(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124498
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電子機器ユニット
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20240905BHJP
G06F 15/02 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H05K5/03 A
G06F15/02 301L
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107978
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2022037695の分割
【原出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 裕紀
(57)【要約】
【課題】電子機器本体とそのカバー部品を好適に着脱可能に構成する。
【解決手段】カバー部品20は、関数電卓10に着脱可能なものであり、上下方向に立設されて関数電卓10に係合するフック部23と、当該カバー部品20が関数電卓10に装着された装着状態の場合に、上下方向における関数電卓10の位置を規制するリブ24と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体に着脱可能なカバー部品であって、
第1方向に立設され、前記電子機器本体に係合するフック部と、
当該カバー部品が前記電子機器本体に装着された装着状態の場合に、前記第1方向における前記電子機器本体の位置を規制する突起部と、
を備える、
ことを特徴とするカバー部品。
【請求項2】
前記突起部は、前記カバー部品の表面から前記第1方向の一方側に突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載のカバー部品。
【請求項3】
前記突起部は、前記装着状態の場合に、一面が前記電子機器本体と対向してその位置を規制する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカバー部品。
【請求項4】
前記装着状態の場合に、前記第1方向における前記突起部と前記電子機器本体との距離が、前記第1方向における前記フック部の先端と前記電子機器本体との距離よりも短い、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカバー部品。
【請求項5】
前記第1方向は、前記電子機器本体の長手方向に対応する方向である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカバー部品。
【請求項6】
前記電子機器本体の主面を覆うカバー本体部を備え、
前記突起部は、前記フック部に対して前記カバー本体部側に隣接して配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカバー部品。
【請求項7】
前記電子機器本体の主面を覆うカバー本体部を備え、
前記装着状態の場合に、前記フック部に対して前記カバー本体部側とは反対側では、当該カバー部品と前記電子機器本体が隙間を介在させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカバー部品。
【請求項8】
前記突起部は、前記第1方向及び前記カバー部品の厚さ方向と直交する方向に離間した複数が配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のカバー部品。
【請求項9】
当該カバー部品は、前記フック部が係合する前記電子機器本体のケースよりも柔らかい材質で構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のカバー部品。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のカバー部品と、
前記カバー部品を着脱可能な前記電子機器本体と、を備える、
ことを特徴とする電子機器ユニット。
【請求項11】
前記電子機器本体は、
前記装着状態の場合に、前記カバー部品の前記フック部が係合する凹部を、前記フック部に対向する側の側面に有し、
前記側面が、当該電子機器本体の厚さ方向で前記凹部に近づくに連れて膨出するように湾曲した形状に形成され、
前記側面が膨出する方向は、前記凹部に対向する前記フック部が突出する方向と反対方向である、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器ユニット。
【請求項12】
前記電子機器本体は、前記装着状態の場合に、前記カバー部品の前記フック部が係合する凹部を有し、
