列または並列に接続される。
【0033】
本分野における一般的な知識に基づいて、上述した好ましい条件を自由に組み合わせることにより、本発明の好ましい例を得ることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の好ましい有利な効果は、次の通りである:本発明のカバーアセンブリは、電極板をカバープレート上に配置して、絶縁体を電極板の両側に配置することにより、電極板とカバープレートが互いに絶縁されることを確保する。2つの絶縁体上の電極の接続部分に対応する貫通孔をずらすことによって、電極板の2つの電極をそれぞれバッテリーセルタブと外部電気コネクタに接続したときに、外部電気コネクタと電極板の間のはんだ接合部とバッテリーセルタブと電極板の間のはんだ接合部が同じ高さにならない。このようにして、従来の極柱構造を採用した場合に生じる状況、すなわち、極柱の一端を溶接したときに極柱の溶接された他端が影響を受ける状況を回避することができる。それにより、電極板の導電性能に対する悪影響を効果的に軽減することができる。また、この方案の構造を採用することにより、溶接中に溶接部分に当接しやすくなるため、溶接中の安定性が確保され、不良溶接の発生率が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施形態1におけるカバーアセンブリの分解構造の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態1におけるカバーアセンブリの部分断面図である。
【
図3】本発明の実施形態1におけるカバーアセンブリの平面図である。
【
図4】本発明の実施形態2におけるカバーアセンブリの分解構造の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態2における電極板の概略的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明するが、本発明は、以下の実施例の範囲に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
【0038】
図1~
図3に示すように、本実施形態は、カバープレート1、電極板2、第1絶縁体3、および第2絶縁体4を含むカバーアセンブリを提供する。電極板2は、カバープレート1上に配置され、電極板2は、互いに電気接続された第1電極部21および第2電極部22を含む。第1絶縁体3は、電極板2とカバープレート1の間に配置され、第2絶縁体4は、電極板2のカバープレート1から離れた側に配置される。第1絶縁体3の第1電極部21に対応する領域に、第1貫通孔31が設けられる。第2絶縁体4の第2電極部22に対応する領域に、第2貫通孔41が設けられる。第1貫通孔31と第2貫通孔41の正射影は、カバープレート1上で重ならない。
【0039】
電極板2をカバープレート1上に配置し、絶縁体を電極板2の両側に設けることにより、電極板2とカバープレート1が互いに絶縁されることを確保する。2つの絶縁体上の電極の接続部分に対応する貫通孔をずらすことによって、電極板2の2つの電極をそれぞれバッテリーセルタブと外部電気コネクタに接続したときに、外部電気コネクタと電極板2の間のはんだ接合部とバッテリーセルタブと電極板2の間のはんだ接合部が同じ高さにならない。このようにして、従来の極柱構造を採用した場合に生じる状況、つまり、極柱の一端を溶接したときに極柱の溶接された他端が影響を受ける状況を回避することができる。したがって、電極板2の導電性能に対する悪影響を効果的に軽減することができる。また、この方案の構造を採用することにより、溶接中に溶接部分に当接しやすくなるため、溶接中の安定性が確保され、不良溶接の発生率が減少する。従来の極柱構造を採用する場合、極柱の一端を溶接してから他端を溶接しようとするときに、溶接された一端は、他端を溶接するために、溶接された一端に対応する物体にもたれかかる必要があるため、溶接された一端がはんだ接合部にもたれかかることとなり、その結果、溶接が不安定になり、はんだ付けの歩留まりに影響を与える。
【0040】
第1電極部21および第2電極部22は、横方向に配置される。電極板2の上記の構造を使用して、異なる長さの電極板2を変更することにより、電極板2の電極部がバッテリーセルタブの位置まで延伸し、バッテリーセルタブと溶接することができる。このようにして、従来のバッテリー極柱とバッテリーセルタブが同じ高さにないときにアダプターを使用して電気接続するという欠点を回避することができる。したがって、生産性、歩留まり、および安全性能が向上するだけでなく、アダプターを介して極柱とバッテリーセルタブを接続するときに構造の内部抵抗が増えるのを回避することもできる。さらに、バッテリーセルの電力性能が向上する。一方、横方向に配置された第1電極部21および第2電極部22は、垂直方向に積み重ねられた従来の電極部とは異なり、電極の厚さを減らすことができるため、それにより、バッテリーセルの全体的な厚さを減らすことができる。
