(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124509
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】経頭蓋電流ループ刺激デバイス
(51)【国際特許分類】
A61N 1/372 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61N1/372
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024108696
(22)【出願日】2024-07-05
(62)【分割の表示】P 2021529230の分割
【原出願日】2019-07-29
(31)【優先権主張番号】62/711,915
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521044305
【氏名又は名称】エピック ニューロ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ウィリアム フィリップス
(57)【要約】
【課題】経頭蓋電流ループ刺激デバイスの提供。
【解決手段】人の脳に電気刺激を提供するデバイスが説明され、デバイスは、1または複数のモジュールを備え、各モジュールは、植え込み型パルス生成器(IPG)と、少なくとも1つの頭蓋下電極を有するリードとを備え、リードは、脳の表面内にまたは脳の表面の近くに延在する。各モジュールIPGは、バッテリと皮下電極とを備える。各モジュールは、穿頭孔内に挿入され、シールが、空間を充電して、皮下電極と頭蓋下電極との間の電流の流れを最小化する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(相互参照)
本願は、2018年7月30日に出願された仮特許出願62/711,915号(Attorney Docket No. 51576-705.101)の利益を主張し、その開示全体が参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
(本発明の背景)
電気的脳刺激は、てんかん、片頭痛、線維筋痛、昏睡、大うつ病、卒中リハビリテーション、およびパーキンソン病を含む数多くの脳障害のために潜在的に有効な処置であることが示されており、皮質脳波検査および皮質刺激マッピング(CSM)においても用いられる。伝統的な脳深部刺激法(DBS)は、鎖骨の近くの皮膚の下に配置される植え込み式パルス生成器(IPG)の植え込みを伴う神経外科的手技である。IPGは、バッテリ駆動であり、リードを通じて電気パルスを送り、リードは、皮膚の下で患者の頭頂部の近くの領域へ送られ、頭頂部でリードは2つのリードに分離し、各リードは、その先端の近くに固有の電極のセットを有する。リードは、2つの穿頭孔を介して頭蓋骨を通って進み、標的領域が2つの電極間にあるように植え込まれる。脳深部刺激法は、本態性振戦、パーキンソン病、筋失調症、強迫性障害、およびてんかんの処置のためにFDAによって承認されている。
【0003】
伝統的なDBSシステムは、患者および医師にとって不利である。植え込み手技は、持続時間が数時間であり、長期の回復時間を伴う傾向がある。トンネルリードは、かなりの痛みおよび不快感を患者に与える。IPGは、感染症を生じやすいポケット切開を必要とする。IPG自体は、患者が胸部でIPGを粗雑に扱う「回転因子」の影響を受けやすい。IPGは、胸部において目に見え、見苦しいことがある。デバイスは、除去することが非常に困難である。IPGは、バッテリ消耗に起因して定期的に交換されなければならない。IPGの交換の問題は、再充電可能バッテリを有することによって回避され得るが、他の欠点は依然として問題が多い。
【0004】
トンネルリードによって胸部に植え込まれるIPGを伴わないDBSを有することが有利であり得る。その代わりに、ある者は、モジュール式IPGを作り出し得、モジュールIPGは、患者の頭部中の穿頭孔の内側の空間に植え込まれ、脳上でまたはその中へ延在するリード、および皮下電極を有する。2モジュール式IPGが互いの近くに植え込まれる場合、2つのIPGからの電気パルスが同期され得、それによって、パルスが追加し、1つのモジュール式IPG、脳標的、もう一方のモジュール式IPGを通り、それから頭皮を通って第1のモジュール式IPGに戻る電流ループを作り出す。そのようなシステムは、(IPGのうちの2つが負荷を共有するので)IPGがより小さいことがあり得、手術はトンネルリードおよびポケット切開を用いずより単純であるという点で、既存のDBSテクノロジよりいくつかの利点を有し得る。回復時間はより短い。デバイスは、遥かに容易に除去可能であり、患者に視認されない。IPGが再充填可能なバッテリを有する場合、バッテリ交換は要求されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本発明の簡単な概要)
