(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124419
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】走行地図作成装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/617 20240101AFI20240905BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240905BHJP
G05D 1/242 20240101ALI20240905BHJP
G05D 1/243 20240101ALI20240905BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240905BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G05D1/617
G05D1/43
G05D1/242
G05D1/243
G09B29/00 Z
A47L9/28 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024101676
(22)【出願日】2024-06-25
(62)【分割の表示】P 2020198481の分割
【原出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本田 廉治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 祐太
(72)【発明者】
【氏名】津坂 優子
(57)【要約】
【課題】自律走行型ロボットの走行用の地図に走行禁止エリアを適切に設定することができる走行地図作成装置を提供する。
【解決手段】走行地図作成装置100は、ユーザの指示を受け付ける受付部150と、自律走行型ロボット300の走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する走行地図作成部134と、を備え、受付部150は、所定時間の間に連続して2回以上、操作されることにより、操作の回数に応じて走行禁止エリアを拡大する拡大指示を受け付け、走行地図作成134部は、受付部150により拡大指示が受け付けられた場合に、操作の回数に対応する所定の数を乗じた大きさに走行禁止エリアを拡大する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指示を受け付ける受付部と、
自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する走行地図作成部と、を備え、
前記受付部は、所定時間の間に連続して2回以上、操作されることにより、前記操作の回数に応じて前記走行禁止エリアを拡大する拡大指示を受け付け、
前記走行地図作成部は、前記受付部により前記拡大指示が受け付けられた場合に、前記操作の回数に対応する所定の数を乗じた大きさに前記走行禁止エリアを拡大する、
走行地図作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、走行地図作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行経路および周囲環境の地図をユーザ制御による実演中に作成し、実演後、走行経路を自律的に走行するロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、走行領域の形状および走行領域に存在する障害物などの情報を地図に適切に反映できない場合があるため、走行用の地図にロボットの走行を禁止する走行禁止エリアを適切に設定することが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、自律走行型ロボットの走行用の地図に走行禁止エリアを適切に設定することができる走行地図作成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る走行地図作成装置は、ユーザの指示を受け付ける受付部と、自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する走行地図作成部と、を備え、前記受付部は、所定時間の間に連続して2回以上、操作されることにより、前記操作の回数に応じて前記走行禁止エリアを拡大する拡大指示を受け付け、前記走行地図作成部は、前記受付部により前記拡大指示が受け付けられた場合に、前記操作の回数に対応する所定の数を乗じた大きさに前記走行禁止エリアを拡大する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の走行地図作成装置によれば、自律走行型ロボットの走行用の地図に走行禁止エリアを適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの制御システムの概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る走行地図作成装置を斜め上方側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る自律走行型ロボットを側方向から見た外観を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る自律走行型ロボットを正面方向から見た外観を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る自律走行型ロボットを裏面方向から見た外観を示す底面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの動作の第1の例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの動作の第2の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの動作の第3の例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、走行禁止エリアの拡大指示を入力する一例を示す図である。
【
図14】
図14は、走行禁止エリアの拡大指示を入力する他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示に係る走行地図作成装置等の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
また、以下の実施の形態においては、略三角形等の「略」を用いた表現を用いている。例えば、略三角形とは、完全に三角形であることを意味するだけでなく、実質的に三角形である、すなわち、例えば角丸な三角形等も含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0013】
また、以下の実施の形態においては、所定の領域の床面を走行する自律走行型ロボットを鉛直上方側から見た場合を上面視とし、鉛直下方側から見た場合を底面視として記載する場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[自律走行型ロボットの走行制御システム]
[1.概要]
まず、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの概要を説明するための図である。
【0015】
自律走行型ロボットの走行制御システムは、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボットの走行を制御するためのシステムである。当該システムは、例えば、所定の領域における自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアの設定を行い、設定された走行禁止エリアに関する情報(例えば、位置、形状、大きさ)を含む走行用の地図を作成し、作成された走行用の地図に基づいて自律走行型ロボットの走行計画を作成するシステムである。これにより、自律走行型ロボット300は、安全に、かつ、適切に、所定の領域を自律的に走行することができる。
【0016】
所定の領域は、例えば、建物内の壁などに囲まれたフロアである。建物は、例えば、ホテル、商業施設、オフィスビル、病院、介護施設、美術館、または、図書館などの施設であってもよく、マンションなどの集合住宅であってもよい。
【0017】
図1に示されるように、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システムは、例えば、走行地図作成装置100と、ユーザ端末装置200と、自律走行型ロボット300と、を備えている。
【0018】
