(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124571
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/36 20060101AFI20240905BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240905BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B65H5/36
B65H5/06 D
B65H5/06 N
H04N1/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110894
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2020198607の分割
【原出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】熊橋 智史
(72)【発明者】
【氏名】粟津 聖貴
(72)【発明者】
【氏名】森 貴志
(57)【要約】
【課題】移動可能に設けられた撮像ユニットに媒体を適切に搬送させることが可能な媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】媒体搬送装置100は、媒体を搬送する搬送面と直交する方向に移動可能に設けられ、且つ、媒体を撮像する撮像ユニット117と、媒体搬送方向において撮像ユニットより上流側に、搬送面と直交する方向に移動可能に設けられた第1ローラ115、及び、第1ローラと対向する第2ローラ116を含むローラ対と、第1ローラの回転軸に設けられ、且つ、ローラの移動と連動して移動する搬送ガイド114と、を有し、搬送ガイドは、媒体搬送方向において少なくともローラ対のニップ部の下流側の端部から撮像ユニットの上流側の端部まで延伸し且つ撮像ユニットの下面と面一となるガイド面114bを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送面と直交する方向に移動可能に設けられ、且つ、媒体を撮像する撮像ユニットと、
媒体搬送方向において前記撮像ユニットより上流側に、前記搬送面と直交する方向に移動可能に設けられた第1ローラ、及び、前記第1ローラと対向する第2ローラを含むローラ対と、
前記第1ローラの回転軸に設けられ、且つ、前記第1ローラの移動と連動して移動する搬送ガイドと、を有し、
前記搬送ガイドは、媒体搬送方向において少なくとも前記ローラ対のニップ部の下流側の端部から前記撮像ユニットの上流側の端部まで延伸し且つ前記撮像ユニットの下面と面一となるガイド面を有する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記撮像ユニットは、媒体と当接して前記撮像ユニットを移動させる第2搬送ガイドを含む、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1ローラの移動と連動して移動し、前記第2搬送ガイドと係合して前記撮像ユニットを移動させるための移動部材をさらに有し、
媒体が搬送されていない場合、前記第2搬送ガイドと前記移動部材とは離間して配置されており、所定の厚さ以上の媒体が搬送された場合にのみ、前記移動部材が前記第2搬送ガイドと係合して前記撮像ユニットを移動させる、請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
媒体搬送方向において前記搬送ガイドより上流側に、媒体搬送方向の上流側端部を中心軸として揺動可能に設けられた第3搬送ガイドをさらに有する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置に関し、特に、媒体を搬送しながら撮像する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体を搬送しながら撮像するスキャナ装置等の媒体搬送装置では、様々な厚さの媒体を良好に撮像することが求められている。そのために、媒体を撮像する撮像ユニットが、搬送される媒体の厚さに応じて移動可能に配置された媒体搬送装置が開発されている。
【0003】
上流側・下流側ローラ対の従動ローラを上下動可能に構成し、そのローラ軸を画像読取ユニットから突出されている受け部に下方から当接させた画像読取装置が開示されている(特許文献1を参照)。この画像読取装置において、上流側・下流側ローラ対の搬送ニップのうちの少なくとも一方にシート材が挟持された場合に、ローラ軸によって画像読取ユニットが押し上げられて、画像読取間隙の幅がシート材の厚さと同じに保持される。
【0004】
媒体の搬送方向と直交する方向に移動可能に配置された撮像部と、媒体の搬送方向と直交する方向に移動可能に配置されたローラと、撮像部と一体的に設けられた搬送ガイドとを備えた媒体搬送装置が開示されている(特許文献2を参照)。この媒体搬送装置は、ローラの移動と連動して移動し、撮像部と一体的に設けられた係合部材と係合して撮像部を移動させるための移動部材を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-328216号公報