広い観点において、本発明は、人の脳に電気刺激を提供し、デバイスは、第1のモジュールと第2のモジュールとを備え、各モジュールは、(a)ケースと、(b)シールと、(c)バッテリと、(d)少なくとも1つの頭蓋下電極を有するリードと、(e)皮下電極と、(f)制御論理を実装する制御回路とを備え、バッテリおよび制御回路は、ケースの内側に含まれ、あるパルス周波数、パルス振幅、パルス幅、およびデューティーサイクルで電気パルスを生成するように構成され、ケースは、頭蓋骨中の穿頭孔または開頭内の空間を占めるように構成され、リードは、脳の近くまたは脳内に延在するように構成され、皮下電極は、頭蓋骨の上かつ頭皮の下にあるように構成され、シールは、ケースと穿頭孔または開頭の辺とのギャップを充填して、少なくとも1つの頭蓋下電極と皮下電極との間の電流を最小化するように構成される。
【0006】
2つのモジュールは、穿頭孔または開頭を通して植え込まれ得、各モジュールからの電気パルスは、加算的な刺激を提供するように同期される。一側面では、モジュールは各々、頭蓋骨中の穿頭孔または開頭を通して植え込まれ、各モジュールのプログラムされた論理を有する制御回路は、モジュール間の電気パルスを同期するように構成され、それによって、電流はループを形成し、ループは、電流が少なくとも1つの刺激標的を通って頭蓋骨の内側および外側を流れることを可能とする。
【0007】
バッテリは、再充電可能であり得、このことは、手術を伴うバッテリまたはモジュールの交換の必要性を省き得る。バッテリは、数日、数週、数月の間の刺激を確実にするために十分な電力を提供するように選択され得、これは、人が臨床医への定期的来院中に各モジュールのバッテリを再充電することを可能とする。一側面では、バッテリは、再充電可能であり、各モジュールは、コイルと再充電回路とをさらに備え、コイルおよび再充電回路は、外部磁場生成器との磁気誘導結合を通じてバッテリを再充電するように構成される。
【0008】
第1のモジュールおよび第2のモジュールは、別々に維持され、脳および頭皮を含む電流ループを形成する。しかし、モジュールの皮下電極を共に接続するために導線が用いられ得、導線は、頭皮からのインピーダンス寄与を除去し得る。これは、モジュールの要求される電圧を低減させ得、寿命を向上させ得る。しかし、導線は、手術の複雑性および潜在的副作用を増加させるトンネルワイヤを伴い得る。一側面では、デバイスは、第1のモジュールおよび第2のモジュールの皮下電極を共に接続する導線をさらに備える。この場合、皮下電極は、頭皮組織に直接接触する必要はなく、これは、1つのモジュールからもう一方への頭皮下での1つの連続的遮蔽電流経路を可能とする。
【0009】
各モジュールのリードは、1または複数の電極を含む。病気の原因である脳の領域が正確に標的とされる有効な刺激を確実にすることが重要である。いくつかの例では、外科医は、最適な刺激場所を知らない。したがって、各リード内に複数の電極を含み、選択された領域を有効に標的とし、脳の生理的健康または心理的健康の改善をもたらすために、臨床医が各リード内の1または複数のアクティブ電極を特定することを可能とすることがしばしば有利である。一側面では、プログラムされた論理を有する制御回路は、複数の頭蓋下電極のうちの1または複数をアクティブであるように選択するようにさらに構成される。
【0010】
デバイスのモジュールが植え込まれるとき、人、臨床医、または介護者に、デバイスに関する情報を知らせることが必要であり得る。一側面では、第1のモジュールは、人、臨床医、または介護者に音響情報を提供するように構成されたスピーカをさらに備える。情報のタイプは、デバイスステータスおよびプログラミングパラメータを含み得る。一側面では、音響情報は、バッテリレベル、パルス周波数、パルス振幅、パルス幅、デューティーサイクル、第1のモジュールのアクティブ電極、第2のモジュールのアクティブ電極、充電ステータス、および治療ステータスを備える。音響情報は、スピーカまたは圧電性結晶を用い得る。音響信号のフォーマットは、各種の形式をとり得る。一側面では、音響情報は、デコードされることが可能な一連の発信音、ティック、または音色として生成される。
【0011】
情報がプログラマからデバイスに、またはデバイスからプログラマに渡るために、デバイスがアンテナを含むことが必要であり得る。一側面では、各モジュールは、アンテナをさらに備え、アンテナは、外部プログラマからデータを受信し、または外部プログラマにデータを送信し得る。プログラマは、例えば、処置パラメータをプログラムし、治療を開始し、治療を終了し、刺激パルスを同期し、またはデバイスからの情報を要求するために用いられ得る。一側面では、各モジュールの制御論理は、外部プログラマからのコマンドに基づいてモジュールの処置パラメータをプログラムするように構成され、処置パラメータは、アクティブ電極選択、パルス周波数、パルス振幅、パルス幅、デューティーサイクル、治療開始および治療中止を備える。一側面では、各モジュールの制御論理は、外部プログラマに情報を提供するように構成され、情報は、バッテリレベル、パルス周波数、パルス振幅、パルス幅、デューティーサイクル、第1のモジュールのアクティブ電極、第2のモジュールのアクティブ電極、充電ステータス、および治療ステータスを備える。