前記凹部は、前記電子機器本体の厚さ方向及び前記第1方向のいずれにも直交する方向に延在する溝である、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部品及び電子機器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関数電卓等の電子機器本体を保護するカバー部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のカバー部品は、弾性変形によって電子機器本体の凹部に係脱可能なフック部を設けることにより、電子機器本体に対して着脱可能に構成される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子機器本体との接触によりフック部を弾性変形させて凹部に係止させる構造では、カバー部品と電子機器本体の着脱を繰り返すことでフック部が摩耗することがある。フック部が摩耗すると、フック部と電子機器本体(例えば凹部の底面)との間のクリアランスが広がり、カバー部品と電子機器本体とのガタが大きくなってしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子機器本体とそのカバー部品を好適に着脱可能に構成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、電子機器本体に着脱可能なカバー部品であって、
第1方向に立設され、前記電子機器本体に係合するフック部と、
当該カバー部品が前記電子機器本体に装着された装着状態の場合に、前記第1方向における前記電子機器本体の位置を規制する突起部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器本体とそのカバー部品を好適に着脱可能に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る関数電卓ユニットの正面図である。
【
図2】実施形態に係る関数電卓及びカバー部品の斜視図である。
【
図3】(a)上側の延出部の斜視図であり、(b)下側の延出部の斜視図である。
【
図4】カバー部品を背面側に装着した場合の関数電卓の上端部の縦断面図である。
【
図5】従来のカバー部品と関数電卓の装着状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図5を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係るカバー部品20を装着した状態の関数電卓10(関数電卓ユニット100)の正面図であり、
図2は、関数電卓10及びカバー部品20の斜視図である。
なお、以下の説明において、前後左右上下の各方向は各図に示した向きをいうものとする。つまり、前後方向は関数電卓10及びカバー部品20の正面-背面方向(厚さ方向)をいい、左右方向は関数電卓10及びカバー部品20の幅方向をいい、上下方向は関数電卓10及びカバー部品20の長手方向(言い換えれば、後述する表示画面12と、複数の操作ボタン13とが並ぶ方向)をいう。
また、カバー部品20は、後述するように、関数電卓10の正面側及び背面側の双方に装着可能であるが、以下では、特に断りのない限り、
図1及び
図2のように関数電卓10の背面側に装着されたときの前後の向きにあるものとして、当該カバー部品20の構成を説明する。
【0011】
図1及び
図2に示すように、関数電卓10は、本発明に係る電子機器本体の一例であり、上下方向に長尺な矩形板状に形成されている。関数電卓10は、カバー部品20と組をなして関数電卓ユニット(電子機器ユニット)100を構成する。
具体的に、関数電卓10は、正面(前面)を覆う正面ケース11と、背面(後面)及び側面を覆う背面ケース15とを備えている。正面ケース11と背面ケース15は、正面ケース11が背面ケース15の前面開口を閉塞するようにして前後方向に係合しており、関数電卓10の筐体を構成する。
正面ケース11には、各種情報が表示される表示画面12と、ユーザ操作を受ける複数の操作ボタン13とが配置されている。
【0012】
背面ケース15は、特に限定はされないが、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂で構成されている。
背面ケース15の上下の各側面15aは、前後方向の中央側に位置するに連れて(すなわち、後述の係止溝16に近づくに連れて)上下先端側(カバー部品20の外側)に膨出するように、円弧状に形成されている。具体的には、各側面15aは、各側面15aに設けられた各係止溝16に対応するフック部23(詳細は後述する)の突出方向と反対方向に膨出している。
上下の各側面15aには、後述するカバー部品20のフック部23を係止する係止溝(凹部)16が、前後方向の略中央部に設けられている。係止溝16は、左右方向に沿って延在するように形成されている。ただし、下側の側面15aに形成された係止溝16は、特に限定はされないが、左右に2分割されている。
また、上下の各側面15aには、2つの本体リブ17が設けられている。2つの本体リブ17は、係止溝16の左右両端部に対応する左右方向位置に配置されている。各本体リブ17は、各側面15aの前端から後端までに亘り、係止溝16を跨いで前後方向に延在するように形成されている(
図4参照)。換言すれば、各本体リブ17が係止溝16で前後2つに分割されているとすると、各側面15aに4つの本体リブ17が設けられているとも言える。各側面15aの本体リブ17は、後述するカバー部品20のリブ24に対応した左右方向位置に配置されている。
また、上下の各側面15aは、前後方向略中央の係止溝16に対して前後方向で対称形状に形成されている(本体リブ17を含む)。これにより、関数電卓10の正面側及び背面側の双方に対してカバー部品20を同様に着脱することができる。