【特許文献2】特開2020-102696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像ユニットが移動可能に設けられた媒体搬送装置では、撮像ユニットに媒体を適切に搬送させることが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、移動可能に設けられた撮像ユニットに媒体を適切に搬送させることが可能な媒体搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送面と直交する方向に移動可能に設けられ、且つ、媒体を撮像する撮像ユニットと、媒体搬送方向において撮像ユニットより上流側に、搬送面と直交する方向に移動可能に設けられた第1ローラ、及び、第1ローラと対向する第2ローラを含むローラ対と、第1ローラの回転軸に設けられ、且つ、第1ローラの移動と連動して移動する搬送ガイドと、を有し、搬送ガイドは、媒体搬送方向において少なくともローラ対のニップ部の下流側の端部から撮像ユニットの上流側の端部まで延伸し且つ撮像ユニットの下面と面一となるガイド面を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体搬送装置は、移動可能に設けられた撮像ユニットに媒体を適切に搬送させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】搬送ガイド114等について説明するための模式図である。
【
図4】第1搬送ローラ115等の配置を説明するための模式図である。
【
図5A】搬送ガイド114等の位置関係を説明するための模式図である。
【
図5B】搬送ガイド114等の位置関係を説明するための模式図である。
【
図6A】搬送ガイド114等の動作について説明するための模式図である。
【
図6B】搬送ガイド114等の動作について説明するための模式図である。
【
図7A】移動部材121等の動作について説明するための模式図である。
【
図7B】移動部材121等の動作について説明するための模式図である。
【
図8A】移動部材121等の動作について説明するための模式図である。
【
図8B】移動部材121等の動作について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、プラスチックカード、パスポート又は冊子等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
【0013】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103及び排出台104等を備える。
【0014】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、下側筐体101に係合している。載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。また、矢印A2は媒体搬送方向A1と直交する幅方向を示す。
【0015】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0016】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、給送ローラ111、ブレーキローラ112、フラップガイド113、搬送ガイド114、第1搬送ローラ115、第2搬送ローラ116、第1撮像ユニット117、第2撮像ユニット118、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
【0017】
下側筐体101の上面は媒体の搬送路の下側ガイド105aを形成し、上側筐体102の下面は媒体の搬送路の上側ガイド105bを形成する。下側ガイド105a又は上側ガイド105bは、媒体を搬送する搬送面の一例である。
【0018】
給送ローラ111は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ112は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ111と対向して配置される。
【0019】
フラップガイド113は、第3搬送ガイドの一例であり、媒体搬送方向A1において給送ローラ111及びブレーキローラ112と第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116との間に、特に搬送ガイド114より上流側に設けられる。フラップガイド113は、給送ローラ111及びブレーキローラ112により給送された媒体の先端を第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116のニップ位置に案内する。
【0020】
搬送ガイド114は、第2搬送ローラ116と対向する位置に、即ちフラップガイド113より下流側に設けられる。搬送ガイド114は、給送ローラ111及びブレーキローラ112により給送され、フラップガイド113により案内された媒体の先端を第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116のニップ位置に案内する。また、搬送ガイド114は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116により搬送された媒体の先端を第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に案内する。
【0021】
第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116は、ローラ対の一例であり、媒体搬送方向A1において給送ローラ111及びブレーキローラ112より下流側且つ第1撮像ユニット117及び第2撮像ユニット118より上流側に設けられる。第1搬送ローラ115は、第1ローラの一例であり、上側筐体102に設けられる。一方、第2搬送ローラ116は、第2ローラの一例であり、下側筐体101に第1搬送ローラ115と対向して設けられる。
【0022】
第1撮像ユニット117は、撮像ユニットの一例であり、上側筐体102に設けられる。第1撮像ユニット117は、撮像ユニット筐体117aと、撮像ユニットガイド117bとを含む。撮像ユニット筐体117aの下部には、第1透過部材117cが設けられる。第1透過部材117cは、透明のガラス又はプラスチック等で形成され、第1透過部材117cの下面117dは、搬送される媒体の上面をガイドする。
【0023】
