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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124506
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】結束機
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/18 20060101AFI20240905BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20240905BHJP
   B65B 27/10 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
B65B13/18 G
E04G21/12 105E
B65B27/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108439
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2019156056の分割
【原出願日】2019-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森尻 剛史
(72)【発明者】
【氏名】田島 伸崇
(72)【発明者】
【氏名】杉原 進平
(57)【要約】
【課題】鉄筋に突き当てられて移動するコンタクト部材の移動量を確保できるようにした鉄筋結束機を提供する。
【解決手段】鉄筋結束機1Aは、ワイヤを案内する第1のガイド51Aと、第1のガイド51Aで巻き癖が付けられたワイヤを案内する第2のガイド52と、鉄筋に突き当てられて移動する第1のコンタクト部材9AL(第2のコンタクト部材9AR)と、第1のコンタクト部材9AL(第2のコンタクト部材9AR)の動きを第2のガイド52に伝達するリンク部96を備え、第1のコンタクト部材9AL(第2のコンタクト部材9AR)は、リンク部96を作動させる作用部92AL(92AR)を備え、リンク部96は、第2のガイド52と接する作用軸98Aと、作用軸98Aを支持する開口部98Bを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
結束対象物に突き当てられて移動する移動部と、
前記本体部の一方の端部から第1の方向に延び、前記第1の方向と直交する第2の方向に、結束対象物が入れられる間隔を空けて配置され、結束対象物を結束するワイヤを案内する第1のガイド及び第2のガイドと、
前記間隔を、第1の距離から、前記第1の距離より短い第2の距離に変化させるガイド移動部とを備え、
前記移動部は、前記ガイド移動部を作動させる作用部を備え、
前記ガイド移動部は、前記第1のガイドまたは前記第2のガイドと接する作用軸と、前記作用軸を支持する開口部を備えた
結束機。
【請求項2】
前記開口部は、前記作用軸よりも大きな形状である
請求項1に記載の結束機。
【請求項3】
前記開口部は、前記ガイド移動部の移動方向に沿った長さが、前記作用軸よりも大きな形状である
請求項2に記載の結束機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄筋等の結束対象物を、ワイヤで結束する結束機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワイヤ送り装置から送り出したワイヤを鉄筋のまわりにループ状に巻き回し、このワイヤを捩り用フックで把持して捩り、ワイヤで鉄筋を巻き締めて結束する鉄筋結束機と称す結束機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の鉄筋結束機は、結束時に鉄筋に係合するコンタクト部材を前後方向に移動可能に設け、コンタクト部材が後方に移動したときに係合して結束機の作動を可能とするスイッチを備えた構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2949703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の鉄筋結束機では、コンタクト部材の移動量を確保できなければ、コンタクト部材が後方に移動してもスイッチと係合できず、結束動作を実行できない。しかし、特許文献1では、コンタクト部材の移動量を確保する構成が考慮されていなかった。
【0006】
本開示は、このような課題を解決するためなされたもので、結束対象物に突き当てられて移動する移動部(コンタクト部材)の移動量を確保できるようにした結束機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本開示に係る結束機は、本体部と、結束対象物に突き当てられて移動する移動部と、本体部の一方の端部から第1の方向に延び、第1の方向と直交する第2の方向に、結束対象物が入れられる間隔を空けて配置され、結束対象物を結束するワイヤを案内する第1のガイド及び第2のガイドと、間隔を、第1の距離から、第1の距離より短い第2の距離に変化させるガイド移動部とを備え、移動部は、ガイド移動部を作動させる作用部を備え、ガイド移動部は、第1のガイドまたは第2のガイドと接する作用軸と、作用軸を支持する開口部を備える。
【0008】
この結束機では、第1のガイドと第2のガイドとの間に結束対象物を挿入する動作で、結束機と結束対象物との相対的な移動により移動部が結束対象物により押され、移動部が移動する。結束対象物に突き当てられた移動部が所定の位置まで移動すると、ガイド移動部が作動することで、第1のガイドと第2のガイドとの間隔が、第1の距離から、第1の距離より短い第2の距離に変化し、結束対象物を結束する動作が実行される。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る結束機では、移動部の動きを伝達して、第1のガイドと第2のガイドとの間隔を、第1の距離から、第1の距離より短い第2の距離に変化させるガイド移動部を備えることで、移動部と連動して、第1のガイドと第2のガイドとの間隔を第1距離から第2に距離に変化させることができ、結束対象物に突き当てられて移動する移動部の移動量を、あらかじめ規定された範囲として、結束対象物を結束する動作を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図である。
図1B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図である。
図1C】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図である。
図1D】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図である。
図2】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す上面図である。
図3A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す正面図である。
図3B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す背面図である。
図4】第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す側面図である。
図5A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の要部を示す側面図である。
図5B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の要部を示す側面図である。
図6A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を示す側面図である。
図6B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を示す側面図である。
図7】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を示す斜視図である。
図8】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図9A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図9B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図10】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図11】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図12】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図13】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図14】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図15A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図15B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図である。
図16】第1の実施の形態の鉄筋結束機の機能ブロック図である。
図17A】第1の実施の形態の向き検知センサを示す斜視図である。
図17B】第2の実施の形態の向き検知センサを示す斜視図である。
図18】第1の実施の形態の鉄筋結束機の結束許容範囲を示す説明図である。
図19A】第1の実施の形態の鉄筋結束機の動作の一例を示すフローチャートである。
図19B】第1の実施の形態の鉄筋結束機の動作の他の例を示すフローチャートである。
図20】センサ基板ユニットの作用効果例を示す斜視図である。
図21】第2の実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す斜視図である。
図22】第3の実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
【0012】
<第1の実施の形態の鉄筋結束機の例>
図1A図1B図1C及び図1Dは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図、図2は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す上面図、図3Aは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す正面図、図3Bは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す背面図である。また、図4は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す側面図、図5A図5Bは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の要部を示す側面図である。
【0013】
第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aは、手で持つことが可能に構成される第1の本体部301と、鉄筋SをワイヤWで結束するための機構を備えた第2の本体部302と、第1の本体部301と第2の本体部302を連結する長尺状の連結部303を備える。第1の本体部301は、操作者が把持可能な一対のハンドル部304hL、304hRを備える。また、第1の本体部301は、鉄筋結束機1Aの電源の切断、投入の操作が行われる電源スイッチ110と、結束力を調整できるダイヤル等を有した操作部111を備える。
【0014】
第2の本体部302は本体部の一例で、外装が樹脂で構成される。第2の本体部302は、ワイヤWが巻かれたワイヤリール20を回転可能に収容する収容部2と、収容部2に収容されたワイヤリール20に巻かれたワイヤWを送る送り部3を備える。また、第2の本体部302は、送り部3で送られるワイヤWに巻き癖を付ける規制部4と、規制部4で巻き癖が付けられるワイヤWを案内するガイド部5を備える。更に、第2の本体部302は、ワイヤWを切断する切断部6と、ワイヤWを捩る捩り部7と、切断部6及び捩り部7等を駆動する駆動部8を備える。
【0015】