【0012】
刺激に加えて、人の脳の脳波図(EEG)を記録することが必要であり得る。EEGデータは、刺激パラメータを調節するためにプログラムされた論理を有する制御回路によって用いられ得る。EEGデータも、分析または診断のために外部プログラマに送信され得る。一側面では、デバイスは、デバイスが人のEEGを記録することを可能とするEEG増幅器とアナログ-デジタル変換器とをさらに備える。使用または送信のためにEEGを記憶するために、ストレージメモリがデバイス内に組み込まれ得る。一側面では、デバイスは、人のEEGを記憶するように構成されたメモリと、送信アンテナとをさらに備え、プログラムされた論理を有する制御回路は、送信アンテナを通じて記憶されたEEGを送信する。
【0013】
外部プログラマを使用せずデバイス内の活動を開始することが必要であり得る。これを行うための1つの手段は、外部永久磁石を用いることであり、外部永久磁石は、永久磁石がモジュールの近くの頭皮近傍に来たときにデバイス内の磁気スイッチを作動させる。例えば、外部永久磁石を用いて、EEGの記録が開始され、中止され、もしくは終えられ、または、刺激が開始されもしくは停止させられ得る。一側面では、デバイスは、磁気スイッチをさらに備え、EEGの記録の開始または停止は、人が永久磁石を磁気スイッチの近傍に置くことによってか、または人が永久磁石を磁気スイッチから離して移動させることによって制御される。一側面では、デバイスは、磁気スイッチをさらに備え、刺激の開始または停止は、人が永久磁石を磁気スイッチの近傍に置くことによってか、または人が永久磁石を磁気スイッチから離して移動させることによって制御される。そのような永久磁石は、要求されるときの使用のために人のポケットにいれて持ち運ばれ得る。
【0014】
人の脳の特定の表域を標的とするためのデバイスの電極の位置付けは、心的障害の処置を可能とし、人の生理的または心理的状況を改善する。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が視床の前核内または視床の前核の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、てんかんの処置を可能とする。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が側坐核内または側坐核の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、アルコールまたはオピオイド等による中毒の処置を可能とする。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が視床下核もしくは淡蒼球内節の中または視床下核もしくは淡蒼球内節の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、パーキンソン病または他の運動障害の処置を可能とする。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が海馬内または海馬の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、うつ病またはてんかんの処置を可能とする。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が梁下帯状回内または梁下帯状回の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、うつ病の処置を可能とする。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が下垂体の前核内または下垂体の前核の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、ホルモン生産を刺激し得る。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が中脳網様体もしくは非特異視床核の中または中脳網様体もしくは非特異視床核の近くにあるように植え込まれるように構成され、これは、遷延性植物状態または昏睡の処置を可能とする。一側面では、各モジュールのリードは、頭蓋下電極のうちの1または複数が皮質内または皮質の近くにあるように植え込まれるように構成される。皮質標的の刺激は、うつ病、不安、心的外傷後ストレス障害、自閉症、脳外傷、卒中を含む各種の障害に役立ち得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
人の脳の電気刺激のためのデバイスであって、前記デバイスは、
頭蓋骨中の穿頭孔または開頭内の空間を占めるように構成されたケースと、
前記頭蓋骨の上かつ頭皮の下にあるように構成された、前記ケース上の皮下電極と、
前記ケースの下面に取り付けられ、前記人の頭蓋骨中の前記穿頭孔または開頭を通して植え込まれるように構成されたリードと、