図1の例では、走行地図作成装置100は、台車190に載せられており、ユーザが台車190を押すことによりフロア内を走行するが、これに限られない。例えば、走行地図作成装置100は、本体101に車輪、および、車輪を回転させるためのモータなどを含む駆動部を備え、リモコンなどの操作によりフロア内を走行してもよい。また、例えば、走行地図作成装置100は、さらに、本体101にハンドルを備えてもよく、この場合、ユーザがハンドルを操作することにより走行地図作成装置100を走行させてもよい。
【0019】
走行地図作成装置100は、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)などの位置センサを搭載しており、フロアを走行しながら自己に対する周囲の物体の位置関係を取得する。走行地図作成装置100は、所定の領域を示す地図(いわゆる、フロアマップ)を取得し、位置関係に基づいて地図上での自己位置を算出する。走行地図作成装置100は、走行禁止エリアの設定開始の指示を受け付けたときの自己位置を開始位置とし、走行禁止エリアの設定終了の指示を受け付けたときの自己位置を終了位置として、開始指示から終了指示までの間の自己位置の移動経路を算出する。そして、算出された自己位置の移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定する。そして、走行地図作成装置100は、所定の領域に対して1以上の走行禁止エリアが設定された走行用の地図を作成する。
【0020】
ユーザ端末装置200は、例えば、走行地図作成装置100により生成された提示情報を提示し、ユーザにより入力された指示を受け付け、当該指示を走行地図作成装置100に出力する。ユーザは、例えば、走行地図作成装置100により走行用の地図が作成されているときに、ユーザ端末装置200に提示された提示情報を確認し、指示を入力してもよい。例えば、ユーザは、移動経路の修正指示、または、走行禁止エリアの拡大指示などの走行禁止エリアの設定を変更する変更する指示を入力してもよい。また、ユーザは、例えば、走行地図作成装置100により走行用の地図が作成された後で、ユーザ端末装置200に提示された(表示されたともいう)走行用の地図を確認して、移動経路の修正指示、または、走行禁止エリアの拡大指示などの指示をユーザ端末装置200に入力してもよい。
【0021】
自律走行型ロボット300は、例えば、走行地図作成装置100により作成された走行用の地図に基づいて走行計画を作成し、作成された走行計画に従ってフロアを自律的に走行する。
【0022】
このように、自律走行型ロボット300の走行制御システムでは、走行地図作成装置100の自己位置の移動経路に基づいて、走行禁止エリアを適切に設定することができる。そのため、自律走行型ロボット300の走行制御システムでは、走行禁止エリアが適切に設定された走行用の地図に基づいて、自律走行型ロボット300の走行計画を作成することができるため、自律走行型ロボットの走行を適切に制御することができる。
【0023】
[2.構成]
続いて、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
実施の形態に係る走行制御システム400は、走行地図作成装置100と、ユーザ端末装置200と、自律走行型ロボット300と、を備える。以下、各構成について説明する。
【0025】
[2-1.走行地図作成装置]
まず、走行地図作成装置100について説明する。
図3は、実施の形態に係る走行地図作成装置100を斜め上方側から見た斜視図である。
【0026】
走行地図作成装置100は、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボットの走行用の地図を作成する装置である。より具体的には、走行地図作成装置100は、ユーザの操作により所定の領域を走行しながら、走行禁止エリアの設定の開始指示および終了指示などのユーザの指示に基づいて、所定の領域に対する走行禁止エリアを設定し、走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する。
【0027】
図1および
図3に示されるように、走行地図作成装置100は、例えば、台車190に載せられ、ユーザの操作により所定の領域を走行する。ここでは、ユーザが台車190を押すことにより走行地図作成装置100を走行させる。台車190には、例えば、ハンドル191にユーザ端末装置200を載せるスタンド192が取り付けられてもよいし、走行地図作成装置100の提示部160が設置されてもよい。提示部160は、例えば表示パネルである。提示部160の詳細については、後述する。
【0028】
図2に示されるように、走行地図作成装置100は、例えば、通信部110と、位置センサ120と、制御部130と、記憶部140と、受付部150と、提示部160とを備える。以下、各構成について説明する。
【0029】
[通信部]
通信部110は、走行地図作成装置100がインターネットなどの広域通信ネットワーク10を介してユーザ端末装置200および自律走行型ロボット300と通信を行うための通信モジュール(通信回路ともいう)である。通信部110によって行われる通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0030】
[位置センサ]
位置センサ120は、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する。例えば、位置センサ120は、本体101の上面の中央に配置されており、走行地図作成装置100と、走行地図作成装置100の周囲に存在する壁などを含む物体との距離および方向を含む位置関係を取得する。位置センサ120は、例えば、光を放射し障害物により反射して返ってきた光に基づいて位置関係(例えば、物体の位置および自己から物体までの距離)を検出するLIDAR、または、レーザレンジファインダであってもよい。中でも、位置センサ120は、LIDARであってもよい。位置センサ120は、光の走査軸を1軸または2軸有することにより、走行地図作成装置100の周囲の所定の領域の二次元計測、または、三次元計測を行ってもよい。
【0031】
なお、走行地図作成装置100は、位置センサ120に加えて、他の種類のセンサを備えてもよい。例えば、走行地図作成装置100は、さらに、床面センサ、エンコーダ、加速度センサ、角速度センサ、接触センサ、超音波センサ、測距センサ、または、カメラなどを備えてもよい。
【0032】
[制御部]
図2に示されるように、制御部130は、位置センサ120により走行地図作成装置100の周囲の環境をセンシングして得られたセンサ情報と、受付部150により受け付けられたユーザの指示とに基づいて、各種演算を行う。制御部130は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路によって実現される。また、制御部130は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。例えば、制御部130は、地図取得部131と、自己位置算出部132と、提示情報生成部133と、走行地図作成部134とを含む。
【0033】
地図取得部131は、所定の領域を示す地図を取得する。地図は、例えば、いわゆるフロアマップである。地図取得部131は、例えば、記憶部140に格納された地図を読み出すことにより取得する。また、例えば、地図取得部131は、ユーザ端末装置200により出力された地図を、通信により取得してもよい。
【0034】
自己位置算出部132は、例えば、地図取得部131により取得された地図、および、位置センサ120により取得された走行地図作成装置100に対する物体の位置関係(つまり、センサ情報)を取得し、取得された地図およびセンサ情報に基づいて、フロアマップ上での走行地図作成装置100の自己位置を算出する。
【0035】
提示情報生成部133は、ユーザに提示する提示情報を生成する。例えば、提示情報生成部133は、受付部150により開始指示が受け付けられてから終了指示が受け付けられるまでの間の自己位置の移動経路を含む提示情報を生成する。
【0036】
例えば、提示情報生成部133は、提示情報として、自己位置の移動経路、移動経路の周囲に存在する壁、および、壁以外の物体(障害物ともいう)の位置関係を示す図を生成してもよい。提示情報生成部133は、さらに、走行禁止エリアの設定の開始位置から終了位置までの自己位置(つまり、走行地図作成装置100)の停止位置、および、回転位置を提示してもよいし、走行禁止エリアの候補を提示してもよい。
【0037】
走行地図作成部134は、ユーザの指示に基づいて、自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する。例えば、走行地図作成部134は、受付部150により開始指示が受け付けられた開始位置から終了指示が受け付けられた終了位置までに自己が移動されたときの自己位置の移動経路に基づいて、所定の領域に対して走行禁止エリアを設定したものを走行用の地図とする。