鉄筋結束機1Aは、第2の本体部302の一方の側にガイド部5が設けられる。鉄筋結束機1Aは、第1の本体部301と第2の本体部302が連結部303で連結されることで、連結部303を備えていない鉄筋結束機と比較して、ガイド部5とハンドル部304hL、304hRとの間が延伸した形態となる。本実施の形態では、ガイド部5が設けられる側を前と定義する。
【0016】
収容部2は、ワイヤリール20の着脱及び支持が可能に構成される。送り部3は、送り部材としての一対の送りギア30を備える。送り部3は、ワイヤWが一対の送りギア30の間に挟持された状態で、図示しないモータが送りギア30を回転させることで、ワイヤWを送る。送り部3は、送りギア30の回転方向に応じて、ワイヤWを矢印Fで示す正方向と、矢印Rで示す逆方向の両方に送ることが可能である。
【0017】
切断部6は、矢印Fで示すワイヤWの正方向への送りに対し、送り部3の下流側に設けられる。切断部6は、固定刃部60と、固定刃部60との協働でワイヤWを切断する可動刃部61を備える。また、切断部6は、駆動部8の動きを可動刃部61に伝達する伝達機構62を備える。
【0018】
固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aを備える。可動刃部61は、固定刃部60を支点とした回転動作で、固定刃部60の開口60aを通るワイヤWを切断する。
【0019】
規制部4は、送り部3で送られるワイヤWの送り方向に沿った複数個所、本例では少なくとも3か所でワイヤWに接する第1~第3の規制部材を備えることで、図5Bに破線で示すワイヤWの送り経路Wfに沿うような巻き癖をワイヤWに付ける。
【0020】
規制部4は、第1の規制部材が上述した固定刃部60で構成される。また、規制部4は、矢印Fで示すワイヤWの正方向への送りに対し、固定刃部60の下流側に、第2の規制部材として規制部材42を備え、規制部材42の下流側に、第3の規制部材として規制部材43を備える。規制部材42及び規制部材43は、円柱状の部材で構成され、外周面にワイヤWが接する。
【0021】
規制部4は、螺旋を描くような略環状となるワイヤWの送り経路Wfに合わせて、固定刃部60、規制部材42及び規制部材43が曲線上に配置される。固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aがワイヤWの送り経路Wf上に設けられる。また、規制部材42は、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の内側に設けられる。更に、規制部材43は、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の外側に設けられる。
【0022】
これにより、送り部3で送られるワイヤWが、固定刃部60、規制部材42及び規制部材43に接しながら通過することで、ワイヤWの送り経路Wfに沿うように、ワイヤWに巻き癖が付けられる。
【0023】
規制部4は、駆動部8の動きを規制部材42に伝達する伝達機構44を備える。規制部材42は、送り部3でワイヤWを正方向に送りワイヤWに巻き癖を付ける動作では、ワイヤWが接する位置に移動し、ワイヤWを逆方向に送り鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作では、ワイヤWと接しない位置に移動可能に構成される。
【0024】
ガイド部5Aは、ワイヤWを案内する第1のガイド51Aと、規制部4及び第1のガイド51Aで巻き癖が付けられたワイヤWを捩り部7に案内する第2のガイド52と、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の位置を規制する第3のガイド55を備える。
【0025】
第1のガイド51Aは、第2の本体部302の前側の端部に取り付けられ、矢印A1で示す前後方向である第1の方向に延びる。第1のガイド51Aは、図5A図5Bに示すように、送り部3で送られるワイヤWが摺接するガイド面51gを有した溝部51hを備える。
【0026】
第1のガイド51Aにおいて、第2の本体部302に取り付けられる側を基端側、第2の本体部302から第1の方向に延びる側を先端側としたとき、基端側が第2の本体部302にネジ等によって取り付けられている。
【0027】
第1のガイド51Aは、規制部材42が基端側に設けられ、規制部材43が先端側に設けられる。第1のガイド51Aは、ガイド面51gと規制部材42の外周面との間に、ワイヤWが通過可能な隙間が形成される。また、第1のガイド51Aは、規制部材43の外周面の一部がガイド面51gに突出する。
【0028】
第2のガイド52は、第2の本体部302の前側の端部に取り付けられる。第2のガイド52は、第1の方向と直交する上下方向である矢印A2に示す第2の方向に、第1のガイド51Aと対向して設けられる。第1のガイド51Aと第2のガイド52との間は、第2の方向に沿って所定の間隔が空けられ、第1のガイド51Aと第2のガイド52との間に、鉄筋Sが挿抜される挿抜口53が形成される。
【0029】
第2のガイド52は、第1の方向及び第2の方向と直交する左右方向である矢印A3に示す第3の方向に沿って対向する一対のサイドガイド52aを備える。第2のガイド52において、第2の本体部302に取り付けられる側を基端側、第2の本体部302から第1の方向に延びる側を先端側としたとき、一対のサイドガイド52aは、先端側から基端側に向けて間隔が狭くなる。一対のサイドガイド52aは、基端側が、ワイヤWが通ることが可能な間隔で対向する。
【0030】
第2のガイド52は、第2の本体部302にネジ等によって取り付けられている第3のガイド55を介して、基端側が軸52bに支持され、第2の本体部302に取り付けられる。軸52bの軸線は、第3の方向に沿った方向である。第2のガイド52は、軸52bを支点として第2の本体部302に対して回動可能である。第2のガイド52は、先端側の端部52cが、矢印A2で示す第2の方向に第2のガイド52と対向する第1のガイド51Aの端部51cに対して近づく方向及び離れる方向に移動可能である。第1のガイド51Aの端部51cには、溝部51hの端部P2が露出する。
【0031】
第2のガイド52は、後述する一対のコンタクト部材と連動して、軸52bを支点とした回動で、図5Aに示すように、第2のガイド52の先端側の端部52cと、第1のガイド51Aの端部51cとの距離が第1の距離である第1の位置と、図5Bに示すように、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Aの端部51cとの距離が、第1の距離より短い第2の距離である第2の位置との間を移動する。
【0032】
第2のガイド52は、第2の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Aの端部51cとの間が開いた状態である。第2のガイド52は、第1の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Aの端部51cとの間隔が広がり、第1のガイド51Aと第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋を入れることがより容易になる。
【0033】
第2のガイド52は、第2の位置にある状態で、サイドガイド52aが、図5Bに示すワイヤWの送り経路Wfに位置する。第2のガイド52は、第1の位置にある状態では、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Aの端部51cとの間隔が、第2のガイド52が第2の位置にある場合より広くなるのであれば、サイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfに位置していても良いし、サイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfより外側に位置していても良い。
【0034】
第2のガイド52は、第1の位置へ移動する方向へ、捩じりコイルバネ等で構成される付勢部材54により付勢され、第1の位置へ移動した状態が保持される。
【0035】
第2のガイド52は、後述する一対のコンタクト部材の動作を、リンク部を介して受ける受け部56を備える。受け部56は、第2のガイド52の下面に対して垂直な面、または、第2のガイド52の下面に対して垂直な方向に対して傾斜した面で構成される。受け部56は、例えば、第2のガイド52の下面に、軸52bを支点とした第2のガイド52の回転方向に沿って突出する面を設けて構成される。受け部56は、例えば、第2のガイド52の下面と平行な方向において、軸52bから受け部56の面までの距離が、第2のガイド52に近づくに従い長くなる方向に傾斜する。
【0036】
ガイド部5Aは、鉄筋Sを挿抜口53に誘導する誘導部59を備える。誘導部59は、第1のガイド51Aの先端側に設けられ、誘導部59の先端側から基端側に向けて、第1のガイド51Aと第2のガイド52との間隔が近づく面を設けて構成される。具体的には、誘導部59は、第1のガイド51Aの先端P1から、第1のガイド51Aの先端側における溝部51hの端部P2の近傍に向けて、矢印A1で示す第1の方向に対し、第1のガイド51Aと第2のガイド52との間隔が近づく方向に傾斜する傾斜面で構成される。
【0037】
ガイド部5Aは、第1のガイド51Aに突出部57を備える。突出部57は、矢印A3に示す第3の方向に沿って第1のガイド51Aの側方に突出する部位を設けて構成される。本例では、第1のガイド51Aは、上述したガイド面51gを有した溝部51h及び規制部材43を有し、ワイヤWを案内するガイドアーム51dが、金属の板材で構成されるカバー部57Aで覆われる構成である。突出部57は、ガイドアーム51dの一方の側部を覆うカバー部57Aの上端部と、他方の側部を覆うカバー部57Aの上端部を、第3の方向に沿ってそれぞれ外側に曲げる形態で構成される。なお、突出部57は、ガイドアーム51dに設ける構成でもよい。また、第1のガイド51Aは、ガイドアーム51dとカバー部57Aが一体の構成でもよく、突出部57は、ガイドアーム51dとカバー部57Aが一体の構成の第1のガイド51Aに一体で設ける構成でもよい。また、突出部57は、カバー部57Aの側部、ガイドアーム51dの側部、ガイドアーム51dとカバー部57Aが一体の構成の第1のガイド51Aの側部に凹凸形状を設けることで構成してもよい。
【0038】
捩り部7は、ワイヤWが係合する係合部70と、係合部70を作動させる作動部71を備える。係合部70は、送り部3で切断部6に送られたワイヤWが通る第1の通路と、規制部4で巻き癖が付けられ、ガイド部5で捩り部7に案内されたワイヤWが通る第2の通路が形成される。係合部70は、作動部71の動作で回転することで、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる。
【0039】
駆動部8は、捩り部7等を駆動する捩りモータ80と、減速及びトルクの増幅を行う減速機81と、減速機81を介して捩りモータ80に駆動されて回転する回転軸82と、切断部6及び規制部材42に駆動力を伝達する移動部材83とを備える。捩り部7と駆動部8は、回転軸82と、作動部71及び係合部70の回転中心が同軸上に配置される。回転軸82と、作動部71及び係合部70の回転中心を軸線Axと称す。本例では、矢印A1で示す第1の方向が、軸線Axに沿った方向である。
【0040】
駆動部8は、回転軸82の回転動作で、回転軸82の軸方向に沿って作動部71を移動させる。作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、係合部70は、ガイド部5で捩り部7に案内されたワイヤWの先端側を保持する。
【0041】
駆動部8は、作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動する動作と連動して、移動部材83が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、移動部材83の動きが伝達機構44で規制部材42に伝達され、規制部材42がワイヤと接しない位置に移動する。更に、作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、移動部材83の動きが伝達機構62で可動刃部61に伝達され、可動刃部61が作動してワイヤWが切断される。
【0042】
駆動部8は、回転軸82の軸方向に沿って移動させた作動部71を、回転軸82の回転動作で回転させる。作動部71は、回転軸82の軸回りに回転することで、係合部70でワイヤWを捩じる。
【0043】