少なくとも1つの頭蓋下電極であって、前記少なくとも1つの頭蓋下電極は、前記リードが前記穿頭孔または開頭を通して植え込まれるときに前記少なくとも1つの頭蓋下電極が患者の脳内の標的場所に位置付けられるように、前記リードの下端に配置される、少なくとも1つの頭蓋下電極と、
前記ケースの下面上のシールであって、前記シールは、前記ケースの前記下面と前記穿頭孔または開頭の縁との間のギャップを充填し、少なくとも1つの頭蓋下電極と前記皮下電極との間の電流を最小化するように構成される、シールと、
前記ケース内のバッテリと、
前記バッテリから電流を受信して、前記患者の脳を刺激するように選択されたパルス周波数、パルス振幅、パルス幅およびデューティーサイクルで電気パルスを生成するように構成された、前記ケース内の制御回路と
を備える、デバイス。
(項目2)
前記バッテリは再充電可能であり、各モジュールは、コイルと再充電回路とをさらに備え、前記コイルおよび前記再充電回路は、外部磁場生成器との磁気誘導結合を通じて前記バッテリを再充電するように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記制御回路は、複数の頭蓋下電極のうちの1または複数をアクティブであるように選択するようにさらに構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
アンテナをさらに備え、前記アンテナは、外部プログラマからデータを受信し、または前記外部プログラマにデータを送信する、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記制御回路は、前記外部プログラマからのコマンドに基づいて前記モジュールの処置パラメータをプログラムするようにさらに構成され、前記処置パラメータは、アクティブ電極選択、パルス周波数、パルス振幅、パルス幅、デューティーサイクル、治療開始、および治療中止から成る群から選択される、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
EEG増幅器およびアナログ-デジタル変換器をさらに備え、前記デバイスが前記人のEEGを記録することを可能とする、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記人の前記EEGを記憶するように構成されたメモリと、送信アンテナとをさらに備え、前記制御回路は、前記送信アンテナを通じて前記記憶されたEEGを送信する、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
磁気スイッチをさらに備え、EEGの記録の開始または停止は、前記人が永久磁石を前記磁気スイッチの近傍に置くことによってか、または前記人が前記永久磁石を前記磁気スイッチから離して移動させることによって制御される、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
磁気スイッチをさらに備え、刺激の開始または停止は、前記人が永久磁石を前記磁気スイッチの近傍に置くことによってか、または前記人が前記永久磁石を前記磁気スイッチから離して移動させることによって制御される、項目1に記載のデバイス。
(項目10)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が視床の前核内または視床の前核の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が側坐核内または側坐核の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が視床下核もしくは淡蒼球内節の中または視床下核もしくは淡蒼球内節の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が海馬内または海馬の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が脳梁下帯状回内または梁下帯状回の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が下垂体の前核内または下垂体の前核の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が中脳網様体もしくは非特異視床核の中または中脳網様体もしくは非特異視床核の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目17)
各モジュールの前記リードは、前記頭蓋下電極のうちの1または複数が皮質内または皮質の近くにあるように植え込まれるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目18)
第1のデバイスと第2のデバイスとを備えるシステムであって、両方のデバイスが、項目1に記載のデバイスである、システム。
(項目19)
