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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124524
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】発光素子駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/38 20060101AFI20240905BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20240905BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240905BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
H04L25/38 T
H04L25/02 V
H05B47/18
H05B45/325
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109431
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2021562454の分割
【原出願日】2020-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2019221247
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 圭
(57)【要約】
【課題】他の発光素子駆動装置と共通のクロック信号を用いずに、他の発光素子駆動装置と同期動作が可能な発光素子駆動装置を提供する。
【解決手段】LED調光制御装置(4A)は、通信回線(3)を介して送信される所定の通信信号を受信するように構成された受信器(41)を備え、内部PWMクロック信号を用いて個々のLEDをプログラマブルPWM調光するように構成されている。前記所定の通信信号は、UART通信信号であり、シリアルインターフェースの各UARTフレームは、1つのスタートビットとデータビットとから構成される。前記内部PWMクロック信号は、前記所定の通信信号によって調整される。前記所定の通信信号は、第1の論理レベルを有するスタートビットが送信部から所定周期で送信され、各スタートビットに続くデータビットが第2の論理レベルを有する信号が所定回数連続して送信される信号である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して送信される所定の通信信号を受信するように構成された受信器を備え、
内部PWMクロック信号を用いて個々のLEDをプログラマブルPWM調光するように構成されているLED調光制御装置であって、
前記所定の通信信号は、UART通信信号であり、シリアルインターフェースの各UARTフレームは、1つのスタートビットとデータビットとから構成され、
前記内部PWMクロック信号は、前記所定の通信信号によって調整され、
前記所定の通信信号は、第1の論理レベルを有するスタートビットが送信部から所定周期で送信され、各スタートビットに続くデータビットが第2の論理レベルを有する信号が所定回数連続して送信される信号である、LED調光制御装置。
【請求項2】
外部の第1LEDのカソードが接続されるように構成された第1端子と、
外部の第2LEDのカソードが接続されるように構成された第2端子と、
外部の第3LEDのカソードが接続されるように構成された第3端子と、
を備える、請求項1に記載のLED調光制御装置。
【請求項3】
前記第1LEDと、前記第2LEDと、前記第3LEDと、をそれぞれ個別に調光する、請求項2に記載のLED調光制御装置。
【請求項4】
前記LEDのオンデューティを設定するように構成されたレジスタを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のLED調光制御装置。
【請求項5】
前記内部PWMクロック信号のオンタイミングを所定の周期ごとに変更するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のLED調光制御装置。
【請求項6】
前記通信回線はCANであり、
前記CANのバスが接続されるように構成された端子を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のLED調光制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のLED調光制御装置と、