【0013】
カバー部品20は、関数電卓10の主面(前面又は後面)を覆って保護するものであり、関数電卓10に着脱可能に構成されている。カバー部品20は、例えば半透明のABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂で構成されている。ただし、カバー部品20は、関数電卓10の背面ケース15よりも柔らかい(変形しやすい)材質で構成されていればよい。カバー部品20は、関数電卓10の主面を覆うカバー本体部21を有している。
カバー本体部21は、関数電卓10の正面視形状に対応した形状、すなわち関数電卓10の長手方向に対応して上下方向に長尺な矩形板状に形成されている。
【0014】
カバー本体部21の上下両端には、前側に湾曲しつつ延出した延出部22(上側の延出部22U、下側の延出部22L)が設けられている。上側の延出部22Uは、前端に突設された平板部221を有している。平板部221は、延出部22Uの前端から上側に突出するように設けられ、前後方向に直交する略平板状に形成されている。この平板部221は、カバー部品20を関数電卓10から外すときに、例えばユーザが親指で前面を押すことにより、延出部22Uを上側に弾性変形させて後述のフック部23の係合を解除するための部分である。
なお、以下では、上側の延出部22Uの構成要素には「U」、下側の延出部22Lの構成要素には「L」を、それぞれの符号の末尾に付してこれらを識別する場合がある。
【0015】
図3(a),(b)は、上下の延出部22U、22Lの斜視図である。
これらの図に示すように、各延出部22の先端(前端)には、上下方向(第1方向)であってカバー部品20の中央側に立設されたフック部23が設けられている。より正確には、上側の延出部22Uでは、平板部221の下面にフック部23が設けられている。フック部23は、関数電卓10の背面ケース15の上下両側面15aに形成された係止溝16に係合する部分であり、当該係止溝16に対応して左右方向に延在するように形成されている。ただし、下側のフック部23Lは、関数電卓10の下側の係止溝16に対応して、左右に2分割されている。具体的には、上側のフック部23Uは、カバー部品20の表面(延出部22Uの表面)から下方向に突出し、下側のフック部23Lはカバー部品20の表面(延出部22Lの表面)から上方向に突出している。また、下側の側面15aに形成された係止溝16は、上側の側面15aに形成された係止溝16と同様に、左右に2分割されていなくてもよい。この場合、フック部23Lも左右に2分割されていなくてもよい。 また、フック部23は、関数電卓10の係止溝16に対し、正面側及び背面側の双方から係合可能に形成されている。すなわち、カバー部品20は、前後方向の向きを反転させることで、関数電卓10の正面側と背面側に個別に装着可能に構成されている。
【0016】
各フック部23の後側(カバー本体部21側)には、2つのリブ24が各フック部23に隣接して設けられている。このリブ24は、本発明に係る突起部の一例であり、後述するように、カバー部品20が関数電卓10に装着された装着状態(以下、単に「装着状態」という。)の場合に、上下方向における関数電卓10の位置を規制(位置決め)するためのものである。リブ24はカバー部品20の表面(延出部22の表面)から上下方向に突出している。具体的には、上側のリブ24Uは、下方向に突出し、下側のリブ24Lは上方向に突出している。各リブ24は、フック部23の後側を支持しつつ、当該フック部23に覆われて前側(正面側)から視認できないように配置されている。また、各リブ24は、左右方向に離間して配置されている。具体的には、関数電卓10の上下の各側面15aに形成された本体リブ17に対応する左右方向位置に配置されている(
図1参照)。
【0017】
図4は、カバー部品20を背面側に装着した場合の関数電卓10の上端部の縦断面図である。
カバー部品20を関数電卓10の背面側に装着させる場合、関数電卓10の各側面15aの背面側部分にカバー部品20のフック部23の前面側部分を当接させつつ関数電卓10とカバー部品20とを前後に重ねた状態で、カバー部品20に関数電卓10を前後方向に押し込む。すると、
図4に示すように、カバー部品20の延出部22が上下外側に弾性変形した後に、延出部22のフック部23が関数電卓10の係止溝16に係合されて、カバー部品20が関数電卓10に装着される。
この装着状態の場合に、カバー部品20のリブ24は、上下方向における関数電卓10側の一面(
図4の右側の面)が関数電卓10と対向してその位置を規制する。ここで、リブ24と関数電卓10(本体リブ17)とが「対向」するとは、これらが互いに接触(当接)している状態と、隙間を介在させている状態との双方を含む。
本実施形態では、カバー部品20の延出部22が上下外側に広がるように弾性変形(例えば、各延出部22で上下方向に0.1mm)したままの状態で、カバー部品20のリブ24と関数電卓10の本体リブ17とが当接している。なお、
図4では、二点鎖線で示すように、カバー部品20の延出部22が弾性変形せずにカバー部品20のリブ24と関数電卓10の本体リブ17とが互いに食い込んだ状態(実際には起きない状態)を図示している。このように、カバー部品20の上下2つの延出部22が互いの弾性力で挟持した状態で関数電卓10を保持している。これにより、例えばカバー本体部21にゴム足等を設けて関数電卓10を支持しなくとも、関数電卓10をガタなく好適に保持することができる。