前記制御回路は、前記デバイスがデバイス間で電気パルスを同期させるように構成される各デバイスの回路を備え、それによって、電流がループを形成し、前記ループは、電流が少なくとも1つの刺激標的を通って前記頭蓋骨の内側および外側を流れることを可能とする、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスの前記皮下電極を共に接続する導線をさらに備える、項目18に記載のシステム。
(項目21)
前記第1のデバイスは、前記人、臨床医、または介護者に音響情報を提供するように構成されたスピーカをさらに備える、項目18に記載のシステム。
(項目22)
前記音響情報は、デコードされることが可能な一連の発信音、ティック、または音色として生成される、項目21に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0015】
(図面の簡単な説明)
【
図1】
図1は、デバイスの一側面の図面であり、ケースと、皮下電極と、ケースから延在するリードを有するコイルと、リードの遠位端の近くの4つの選択可能な電極とを示す。
【0016】
【
図2】
図2は、デバイスの一側面の図面であり、デバイスの2つのモジュールが植え込まれた脳を示し、IPGのケースは、頭蓋骨と同一平面にあり、皮下電極およびコイルは、頭皮の下にある。両方のモジュールのリードが脳内へ延在し、リード長さおよび電極配置は、脳内の標的領域に影響を及ぼすように選択されている。
【0017】
【
図3】
図3は、デバイスの一側面の電気概略図であり、デバイスの2つのモジュールのための電流ループを示し、2つのモジュールの電気パルス生成器が同期されている。図面は、電流経路の全てのインピーダンス要素も示す。
【0018】
【
図4】
図4は、充電器の例を示す図面であり、充電器は、患者によって着用されているヘッドバンド内に含まれる。充電器は、プログラマとしても機能し得る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の詳細な説明)
特定の実施形態が本明細書中で提供され説明されてきたが、そのような実施形態は単に例として提供されることが当業者に容易に明らかであろう。本明細書中で説明される実施形態の種々の代替品が、採用され得、本明細書中で説明される本発明の一部であることが理解されるべきである。
【0020】
デバイスが本明細書中で提供され、デバイスによって、人の頭蓋骨中の穿頭孔または開頭を通した1または複数のモジュールの植え込みを通じて電流刺激が人の脳に付与される。各モジュールは、2つの主要なユニットに分割され得る。植え込み型パルス生成器(IPG)とリードとである。IPGは、ケースの内側またはケース上に含まれ、IPGケースのサイズにほぼ一致する穿頭孔または開頭内へ配置され、IPGの頂部が頭蓋骨の外側表面とほぼ同一平面であるように位置付けられる。IPGは、バッテリと、プログラムされた論理を有する制御回路と、皮下電極とを備える。IPGの主要な機能は、脳内または脳上の標的の電流刺激を提供するために、特定の周波数、振幅、パルス幅およびデューティーサイクルの電気パルスを生成することである。リードは、IPGから延在し、リードの遠位端またはその近くに1または複数の頭蓋下電極を備える。リードの長さおよびリードに沿った頭蓋下電極の数および位置は、電極のうちの1または複数が人の脳内の標的領域にまたはその近くにあるように選択される。IPG内のプログラムされた論理を有する制御回路は、1または複数の電極をアクティブであるように選択し、残りの電極を非アクティブであるように選択して電流の流れの経路を提供しない。IPGの縁と穿頭孔または開頭の縁との間のギャップを充填するために、シールが位置付けられ得る。シールは、皮下電極とアクティブ頭蓋下電極との間の電流の流れを最小化または防止することを意図されている。
【0021】
単一のモジュールが人の中に植え込まれる場合、皮下電極とアクティブ頭蓋下電極との間の電流の流れのためのリターン経路を提供するために、第2の穿頭孔または開頭が頭蓋骨を貫通させられ得る。代替として、目的のあるギャップが、IPGと穿頭孔または開頭との間に残され得、電流のためのリターン経路を可能とする。電流パルスがIPG内で生成されると、電流ループが形成され、電流ループは、リードを通って1または複数のアクティブ電極に向かい、脳に入り、1または複数の標的領域を通り、第2の穿頭孔または開頭を通り、頭皮を通り、皮下電極を通ってIPGに戻る。
【0022】
代替として、IPG内のプログラムされた論理を有する制御回路は、リード内の2つの電極をアクティブであるように選択し、2つのアクティブ電極間に刺激を提供し得、皮下電極を伴わない。この場合、第2の穿頭孔またはシールは必要でないことがある。
【0023】
第1のモジュールおよび第2のモジュールは、各々が固有の穿頭孔または開頭によって人の中に植え込まれ得る。この場合、2つのモジュールにおけるIPGからの電流パルスが同期され得、それによって、結果的な電圧は加算的であり、このことは、電流ループを形成し、電流ループは、第1のモジュールのリードを通って第1のモジュールのリードの1または複数のアクティブ電極に向かい、脳に入って1または複数の標的領域を通り、第2のモジュールのリードの1または複数のアクティブ電極を通り、第2のモジュールのIPGおよび皮下電極を通り、頭皮を通り、第1のモジュールの皮下電極を通り、第1のモジュールのIPGに戻る。
