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特開2024-124520ミネラルと多糖類を含有するアルコール飲料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124520
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ミネラルと多糖類を含有するアルコール飲料
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20240905BHJP
【FI】
C12G3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109379
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2022065011の分割
【原出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】芳原 和希
(72)【発明者】
【氏名】松本 雄大
(72)【発明者】
【氏名】長田 知也
(72)【発明者】
【氏名】圖師 あかね
(57)【要約】
【課題】ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を抑制するための手段を提供すること。
【解決手段】アルコール飲料において、特定の多糖類を用い、ミネラルの含有比率を特定の範囲にする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱処理されていないアルコール飲料であって、
当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして、
当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類を含有する、前記アルコール飲料。
【請求項2】
前記飲料中の当該多糖類の合計含有量が0.2~10.0w/v%である、請求項1に記載のアルコール飲料。
【請求項3】
前記飲料中のナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量が0.01ppm~15.0ppmである、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項4】
前記加熱処理の温度が45℃以上、処理時間が1分以上である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項5】
アルコール含有量が1~15v/v%である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項6】
炭酸を含有する、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項7】
ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料の製造方法であって、
当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして、
当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類、及びアルコールを含有するように、原料を混合することを含む、前記方法。
【請求項8】
ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を抑制する方法であって、
当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして、
当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類、及びアルコールを含有するように、原料を混合することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のミネラルと多糖類とを含有するアルコール飲料、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどに代表されるミネラルは、アルコール飲料に限らず多くの飲料中に含まれている。
一方、近年、多糖類を含有する飲料が報告されている。例えば、特許文献1では、アセスルファムカリウムを含有する飲料の甘味の質を改善するために、多糖類が用いられている。また、特許文献2では、飲み応えや後キレを有するビールテイストアルコール飲料の製造のために食物繊維が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-088867号公報
【特許文献2】特開2017-063724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市場に出回っている飲料は、通常、長期・中期の保存を前提としている。そのため、アルコール度数が高く腐敗しにくい場合などの一部の例外を除いて、殺菌のために加熱処理が施されることが多い。
【0005】
しかしながら、加熱処理には、飲料の味を変化させることがあるというデメリットがある。また、加熱処理には、それを実施するための設備が高額であるという問題もある。そのため、加熱処理を実施することなく飲料を製造することについてのニーズがある。
【0006】
