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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124400
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】アンモニアセンサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/41 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G01N21/41 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032101
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2023031659
(32)【優先日】2023-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】598123138
【氏名又は名称】学校法人 創価大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】桑原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】勝股 洋一
(72)【発明者】
【氏名】井田 旬一
(72)【発明者】
【氏名】西山 道子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一弘
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059EE04
2G059EE12
2G059FF04
2G059GG02
2G059HH02
2G059JJ17
(57)【要約】
【課題】センサ部に電流を供給することなく、アンモニアを検知することが可能なアンモニアセンサを提供する。
【解決手段】アンモニアセンサ1は、コア5a及びクラッド6aを有する光伝送部2,2と、光伝送部2,2のコア5a及びクラッド6aに各々連なるコア5b及びクラッド6bを有するヘテロコア部3とを有し、ヘテロコア部3のコア5bが光伝送部2のコア5aとは直径が相違する光ファイバ4と、ヘテロコア部3のクラッド6bの外周面に、ITOナノ粒子からなるITO膜8とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア及びクラッドを有する光伝送部と、該光伝送部のコア及びクラッドに各々連なるコア及びクラッドを有するヘテロコア部とを有し、該ヘテロコア部のコアが該光伝送部のコアとは直径が相違する光ファイバと、
前記ヘテロコア部のクラッドの外周面に、ITOナノ粒子からなるITO膜とを備えることを特徴とするアンモニアセンサ。
【請求項2】
前記ヘテロコア部のクラッドの外周面と前記ITO膜と間に、ポリリジンからなる被覆膜を備えることを特徴とする請求項1に記載のアンモニアセンサ。
【請求項3】
前記ITO膜の外周面に、BCPからなるBCP膜を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニアセンサ。
【請求項4】
コア及びクラッドを有する光伝送部と、該光伝送部のコア及びクラッドに各々連なるコア及びクラッドを有するヘテロコア部とを有し、該ヘテロコア部のコアが該光伝送部のコアとは直径が相違する光ファイバを用意する工程と、
前記光ファイバをITOナノ粒子懸濁液に浸漬し、前記ヘテロコア部のクラッドの外周面にITOナノ粒子からなるITO膜を形成する工程とを備えることを特徴とするアンモニアセンサの製造方法。
【請求項5】
前記ヘテロコア部のクラッドの外周面にITOナノ粒子からなるITO膜を形成した光ファイバをBCP水溶液に浸漬し、前記ITO膜の外周面にBPC膜を形成する工程を備えることを特徴とする請求項4に記載のアンモニアセンサの製造方法。
【請求項6】
前記ITO膜を形成した光ファイバを乾燥する工程を備え、
当該乾燥した光ファイバを前記BCP水溶液に浸漬し、前記ITO膜の外周面に前記BPC膜を形成することを特徴とする請求項5に記載のアンモニアセンサの製造方法。
【請求項7】
アンモニアを検知する際に前記光伝送部のコアに入射させる光線の波長に応じて、前記ITOナノ粒子懸濁液のpH及び前記浸漬の回数を調整することを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載のアンモニアセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアセンサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コア及びクラッドを有する光伝送部と、光伝送部のコア及びクラッドに各々連なり、光伝送部のコアと異なる直径のコア及びクラッドを有するヘテロコア部とを備えるヘテロコア光ファイバを各種センサに用いることが検討されている。