【0018】
カバー部品20を関数電卓10から外す(離脱させる)場合には、例えばユーザが親指で上側の延出部22Uの平板部221の前面を押すことにより、延出部22Uを上側に弾性変形させてフック部23Uを関数電卓10の係止溝16から抜く。これにより、カバー部品20を関数電卓10から外すことができる。ただし、カバー部品20と関数電卓10を前後に引き離すことでも、関数電卓10の係止溝16の後側壁面がカバー部品20のフック部23の後面を押圧し、延出部22を上下外側に広げつつフック部23と係止溝16との係合を解除することができる。
【0019】
このように、カバー部品20を関数電卓10に着脱させるときには、カバー部品20のフック部23が関数電卓10と擦れることはあってもリブ24は擦れにくい。延出部22を上下外側に広げつつカバー部品20を関数電卓10から外すときなど、着脱の方法によっては、着脱の際に、フック部23が関数電卓10と擦れることはあってもリブ24は関数電卓10擦れないこともある。また、カバー部品20の装着状態では、カバー部品20のリブ24が関数電卓10の上下の側面15a(本体リブ17)と接触することで、カバー部品20と関数電卓10とが上下方向に位置決め(位置が規制)される。つまり、カバー部品20は、関数電卓10との着脱時に摩耗し得るフック部23とは異なるリブ24によって、関数電卓10と位置決めされる。したがって、着脱を繰り返した場合でもカバー部品20と関数電卓10とのガタが大きくなることは無く、これらを好適に位置決めし続けることができる。
すなわち、リブ24を有していない従来のカバー部品においては、
図5に示すように、関数電卓(本体ケース)の凹部と係合するフック部が関数電卓を上下方向(フック部の立設方向)に位置決めしていたところ、着脱を繰り返すことによりフック部の先端面が摩耗し、関数電卓とのガタが広がる場合があった。つまり、カバー部品と関数電卓のクリアランスが、本来位置決めに使用されるべきフック部先端と凹部底面との距離D1から、延出部と本体ケース側面との距離D2まで広がってしまう場合があった。
この点、本実施形態のカバー部品20では、関数電卓10との係合部として機能するフック部23とは異なるリブ24が関数電卓10との位置決めを担うため、フック部23が摩耗した場合であっても関数電卓10を好適に位置決めし続けることができる。
【0020】
なお、カバー部品20のリブ24と関数電卓10の本体リブ17とは、上述したように、互いに接触(当接)していなくともよく、互いに隙間を介在させていてもよい。より詳しくは、
図4に示すように、カバー部品20の装着状態の場合に、上下方向におけるリブ24と関数電卓10(本実施形態では本体リブ17)との距離が、上下方向におけるフック部23の先端と関数電卓10(係止溝16の底面)との距離Cよりも短ければよい。つまり、フック部23でなくリブ24が関数電卓10との位置決めを担う状態であればよい。
また、カバー部品20の装着状態の場合、フック部23に対してカバー本体部21側とは反対側(前側)では、当該カバー部品20と関数電卓10が隙間を介在させている、すなわちフック部23の前側にはリブ24が無いのが好ましい。フック部23の前側にリブ24があると、カバー部品20の装着時にフック部23とリブ24が擦れやすいためである。これにより、関数電卓10とカバー部品20との着脱をスムーズに行うことができる。
【0021】
また、リブ24の位置や数量等は特に限定されない。
例えば、リブ24を左右方向に1つだけ配置してもよい。ただし、リブ24を左右方向に離間させて複数配置した方が、関数電卓10を幅方向に安定して保持できる。
また、上下2箇所の延出部22それぞれにリブ24を設けることとしたが、いずれか一方のみに設けてもよい。その場合、平板部221を有する上側の延出部22Uに設ける方がより好ましい。
また、リブ24が関数電卓10をその長手方向(上下方向)に位置決め(位置を規制)することとしたが、当該リブ24はフック部23の立設方向における関数電卓10の位置を規制するものであればよい。例えば、リブ24が関数電卓10をその幅方向(左右方向)に位置決めすることとしてもよい。
また、リブ24とフック部23との相対位置も特に限定されない。リブ24をフック部23の前側に配置してもよい。ただし、本実施形態のようにリブ24をフック部23の後側に隣接させる場合、リブ24がフック部23を支持することでフック部23及び延出部22が弾性変形しにくくなる。これにより、カバー部品20と関数電卓10との意図しない離脱を抑制できる。また、これら装着安定性と着脱性との両面を考慮し、リブ24はフック部23の幅方向(左右方向)の一部のみに設けるのが好ましい。また、リブ24をフック部23の後側に配置することで、カバー部品20と関数電卓10をスムーズに着脱できるようになる。
【0022】
また、カバー部品20のリブ24に対応させて関数電卓10の背面ケース15に本体リブ17を設けたが、この本体リブ17は設けなくともよい。ただし、本体リブ17を設けた方が、着脱時での関数電卓10の摩耗箇所を当該本体リブ17のみにできるため、背面ケース15の側面15a自体がリブ24と擦れて摩耗する場合に比べ、特に美観の点でより好ましい。
【0023】