前記LEDと、
を備える、LEDシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のLEDシステムを備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のチャンネルを備える発光素子駆動装置が知られている(例えば特許文献1参照)。そして、単一の発光素子駆動装置だけでは所望のチャンネル数に達しない場合、複数の発光素子駆動装置を用いて発光システムが構築される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-107259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、チャンネル毎のオン/オフ制御又はチャンネル毎の調光制御が行われる場合、複数の発光素子駆動装置が同期して動作しなければ、発光システムの発光パターンが所望の発光パターンとは異なってしまう。
【0005】
例えば、共通のクロック信号を各発光素子駆動装置に供給し、各発光素子駆動装置がクロック信号に基づいて動作することで、複数の発光素子駆動装置が同期して動作することができる。しかしながら、共通のクロック信号を各発光素子駆動装置に供給する場合、各発光素子駆動装置にクロック信号を入力するためのポートを設ける必要があり、発光素子駆動装置の大型化及び高コスト化を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑み、他の発光素子駆動装置と共通のクロック信号を用いずに、他の発光素子駆動装置と同期動作が可能な発光素子駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書中に開示されている発光素子駆動装置は、通信ラインによって伝送される所定の通信信号を受信する受信部と、前記所定の通信信号におけるスタートビットの開始タイミングに基づき基準信号を生成する生成部と、前記基準信号に基づき、発光素子の消灯から点灯への切り替えタイミングを決定する決定部と、を備え、前記所定の通信信号は、第1論理レベルである前記スタートビットが送信機から一定周期で送信され、且つ、各々の前記スタートビットに続くデータビットが連続して所定回数以上第2論理レベルにならない信号である構成(第1の構成)である。
【0008】
上記第1の構成の発光素子駆動装置において、前記生成部は、前記通信ラインが前記第2論理レベルである期間が第1所定時間続いたことを検出する第1検出部と、前記通信ラインが前記第2論理レベルである期間が前記第1所定時間続いた後に初めて前記通信ラインに現れる前記第1論理レベルの出現タイミングを前記スタートビットの開始タイミングとして検出する第2検出部と、を備える構成(第2の構成)としてもよい。
【0009】
上記第2の構成の発光素子駆動装置において、前記第2検出部は、前記通信ラインが前記第1論理レベルである期間が前記出現タイミングから第2所定時間続かない場合には、例外的に前記出現タイミングを前記スタートビットの開始タイミングとして検出しない構成(第3の構成)としてもよい。
【0010】
上記第3の構成の発光素子駆動装置において、前記第2所定時間は前記第1所定時間より短い構成(第4の構成)としてもよい。
【0011】
上記第1~第4いずれかの構成の発光素子駆動装置において、前記所定の通信信号は、前記発光素子の調光情報を含む構成(第5の構成)としてもよい。
【0012】
上記第1~第5いずれかの構成の発光素子駆動装置において、前記所定の通信信号は、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)通信信号である構成(第6の構成)としてもよい。
【0013】
本明細書中に開示されている発光システムは、上記第1~第6いずれかの構成の発光素子駆動装置を複数備え、前記通信ラインと、前記送信機と、少なくとも前記発光素子駆動装置と同数の前記発光素子と、をさらに備える構成(第7の構成)である。
【0014】
本明細書中に開示されている車両は、上記第7の構成の発光システムを備える構成(第8の構成)である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば他の発光素子駆動装置と共通のクロック信号を用いずに、他の発光素子駆動装置と同期動作が可能な発光素子駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る発光システムを示す図
図2】発光素子駆動装置の一構成例を示す図
図3】発光素子駆動装置の動作を説明するためのタイムチャート
図4】発光素子駆動装置の動作を説明するための他のタイムチャート