図6A及び図6Bは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を示す側面図、図7は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を示す斜視図であり、次に、コンタクト部材及びコンタクト部材の動きを第2のガイドに連動するリンク部の構成について説明する。
【0044】
鉄筋結束機1Aは、第1のガイド51Aと第2のガイド52との間の挿抜口53に挿入された結束対象物である鉄筋Sが当接する第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARを備える。また、鉄筋結束機1Aは、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARの動きを第2のガイド52に伝達するリンク部96を備える。
【0045】
第1のコンタクト部材9ALは移動部の一例で、第2の本体部302の一方の側部に設けられ、鉄筋Sに突き当てられる当接部91ALと、リンク部96を作動させる作用部92ALを備える。第2のコンタクト部材9ARは移動部の一例で、第2の本体部302の他方の側部に設けられ、鉄筋Sに突き当てられる当接部91ARと、リンク部96を作動させる作用部92ARを備える。
【0046】
第1のコンタクト部材9ALは、矢印A1で示す第1の方向に沿って移動可能に設けられ、図1Aに示すように、当接部91ALが挿抜口53に突出する待機位置と、図1Cに示すように、第2のガイド52を第2の位置に移動させる作動位置との間を移動する。
【0047】
第2のコンタクト部材9ARは、矢印A1で示す第1の方向に沿って移動可能に設けられ、図1Bに示すように、当接部91ARが挿抜口53に突出する待機位置と、図1Dに示すように、第2のガイド52を第2の位置に移動させる作動位置との間を移動する。
【0048】
リンク部96はガイド移動部の一例で、第1のコンタクト部材9ALに対応する第1のリンク部材96Lと、第2のコンタクト部材9ARに対応する第2のリンク部材96Rを備える。リンク部96は、第1のリンク部材96L及び第2のリンク部材96Rが、移動支点である軸96Aにより回動可能に支持される。
【0049】
リンク部96は、軸96Aに対して第1のリンク部材96Lの一方の側に、第1のコンタクト部材9ALと連結される被作用部97Lを備える。被作用部97Lは、第1のリンク部材96Lから側方に突出する部材で構成され、第1のコンタクト部材9ALの作用部92ALに接する。
【0050】
また、リンク部96は、軸96Aに対して第2のリンク部材96Rの一方の側に、第2のコンタクト部材9ARと連結される被作用部97Rを備える。被作用部97Rは、第2のリンク部材96Rから側方に突出する部材で構成され、第2のコンタクト部材9ARの作用部92ARに接する。
【0051】
更に、リンク部96は、軸96Aに対して他方の側に、第1のリンク部材96Lと第2のリンク部材96Rとをつなぐ連結部98を備える。連結部98は、第2のガイド52の受け部56と接する作用軸98Aと、作用軸98Aを支持する開口部98Bと、作用軸98Aを押圧するばね98Cを備える。
【0052】
作用軸98Aは、円柱形状で、第1のリンク部材96Lと第2のリンク部材96Rをつなぐ長さを有する。
【0053】
開口部98Bは、第1のリンク部材96Lと第2のリンク部材96Rにそれぞれ設けられる。開口部98Bは、軸96Aを支点としたリンク部96の回動方向に沿った周方向の長さ及び直交する径方向の長さが、作用軸98Aの直径より大きく構成される。これにより、開口部98Bに入れられた作用軸98Aが、軸96Aを支点としたリンク部96の回動方向に沿った周方向または接線方向及び回動方向に直交する径方向に移動可能に構成される。
【0054】
ばね98Cは、板ばねで構成され、作用軸98Aを第2のガイド52の受け部56方向に付勢する。
【0055】
図8図15A及び図15Bは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成を及び作用効果を示す説明図で、次に、コンタクト部材及びリンク部を取り付ける構成の詳細について説明する。
【0056】
鉄筋結束機1Aは、第2の本体部302の前側の所定部位を覆うと共に、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARと、リンク部96が取り付けられるカバーガイド部11を備える。また、鉄筋結束機1Aは、カバーガイド部11に取り付けられる第1のカバー部12Lと第2のカバー部12Rを備える。
【0057】
カバーガイド部11は、第2の本体部302の一方の側部302Lに取り付けられる第1の側壁部11Lと、第2の本体部302の他方の側部302Rに取り付けられる第2の側壁部11Rと、第1の側壁部11Lと第2の側壁部11Rを繋ぐ接続部11Uを備える。
【0058】
カバーガイド部11は、図11に示すように、第1の側壁部11L及び第2の側壁部11Rと、接続部11Uが、金属の板材で一体に構成される。カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lと第2の側壁部11Rが、第2の本体部302の矢印A3に示す第3の方向に沿った幅方向の寸法と同等の間隔で対向する。
【0059】
第1の側壁部11Lは、接続部11Uの一方の側部から、第2の本体部302の一方の側部302Lに沿うように、矢印A2に示す第2の方向に延伸する。第2の側壁部11Rは、接続部11Uの他方の側部から、第2の本体部302の他方の側部302Rに沿うように、矢印A2に示す第2の方向に延伸する。接続部11Uは、第1のガイド51Aが入る溝部11Hが設けられる。溝部11Hは、第1のガイド51Aが入る幅で開口し、図13に示すように、第1のガイド51Aの左右両側が金属で支持される。
【0060】
第1のカバー部12Lはカバー部の一例で、カバーガイド部11の第1の側壁部11Lの所定の部位を覆う形状で構成される。第2のカバー部12Rはカバー部の一例で、カバーガイド部11の第2の側壁部11Rの所定の部位を覆う形状で構成される。
【0061】
カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lの前側の端部に第1の当接部13Lを備える。また、カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rの前側の端部に第2の当接部13Rを備える。
【0062】
第1の当接部13Lは、第1の側壁部11Lの前側の端部を、第2の側壁部11R方向に曲げる形態で構成され、第2の本体部302の一方の側部302Lの前側の端部を覆う。第2の当接部13Rは、第2の側壁部11Rの前側の端部を、第1の側壁部11L方向に曲げる形態で構成され、第2の本体部302の他方の側部302Rの前側の端部を覆う。
【0063】
カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lに第1のガイド凹部14L1と第2のガイド凹部14L2を備える。第1のガイド凹部14L1と第2のガイド凹部14L2は案内部の一例で、矢印A1で示す第1の方向である第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿って延伸する長孔状の開口で構成される。
【0064】
第1のカバー部12Lは、第3のガイド凹部14L3を備える。第3のガイド凹部14L3は案内部の一例で、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿って延伸する長孔状の凹部で構成される。
【0065】
カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lにばね支持部15L1を備える。ばね支持部15L1は、圧縮コイルばねで構成されるばね95ALの伸縮する方向を、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿った向きとして、ばね95ALが入る凹部で構成される。
【0066】
第1のカバー部12Lは、ばね支持部15L2を備える。ばね支持部15L2は、ばね95ALの伸縮する方向を、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿った向きとして、ばね95ALが入る凹部で構成される。
【0067】
第1の側壁部11Lに第1のカバー部12Lが取り付けられると、図9Aに示すように、第1のガイド凹部14L1、第2のガイド凹部14L2及び第3のガイド凹部14L3と、ばね支持部15L1、15L2が、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿った同軸Bx上に配置される。
【0068】
カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rに第1のガイド凹部14R1と第2のガイド凹部14R2を備える。第1のガイド凹部14R1と第2のガイド凹部14R2は案内部の一例で、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿って延伸する長孔状の開口で構成される。
【0069】
第2のカバー部12Rは、第3のガイド凹部14R3を備える。第3のガイド凹部14R3は案内部の一例で、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿って延伸する長孔状の凹部で構成される。
【0070】
カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rにばね支持部15R1を備える。ばね支持部15R1は、圧縮コイルばねで構成されるばね95ARの伸縮する方向を、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿った向きとして、ばね95ARが入る凹部で構成される。
【0071】
第2のカバー部12Rは、ばね支持部15R2を備える。ばね支持部15R2は、ばね95ARの伸縮する方向を、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿った向きとして、ばね95ARが入る凹部で構成される。
【0072】
第2の側壁部11Rに第2のカバー部12Rが取り付けられると、図9Bに示すように、第1のガイド凹部14R1、第2のガイド凹部14R2及び第3のガイド凹部14R3と、ばね支持部15R1、15R2が、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿った同軸上に配置される。
【0073】
次に、コンタクト部材の詳細について説明すると、第1のコンタクト部材9ALは、当接部91AL及び作用部92ALが設けられる被ガイド部90ALと、検知部93ALを備える。第2のコンタクト部材9ARは、当接部91AR及び作用部92ARが設けられる被ガイド部90ARと、検知部93ARを備える。
【0074】
第1のコンタクト部材9ALは、板状の金属等で構成される被ガイド部90ALが、カバーガイド部11の第1の側壁部11Lと、第1のカバー部12Lの間に取り付けられる。
【0075】
第1のコンタクト部材9ALは、カバーガイド部11の第1の側壁部11Lに面した被ガイド部90ALの一方の面に、第1のガイド凸部94AL1と第2のガイド凸部94AL2を備える。
【0076】
第1のガイド凸部94AL1は、第1のコンタクト部材9ALの移動方向と直交する方向に突出し、第1の側壁部11Lの第1のガイド凹部14L1に入る。第2のガイド凸部94AL2は、第1のコンタクト部材9ALの移動方向と直交する方向に突出し、第1の側壁部11Lの第2のガイド凹部14L2に入る。
【0077】
また、第1のコンタクト部材9ALは、カバーガイド部11の第1の側壁部11Lに取り付けられた第1のカバー部12Lに面した被ガイド部90ALの他方の面に、第3のガイド凸部94AL3を備える。第3のガイド凸部94AL3は、第1のコンタクト部材9ALの移動方向と直交する方向に突出し、第1のカバー部12Lの第3のガイド凹部14L3に入る。
【0078】
更に、第1のコンタクト部材9ALは、被ガイド部90ALの後端側にばね取付部94AL4を備える。ばね取付部94AL4は、ばね95ALの伸縮する方向を、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿った向きとしてばね95ALが取り付けられる。
【0079】