【0038】
走行地図作成部134は、作成した走行用の地図を、通信部110を介してユーザ端末装置200および自律走行型ロボット300に出力する。
【0039】
[記憶部]
記憶部140は、所定の領域を示す地図(いわゆる、フロアマップ)、および、位置センサ120などのセンサにより取得されたセンサ情報などが記憶される記憶装置である。
さらに、記憶部140には、走行地図作成部134により作成された走行用の地図が記憶されてもよい。記憶部140には、制御部130が上記の演算処理を行うために実行するコンピュータプログラムなども記憶される。記憶部140は、例えば、HDD(Hard
Disk Drive)、または、フラッシュメモリ等により実現される。
【0040】
[受付部]
受付部150は、ユーザの指示を受け付ける。ユーザの指示は、例えば、走行禁止エリアの設定を開始する開始指示、走行禁止エリアの設定を終了する終了指示、移動経路を修正する修正指示、および、走行禁止エリアの大きさを拡大する拡大指示などである。
【0041】
受付部150は、例えば、タッチパネル、表示パネル、ハードウェアボタン、または、マイクロフォンなどによって実現されてもよい。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであってもよく、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。表示パネルは、画像の表示機能、および、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有し、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルに表示されるテンキー画像などへの入力操作を受け付ける。マイクロフォンは、ユーザの音声入力を受け付ける。
【0042】
また、例えば、受付部150は、走行地図作成装置100と所定の物体とが近接して所定時間向かい合うことを開始指示および終了指示として受け付けてもよい。所定の物体は、例えば、壁である。所定時間は、適宜設定されてもよいが、例えば、5秒であってもよい。所定時間経過して上記の指示が受け付けられたときに、例えば音または光などでユーザに通知をしてもよい。例えば、受付部150は、制御部130により上記動作が行われたと判定された判定結果を受け付けることで、上記の動作を開始指示および終了指示として受け付けてもよい。
【0043】
なお、ここでは、受付部150は、走行地図作成装置100の構成要素である例を示しているが、受付部150は、走行制御システム400の他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。例えば、受付部150は、ユーザ端末装置200に組み込まれてもよいし、リモートコントローラ(不図示)に組み込まれてもよい。
【0044】
提示部160は、提示情報生成部133により生成された提示情報を提示する。提示部160は、例えば、表示パネルで実現されてもよく、表示パネルおよびスピーカーで実現されてもよい。表示パネルは、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどである。スピーカーは、音または音声を出力する。
【0045】
[2-2.ユーザ端末装置]
続いて、ユーザ端末装置200について説明する。ユーザ端末装置200は、例えば、ユーザが所有するスマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。また、ユーザ端末装置200は、走行制御システム400の専用端末であってもよい。ユーザ端末装置200は、通信部210と、受付部220と、制御部230と、記憶部240と、提示部250とを備える。以下、各構成について説明する。
【0046】
[通信部]
通信部210は、ユーザ端末装置200が、インターネットなどの広域通信ネットワーク10を介して走行地図作成装置100および自律走行型ロボット300と通信を行うための通信回路である。通信部210は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。通信部210が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0047】
[受付部]
受付部220は、ユーザの指示を受け付ける。より具体的には、受付部220は、ユーザの指示を走行地図作成装置100に送信するために行う入力操作を受け付ける。受付部220は、例えば、タッチパネル、表示パネル、ハードウェアボタン、または、マイクロフォンなどによって実現されてもよい。なお、タッチパネル、表示パネル、マイクロフォンの具体例については、上述した内容と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0048】
なお、ここでは、受付部220は、ユーザ端末装置200の構成要素である例を示しているが、受付部220は、走行制御システム400の他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。例えば、受付部220は、走行地図作成装置100に組み込まれてもよいし、リモートコントローラ(不図示)に組み込まれてもよい。
【0049】
[制御部]
制御部230は、受付部220への画像の表示制御、および、ユーザにより入力された音声の音声認識処理などを行う。制御部230は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されてもよく、プロセッサによって実現されてもよい。
【0050】
[記憶部]
記憶部240は、制御部230が実行するための専用のアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部240は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0051】
[提示部]
提示部250は、走行地図作成装置100の提示情報生成部133により生成された提示情報を提示する。提示部250は、例えば、表示パネルで実現されてもよく、表示パネルおよびスピーカーで実現されてもよい。表示パネルは、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどである。スピーカーは、音または音声を出力する。
【0052】
[2-3.自律走行型ロボット]
続いて、自律走行型ロボット300について説明する。自律走行型ロボット300は、自律的に走行するロボットである。より具体的には、自律走行型ロボット300は、走行地図作成装置100により作成された走行用の地図を取得し、走行用の地図に対応する所定の領域を自律的に走行する。自律走行型ロボット300は、自律的に走行するロボットであれば、特に限定されないが、例えば、荷物などを運搬する運搬ロボットまたは掃除機であってもよい。以下、自律走行型ロボット300が掃除機である例を説明する。
【0053】
図4は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300を側方向から見た外観を示す斜視図である。
図5は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300を正面方向から見た外観を示す斜視図である。
図6は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300を裏面方向から見た外観を示す底面図である。
【0054】
図4~
図6に示されるように、自律走行型ロボット300は、例えば、筐体301と、2つのサイドブラシ361と、メインブラシ362と、2つの車輪351と、位置センサ320と、を備える。
【0055】
筐体301は、自律走行型ロボット300が備える各構成要素を収容する。本実施の形態では、筐体301は、上面視において略円形状である。なお、筐体301の上面視における形状は、特に限定されない。筐体301の上面視形状は、例えば、略矩形状でもよいし、略三角形状でもよいし、略多角形状でもよい。筐体301は、底面に吸引口363を有する。
【0056】
サイドブラシ361は、床面を掃除するためのブラシであり、筐体301の下面に設けられている。本実施の形態では、自律走行型ロボット300は、2つのサイドブラシ361を備える。自律走行型ロボット300が備えるサイドブラシ361の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよく、特に限定されない。
【0057】
メインブラシ362は、筐体301の下面に設けられている開口である吸引口363内に配置され、床面のごみを吸引口363内に掻き集めるためのブラシである。
