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特開2024-124335情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124335
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/1053 20230101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217634
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2023032072の分割
【原出願日】2023-03-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】516291402
【氏名又は名称】ファインディ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】笹野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】志賀 優毅
(57)【要約】
【課題】求職活動または採用活動に有用な情報を提供する。
【解決手段】本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得する手段、テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段、第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する手段、対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力する手段、として機能させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得する手段、
前記テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段、
前記第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、前記対象人材の収入ベンチマークを予測する手段、
前記対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記テキスト情報を取得する手段は、前記対象人材の履歴書ファイルもしくは職務経歴書ファイル、または人材マッチングプラットフォーム上で入力された前記対象人材の求職者情報の少なくとも一方を取得する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、前記対象人材がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報を取得する手段、として機能させ、
前記対象人材の収入ベンチマークを予測する手段は、前記リポジトリに関する情報に基づく第2特徴量と前記第1特徴量とに前記収入予測モデルを適用することで、前記対象人材の収入ベンチマークを予測する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記対象人材の収入ベンチマークは、前記求人企業が求めている人物像に合致する人物の収入の相場、または当該求人企業が採用を行う場合に採用される求職者に提示すべき収入であり、
前記テキスト情報を取得する手段は、人材マッチングプラットフォーム上で入力された前記求人企業が求める人物像に関する求人情報を取得する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記テキスト情報は、前記求人情報のうち求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇に関する情報を含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記テキスト情報は、前記求人情報のうち前記求人企業が求めている人物像の必須要件または歓迎要件の少なくとも1つに関する情報を含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記求人情報において採用される求職者に対して提示を予定されている収入を特定する手段、
前記採用される求職者に対して提示を予定されている収入が前記対象人材の収入ベンチマークと乖離している場合に、前記求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇または前記求人企業が求めている人物像の要件の少なくとも1つの変更を推奨する手段、
として機能させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、前記人材マッチングプラットフォームにおいて前記求人情報にマッチするユーザの集団に関する情報を取得する手段、として機能させ、
前記対象人材の収入ベンチマークを予測する手段は、前記求人情報にマッチするユーザの集団に関する情報に基づく第3特徴量と前記第1特徴量とに前記収入予測モデルを適用することで、前記対象人材の収入ベンチマークを予測する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
前記テキスト情報は、前記対象人材が過去の経歴で所属したチームに関する情報を含む、
請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項10】
前記テキスト情報は、前記対象人材が過去に担当した業務に関する情報を含む、
請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項11】
前記テキスト情報は、前記対象人材の技術スキルに関する情報を含む、
請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項12】
前記テキスト情報は、前記対象人材のマネジメント経験に関する情報を含む、
請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項13】
コンピュータが、
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得するステップと、
前記テキスト情報から第1特徴量を抽出するステップと、
前記第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、前記対象人材の収入ベンチマークを予測するステップと、
前記対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力するステップと
を実行する方法。
【請求項14】
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得する手段と、
前記テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段と、
前記第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、前記対象人材の収入ベンチマークを予測する手段と、
前記対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力する手段と
を具備する、情報処理装置。
【請求項15】
第1情報処理装置と、第2情報処理装置とを具備するシステムであって、
前記第1情報処理装置は、
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を前記第2情報処理装置から取得する手段と、
前記テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段と、
前記第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、前記対象人材の収入ベンチマークを予測する手段と、
前記対象人材の収入ベンチマークの予測結果を前記第2情報処理装置へ出力する手段と
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
求職者が、転職先または(再)就職先を選択するにあたって、収入は主要な判断材料の1つである。一方で、求職者が、自らが採用された場合の妥当な収入を見積もることは容易ではない。求職者が自身の適正収入をはるかに超える収入を希望していた場合に、応募先の求める人物像(ペルソナ)とマッチせず求職活動が難航するおそれがある。
【0003】
他方、求人を行う企業も、求める人物像の収入の相場感をつかむことは容易でない。企業が求める人物像に合致する人物の収入の相場をはるかに下回る収入を提示した場合に、条件にマッチする人材からの応募が集まらず、希望する人材の獲得が困難となるおそれがある。
【0004】