第1のコンタクト部材9ALは、第1のガイド凸部94AL1、第2のガイド凸部94AL2及び第3のガイド凸部94AL3と、ばね取付部94AL4及びばね取付部94AL4に取り付けられたばね95ALが、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿った一直線上に配置される。
【0080】
第1のコンタクト部材9ALは、被ガイド部90ALの前端側に当接部91ALが設けられる。当接部91ALは、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に交差する方向の面で構成される。
【0081】
第1のコンタクト部材9ALは、当接部91ALと一体で被ガイド部90ALの側部に作用部92ALが設けられる。作用部92ALは、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に対して傾斜した斜面を有する。または、作用部92ALは、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に対して傾斜した斜面と、垂直な面を有する。なお、作用部92ALは、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に対して傾斜した斜面を有さず、垂直な面と水平な面を有する構成でもよい。第1のコンタクト部材9ALは、被ガイド部90ALと作用部92ALの間に、第1のカバー部12Lが入る間隔が形成される。
【0082】
第1のコンタクト部材9ALは、被ガイド部90ALと一体で検知部93ALが設けられる。検知部93ALは、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に交差して第2のコンタクト部材9ARの方向に突出する。
【0083】
第2のコンタクト部材9ARは、板状の金属等で構成される被ガイド部90ARが、カバーガイド部11の第2の側壁部11Rと、第2のカバー部12Rの間に取り付けられる。
【0084】
第2のコンタクト部材9ARは、カバーガイド部11の第2の側壁部11Rに面した被ガイド部90ARの一方の面に、第1のガイド凸部94AR1と第2のガイド凸部94AR2を備える。
【0085】
第1のガイド凸部94AR1は、第2のコンタクト部材9ARの移動方向と直交する方向に突出し、第2の側壁部11Rの第1のガイド凹部14R1に入る。第2のガイド凸部94AR2は、第2のコンタクト部材9ARの移動方向と直交する方向に突出し、第2の側壁部11Rの第2のガイド凹部14R2に入る。
【0086】
また、第2のコンタクト部材9ARは、カバーガイド部11の第2の側壁部11Rに取り付けられた第2のカバー部12Rに面した被ガイド部90ARの他方の面に、第3のガイド凸部94AR3を備える。第3のガイド凸部94AR3は、第2のコンタクト部材9ARの移動方向と直交する方向に突出し、第2のカバー部12Rの第3のガイド凹部14R3に入る。
【0087】
更に、第2のコンタクト部材9ARは、被ガイド部90ARの後端側にばね取付部94AR4を備える。ばね取付部94AR4は、ばね95ARの伸縮する方向を、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿った向きとしてばね95ARが取り付けられる。
【0088】
第2のコンタクト部材9ARは、第1のガイド凸部94AR1、第2のガイド凸部94AR2及び第3のガイド凸部94AR3と、ばね取付部94AR4及びばね取付部94AR4に取り付けられたばね95ARが、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に沿った一直線上に配置される。
【0089】
第2のコンタクト部材9ARは、被ガイド部90ARの前端側に当接部91ARが設けられる。当接部91ARは、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に交差する方向の面で構成される。
【0090】
第2のコンタクト部材9ARは、当接部91ARと一体で被ガイド部90ARの側部に作用部92ARが設けられる。作用部92ARは、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に対して傾斜した斜面を有する。または、作用部92ARは、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に対して傾斜した斜面と、垂直な面を有する。なお、作用部92ARは、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に対して傾斜した斜面を有さず、垂直な面と水平な面を有する構成でもよい。第2のコンタクト部材9ARは、被ガイド部90ARと作用部92ARの間に、第2のカバー部12Rが入る間隔が形成される。
【0091】
第2のコンタクト部材9ARは、被ガイド部90ARと一体で検知部93ARが設けられる。検知部93ARは、第2のコンタクト部材9ARの移動方向に交差して第1のコンタクト部材9ALの方向に突出する。
【0092】
次に、カバーガイド部11等の取り付け構造について説明する。カバーガイド部11は、位置決めピン16pで第2の本体部302に対する位置が規定される。また、カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lがねじ16Laで第2の本体部302の一方の側部302Lに取り付けられる。更に、カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lが第1のカバー部12Lを介してねじ16Lbで第2の本体部302の一方の側部302Lに取り付けられる。
【0093】
このため、カバーガイド部11は、位置決めピン16pが通される穴部17pが所定の配置で設けられる。また、第2の本体部302は、位置決めピン16pが通される穴部18pが所定の配置で設けられる。穴部18pは、位置決めピン16pの直径より大きな穴で構成され、第1のガイド51A、本例では、第1のガイド51Aを構成するガイドアーム51dに、穴部18pの位置に合わせて、位置決めピン16pの直径と同等程度の図示しない穴部が設けられる。更に、第1のカバー部12Lは、位置決めピン16pの抜けを抑制する規制部18pLが設けられ、第2のカバー部12Rは、位置決めピン16pの抜けを抑制する規制部18pRが設けられる。
【0094】
カバーガイド部11は、ねじ16La、16Lbが通される穴部が、第1の側壁部11Lに所定の配置で設けられる。また、第1のカバー部12Lは、ねじ16Lbが通される穴部が、所定の配置で設けられる。更に、ねじ16La、16Lbが締結されるねじ穴が、第2の本体部302の一方の側部302Lに所定の配置で設けられる。
【0095】
また、カバーガイド部11は、第1のカバー部12Lがねじ16Lcで第1の側壁部11Lに取り付けられる。このため、第1のカバー部12Lは、ねじ16Lcが通される穴部が、所定の配置で設けられる。また、ねじ16Lcが締結されるねじ穴17Lcが、第1の側壁部11Lに所定の配置で設けられる。
【0096】
具体的には、カバーガイド部11は、第2の本体部302の所定の位置に載せられ、穴部17pに位置決めピン16pが通されることで、ガイドアーム51dの図示しない穴部を介して第2の本体部302に対する位置が規定される。カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lを貫通した図示しない穴部にねじ16Laが通され、このねじ16Laが、第2の本体部302の一方の側部302Lに設けた図示しないねじ穴に締結される。なお、リンク部96を外さずに、ねじ16Laを操作可能とするため、リンク部96には、第1のリンク部材96L及び第2のリンク部材96Rを貫通する開口部99が設けられる。
【0097】
また、カバーガイド部11は、第1のカバー部12Lを貫通した図示しない穴部に通されたねじ16Lbが、第1の側壁部11Lを貫通した穴部18Lbに通され、このねじ16Lbが、第2の本体部302の一方の側部302Lに設けた図示しないねじ穴に締結される。
【0098】
更に、カバーガイド部11は、第1のカバー部12Lを貫通した図示しない穴部にねじ16Lcが通され、このねじ16Lcが、第1の側壁部11Lに設けたねじ穴17Lcに締結される。
【0099】
カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rがねじ16Raで第2の本体部302の他方の側部302Rに取り付けられる。また、カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rが第2のカバー部12Rを介してねじ16Rbで第2の本体部302の他方の側部302Rに取り付けられる。
【0100】
このため、カバーガイド部11は、ねじ16Ra、16Rbが通される穴部が、第2の側壁部11Rに所定の配置で設けられる。また、第2のカバー部12Rは、ねじ16Rbが通される穴部が、所定の配置で設けられる。更に、ねじ16Ra、16Rbが締結されるねじ穴が、第2の本体部302の他方の側部302Rに所定の配置で設けられる。
【0101】
また、カバーガイド部11は、第2のカバー部12Rがねじ16Rcで第2の側壁部11Rに取り付けられる。このため、第2のカバー部12Rは、ねじ16Rcが通される穴部が、所定の配置で設けられる。また、ねじ16Rcが締結されるねじ穴が、第2の側壁部11Rに所定の配置で設けられる。
【0102】
具体的には、カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rを貫通した図示しない穴部にねじ16Raが通され、このねじ16Raが、第2の本体部302の他方の側部302Rに設けた図示しないねじ穴に締結される。
【0103】
また、カバーガイド部11は、第2のカバー部12Rを貫通した図示しない穴部に通されたねじ16Rbが、第2の側壁部11Rを貫通した穴部18Rbに通され、このねじ16Rbが、第2の本体部302の他方の側部302Rに設けた図示しないねじ穴に締結される。
【0104】
更に、カバーガイド部11は、第2のカバー部12Rを貫通した図示しない穴部にねじ16Rcが通され、このねじ16Rcが、第2の側壁部11Rに設けた図示しないねじ穴に締結される。
【0105】
これにより、カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lが、第2の本体部302の一方の側部302Lの一部を覆い、第2の側壁部11Rが、第2の本体部302の他方の側部302Rの一部を覆い、接続部11Uが、第2の本体部302の上面部302Uの一部を覆う形態で、第2の本体部302に取り付けられる。
【0106】
また、カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lに第1のカバー部12Lが取り付けられ、カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rに第2のカバー部12Rが取り付けられる。
【0107】
第1の側壁部11Lに第1のカバー部12Lが取り付けられると、第1のコンタクト部材9ALは、第1のガイド凸部94AL1が、カバーガイド部11の第1の側壁部11Lの第1のガイド凹部14L1に入れられ、第2のガイド凸部94AL2が、第1の側壁部11Lの第2のガイド凹部14L2に入れられる。
【0108】
また、第1のコンタクト部材9ALは、ばね取付部94AL4に取り付けられたばね95ALが、第1の側壁部11Lのばね支持部15L1に入れられる。更に、第1のコンタクト部材9ALは、第3のガイド凸部94AL3が、第1のカバー部12Lの第3のガイド凹部14L3に入れられる。ばね取付部94AL4に取り付けられたばね95ALは、第1のカバー部12Lのばね支持部15L2に入れられる。
【0109】
これにより、第1のコンタクト部材9ALは、第1のガイド凹部14L1、第2のガイド凹部14L2及び第3のガイド凹部14L3の延伸する方向に沿って移動可能に支持される。
【0110】
また、第1のコンタクト部材9ALは、第1のガイド凸部94AL1と第1のガイド凹部14L1等、第1のコンタクト部材9ALの移動をガイドする部位と、ばね95ALが第1のカバー部12Lで覆われる。更に、第1のコンタクト部材9ALは、当接部91ALと作用部92ALが、第1のカバー部12Lから露出する。
【0111】
また、第1のコンタクト部材9ALは、当接部91ALが、第1の側壁部11Lの第1の当接部13Lから突出する方向へ、ばね95ALで付勢される。更に、第1の側壁部11Lに第1のカバー部12Lが取り付けられると、規制部18pLが位置決めピン16pの端部と対向し、位置決めピン16pの抜けが抑制される。