【0058】
2つの車輪351は、自律走行型ロボット300を走行させるための車輪である。
【0059】
図2、
図4および
図5に示されるように、自律走行型ロボット300は、例えば、筐体301と、位置センサ320と、筐体301に配置され、筐体301を移動可能とする駆動部350と、床面を掃除する掃除部360と、を備えている。駆動部350および掃除部360の詳細については、後述する。
【0060】
[位置センサ]
位置センサ320は、自律走行型ロボット300の筐体301の周囲の物体を検知し、筐体301に対する当該物体の位置関係を取得するセンサである。位置センサ320は、例えば、光を放射し障害物により反射して返ってきた光に基づいて位置関係(例えば、物体の位置および自己から物体までの距離)を検出するLIDAR、または、レーザレンジファインダであってもよい。中でも、位置センサ320は、LIDARであってもよい。
【0061】
続いて、自律走行型ロボット300の機能構成について
図2を参照しながら説明する。
【0062】
自律走行型ロボット300は、通信部310と、位置センサ320と、制御部330と、記憶部340と、駆動部350と、掃除部360とを備える。位置センサ320については上述したため、ここでの説明を省略する。
【0063】
[通信部]
通信部310は、自律走行型ロボット300が、インターネットなどの広域通信ネットワーク10を介して走行地図作成装置100およびユーザ端末装置200と通信を行うための通信回路である。通信部310は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。通信部310が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0064】
[制御部]
制御部330は、位置センサ320により自律走行型ロボット300の周囲の環境をセンシングして得られたセンサ情報と、走行用の地図とに基づいて、各種演算を行う。制御部330は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路によって実現される。また、制御部330は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。例えば、制御部330は、走行地図取得部331と、自己位置算出部332と、走行計画作成部333と、駆動制御部334と、掃除制御部335とを含む。
【0065】
走行地図取得部331は、走行地図作成装置100により作成された走行用の地図を取得する。走行地図取得部331は、記憶部340に格納されている走行用の地図を読み出すことにより取得してもよいし、走行地図作成装置100により出力された走行用の地図を、通信により取得してもよい。
【0066】
自己位置算出部332は、例えば、走行地図取得部331により取得された走行用の地図、および、位置センサ320により取得された自律走行型ロボット300の筐体301に対する周囲の物体の位置関係(つまり、センサ情報)に基づいて、走行用の地図上での自律走行型ロボット300の筐体301の位置である自己位置を算出する。
【0067】
走行計画作成部333は、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する。例えば、
図2、および、
図4~
図6に示されるように、自律走行型ロボット300が掃除機である場合、走行計画作成部333は、さらに、掃除計画を作成してもよい。掃除計画には、例えば、自律走行型ロボット300が掃除をすべき掃除領域(例えば、部屋または区画)が複数存在する場合、それらの掃除領域を掃除する掃除順序、各領域における走行経路および掃除態様などが含まれる。掃除態様は、例えば、自律走行型ロボット300の走行速度、床面上のごみを吸引する吸引強度、および、ブラシの回転速度などの組み合わせである。
【0068】
駆動制御部334は、走行計画に基づいて、駆動部350を制御する。より具体的には、駆動制御部334は、駆動部350の動作を制御するための情報処理を行う。例えば、駆動制御部334は、走行計画に加え、走行用の地図および自己位置などの情報に基づいて、駆動部350の制御条件を導出し、制御条件に基づいて、駆動部350の動作を制御するための制御信号を生成する。駆動制御部334は、生成した制御信号を駆動部350に出力する。なお、駆動部350の制御条件の導出などの詳細については、従来の自律走行型ロボットと同様であるため、説明を省略する。
【0069】
掃除制御部335は、掃除計画に基づいて、掃除部360を制御する。より具体的には、掃除制御部335は、掃除部360の動作を制御するための情報処理を行う。例えば、掃除制御部335は、掃除計画に加え、走行用の地図および自己位置などの情報に基づいて、掃除部360の制御条件を導出し、制御条件に基づいて、掃除部360の動作を制御するための制御信号を生成する。掃除制御部335は、生成した制御信号を掃除部360に出力する。なお、掃除部360の制御条件の導出などの詳細については、従来の自律走行型掃除機と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
[記憶部]
記憶部340は、走行用の地図、位置センサ320によりセンシングされたセンサ情報(例えば、筐体301に対する周囲の物体の位置関係)、および、制御部330が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部340は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0071】
[駆動部]
駆動部350は、自律走行型ロボット300の筐体301に配置され、筐体301を走行可能(移動可能ともいう)とする。駆動部350は、例えば、一対の駆動ユニット(不図示)を備える。駆動ユニットは、自律走行型ロボット300の平面視における幅方向の中心に対して左側および右側にそれぞれ1つずつ配置されている。なお、駆動ユニットの数は、2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0072】
例えば、駆動ユニットは、床面上を走行する車輪351(
図4~
図6参照)、車輪351にトルクを与える走行用モータ(不図示)および走行用モータを収容するハウジング(不図示)などを有する。一対の駆動ユニットの各車輪351は、筐体301の下面に形成された凹部(不図示)に収容され、筐体301に対して回転できるように取り付けられている。また、自律走行型ロボット300は、キャスター(不図示)を補助輪として備えた対向二輪型であってもよい。この場合、駆動部350は、一対の駆動ユニットのそれぞれの車輪351の回転を独立して制御することで、前進、後退、左回転および右回転など自律走行型ロボット300を自在に走行させることができる。自律走行型ロボット300は、前進若しくは後退しながら左回転または右回転する場合には、前進時若しくは後退時に左折または右折をする。一方、自律走行型ロボット300は、前進若しくは後退しない状態で左回転または右回転する場合には、現地点で旋回する。このように、駆動部350は、一対の駆動ユニットの動作を独立して制御することにより、筐体301を移動または旋回させる。駆動部350は、駆動制御部334からの指示に基づいて走行用モータなどを動作させ、自律走行型ロボット300を走行させる。
【0073】
[掃除部]
掃除部360は、自律走行型ロボット300の筐体301に配置され、筐体301周辺の床面を拭く、掃くおよび塵埃を吸引する動作の少なくとも1つの掃除動作を実行する。例えば、掃除部360は、床面に存在する塵埃などのごみを吸引口363(
図6参照)から吸引する。吸引口363は、床面に存在する塵埃などのごみを筐体301内に吸引できるように筐体301の底部に設けられている。図示しないが、掃除部360は、サイドブラシ361およびメインブラシ362を回転させるブラシ駆動モータ、吸引口363からゴミを吸引する吸引モータ、これらのモータに電力を伝達する動力伝達部、および、吸引したゴミを収容するゴミ収容部などを備えている。掃除部360は、掃除制御部335から出力された制御信号に基づいてブラシ駆動モータおよび吸引モータなどを動作させる。サイドブラシ361は、筐体301周辺の床面上のゴミを掃いて、吸引口363およびメインブラシ362にゴミを誘導する。
図4~
図6に示されるように、自律走行型ロボット300は、2つのサイドブラシ361を備える。各サイドブラシ361は、筐体301の底面の前方(つまり、前進する方向)の側部に配置される。サイドブラシ361の回転方向は、筐体301の前方から吸引口363に向けてゴミをかき集めることが可能な方向である。なお、サイドブラシ361の数は、2つに限られず、1つでもよく、3つ以上でもよい。サイドブラシ361の数は、ユーザによって任意に選択されてもよい。また、サイドブラシ361は、各々、脱着構造を備えてもよい。