【0024】
2つのモジュールが植え込まれる場合、代替として両方のモジュールが同一の穿頭孔または開頭を占め得る。この場合、各モジュールの皮下電極は、一緒に接続され得、頭皮を通る実質的な電流の流れをいずれも排除する。2つの電極が別個の穿頭孔または開頭内に植え込まれる場合、電極は、導線によって接続され得、導線も、頭皮を通る実質的な電流の流れをいずれも排除する。この場合、皮下電極は、直接的に頭皮組織に接触することを必要とせず、これは、1つのモジュールからもう一方のモジュールへの頭皮下の1つの連続的な遮蔽された電流経路を可能とする。これは、電流経路を通る全体のインピーダンスを低下させ、頭皮を通る電流が人によって感知される可能性を下げるという利点を有する。しかし、導線は、1つのモジュールから次のモジュールへトンネリングされる必要があり、このことは、追加の手術および合併症の可能性を伴う。
【0025】
各モジュールのためのリードの長さおよび電極の位置は、標的領域に電流刺激を最も良く提供するように構成される。加えて、パルス周波数、パルス振幅、パルス幅、およびデューティーサイクルを備える刺激パラメータは、インジケーションに基づいて選択され得る。例えば、5V、145パルス毎秒、90マイクロ秒のパルス幅、1分間オンにされ4分間オフにされるデューティーサイクルに設定された刺激による視床の前核の刺激は、てんかんのために有効な処置であることが示されている。別の例では、3.5V、130パルス毎秒、および90マイクロ秒のパルス幅に設定された刺激による側坐核の刺激は、オピオイドまたはアルコール等の追加(addition)を有する患者に有益であることを示している。パーキンソン病を処置するために電気刺激を用いる多くの研究が実施されている。概して、2.4~4.4V、143~173パルス毎秒の範囲内の周波数、および67~138マイクロ秒の範囲内のパルス幅に設定された刺激を用いた視床下核または淡蒼球内節の刺激は、運動器症候群を有効に制御することが見出されている。各種の処置パラメータでの帯状皮質膝下部、梁下帯状回、腹側内包もしくは腹側線条体、側坐核、または内側前脳束の刺激は、大うつ病(MDD)を処置するために有効であることを示している。種々の処置パラメータを用いた腹側内包もしくは腹側線条体、視床下核、または下視床脚の刺激は、強迫性障害(OCD)を処置する効能を示している。中脳網様体または非特異視床核の刺激は、遷延性植物状態にある患者における症状、または昏睡を改善することを示している。
【0026】
一側面において、デバイスは、各モジュールのバッテリの再充電を可能とする。IPGは、外部磁場源との誘導結合を可能とするコイルと、IPG内のバッテリを再充電し得る充電回路とをさらに備え得る。再充電は、一定の間隔で実行され得る。例えば、5V、145パルス毎秒、90マイクロ秒のパルス幅、および1分間オンにされ4分間オフにされるデューティーサイクルで、各モジュールのために、1000オームのインピーダンスを有する各モジュールによって刺激が提供され、バッテリが120ミリアンペア時間の静電容量を有する場合、刺激は、バッテリが消耗される前に300日より長い間提供され得る。この例では、デバイスの機能を維持するために、3カ月から6カ月に一度の再充電が作用する。外部磁場生成器は、臨床医の医院に維持され、患者は定期的な来院中にデバイスを再充電し得る。
【0027】
バッテリを再充電する他の方法が用いられ得る。一例では、超音波充電がIPG内の圧電性結晶を用いて遂行され得る。別の例は、IPG内の太陽光電池を用いた太陽光再充電である。この場合、頭皮は比較的薄く髪を除いて概して何にも覆われていないので、頭蓋骨がIPGの場所のために理想的である。人は、彼らの頭部を光に曝露することによってデバイスを再充電する。別の例は、自然な身体運動に起因する再充電である。別の例は、IPG内の皮下的場所と頭蓋下的場所との間の温度差に起因する再充電である。
【0028】
IPGが穿頭孔または開頭内に植え込まれて同一平面となること、および標的に適切な刺激を提供するために所望される場所に向けてリードが方向付けられることが重要である。したがって、一側面では、リードは、IPGへの近位端で曲げ可能であるか、またはリード自体に沿って曲げ可能である。
【0029】
モジュールを制御するために、データを各モジュールに書き込む外部プログラマが必要であり得る。データは、パルス振幅、パルス周波数、パルス幅、デューティーサイクル、アクティブ電極選択、治療開始、および治療中止等の処置パラメータを備え得る。一側面では、IPGは、アンテナおよび受信器をさらに備え、アンテナおよび受信器は、プログラマからデータを受信し、プログラムされた論理を有する制御回路にデータを渡す。例は、Bluetooth(登録商標)モジュールおよびwi-fiモジュール、または磁気結合を含む。バッテリを再充電するために用いられるコイルと同一のコイルを用いることも可能である。一側面では、周波数変調が、IPGにデータを渡すために用いられる。一側面では、振幅変調が、IPGにデータを渡すために用いられる。