【0112】
第2の側壁部11Rに第2のカバー部12Rが取り付けられると、第2のコンタクト部材9ARは、第1のガイド凸部94AR1が、カバーガイド部11の第2の側壁部11Rの第1のガイド凹部14R1に入れられ、第2のガイド凸部94AR2が、第2の側壁部11Rの第2のガイド凹部14R2に入れられる。
【0113】
また、第2のコンタクト部材9ARは、ばね取付部94AR4に取り付けられたばね95ARが、第2の側壁部11Rのばね支持部15R1に入れられる。更に、第2のコンタクト部材9ARは、第3のガイド凸部94AR3が、第2のカバー部12Rの第3のガイド凹部14R3に入れられる。ばね取付部94AR4に取り付けられたばね95ARは、第2のカバー部12Rのばね支持部15R2に入れられる。
【0114】
これにより、第2のコンタクト部材9ARは、第1のガイド凹部14R1、第2のガイド凹部14R2及び第3のガイド凹部14R3の延伸する方向に沿って移動可能に支持される。
【0115】
第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARは独立した部品であり、それぞれが独立して作動可能である。
【0116】
また、第2のコンタクト部材9ARは、第1のガイド凸部94AR1と第1のガイド凹部14R1等、第2のコンタクト部材9ARの移動をガイドする部位と、ばね95ARが第2のカバー部12Rで覆われる。更に、第2のコンタクト部材9ARは、当接部91ARと作用部92ARが、第2のカバー部12Rから露出する。
【0117】
また、第2のコンタクト部材9ARは、当接部91ARが、第2の側壁部11Rの第2の当接部13Rから突出する方向へ、ばね95ARで付勢される。更に、第2の側壁部11Rに第2のカバー部12Rが取り付けられると、規制部18pRが位置決めピン16pの端部と対向し、位置決めピン16pの抜けが抑制される。
【0118】
次に、一対のコンタクト部材を検知する構成について説明する。第2の本体部302は、センサ取り付け部310を備える。センサ取り付け部310は、図12に示すように、第2の本体部302の上面部302Uに凹状となる開口を設けて構成され、センサ基板ユニット311が露出する形態で取り付けられる。
【0119】
センサ基板ユニット311は、第1のコンタクト部材9ALの検知部93ALを検知する第1のセンサ312Lと、第2のコンタクト部材9ARの検知部93ARを検知する第2のセンサ312Rを備える。
【0120】
第1のセンサ312Lは、例えば磁気センサで構成され、検知部93ALの有無で出力が変化する。第1のコンタクト部材9ALがカバーガイド部11に取り付けられると、検知部93ALがセンサ取り付け部310に入る。また。第1のコンタクト部材9ALが矢印A1で示す第1の方向に移動すると、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非接触で対向する位置と、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置との間を移動する。
【0121】
本例では、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置となる。また、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置となる。なお、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置となり、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置を通過するようにしてもよい。また、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置となり、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置となるようにしてもよい。
【0122】
第2のセンサ312Rは、例えば磁気センサで構成され、検知部93ARの有無で出力が変化する。第2のコンタクト部材9ARがカバーガイド部11に取り付けられると、検知部93ARがセンサ取り付け部310に入る。また。第1のコンタクト部材9ALが矢印A1で示す第1の方向に移動すると、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非接触で対向する位置と、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置との間を移動する。
【0123】
本例では、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置となる。また、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置となる。なお、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置となり、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置を通過するようにしてもよい。また、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置となり、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置となるようにしてもよい。
【0124】
図16は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の機能ブロック図である。鉄筋結束機1Aは、第1のコンタクト部材9ALが鉄筋Sに押し付けられる動作で検知部93ALを検知する第1のセンサ312Lと、第2のコンタクト部材9ARが鉄筋Sに押し付けられる動作で検知部93ARを検知する第2のセンサ312Rと、鉄筋結束機1Aの向きを検知する向き検知センサ350等の出力を制御部100Aで検知する。
【0125】
制御部100Aは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rの出力と、向き検知センサ350の出力に従い、送りギア30を駆動する送りモータ31と、捩り部7等を駆動する捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。
【0126】
本例では、第1のコンタクト部材9ALが、図1A等に示す待機位置に移動した状態では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置となる。この状態での第1のセンサ312Lの出力をオフとする。また、第1のコンタクト部材9ALが、図1Cに示す作動位置に移動した状態では、検知部93ARが第1のセンサ312Lと対向する位置となる。この状態での第1のセンサ312Lの出力をオンとする。なお、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動することで、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置を通過するようにした構成では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置に移動すると、第1のセンサ312Lの出力をオンとする。更に、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置を通過しても、第1のセンサ312Lの出力をオンのまま保持する。また、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動することで、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置となり、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動することで、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置となるようにした構成では、検知部93ALが第1のセンサ312Lと対向する位置で、第1のセンサ312Lの出力をオフとする。更に、検知部93ALが第1のセンサ312Lと非対向の位置に移動すると、第1のセンサ312Lの出力をオンとする。
【0127】
また、第2のコンタクト部材9ARが、図1Bに示す待機位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置となる。この状態での第2のセンサ312Rの出力をオフとする。また、第2のコンタクト部材9ARが、図1Dに示す作動位置に移動した状態では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置となる。この状態での第2のセンサ312Rの出力をオンとする。なお、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動することで、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置を通過するようにした構成では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置に移動すると、第2のセンサ312Rの出力をオンとする。更に、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置を通過しても、第2のセンサ312Rの出力をオンのまま保持する。また、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動することで、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置となり、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動することで、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置となるようにした構成では、検知部93ARが第2のセンサ312Rと対向する位置で、第2のセンサ312Rの出力をオフとする。更に、検知部93ARが第2のセンサ312Rと非対向の位置に移動すると、第2のセンサ312Rの出力をオンとする。
【0128】
更に、鉄筋結束機1Aの向きが、ガイド部5Aが下を向いた所定の結束許容範囲内にある状態での向き検知センサ350の出力をオンとし、鉄筋結束機1Aの向きが、所定の結束許容範囲外にある状態での向き検知センサ350の出力をオフとする。
【0129】
図17Aは、第1の実施の形態の向き検知センサを示す斜視図である。第1の実施の形態の向き検知センサ350Aは、加速度センサ351と、加速度センサ351による検出の有無を切り替えるスイッチ352と、スイッチ352のオンとオフを切り替える操作部353を備える。
【0130】
向き検知センサ350Aは、第2の本体部302に設けられる。本例では、図1Aに示す電装部360に向き検知センサ350Aが設けられる。電装部360には、制御部100A、送りモータ31及び捩じりモータ80を駆動する回路、部品等が実装される基板が収納される。
【0131】
加速度センサ351は、少なくとも1軸方向の加速度を検知することで、鉄筋結束機1Aの向きを検知する。操作部353でスイッチ352のオンとオフを切り替えることで、加速度センサ351による検知を有効とするか、無効とするかが切り替えられる。
【0132】
図17Bは、第2の実施の形態の向き検知センサを示す斜視図である。第2の実施の形態の向き検知センサ350Bは、フォトセンサ354と、フォトセンサ354に検知される振り子355と、振り子355の作動の有無を切り替える操作部356を備える。
【0133】
向き検知センサ350Bは、第2の本体部302に設けられる。本例では、図1Aに示す電装部360に向き検知センサ350Bが設けられる。
【0134】
振り子355は、鉄筋結束機1Aの向きに応じて、軸355aを支点に回転し、フォトセンサ354での検知の有無が切り替えられることで、鉄筋結束機1Aの向きを検知する。操作部356で振り子355の作動の有無を切り替えることで、フォトセンサ354による検知を有効とするか、無効とするかが切り替えられる。
【0135】
次に、鉄筋結束機1Aにより鉄筋SをワイヤWで結束する動作について説明する。作業者は、鉄筋結束機1Aのハンドル部304hL、304hLを両手で把持し、2本の鉄筋Sの交差箇所にガイド部5Aの位置を合わせ、挿抜口53に鉄筋Sを入れる。