【0074】
[3.動作]
続いて、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作について図面を参照しながら説明する。
【0075】
[第1の例]
まず、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システム400の動作の第1の例について説明する。第1の例では、走行制御システム400は、走行地図作成装置100と、自律走行型ロボット300とを備える例について説明する。
図7は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第1の例を示すフローチャートである。以下、
図2および
図7を参照しながら説明する。
【0076】
図示していないが、走行地図作成装置100は、ユーザの操作により走行を開始する。走行が開始すると、走行制御システム400は、例えば、以下の動作を行う。なお、走行地図作成装置100は、ユーザによりハンドルを操作されることにより走行してもよく、ジョイスティックまたはリモコンなどの操作により走行してもよい。
【0077】
走行地図作成装置100の位置センサ120は、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する当該物体の位置関係である第1位置関係を取得する(ステップS11)。位置センサ120は、例えば、LIDARである。LIDARは、所定の角度間隔で壁などの物体までの距離を計測し、計測された計測点の位置を示すデータを取得する。
【0078】
続いて、地図取得部131は、所定の領域を示す地図を取得する(ステップS12)。所定の領域は、自律走行型ロボット300が自律的に走行する領域である。地図取得部131は、記憶部140に格納された地図を読み出すことにより取得してもよく、ユーザ端末装置200から出力された地図を、通信により取得してもよい。なお、ステップS11およびステップS12は、順番を入れ替えて実行されてもよい。
【0079】
続いて、走行地図作成装置100の自己位置算出部132は、ステップS11で取得された第1位置関係に基づいて、地図上での走行地図作成装置100の位置である自己位置(以下、第1自己位置ともいう)を算出する(ステップS13)。
【0080】
続いて、走行地図作成装置100の受付部150は、走行禁止エリアの設定を開始する開始指示および走行禁止エリアの設定を終了する終了指示を受け付ける(ステップS14)。
【0081】
例えば、
図3に示されるように、受付部150が押下型のボタンである場合、受付部150は、押下型のボタンが押下されることにより開始指示を受け付け、押下型のボタンの押下が解除されることにより終了指示を受け付ける。この場合、受付部150は、押下型のボタンが押下され続けている間、走行禁止エリアの設定を実行する実行指示を受け付ける。
【0082】
また、例えば、ステップS14の処理は、ユーザ端末装置200の受付部220により行われてもよい。受付部220は、ユーザの指示を受け付けると、通信により当該指示を走行地図作成装置100に出力する。
【0083】
続いて、走行地図作成装置100の走行地図作成部134は、ステップS14で受付部150により受け付けられたユーザの指示に基づいて、自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する(ステップS15)。より具体的には、走行地図作成部134は、受付部150により開始指示が受け付けられた開始位置から終了指示が受け付けられた終了位置までに自己が移動されたときの第1自己位置の移動経路に基づいて、所定の領域に対して走行禁止エリアを設定したものを走行用の地図とする。例えば、走行地図作成部134は、第1自己位置の移動経路で囲まれた領域を走行禁止エリアに設定してもよい。また、例えば、走行地図作成装置100は、第1自己位置の移動経路と、自己の周囲の物体のうち移動経路の開始位置および終了位置のそれぞれに近接する物体とで囲まれた領域を、走行禁止エリアに設定してもよい。また、例えば、走行地図作成部134は、自己の周囲の物体のうち、開始位置と当該開始位置に近接する物体とを繋ぐ線分、および、終了位置と当該終了位置に近接する物体とを繋ぐ線分を、第1自己位置の移動経路に加えてもよい。
【0084】
続いて、自律走行型ロボット300の走行地図取得部331は、ステップS15で走行地図作成装置100の走行地図作成部134により作成された走行用の地図を取得する(不図示)。
【0085】
続いて、自律走行型ロボット300の位置センサ320は、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係である第2位置関係を取得する(ステップS16)。
【0086】
続いて、ステップS16で位置センサ320により取得された第2位置関係に基づいて、走行用の地図上での自律走行型ロボット300の位置である自己位置(以下、第2自己位置ともいう)を算出する(ステップS17)。
【0087】
続いて、自律走行型ロボット300の走行計画作成部333は、走行用の地図および第2自己位置に基づいて、走行計画を作成する(ステップS18)。
【0088】
続いて、自律走行型ロボット300の駆動制御部334は、走行計画に基づいて、筐体301に配置され筐体301を移動可能とする駆動部350を制御する(不図示)。
【0089】
このように、走行制御システム400は、走行禁止エリアが適切に設定された走行用の地図を作成し、作成された走行用の地図に基づいて走行計画を作成するため、自律走行型ロボット300の走行を適切に制御することが可能となる。
【0090】
なお、第1の例では、走行制御システム400が走行地図作成装置100と自律走行型ロボット300とを別体で備える例について説明したが、これに限られない。例えば、走行制御システム400は、走行地図作成装置100の機能を備える自律走行型ロボット300(一体型のロボットと呼ぶ)を備えてもよい。このような一体型のロボットは、例えば、走行用の地図を作成する場合にユーザの操作により走行し、走行用の地図に基づいて走行する場合に走行計画に従って自律的に走行する。
【0091】
また、例えば、一体型のロボットは、周囲の人に、走行禁止エリアの設定動作を行っていることを知らせる通知部(不図示)を備えてもよい。通知部は、例えば、音または音声により通知してもよく、光を発することにより通知してもよく、これらの組み合わせにより通知してもよい。
【0092】
このように、走行禁止エリアの設定動作中であることを周囲の人に通知することにより、走行制御システム400では、走行禁止エリアの設定作業をスムーズに行いやすくなる。
【0093】
[第1の例の変形例]
第1の例では、ステップS14で受付部150が押下型のボタンの押下により開始指示を受け付け、押下型のボタンの押下の解除により終了指示を受け付ける例を説明したが、開始指示および終了指示は、走行地図作成装置100の動作をトリガ―として受け付けられてもよい。
【0094】
例えば、受付部150は、走行地図作成装置100と所定の物体とが近接して所定時間向かい合うことを開始指示および終了指示として受け付けてもよい。例えば、受付部150は、制御部130により上記動作が行われたと判定された判定結果を受け付けることで、上記の動作を開始指示および終了指示として受け付けてもよい。
【0095】
また、「2.構成」の項で説明したように、所定の物体は、例えば、壁であってもよいし、走行禁止エリアの設定対象である対象物体であってもよい。対象物体は、例えば、柱、ごみ箱、植木鉢、消火器、立て札、傘立て、アコーディオンカーテン、台座、扉、家具、または、電気機器などである。所定時間は、適宜設定されてもよいが、例えば、5秒であってもよい。
【0096】
さらに、第1の例の変形例では、所定時間経過して上記の指示が受け付けられたときに、例えば音または光などでユーザに通知をしてもよい。
【0097】
このように、第1の例の変形例では、所定の動作をトリガ―として走行禁止エリアの設定を行うことができるため、受付部150は、少ないハードウェア構成でより多くの種類の指示を受け付けることができる。
【0098】
[第2の例]
続いて、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第2の例について説明する。第1の例では、ユーザの指示が走行禁止エリアの設定の開始指示および終了指示である場合の動作例について説明したが、第2の例では、ユーザの指示が走行禁止エリアの大きさを拡大する拡大指示である場合の動作例について説明する。受付部150は、例えば、押下型のボタンである。なお、第2の例では、第1の例および第1の例の変形例と異なる点を中心に説明し、同様の処理については記載を省略または簡略化する。
【0099】