特許文献1には、ユーザの職歴に応じた求人情報を提示することを企図した技術的思想が記載されている。この技術的思想は、ユーザの職歴と、募集する人材に求められるスキルとの一致度に応じて基本給を補正し、ユーザに固有の給料を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-043587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術的思想は、ユーザの給料を適切に設定するためにユーザの職歴と、募集する人材に求められるスキルとの一致度を参照するものであるが、求職者が自己の適正収入を知りたいという要求や、企業が求める人物像に合致するとして採用される求職者に対して提示を予定している収入が妥当かを知りたいような場合には、一致度による解析では予測精度が十分ではなく、有用な情報を提供できないことがあった。
【0007】
本開示の目的は、求職活動または採用活動に有用な情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得する手段、テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段、第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する手段、対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力する手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の求職側端末の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の求人側端末の構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態の情報処理システムの基本的機能の説明図である。
図6】本実施形態の一態様の説明図である。
図7】本実施形態の別の態様の説明図である。
図8】本実施形態の求職側予測処理のフローチャートである。
図9】本実施形態の求職側予測処理において表示される画面例を示す図である。
図10】本実施形態の求人側予測処理のフローチャートである。
図11】本実施形態の求人側予測処理において表示される画面例を示す図である。
図12】変形例1の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図13】変形例1のリポジトリデータベースのデータ構造を示す図である。
図14】変形例1の開発活動データベースのデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、求職側端末10と、サーバ30と、求人側端末50を備える。
求職側端末10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
求人側端末50及びサーバ30は、ネットワークNWを介して接続される。
【0013】
求職側端末10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。求職側端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。求職側端末10のユーザは、転職活動または(再)就職活動を行っている者、またはこれらの活動に興味のある者である。
【0014】
サーバ30は、クライアント装置(図1の例では、求職側端末10または求人側端末50)から送信されたリクエストに応じたレスポンスを当該クライアント装置に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、求職側端末10のユーザおよび求人側端末50のユーザが参加する人材マッチングプラットフォームを管理する。人材マッチングプラットフォームは、求職者と求人企業とを結びつける場に相当する。本明細書において、求職者とは、求職の意思のある者を含み、少なくとも人材プラットフォーム上に求職者情報を登録、または登録の準備(例えば、履歴書ファイルもしくは職務経歴書ファイルのアップロード、または求職者情報の入力)をする者を含む。同様に、求人企業とは、求人の意思のある法人または個人を含み、少なくとも人材プラットフォーム上に求人情報を登録、または登録の準備をする者を含む。
【0015】
求人側端末50は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。求人側端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。求人側端末50のユーザは、求人企業に属する人物(例えば、会社の採用担当者)である。
【0016】
(1-1)求職側端末の構成
求職側端末の構成について説明する。図2は、本実施形態の求職側端末の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、求職側端末10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。求職側端末10は、ディスプレイ21に接続される。
【0018】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0019】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0020】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0021】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、求職側端末10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0022】
入出力インタフェース13は、求職側端末10に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、求職側端末10に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0023】
通信インタフェース14は、求職側端末10と外部装置(例えば、サーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0024】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0025】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0027】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0028】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0029】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0030】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0031】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0032】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(求職側端末10、または求人側端末50)との間の通信を制御するように構成される。
【0033】
(1-3)求人側端末の構成
求人側端末の構成について説明する。図4は、本実施形態の求人側端末の構成を示すブロック図である。
【0034】
図4に示すように、求人側端末50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。求人側端末50は、ディスプレイ61に接続される。
【0035】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0036】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0037】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0038】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、求人側端末50の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ52は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0039】
入出力インタフェース53は、求人側端末50に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、求人側端末50に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ61、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0040】
通信インタフェース54は、求人側端末50と外部装置(例えば、サーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0041】