本発明者は、加熱処理をしないと、飲料に含有されるナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのようなミネラルに由来する不快なピリピリ感が目立つことを見出した。さらに、当該飲料がアルコールを含有すると、当該ミネラルのピリピリ感が増強されることを見出した。そして、そのピリピリ感を低減するためにミネラルを単に除去すると、飲料の香味に大きな影響を与えてしまい、その結果、飲料自体の美味しさが損なわれてしまうおそれがある。
【0007】
したがって、本発明の課題は、ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を抑制するための手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定の多糖類を用い、ミネラルの含有比率を特定の範囲にすると、ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を効果的に抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
1.加熱処理されていないアルコール飲料であって、
当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして、
当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類を含有する、前記アルコール飲料。2.前記飲料中の当該多糖類の合計含有量が0.2~10.0w/v%である、1に記載のアルコール飲料。
3.前記飲料中のナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量が0.01ppm~15.0ppmである、1又は2に記載のアルコール飲料。
4.前記加熱処理の温度が45℃以上、処理時間が1分以上である、1~3のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
5.アルコール含有量が1~15v/v%である、1~4のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
6.炭酸を含有する、1~5のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
7.ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料の製造方法であって、
当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして、
当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類、及びアルコールを含有するように、原料を混合することを含む、前記方法。
8.ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を抑制する方法であって、
当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして、
当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類、及びアルコールを含有するように、原料を混合することを含む、前記方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を抑制することができる。しかも、本発明は、当該飲料の後味を大きく害することなく、そのような抑制をすることができる。
【0011】
また、特定の態様において、本発明は、当該飲料の、飲料としての美味しさを向上させることができる。
なお、本明細書において、ミネラルとアルコールによって生じる「ピリピリ感」とは、飲料を口に入れた時に感じるピリピリとした後味の刺激を意味する。
【0012】
また、本明細書における「飲料としての美味しさ」とは、飲料を口に入れた時に感じるコクと旨味があることを意味する。
また、本明細書における飲料について問題とされる「後味の悪さ」とは、飲料を口に入れた時にピリピリとした刺激が続くことを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の飲料、及び関連する方法について、以下に説明する。
なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、これは「mg/L」と同義である。
【0014】
(ミネラル)
本発明の飲料は、ミネラルを含有する。当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+
K+Ca+Mg))は0.25~0.93であり、好ましくは0.25~0.72であり、より好ましくは0.33~0.72である。
【0015】
このような範囲のミネラルの重量比は、多糖類と組み合わさって、ピリピリ感を効率的に抑制することができる。
本発明の飲料が前記重量比で前記のミネラルを含有する限り、ミネラルの含有量は限定されないが、本発明の飲料における前記のミネラルの合計含有量は、好ましくは0.01ppm~15.0ppm、より好ましくは0.04~13.0ppmである。本発明の飲料は、それらの四種類のミネラルをすべて含有してもいし、一部だけを含有してもよい。
【0016】
本発明の飲料に含有される前記のミネラルは、塩またはイオンの形態であってもよく、この場合、その1モル当たりの質量は、電離していないミネラル又は金属の1モル当たりの質量と実質的に同じである。また、本発明に関する、飲料(試料溶液)中のミネラルの含有量又は濃度は、ICP発光分光分析装置を用いて公知の方法により測定することができる。
【0017】