【0136】
鉄筋結束機1Aは、作業者の足元の鉄筋Sを結束するため、ガイド部5Aを下に向け、作業者が立った状態で使用される。第2のガイド52が第2の位置に移動している状態では、第2のガイド52が第1の位置に移動している状態と比較して、矢印A2で示す第2の方向に沿った挿抜口53の間隔が狭い。このため、鉄筋Sの挿入時に、第2のガイド52が第2の位置に移動している従来の結束機では、鉄筋Sを挿抜口53に入れにくい。そこで、鉄筋結束機1Aは、挿抜口53に鉄筋Sが入れられていない状態では、図1A図1B等に示すように、第2のガイド52が第1の位置に移動し、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Aの端部51cとの間隔が広がる。また、鉄筋結束機1Aは、第1のガイド51Aの先端側に、鉄筋Sを挿抜口53に誘導する形状の誘導部59が設けられる。これにより、作業者は、鉄筋Sを誘導部59に当て、鉄筋Sの上を誘導部59が滑るように移動させることができるため、挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
【0137】
第1のガイド51Aと第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを挿入する動作では、鉄筋結束機1Aは、矢印A1で示す第1の方向に移動する。この鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により、第1のコンタクト部材9ALは、当接部91ALが矢印A1で示す第1の方向に沿った力で押され、作動位置に移動する。また、第2のコンタクト部材9ARは、当接部91ARが矢印A1で示す第1の方向に沿った力で押され、作動位置に移動する。
【0138】
第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動すると、第1のセンサ312Lの出力がオフからオンに変化する。また、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動すると、作用部92ALが第1のリンク部材96Lの被作用部97Lを押すことで、第1のリンク部材96Lが軸96Aを支点に回動する。軸96Aを支点とした第1のリンク部材96Lの回動で、作用軸98Aが第1のガイド51Aに近づく方向へ移動する。これにより、作用軸98Aが第2のガイド52の受け部56を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。
【0139】
第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動すると、第2のセンサ312Rの出力がオフからオンに変化する。また、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動すると、作用部92ARが第2のリンク部材96Rの被作用部97Lを押すことで、第2のリンク部材96Rが軸96Aを支点に回動する。軸96Aを支点とした第2のリンク部材96Rの回動で、作用軸98Aが第1のガイド51Aに近づく方向へ移動する。これにより、作用軸98Aが第2のガイド52の受け部56を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。
【0140】
なお、リンク部96は、第1のリンク部材96Lと第2のリンク部材96Rが連結されていることから、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARのどちらか一方が作動位置に移動すると、第2のガイド52が第2の位置に移動する。
【0141】
図18は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の結束許容範囲を示す説明図、図19Aは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の動作の一例を示すフローチャートであり、次に、鉄筋結束機1Aにより鉄筋SをワイヤWで結束する動作の一例について説明する。
【0142】
制御部100Aは、図19AのステップSA1で、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1で、向き検知センサ350(350Aまたは350B)がオンであるか否かを検知する。
【0143】
制御部100Aは、向き検知センサ350がオンとなり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1である状態で、図19AのステップSA2で、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動したことにより第1のセンサ312Lがオンであることを検知すると、ステップSA3で、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。
【0144】
または、制御部100Aは、向き検知センサ350がオンとなり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1である状態で、図19AのステップSA2で、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動したことにより第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、ステップSA3で、一連の動作を実行する。
【0145】
更に、制御部100Aは、向き検知センサ350がオンとなり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1である状態で、図19AのステップSA2で、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動したことにより第1のセンサ312Lがオンであることを検知し、かつ、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動したことにより第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、ステップSA3で、一連の動作を実行するようにしてもよい。
【0146】
ここで、2本の鉄筋Sの向きによっては、鉄筋Sが第1のコンタクト部材9ALまたは第2のコンタクト部材9ARのどちらかには接するが、他方には接しない場合がある。このような場合、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312Rのどちらかのオンで結束動作を実行できるようにすれば、結束動作を確実に実行できる。
【0147】
制御部100Aは、向き検知センサ350がオンではない、すなわち、向き検知センサ350がオフであり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲外E2である状態で、図19AのステップSA4で、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動したことにより第1のセンサ312Lがオンであることを検知すると、ステップSA5で、図示しないランプの点灯、音の等により、結束動作が実行できない旨を通知する。
【0148】
または、制御部100Aは、向き検知センサ350がオンではない、すなわち、向き検知センサ350がオフであり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲外E2である状態で、図19AのステップSA4で、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動したことにより第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、ステップSA5で、図示しないランプの点灯、音の等により、結束動作が実行できない旨を通知する。
【0149】
更に、制御部100Aは、向き検知センサ350がオンではない、すなわち、向き検知センサ350がオフであり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲外E2である状態で、図19AのステップSA4で、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動したことにより第1のセンサ312Lがオンであることを検知し、かつ、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動したことにより第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、ステップSA5で、図示しないランプの点灯、音の等により、結束動作が実行できない旨を通知するようにしてもよい。
【0150】
制御部100Aは、結束不可通知後、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動したことにより第1のセンサ312Lがオフであることを検知し、かつ、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動したことにより第2のセンサ312Rがオフであることを検知し、更に、電源スイッチ110の操作により電源の切断、投入が行われると、ステップSA1に戻る。そして、向き検知センサ350がオンとなり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1である状態で、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの何れかまたは両方が作動位置に移動したことにより、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、結束動作を実行する。
【0151】
または、制御部100Aは、結束不可通知後、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動したことにより第1のセンサ312Lがオフであることを検知し、かつ、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動したことにより第2のセンサ312Rがオフであることを検知すると、ステップSA1に戻る。そして、向き検知センサ350がオンとなり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1である状態で、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの何れかまたは両方が作動位置に移動したことにより、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、結束動作を実行する。
【0152】
あるいは、制御部100Aは、結束不可通知後、ステップSA1に戻る。そして、向き検知センサ350がオンとなり、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1である状態で、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの何れかまたは両方が作動位置に移動したことにより、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、結束動作を実行する。
【0153】
図19Bは、第1の実施の形態の鉄筋結束機の動作の他の例を示すフローチャートであり、次に、鉄筋結束機1Aにより鉄筋SをワイヤWで結束する動作の他の例について説明する。
【0154】
制御部100Aは、図19BのステップSB1で、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの何れかまたは両方が作動位置に移動したことにより、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知した状態で、図19BのステップSB2で、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1で、向き検知センサ350がオンであるか否かを検知する。
【0155】