図8は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第2の例を示すフローチャートである。
図8では、
図7に示される第1の例と異なる処理のみを示している。
【0100】
図7のステップS13に続いて、受付部150は、ユーザの指示を受け付ける(不図示)。このとき、走行地図作成装置100の制御部130は、受付部150により受け付けられた指示が開始指示であるか、拡大指示であるかを判定する(ステップS21)。拡大指示は、押下型のボタンが所定時間の間に連続して2回以上押下されることにより、押下型のボタンが押下される回数に応じて走行禁止エリアを拡大する指示である。
【0101】
制御部130は、受付部150により受け付けられた指示が開始指示であると判定した場合(ステップS21のYes)、走行地図作成部134に
図7のステップS15の処理を行わせる。一方、制御部130は、受付部150により受け付けられた指示が拡大指示であると判定した場合(ステップS21でNo)、走行地図作成部134に、押下回数に対応する所定の数を乗じた大きさに走行禁止エリアを拡大させる。そして、走行地図作成部134は、拡大された走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する(ステップS22)。ステップS22で作成された走行用の地図は、自律走行型ロボット300に出力され(不図示)、自律走行型ロボット300は、
図7のステップS16の処理を行う。
【0102】
例えば、ステップS22では、走行地図作成部134は、第1自己位置の移動経路に基づいて導出された走行禁止エリアの大きさに、押下型のボタンが押下された回数(つまり、押下回数)を乗じた大きさに設定してもよいし、押下回数に対応する数を乗じた大きさに設定してもよい。押下回数に対応する数は、予め設定されており、例えば、押下型のボタンが2回押下されると、走行禁止エリアの大きさは1.5倍に拡大される。この場合、走行禁止エリアは、例えば、相似形で拡大される。
【0103】
また、ステップS22では、例えば、走行地図作成部134は、自己位置から対象物体までの距離に押下回数を乗じた距離となる位置を拡大後の自己位置として算出し、拡大後の自己位置の移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定してもよい。
【0104】
このように、第2の例では、走行禁止エリアの設定の開始指示に代えて、拡大指示を受け付けられた場合に、拡大指示に従って走行禁止エリアの大きさを拡大することができるため、所望の大きさの走行禁止エリアを容易に設定することができる。
【0105】
[第3の例]
続いて、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第3の例について説明する。第3の例では、第1の例、第1の例の変形例および第2の例と異なり、提示情報を生成し、ユーザに提示情報を提示する。第3の例では、第1の例、第1の例の変形例および第2の例と異なる点を中心に説明し、同様の処理については記載を省略または簡略化する。
【0106】
図9は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第3の例を示すフローチャートである。
図9では、
図7に示される第1の例と異なる処理のみを示している。
【0107】
図7のステップS13に続いて、提示情報生成部133は、提示情報を生成する(ステップS31)。例えば、提示情報生成部133は、受付部150により開始指示が受け付けられてから終了指示が受け付けられるまでの間の第1自己位置の移動経路を含む提示情報を生成する。
【0108】
以下、提示情報について図面を参照しながら説明する。
図10は、提示情報の第1の例である提示情報P1を示す図である。
図11は、提示情報の第2の例である提示情報P2を示す図である。
図12は、提示情報の第3の例である提示情報P3を示す図である。各図の説明において、同様の構成については説明を省略する。
【0109】
例えば、提示情報生成部133は、提示情報P1(
図10参照)を生成する。提示情報P1には、壁11、走行禁止エリアを設定する対象となる対象物体12、走行地図作成装置100の第1自己位置を示す○、第1自己位置の移動経路を示す線分、および、第1自己位置の移動方向を示す矢印が含まれている。さらに、提示情報P1には、走行地図作成装置100の周囲の物体のうち、開始位置Sと開始位置Sに近接する物体(ここでは、壁11)とを繋ぐ線分(図中の点線)、および、終了位置Fと終了位置Fに近接する物体(ここでは、壁11)とを繋ぐ線分(図中の点線)が含まれてもよい。
【0110】
また、例えば、提示情報生成部133は、提示情報P2(
図11参照)を生成してもよい。提示情報P2には、壁21、対象物体22、第1自己位置を示す○、第1自己位置の移動経路を示す線分、および、第1自己位置の移動方向を示す矢印に加え、開始位置Sおよび終了位置Fにおける走行地図作成装置100の向き(ここでは、走行地図作成装置100が壁21の方向を向いている)を示す矢印が含まれている。
【0111】
また、例えば、提示情報生成部133は、提示情報P3を生成してもよい。提示情報P3には、対象物体32に対して弧を描くように走行地図作成装置100が移動されたときの第1自己位置の移動経路が含まれている。このように第1自己位置の移動経路が対象物体32に対して円弧を描く場合も、提示情報P3には、
図10に例示されるように、開始位置Sと開始位置Sに近接する物体(ここでは、壁31)とを繋ぐ線分(
図10中の点線)、および、終了位置Fと終了位置Fに近接する物体(ここでは、壁31)とを繋ぐ線分(
図10中の点線)が含まれてもよい。さらに、
図11に例示したように、提示情報P3には、開始位置Sおよび終了位置Fにおける走行地図作成装置100の向き(ここでは、走行地図作成装置100が壁31の方向を向いている)を示す矢印が含まれてもよい。
【0112】
続いて、
図9に示されるように、提示部160は、ステップS31で生成された提示情報を提示する(ステップS32)。このとき、提示情報は、
図10~
図12に示されるように、ユーザ端末装置200の提示部250に提示されてもよい。
【0113】
続いて、受付部150は、ユーザの指示を受け付ける(ステップS33)。受付部150は、例えば、第1自己位置の移動経路を確定させる指示、または、第1自己位置の移動経路を修正する指示を受け付ける。なお、ユーザ端末装置200の受付部220が上記の指示を受け付け、通信により走行地図作成装置100に出力してもよい。
【0114】
続いて、走行地図作成装置100の制御部130は、受付部150により第1自己位置の移動経路の修正指示が受け付けられたか否かを判定する(ステップS34)。制御部130は、受付部150により第1自己位置の移動経路の修正指示が受け付けられたと判定した場合(ステップS34でYes)、走行地図作成部134に修正指示に従って移動経路を修正させる(ステップS35)。そして、走行地図作成部134は、修正された移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定し、設定された走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する(ステップS36)。例えば、移動経路の修正は、
図10~12に示される開始位置S、終了位置F、および、開始位置Sと終了位置Fとの間の第1自己位置〇の少なくともいずれかの位置を選択して、位置を移動させることであってもよい。
【0115】
一方、走行地図作成部134は、受付部150により第1自己位置の移動経路の修正指示が受け付けられていない、つまり、移動経路の確定の指示が受け付けられたと判定した場合(ステップS34でNo)、第1自己位置の移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定し、設定された走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する(ステップS37)。なお、走行禁止エリアは、本体101の幅W(
図10参照)を考慮して設定されてもよい。例えば、走行禁止エリアを示す境界線は、第1自己位置よりも本体101の幅Wの1/2の距離だけ対象物体12側に設定されてもよい。
【0116】
ステップS36およびステップS37で作成された走行用の地図は、自律走行型ロボット300に出力され(不図示)、自律走行型ロボット300は、
図7のステップS16の処理を行う。
【0117】
このように、第3の例では、移動経路を含む提示情報をユーザが確認した上で、指示を入力することができるため、より適切に走行禁止エリアを設定することができる。
【0118】
[第3の例の変形例]
第3の例では、提示情報を提示して、移動経路の確定および修正の指示を受け付ける例を説明したが、第3の例の変形例では、走行地図作成部134により設定された走行禁止エリアの修正(ここでは、拡大指示)を受け付ける例について説明する。