ディスプレイ61は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ61は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0042】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。図5は、本実施形態の情報処理システムの基本的機能の説明図である。図6は、本実施形態の一態様の説明図である。図7は、本実施形態の別の態様の説明図である。
【0043】
図5に示すように、ユーザUS1は、求職側端末10を介して、求職者情報をサーバ30へ送信する。他方、ユーザUS2は、求人側端末50を介して、求人情報をサーバ30へ送信する。
【0044】
サーバ30は、求職者情報および求人情報を取得し、これらの情報を人材マッチングプラットフォームの仕様に応じて取り扱う。一例として、サーバ30は、求職者情報および求人情報のマッチング処理を行う。仮に、ユーザUS1から取得した求職者情報と、ユーザUS2から取得した求人情報とがマッチしたとする。この場合に、サーバ30は、ユーザUS1から取得した求職者情報を求人側端末50へ送信し、ユーザUS2から取得した求人情報を求職側端末10へ送信する。これにより、求職者であるユーザUS1と、求人企業の構成員であるユーザUS2とを結びつけることができる。
【0045】
なお、人材マッチングプラットフォームの仕様次第で、サーバ30は異なる挙動も可能である。例えば、サーバ30は、マッチング処理は行わず、求人情報または求職者情報の少なくとも一方を例えば匿名かつ検索可能な状態で公開するに留めてもよい。或いは、サーバ30は、人材仲介を行う者の端末に、求人情報または求職者情報を送信し、この者がマッチングを行ってもよい。
【0046】
本実施形態のサーバ30は、図6に示すように、ユーザUS1から取得した求職者情報に基づいて当該ユーザUS1の収入ベンチマークを予測してもよい。すなわち、かかる求職者情報は、ユーザUS1に関して記述されたテキスト情報に相当するが、サーバ30は当該テキスト情報から特徴量を抽出する。テキスト情報として、例えば自由記述式のテキストが想定されるが、選択式のテキスト、またはこれらの組み合わせであってもよい。サーバ30は、抽出した特徴量に収入予測モデルを適用することで、ユーザUS1の収入ベンチマークを予測し、予測結果を求職側端末10へ送信する。これにより、ユーザUS1は、自身が採用された場合の適正収入を把握できるので、希望する収入に満たなかった場合には求職者情報の内容をブラッシュアップしたり、応募先を選択する際の判断材料として収入ベンチマークを活用したりすることができる。
【0047】
本実施形態のサーバ30は、図7に示すように、ユーザUS2から取得した求人情報に基づいて当該ユーザUS2が所属する求人企業が求めている人物像の収入ベンチマークを予測してもよい。すなわち、かかる求人情報は、当該求人情報によって採用を想定している人物像に関して記述されたテキスト情報に相当するが、サーバ30は当該テキスト情報から特徴量を抽出する。サーバ30は、抽出した特徴量に収入予測モデルを適用することで、採用を想定している人物像の収入ベンチマークを予測し、予測結果を求人側端末50へ送信する。これにより、求人企業は、当該求人企業が求めている人物像に合致する人物の収入の相場を把握できるので、採用される求職者に対して提示を予定している収入と収入ベンチマークとの間に乖離がある場合に作成した求人情報の内容を見直したり、採用計画を立案する際の判断材料として収入ベンチマークを活用したりすることができる。
【0048】
本明細書において、収入ベンチマークは、以下の少なくとも1つ意味で用いられる。
・求職者の求職者情報から予測される、当該求職者の適正収入(収入の相場)
・求職者が採用された場合に提示されるべき収入
・求人企業が求める人物像に合致する人物の適正収入(収入の相場)
・求人企業が採用を行う場合に採用される求職者に提示すべき収入
【0049】
なお、サーバ30は、図6を用いて説明した収入ベンチマークの予測と、図7を用いて説明した収入ベンチマークの予測とのうち両方を行ってもよいし、一方のみを行ってもよい。
【0050】
(3)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0051】
(3-1)求職側予測処理
本実施形態の求職側予測処理について説明する。図8は、本実施形態の求職側予測処理のフローチャートである。図9は、本実施形態の求職側予測処理において表示される画面例を示す図である。
【0052】
図8の処理は、例えば求職側端末10が、人材マッチングプラットフォームにアクセスし、求職者情報の登録を開始する指示をユーザから受け付けることで開始してもよい。
【0053】
図8に示すように、求職側端末10は、情報の取得(S110)を実行する。
具体的には、求職側端末10は、求職者(「対象人材」の一例)であるユーザから求職者情報を取得する。求職者情報は、求職者に関して記述されたテキスト情報を含む。
情報の取得(S110)の第1例として、求職側端末10は、作成済みの履歴書ファイルまたは職務経歴書ファイルをアップロードする指示をユーザから受け付ける。これら履歴書ファイルおよび職務経歴書ファイルは求職者情報の例である。
情報の取得(S110)の第2例として、求職側端末10は、人材マッチングプラットフォームによって提供されるフォーム上で入力された、ユーザ(求職者)の求職者情報に関するテキスト情報を求職者情報として取得する。求職者情報は、求職者のプロフィール(例えば、職歴、業務経験、スキル、または資格など)、求職者が希望する処遇(例えば、職種、待遇(収入を含み得る)、または勤務条件など)、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0054】
求職者情報は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・求職者が過去の経歴で所属したチームに関する情報
・求職者が過去に担当した業務に関する情報
・求職者の技術スキルに関する情報
・求職者のマネジメント経験に関する情報
【0055】
チームに関する情報は、例えば、チームの規模、またはチームにおける求職者の役割もしくは所属期間に関する情報を含むことができる。
【0056】
本明細書において、チームとは、複数人のメンバーにより構成される集団を意味する。本明細書では、チームとは、複数のエンジニアにより構成される集団であるエンジニアチームを指す場合もある。チーム(特に、エンジニアチーム)は、特定のプロダクトの開発を担当する場合がある。プロダクトは、典型的にはソフトウェアであり、例えば、SaaS(Software as a Service)などのWebサービスを提供するためのWebサイトであってもよいし、コンピュータにインストールされるアプリケーションであってもよい。チーム内では、それぞれのエンジニアが機能ごと、アウトプットごと等に役割分担して開発を進める。1つまたは複数のチームは、例えば企業などの組織に属する場合がある。また、チーム内のエンジニアは、特定の1つの企業(組織)に雇用されている会社員のみに限られず、複数の企業が共同で開発を進める開発プロジェクトにおける任意の企業の会社員でもよい。さらに、チーム内のエンジニアには、派遣社員、個人事業主(いわゆるフリーランス)のエンジニアが含まれてもよい。
【0057】
過去に担当した業務に関する情報は、例えば、求職者が過去に担当したプロジェクトの詳細、または当該プロジェクトにおける求職者の担当業務、担当期間もしくは実績に関する情報を含むことができる。
【0058】
技術スキルに関する情報は、例えば、求職者が使用するプログラミング言語、またはマークアップ言語に関する情報を含むことができる。
【0059】
マネジメント経験に関する情報は、例えば、役職、経験期間、または管理対象人数に関する情報を含むことができる。
【0060】
ステップS110の後に、求職側端末10は、ユーザ指示の受付(S111)を実行する。
具体的には、求職側端末10は、ユーザの収入ベンチマークの予測を要求する指示を当該ユーザから受け付ける。求職側端末10は、指示に応じて予測要求を生成し、サーバ30へ送信する。予測要求は、ステップS110において取得した情報を特定可能な情報を含む。求職側端末10は、必要に応じて、求職者情報に含まれるテキストを抽出したり、匿名化処理(例えば、個人情報のマスキングまたは送信対象からの除外)を施したりしてもよい。
【0061】
一例として、求職側端末10は、図9の画面をディスプレイ21に表示する。図9の画面は、オブジェクトJ21~J24を含む。
オブジェクトJ21は、ステップS110において取得した求職者情報の内容を表示する。
なお、ステップS110において求職者情報を受け付けるUIは、求職者情報を構成する情報要素(図9において、#の記号が付されている要素)ごとに入力欄(フォーム)を備えていてもよい。例えば、UIは、職種情報欄、マネジメント経験欄、および担当プロジェクト欄を含むことができる。さらに、プロジェクト欄は、(業務を一緒に遂行した)チーム情報欄、役割情報欄、および実績情報欄を含むことができる。これにより、完全に自由記述式の入力欄を利用した場合に比べて、求職者情報に含められる情報要素の漏れを防止し、抽出可能な特徴量の精度を高めたり、予測される収入ベンチマークの妥当性を高めたりすることができる。