制御部100Aは、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知した状態で、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1であることにより向き検知センサ350がオンであることを検知すると、ステップSB3で、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。
【0156】
制御部100Aは、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知した状態で、向き検知センサ350がオンではない、すなわち、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲外E2であり、向き検知センサ350がオフであることを検知すると、ステップSB4で、図示しないランプの点灯、音の等により、結束動作が実行できない旨を通知する。
【0157】
制御部100Aは、結束不可通知後、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動したことにより、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオフであることを検知し、更に、電源スイッチ110の操作により電源の切断、投入が行われると、ステップSB1に戻る。そして、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知し、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1であり、向き検知センサ350がオンであることを検知すると、結束動作を実行する。
【0158】
または、制御部100Aは、結束不可通知後、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動したことにより、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオフであることを検知すると、ステップSB1に戻る。そして、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知し、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1であり、向き検知センサ350がオンであることを検知すると、結束動作を実行する。
【0159】
あるいは、制御部100Aは、結束不可通知後、ステップSB1に戻る。そして、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知し、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲内E1であり、向き検知センサ350がオンであることを検知すると、結束動作を実行する。
【0160】
なお、制御部100Aは、鉄筋結束機1Aの向きが所定の結束許容範囲外E2であり、向き検知センサ350がオフであることを検知した状態で、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの何れかまたは両方が作動位置に移動することにより、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312R、あるいは、第1のセンサ312L及び第2のセンサ312Rがオンであることを検知すると、第1のセンサ312Lと第2のセンサ312Rのオンとオフの組み合わせで、鉄筋結束機1Aの各種設定を行えるようにしてもよい。
【0161】
また、制御部100Aは、向き検知センサ350(350A、350B)の検知を無効とした状態では、結束動作を実行せず、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの動作による第1のセンサ312Lと第2のセンサ312Rのオンとオフの組み合わせで、鉄筋結束機1Aの設定を可能としてもよい。更に、制御部100Aは、向き検知センサ350(350A、350B)の検知を有効とした状態で、向き検知センサ350(350A、350B)の出力から向きを検知できない場合は、向き検知センサ350(350A、350B)の故障が発生していると判断し、通知を行うようにしてもよい。
【0162】
また、結束許容範囲を切り替えられるようにしてもよい。例えば、鉄筋結束機1Aには、結束力を調整できるダイヤル等の操作部111が設けられており、この操作部111を利用して、結束許容範囲を切り替えられるようにしてもよい。また、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの動作による第1のセンサ312Lと第2のセンサ312Rのオンとオフの組み合わせ、電源スイッチ110の操作による電源のオン、オフ等で、結束許容範囲を切り替えられるようにしてもよい。更に、操作部111の操作、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの動作による第1のセンサ312Lと第2のセンサ312Rのオンとオフの組み合わせ、電源スイッチ110の操作による電源のオン、オフ等の組み合わせで、結束許容範囲を切り替えられるようにしてもよい。これにより、結束許容範囲を作業環境、作業現場に適した設定にすることができる。例えば、作業者(使用者)に対して下方向だけでなく、横方向や、上方向にある鉄筋S(結束対象物)を結束する設定とすることができる。結束許容範囲を作業環境、作業現場に合った設定にすることで、作業者(使用者)が意図しない結束や、鉄筋S(結束対象物)に対して好ましくない角度での結束を抑止することができる。
【0163】
ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作の一例について説明すると、送りモータ31が正方向に回転し、送りギア30が正方向に回転することで、ワイヤWが矢印Fに示す正方向に送られる。送り部3で正方向に送られるワイヤWは、規制部4を構成する第1の規制部材である固定刃部60と、第2の規制部材である規制部材42を通る。規制部材42を通過したワイヤWは、第1のガイド51Aのガイド面51gに接することで、第3の規制部材である規制部材43に案内される。
【0164】
これにより、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、固定刃部60、規制部材42、規制部材43と、第1のガイド51Aのガイド面51gに接することで円弧状に曲げられる。そして、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、円弧状の外周方向から固定刃部60と規制部材43が接し、固定刃部60と規制部材43との間で、円弧状の内周方向から規制部材42が接することで、略円を描く巻き癖が付けられる。
【0165】
第1のガイド51Aの端部51cと、第2のガイド52の端部52cの間は、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態で、所定の間隔が空く。但し、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、一対のサイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfに位置しており、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、上述したように規制部4で巻き癖が付けられるので、第2のガイド52の一対のサイドガイド52aの間に案内される。
【0166】
第2のガイド52の一対のサイドガイド52aの間に案内されるワイヤWは、送り部3で正方向に送られることにより、第2のガイド52の一対のサイドガイド52aで捩り部7の係合部70に案内される。そして、制御部100Aは、ワイヤWの先端部が所定の位置まで送られたと判断すると、送りモータ31の駆動を停止する。これにより、ワイヤWが鉄筋Sの周囲でらせん状に巻かれる。
【0167】
制御部100Aは、ワイヤWの正方向への送りを停止した後、捩りモータ80を正方向に回転させる。捩りモータ80を正方向に回転させることで、作動部71により係合部70を作動させ、係合部70でワイヤWの先端側を保持する。
【0168】
制御部100Aは、係合部70でワイヤWを保持するまで、捩りモータ80を回転させたと判断すると、捩りモータ80の回転を停止し、送りモータ31を逆方向に回転させる。係合部70でワイヤWを保持するまで、捩りモータ80を回転させると、移動部材83の動きが伝達機構44で規制部材42に伝達され、規制部材42がワイヤと接しない位置に移動する。
【0169】
送りモータ31が逆方向に回転すると、送りギア30が逆方向に回転し、ワイヤWが矢印Rに示す逆方向に送られる。ワイヤWを逆方向に送る動作で、ワイヤWは鉄筋Sに密着されるようにして巻き付けられる。
【0170】
制御部100Aは、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるまで、送りモータ31を逆方向に回転させたと判断すると、送りモータ31の回転を停止させた後、捩りモータ80を正方向に回転させる。捩りモータ80を正方向に回転させることで、移動部材83により伝達機構62を介して可動刃部61が作動し、ワイヤWが切断される。
【0171】
ワイヤWが切断された後、捩りモータ80の正方向の回転を継続することで係合部70を回転させ、ワイヤWを捩じる。
【0172】
制御部100Aは、ワイヤWを捩じるまで、捩りモータ80を正方向に回転させたと判断すると、捩りモータ80を逆方向に回転させる。捩りモータ80を逆方向に回転させることで、係合部70を初期位置に復帰させ、ワイヤWの保持を解除する。これにより、鉄筋Sを結束したワイヤWを係合部70から抜くことが可能になる。
【0173】
制御部100Aは、係合部70等を初期位置に復帰させるまで、捩りモータ80を逆方向に回転させたと判断すると、捩りモータ80の回転を停止させる。
【0174】
作業者は、ワイヤWで結束された鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる。鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、第1のコンタクト部材9ALの当接部91ALを押す力が掛からなくなると、ばね95ALの力で、第1のコンタクト部材9ALが待機位置に移動する。また、第2のコンタクト部材9ARの当接部91ARを押す力が掛からなくなると、ばね95ARの力で、第2のコンタクト部材9ARが待機位置に移動する。更に、付勢部材54の力で、第2のガイド52が第2の位置から第1の位置に移動する。
【0175】
作業者が、ワイヤWで結束された鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、第2のガイド52が第1の位置に移動し、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの間隔が広がる。これにより、挿抜口53から鉄筋Sを抜くことや、次の結束箇所への移動がより容易になる。
【0176】
<第1の実施の形態の鉄筋結束機の作用効果例>
鉄筋結束機1Aでは、第1のコンタクト部材9ALが作動位置に移動したことを第1のセンサ312Lで検知し、第2のコンタクト部材9ARが作動位置に移動したことを第2のセンサ312Rで検知して、結束動作が実行される。更に、鉄筋結束機1Aの向きに応じて、結束動作の実行の有無が切り替えられる。これにより、ハンドル部304hL、304hRに操作部を備えていない構成で、操作が簡単になるとともに、誤動作の発生を抑制できる。なお、鉄筋結束機1Aの向きによらず、第1のセンサ312Lまたは第2のセンサ312Rのどちらかのオンで結束動作を実行できるようにしてもよい。
【0177】
第1の当接部13Lと第2の当接部13Rが第2の本体部302に取り付けられ、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARが第2の本体部302に移動可能に支持される構成では、第1の当接部13Lと第2の当接部13Rの取り付け位置と、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの取り付け位置との間の公差が大きくなる可能性がある。このような場合、鉄筋Sが第1の当接部13Lまたは第2の当接部13Rに突き当てられた状態で、第1のコンタクト部材9ALまたは第2のコンタクト部材9ARが作動位置まで移動できない可能性がある。第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARが作動位置まで移動できないと、結束動作を実行できない。