【0003】
従来、ヘテロコア光ファイバを用いるヘテロコア光ファイバセンサとして、例えば、ヘテロコア部のクラッドの外周面に形成された表面プラズモン共鳴(SPR)又は局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を励起することが可能な金属膜と、金属膜の外周面に形成された誘電体膜と、誘電体膜の外周面に形成された水素吸蔵金属膜とを備える水素センサが特許文献1に開示されている。
【0004】
この水素センサによれば、光伝送部のコアからの伝搬する光をヘテロコア部のコアの外界から漏洩可能にして、ヘテロコア部のクラッドの外周面に形成された金属膜に表面プラズモン共鳴又は局在表面プラズモン共鳴を励起させることができる。
【0005】
そこで、ヘテロコア光ファイバ水素センサを水素雰囲気中に配置すると、水素吸蔵金属膜が水素を含み、その誘電関数及び屈折率が変化し、該誘電関数の変化によって金属膜における、表面プラズモン共鳴又は局在表面プラズモン共鳴の共鳴波長が変化するので、該共鳴波長の変化量から水素を計測することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-59300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記水素センサは、水素という特定の化学種を検知の対象とするだけであり、他の化学種、例えば、アンモニアを検知の対象とすることはできない。
【0008】
ところで、アンモニア(NH)は肥料、化学製品等の製造に必要な原料であり、様々な場所で使用されている。しかし、高濃度のアンモニアガスは人体に有害であるため、基準値以上の濃度のアンモニアガスを検知するアンモニアセンサが必要である。従来、アンモニアの検知方法として、半導体式、接触燃焼式、電気化学式、非分散型赤外線式などが知られている。
【0009】
しかし、これらの検知方法は、いずれもセンサ部に電流を供給する必要があるが、アンモニアガスは可燃性ガスであるので、使用可能な場所が限定されるという問題がある。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、センサ部に電流を供給することなく、アンモニアを検知することが可能なアンモニアセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のアンモニアセンサは、コア及びクラッドを有する光伝送部と、該光伝送部のコア及びクラッドに各々連なるコア及びクラッドを有するヘテロコア部とを有し、該ヘテロコア部のコアが該光伝送部のコアとは直径が相違する光ファイバと、前記ヘテロコア部のクラッドの外周面に、ITOナノ粒子からなるITO膜とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のアンモニアセンサによれば、光伝送部のコアからの伝搬する光がヘテロコア部のコアの外界から漏洩する。一方、ITO膜のITOナノ粒子はアンモニアを感応すると誘電関数及び屈折率が変化する。この誘電関数及び屈折率の変化に伴ってITO膜における上記漏洩した光によって励起された局在表面プラズモン共鳴又は損失モード共鳴の共鳴波長が変化する。この結果、光伝送部の伝搬光の光強度が変化するので、光強度の変化を検知することにより、アンモニアを検知することができる。そして、センサ部であるITO膜には電流を供給する必要がない。
【0013】
本発明のアンモニアセンサにおいて、前記ヘテロコア部のクラッドの外周面と前記ITO膜と間に、ポリリジンからなる被覆膜を備えることが好ましい。
【0014】
この場合、被覆膜を構成するポリリジンは正に帯電しているため、ITOナノ粒子が負に帯電するよう懸濁液のpHを調整することで、静電相互作用によりITOナノ粒子を該ポリリジンからなる被覆膜の外表面に良好に付着することが可能となる。
【0015】
本発明のアンモニアセンサにおいて、前記ITO膜の外周面に、BCPからなるBCP膜を備えることが好ましい。
【0016】