以上のように、本実施形態によれば、関数電卓10に着脱可能なカバー部品20が、装着状態の場合にフック部23の立設方向(上下方向)における関数電卓10の位置を規制するリブ24を備えている。
そのため、関数電卓に係合するフック部が関数電卓を位置決めしていた従来と異なり、関数電卓10との係合部として機能するフック部23とは異なるリブ24が、関数電卓10との位置決めを担う。これにより、フック部23が摩耗した場合であってもリブ24によって関数電卓10を好適に位置決めし続けることができる。したがって、関数電卓10とそのカバー部品20を好適に着脱可能に構成することができる。
【0024】
また、本実施形態によれば、カバー部品20の装着状態の場合に、リブ24の一面が関数電卓10と対向してその位置を規制する。
つまり、リブ24はその一面のみが関数電卓10の側面15aと対向(本実施形態では接触)しており、フック部23のように凹部(係止溝16)に覆われていないため、着脱時におけるリブ24の摩耗を抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態によれば、カバー部品20の装着状態の場合に、上下方向におけるリブ24と関数電卓10(本実施形態では本体リブ17)との距離が、上下方向におけるフック部23の先端と関数電卓10(係止溝16の底面)との距離Cよりも短い。
これにより、上下方向における関数電卓10の位置決めを、より確実にフック部23でなくリブ24によって行うことができる。
【0026】
また、本実施形態によれば、リブ24が、フック部23に対してカバー本体部21(後側)側に隣接して配置されている。
これにより、リブ24をフック部23で覆って正面側から視認できないように配置できるため、リブ24が美観を損ねることがない。
【0027】
また、本実施形態によれば、リブ24は、上下方向及びカバー部品20の厚さ方向と直交する左右方向に離間した複数が配置されている。
これにより、関数電卓10を左右方向(幅方向)に安定して保持することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、カバー部品20は、フック部23が係合する関数電卓10の背面ケース15よりも柔らかい(変形しやすい)材質で構成されている。
これにより、カバー部品20との着脱による関数電卓10(背面ケース15)側の変形や摩耗を抑制することができる。
【0029】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0030】
例えば、カバー部品20は、関数電卓10に着脱可能な着脱式でなく、関数電卓10の主面に沿ってスライドして関数電卓10の正面側又は背面側に装着可能なスライド式であってもよい。
【0031】
また、本発明に係る電子機器(本体)は、関数電卓(電子卓上計算機)に限定されず、例えば電子辞書やスマートフォン等、カバー部品を着脱可能な電子機器全般に広く適用可能である。
【0032】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
電子機器本体に着脱可能なカバー部品であって、
第1方向 に立設され、前記電子機器本体に係合するフック部と、
当該カバー部品が前記電子機器本体に装着された装着状態の場合に、前記第1方向における前記電子機器本体の位置を規制する突起部と、
を備える、
ことを特徴とするカバー部品。
<請求項2>
前記突起部は、前記カバー部品の表面から前記第1方向の一方側に突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載のカバー部品。
<請求項3>
前記突起部は、前記装着状態の場合に、一面が前記電子機器本体と対向してその位置を規制する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカバー部品。
<請求項4>
前記装着状態の場合に、前記第1方向における前記突起部と前記電子機器本体との距離が、前記第1方向における前記フック部の先端と前記電子機器本体との距離よりも短い、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカバー部品。
<請求項5>
前記第1方向は、前記電子機器本体の長手方向に対応する方向である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカバー部品。
<請求項6>
前記電子機器本体の主面を覆うカバー本体部を備え、
前記突起部は、前記フック部に対して前記カバー本体部側に隣接して配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカバー部品。
<請求項7>
前記電子機器本体の主面を覆うカバー本体部を備え、
前記装着状態の場合に、前記フック部に対して前記カバー本体部側とは反対側では、当該カバー部品と前記電子機器本体が隙間を介在させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカバー部品。
<請求項8>
前記突起部は、前記第1方向及び前記カバー部品の厚さ方向 と直交する方向に離間した複数が配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のカバー部品。
<請求項9>