【0041】
具体的に説明すると、本実施形態において、第1電極部21および第2電極部22は、いずれも薄板構造であり、2つの異なる材料の導電性金属である。2つの薄板の厚さ面は、溶接またはリベットにより接合および固定され、フラットプレート構造2の電極板を形成する。例えば、具体的なシナリオでは、電極板2はバッテリーの負極であり、第1電極部21の材料は、銅であり、第2電極部22の材料は、アルミニウムである。第1電極部21は、銅製のバッテリーセルタブと溶接しやすくなるように銅で作られ、第2電極部22は、アルミニウム製のバスバーと溶接しやすくなるようにアルミニウムで作られる。当然のことながら、いくつかの実施形態において、第1電極部21および第2電極部22の材料は、溶接したい部品の材料に応じて、選択することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、電極板2、第1電極部21、および第2電極部22は、同じ金属によって一体的に形成される。例えば、具体的なシナリオでは、電極板2は、バッテリーの正極であり、第1電極部21および第2電極部22は、それぞれ電極板2の一部の領域である。
【0043】
第1電極部21および第2電極部22は、電極板2の表面から突出せず、電極板2の一部の領域は、第1電極部21および第2電極部22として使用されるため、バッテリーの電極板構造を簡素化し、コストを節約することができる。さらに、外部電気コネクタを第2電極部22に接続する必要があるとき、第2貫通孔41を介して外部電気コネクタを挿入することができる。バッテリーセルタブを第1電極部21に接続する必要があるとき、第1貫通孔31を介してバッテリーセルタブを挿入することができる。それにより、厚さの点から、全体的なバッテリーのスペースを節約することができる。
【0044】
図1に示すように、カバープレート1上の第1電極部21に対応する領域に第3貫通孔12が設けられるため、カバーアセンブリをバッテリーセルのハウジング上に配置するときに、バッテリーセルタブと第1電極部21を溶接するのに便利である。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1絶縁体3の第1貫通孔31の外周縁に、カバープレート1に向かって延伸する第1環状突起が設けられ、第1環状突起の外周面は、第3貫通孔12の内周面と合う。第1絶縁体3に環状突起を設定し、カバープレート1上の第3貫通孔12と一致させることによって、第1絶縁体3がカバープレート1から相対的な位置を保つことができ、それにより、第1絶縁体3を電極板2およびカバープレート1と組み立てるときに位置偏差が生じるのを回避し、さらに、電極板2の絶縁保護に影響を与えるのを回避することができる。好ましくは、第1環状突起は、第3貫通孔12から突出すべきではなく、それにより、カバーアセンブリをバッテリーセルのハウジング上に配置するときに、第1環状突起とバッテリーセルタブの間で干渉が生じるのを回避することができる。
【0046】
図1に示すように、カバープレート1上に、溝11が設けられ、溝11に、電極板2が配置される。カバープレート1の溝11に電極板2を配置することによって、カバーアセンブリの高さを減らすことができるため、それにより、バッテリーの高さが減り、バッテリーのエネルギー密度を増やすことができる。
【0047】
本実施形態において、カバープレート1には2つの溝11があり、それぞれカバープレート1の両端に位置する。電極板2は、それぞれ2つの溝11に設けられ、バッテリーセルの正および負のタブと電気接続する。当然のことながら、いくつかの実施形態において、カバープレート1上に溝11を設けなくてもよい。
【0048】
本実施形態において、カバープレート1は、カバー基板であり、カバープレート1の電極板2から反対方向に向いた側に、プラスチック板7が設けられ、プラスチック板7上に、第3貫通孔12に対応する貫通孔が形成される。カバープレート1は、カバー基板を採用するため、強度が高いだけでなく、加工も容易である。カバープレート1の電極板2から反対方向に向いた側にプラスチック板7を設けることにより、バッテリーセルタブとカバープレート1の間の偶然的な接触を回避することができるため、その結果、ハウジングからの漏電を防ぐことができる。本実施形態におけるカバー基板の材料は、アルミニウムであるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態において、カバー基板は、他の材料で作られてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、カバープレート1は、他の材料で作られてもよく、カバープレート1を絶縁材料で作る場合は、プラスチック板7を設けなくてもよい。
【0050】
図1および