【0030】
プログラマがIPGにデータを渡すための別の手段も可能である。例えば、IPGは、増幅器およびアナログ-デジタル変換器を組み込み得、プログラムされた論理を有する制御回路は、2またはそれより多い電極の間で検出される電気信号を認識するように構成され得る。プログラマは、人の皮膚上の電極を用いて、感じられることはできないが受信電極を通じてIPG内のプログラムされた論理を有する制御回路によって検出され得る低レベルのパルスを生成し得る。
【0031】
複数のモジュールが人の中に植え込まれ得るので、IPGを個々にまたは集合的にプログラムする必要があり得る。これを行うために、一側面では、各IPGのプログラムされた論理を有する制御回路は、独自の識別子を有し、プログラマは、データまたはコマンドの特定の部分が向けられるモジュール(単数または複数)を特定する。
【0032】
モジュールがプログラマにデータを送ることも必要であり得る。そのようなデータは、バッテリレベル、パルス周波数、パルス振幅、パルス幅、デューティーサイクル、充電状態、治療送達状態、アクティブ電極(単数または複数)を備え得る。このデータは、専用アンテナを介して送信され得る。例は、Bluetooth(登録商標)モジュールおよびwi-fiモジュール、または磁気結合を含む。バッテリを充電するために用いられるコイルと同一のコイルを用いてデータをプログラマに戻すことも可能である。
【0033】
プログラマを使用せず直接人に情報を渡すことも必要であり得る。例えば、バッテリレベルが閾値より下に降下する場合、IPGは、スピーカを通して発信音、クリック音、または音色を生成し、人に知らせ得る。IPGが情報を直接人に渡し得る別の手段は、振動ユニットの使用による。デバイスが植え込まれていても、人は、身体の概して高い音伝導性に起因して、発信音、クリック音、または音色を感知することができるはずである。振動も、IPGが内耳に近接していることに起因して、感じられることができるはずである。
【0034】
充電時、バッテリがフル充電量であることまたはフル充電量に近いことを人に知らせる必要があり得る。これは、例えば、発信音、クリック音、音色または振動を生成することによって実現され得る。IPGが、変動する周波数の発信音、クリック音、音色、または変動する振動を用いて情報を人へエンコードすることも可能であり得る。例えば、低音の後高音が続くことは、バッテリがフル充電量であるかまたはフル充電量に近いことを示し得るのに対し、高音の後低音が続くことは、バッテリがほぼ枯渇していることを示し得る。IPGは、発信音、クリック音、音色または振動を用いてより複雑な情報をエンコードしる。例えば、電極がアクティブであることを特定するために、IPGは、2つの高音を発し、続いてクリック音または発信音を発することで、モジュール内のどの電極がアクティブでありどの電極がアクティブでないかを示し得る。
【0035】
デバイスの一側面では、EEGがIPGによって記録される。この場合、各モジュールは、EEGを記憶するためのメモリをさらに備え得る。モジュールは、記憶されたEEGデータをプログラマに送信するために、専用アンテナまたはコイル自体を用い得る。この場合、プログラマは、記憶されたEEGをモジュールが送信するためのコマンドを発行し得る。そのようなコマンドが与えられると、プログラムされた論理を有する制御回路は、例えばシリアル式でEEGデータを外部プログラマに送信し得る。そして、プログラマは、追加的なEEGを記録するためにモジュールがメモリをクリアにするためのコマンドを発行し得る。EEGの記録は、プログラマからのコマンドの結果として始まることも、所定の間隔で始まることも、特定のイベントの結果として始まることもある。EEGの記録が開始され得る1つの方法は、永久磁石をモジュールの近くに保持する人または介護者による。この場合、モジュールは、磁気スイッチをさらに備え得る。磁気スイッチが作動させられると、EEGの記録が始まり得る。記録は、特定の持続時間後に終了することも、コマンドがプログラマによって与えられるときに終了することも、永久磁石がモジュールに近づけられるもしくはモジュールから離れて遠くに移動させられるときに終了することもある。磁気スイッチは、EEGを記録することと独立して、治療を一時停止または開始するために人によって用いられることもある。
【0036】