【0062】
オブジェクトJ22は、求職者情報の編集処理を開始するユーザ指示を受け付ける。求職側端末10は、オブジェクトJ22が選択された場合に、求職者情報のフォームへの入力内容を編集するためのUI(User Interface)をディスプレイ21に表示してもよいし、アップロードする履歴書ファイルもしくは職務経歴書ファイルを選択するためのUIをディスプレイ21に表示してもよい。
【0063】
オブジェクトJ23は、ユーザの収入ベンチマークの予測を要求する指示を受け付ける。求職側端末10は、オブジェクトJ23が選択された場合に、予測要求を生成し、サーバ30へ送信する。
【0064】
オブジェクトJ24は、ステップS110において取得した求職者情報を提出するためのユーザ指示を受け付ける。求職側端末10は、オブジェクトJ24が選択されると、求職者情報をサーバ30へ送信する。
【0065】
ステップS111の後に、サーバ30は、情報の取得(S130)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS111において送信された予測要求を受信する。サーバ30は、受信した予測要求に基づいて求職者情報を取得する。
【0066】
ステップS130の後に、サーバ30は、特徴量の抽出(S131)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS130において取得した求職者情報から特徴量(以下、「求職者特徴量」という)を抽出する。
【0067】
特徴量の抽出(S131)の第1例として、サーバ30は、自然言語系の学習済みモデルに求職者情報またはその少なくとも一部に相当するテキスト情報を入力として与えることで求職者特徴量を取得する。かかる学習済みモデルとして、例えばBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)などの深層学習モデル(自然言語処理モデル)が利用可能である。
【0068】
特徴量の抽出(S131)の第2例として、サーバ30は、求職者情報またはその少なくとも一部に相当するテキスト情報をルールベースで解析することで、求職者特徴量を生成する。例えば、サーバ30は、求職者情報に「チームをリード」、「後輩を指導」などのフレーズが含まれている場合に、マネジメント経験に関する特徴量を増加させてもよい。或いは、サーバ30は、求職者情報に「k8s」、「Rust」等のキーワードが含まれている場合に、最新の技術スキルに関する特徴量を増加させてもよい。
【0069】
特徴量の抽出(S131)の第3例として、サーバ30は、上記第1例および第2例を組み合わせてもよい。
【0070】
ステップS131の後に、サーバ30は、収入ベンチマークの予測(S132)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS131において抽出した求職者特徴量に収入予測モデル(以下、「第1モデル」という)を適用することで、求職者の収入ベンチマークを予測する。一例として、サーバ30は、求職者の収入ベンチマークをx円±y円の形式で予測する。xは予測値の中心であり、yは予測の幅(例えば標準偏差)である。
【0071】
第1モデルは、教師あり学習により構築可能である。教師あり学習に用いられる学習データは、過去に同一または異なる求職者によって作成された多数の求職者情報と、当該求職者情報による求職活動の実績とから収集される。学習データは、学習用の求職者特徴量と、対応する正解データとを含む。正解データは、求職者に対して求人側が過去に提示した年収(或いは、月収、または報酬単価であってもよい)の値であり、学習用の求職者特徴量は、当該求職者が求職活動において用いた求職者情報からステップS131と同様に抽出することができる。
【0072】
ステップS132の後に、サーバ30は、予測結果の出力(S133)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS132において得られた、求職者の収入ベンチマークの予測結果を求職側端末10へ送信する。これにより、ユーザ(求職者)に予測結果を通知できる。通知は、アプリ画面、またはウェブサイト画面上で行われてもよいし、メールまたはその他のメッセージ(例えば、SNS(Social Networking Service)メッセージ、SMS(Short Message Service)メッセージ、チャットツールのメッセージ、など)を用いて行われてもよい。
【0073】
ステップS133の後に、求職側端末10は、画面表示(S112)を実行する。
具体的には、求職側端末10は、ステップS133において送信された予測結果を受信する。求職側端末10は、受信した予測結果をユーザに伝える画面をディスプレイ21に表示する。
【0074】
(3-2)求人側予測処理
本実施形態の求人側予測処理について説明する。図10は、本実施形態の求人側予測処理のフローチャートである。図11は、本実施形態の求人側予測処理において表示される画面例を示す図である。
【0075】
図10の処理は、例えば求人側端末50が、人材マッチングプラットフォームにアクセスし、求人情報の登録を開始する指示をユーザから受け付けることで開始してもよい。
【0076】
図10に示すように、求人側端末50は、情報の取得(S250)を実行する。
具体的には、求人側端末50は、ユーザから求人情報を取得する。求人情報は、求人企業が求めている人物像(「対象人材」の一例)に関して記述されたテキスト情報を含む。
情報の取得(S250)の第1例として、求人側端末50は、作成済みの求人情報ファイルをアップロードする指示をユーザから受け付ける。求人情報ファイルは、求人情報の例である。
情報の取得(S250)の第2例として、求人側端末50は、人材マッチングプラットフォームによって提供されるフォーム上で入力された求人情報を取得する。
【0077】
求人情報は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇に関する情報
・求人企業が求めている人物像の要件に関する情報
【0078】
求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇に関する情報は、例えば、当該求職者が採用された場合に提供を予定されている職種、待遇(収入を含み得る)、または勤務条件に関する情報を含むことができる。
【0079】
求人企業が求めている人物像の要件に関する情報は、当該人物像の必須要件または歓迎要件に関する情報を含むことができる。要件は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・人物像が過去の経歴で所属したチームに関する情報
・人物像が過去に担当した業務に関する情報
・人物像の技術スキルに関する情報
・人物像のマネジメント経験に関する情報
【0080】
チームに関する情報は、例えば、チームの規模、またはチームにおける人物像の役割もしくは所属期間に関する情報を含むことができる。
【0081】
過去に担当した業務に関する情報は、例えば、人物像が過去に担当したプロジェクトの詳細、または当該プロジェクトにおける当該人材の担当業務、担当期間もしくは実績に関する情報を含むことができる。
【0082】
技術スキルに関する情報は、例えば、人物像が使用するプログラミング言語、またはマークアップ言語に関する情報を含むことができる。
【0083】
マネジメント経験に関する情報は、例えば、役職、経験期間、または管理対象人数に関する情報を含むことができる。
【0084】
ステップS250の後に、求人側端末50は、ユーザ指示の受付(S251)を実行する。
具体的には、求人側端末50は、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークの予測を要求する指示をユーザから受け付ける。求人側端末50は、指示に応じて予測要求を生成し、サーバ30へ送信する。予測要求は、ステップS250において取得した求人情報を特定可能な情報を含む。求人側端末50は、必要に応じて、求人情報に含まれるテキストを抽出したり、匿名化処理(例えば、求人情報に対応する求人企業を特定可能な情報のマスキングまたは送信対象からの除外)を施したりしてもよい。
【0085】
一例として、求人側端末50は、図11の画面をディスプレイ61に表示する。図11の画面は、オブジェクトJ31~J34を含む。
オブジェクトJ31は、ステップS250において取得した求人情報の内容を表示する。
【0086】
オブジェクトJ32は、求人情報の編集処理を開始するユーザ指示を受け付ける。求人側端末50は、オブジェクトJ32が選択された場合に、求人情報のフォームへの入力内容を編集するためのUIをディスプレイ61に表示してもよいし、アップロードする求人情報ファイルを選択するためのUIをディスプレイ61に表示してもよい。
【0087】