この場合、BCP膜を構成するBCP(Bromo Cresol Purple:ブロモクレゾールパープル)がアンモニアと反応すると可逆的に複合体を形成するので、BCP膜の誘電関数及び屈折率が変化する。この誘電関数及び屈折率の変化に伴ってBCP膜における上記漏洩した光によって励起された局在表面プラズモン共鳴又は損失モード共鳴の共鳴波長が変化する。この結果、光伝送部の伝搬光の光強度が変化するので、光強度の変化を検知することにより、アンモニアをさらに高感度に検知することができる。
【0017】
本発明のアンモニアセンサの製造方法は、コア及びクラッドを有する光伝送部と、該光伝送部のコア及びクラッドに各々連なるコア及びクラッドを有するヘテロコア部とを有し、該ヘテロコア部のコアが該光伝送部のコアとは直径が相違する光ファイバを用意する工程と、前記光ファイバをITOナノ粒子懸濁液に浸漬し、前記ヘテロコア部のクラッドの外周面にITOナノ粒子からなるITO膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明のアンモニアセンサの製造方法によれば、上記本発明のアンモニアセンサを簡易に作製することが可能となる。
【0019】
本発明のアンモニアセンサの製造方法において、前記ヘテロコア部のクラッドの外周面にITOナノ粒子からなるITO膜を形成した光ファイバをBCP水溶液に浸漬し、前記ITO膜の外周面にBPC膜を形成する工程を備えることが好ましい。
【0020】
この場合、高温とすることなく、ITO膜の外周面にBCP膜を簡易に形成することが可能となる。
【0021】
さらに、前記ITO膜を形成した光ファイバを乾燥する工程を備え、当該乾燥した光ファイバを前記BCP水溶液に浸漬し、前記ITO膜の外周面に前記BPC膜を形成することが好ましい。
【0022】
この場合、下記で述べる実験結果から分かるように、アンモニアをさらに高感度に検知することが可能なアンモニアセンサを作製することができる。
【0023】
本発明のアンモニアセンサの製造方法において、アンモニアを検知する際に前記光伝送部のコアに入射させる光線の波長に応じて、前記ITOナノ粒子懸濁液のpH及び前記浸漬の回数を調整することが好ましい。
【0024】
下記で述べるように、アンモニアを検知する際に光伝送部のコアに入射させる光線の波長に応じて、好ましい検出感度が得られるITOナノ粒子の付着態様が相違する。そこで、前記光線の波長に応じて、ITOナノ粒子懸濁液のpH及び浸漬の回数を調整することにより、ITOナノ粒子の付着態様を好適なものとすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態に係るアンモニアセンサの模式断面図。
図2】アンモニアセンサの構成の一例を示す説明図。
図3】ITOナノ粒子懸濁液がpH7であり、浸漬回数が10回である場合におけるアンモニアセンサによる検出結果を示すグラフ。
図4】ITOナノ粒子懸濁液のpHと感度との関係を示すグラフ。
図5】浸漬回数と感度との関係を示すグラフ。
図6】ITOナノ粒子懸濁液がpH7であって、浸漬回数を1回から10回までに変化させたときにおける正規化された透過光スペクトルを示すグラフ。
図7】ITOナノ粒子懸濁液がpH12であって、浸漬回数を1回から10回までに変化させたときにおける正規化された透過光スペクトルを示すグラフ。
図8】TOナノ粒子懸濁液をpH7とした場合のITO膜の表面を撮影したSEM画像。
図9】ITOナノ粒子懸濁液をpH12とした場合のITO膜の表面を撮影したSEM画像。
図10】ITOナノ粒子懸濁液のpHとITO膜の表面電位との関係を示すグラフ。
図11】ITOナノ粒子懸濁液がpH7であり、浸漬回数が10回である場合におけるアンモニアセンサによるアンモニア濃度と光損失との関係を示すグラフ。
図12】ITOナノ粒子懸濁液がpH7であり、浸漬回数が10回である場合におけるアンモニアセンサによる10回の繰り返しアンモニア検出実験の結果を示すグラフ。
図13】本発明の第2の実施形態に係るアンモニアセンサの模式断面図。
図14】ITOナノ粒子懸濁液をpH3とした場合の各浸漬回数における透過光スペクトルを示すグラフ。
図15】BCP膜を有する場合と有さない場合、及び湿度環境と乾燥処理の有無の場合におけるアンモニアセンサによる波長と透過光強度との関係を示すグラフ。
図16】湿度環境及び乾燥処理の有無が相違するアンモニアセンサによる感度の経時変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の第1の実施形態に係るアンモニアセンサ1について図面を参照して説明する。なお、図面は、アンモニアセンサ1及びその構成要素などを明確化するためにデフォルメされており、実際の比率を表すものではない。
【0027】