図5】発光素子駆動装置の動作を説明するためのさらに他のタイムチャート
図6】発光素子回路の配置例を示す図
図7】車両の外観図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、一実施形態に係る発光システムを示す図である。図1に示す発光システム1は、マイクロコンピュータ2と、通信バス3と、発光素子駆動装置4A~4Dと、発光素子回路5A_1~5A_8、5B_1~5B_8、5C_1~5C_8、及び5D_1~5D_8と、DC/DCコンバータ6A~6Dと、を備える。
【0018】
マイクロコンピュータ2は、通信バス3を介して、発光素子駆動装置4A~4Dの各ch(各チャンネル)を調光制御する。マイクロコンピュータ2は、アドレス指定によって発光素子駆動装置4A~4Dを区別して制御する。例えば2ビットのアドレスを用いた場合、マイクロコンピュータ2は最大4個の発光素子駆動装置を区別して制御することができる。また例えば3ビットのアドレスを用いた場合、マイクロコンピュータ2は最大8個の発光素子駆動装置を区別して制御することができる。
【0019】
マイクロコンピュータ2は、発光素子駆動装置4A~4Dの各chをPWM(Pulse Width Modulation)のオンデューティによって調光制御する。なお、本実施形態とは異なり、PWM調光制御以外の調光制御を用いてもよい。例えば、マイクロコンピュータ2は、発光素子駆動装置4A~4Dの各chを流れるDC電流の値によって調光制御してもよい。
【0020】
通信バス3は、所定の通信信号を伝送する通信ラインである。上記所定の通信信号は、第1論理レベルであるスタートビットが送信機として機能するマイクロコンピュータ2から一定周期で送信され、且つ、各々のスタートビットに続くデータビットが連続して所定回数以上第2論理レベルにならない信号である。上記所定の通信信号としては、例えばUART通信信号等を用いることができる。なお、以下の説明では、上記所定の通信信号としてUART通信信号を用いる。UART通信信号では、第1論理レベルはLowレベルであり、第2論理レベルはHighレベルである。
【0021】
通信バス3としては、例えばCAN(Controller Area Network)バス等を用いることができる。
【0022】
発光素子駆動装置4Aは、1ch~8chを備え、1ch~8chに接続される発光素子回路をマイクロコンピュータ2による調光制御に従ってch毎に駆動する。発光素子駆動装置4Aのkchには発光素子回路5A_kのカソードが接続される(kは1以上8以下の自然数)。
【0023】
発光素子駆動装置4B~4Dは、付与されるアドレスが異なるだけで発光素子駆動装置4Aと同様の構成である。
【0024】
発光素子回路5A_k~5D_kそれぞれは、複数のLED(Light Emitting Diode)の直列回路である。なお、本実施形態とは異なり、発光素子回路5A_k~5D_kそれぞれを1個のLEDにしてもよい。また、LEDの代わりに、有機EL(Electro Luminescence)等の他の発光素子を用いてもよい。
【0025】
DC/DCコンバータ6Aは、入力電圧VINを出力電圧VOUT1に変換し、出力電圧VOUT1を発光素子回路5A_kのアノードに供給する。DC/DCコンバータ6Bは、入力電圧VINを出力電圧VOUT2に変換し、出力電圧VOUT2を発光素子回路5B_kのアノードに供給する。DC/DCコンバータ6Cは、入力電圧VINを出力電圧VOUT3に変換し、出力電圧VOUT3を発光素子回路5C_kのアノードに供給する。DC/DCコンバータ6Dは、入力電圧VINを出力電圧VOUT4に変換し、出力電圧VOUT4を発光素子回路5C_kのアノードに供給する。出力電圧VOUT1~VOUT4は基本的に同一値の電圧を想定している。しかしながら、例えば、発光素子回路5A_kを構成する発光素子の個数と発光素子回路5B_kを構成する発光素子の個数とが互いに異なる場合には、出力電圧VOUT1と出力電圧VOUT2とを互いに異なる値の電圧にすればよい。なお、本実施形態とは異なり、DC/DCコンバータ6A~6Dのうちの少なくとも二つを統合してもよい。
【0026】
次に、図2及び図3を参照して発光素子駆動装置4Aについて説明する。図2は、発光素子駆動装置4Aの一構成例を示す図である。図3は、発光素子駆動装置4Aの動作を説明するためのタイムチャートである。
【0027】
発光素子駆動装置4Aは、端子40と、受信部41と、生成部42と、決定部43と、電流源44_1~44_8と、を備える。
【0028】
端子40は、通信バス3(図1参照)に接続される。
【0029】