本発明においてミネラルは、飲食品に用いることができる塩の形態で、或いはこれらを豊富に含む海洋深層水や海藻エキスなどの形態で飲料に添加することができる。
本発明の飲料にナトリウムを提供することができる塩としては、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。したがって、一態様では、本発明の飲料は塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムからなる群から選択される一以上の物質のようなナトリウム塩を含有する。
【0018】
本発明の飲料にカリウムを提供することができる塩としては、例えば、クエン酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、DL-酒石酸カリウム、L-酒石酸カリウム、硝酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、乳酸カリウム、硫酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムなどが挙げられる。したがって、一態様では、本発明の飲料は、クエン酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、DL-酒石酸カリウム、L-酒石酸カリウム、硝酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、乳酸カリウム、硫酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムからなる群から選択される一以上の物質のようなカリウム塩を含有する。
【0019】
本発明の飲料にカルシウムを提供することができる塩としては、例えば、パントテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなどが挙げられる。したがって、一態様では、本発明の飲料は、パントテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムからなる群から選択される一以上の物質のようなカルシウム塩を含有する。
【0020】
本発明の飲料にマグネシウムを提供することができる塩としては、例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、リン酸一水素マグネシウムなどが挙げられる。したがって、一態様では、本発明の飲料は塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、リン酸一水素マグネシウムからなる群から選択される一以上の物質のようなマグネシウム塩を含有する。
【0021】
本発明の飲料中のミネラルの重量比を調整するためには、飲料の製造に用いるミネラルやその塩、又はそれらを含有する材料の量を調整すればよい。
(アルコール)
本発明の飲料は、アルコールを含有する。本発明の飲料におけるアルコール含有量は、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは2~13v/v%、より好ましくは3~11v/v%、より好ましくは4~9v/v%である。また、好ましいアルコール含有量の別の例は、5~15v/v%である。
【0022】
アルコール含有量が15v/v%を超える場合は、アルコールの刺激が強くなり、ピリピリ感に対するマスキングには多量の多糖類が必要となり、飲料の美味しさに影響が及ぶことがある。
【0023】
本明細書に記載の「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。
本明細書においては、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって必要に応じて炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を水蒸気蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。あるいは、HPLCやガスクロマトグラフィーを用いてアルコール含有量を測定することもできる。
【0024】
本発明の飲料には、アルコールをどのような手段で当該飲料に含有させてもよいが、典型的には、当該飲料はアルコール原料を含有し、それによってアルコールを含有する。アルコール原料に特に限定はないが、例えば、スピリッツ類(ラム、ウオッカ、ジン、テキーラ等)、リキュール類、ウイスキー、ブランデー又は焼酎などが挙げられ、さらにはビールなどの醸造酒類でもよい。好ましくは、当該アルコール原料は、ウイスキー、ブランデー、又はニュートラルスピリッツである。これらのアルコール原料は、それぞれ単独又は併用して用いることができる。
【0025】
本発明のアルコール飲料の種類は特に限定されないが、その好ましい態様の例は、チューハイ(本発明との関連では、蒸留酒を水、ジュース、茶などの別の飲料で希釈したアルコール炭酸飲料を意味する)、カクテル(本発明との関連では、スピリッツやリキュールと、柑橘類などの酸味のある果汁と、甘味成分と、必要に応じて炭酸とを含有する飲料を意味する)、サワー(本発明との関連では、スピリッツと、柑橘類などの酸味のある果汁と、甘味成分と、炭酸とを含有する飲料を意味する)などである。
【0026】
(多糖類)
本発明の飲料は、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類を含有する。当該多糖類は、ミネラルの重量比と組み合わさって、ピリピリ感を効率よく抑制することができる。
【0027】