図1に示すように、アンモニアセンサ1は、光伝送部2,2の間に挟まれた所定長のヘテロコア部3を備える光ファイバ4を備える。光伝送部2は、コア5aと、コア5aの外周面を被覆するクラッド6aとからなるマルチモード光ファイバであり、ヘテロコア部3は、コア5aより小径のコア5bと、コア5bの外周面を被覆するクラッド6bとからなるシングルモード光ファイバである。ヘテロコア部3の長さは、例えば、数mmから数十mmである。
【0028】
アンモニアセンサ1は、ヘテロコア部3のクラッド6bの少なくとも外周面に形成された被覆膜7を備えている。被覆膜7は、例えば、ヘテロコア部3のクラッド6bの外周面をポリリジン水溶液に浸漬し、乾燥させて溶媒を除去することにより形成される。被覆膜7の厚さは0.1~3μmであることが好ましい。ポリリジン((C12O)n、モル質量1000~300000)は、L-リジンの低分子天然ホモポリマーであり、細菌による発酵により生産される。ポリリジン溶液は、ポリリジンを、5~20ミリモル/リットルの範囲の濃度で、溶媒としての純水に溶解したものである。
【0029】
さらに、被覆膜7の外周に、アンモニアと反応可能なITO膜8を備えている。ITO膜8は、被覆膜7を備える光ファイバ4をITOナノ粒子水分散液に浸漬し、乾燥させることにより形成されてなるITOナノ粒子被膜からなるアンモニア感応膜である。ITO(Indium Tin Oxide)は、酸化インジウム(In)に数%の酸化スズ(SnO)を添加した化合物である。ITOナノ粒子の粒子径は、例えば、5~500nmである。
【0030】
被覆膜7を構成するポリリジンは正に帯電しているため、ITOナノ粒子が負に帯電するように懸濁液のpHを調整することで、静電相互作用によりITOナノ粒子が被覆膜7の外表面に良好に付着される。なお、被覆膜7は、光ファイバ4の表面に均一に付着すると共に正に帯電するものであれば、ポリリジンからなるものに限定されず、例えば、ポロアリルアミン塩酸塩、ポリエチレンイミンなどのカチオン性ポリマーからなるものであってもよい。
【0031】
図2に示すように、アンモニアセンサ1は、被検知部21に光ファイバ4のヘテロコア部3を配置したときに、光ファイバ4の一方の端部にLED等の光源22を備え、光ファイバ4の他方の端部に例えばスペクトルアナライザ、分光器、フォトダイオード等の検知装置23を備える。また、検知装置23には、検知装置23で検知された反射光の強度の変化度合いを解析するパソコン等の解析装置24が接続されている。光源22、検知装置23、解析装置24は、被検知部21から離れた場所に配置することができる。
【0032】
アンモニアセンサ1においては、光伝送部2のコア5aからの伝搬する光がヘテロコア部3のコア5bの外界から漏洩する。一方、被覆膜7の外周に形成されたITO膜8のITOナノ粒子はアンモニアと反応し、アンモニアによって還元されることでITOナノ粒子の誘電関数及び屈折率が変化する。この誘電関数及び屈折率の変化に伴ってITO膜8における上記漏洩した光によって励起された局在表面プラズモン共鳴(LSPR)又は損失モード共鳴(LMR)の共鳴波長が変化する。
【0033】
この結果、光伝送部2の伝搬光の光強度が変化するので、光強度の変化を検知装置23で検知し、解析装置24で解析することにより、アンモニアを検知することができる。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係るアンモニアセンサ1の製造方法について説明する。
【0035】
まず、光ファイバ4を用意する工程を行う。次に、光ファイバ4をポリリジン水溶液に浸漬し、ポリリジンからなる被覆膜7を形成する工程を行う。次に、被覆膜7を形成した光ファイバ4をITOナノ粒子懸濁液に浸漬し、ヘテロコア部3のクラッド6bの外周面にITOナノ粒子からなるITO膜8を形成する工程を行う。これにより、アンモニアセンサ1が完成する。
【0036】
[実施例]
実施例として、アンモニアセンサ1を作製した。具体的には、光伝送部2,2として、コア5aが直径50μm、クラッド6aが直径125μmの通信用の光ファイバであるマルチモードファイバ(MMF)(フジクラ社製のFutureGuide-MM50)を用いた。
【0037】
ヘテロコア部3として、コア5bが直径3μm、クラッド6bが直径125μmのシングルモードファイバ(SMF)(Newport(米国)社製のF-SA)を用いた。ヘテロコア部3の長さは15mmであった。光伝送部2,2とヘテロコア部3とは融着により接合した。
【0038】
次に、ヘテロコア部3を含む部分をポリリジン水溶液に1~10分間浸漬し、乾燥させて溶媒を除去した。これにより、ヘテロコア部3のクラッド6bの外周面に全体に亘って3~30nmのポリリジン膜が被覆膜7として形成された。なお、ポリリジン水溶液として、シグマアルドリッチ社製の水性ポリL-リジン(モル質量70000~150000)の濃度を10ミリモル/リットルとした水溶液を用いた。
