IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 一般財団法人杜の財団の特許一覧

<>
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図1
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図2
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図3
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図4
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図5
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図6
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図7
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図8
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図9
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図10
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図11
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図12
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図13
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図14
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図15
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図16
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図17
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図18
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図19
  • 特開-中空部材及びグレーチング 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124536
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】中空部材及びグレーチング
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A01G7/00 602A
A01G7/00 602B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109737
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2021090362の分割
【原出願日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】P 2020094730
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】524098008
【氏名又は名称】一般財団法人杜の財団
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】矢野 智徳
(57)【要約】
【課題】水流や空気流を等速で対応できるシステム、例えば土壌通気浸透排水システムに好適に用いることが可能な中空部材及びグレーチングを提供する。
【解決手段】シガラミ構造からなる中空部材であって、前記中空部材を構成する外面は、長さや幅が異なり、縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材で形成される不定形の面を備えている。またシガラミ構造からなるグレーチングであって、前記グレーチングの面は、長さや幅が異なる縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材からなる不定形の面で形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガラミ構造からなる中空部材であって、前記中空部材を構成する外面は、長さや幅が異なり、縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材で形成される不定形の面を備えていることを特徴とする中空部材。
【請求項2】
前記中空部材は、地盤改良対象の所定領域に形成された縦方向の縦溝に配置され、前記中空部材の外面は間隙が形成され、前記間隙を構成する材と前記間隙との面積比率を、間隙を構成する材の総面積≦間隙の総面積、で形成されたことを特徴とする請求項1記載の中空部材。