多糖類の含有量は、特に限定されないが、本発明の飲料におけるそれらの多糖類の合計含有量は、0.2~10.0w/v%で、好ましくは0.4~5.0w/v%である。
本発明の飲料は、当該多糖類の一種類又は二種類だけを含有してもよいし、三種類全てを含有してもよい。具体的には、本発明の飲料は、多糖類として、ポリデキストロース、難消化性グルカン、または難消化性デキストリンを含有してもよいし;ポリデキストロース及び難消化性グルカン、ポリデキストロース及び難消化性デキストリン、又は難消化性グルカン及び難消化性デキストリンを含有してもよいし;またはポリデキストロース、難消化性グルカン、及び難消化性デキストリンを含有してもよい。
【0028】
上記の多糖類の意味及び定義は当業者に周知であり、そしてそれらの多糖類は、公知の方法で製造することができるか、又は市場で入手可能であるが、それらについて以下に簡単に説明する。
【0029】
「ポリデキストロース」は、グルコース(ブドウ糖)とソルビトールを、クエン酸の存在下で重合させて得られた水溶性食物繊維である。その市販品の例は「ライテス」(ダニスコジャパン株式会社)である。
【0030】
「難消化性グルカン」は、グルカン(グルコースポリマー)の内の難消化性のものであり、その糖鎖には、グルコース以外の単糖又はこれらの単糖を含むオリゴ糖等が含まれていてもよい。難消化性グルカンは、近年、酸触媒の代わりに活性炭を反応触媒として用いて糖を加熱重合させて得られた、新たな水溶性食物繊維である。その例として、フィットファイバー#80(登録商標、日本食品化工株式会社製)等が挙げられる。
【0031】
「難消化性デキストリン」は、デキストリンの一種であり、ヒトの消化酵素によって消化されにくい、難消化性のデンプン分解物である。これは、例えば、焙焼デキストリンをα-アミラーゼ及びグルコアミラーゼにより加水分解することなどにより得ることができる。その例として、サンデック#150(登録商標、三和澱粉工業株式会社)等が挙げられる。また、本明細書における難消化性デキストリンには、水素添加された還元難消化性デキストリンも含まれる。
【0032】
当該多糖類の含有量の測定方法は特に限定されないが、例えばHPLCを用いることができる。例えば、多糖類の含有量は、衛新第13号(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」)に記載の食物繊維の分析方法である高速液体クロマトグラフ法(酵素-HPLC法)で測定することができる。
【0033】
(加熱処理)
本発明の飲料は、加熱処理されていない。本願明細書における、飲料に対して実施される加熱処理とは、飲料の原料や中間体ではなく、ミネラルと、多糖類と、アルコールとを含有する飲料に対して実施される加熱処理を意味する。例えば、飲料の調製の途中段階で、多糖類を、アルコールを含有しない水と混合する工程において、混合物を溶解のために加熱することは、本発明の飲料との関係で使用される「加熱処理」に該当しない。
【0034】
典型的には、飲料の加熱処理は加熱殺菌のために行われる。加熱殺菌は、飲料を容器に詰める前に実施されることもあれば、詰めた後に実施されることもある。これらのいずれのタイミングでも、本発明の飲料に加熱処理は実施されるべきでない。
【0035】
当該加熱処理の条件は、特に限定されないが、典型的には、加熱殺菌に用いられる条件であり、例えば、温度が45℃以上、処理時間が1分以上、又は温度が60℃以上、処理時間が20秒以上である。ここで、加熱処理に関して記載される温度は液温を意味する。
【0036】
なお、本発明においては、原料や中間体に対する加熱処理は、実施されてもよいし、実施されなくてもよい。一態様において、本発明の飲料の原料や中間体に対する加熱処理は実施されない。別の態様において、本発明の飲料の原料や中間体に対する加熱処理は実施される。
【0037】
(果汁又は野菜汁)
本発明の飲料は、果汁及び/又は野菜汁を含有してもよい。果汁は、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁、あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。また、透明果汁、混濁果汁を使用することもでき、果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果果汁、果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥果実の果肉を破砕もしくは抽出した果汁を用いることもできる。野菜汁も、上記の果汁と同様の形態で用いることができる。
【0038】
果汁の種類は、特に限定されないが、例えば、柑橘類(オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、すだち、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼす等)、仁果類(りんご、なし、など)、核果類(もも、梅、アンズ、スモモ、さくらんぼ、など)、しょうか類(ブドウ、カシス、ブルーベリー、など)、熱帯、亜熱帯性果実類(パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、ライチ、など)、果実的野菜(いちご、メロン、スイカ、など)の果汁が挙げられる。これらの果汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、野菜汁の種類は、例えば、トマト汁、コーン汁、かぼちゃ汁、ニンジン汁等が挙げられ、野菜汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、果汁と野菜汁を組み合わせてもよい。