【0039】
次に、被覆膜7をITOナノ粒子懸濁液に浸漬し、乾燥させて溶媒を除去した。これにより、被覆膜7の外周面に全体に亘って静電相互作用によりITOナノ粒子が付着して固定化されて、ITO膜8が形成された。なお、ITOナノ粒子懸濁液として、シグマアルドリッチ社製のITOナノ粒子(粒径100nm)を4重量%を含む水溶液を用いた。その後、乾燥機を用いて60℃の温度で2時間乾燥させて、アンモニアセンサ1を完成させた。
【0040】
なお、ITOナノ粒子懸濁液に浸漬する工程において、ITOナノ粒子懸濁液のpHを、pH3、pH5、pH7、pH10及びpH12と変化させると共に、ITOナノ粒子懸濁液に浸漬する回数を1回から10回と変化させて、複数個のアンモニアセンサ1を作製した。pH3及びpH5は1mol/Lの塩酸、pH8は純水、pH10及びpH12は0.01mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて調整した。なお、各浸漬は30秒間行い、その後、乾燥して溶媒を除去した後、次の浸漬を行った。
【0041】
以上のように作製した実施例に係るアンモニアセンサ1を用いて、LEDからなる光源22から、光伝送部2のコア5aに波長625nmの光線を照射する一方、被検知部21に濃度が1v/v%のアンモニアガスと空気とを交互に被検知部21に供給し、検知装置23で検知される光強度の変化を解析装置24で解析した。結果の一例を図3に示す。
【0042】
図3から、アンモニアセンサ1によれば、被検知部21をアンモニアガ雰囲気としたときの光損失が、空気雰囲気としたときよりも大きくなっていることが分かる。これより、アンモニアセンサ1はアンモニアを検知することができることが分かる。そして、応答時間は0.2分であり、素早い応答を示すことが分かる。なお、被検知部21を空気雰囲気にした後、光損失がベースラインに戻ったときに、検知能力が回復したと考えられる。本実験においては、回復時間は60分であった。
【0043】
発明者は、実施例の実験結果から、ITOナノ粒子懸濁液に浸漬する工程におけるITOナノ粒子懸濁液のpH及び浸漬回数に応じて、アンモニアセンサ1の検知感度が変化することを見出した。なお、図3に結果を示した一例は、ITOナノ粒子懸濁液はpH7であり、浸漬回数は10回であった。
【0044】
例えば、図4に、光伝送部2のコア5aに波長625nmの光線を照射したときにおいて、ITOナノ粒子懸濁液のpHと感度との関係を示す。なお、浸漬回数は全て10回であった。
【0045】
図4から、ITOナノ粒子懸濁液がpH7であるとき、感度が0.16dBと最大であり、pH12であるとき、感度が0.004dBと最小であることが分かる。これより、波長625nmの光線を照射する場合には、ITOナノ粒子懸濁液はpH7とすることが好ましい。ただし、ITOナノ粒子懸濁液がpH7であるときは、回復時間が60分であるが、pH12であるときは、回復時間が10分であった。これより、回復時間が短いことが好ましい場合には、ITOナノ粒子懸濁液はpH12とすることが好ましい。
【0046】
また、図5に、光伝送部2のコア5aに波長625nmの光線を照射したときにおいて、ITOナノ粒子懸濁液への浸漬回数と感度との関係を示す。なお、ITOナノ粒子懸濁液は全てpH7であった。
【0047】
図5から、浸漬回数が10回であるとき、感度が最大であり、浸漬回数が1回であるとき、感度が最小であることが分かる。これより、波長625nmの光線を照射する場合には、ITOナノ粒子懸濁液の浸漬回数は多くすることが好ましい。
【0048】
そして、図6に、ITOナノ粒子懸濁液がpH7であって、浸漬回数を1回から10回までに変化させたときにおける正規化された透過光スペクトルを示す。光源22として400~1800nmの範囲の波長を有するハロゲンランプを、検知装置23としてスペクトルアナライザをそれぞれ用いた。図7は、図6と同様に、ITOナノ粒子懸濁液がpH12であるときにおける正規化された透過光スペクトルを示す。なお、図6及び図7には、ITOナノ粒子懸濁液に浸漬させていない、すなわちITO膜8が存在しない光ファイバにおける透過光スペクトルで標準化した透過光スペクトルを図の縦軸として記載されている。
【0049】
図6及び図7から、約400nmから約700nmの範囲の波長においては、ITOナノ粒子懸濁液がpH7であるほうが、pH12である場合よりも、透過光強度の変化が大きい。よって、約400nmから約700nmの範囲の波長の光線を照射して検知する場合には、ITOナノ粒子懸濁液はpH7とするほうが、pH12とするよりも好ましい。