受信部41は、通信バス3(図1参照)によって伝送されるUART通信信号を受信する。受信部41は、発光素子駆動装置4Aのアドレスを不揮発的に記憶しており、発光素子駆動装置4Aのアドレスに基づいてUART通信信号から発光素子駆動装置4Aに関連する情報を抽出して、抽出した情報を決定部43内のレジスタ431に格納する。本実施形態では、受信部41は、発光素子駆動装置4Aの各chにおけるPWM調光のオンデューティを抽出する。
【0030】
なお、発光素子駆動装置4Bの受信部41は発光素子駆動装置4Bのアドレスを不揮発的に記憶しており、発光素子駆動装置4Cの受信部41は発光素子駆動装置4Cのアドレスを不揮発的に記憶しており、発光素子駆動装置4Dの受信部41は発光素子駆動装置4Dのアドレスを不揮発的に記憶している。
【0031】
生成部42は、UART通信信号におけるスタートビットの開始タイミングに基づき基準信号を生成する。生成部42は、カウンタ421と、立ち下がりエッジ検出部422と、を備える。
【0032】
カウンタ421は、通信バス3(図1参照)がHighレベルであればカウント動作を継続し、通信バス3(図1参照)がLowレベルになるとカウント動作を停止してカウント値をリセットする。
【0033】
カウンタ421は、通信バス3(図1参照)がHighレベルである期間が第1所定時間PT1続いたことを検出する。UART通信信号では、データビットが9ビット以上連続でHighレベルになることはないため、第1所定時間PT1を9ビット連続でHighレベルになる期間に設定し、第1所定時間PT1を発光素子駆動装置4Aの内部クロック信号の周期で除した値をカウント値の閾値として用いる。これにより、カウンタ421は、UART通信が終了していることを検出することができる。
【0034】
カウンタ421は、通信バス3(図1参照)がHighレベルである期間が第1所定時間PT1続いたことを検出すると、立ち下がりエッジ検出部422に出力するイネーブル信号をHighレベルにする。
【0035】
立ち下がりエッジ検出部422は、イネーブル信号がHighレベルである期間のみ、通信バス3(図1参照)に現れるLowレベルの出現タイミングである立ち下がりエッジをUART通信のスタートビットの開始タイミングとして検出する。換言すると、立ち下がりエッジ検出部422は、通信バス3(図1参照)がHighレベルである期間が第1所定時間PT1続いた後に初めて通信バス3(図1参照)に現れるLowレベルの出現タイミングをUART通信のスタートビットの開始タイミングとして検出する。
【0036】
そして、立ち下がりエッジ検出部422が立ち下がりエッジを検出した直後に、カウンタ421は、イネーブル信号をHighレベルからLowレベルに切り替える。
【0037】
立ち下がりエッジ検出部422は、UART通信のスタートビットの開始タイミングで発生するパルス信号である基準信号SREFを決定部43内のPWM信号生成部432に出力する。
【0038】
決定部43は、基準信号SREFに基づき、発光素子回路5A_1~5A_8の消灯から点灯への切り替えタイミングを決定する。決定部43は、レジスタ431と、PWM信号生成部432と、を備える。
【0039】
レジスタ431は、上述した通り、発光素子駆動装置4Aの各chにおけるPWM調光のオンデューティを格納する。本実施形態では、PWM調光のオンデューティを設定値0以上255以下の任意の整数(8ビットのデータ)で表す。
【0040】
PWM信号生成部432は、レジスタ431に格納されているkchにおけるPWM調光のオンデューティと基準信号SREFとに基づき、PWM信号SPWMkを生成する(kは1以上8以下の自然数)。PWM信号生成部432は、例えば、時間t1~T2の期間において、UART信号S1によって伝送された発光素子駆動装置4Aの各chにおけるPWM調光のオンデューティを用いて、発光素子駆動装置4Aの各chにおける点灯時間を計算し、その計算結果を基準信号SREFの次のパルスが現れるタイミング(時間t3)以降に反映させる。具体的には、時間t3から消灯時間(既知であるUART通信の周期から上記の点灯時間を引いた時間)が経過した時点で点灯時間に移行するようにすればよい。上記の点灯時間は、UART通信の周期と上記の設定値との乗算値を255で除算することによって算出することができる。
【0041】
電流源44_kは、発光素子回路5A_k(図1参照)のカソードに接続されており、PWM信号SPWMkによってPWM駆動する(kは1以上8以下の自然数)。PWM信号SPWMkがHighレベルであるときに、電流源44_kはオン状態となり発光素子回路5A_kを駆動する。一方、PWM信号SPWMkがLowレベルであるときに、電流源44_kはオフ状態となり発光素子回路5A_kを駆動しない。