【0039】
本発明の飲料が果汁を含有する場合、果汁の含有量は、特に限定されないが、典型的には、果汁率に換算して100w/w%以下、又は10w/w%未満である。
本発明では、飲料中の「果汁率」を、飲料100ml中に配合される果汁配合量(g)を用いて下記換算式によって計算することとする。また濃縮倍率を算出する際はJAS規格に準ずるものとし、果汁に加えられた糖質、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
【0040】
果汁率(w/w%)=<果汁配合量(g)>×<濃縮倍率>/100mL/<飲料の密度>×100
本発明の飲料における野菜汁の含有量は、特に限定されないが、典型的には、0~100w/w%、又は10w/w%未満である。ここで、野菜汁の含有量は、上記の果汁率に換算した果汁の含有量に準じて求める。
【0041】
(柑橘類フレーバー又は柑橘類果汁)
本発明は、好ましくは柑橘類フレーバー又は柑橘類果汁を含有する。柑橘類の例は、オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、すだち、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼすであり、オレンジ、レモン、グレープフルーツ及びライムが好ましい。
【0042】
(炭酸ガス)
本発明の飲料は、炭酸ガスを含んでもよい。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水
とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。
【0043】
本発明の飲料が炭酸ガスを含有する場合、その炭酸ガス圧は、特に限定されないが、好ましくは0.7~4.5kgf/cm、より好ましくは0.8~2.8kgf/cmである。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA-500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。本明細書においては、特に断りがない限り、炭酸ガス圧は、20℃における炭酸ガス圧を意味する。
【0044】
(他の成分)
本発明における飲料には、他にも、本発明の効果を損なわない限り、飲料に通常配合する添加剤、例えば、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、クエン酸、品質安定剤等を配合することができる。
【0045】
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、容器詰めの形態で提供することができる。容器の形態には、缶等の金属容器、ペットボトル、紙パック、瓶、パウチなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
(方法)
本発明は、別の側面では、ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料の製造方法である。当該方法は、当該飲料中のナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))が0.25~0.93であり、そして当該アルコール飲料が、ポリデキストロース、難消化性グルカン及び難消化性デキストリンからなる群から選択される少なくとも一種の多糖類、及びアルコールを含有するように、原料を混合することを含む。当該原料には、ミネラル又はミネラルを含有する材料(果汁など)と、水と、アルコールと、多糖類又はそれを含有する材料とが含まれる。他の原料は、飲料に関する上記記載から自明である。この方法は、ミネラルを含有し、加熱処理されていないアルコール飲料におけるピリピリ感を抑制することができるため、別の側面では、当該飲料におけるピリピリ感を抑制する方法でもある。
【0047】
飲料中のミネラルの重量比を調整する方法は、当該飲料に関する上の記載から自明である。そのタイミングも限定されない。例えば、上記工程を同時に行ってもよいし、別々に行ってもよいし、工程の順番を入れ替えてもよい。最終的に得られた飲料が、上記の条件を満たせばよい。また、上記成分の含有量等の好ましい範囲は、飲料に関して上記した通りである。さらに、追加的な他の成分の具体例や量も、飲料に関して上記した通りである。
【0048】
(数値範囲)
明確化のために記載すると、本明細書における数値範囲は、その端点、即ち下限値及び上限値を含む。例えば、「1~2」により表される範囲は、1及び2を含む。
【実施例0049】
以下に試験例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
以下において、特に断りがない限り、各表に記載の「ミネラル重量比」は、ナトリウム含有量の、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの合計含有量に対する重量比(Na/(Na+K+Ca+Mg))を意味する。
【0050】
(試験例1) ピリピリ感の発生
この試験例では、ミネラルに由来する不快なピリピリ感が、アルコールと、加熱処理に影響を受けることを示す。
【0051】
具体的には、水に、ミネラルを提供するための所定量の塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを溶解し、そして所定量の原料用アルコールを混合し、飲料を調製した。得られた飲料は、容器である容量100mLのガラス瓶に詰めて、アルコール含有量が5v/v%である比較例1の飲料サンプルを得た。加熱処理は実施しなかった。なお、上記の塩は、塩自体の味の影響が少ないため、実験に用いた。