オブジェクトJ33は、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークの予測を要求する指示を受け付ける。求人側端末50は、オブジェクトJ33が選択された場合に、予測要求を生成し、サーバ30へ送信する。
【0088】
オブジェクトJ34は、ステップS250において取得した求人情報を人材マッチングプラットフォームに掲載するためのユーザ指示を受け付ける。求人側端末50は、オブジェクトJ34が選択されると、求人情報をサーバ30へ送信する。
【0089】
ステップS251の後に、サーバ30は、情報の取得(S230)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS251において送信された予測要求を受信する。サーバ30は、受信した予測要求に基づいて求人情報を取得する。
【0090】
ステップS230の後に、サーバ30は、特徴量の抽出(S231)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS230において取得した求人情報から特徴量(以下、「求人特徴量」という)を抽出する。
【0091】
特徴量の抽出(S231)の第1例として、サーバ30は、自然言語系の学習済みモデルに求人情報またはその少なくとも一部に相当するテキスト情報を入力として与えることで求人特徴量を取得する。かかる学習済みモデルとして、例えばBERTなどの深層学習モデルが利用可能である。
【0092】
特徴量の抽出(S231)の第2例として、サーバ30は、求人情報またはその少なくとも一部に相当するテキスト情報をルールベースで解析することで、求人特徴量を生成する
【0093】
特徴量の抽出(S231)の第3例として、サーバ30は、上記第1例および第2例を組み合わせてもよい。
【0094】
ステップS231の後に、サーバ30は、収入ベンチマークの予測(S232)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS231において抽出した求人特徴量に収入予測モデル(以下、「第2モデル」という)を適用することで、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークを予測する。一例として、サーバ30は、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークをx円±y円の形式で予測する。
【0095】
第2モデルは、教師あり学習により構築可能である。教師あり学習に用いられる学習データは、過去に同一または異なる求人企業によって発行された多数の求人情報と、当該求人情報による採用活動の実績とから収集される。学習データは、学習用の求人特徴量と、対応する正解データとを含む。正解データは、採用する人材に対して求人企業が過去に提示した年収(或いは、月収、または報酬単価であってもよい)の値であり、学習用の求人特徴量は、当該求人企業が採用活動に用いた求人情報からステップS231と同様に抽出することができる。
【0096】
ステップS232の後に、サーバ30は、予測結果の出力(S233)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS232において得られた、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークの予測結果を求人側端末50へ送信する。これにより、ユーザ(求人情報に対応する求人企業の採用担当者)に予測結果を通知できる。通知は、アプリ画面、またはウェブサイト画面上で行われてもよいし、メールまたはその他のメッセージ(例えば、SNSメッセージ、SMSメッセージ、など)を用いて行われてもよい。
【0097】
オプションとして、サーバ30は、ステップS230において取得した求人情報において採用される求職者に対して提示を予定されている収入を特定し、当該収入とステップS232における予測結果とを比較してもよい。そして、サーバ30は、採用される求職者に対して提示を予定されている収入が予測結果と乖離している場合に、以下の少なくとも1つの情報を生成し、予測結果とともに出力してもよい。
・比較結果(例えば、差を示す情報)
・求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇の変更(例えば、処遇の改善、または提示する収入の引き下げ)を推奨する情報
・求人企業が求めている人物像の要件の変更(例えば、要件の緩和、または厳格化)を推奨する情報
【0098】
ステップS233の後に、求人側端末50は、画面表示(S252)を実行する。
具体的には、求人側端末50は、ステップS233において送信された予測結果を受信する。求人側端末50は、受信した予測結果をユーザに伝える画面をディスプレイ61に表示する。
【0099】
(4)小括
以上説明したように、サーバ30は、求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得し、当該テキスト情報から求職者特徴量または求人特徴量を抽出する。サーバ30は、求職者特徴量または求人特徴量に収入予測モデル(第1モデルまたは第2モデル)を適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測し、予測結果を出力する。これにより、求職者は、自身が採用された場合の適正収入を把握できるので、作成した求職者情報の内容をブラッシュアップしたり、応募先を選択する際の判断材料として収入ベンチマークを活用したりすることができる。求人企業は、当該求人企業が求めている人物像の収入の相場を把握できるので、作成した求人情報の内容を見直したり、採用計画を立案する際の判断材料として収入ベンチマークを活用したりすることができる。
【0100】
サーバ30は、求職者の履歴書ファイルもしくは職務経歴書ファイル、または人材マッチングプラットフォーム上で入力された求職者情報の少なくとも一方を取得してもよい。これにより、求職者特徴量を抽出し、求職者の収入ベンチマークを予測することができる。
【0101】
対象人材の収入ベンチマークは、求人企業が求める人物像に合致する人物の収入の相場、または当該求人企業が採用を行う場合に採用される求職者に提示すべき収入であってよく、サーバ30は、人材マッチングプラットフォーム上で入力された、求人企業が求める人物像に関する求人情報を取得してもよい。これにより、求人特徴量を抽出し、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークを予測することができる。
【0102】
テキスト情報は、求人情報のうち求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇に関する情報を含んでもよい。これにより、求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇に関する情報が反映された求人特徴量に基づいて妥当な収入ベンチマークを予測することができる。
【0103】
テキスト情報は、求人情報のうち求人企業が求めている人物像の必須要件または歓迎要件の少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。これにより、求人企業が求めている人物像の必須要件または歓迎要件に関する情報が反映された求人特徴量に基づいて妥当な収入ベンチマークを予測することができる。
【0104】
サーバ30は、求人情報において採用される求職者に対して提示を予定されている収入を特定し、当該収入が対象人材の収入ベンチマークと乖離している場合に、求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇または求人企業が求めている人物像の要件の少なくとも1つの変更を推奨してもよい。これにより、求人企業に求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇または求人企業が求めている人物像の要件の適正化を促し、採用活動の効率向上を図ることができる。
【0105】
テキスト情報は、対象人材が過去の経歴で所属したチームに関する情報を含んでもよい。これにより、対象人材が過去の経歴で所属したチームに関する情報が反映された求職者特徴量または求人特徴量に基づいて妥当な収入ベンチマークを予測することができる。
【0106】
テキスト情報は、対象人材が過去に担当した業務に関する情報を含んでもよい。これにより、対象人材が過去に担当した業務に関する情報が反映された求職者特徴量または求人特徴量に基づいて妥当な収入ベンチマークを予測することができる。
【0107】
テキスト情報は、対象人材の技術スキルに関する情報を含んでもよい。これにより、対象人材の技術スキルに関する情報が反映された求職者特徴量または求人特徴量に基づいて妥当な収入ベンチマークを予測することができる。
【0108】
テキスト情報は、対象人材のマネジメント経験に関する情報を含んでもよい。これにより、対象人材のマネジメント経験に関する情報が反映された求職者特徴量または求人特徴量に基づいて妥当な収入ベンチマークを予測することができる。
【0109】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0110】