【0119】
図13は、走行禁止エリアの拡大指示を入力する一例を示す図である。
図14は、走行禁止エリアの拡大指示を入力する他の例を示す図である。
【0120】
例えば、
図13に示されるように、ユーザ端末装置200の提示部250には、提示情報P4が提示されている。提示情報P4には、壁41、対象物体42の他に、走行地図作成部134により設定された走行禁止エリアR1が含まれている。受付部220は、タッチパネルと表示部とで構成されている。ユーザは、例えば、対象物体42に対して設定された走行禁止エリアR1の角部をタッチし、矢印の方向に引き延ばす操作を行うことにより、走行禁止エリアR1を所望の大きさに拡大した走行禁止エリアR1’を設定する拡大指示を入力する。受付部220は、ユーザの入力操作による指示を受け付けると、当該指示を通信により走行地図作成装置100に出力する。
【0121】
また、例えば、
図14に示されるように、提示部250には、提示情報P5が提示されている。提示情報P5には、壁51、対象物体52の他に、走行地図作成部134により作成された走行禁止エリアR2が含まれている。ユーザは、例えば、対象物体52に対して設定された走行禁止エリアR2の一部をタッチし、矢印の方向に引き延ばす操作を行うことにより、走行禁止エリアR2を所望の大きさに拡大した走行禁止エリアR2’を設定する拡大指示を入力する。受付部220は、ユーザの入力操作による指示を受け付けると、当該指示を通信により走行地図作成装置100に出力する。
【0122】
なお、受付部220は、拡大指示だけではなく、縮小指示も受け付けてもよい。これにより、一度設定された走行禁止エリアを所望の大きさに変更することができるため、より適切な走行禁止エリアを設定することができる。
【0123】
[4.効果等]
走行地図作成装置100は、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成する走行地図作成装置であって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する位置センサ120と、所定の領域を示す地図を取得する地図取得部131と、位置関係に基づいて地図上での自己位置を算出する自己位置算出部132と、ユーザの指示を受け付ける受付部150と、指示に基づいて、自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成する走行地図作成部134と、を備え、受付部150は、走行禁止エリアの設定を開始する開始指示および走行禁止エリアの設定を終了する終了指示を受け付け、走行地図作成部134は、受付部150により開始指示が受け付けられた開始位置から終了指示が受け付けられた終了位置までに自己が移動されたときの自己位置の移動経路に基づいて、所定の領域に対して走行禁止エリアを設定したものを走行用の地図とする。
【0124】
これにより、走行地図作成装置100は、ユーザの操作によって自己が移動されたときの移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定するため、所定の領域に対応した走行禁止エリアを設定することができる。したがって、走行地図作成装置100は、走行用の地図に走行禁止エリアを適切に設定することができる。
【0125】
走行地図作成装置100では、走行地図作成部134は、自己位置の移動経路で囲まれた領域を、走行禁止エリアに設定する。
【0126】
これにより、走行地図作成装置100は、走行禁止エリアを容易に設定することができる。
【0127】
走行地図作成装置100では、走行地図作成部134は、移動経路と、物体のうち移動経路の開始位置および終了位置のそれぞれに近接する物体とで囲まれた領域を、走行禁止エリアに設定する。
【0128】
これにより、走行地図作成装置100は、走行禁止エリアを容易に設定することができる。
【0129】
走行地図作成装置100では、走行地図作成部134は、物体のうち、開始位置と開始位置に近接する物体とを繋ぐ線分、および、終了位置と終了位置に近接する物体とを繋ぐ線分を自己位置の移動経路に加える。
【0130】
これにより、走行地図作成装置100は、走行禁止エリアを容易に設定することができる。
【0131】
走行地図作成装置100では、受付部150は、走行地図作成装置100と所定の物体とが近接して所定時間向かい合うことを開始指示および終了指示として受け付ける。
【0132】
これにより、走行地図作成装置100は、所定の動作をトリガ―として走行禁止エリアの設定を行うことができるため、少ないハードウェアでより多くの種類の指示を受け付けることができる。
【0133】
走行地図作成装置100は、物体は、壁である。
【0134】
これにより、走行地図作成装置100は、前方に壁を検知することで、2つのセンサの検知結果をユーザがより視認しやすい提示情報を生成することができる。
【0135】
走行地図作成装置100は、受付部150は、押下型のボタンであり、ボタンが押下されることにより開始指示を受け付け、ボタンの押下が解除されることにより終了指示を受け付け、走行地図作成部134は、受付部150により開始指示が受け付けられてから終了指示が受け付けられるまでの間の自己位置の移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定する。
【0136】
これにより、走行地図作成装置100は、1つの押下型のボタンで走行禁止エリアの設定の開始指示および終了指示を受け付けることができる。
【0137】
走行地図作成装置100では、受付部150は、さらに、開始指示に代えて、ボタンが所定時間の間に連続して2回以上押下されることにより、ボタンが押下される押下回数に応じて走行禁止エリアを拡大する拡大指示を受け付け、走行地図作成部134は、受付部150により拡大指示が受け付けられた場合に、押下回数に対応する所定の数を乗じた大きさに走行禁止エリアを拡大する。
【0138】
これにより、走行地図作成装置100は、走行禁止エリアの大きさを容易に拡大することができる。
【0139】
走行地図作成装置100では、受付部150は、さらに、移動経路を修正する修正指示を受け付け、走行地図作成部134は、受付部150により修正指示が受け付けられた場合に、修正指示に基づいて移動経路を修正し、修正された移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定する。
【0140】
これにより、走行地図作成装置100は、自己位置の移動経路を適宜修正することができるため、走行用の地図に走行禁止エリアをより適切に設定することができる。
【0141】
走行地図作成装置100は、さらに、ユーザに提示するための提示情報を生成する提示情報生成部133と、提示情報を提示する提示部160と、を備え、提示情報生成部133は、受付部150により開始指示が受け付けられてから終了指示が受け付けられるまでの間の自己位置の移動経路を含む提示情報を生成する。
【0142】
これにより、走行地図作成装置100は、移動経路を含む提示情報を生成して、ユーザに提示情報を提示することができる。そのため、ユーザは、例えば、提示情報に含まれる移動経路を確認した上で、走行地図作成装置100に必要な指示を与えることができる。
【0143】
ユーザ端末装置200は、走行地図作成装置100により生成された提示情報を提示する提示部250と、ユーザの指示を受け付ける受付部220と、を備える。
【0144】
これにより、ユーザ端末装置200は、ユーザに提示情報を提示し、ユーザの指示を受け付けることができる。
【0145】
自律走行型ロボット300は、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボットであって、筐体301と、当該筐体301に配置され、筐体301を移動可能とする駆動部350と、上記のいずれかの走行地図作成装置100から走行用の地図を取得する走行地図取得部331と、筐体301の周囲の物体を検知し、筐体301に対する物体の位置関係を取得する位置センサ320と、取得された走行用の地図上での筐体301の位置である自己位置を算出する自己位置算出部332と、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部333と、走行計画に基づいて、駆動部350を制御する駆動制御部334と、を備える。
【0146】
これにより、自律走行型ロボット300は、走行禁止エリアが適切に設定された走行用の地図に基づいて走行計画を作成するため、安全に、かつ、適切に走行することができる。
【0147】
自律走行型ロボット300は、さらに、掃く、拭く、および、塵埃を吸引する、の少なくともいずれかの動作を実行することにより床面を掃除する掃除部360と、掃除部360を制御する掃除制御部335と、を備え、走行計画作成部333は、さらに、掃除計画を作成し、掃除制御部335は、掃除計画に基づいて、掃除部360を制御する。