第1撮像ユニット117は、撮像ユニット筐体117a内に、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像ユニット117は、撮像ユニット筐体117a内に、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像ユニット117は、不図示の処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の裏面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0024】
撮像ユニットガイド117bは、第2搬送ガイドの一例であり、撮像ユニット筐体117aの上流側の外側に、且つ、搬送ガイド114より下流側に設けられる。撮像ユニットガイド117bは、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116により搬送され、且つ、搬送ガイド114によりガイドされた媒体の先端を第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に案内する。
【0025】
第2撮像ユニット118は、下側筐体101に、第1撮像ユニット117と対向して設けられる。第2撮像ユニット118の上部には、第2透過部材118aが設けられる。第2透過部材118aは、透明のガラス又はプラスチック等で形成され、第2透過部材118aの上面118bは、搬送される媒体の下面をガイドする。
【0026】
第2撮像ユニット118は、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像ユニット118は、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像ユニット118は、処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の表面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0027】
なお、第2撮像ユニット118は、省略されてもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0028】
第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120は、媒体搬送方向A1において第1撮像ユニット117及び第2撮像ユニット118より下流側に設けられる。第1排出ローラ119は、上側筐体102に設けられる。一方、第2排出ローラ120は、下側筐体101に第1排出ローラ119と対向して設けられる。
【0029】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ111が
図2の矢印A11の方向に回転することによって、下側ガイド105aとフラップガイド113の間を媒体の搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ112は、媒体搬送時、矢印A12の方向に回転する。給送ローラ111及びブレーキローラ112の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ111と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0030】
媒体は、下側ガイド105a、フラップガイド113及び搬送ガイド114によりガイドされながら、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116がそれぞれ矢印A13及び矢印A14の方向に回転することによって、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bに沿って第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に送り込まれる。第1撮像ユニット117及び第2撮像ユニット118により読み取られた媒体は、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120がそれぞれ矢印A15及び矢印A16の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0031】
図3は、フラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bについて説明するための模式図である。
図3は、媒体搬送路内で、給送ローラ111及びブレーキローラ112と、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120との間の部分を側方から見た模式図である。
【0032】
図3に示すように、フラップガイド113の上流側端部113aは、上側筐体102に揺動(回転)可能に支持されている。フラップガイド113の下流側端部の上端には、一端が上側筐体102に支持された第1ばね113bの他端が取り付けられ、フラップガイド113の下流側端部は、第1ばね113bにより媒体搬送路側に向かう方向(下方)に付勢されている。このように、フラップガイド113は、媒体搬送方向A1の上流側端部113aを中心軸として揺動可能に設けられている。これにより、フラップガイド113は、用紙のように厚み及び剛性を有さない媒体が搬送された場合、初期位置から移動せずに、媒体の先端の浮き上がりを規制する。一方、フラップガイド113は、厚紙、プラスチックカード、パスポート又は冊子のように厚み及び剛性を有する媒体が搬送された場合、搬送される媒体に押し上げられつつ、媒体の上面を規制する。
【0033】
搬送ガイド114は、第1搬送ローラ115の回転軸である第1シャフト115aに設けられ、第1搬送ローラ115の移動と連動して移動する。搬送ガイド114は、ひさし状の形状を有し、第1ガイド面114a及び第2ガイド面114bを有する。
【0034】