(5-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、求職者がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報にさらに基づいて当該求職者の収入ベンチマークを予測する例である。
【0111】
(5-1-1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。図12は、変形例1の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0112】
図12に示すように、サーバ30は、ネットワークNWを介して外部システム70と接続される。
外部システム70は、サーバ30からのリクエストに応じて、求職者としてのエンジニアによる開発活動に関する情報を提供する。外部システム70は、典型的には、GitHub(登録商標)などの、ソフトウェア開発プラットフォームである。GitHubは、エンジニアによる開発の成果物であるソースコードの管理、およびソースコードに対するレビューの管理等を行う。
【0113】
なお、外部システム70は、GitHubに限られず、GitLab(登録商標)またはBitbucket(登録商標)等の他のソフトウェア開発プラットフォームであってもよい。或いは、外部システム70は、ソフトウェア開発における課題管理ツール(例えばJira(登録商標))、またはタスク管理ツール(例えば、Trello(登録商標)またはbacklog(登録商標)等)であってもよい。これらソフトウェア開発プラットフォーム、課題管理ツールまたはタスク管理ツールは、イシュー管理サービスとして総称することもできる。以下の説明では、外部システム70として、GitHubを利用することを前提として述べる。
【0114】
GitHubは、ソースコードホスティングサービスである。GitHubは、開発の成果物であるソースコードのバージョン管理を行うためのリポジトリ(管理手段)を有する。GitHubは、ある時点におけるソースコードの一覧を管理している。GitHubは、イシュー(作成)、プッシュ、コミット、プルリクエスト、マージ等の各種機能を備えている。
【0115】
イシューは、プロジェクトやソースコードの課題を管理するための機能である。プッシュは、エンジニアのローカル環境(ローカルリポジトリ)で作成又は修正を行ったソースコードをリモート環境(リモートリポジトリ)へアップロードする機能である。コミットは、ソースコードへの変更内容を登録するための機能である。プルリクエストは、プッシュがなされたことを通知してレビューを依頼する機能である。マージは、レビュー結果を確定させて履歴を統合する機能である。ここで、ソースコードとは、Pythonのようなプログラミング言語、またはHTML、CSSのようなマークアップ言語により記述されるコード(文字列)に加え、JavaScript(登録商標)のようなプログラミング言語の一種であるスクリプト言語により記述されるスクリプト(文字列)を含む概念である。
【0116】
プログラミング言語とは、ソフトウェア開発に用いられる言語であり、具体的にはJavaScript(登録商標)、Java(登録商標)、Scala、PHP、Ruby、Python、Go、C#、などがある。また、ソフトウェアフレームワークとはソフトウェア開発に利用するソフトウェアプラットフォームであり、具体的には、jQuery、React、Vue.js、Angular、Nuxt.js、Next.js、ReactNative、Spring Framework、Play Framework、Laravel、CakePHP、RubyonRails、Django、Flask、TensorFlow、gin、Unity、Expressなどがある。
【0117】
様々なエンジニアが、外部システム70を利用して種々の開発活動を行う。外部システム70は、このような開発活動のログに関する情報(以下、「開発活動情報」という)を保存する。サーバ30は、外部システム70から開発活動情報を取得する。サーバ30は、開発活動情報を定期的に収集してもよいし、何らかのトリガ(例えば、求職側端末10からの予測要求の受信)に応じてかかる開発活動情報を収集してもよい。
【0118】
(5-1-2)データベース
変形例1のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0119】
(5-1-2-1)リポジトリデータベース
本変形例1のリポジトリデータベースについて説明する。図13は、変形例1のリポジトリデータベースのデータ構造を示す図である。
【0120】
リポジトリデータベースには、リポジトリ情報が格納される。リポジトリ情報は、外部システム70において作成されているリポジトリに関する情報である。
【0121】
図13に示すように、リポジトリデータベースは、「リポジトリID」フィールドと、「チームID」フィールドと、「アドレス」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0122】
「リポジトリID」フィールドには、リポジトリIDが格納される。リポジトリIDは、リポジトリを識別する情報である。サーバ30は、外部システム70からリポジトリIDを取得可能である。
【0123】
「チームID」フィールドには、チームIDが格納される。チームIDは、対応するリポジトリIDによって特定されるリポジトリを作成したチームを識別する情報である。サーバ30は、外部システム70からチームIDを取得可能である。なお、チームIDは、同一チームに属するエンジニアによる開発活動情報を一括で収集する時に有用であるが、かかる情報の収集が必要でない構成の場合、リポジトリデータベースにチームIDを格納しなくてもよい。
【0124】
チームIDは、図示しないデータベースにおいて、組織IDと関連付けられてもよい。チームIDに関連付けられる組織IDは、当該チームIDに対応するチームが属する組織を識別する。また、チームIDは、図示しないデータベースにおいて、エンジニアIDと関連付けられてもよい。チームIDに関連付けられるエンジニアIDは、当該チームIDに対応するチームに属するメンバーを識別する。
【0125】
「アドレス」フィールドには、アドレス情報が格納される。アドレス情報は、対応するリポジトリIDによって特定されるリポジトリにアクセスするための情報(例えばURL(Uniform Resource Locator))である。
【0126】
(5-1-2-2)開発活動データベース
変形例1の開発活動データベースについて説明する。図14は、変形例1の開発活動データベースのデータ構造を示す図である。
【0127】
開発活動データベースには、開発活動情報が格納される。開発活動情報は、外部システム70において作成されたリポジトリに保存されているソースコードに関して、エンジニアにより行われた活動に関する情報である。
【0128】
外部システム70は、例えば、ユーザ(つまり、エンジニア)がソースコードをローカルリポジトリからプッシュした場合に、プッシュを行ったユーザを特定可能な情報、およびプッシュが行われた日時をログ情報として記録する。同様に、以下の少なくとも1つの活動について、外部システムはログ情報を記録する。
・追加または変更したファイルをイシュー管理サービスのローカルリポジトリに記録する活動(例えばGitHubにおけるコミットに相当し、以下、同様の活動を「コミット」という)
・ソースコードに関してイシューを作成する活動
・イシューをクローズする活動
・ローカルリポジトリに追加または変更したファイルのレビューを依頼する活動(例えばGitHubにおけるプルリクエストに相当し、以下、同様の活動を「プルリクエスト」という)
・上記依頼に応じてファイルをレビューする活動
・レビューを依頼されたファイルのプロジェクト本体への統合を承認(例えばGitHubにおけるマージに相当し、以下、同様の活動を「マージ」という)する活動
・コメントを作成する活動
・コメントに対する回答を作成する活動
【0129】
サーバ30は、外部システム70から取得した開発活動情報に基づいて、開発活動データベースを更新する。サーバ30は、定期的に開発活動情報を取得してもよいし、何らかのトリガ(例えば、求職側端末10からの予測要求の受信)に応じて開発活動情報を取得してもよい。
【0130】
図14に示すように、開発活動データベースは、「活動ID」フィールドと、「リポジトリID」フィールドと、「アクションID」フィールドと、「エンジニアID」フィールドと、「日時」フィールドと、「ソースコード」フィールドとを含む。
【0131】
「活動ID」フィールドには、活動IDが格納される。活動IDは、外部システム70において作成されたリポジトリに保存されているソースコードに関して、エンジニアにより行われた活動を識別する情報である。
【0132】
「リポジトリID」フィールドには、リポジトリIDが格納される。リポジトリIDは、対応する活動IDによって特定される活動が行われたソースコードが保存されているリポジトリを識別する情報である。
【0133】
「アクション」フィールドには、アクション情報が格納される。アクション情報は、対応する活動IDによって特定される活動の種別に関する情報である。