【0050】
また、図6から、ITOナノ粒子懸濁液がpH7である場合、約400nmから約700nmの範囲の波長においては、浸漬回数が多いほうが、透過光強度の変化が大きい。よって、約400nmから約700nmの範囲の波長の光線を照射し、ITOナノ粒子懸濁液がpH7である場合には、浸漬回数は多いほうが好ましい。
【0051】
以上から分かるように、ITOナノ粒子懸濁液に浸漬する工程におけるITOナノ粒子懸濁液のpH及び浸漬回数に応じて、アンモニアセンサ1の検知感度が変化する。これは、ITO膜8におけるITOナノ粒子の付着状態の相違に基づいていると考えられる。
【0052】
図8及び図9に、浸漬回数が10回として形成した場合のアンモニアセンサ1におけるITO膜8の表面を撮影したSEM画像を示す。図8は、ITOナノ粒子懸濁液がpH7である場合であり、図9は、ITOナノ粒子懸濁液がpH12である場合である。図7及び図8から分かるように、共にITOナノ粒子は全体に亘って隙間なく付着していることが分かる。しかし、図8図9を比較して分かるように、ITOナノ粒子懸濁液がpH7である場合は、ITOナノ粒子は積層しており、pH12である場合よりも密であることが分かる。
【0053】
さらに、図10は、ITOナノ粒子懸濁液のpHとITO膜8の表面電位との関係を示すグラフである。なお、浸漬回数は全て10回であった。このグラフと図4における光強度とから、波長625nm付近における光強度は、ITO膜8の表面電位と関連があるとも考えられるが、定かではない。
【0054】
図11は、ITOナノ粒子懸濁液がpH7であり、浸漬回数を10回として作成したアンモニアセンサ1を用いてアンモニア濃度測定を行った結果を示すグラフである。この結果から、アンモニア濃度の増加につれてアンモニアセンサ1の透過光の損失感度が増加することが分かる。これは、アンモニアの濃度増加によってITOナノ粒子の還元量が増加したためと考えられるが、定かではない。
【0055】
図12は、ITOナノ粒子懸濁液がpH7であり、浸漬回数を10回として作成したアンモニアセンサ1を用いて繰り返しアンモニア測定を行った結果を示すグラフである。この時、1v/v%のアンモニアガスと酸素ガスとを交互に被検知部21に供給し、検知装置23で検知される光強度の変化を解析装置24で解析した。1v/v%アンモニアガスと酸素を交互に10回供給してもセンサ感度の大きな感度の低下は見られなかった。
【0056】
以下、本発明の第2の実施形態に係るアンモニアセンサ101について図面を参照して説明する。なお、図面は、アンモニアセンサ101及びその構成要素などを明確化するためにデフォルメされており、実際の比率を表すものではない。
【0057】
アンモニアセンサ101は、図2を参照して、上述したアンモニアセンサ1と同様に構成されている。そして、アンモニアセンサ101は、図13に示すように、光伝送部2,2の間に挟まれた所定長のヘテロコア部3を備える光ファイバ4、ヘテロコア部3のクラッド6bの外周面に形成されたITO膜8を備えている。なお、アンモニアセンサ101は、アンモニアセンサ1と同様に、ヘテロコア部3のクラッド6bとITO膜8ヘテロコア部3との間に被覆膜7を備えていてもよい。
【0058】
さらに、アンモニアセンサ101は、BCP(Bromo Cresol Purple:ブロモクレゾールパープル)からなるBCP膜102を備えている。BCP膜102は、ITO膜8が形成された光ファイバ4をBCP水溶液に浸漬し、乾燥させることにより形成されてなるアンモニア感応膜である。BCP水溶液におけるBCPの濃度は、例えば、0.01~0.1w/v%であることが好ましい。
【0059】
BCP膜102を構成するBCPは、アンモニアと反応すると、下式(1)のように可逆的に複合体を形成する。
BCP+NH3+H2O⇔BCPOH-・NH4 + ・・・ (1)
【0060】
なお、図13は模式図であって、ITO膜8及びBPO膜102は均一な厚さとなっている。しかし、実際には、ITO膜8を構成するITOナノ粒子は無数の細かな穴が開いた状態に堆積されており、この穴にBCP水溶液が浸透して、穴内にBCPの複合体が形成される。これにより、BCP膜102はITO膜8に強固に付着されたものとなる。
【0061】
アンモニアセンサ101においては、光伝送部2のコア5aからの伝搬する光がヘテロコア部3のコア5bの外界から漏洩する。一方、被覆膜7の外周に形成されたITO膜8のITOナノ粒子はアンモニアと反応し、アンモニアによって還元されることでITOナノ粒子の誘電関数及び屈折率が変化する。また、BCP膜102のBCPはアンモニアと反応し、可逆的に複合体を形成することでBCP膜の誘電関数及び屈折率が変化する。これらの誘電関数及び屈折率の変化に伴ってITO膜8及びBCP膜102における上記漏洩した光によって励起された局在表面プラズモン共鳴(LSPR)又は損失モード共鳴(LMR)の共鳴波長が変化する。