図1を参照すると、デバイスのある側面を提示する図面が示される。IPGは、バッテリとプログラムされた論理を有する制御回路とを備えるケース(103)を備える。EEGが実施される場合、IPGは、EEG増幅器とアナログ-デジタル変換器とをさらに備える。IPGは、バッテリを再充電するために用いられる皮下電極(102)およびコイル(101)をさらに備える。リード(104)は、IPGから延在している。4つの電極(105、106、107、108)は、リードの遠位端の近くに位置している。リードの長さは、電極のうちの1または複数が刺激の標的とされる脳の領域に、またはその近くにあることを確実にするように選択される。IPGは、頭蓋骨中の穿頭孔内に植え込まれ、好ましくは、IPGの頂面が頭蓋骨の頂部とほぼ同一平面上にあり、IPGの底面が頭蓋骨の底部とほぼ同一平面上にあるように植え込まれる。この側面は、4つの電極を示すが、複雑性およびコストを最小化するためにより少ない電極が用いられることもあり、または、より多くの選択肢を提供するためにより多くの電極が用いられることもある。EEGがデバイスによって記録されている場合、EEGの記録のためにいずれか2つの電極が選択され得、EEG記録電極は、刺激のために用いられる電極と同一であることも、同一でないこともある。
【0037】
図2を参照すると、デバイスの典型的な用途を提示する図面が示されており、2つのモジュールが植え込まれている。2モジュールのIPGは、2つのモジュールが頭蓋骨(212)とおよそ同一平面上にあるように植え込まれている。IPGは、ケース(203、208)と、皮下電極(204、207)と、コイル(205、206)とを備える。コイルは、頭皮(211)の下にあり、頭皮表面のわずかな隆起という結果となり得るが、コイルは気付かれないはずである。リード(202、209)は、各IPGから脳(213)内へ延在しており、数多くの電極を備える。アクティブ電極(201、210)は、脳内の標的領域(214)に刺激を提供するために、各リードの中から選択される。
【0038】
図3を参照すると、デバイスの2つのモジュール間の同期されたパルスをモデル化する電気概略図が示されている。第1のモジュール(301)は、負のパルスを生成する。例えば、パルス振幅は-5Vであり、パルス幅は90マイクロ秒である。ほぼ同時に、第2のモジュール(305)が正のパルスを生成する。例えば、パルス振幅は5Vであり得、パルス幅は90マイクロ秒である。2つのデバイスの電圧は、合計されて10Vで90マイクロ秒のパルスを作り出す。これは、電流ループを形成し、電流ループは、第1のモジュール(301)と第1のモジュールのアクティブ電極と脳組織(308)との間の界面と、標的領域を含む脳組織(307)と、第2のモジュールのアクティブ電極と脳組織(306)との間の界面と、第2のモジュール(305)と、第2のモジュールの皮下電極と頭皮(308)との間の界面と、2つの皮下電極間の頭皮(303)と、第1のモジュールの皮下電極と頭皮(302)との間の界面とを通り、第1のモジュール(301)に戻る。概して、電極と周囲の脳または頭皮組織との間のインピーダンスは、約500オームである。標的領域における脳および頭皮のインピーダンスは、非常に小さい。したがって、系全体のインピーダンスは、約2000オームである。10Vの同期されたパルスにおいて、電流の流れは約5ミリアンペアである。電極が導線によって接続される場合、皮下電極および頭皮(302、303、304)からのインピーダンス寄与は、有効に排除され得、このことは、脳内の標的領域を通る電流の流れを約2倍にし得る。
【0039】
モジュール間でパルスを同期するために、2つが通信することが必要であり得る。これは、例えばマスタ-スレーブ関係を用いて行われ得る。第1のモジュールは、治療パルスが送達される前の所定時刻に非常に短く振幅の小さいパルスを生成し得る。これは、第2のモジュールによって検出され、コイルを通じてかまたは電極を通じてのいずれかで増幅器およびアナログ-デジタル変換器に送られ得、そして、第2のモジュールは、第1のモジュールと同期されたパルスを生成することが可能であり得る。代替として、第2のモジュールは、第1のモジュールがその治療パルスを始めるときを監視し、そのタイミングを調節し得、それによって、全てのパルスが整合される。代替として、タイミングは、外部プログラマを通じて確立され得、デバイスが同期され、各モジュールは、2つのモジュールが同期され続けるために十分正確なクロックまたはタイミング機構を備える。この場合、モジュールは、来院中に外部プログラマを用いて再同期され得る。
【0040】
図4を参照すると、典型的な充電器を提示する図面が示されている。ヘッドバンド(405)は、充電コイル(401)が第1の植え込み型モジュール上に、またはその近くに位置付けられるように人の頭部(403)に着用されている。別の充電コイルも、第2の植え込み型モジュール上に、またはその近くに位置付けられている。この例では、バッテリ402は、ヘッドバンド内に含まれ、これは、人が外部電力供給源に結ばれることなく充電が発生することを可能とする。充電器のバッテリの再充電を可能とするために、充電ポート(403)が含まれ得る。充電器がヘッドバンドであることは要求されない。その代わり、充電器は、ウェアラブルヘッドセット、帽子、または充電コイルが植え込み型モジュール上にまたはその近くに確実に位置付けられる任意の手段であり得る。充電器は、着用される必要すらない。その代わり、充電コイルは、植え込み型モジュールの近くに位置付けられる架台の一部であり得る。
【外国語明細書】