【請求項3】
前記中空部材は、地盤改良対象の所定領域に形成された横方向の長尺溝に配置され、前記中空部材の外面は間隙が形成され、前記間隙を形成する材と前記間隙との面積比率を、間隙を形成する材の総面積≦間隙の総面積、で構成されたことを特徴とする請求項1記載の中空部材。
【請求項4】
請求項2に記載の縦に配置される中空部材と、請求項3に記載の横に配置される中空部材が連結されていることを特徴とする中空部材。
【請求項5】
地盤改良を構成する土壌通気浸透排水システムに用いられることを特徴とする請求項2乃至4記載のいずれか記載の中空部材。
【請求項6】
シガラミ構造からなるグレーチングであって、前記グレーチングの面は、長さや幅が異なる縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材からなる不定形の面で形成されたことを特徴とするグレーチング。
【請求項7】
不定形の面で形成されたシガラミ構造からなるグレーチングであって、前記グレーチングは、縦方向に配置された中空部材の上面、横方向に配置された中空部材の端部に配置されることを特徴とするグレーチング。
【請求項8】
前記不定形の面を形成する材の一部に、切れ目が形成されていることを特徴とする請求項6又は7記載のグレーチング。
【請求項9】
前記シガラミ構造は、間隙を形成するやたら構造の井桁となっている枠が複数種以上で形成されていることを特徴とする請求項7記載のグレーチング。
【請求項10】
前記やたら構造の井桁となっている複数種以上の枠は、層として立体的な構造で形成されていることを特徴とする請求項9記載のグレーチング。
【請求項11】
前記グレーチングは、土壌通気浸透排水システムの中空部材の蓋として用いられることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか記載のグレーチング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空部材及びグレーチングに係り、特に土壌通気浸透排水システムに好適に用いることが可能な中空部材及びグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の浸透性の開渠排水路、暗渠排水管、浸透桝による土壌排水技術は、土壌からの排水するものであり、一定期間経過すると浸透性の開渠排水路、暗渠排水管や浸透枡の外周に充填された砕石・砂等(透水性の充填材)の間隙に泥や腐食した植物有機物等がたまり、暗渠排水管や浸透枡の周囲土壌や、充填材及び暗渠排水等の通路が目詰まりし、透水性が低下するという問題が発生していた。
【0003】
また、浸透性の開渠排水路、暗渠排水管、浸透桝と、透水性を有する充填材の重みにより、暗渠排水管や浸透桝等を配置している周囲土壌を圧密し、土壌の通気性・透水性が低下するという問題も発生していた。土壌の通気性、透水性の低下は、土壌中の空気、水のよどみによる有機物の腐敗、この腐敗による有害ガスの発生等により、植物の繁茂環境が悪化するという不都合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-288354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、極めて優れた土壌通気排水システムであるが、大地における土壌環境全般にわたる雨水浸透機能の再生及び地形崩壊防止が可能な、より改善された土壌通気排水システムが望まれていた。
【0006】
これまでの集水するパイプと、集水した水を回収するマス(桝)の容積との比率を基にした公知のシステムは、システムを構成する既存材料の比率に準じた構造体を考慮して行われていたが、公知の不都合に着目し、本発明者は、鋭意研究し、より効率よく、永続的なシステムについて研究した。
【0007】
すなわち、これまでの土壌排水システムでは、表層地面の水の動きは停滞するか浸食されるかが問題であり、表層地面の水の動きの停滞について、どのように停滞を捌かすかの処置、また浸食はその浸食力を弱める処置、で対応することが検討されてきた。
しかしながら、本発明者は、自然界の循環機能は、一定の空気と水の流れに伴う通気・通水、保水・保気の循環機能であるという知見に基づいて、これら循環機能は、等圧機能→等加速度運動に他ならないことを見出した。そして、この状態が保たれた時(本明細書では、以下「安息状態」という)、循環型の土壌通気浸透排水システムが形成されるという知見を得た。
【0008】
本発明者は、川中に杭を打ち横木を噛ますことで水流の向きを変え、水の圧力を抑制する構造であるシガラミ構造に着目し、大地における土壌環境全般にわたる雨水浸透機能の再生及び地形崩壊防止を達成するために、川中でなく、地盤改良対象の所定領域の土壌においてもシガラミ構造を利用し、水及び空気について、直線的な排水・排気等の観点を見直し、渦流による多様性に富んだ不定形で、流線形、波紋形、らせん状構造を取り入れた土壌通気浸透排水システムを発明するに至った。そして、このシステムを具体的に実現するには、中空部材及びグレーチングの開発が必要である、という結論に至った。
【0009】