【0062】
この結果、光伝送部2の伝搬光の光強度が変化するので、光強度の変化を検知装置23で検知し、解析装置24で解析することにより、上述したアンモニアセンサ1よりも高感度でアンモニアを検知することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態に係るアンモニアセンサ101の製造方法について説明する。
【0064】
まず、光ファイバ4を用意する工程を行う。次に、光ファイバ4をITOナノ粒子懸濁液に浸漬し、ヘテロコア部3のクラッド6bの外周面にITO膜8を形成する工程を行う。次に、ITO膜8を形成した光ファイバ4をBCP水溶液に浸漬し、ITO膜8の外周面にBPC膜102を形成する工程を行う。これにより、アンモニアセンサ101が完成する。
【0065】
なお、ITOナノ粒子懸濁液及びBCP水溶液への浸漬は、複数回行うことが好ましい。また、ITO膜8を形成した光ファイバ4を乾燥する工程を備え、この乾燥した光ファイバ4をBCP水溶液に浸漬し、ITO膜8の外周面にBPC膜102を形成することが好ましい。
【0066】
以上述べたように、本発明の第2の実施形態に係るアンモニアセンサ101の製造方法においては、BCP水溶液に光ファイバ4を浸漬するウェットプロセスによって、BCP膜102を形成している。そのため、BCP膜102の成膜に熱蒸着法や高温処理を必要としないので、BCP膜102に熱による劣化が生じることがない。
【0067】
[実施例]
実施例として、アンモニアセンサ101を作製した。具体的には、光伝送部2,2として、コア5aが直径50μm、クラッド6aが直径125μmの通信用の光ファイバであるマルチモードファイバ(MMF)(フジクラ社製のFutureGuide-MM50)を用いた。
【0068】
ヘテロコア部3として、コア5bが直径3μm、クラッド6bが直径125μmのシングルモードファイバ(SMF)(Newport(米国)社製のF-SA)を用いた。ヘテロコア部3の長さは15mmであった。光伝送部2,2とヘテロコア部3とは融着により接合した。
【0069】
次に、光ファイバ4のヘテロコア部3を含む部分をITOナノ粒子懸濁液に浸漬し、これを最大10回繰り返した。これにより、被覆膜7の外周面に全体に亘って静電相互作用によりITOナノ粒子が付着して固定化されて、ITO膜8が形成された。なお、ITOナノ粒子懸濁液として、シグマアルドリッチ社製のITOナノ粒子(粒径100nm)を純水で希釈して濃度を4重量%とした水溶液を用いた。
【0070】
なお、ITOナノ粒子懸濁液に浸漬する工程において、ITOナノ粒子懸濁液のpHを、pH3、pH5、pH7、pH10及びpH12と変化させた。なお、pH3及びpH5は1mol/Lの塩酸、pH8は純水、pH10及びpH12は0.01mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて調整した。また、各pHにおいて、ITOナノ粒子懸濁液に10回まで浸漬させ、各浸漬後に、純水で洗浄し、その後、2分間の乾燥処理を行った。
【0071】
そして、各pHの浸漬回数毎に、光ファイバ4のヘテロコア部3を含む部分が真っ直ぐとなるように固定台(不図示)に固定し、光ファイバ4の一端に白色光源からなる光源22を、他端に分光器からなる検知装置23をそれぞれ接続して、光ファイバ4の透過光スペクトルを計測した。図14に結果の一例を示す。
【0072】
図14は、pH3の場合である。透過光スペクトルを比較すると、pH7の場合(不図示)が光強度が最も高く、pH3の場合が光強度が最も低いことが分かった。これより、pH3とすれば、ITOナノ粒子が良い分散性で付着していると考えられる。全てのpHの場合において、浸漬回数が多くほど光強度が低くなることが分かった。ただし、浸漬回数が多くなるほど、浸漬回数の増加に伴う光強度が低下する割合が減少した。これより、浸漬回数が10回ほどでITOナノ粒子の付着は限界量に近づいていると考えられる。
【0073】
次に、光ファイバ4のヘテロコア部3を含む部分をBCP水溶液に6分間浸漬した。これにより、ITO膜8の外周面にBCP膜102が形成された。なお、BCP水溶液として、富士フィルム和光純薬社製のBCPを純水で希釈して濃度を0.05w/v%とした水溶液を用いた。
【0074】
その後、乾燥機を用いて60℃の温度で2時間乾燥させて、アンモニアセンサ101を完成させた。