当該カバー部品は、前記フック部が係合する前記電子機器本体のケースよりも柔らかい材質で構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のカバー部品。
<請求項10>
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のカバー部品と、
前記カバー部品を着脱可能な前記電子機器本体と、を備える、
ことを特徴とする電子機器ユニット。
<請求項11>
前記電子機器本体は、
前記装着状態の場合に、前記カバー部品の前記フック部が係合する凹部を、前記フック部に対向する側の側面に有し、
前記側面が、当該電子機器本体の厚さ方向で前記凹部に近づくに連れて膨出するように湾曲した形状に形成され、
前記側面が膨出する方向は、前記凹部に対向するフック部が突出する方向と反対方向である、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器ユニット。
<請求項12>
前記電子機器本体は、前記装着状態の場合に、前記カバー部品の前記フック部が係合する凹部を有し、
前記凹部は、前記電子機器本体の厚さ方向及び前記第1方向のいずれにも直交する方向に延在する溝である、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器ユニット。
【符号の説明】
【0033】
10 関数電卓(電子機器本体)
11 正面ケース
15 背面ケース(ケース)
15a 側面
16 係止溝(凹部)
17 本体リブ
20 カバー部品
21 カバー本体部
22 延出部
23 フック部
24 リブ(突起部)
100 関数電卓ユニット(電子機器ユニット)
C 距離(上下方向におけるフック部の先端と関数電卓との距離)
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、電子機器ユニットに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る電子機器ユニットは、電子機器本体と、前記電子機器本体の正面側と背面側との双方に対して着脱可能なカバー部品と、を備え、前記カバー部品は、第1方向に立設され、前記電子機器本体の側面に設けられた凹部に係合するフック部と、前記フック部に隣接して設けられ、前記カバー部品が前記電子機器本体に装着されるときに、前記電子機器本体の側面に設けられた本体リブであって前記凹部に隣接して設けられた本体リブと重ねられることにより、前記第1方向における前記電子機器本体の位置を規制する突起部と、を備え、前記本体リブは、前記電子機器本体の厚み方向における前記凹部の両隣に設けられており、前記凹部の両隣のうちの一方に設けられた前記本体リブは、前記カバー部品が前記電子機器本体の正面側に装着されるときに前記突起部に重ねられる本体リブであり、前記凹部の両隣のうちの他方に設けられた前記本体リブは、前記カバー部品が前記電子機器本体の背面側に装着されるときに前記突起部に重ねられる本体リブである、ことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体と、
前記電子機器本体の正面側と背面側との双方に対して着脱可能なカバー部品と、
を備え、
前記カバー部品は、
第1方向に立設され、前記電子機器本体の側面に設けられた凹部に係合するフック部と、
前記フック部に隣接して設けられ、前記カバー部品が前記電子機器本体に装着されるときに、前記電子機器本体の側面に設けられた本体リブであって前記凹部に隣接して設けられた本体リブと重ねられることにより、前記第1方向における前記電子機器本体の位置を規制する突起部と、
を備え、
前記本体リブは、前記電子機器本体の厚み方向における前記凹部の両隣に設けられており、
前記凹部の両隣のうちの一方に設けられた前記本体リブは、前記カバー部品が前記電子機器本体の正面側に装着されるときに前記突起部に重ねられる本体リブであり、
前記凹部の両隣のうちの他方に設けられた前記本体リブは、前記カバー部品が前記電子機器本体の背面側に装着されるときに前記突起部に重ねられる本体リブである、
ことを特徴とする電子機器ユニット。
【請求項2】
前記カバー部品は、前記電子機器本体の正面または背面を覆うカバー本体部を備え、
前記突起部は、前記電子機器本体の厚み方向に対応する方向における前記フック部の両隣のうち、前記カバー本体部に近い側のみに設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器ユニット。
【請求項3】
前記突起部は、前記カバー部品の表面から前記第1方向の一方側に突出し、前記フック部よりも低い突出高さに設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器ユニット。
【請求項4】
前記凹部は、第2方向に延在する溝であり、
前記本体リブは、前記第2方向において前記凹部よりも短い長さで形成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器ユニット。
【請求項5】
前記第1方向は、前記電子機器本体の長手方向に対応する方向であり、
前記第2方向は、前記電子機器本体の幅方向である、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器ユニット。