図2に示すように、カバーアセンブリは、さらに、シールリング6を含み、シールリング6は、主体部61および主体部61の一端の外周側に配置されたフランジ62を含む。フランジ62の両端面は、それぞれ電極板2とカバープレート1に押し付けられ、主体部61の外周面は、第3貫通孔12の内壁面に取り付けられる。シールリング6を設けて、カバープレート1と電極板2の間の隙間を封止することにより、外部の塵や液体がバッテリーセルのハウジング内に侵入して、バッテリーセルの安全性能に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0051】
カバーアセンブリは、さらに、カバープレート1の電極板2から離れた側を覆う固定板5を含み、固定板5の第2電極部22に対応する領域に、第4貫通孔51が形成される。固定板5を設定して電極板2が中央で圧入されることによって、電極板2の2つの電極部の接合面は、接合面に対して垂直な強い力に耐える必要がなくなるため、それにより、電極板2の信頼性が向上し、電極板2上の溶接に対する全体的な厚さ要件が減少する。
【0052】
本実施形態において、固定板5は、受け溝を有し、受け溝の外周縁に、カバープレート1に対して平行な延在縁部52が設けられ、延在縁部52は、カバープレート1に溶接および固定される。上記の構造は、固定板5をカバープレート1に溶接固定するのに便利である。
【0053】
本実施形態において、第2絶縁体4の第2貫通孔41の外周縁に、固定板5に向かって延伸する第2環状突起42が設けられ、第2環状突起42の外周面は、第4貫通孔51の内周面と合う。第2絶縁体4上に第2環状突起42を設定して、固定板5上の第4貫通孔51と第2環状突起42を一致させることによって、固定板5の位置が制限され、溶接中に固定板5が移動して溶接に影響を与えるのを防ぐことができる。第2環状突起42が第4貫通孔51から突出するかどうかは、実際の条件に応じて選択することができるため、ここでは限定しない。
【0054】
いくつかの実施形態において、第2絶縁体4に環状の突起を設けなくてもよい。
【0055】
本実施形態において、第1絶縁体3および第2絶縁体4は、プラスチック板であり、第1絶縁体3および第2絶縁体4は、プラスチック板で作られるため、加工が容易で、コスト効率も良い。他の実施形態において、第1絶縁体3および第2絶縁体4は、他の絶縁材料で作られてもよい。
【0056】
本実施形態は、さらに、上記のカバーアセンブリを含むバッテリーを提供する。バッテリーは、さらに、ハウジングおよびハウジング内に配置されたバッテリーセルを含み、バッテリーセルは、バッテリーセルタブを有し、カバーアセンブリは、ハウジング上で覆われ、第1電極部21は、バッテリーセルタブに電気接続される。
【0057】
本実施形態は、さらに、複数の上記のバッテリーを含むバッテリーパックを提供し、複数のバッテリーは、第2電極部22を介して直列または並列に接続される。具体的に説明すると、複数のバッテリーを組み立ててバッテリーパックを形成し、バスバーを使用して異なるバッテリーの正極および負極上の第2電極部22をそれぞれ接続することにより、複数のバッテリーを直列または並列に接続する。
【0058】
実施例2
【0059】
図4および
図5に示すように、本実施形態のカバーアセンブリの構造は、実施形態1のカバーアセンブリの構造と実質的に同じであり、これらの違いは、本実施形態において、電極板2上の第1電極部21および第2電極部22がそれぞれ電極板2の表面から外側に突出していることである。第1電極部21は、第1貫通孔31に挿入され、第2電極部22は、第2貫通孔41に挿入される。第1電極部21および第2電極部22は、電極板2の表面から外側に突出して、対応する貫通孔に挿入するため、タブまたは外部電気コネクタとの溶接が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1電極部21または第2電極部22のみが電極板2の表面から外側に突出するが、ここでは繰り返し説明しない。
【0061】
本発明の具体的な実施形態を上記で説明したが、当業者であれば理解できるように、これは、単なる例であり、本発明の保護範囲は、添付の請求項によって定義される。当業者は、本発明の原理および本質から逸脱することなく、これらの実施形態に対してさまざまな変更または修正を行うことができ、これらの変更および修正は、すべて本発明の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のカバーアセンブリは、溶接中の安定性を確保し、不良溶接の発生率を減らすことができる。
【符号の説明】
【0063】
1 カバープレート
11 溝
12 第3貫通孔
2 電極板
21 第1電極部
22 第2電極部
3 第1絶縁体
31 第1貫通孔
4 第2絶縁体
41 第2貫通孔
42 第2環状突起
5 固定板
51 第4貫通孔
52 延在縁部
6 シールリング
61 主体部
62 フランジ
7 プラスチック板
【外国語明細書】