【0075】
以上のように作製した実施例に係るアンモニアセンサ101を用いて、光ファイバ4の一端に白色光源からなる光源22を、他端に分光器からなる検知装置23をそれぞれ接続して、アンモニアセンサ101の透過光スペクトルを計測した。アンモニアセンサ101として、pH3でITOナノ粒子懸濁液に10回浸漬させてITO膜8を形成したものを用いた。pH3でITOナノ粒子懸濁液に10回浸漬させてITO膜8を形成し、BCP膜102を有さないアンモニアセンサ1を比較例とした。波長と透過光強度との関係を示す実験結果を図15に示す。
【0076】
図15から分かるように、アンモニアセンサ101は、アンモニアセンサ1と比較して、約400~約800nmの波長範囲において、透過光強度が大きく減少しており、BCP膜102を追加したことにより、透過光吸収量がさらに増加している。また、アンモニアセンサ101の透過光スペクトルは、アンモニアセンサ1と比較して、吸収ピークが長波長側にシフトしており、可視光領域に波長を有する光源を用いてアンモニアガスの検知が可能となり、検知コストの低減を図ることが可能となる。
【0077】
次に、湿度環境50%と湿度環境10%以下で、それぞれITO膜8及びBCP膜102を形成する工程を行い、アンモニアセンサ101を作製した。湿度環境は、ビニールで囲われた個室内の湿度を調整することによって再現した。さらに、湿度環境10%以下の場合において、ITO膜8を形成した後に、乾燥処理を行った場合と、乾燥処理を行わない場合にて、アンモニアセンサ101を作製した。乾燥処理は、ドラフト内で30分間静置させることで行った。
【0078】
以上のように作製した3つの実施例に係るアンモニアセンサ101を用いて、光ファイバ4の一端に白色光源からなる光源22を、他端に分光器からなる検知装置23をそれぞれ接続して、アンモニアセンサ101の透過光スペクトルを計測した。アンモニアセンサ101は、全て、pH3でITOナノ粒子懸濁液に10回浸漬させてITO膜8を形成したものであった。波長と透過光強度との関係を示す実験結果は図15に示されている。
【0079】
図15から分かるように、湿度環境10%以下でITO膜8及びBCP膜102を形成したアンモニアセンサ101の透過光スペクトルは、湿度環境50%でITO膜8及びBCP膜102を形成したアンモニアセンサ101と比較して、透過光強度が減少している。また、乾燥処理を行ったアンモニアセンサ101の透過光スペクトルは、乾燥処理を行っていないアンモニアセンサ101と比較して、透過光強度が減少している。
【0080】
これらから、BCP膜102を形成する際に、ITOナノ粒子に残存する水分が少ないほど、透過光強度が減少すると考えられる。これは、ITOナノ粒子の細穴に水分が残存していると、細穴にBCP溶液が浸透することが阻害され、BCP膜102の成膜量が減少するからであると推察される。従って、透過光強度を減少させるには、低い湿度環境でITO膜8を形成するとともに、十分に乾燥処理を行った後に、BCP膜102を形成することが好ましい。
【0081】
次に、前述した3つのアンモニアセンサ101を用いて、LEDからなる光源22から、光伝送部2のコア5aに波長625nmの光線を照射する一方、被検知部21に濃度が1v/v%のアンモニアガスを被検知部21に供給し、検知装置23で検知される光損失を解析装置24で解析した。pH3でITOナノ粒子懸濁液に10回浸漬させてITO膜8を形成し、BCP膜102を有さないアンモニアセンサ1を比較例とした。感度の経時変化の実験結果を図16に示す。
【0082】
図16から、3つ全てのアンモニアセンサ101は、BCP膜102を有さないアンモニアセンサ1と比較して、応答感度(最大透過光損失)が2倍以上であって、センサ性能が向上していることが分かる。また、乾燥処理を行った場合、応答感度は1.22dBであり、乾燥処理を行っていない場合の0.50dBに比較して、2倍以上であって、センサ性能が向上していることが分かる。さらに、乾燥処理を行った場合の応答時間は12分、回復時間は47分であり、乾燥処理を行っていない場合の応答時間は16分、回復時間は24分であった。なお、応答時間及び回復時間は、応答感度の値が最大感度の10%から90%に達するまでの時間から求めた。
【符号の説明】
【0083】
1,101…アンモニアセンサ、 2…光伝送部、 3…ヘテロコア部、 4…光ファイバ、 5a,5b…コア、 6a,6b…クラッド、 7…被覆膜、 8…ITO膜、 21…被検知部、 22…光源、 23…検知装置、 24…解析装置、 102…BCP膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16