本発明の目的は、水流や空気流を等速で対応できるシステム、例えば土壌通気浸透排水システムに好適に用いることが可能な中空部材及びグレーチングを提供することにある。
本明細書において、「しがらみ(柵)構造」とは、本来は川の中に杭を打ち並べて、横向きに竹や木などを渡した構造を指すが、本明細書では、川等に限らず、土壌改良において、一定の領域の中で、横向きに竹や木、その他の素材などを渡した構造を指すものである。
また本明細書において、「やたら構造」とは、上記シガラミ構造のうち、空気と水の渦流モーメントに沿った構造で、流線形、波紋状、らせん形等の合成された構造を指し、構造を構成する各材(材料)の太さ等も不均等なのにバランスが崩れることがなく、一見適当に見える組み込み方でも、計算されたうえでの無秩序を表現しているものをいう。
本明細書で「孔」と表現するのは、円孔に限らず、シガラミ構造によって生み出される孔類似の間隙を含むものをいう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は、シガラミ構造からなる中空部材であって、前記中空部材を構成する外面は、長さや幅が異なり、縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材で形成される不定形の面を備えて構成されたことによって、解決される。
【0011】
また、中空部材は、地盤改良対象の所定領域に形成された縦方向の縦溝に配置され、前記中空部材の外面は間隙が形成され、前記間隙を構成する材と前記間隙との面積比率を、間隙を構成する材の総面積≦間隙の総面積、で形成されると、好適である。
【0012】
さらに、地盤改良対象の所定領域に形成された横方向の長尺溝に配置され、前記中空部材の外面は間隙が形成され、前記間隙は、前記間隙を形成する材と前記間隙との面積比率を、間隙を形成する材の総面積≦間隙の総面積、で構成されると好適である。
【0013】
このように、間隙を形成する材と間隙の面積比率を、間隙を構成する材の総面積≦間隙の総面積としているので、水や空気が流通する孔や間隙(開口面)の面積の方が大きく形成されることになり、水や空気が渦流として、円滑に通過できるとともに、間隙を構成する材の総面積≦間隙の総面積としているので、間隙を通して水、空気が通気浸透排水することができ、間隙を形成する材に阻止される土砂や小石による目詰まりが少なく、メンテナンスが容易である。
【0014】
このとき、上記中空部材であって、縦に配置される中空部材と横に配置される中空部材が連結されていると好適である。さらに中空部材は、地盤改良を構成する土壌通気浸透排水システムに用いられると好適である。
このように対象領域の土壌に形成された立穴(縦穴)又は長尺溝には、空気や水の通排気性が確保されたシガラミ構造からなる中空部材が配置されることになる。土壌通気浸透排水システムの改良領域において、中空部材が配置されることにより、空気や水の通排気性が確保され、地盤改良を構成する土壌通気浸透排水システムが、より良好に機能することになる。
【0015】
前記課題は、シガラミ構造からなるグレーチングであって、前記グレーチングの面は、長さや幅が異なる縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材からなる不定形の面で形成されたこと、によって解決される。シガラミ構造からなっているので、空気や水の通排気性をより確実に確保することが可能となる。
【0016】
また、前記課題は、不定形の面で形成されたシガラミ構造からなるグレーチングであって、前記グレーチングは、縦方向に配置された中空部材の上面、横方向に配置された中空部材の端部に配置されること、によって解決される。
このとき、不定形の面を形成する材の一部に、切れ目が形成されていると好適である。このような切れ目によって、グレーチングに水、空気、土砂等の圧力が所定以上加わったときに、切れ目があるために、グレーチングが変形し、所定以上の圧力を逃がすことが可能となり、過度の圧力によるグレーチングの破壊を防止すると共に、水、空気、土砂等の圧力を円滑に回避することが可能となる。
【0017】
さらに、前記グレーチングのシガラミ構造は、間隙を形成するやたら構造の井桁となっている枠が複数種以上で形成されていると良い。
【0018】
そして、やたら構造の井桁となっている複数種以上の枠は、層として立体的な構造で形成されているものでもよい。
このように構成すると、グレーチングそのものが、グレーチング枠との立体的な構造として井桁構造となり、この井桁構造により、より風圧を調整することができる。
前記グレーチングは、土壌通気浸透排水システムの中空部材の蓋として用いられると好適である。
【0019】
この中空部材は、長さや幅の異なる部材であって、縦、横、斜めの直線又は曲線の少なくとも一つ以上の部材で構成される不定形の面を有しているので、シガラミ構造からなる中空部材そのものが、規則性を重んじるこれまでの構造物とは異なり、自然界の不規則な環境に整合した状態で、土壌における通気浸透排水が可能となり、大地における土壌環境全般にわたる雨水浸透機能の再生及び地形崩壊防止が可能となる。
【0020】
このように、シガラミ構造からなる中空部材は、空気と水が渦流として流通し、等加速度運動として流通するので、定型構造物とは異なり、水や空気の土壌浸透気水脈に際して、自然状態に即して邪魔にならず、流通浸透排水を円滑に土壌浸透気水脈として渦流で流通できるようにすることが可能である。