【0148】
これにより、自律走行型ロボット300は、安全に、かつ、適切に掃除を行うことができる。
【0149】
走行制御システム400は、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボット300の走行を制御するための走行制御システムであって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する位置センサ(例えば位置センサ120)と、所定の領域を示す地図を取得する地図取得部131と、位置関係に基づいて地図上での自己位置を示す第1自己位置を算出する第1自己位置算出部(例えば自己位置算出部132)と、ユーザの指示を受け付ける受付部(例えば受付部150)と、指示に基づいて、自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアを含む、自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成する走行地図作成部134と、位置関係に基づいて走行用の地図上での自己位置を示す第2自己位置を算出する第2自己位置算出部(例えば自己位置算出部332)と、走行用の地図および第2自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部333と、を備え、受付部150は、走行禁止エリアの設定を開始する開始指示および走行禁止エリアの設定を終了する終了指示を受け付け、走行地図作成部134は、受付部150により開始指示が受け付けられた開始位置から終了指示が受け付けられた終了位置までに自己が移動されたときの第1自己位置の移動経路に基づいて、所定の領域に対して走行禁止エリアを設定したものを走行用の地図とする。
【0150】
これにより、自律走行型ロボット300の走行制御システム400は、自律走行型ロボット300の走行用の地図に走行禁止エリアを適切に設定することができるため、自律走行型ロボット300を安全に、かつ、適切に走行させることができる。
【0151】
走行制御システム400は、さらに、ユーザに提示するための提示情報を生成する提示情報生成部133と、提示情報を提示する提示部(例えば提示部160)と、を備え、提示情報生成部133は、受付部150により開始指示が受け付けられてから終了指示が受け付けられるまでの間の自己位置の移動経路を含む提示情報を生成し、受付部150は、さらに、移動経路を修正する修正指示を受け付け、走行地図作成部134は、受付部150により修正指示が受け付けられた場合に、修正指示に基づいて移動経路を修正し、修正された移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定する。
【0152】
これにより、自律走行型ロボット300の走行制御システム400は、自己位置の移動経路を修正することができるため、自律走行型ロボット300の走行用の地図に走行禁止エリアをより適切に設定することができるため、自律走行型ロボット300を安全に、かつ、適切に走行させることができる。
【0153】
自律走行型ロボット300の走行制御方法は、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボット300の走行を制御するための走行制御方法であって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係である第1位置関係を取得し、所定の領域を示す地図を取得し、第1位置関係に基づいて地図上での自己位置を示す第1自己位置を算出し、自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアの設定を開始する開始指示および走行禁止エリアの設定を終了する終了指示を受け付け、開始指示が受け付けられた開始位置から終了指示が受け付けられた終了位置までに自己が移動されたときの第1自己位置の移動経路に基づいて、所定の領域に対して走行禁止エリアを設定したものを走行用の地図として作成し、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係である第2位置関係を取得し、第2位置関係に基づいて走行用の地図上での自己位置を示す第2自己位置を算出し、走行用の地図および第2自己位置に基づいて、走行計画を作成する。
【0154】
これにより、自律走行型ロボット300の走行制御方法は、自律走行型ロボット300の走行用の地図に走行禁止エリアを適切に設定することができるため、自律走行型ロボット300を安全に、かつ、適切に走行させることができる。
【0155】
走行制御方法は、さらに、開始指示が受け付けられてから終了指示が受け付けられるまでの間の自己位置の移動経路を含む提示情報を生成し、提示情報を提示し、移動経路を修正する修正指示を受け付け、修正指示が受け付けられた場合に、修正指示に基づいて移動経路を修正し、修正された移動経路に基づいて走行禁止エリアを設定する。
【0156】
これにより、自律走行型ロボット300の走行制御方法は、自己位置の移動経路を修正することができるため、自律走行型ロボット300の走行用の地図に走行禁止エリアをより適切に設定することができるため、自律走行型ロボット300を安全に、かつ、適切に走行させることができる。
【0157】
なお、本開示が、システムで実現される場合、複数の装置によって実現されてもよく、単一の装置として実現されてもよい。また、システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された走行地図作成装置100、ユーザ端末装置200、および、自律走行型ロボット300がそれぞれ備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0158】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0159】
例えば、実施の形態では、走行制御システム400は、複数の装置によって実現されているが、走行制御システム400が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。また、例えば、走行制御システム400と通信可能なサーバ装置が、制御部130、330が含む複数の構成要素を備えていてもよい。
【0160】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0161】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0162】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0163】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0164】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0165】
例えば、本開示は、走行制御システム400などのコンピュータが実行する走行制御方法として実現されてもよいし、このような走行制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、汎用のコンピュータを上記実施の形態のユーザ端末装置200として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。本開示は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0166】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本開示は、自律的に走行するロボットに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0168】
10 広域通信ネットワーク
11、21、31、41、51 壁
12、22、32、42、52 対象物体
100 走行地図作成装置
101 本体
110、210、310 通信部
120、320 位置センサ
130、230、330 制御部
131 地図取得部
132、332 自己位置算出部
133 提示情報生成部
134 走行地図作成部
140、240、340 記憶部
150、220 受付部
160、250 提示部
190 台車
191 ハンドル
192 スタンド
200 ユーザ端末装置
300 自律走行型ロボット
301 筐体
331 走行地図取得部
333 走行計画作成部
334 駆動制御部
335 掃除制御部
350 駆動部
351 車輪
360 掃除部
361 サイドブラシ
362 メインブラシ
363 吸引口
400 走行制御システム