【0052】
また、上記と同様の原料を用いて同様の操作を実施して飲料を得て、これを容器である容量100mLのガラス瓶に詰めた。次いで、得られた容器詰飲料を45℃、1分間加熱処理に付して、アルコール含有量が5v/v%である比較例2の飲料サンプルを得た。
【0053】
最後に、比較のため、原料用アルコールを用いないことを除いて比較例1と同じ操作を行い、アルコール含有量が0v/v%である比較例3の飲料サンプルを得た。加熱処理は実施しなかった。
【0054】
得られたサンプル飲料について、加熱の有無、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量を、以下の表に示す。
得られた飲料サンプルについて訓練された4名のパネラーが官能評価を実施し、「ピリピリ感」、「後味の悪さ」、「飲料としての美味しさ」を評価した。「ピリピリ感」、「後味の悪さ」の評価基準は以下のとおりである。
【0055】
6点:まったく感じない
5点:ほとんど感じない
4点:あまり感じない
3点:やや感じる
2点:感じる
1点:強く感じる
「飲料としての美味しさ」の評価基準は以下のとおりである。
【0056】
6点:強く感じる
5点:感じる
4点:やや感じる
3点:あまり感じない
2点:ほとんど感じない
1点:まったく感じない
次いで、各項目のスコアの平均値を求め、その平均値に応じて以下のように評価を与えた。
【0057】
+++:平均点が5点以上
++:平均点が4点以上、5点未満
+:平均点が3点以上、4点未満
±:平均点が2点以上、3点未満
-:平均点が1点以上、2点未満
なお、評価の個人差を少なくするために、専門パネラーは、各スコアに対応した標準サンプルを用いて事前に各スコアと味との関係の共通認識を確立した。
【0058】
結果を表1に示す。「比1」、「比2」、「比3」は、それぞれ比較例1、比較例2、比較例3を示す。また、「美味しさ」は、飲料としての美味しさを意味する。
【0059】
【表1】
【0060】
比較例1と2から、加熱処理をしないと、飲料に含有されるナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのようなミネラルに由来する不快なピリピリ感が目立つことが明らかとなった。さらに、比較例1と3から、ミネラルを含有する飲料がアルコールも含有すると、当該ミネラルのピリピリ感が増強されることも明らかとなった。
【0061】
そこで、続く実験においては、ミネラルとアルコールを含有し、加熱処理されていない飲料に対する効果を検討した。
(試験例2) ミネラル重量比およびポリデキストロースの影響(アルコール5v/v%)
試験例1の比較例1と同様にして、アルコール含有量が5v/v%であり、加熱処理されていない複数のサンプル飲料を調製した。その際には、原料の使用量を変動させて、ミネラルの含有量とミネラル重量比を調整した。さらに、多糖類として、ポリデキストロース(ダニスコジャパン株式会社、ライテス)を用いた。
【0062】
得られたサンプル飲料について、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量を、以下の表に示す。なお、多糖類の含有量は、使用した多糖類の純度を考慮して計算して求めた値である。このことは、続く試験例においても同様である。
【0063】
得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。その結果も以下の表に示す。
【0064】
【表2A】
【0065】
【表2B】
【0066】
特定範囲のミネラル重量比において多糖類を用いると、優れた効果が得られた。また、多糖類の含有量が特定範囲にあると、後味が優れていた。
次いで、加熱処理された比較例2と同様のサンプル飲料を調製し、さらに、所定量のポリデキストロースを加えたことを除いて比較例2と同じである複数のサンプル飲料を調製した。得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。
【0067】
それらの飲料におけるミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類の含有量、官能評価結果を以下に示す。
【0068】
【表2C】
【0069】
加熱処理をした場合には、ピリピリ感が少なく、多糖類やミネラル重量比の効果はほとんど認められなかった。
(試験例3) ミネラル重量比およびポリデキストロースの影響(アルコール15v/v%)
アルコール含有量が15v/v%であることを除いて試験例2と同様の実験を行い、加熱処理されていないサンプル飲料を調製し、官能評価を実施した。多糖類として、ポリデキストロースを用いた。
【0070】
得られたサンプル飲料について、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量、および官能評価結果を、以下の表に示す。
【0071】
【表3A】
【0072】
【表3B】
【0073】
試験例2と同様の傾向が認められた。
次いで、アルコール含有量が15v/v%であることを除いて、加熱処理された比較例2と同様のサンプル飲料を調製し、さらに、所定量のポリデキストロースを加えたこととアルコール含有量が15v/v%であることを除いて比較例2と同じである複数のサンプル飲料を調製した。得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。