【0021】
以上のように、中空部材を立(縦)方向又は横方向に向くように配置すると、浸透性の開渠排水路、暗渠排水管、浸透桝などとして活用することが可能となる。
そして、縦(立穴)に配置された中空部材と、横(長尺溝)に配置された中空部材とが連結されると、前記横に配置された中空部材は、土壌通気浸透排水システムを適用する対象領域の長尺溝の土壌中に一定の領域に亘って配置され、前記中空部材の外面は、長さや幅の異なる部材であって、縦、横、斜めの直線又は曲線の少なくとも一つ以上の部材で不規則に組み込まれた不定形の組込み部材と、この不定形の組込み部材間で形成された間隙とで構成された状態となる。
【0022】
また前記グレーチングに切れ目が形成されていると、グレーチングに水、空気、土砂等の圧力が所定以上加わったときに、切れ目があるために、グレーチングが変形し、所定以上の圧力を逃がすことが可能となり、グレーチングの破壊を防止すると共に、水、空気、土砂等の圧力を円滑に回避することが可能となる。
以上のように、本発明に係るグレーチングを用いると、グレーチングによる表面排水を行い、中空部材への風を通りやすい性質を利用して、風の荷重(風圧)を緩和することが可能となる。そして、グレーチングを構成するグレーチング枠との立体的な構造で、風圧を調整するために、井桁構造を応用することができる。
【発明の効果】
【0023】
中空部材をシガラミ構造としているので、定型構造物とは異なり、水や空気の流通浸透排水に際して、自然状態に即して邪魔にならず、流通浸透排水を円滑にできるようにすることが可能である。特に、中空部材を構成する材の総面積に対して、水や空気が通過する開口面の面積、つまり空間の方が同等以上として形成されているので、水や空気の通過が円滑にできるとともに、土砂や小石による目詰まりが少なく、メンテナンスが容易である。
そしてシガラミ構造となっているので、空気或いは水の量が所定量の時に、空気と水が渦流を成して円滑に抜け易い構造とすることが可能となる。このように、大地環境の機能再生に大いに寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る実施形態の一部分を説明する模式的断面である。
図2】(a)、(b)は本発明に係る実施形態の一部分を説明する一例を説明する模式図であり、(a)は横から見た断面、(b)は上から見た断面面である。
図3】(a)~(f)は中空部材を構成する部分を説明する模式的な説明図である。
図4】(a)、(b)は横に配置される中空部材の一例を示す説明図である。
図5】立穴(縦穴)に配置される中空部材の概略を示し、(a)は単体、(b)は縦及び横に配置される前の中空部材の連結を説明する概略斜視図である。
図6】地盤改良領域の立穴及び長尺溝に、中空部材を配置するときの説明図である。
図7】立穴(縦穴)及び長尺溝に中空部材を配置し、グレーチングを配置するときの説明図である。
図8】は立穴(縦穴)及び長尺溝に中空部材を配置し、図7と異なるグレーチングを配置するときの説明図である。
図9】立穴(縦穴)及び長尺溝に中空部材を配置し、図7及び図8と異なるグレーチングを配置するときの説明図である。
図10】地盤改良の土壌形成の説明図である。
図11】土壌通気浸透排水システムの部分断面を説明するイメージ図である。
図12】立穴に中空部材を配置し、グレーチングを配置するときの説明図である。
図13】立穴に中空部材を配置し、図12と異なるグレーチングを配置するときの説明図である。
図14】立穴に中空部材を配置し、図12及び図13と異なるグレーチングを配置するときの説明図である。
図15】立穴に中空部材を配置したときの説明図である。
図16】立穴に単体で中空部材を配置し、埋戻した状態の説明図である。
図17】立穴に単体で中空部材を配置し、埋戻した状態の説明図である。
図18】立穴に単体で中空部材を配置し、埋戻した状態の説明図である。
図19】地盤改良に用いられる土壌通気浸透排水システムの一例を示す説明図である。
図20図19のI-I線による部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下実施態様における部材等は、部材を構成する材料のもつ形、質、重さのそれぞれのオリジナル性質にあいまった多様性を考慮することによって、より相乗的目詰まり解消機能等を生み出せるように構成できる。つまり、多様性(例えば3種以上)をセットで用いられることにより、それぞれ単体で配置される以上の相乗的効果機能が生み出されるものである。
【0026】
まず、土壌通気浸透排水システムについて、図19および図20を用いて説明する。図19は地盤改良に用いられる土壌通気浸透排水システムの一例を示す説明図、図20はその部分断面図(I-I線による)である。図中、符号10は、縦の中空部材、記号Pは横の中空部材、符号40はグレーチングである。
【0027】
このように、土壌通気浸透排水システムは、地盤改良に用いられる土壌通気浸透排水システムを適用する対象領域において、前記対象領域の土壌の所定領域に、少なくとも一つ形成された立(縦)穴、及び/又は対象領域に亘って形成された長尺溝と、前記立(縦)穴及び/又は長尺溝には、空気や水の通排気性が確保されたシガラミ構造からなる構造物が配置され、シガラミ構造からなる構造物は、長さや幅の異なる部材であって、縦、横、斜めの直線又は曲線の少なくとも一つ以上の部材で構成される不定形の面を有して構成されているものである。