【0178】
そこで、鉄筋結束機1Aでは、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARが、第1の当接部13L及び第2の当接部13Rを備えたカバーガイド部11に移動可能に支持される。これにより、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの移動量が、カバーガイド部11で規定されるので、鉄筋Sが第1の当接部13Lまたは第2の当接部13Rに突き当てられる位置となるまでに、この鉄筋Sに突き当てられて移動する第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの移動量を、あらかじめ規定された範囲とすることができる。よって、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARを、確実に作動位置まで移動させることができる。
【0179】
また、カバーガイド部11は、第1のコンタクト部材9ALが取り付けられる第1の側壁部11Lと、第2のコンタクト部材9ARが取り付けられる第2の側壁部11Rが、接続部11Uで一体に構成されるので、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARとの間の位置精度を向上させることができる。
【0180】
更に、カバーガイド部11は、第1のガイド51Aの基端側と第2のガイド52の基端側との間で、第2の本体部302の前側の端部の一部または全部と、第2の本体部302の前側の左右両側の一部と、第2の本体部302の上面を覆う形状である。第2の本体部302が樹脂で構成されるのに対し、カバーガイド部11が金属で構成されることで、鉄筋Sが当接しても、第2の本体部302の磨耗や損傷を低減することができる。
【0181】
第1のコンタクト部材9ALの移動をガイドする第1のガイド凹部14L1、第2のガイド凹部14L2及び第3のガイド凹部14L3と、第1のコンタクト部材9ALを付勢するばね95ALが、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に沿った同軸Bx上に配置される。これにより、第1のコンタクト部材9ALの移動方向に対して第1のコンタクト部材9ALを傾けようとする力が加わった場合に、第1のコンタクト部材9ALが傾くことが抑制され、第1のコンタクト部材9ALを確実に動作させることが可能である。特に、作動位置に移動した第1のコンタクト部材9ALを、ばね95ALで確実に待機位置に移動させることができる。第2のコンタクト部材9ARについても同様である。
【0182】
また、カバーガイド部11は、第1の側壁部11Lに第1のカバー部12Lが取り付けられると、第1のガイド凹部14L1、第2のガイド凹部14L2及び第3のガイド凹部14L3と、ばね95ALが第1のカバー部12Lで覆われる。第3のガイド凹部14L3は、開口ではなく凹凸形状で構成されるので、第1のカバー部12Lの側部には、大きな開口が設けられていない。これにより、第1のコンタクト部材9ALの移動をガイドする機構に埃やごみ等が侵入することが抑制され、第1のコンタクト部材9ALを確実に動作させることが可能である。
【0183】
また、カバーガイド部11は、第2の側壁部11Rに第2のカバー部12Rが取り付けられると、第1のガイド凹部14R1、第2のガイド凹部14R2及び第3のガイド凹部14R3と、ばね95ARが第2のカバー部12Rで覆われる。第3のガイド凹部14R3は、開口ではなく凹凸形状で構成されるので、第2のカバー部12Rの側部には、大きな開口が設けられていない。これにより、第2のコンタクト部材9ARの移動をガイドする機構に埃やごみ等が侵入することが抑制され、第2のコンタクト部材9ARを確実に動作させることが可能である。
【0184】
第1のカバー部12Lは、ねじ16Lb、16Lcを外すことで、第1の側壁部11Lから取り外し可能である。第1のカバー部12Lを取り外すことで、第1のコンタクト部材9ALが露出し、第1のコンタクト部材9ALを第1の側壁部11Lに着脱することが可能である。
【0185】
第2のカバー部12Rは、ねじ16Rb、16Rcを外すことで、第2の側壁部11Rから取り外し可能である。第2のカバー部12Rを取り外すことで、第2のコンタクト部材9ARが露出し、第2のコンタクト部材9ARを第2の側壁部11Rに着脱することが可能である。
【0186】
第1のカバー部12Lと第2のカバー部12Rは独立した部品であり、第1のカバー部12Lを取り外す際には、第2のカバー部12Rを取り外す必要はない。また、第2のカバー部12Rを取り外す際には、第1のカバー部12Lを取り外す必要はない。また、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARを着脱する際に、第2の本体部302を分解する必要がない。
【0187】
更に、カバーガイド部11は、第1のカバー部12L及び第2のカバー部12Rのどちらか一方を外し、位置決めピン16pを抜き、ねじ16Raを外すことで、カバーガイド部11からリンク部96を外すことなく、第2の本体部302から取り外し可能である。カバーガイド部11を第2の本体部302から取り外すことで、図12に示すように、センサ取り付け部310に実装されたセンサ基板ユニット311が露出する。これにより、センサ基板ユニット311の保守点検が可能である。
【0188】
リンク部96は、軸96Aを介してカバーガイド部11に取り付けられる。これにより、リンク部96の取り付け位置と、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの取り付け位置との間の公差が大きくなることが抑制される。これに対し、第2のガイド52は、第2の本体部302に取り付けられる。このため、リンク部96と第2のガイド52との間の公差の影響を受けやすい。そこで、連結部98において、作用軸98Aが入る開口部98Bを、作用軸98Aより大きな形状とすることで、第2のガイド52の回転可能量に対し、軸96Aを支点としたリンク部96の回転可能量を大きくした。これにより、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARを確実に作動位置まで移動可能として、第1のセンサ312L、第2のセンサ312Rで検知可能となる。
【0189】
また、第2のガイド52とリンク部96では回転動作の軸の位置が異なる。そこで、作用軸98Aが受け部56に沿って移動できるようにすることで、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの移動量に対する第2のガイド52の回転量を適正にすることができる。
【0190】
第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARは独立した部品であり、それぞれが独立して作動可能である。また、第1のコンタクト部材9ALを検知する第1のセンサ312Lと、第2のコンタクト部材9ARを検知する第2のセンサ312Rも独立しており、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの動きを独立して検知できる。これにより、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの動作の組み合わせで、鉄筋結束機1Aの各種設定が可能となる。例えば、制御部100Aは、向き検知センサ350(350A、350B)の検知を無効とした状態では、結束動作を実行せず、第1のコンタクト部材9ALと第2のコンタクト部材9ARの動作の組み合わせで、鉄筋結束機1Aの設定を可能とする。
【0191】
図20は、センサ基板ユニットの作用効果例を示す斜視図である。センサ基板ユニット311は、第1のセンサ312Lと第2のセンサ312Rが同一の基板313に実装される。基板313は、ケース314の第1の開口部315に収容され、第1の開口部315が樹脂で封止される。ケース314は、第1の開口部315に隣接して第2の開口部316が設けられ、第1の開口部315と第2の開口部316が溝部317でつながる。これにより、第1の開口部315を樹脂で封止する際に、樹脂の余剰分が溝部317を通り第2の開口部316に流れ、第1の開口部315が、適切な量の樹脂で封止される。
【0192】
<鉄筋結束機の変形例>
図21は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す斜視図である。第2の実施の形態の鉄筋結束機1Bは、本体部10の一方の側に第1のガイド51Bと第2のガイド52Bを備えたガイド部5Bが設けられる。鉄筋結束機1Bは、本体部10の他方の側にハンドル部10hが突出する形態で設けられ、ハンドル部10hの前側に、鉄筋結束機1Bを作動させる操作を受けるトリガ10tが設けられる。
【0193】
鉄筋結束機1Bは、上述した第1のコンタクト部材9ALと、第2のコンタクト部材9ARと、第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARが移動可能に取り付けられるカバーガイド部11を備える。また、カバーガイド部11に取り付けられる第1のカバー部12Lと第2のカバー部12Rを備える。
【0194】
第1のコンタクト部材9AL及び第2のコンタクト部材9ARと、カバーガイド部11の構成は、第2のガイド52Bを作動させる機構を備えていない点を除き、第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aと同様でよい。
【0195】
鉄筋結束機1Bでは、第2のガイド52Bは、図示しないばねで付勢されて第2の位置にあり、外力が加わると、第1の位置に退避可能な構成である。
【0196】
図22は、第3の実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す斜視図である。第3の実施の形態の鉄筋結束機1Cは、第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aの第2の本体部302を、ロボットアーム370に取り付けた構成である。
【符号の説明】
【0197】
1A、1B、1C・・・鉄筋結束機、301・・・第1の本体部、302・・・第2の本体部、302L・・・側部、302R・・・側部、302U・・・上面部、303・・・連結部、10・・・本体部、10h・・・ハンドル部、10t・・・トリガ、2・・・収容部、3・・・送り部、4・・・規制部、5A、5B・・・ガイド部、51A、51B・・・第1のガイド、52、52B・・・第2のガイド、53・・・挿抜口、54・・・付勢部材、56・・・受け部、6・・・切断部、7・・・捩り部、8・・・駆動部、9AL・・・第1のコンタクト部材(移動部)、9AR・・・第2のコンタクト部材(移動部)、90AL、90AR・・・被ガイド部、91AL、91AR・・・当接部、92AL、92AR・・・作用部、93AL、93AR・・検知部、94AL1、94AR1・・・第1のガイド凸部、94AL2、94AR2・・・第2のガイド凸部、94AL3、94AR3・・・第3のガイド凸部、94AL4、94AR4・・・ばね取付部、95AL、95AR・・・ばね、96・・・リンク部(ガイド移動部)、96A・・・軸、96L、96R・・・リンク部材、97L、97R・・・被作用部、98A・・・作用軸、98B・・・開口部、98C・・・ばね、11・・・カバーガイド部、11L・・・第1の側壁部、11R・・・第2の側壁部、11U・・・接続部、12L・・・第1のカバー部(カバー部)、12R・・・第2のカバー部(カバー部)、13L・・・第1の当接部、13R・・・第2の当接部、14L1、14R1・・・第1のガイド凹部、14L2、14R2・・・第2のガイド凹部、14L3、14R3・・・第3のガイド凹部、15L1、15R1・・・ばね支持部、100A・・・制御部、110・・・電源スイッチ、111・・・操作部、312L・・・第1のセンサ、312R・・・第2のセンサ、350・・・向き検知センサ、W・・・ワイヤ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
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図7
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図19B
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図22