【0134】
「エンジニアID」フィールドには、エンジニアIDが格納される。エンジニアIDは、対応する活動IDによって特定される活動を行ったエンジニア(つまり、外部システム70のユーザ)を識別する情報である。
【0135】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、対応する活動IDによって特定される活動が行われた日時に関する情報である。
【0136】
「ソースコード」フィールドには、ソースコード情報が格納される。ソースコード情報は、対応する活動IDによって特定される活動が行われたソースコードに関する情報(例えば、ファイル名情報、変更ファイルの情報)である。
【0137】
(5-1-3)情報処理
変形例1の求職側予測処理について説明する。
【0138】
図8に示すように、求職側端末10は、情報の取得(S110)を実行する。
具体的には、求職側端末10は、本実施形態において説明した求職者情報に加えて、求職者のエンジニアIDを特定可能な情報を取得する。
ステップS110の後に、求職側端末10は、ユーザ指示の受付(S111)を実行する。
【0139】
ステップS111の後に、サーバ30は、情報の取得(S130)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS111において送信された予測要求を受信する。サーバ30は、受信した予測要求に基づいて求職者情報と、求職者のエンジニアIDとを取得する。サーバ30は、求職者のエンジニアIDに基づいて、例えば開発活動データベース(図14)を参照し、求職者がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報を抽出する。
【0140】
ステップS130の後に、サーバ30は、特徴量の抽出(S131)を実行する。
具体的には、サーバ30は、本実施形態において説明した求職者特徴量に加えて、ステップS130において取得したリポジトリに関する情報から特徴量(以下、「開発活動特徴量」という)を抽出する。一例として、サーバ30は、以下の少なくとも1つに関する特徴量を抽出してもよい。
・求職者が関与したリポジトリ数
・求職者が関与したリポジトリに対するスター(お気に入り登録)数
・コミットを行った数
・ソースコードに関してイシューを作成した数
・作成したイシューがクローズされた数
・プルリクエストを行った数
・プルリクエストに応じてファイルがレビューされた数
・他のエンジニアによるプルリクエストに応じてレビューを行った数
・プルリクエストがマージされた数
・コメントを作成した数
・コメントに対する回答が作成された数
・コーディング数(アクティブ日数)
・他のエンジニアによるプルリクエストに対して最初のレビューをするまでの平均時間[h]
・プルリクエストの作成からマージまたはクローズされるまでの平均時間[h]
・最初のコミットからプルリク作成までの平均時間[h]
・プルリクエストの作成からレビューまでの平均時間[h]
・最初のレビューからクローズまでの平均時間[h]
・最初のレビューから最後のアプルーブまでの平均時間[h]
・最後のアプルーブからマージまでの平均時間[h]
・メインブランチへのマージされたプルリクエストの作成からマージまでの平均時間[h]
・メインブランチへマージされたプルリクエストに紐づく最初のコミットからマージまでの平均時間[h]
・レビューされずにマージされたプルリクエストの割合[%]
・変更障害率
・1プルリクエストに対する平均コメント数
・1プルリクエストあたりの平均変更行数
・1プルリクエストあたりの変更ファイル数
【0141】
ステップS131の後に、サーバ30は、収入ベンチマークの予測(S132)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS131において抽出した求職者特徴量および開発活動特徴量に収入予測モデル(以下、「第3モデル」という)を適用することで、求職者の収入ベンチマークを予測する。一例として、サーバ30は、求職者の収入ベンチマークをx円±y円の形式で予測する。
【0142】
第3モデルは、教師あり学習により構築可能である。教師あり学習に用いられる学習データは、過去に同一または異なる求職者によって作成された多数の求職者情報および当該求職者がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報と、当該求職者情報による求職活動の実績とから収集される。学習データは、学習用の求職者特徴量および開発活動特徴量と、対応する正解データとを含む。正解データは、求職者に対して求人側が過去に提示した年収(或いは、月収、または報酬単価であってもよい)の値であり、学習用の求職者特徴量および開発活動特徴量はそれぞれ、当該求職者が求職活動において用いた求職者情報および当該求職者がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報(ただし、求職活動時点において取得可能な情報)からステップS131と同様に抽出することができる。
【0143】
ステップS132の後に、サーバ30は、予測結果の出力(S133)を実行する。
ステップS133の後に、求職側端末10は、画面表示(S112)を実行する。
(5-1-4)
以上説明したように、変形例1のサーバ30は、求職者がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報を取得し、リポジトリに関する情報に基づく開発活動特徴量と求職者特徴量とに収入予測モデル(第3モデル)を適用することで、求職者の収入ベンチマークを予測する。これにより、求職者の開発活動に関する情報をさらに考慮した妥当なベンチマークを予測することができる。
【0144】
(5-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、人材マッチングプラットフォームにおいて求人情報にマッチするユーザの集団に関する情報にさらに基づいて当求人企業が求める人物像の収入ベンチマークを予測する例である。
【0145】
変形例2の求人側予測処理について説明する。
図10に示すように、求人側端末50は、情報の取得(S250)~ユーザ指示の受付(S251)を実行する。
【0146】
ステップS251の後に、サーバ30は、情報の取得(S230)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS251において送信された予測要求を受信する。サーバ30は、受信した予測要求に基づいて求人情報を取得する。
【0147】
さらに、サーバ30は、人材プラットフォームにおいて、取得した求人情報にマッチするユーザ(求職者または潜在的求職者)の集団に関する情報(以下、「適合集団情報」という)を取得する。
【0148】
適合集団情報は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・求人情報にマッチするユーザの数(以下、「マッチ数」という)
・求人情報にマッチするユーザの求職(転職、または(再)就職)意向の統計値
・求人情報にマッチするユーザのうち求職意向の度合いが閾値以上であるユーザ数
・求人情報にマッチするユーザの給与(現給与、または希望給与)の統計値
【0149】
第1例として、サーバ30は、人材プラットフォームに登録されている全ユーザの求職者情報(例えば、希望する処遇、またはプロフィール)を対象の求人情報(例えば、採用される求職者に予定している処遇、または求人企業が求めている人物像の要件(特に必須要件))と照合し、当該求人情報に実際にマッチするユーザを特定してもよい。特定したユーザの数をカウントすることでマッチ数を導出可能である。また、特定したユーザの求職者情報にさらに基づいて、求職意向の統計値、求職意向の度合いが閾値以上であるユーザ数、または給与の統計値などを導出可能である。
第2例として、サーバ30は、無作為に抽出した所定数のユーザの求職者情報と対象の求人情報とを照合してマッチ率を計算し、人材マッチングプラットフォームの求人側ユーザ数に当該マッチ率を乗算することで、当該求人情報にマッチするユーザの数を予測してもよい。また、所定数のユーザのうちで求人情報にマッチしたユーザの求職者情報にさらに基づいて、求職意向の統計値、求職意向の度合いが閾値以上であるユーザ数、または給与の統計値などを推定可能である。
【0150】
ステップS230の後に、サーバ30は、特徴量の抽出(S231)を実行する。
具体的には、サーバ30は、本実施形態において説明した求人特徴量に加えて、ステップS230において取得した適合集団情報から特徴量(以下、「適合集団特徴量」という)を抽出する。一例として、サーバ30は、適合集団情報を所定の変換式に代入することで適合集団特徴量を算出してもよい。或いは、サーバ30は、適合集団情報をそのまま適合集団特徴量として扱ってもよい。
【0151】