【0028】
図1は本発明に係る実施形態の一部分を説明する模式的断面、図2(a)、(b)は本発明に係る実施形態の一部分を説明する一例を説明する模式図であり、(a)は横から見た断面、(b)は上から見た断面面である。
【0029】
シガラミ構造からなる構造物を形成する材(部材や材料)について、(1)形、(2)質、(3)重さの三種の態様を組み合わせる。この三種三様の組み合わせは、多様性を基準に、実証法的に実用化していく。対象領域の自然状態である水量含めた集水量及び人の土地利用含めたその場の土圧等を考慮し、採用されるシステムの規模を特定して、実用化を行う。
例えば、対象領域(場)の三種としては、地形、質、重さ(土圧)であり、人為条件である人の土地利用も含むものを想定して対象領域(場)の三種を決定する。
【0030】
本発明におけるシガラミ構造とは、空気と水の流れの圧力により回転運動と往復運動が合成された結果生み出される構造と理解することもできる。具体的には、波紋状、らせん状の空気と水の流体エネルギーの上下・左右の立体的蛇行運動によって生み出された構造などである。このような条件を考慮して、材のある程度の構造上の条件を特定することが可能である。
【0031】
シガラミ構造を生み出すために、単一ではなく多様性が必要であるが、それは三種三様を基準にした組み合わせによっておおよそ多様性を実現できる。まず、材を形と質と重さの三種から、それぞれに対して、三様を組み合わせる。形の三様は例えば大・中・小、重さの三様は軽~重のうち三種類など、である。その三種三様の組み合わせは、多様性を基準に、実証法的に実用化していく。
【0032】
地盤改良の対象領域の自然状態である水量含めた集水量及び人為条件である人の土地利用も含めたその場の土圧等を考慮して、対象領域(場)の地形、質、重さ(土圧)の三種に注目しながら、土壌通気浸透排水システムの規模の特定を行う。
【0033】
図1は、土壌通気浸透排水システムSを適用する対象領域に、縦方向の立穴(縦穴)Hに配設された中空部材10と、この中空部材10と長尺溝M(横方向、図6図9参照)に配設された長尺の中空部材Pとが連結された状態を示すものである。
地盤改良に用いられる土壌通気浸透排水システムSを適用する対象領域(例えば図19及び図20)において、土壌Dの所定位置と所定間隔で、図1で示すような立穴(縦穴)Hを掘削する。立穴Hの径、深さ、間隔、地形は、土壌Dの通水性、通気性、耐圧、保水・保気、泥こしの各機能状態による悪化の程度等の土壌環境に応じて選択される。
【0034】
中空部材10及び中空部材Pは、図1図5図9で示すように、中空部材を形成する外面が、図3で示すような長さや幅が異なり、縦、横、斜めの直線又は曲線を有した少なくとも一つ以上の材で不定形の面が形成されている。
【0035】
このとき、立穴(縦穴)Hに連続して、長尺の中空部材P(図4(a)(b)参照)を配置する長尺溝(通路)Mを掘削する(図7~9参照)。この長尺溝(通路)Mは、所謂やたら掘りにより、底面は平らにさらうのではなく、左右交互にクサビ状の凹凸が形成されるような溝をつくる。そして長尺の中空部材Pを配置する溝Mは緩やかな蛇行曲線の溝となるように掘ると好適であるが、ある程度の幅で掘削されていれば、この幅において、長尺の中空部材Pを直線状でなく配置できる。したがって、溝Mは、ある程度の幅があれば直線状の溝であってもよい。
【0036】
長尺の中空部材Pは、図4(a)(b)のような、空気や水の通排気性が確保されたシガラミ構造からなる構造物で、本例ではコルゲート管のような部材で、周囲面は縦、横、斜めの直線又は曲線の少なくとも一つ以上の部材で構成される不定形の面を有して構成され、フレキシブルなものとなっている。
【0037】
図1の例では、立穴(縦穴)Hに配置される中空部材10と、長尺の中空部材Pを接続しているが、中空部材10に水が相対的等速の水量、水圧、土圧に応じたその場の流速(等速)で、円滑に流れるように、長尺の中空部材Pも相対的に考慮した勾配を付けて、長尺溝Mを掘削する。このとき、逆流しないように、長尺溝Mの深さを決定する。図20で示すように、排水が円滑にできるように、立穴(縦穴)Hに配置される中空部材10内の水面より高い位置に、長尺の中空部材Pの底が位置するように施工している。
【0038】
なお本例において長尺の中空部材Pは、外周面が不特定面で構成されたコルゲート管のような長尺部材(パイプ状)を用いている。長尺部材(パイプ状)の径は80~100mmのもので、より機能的に言うならば、らせん曲線の組合せによるメッシュ構造で、施設時に曲げることができるように構成されている。
【0039】
本例における中空部材10と中空部材Pの接続は、図2(b)で示すように、中空部材10の中心から外れた位置で対向するように連結されている。このように構成しているので、中空部材Pからの流れが、中空部材10内で渦様の流れとなり円滑に流通する。また、中空部材10と中空部材Pの上下方向の接続位置は、図2(a)で示すように、高い位置側の中空部材Pを中空部材10の高い位置で連結し、低い位置側の中空部材Pを中空部材10の低い位置で連結している。このため、水、空気の流れが、異なる面で、中空部材10中で混ざり合うことになる。