【0042】
発光素子駆動装置4Aが上記のように動作し、発光素子駆動装置4B~4Dも発光素子駆動装置4Aと同様に動作することで、発光素子駆動装置4A~4D全てが基準信号SREFに同期して動作する。したがって、発光素子駆動装置4A~4D間で共通のクロック信号を用いることなく、図1に示す発光システム1の発光パターンを所望の発光パターン(マイクロコンピュータ2発光素子駆動装置4A~4Dに指示した通りの発光パターン)と一致させることができる。
【0043】
なお、各chにおけるPWM調光のオンデューティが同一であっても、必ずしも消灯から点灯のタイミングを同一にする必要はなく、例えば図4に示すように隣接ch間で消灯から点灯のタイミングを所定のシフト時間Δだけずらしてもよい。また、図3及び図4では各chのPWM調光のオンデューティが同一であるが、当然の事ながら各chにおけるPWM調光のオンデューティはそれぞれ異なっていてもよい。また、各chにおいて、PWM周期毎にPWM調光のオンデューティを変更することができる。
【0044】
以上の説明では、通信バス3(図1参照)の電圧レベルに異常が生じていない場合について説明したが、マイクロコンピュータ2の異常或いはノイズの影響等によって通信バス3(図1参照)の電圧レベルに異常が生じる場合がある。
【0045】
例えば、UART信号S1の通信終了時点から第1所定時間PT1が経過する前に、通信バス3(図1参照)がLowレベルになる期間L1が発生すると、生成部42は、期間L1の開始時点をUART信号のスタートビットの開始タイミングと誤認識することはない(図5参照)。
【0046】
しかしながら、UART信号S1の通信終了時点から第1所定時間PT1が経過してから、通信バス3(図1参照)がLowレベルになる期間L1が発生すると、生成部42は、期間L1の開始時点をUART信号のスタートビットの開始タイミングと誤認識してしまう。
【0047】
上記のような誤認識を防止するために、立ち下がりエッジ検出部422は、通信バス3(図1参照)がLowレベルである期間が通信バス3(図1参照)に現れるLowレベルの出現タイミングから第2所定時間続かない場合には、例外的に通信バス3(図1参照)に現れるLowレベルの出現タイミングをUART通信のスタートビットの開始タイミングとして検出しないようにすればよい。例えば、継続時間が第2所定時間以下のLowレベル信号を除去できるフィルタ回路を立ち下がりエッジ検出部422に設けるとよい。
【0048】
第2所定時間は、上述した第1所定時間PT1より短く設定する。より具体的には、UART通信のスタートビットに相当する通信バス3(図1参照)のLowレベル期間よりも短くする。このように設定しておかないと、UART通信のスタートビットの開始タイミングを正しく検出できなくなるからである。
【0049】
発光素子回路5A_1~5A_8、5B_1~5B_8、5C_1~5C_8、及び5D_1~5D_8の配置は特に限定されないが、例えば図6に示すようなマトリクス配置にすることで、図1に示す発光システム1は、8×4ドット絵のアニメーション表示を行うことができる。
【0050】
図1に示す発光システムの用途は特に限定されないが、例えば図7に示す車両X10に適用することができる。車両X10は、表示部X11~X13を備える。表示部X11は車両X10の後部左端に設けられ、表示部X12は車両X10のハッチバックドアX14の下部に設けられ、表示部X13は車両X10の後部右端に設けられる。例えば、表示部X11として発光素子回路5A_1~5A_8を用い、表示部X12として発光素子回路5B_1~5B_8及び5C_1~5C_8を用い、表示部X13として発光素子回路5D_1~5D_8を用いることで、表示部X11と表示部X12とがハッチバックドアX14によって物理的に分断され、表示部X12と表示部X13とがハッチバックドアX14によって物理的に分断されているにもかかわらず、表示部X11~X13での一体表示が可能となる。
【0051】
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0052】
1 発光システム
2 マイクロコンピュータ
3 通信バス
4A~4D 発光素子駆動装置
5A_1~5A_8 発光素子回路
5B_1~5B_8 発光素子回路
5C_1~5C_8 発光素子回路
5D_1~5D_8 発光素子回路
6A~6D DC/DCコンバータ
40 端子
41 受信部
42 生成部
421 カウンタ
422 立ち下がりエッジ検出部
X10 車両
X11~X13 表示部
X14 ハッチバックドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7