ステップS231の後に、サーバ30は、収入ベンチマークの予測(S232)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS231において抽出した求人特徴量および適合集団特徴量に収入予測モデル(以下、「第4モデル」という)を適用することで、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークを予測する。一例として、サーバ30は、求人企業が求める人物像の収入ベンチマークをx円±y円の形式で予測する。
【0152】
第4モデルは、教師あり学習により構築可能である。教師あり学習に用いられる学習データは、過去に同一または異なる求人企業によって発行された多数の求人情報および当該求人情報に基づいて取得された適合集団情報と、当該求人情報による採用活動の実績とから収集される。学習データは、学習用の求人特徴量および適合集団特徴量と、対応する正解データとを含む。正解データは、採用する人材に対して求人企業が過去に提示した年収(或いは、月収、または報酬単価であってもよい)の値であり、学習用の求人特徴量および適合集団特徴量はそれぞれ、当該求人企業が採用活動に用いた求人情報および当該求人情報に基づいて取得された適合集団情報(ただし、採用活動時点における適合集団情報)からステップS231と同様に抽出することができる。
【0153】
ステップS232の後に、サーバ30は、予測結果の出力(S233)を実行する。
ステップS233の後に、求人側端末50は、画面表示(S252)を実行する。
【0154】
以上説明したように、変形例2のサーバ30は、人材マッチングプラットフォームにおいて求人情報にマッチするユーザの集団に関する情報を取得し、当該情報に基づく適合集団特徴量と求人特徴量とに収入予測モデル(第4モデル)を適用することで、求人企業が求めている人物像の収入ベンチマークを予測する。これにより、求めている人物像の候補者の多寡をさらに考慮した妥当なベンチマークを予測することができる。
【0155】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、求職側端末10と接続されてもよい。ディスプレイ21は、求職側端末10と一体化されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、求人側端末50と接続されてもよい。ディスプレイ61は、求人側端末50と一体化されてもよい。
【0156】
上記の情報処理の各ステップは、求職側端末10、サーバ30、および求人側端末50の何れでも実行可能である。また、上記説明では、情報処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。
【0157】
(7)付記
実施形態および変形例で説明した事項を、以下に付記する。
【0158】
(付記1)
コンピュータ(30)を、
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得する手段(S130,S230)、
テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段(S131,S231)、
第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する手段(S132,S232)、
対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力する手段(S133,S233)、
として機能させるプログラム。
【0159】
(付記2)
テキスト情報を取得する手段は、対象人材の履歴書ファイルもしくは職務経歴書ファイル、または人材マッチングプラットフォーム上で入力された対象人材の求職者情報の少なくとも一方を取得する、
付記1に記載のプログラム。
【0160】
(付記3)
コンピュータを、対象人材がイシュー管理サービスにおいて関与したリポジトリに関する情報を取得する手段(S130)、として機能させ、
対象人材の収入ベンチマークを予測する手段は、リポジトリに関する情報に基づく第2特徴量と第1特徴量とに収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する、
付記2に記載のプログラム。
【0161】
(付記4)
対象人材の収入ベンチマークは、求人企業が求めている人物像に合致する人物の収入の相場、または当該求人企業が採用を行う場合に採用される求職者に提示すべき収入であり、
テキスト情報を取得する手段は、人材マッチングプラットフォーム上で入力された求人企業が求める人物像に関する求人情報を取得する、
付記1に記載のプログラム。
【0162】
(付記5)
テキスト情報は、求人情報のうち求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇に関する情報を含む、
付記4に記載のプログラム。
【0163】
(付記6)
テキスト情報は、求人情報のうち求人企業が求めている人物像の必須要件または歓迎要件の少なくとも1つに関する情報を含む、
付記4に記載のプログラム。
【0164】
(付記7)
コンピュータを、
求人情報において採用される求職者に対して提示を予定されている収入を特定する手段、
採用される求職者に対して提示を予定されている収入が対象人材の収入ベンチマークと乖離している場合に、求職者が採用された場合に提供を予定されている処遇または求人企業が求めている人物像の要件の少なくとも1つの変更を推奨する手段、
として機能させる、付記4に記載のプログラム。
【0165】
(付記8)
コンピュータを、人材マッチングプラットフォームにおいて求人情報にマッチするユーザの集団に関する情報を取得する手段(S230)、として機能させ、
対象人材の収入ベンチマークを予測する手段は、求人情報にマッチするユーザの集団に関する情報に基づく第3特徴量と第1特徴量とに収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する、
付記4に記載のプログラム。
【0166】
(付記9)
テキスト情報は、対象人材が過去の経歴で所属したチームに関する情報を含む、
付記2または付記3に記載のプログラム。
【0167】
(付記10)
テキスト情報は、対象人材が過去に担当した業務に関する情報を含む、
付記2または付記3に記載のプログラム。
【0168】
(付記11)
テキスト情報は、対象人材の技術スキルに関する情報を含む、
付記2または付記3に記載のプログラム。
【0169】
(付記12)
テキスト情報は、対象人材のマネジメント経験に関する情報を含む、
付記2または付記3に記載のプログラム。
【0170】
(付記13)
コンピュータ(30)が、
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得するステップ(S130,S230)と、
テキスト情報から第1特徴量を抽出するステップ(S131,S231)と、
第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測するステップ(S132,S232)と、
対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力するステップ(S133,S233)と
を実行する方法。
【0171】
(付記14)
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を取得する手段(S130,S230)と、
テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段(S131,S231)と、
第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する手段(S132,S232)と、
対象人材の収入ベンチマークの予測結果を出力する手段(S133,S233)と
を具備する、情報処理装置(30)。
【0172】
(付記15)
第1情報処理装置(30)と、第2情報処理装置(10,50)とを具備するシステム(1)であって、
第1情報処理装置は、
求職者、または求人企業が求めている人物像のいずれかである対象人材に関して記述されたテキスト情報を第2情報処理装置から取得する手段(S130,S230)と、
テキスト情報から第1特徴量を抽出する手段(S131,S231)と、
第1特徴量に収入予測モデルを適用することで、対象人材の収入ベンチマークを予測する手段(S132,S232)と、
対象人材の収入ベンチマークの予測結果を第2情報処理装置へ出力する手段(S13#,S233)と
を備える、
システム。
【0173】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 :情報処理システム
10 :求職側端末
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :ディスプレイ
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
50 :求人側端末
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
61 :ディスプレイ
70 :外部システム
図1
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