【0074】
それらの飲料におけるミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類の含有量、官能評価結果を以下に示す。
【0075】
【表3C】
【0076】
加熱処理をした場合には、ピリピリ感が少なく、多糖類やミネラル重量比の効果はほとんど認められなかった。
(試験例4) ミネラル重量比および難消化性グルカンの影響(アルコール5v/v%)
ポリデキストロースを難消化性グルカン(日本食品化工株式会社、フィットファイバー#80)に置き換えて、試験例2と同じ実験を実施した。
【0077】
得られたサンプル飲料について、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量、官能評価を、以下の表に示す。
【0078】
【表4A】
【0079】
【表4B】
【0080】
試験例2と同様の傾向が認められた。
次いで、加熱処理された比較例2と同様のサンプル飲料を調製し、さらに、所定量の難消化性グルカンを加えたことを除いて比較例2と同じである複数のサンプル飲料を調製した。得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。
【0081】
それらの飲料におけるミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類の含有量、官能評価結果を以下に示す。
【0082】
【表4C】
【0083】
加熱処理をした場合には、ピリピリ感が少なく、多糖類やミネラル重量比の効果はほとんど認められなかった。
(試験例5) ミネラル重量比および難消化性グルカンの影響(アルコール15v/v%)
ポリデキストロースを難消化性グルカン(日本食品化工株式会社、フィットファイバー#80)に置き換えて、試験例3と同じ実験を実施した。
【0084】
得られたサンプル飲料について、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量、および官能評価結果を、以下の表に示す。
【0085】
【表5A】
【0086】
【表5B】
【0087】
試験例4と同様の傾向が認められた。
次いで、アルコール含有量が15v/v%であることを除いて、加熱処理された比較例2と同様のサンプル飲料を調製し、さらに、所定量の難消化性グルカンを加えたこととアルコール含有量が15v/v%であることを除いて比較例2と同じである複数のサンプル飲料を調製した。得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。
【0088】
それらの飲料におけるミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類の含有量、官能評価結果を以下に示す。
【0089】
【表5C】
【0090】
加熱処理をした場合には、ピリピリ感が少なく、多糖類やミネラル重量比の効果はほとんど認められなかった。
(試験例6) ミネラル重量比および難消化性デキストリンの影響(アルコール5v/v%)
ポリデキストロースを難消化性デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#150)に置き換えて、試験例2と同じ実験を実施した。
【0091】
得られたサンプル飲料について、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量、官能評価を、以下の表に示す。
【0092】
【表6A】
【0093】
【表6B】
【0094】
試験例2と同様の傾向が認められた。
次いで、加熱処理された比較例2と同様のサンプル飲料を調製し、さらに、所定量の難消化性デキストリンを加えたことを除いて比較例2と同じである複数のサンプル飲料を調製した。得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。
【0095】
それらの飲料におけるミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類の含有量、官能評価結果を以下に示す。
【0096】
【表6C】
【0097】
加熱処理をした場合には、ピリピリ感が少なく、多糖類やミネラル重量比の効果はほとんど認められなかった。
(試験例7) ミネラル重量比および難消化性デキストリンの影響(アルコール15v/v%)
ポリデキストロースを難消化性デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#150)に置き換えて、試験例3と同じ実験を実施した。
【0098】
得られたサンプル飲料について、ミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類含有量、および官能評価結果を、以下の表に示す。
【0099】
【表7A】
【0100】
【表7B】
【0101】
試験例6と同様の傾向が認められた。
次いで、アルコール含有量が15v/v%であることを除いて、加熱処理された比較例2と同様のサンプル飲料を調製し、さらに、所定量の難消化性デキストリンを加えたこととアルコール含有量が15v/v%であることを除いて比較例2と同じである複数のサンプル飲料を調製した。得られたサンプル飲料について、試験例1と同様にして官能評価を実施した。
【0102】
それらの飲料におけるミネラルの含有量、ミネラル重量比、多糖類の含有量、官能評価結果を以下に示す。
【0103】
【表7C】
【0104】
加熱処理をした場合には、ピリピリ感が少なく、多糖類やミネラル重量比の効果はほとんど認められなかった。