【0040】
また、前記立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10と、長尺溝Mに配置された中空部材Pとの連結は、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10の中央から外れた位置で、長尺溝Mに配置された中空部材Pの先端が、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10に対して、下方に向けて連結されている。これにより、水、空気の流れが、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10の下方方向に導かれ、上方へ向かうことを抑制している。
【0041】
さらに、前記長尺溝Mに配置された中空部材Pが立穴(縦穴)Hに配設された中空部材10と連結されるが、このとき、二つの中空部材Pは、中空部材10の外面と高さ位置において、接続位置が異なっているように連結されている。
【0042】
また図1で示すように、立穴(縦穴)Hの底部には泥浸入防止のため透水性の軽量な砂等の敷砂20や砂利、砕石、植物枝葉を設置している。
そして、敷砂20が設置された立穴(縦穴)Hの底部に、充填材60を配置する。そして敷砂20は泥浸入防止のため、透水性の軽量の砂等から構成され、敷砂20の次に充填材60を配置する。この充填材60は炭、軽石、砂等を混ぜたものを用いる。充填材60については後述する。
この充填材60の上部に、泥浸入防止材70を配置する。この泥浸入防止材70は、伐採した樹木の枝や粗朶(そだ)などで構成されている。さらに複数の捨てコンクリート30を配置する。
【0043】
この捨てコンクリート30が固化する前に、外周に通水性、通気性を確保された中空部材10を、その下端が捨てコンクリート30やその他支持部材で適宜の固化により固定されるように設置する。中空部材10を構成する径は、立穴(縦穴)Hの径より小さく、好ましくは約半分または3分の2程度の範囲(相対選択とする)とすると好適である。なお、符号80は埋戻し土壌、符号90は芝生等の植栽である。
【0044】
中空部材10(中空部材P)の材質としては、 コンクリート、樹脂、金属製等どのようなものでも良いが、好ましくは有機材料、例えば木等の天然素材が最も好ましく、中空部材10の重量により周囲土壌を圧密しない軽量で耐圧性の材料が望ましい。
そして、中空部材10(中空部材P)は、例えば図3の(a)~(f)で示すように、通排気性が確保され不定形の面からなる材11を複数接合して構成されており、シガラミ構造として形成されている。
【0045】
本実施形態のシガラミ構造は、不定形の柵状の枠材12で形成されている。不定形の柵状の枠材12は、図3の(a)~(f)では平面で描かれているが、立体的に配置されて、不定形の面からなる材11を構成することができる。また井桁構造によれば、グレーチング40下で、井桁構造を応用し、グレーチングの枠を立体的な構造とすることが可能である。
なお、符号13は枠材12で形成される開口面である。また枠材12には、所定位置に切れ目14が形成され、枠材12に加わる圧力が大きい場合には変形して、円滑に流れるようになっている。
【0046】
そして、本例では、中空部材10(中空部材P)を構成する材(枠材)12の総面積に対して、水や空気が流通する開口面(枠材12間の開口部:間隙)13の面積の方が同等以上で形成されている。つまり、間隙13を構成する柵状の枠体(枠材)12と間隙13による面積比率を、間隙13を構成する材料の総面積≦間隙の総面積とし、間隙13から、水と空気が土壌浸透気水脈として等加速度運動で、渦流となって流通するようになっている。
【0047】
そして、中空部材10(中空部材P)の底部と、立穴(縦穴)H及び中空部材10との環状空間に通気性、通水性の高い充填材60を充填する。通気性、通水性の高い充填材60としては、乾留により得られた炭化物を主材料とし、それに軽石、砂、又は砕いた炭化物等を混ぜたものとし、充填材60を含めた構築に関する全体重量を軽量にし、その重量により土壌を圧密するのを防止する。乾留により得られる炭化物としては、木炭、竹炭等である。乾留により得られる炭化物は、様々な大きさの細孔が存在し、ポーラスな構造であるため、その表面積が非常に大きく水、空気の浄化能力が非常に大きい。さらに、圧密状態における通気、通水、保気、保水機能が非常に高い。
【0048】
そのため、周囲土壌中から有機ガス等を含む空気や、有害な物質が溶け込んだ水が充填材60中に流入しても、炭化物が有機ガス、有害物質を吸収し浄化する機能を持ち、充填材60中に有機ガスや有害物質が滞留するのを防止し、通気性、透水性を中期期間長期間維持できる。乾留により得られる炭化物の細孔中の空気や水が程よく循環すると、有機ガス、有害物質を分解するバクテリアが自然発生し、その効果がより一層発揮される。なお、これらのバクテリアを予め付着させておくと、その効果が相乗的に期待できる。なお、上記充填材以外に、その場における土壌そのものが、団粒構造を保つ範囲において使用されることも有効である。
【0049】
浸透雨水が中空部材10(中空部材P)の周辺に浸透してきた場合、雨水の動きの前に土壌内から空気が押し出されてくる。この空気が、雨水の水圧で押し出されてきた時、円滑に中空部材10の中及びその周辺に移動してくれないと、その後から押し出されてくる雨水が、空気の抵抗を受けて集水が弱くなることになる。よって、開口面が大なり小なりの複数の間隙(孔)などで、確保されていることで様々な水圧に伴う空気圧を抜くことが可能となる。
【0050】
図1で示すように、立穴(縦穴)に配置される中空部材10には、長尺の中空部材(パイプ状)Pが連結され、これにより通水性、通気性が確保されたフレキシブルな長尺の中空部材(パイプ状)Pが連結されることになり、この長尺の中空部材Pは土壌Dに形成された通路(長尺溝M)に配置される。長尺の中空部材Pは周囲の土壌Dの圧力に耐えるもの(圧力でつぶれないもの)であれば、網目の円筒体ではなく、空気と水の渦流モーメントに沿った構造で、流線形、波紋状、らせん形等の合成された構造で形成されている。
つまり、定型的な規則だった構成ではなく、特定なものと定めず、手当たり次第な様子の構造、いわゆる、やたら構造で形成することができる。これにより長尺の中空部材P自体が目詰まりすることがなく、通気性及び通水性に優れているものとなる。
【0051】
上述の実施態様では、中空部材10として、シガラミ構造のものを説明したが、通気性及び通水性、即ち通気浸透排水性が確保された不定形の面で構成された中空部材10、例えば外形部を形成する外面を備え、外面は、長さや幅の異なる部材であって、縦、横、斜めの直線又は曲線の少なくとも一つ以上の部材で不規則に組み込まれた不定形の組込み部材を用いて、この組込み部材の間で形成された間隙13とで構成するようにすることができる。このとき、間隙13を構成する材料(組込み部材)と間隙13の面積比率を、間隙13を構成する材料(組込み部材)の総面積≦間隙13の総面積で構成する。
【0052】
立穴(縦穴)に配置される不定形の立体構造物である中空部材10の上面は、解放面となっており、この上面の解放面を覆うようにグレーチング40が配設されている。
グレーチング40は、前述の中空部材10(中空部材P)の材質と同様で、その形状は図3(a)~(f)で示すように、中空部材10の空気と水の渦流に沿った構造で、流線形、波紋状、らせん形等の合成された構造、上記したシガラミ構造や、いわゆるやたら構造で構成されている。グレーチング40の材質は鉄(亜鉛メッキ)、ステンレス、アルミニウム、FRP製、木材等の天然素材などが用いられる。
【0053】
つまり、グレーチング40の平面視形状は、図3(a)~(f)で示すような、長さ等が異なる不定形からなる部材を組み合わせたもの、長さ等が異なる部材を組み合わせたもの、長さ等が異なる外周辺からなる部材を組み合わせ楕円形・二等辺三角形・不等辺三角形となるようにしたもので、中空部材10の上面の解放面の形状に合わせて形成したもの等、多面体の構造となるように構成されている。
なお、部材の角部15(図3(a)、(c)、(e)参照)は、流線形状にして、水、空気、その他の流通を阻害する流動物が、引っかからないような形状をしている。
さらに、図示はしないが、長さ等が異なる外周辺からなる各枠部材を組み合わせたもので中空部材10の上面の形状に合わせて不等辺五角形となるようにしたものも用いることができる。
【0054】
一般に、「雨水浸透枡」は、地表の雨水を効率的に土中へ浸透させるため、枡の底は砂利など水が土に浸透しやすい状態とし、地表に降り注いだ雨水を枡の中で一時的に貯蓄させ、徐々に地中へと浸透させてゆく。雨水浸透枡の設置により不飽和の地層や帯水層まで雨水が到達することが可能となり、十分な水量が供給されることによって湧水泉を復活させることに繋がる。
更に、一度土の中にしみ込んだ雨水はゆっくりと時間をかけて河川へと到達するため、大量の水が一気に流入するために起こる都市型水害を緩和する効果がある。つまり、自然の天然水脈における、浸透分散機能にならう設備が構成されることが重要である。ここでは、間接的な対応として、流域機能の再生・改善を図るため、土壌の団粒化として、土壌層の均等化、植物根層の再生安定化、土壌層の通気・通水機能として土壌層の保水・保気機能の再生、土壌層の耐圧機能の再生、気象機能の再生を図ることが重要である。
【0055】
そこで、本発明に係る中空部材10を雨水浸透枡(住宅地などに降った雨水を地面へと浸透させることのできる設備)として、利用し、浸透の速度を緩やかにすることができるため、設備一つ一つが巨大である必要はない。立穴(縦穴)を多くの場所で少量ずつ浸透させて処理できるよう広範囲に分散させて設置することにより、その効果をよく発揮する。このため、雨水浸透枡は個別住宅での使用に適した、設置・管理が容易で小型かつ安価なものとなっている。
【0056】
中空部材10の上面をグレーチング40で覆うが、立穴(縦穴)H及び長尺の溝Mの上部は、図16乃至図18で示すように、基本的に埋戻さず、やむおえない場合は、ふさいだ機能を他の場で代替できるようにして、水や空気を抜くことが可能である。なお相対的には均等分配を行う。さらに、土壌通気浸透排水システムを適用する対象領域に整地、植物等を配置できるように充填材60などを配置する。この場合も、上述と同様に基本的に埋戻さないで土壌を形成する。また、上記通気性、通水性の高い充填材60としては、主材料としての乾留により得られた炭化物、天然素材などに軽石、砂等を混ぜたものとし、全体重量を軽量に、その重量により土壌を圧密するのを防止し、それぞれの目地、相互通気・通水機能を確保する。乾留により得られる炭化物としては、木炭、竹炭等であり、少なくとも2種以上の材料で、上述のやたら構造としたものであることが好ましい。
【0057】
中空部材10について説明したが、長尺の中空部材Pについても、同様に施工することができる。これは、中空部材Pを長尺溝Mに沿って横方向に配置すると、暗渠排水などとして活用することができる。このとき、所定間隔で中空部材10と長尺の中空部材Pとを接合するなどができ、長尺の中空部材Pと接合する場合には、所定位置に長尺の中空部材Pより大きめの中空部材10が所定間隔・位置で配置されるので、ある程度多めの雨水にも対応することが可能となり、ゲリラ豪雨などのように、短時間で大量の雨水にも対応可能に、構成することもできる。
【0058】
本例において、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10の概略のサイズは、上端側の径が250mm~300mmで、下端側(底面側)の径が100mm~150mmの尻すぼみ形状となっており、深さ(高さ)は250mm~350mmのものとなっている。
つまり、上端側の径:深さ(高さ):下端側(底面側)の径=3:3:2となるように構成されている。また、中空部材10の上端の枠や中空部材10の周囲の部分も、部分的に井桁、やたら、しがらみなどの構造となっている。
【0059】
立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10と、長尺溝Mに配置された中空部材Pとの連結は、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10の網目のうち、図5(b)で示すように、中空部材10の中央から外れた位置をカット(切断)して連結穴16を形成する。本例では中空部材10の下端側(底面側)より少し高い位置で中空部材10の中央から外れた位置と、高さ方向の中央位置で中空部材10の幅方向の径の中央から外れた位置に、二か所連結穴16を形成している。
【0060】
この連結穴16に、長尺溝Mに配置された中空部材Pを両側から差し込むことによって、中空部材10との連結を行う。このとき、図2(a)で示すように、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10に連結される一方の中空部材Pの端部が下方に向けて連結され、他方の中空部材Pの端部が上下方向で異なる位置で下方に向けて、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10と連結される。
これにより、長尺溝Mに配置された長尺の中空部材Pからの水、空気の流れが、立穴(縦穴)Hに配置された中空部材10に入るときに、渦状の流れとなって、円滑に流通するようになる。
【0061】
図6乃至図9は中空部材10及び中空部材Pの配置工程を示し、図6は立穴(縦穴)H及び長尺溝Mを掘削した後に、炭などを敷き、中空部材10及び中空部材Pを土壌中に配置する(この時の固定の仕方も、植物の根がそれぞれの場の土壌に張力を効かせながら食い付くように、土中に侵入するような固定を工夫するとよい。)。そして、前述のように、中空部材10と中空部材Pを連結する。図7は立穴(縦穴)H及び長尺溝Mに中空部材10及び中空部材Pを配置し、グレーチング40を配置するときの説明図である。
図8は所定位置に切れ目14が形成されたグレーチング40を配置するときの説明図であり、図9は中空部材10にも切れ目14が形成された例を示すものである。
【0062】
図10は、グレーチングを配置した状態で、表層の形成を行った説明図で、表層は5cmの土を形成するものである。符号80は埋戻し土壌、符号90は芝生等の植栽を示す。つまり、立穴(縦穴)H及び長尺溝Mに中空部材10、中空部材Pを配置し、泥侵入防止材を配置し、さらにグレーチングを配置した状態である。
【0063】
図11は、立穴(縦穴)Hに、中空部材Pを配置した状態の概略断面を示す説明図である。このように、立穴(縦穴)Hに中空部材10を省略して、中空部材Pを配置した例を示すものである。なお符号50は埋戻し土壌である。
【0064】
図12乃至図18は、立穴(縦穴)Hに、中空部材10を単体で用いた例を示すものである。また、図19は、土壌通気浸透排水システムを適用した一例の概略断を示す説明図、図20は土壌通気浸透排水システムを適用した一例の概略断面で、図19のI-I断面の説明図である。
【符号の説明】
【0065】
10 中空部材
11 不定形の部材
12 柵状の枠体(枠材)
13 開口面(間隙)
14 切れ目
15 角部
16 連結穴
17 固定部材(長尺のピン)
20 敷砂
30 捨てコンクリート
40 グレーチング
50 埋戻し土壌
60 充填材
70 泥浸入防止材
80 埋戻し土壌
90 芝生等の植栽
S 土壌通気浸透排水システム
H 立穴(縦穴)
P 長尺の中空部材(パイプ状)
M 長尺溝(通路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20