第1ガイド面114aは、下流側から上流側に向かって上方に傾斜する平面状の傾斜面を有する。一方、第2ガイド面114bは、ガイド面の一例であり、下側ガイド105aと平行な平面状の水平面を有する。第1ガイド面114aの下流側の端部は、第2ガイド面114bの上流側の端部と連なっている。
【0035】
媒体搬送方向A1において、第1ガイド面114aの上流側の端部は、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ部Nの下流側の端部より上流側に配置される。これにより、第1ガイド面114aは、搬送された媒体の先端が浮き上がっている場合に、その先端と当接して、媒体を第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に向けて良好に案内することができる。好ましくは、媒体搬送方向A1において、第1ガイド面114aの上流側の端部は、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ部Nの上流側の端部より上流側、より好ましくは第1搬送ローラ115の上流側の端部より上流側に配置される。これにより、第1ガイド面114aは、搬送された媒体の先端が浮き上がっている場合に、その先端と当接して、媒体を第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ位置に向けて良好に案内することができる。
【0036】
媒体搬送方向A1において、第1ガイド面114aの下流側の端部、即ち第2ガイド面114bの上流側の端部は、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ部Nの下流側の端部より上流側に配置される。なお、媒体搬送方向A1において、第1ガイド面114aの下流側の端部は、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ部Nの上流側の端部より上流側、又は、第1搬送ローラ115の上流側の端部より上流側に配置されてもよい。一方、第2ガイド面114bの下流側の端部は、第1撮像ユニット117の上流側の端部、即ち撮像ユニットガイド117bの上流側の端部より下流側に配置される。即ち、第2ガイド面114bは、媒体搬送方向A1において少なくとも第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ部Nの下流側の端部から第1撮像ユニット117の上流側の端部まで延伸する。これにより、第2ガイド面114bは、第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ位置を通過した媒体の先端が浮き上がっている場合に、その先端が第1搬送ローラ115と第1撮像ユニット117の間の隙間に進入することを抑制できる。
【0037】
媒体の搬送面と直交する上下方向A3において、第1ガイド面114aの上流側の端部は、下側ガイド105aから、媒体搬送装置100がサポートする最大厚さを有する媒体の厚さ以上に離れた位置に配置される。これにより、第1ガイド面114aは、剛性及び厚みを有する媒体が搬送された場合に、その媒体を第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に向けて確実に案内できる。
【0038】
一方、上下方向A3において、第1ガイド面114aの下流側の端部は、第1撮像ユニット117の下面117dと同じ高さに位置するように配置される。即ち、上下方向A3において、第2ガイド面114bは、第1撮像ユニット117の下面117dと同じ高さに位置するように配置され、第1撮像ユニット117の下面117dと面一となるように配置される。面一とは、上下方向A3における位置の差が0である状態だけでなく、所定差以下である状態も含む。所定差は、例えば媒体搬送装置100で許容される公差であり、例えば0.2mmである。これにより、第2ガイド面114bは、媒体の先端が浮き上がっている場合に、その先端が第2ガイド面114bと第1撮像ユニット117の下面117dと間の段差に接触して折れ曲がり、媒体のジャム等が発生することを抑制できる。
【0039】
なお、下側ガイド105aは、第2撮像ユニット118の上面118bと面一となるように配置される。即ち、第2ガイド面114bと下側ガイド105aの間の距離は、第1撮像ユニット117の下面117dと第2撮像ユニット118の上面118bの間の距離と略同一である。これにより、下側ガイド105aは、媒体の先端が下側ガイド105aと第2撮像ユニット118の上面118bとの間の段差に接触して折れ曲がり、媒体のジャム等が発生することを抑制できる。
【0040】
撮像ユニットガイド117bは、撮像ユニット筐体117aの外側に設けられ、搬送される媒体と当接して第1撮像ユニット117を移動させる。撮像ユニットガイド117bは、第1撮像ユニット117と別個の部材で形成され、第1撮像ユニット117と一体的に設けられる。撮像ユニットガイド117bは、第1撮像ユニット117と一体の部材で形成されてもよい。撮像ユニットガイド117bは、ガイド部117eを有する。ガイド部117eは、第1搬送ローラ115側(上流側)に突出するように設けられる。ガイド部117eは、ひさし状の形状を有し、下流側から上流側に向かって上方に傾斜する平面状の傾斜面と、下側ガイド105aと平行な平面状の水平面とを有する。傾斜面の下流側の端部は、水平面の上流側の端部と連なっている。水平面は、第1透過部材117cの下面117dと面一となるように設けられている。
【0041】
撮像ユニットガイド117bの上面には、一端が上側筐体102に支持された第2ばね117fの他端が取り付けられ、撮像ユニットガイド117bは、第2ばね117fにより第2撮像ユニット118側に向かう方向に付勢されている。また、撮像ユニットガイド117bの幅方向A2における両端には上下方向A3に延伸する不図示の凸部が形成されている。各凸部は、上側筐体102に形成された、上下方向A3に延伸する不図示の溝部と係合している。
【0042】
撮像ユニットガイド117bの両端に設けられた各凸部が、上側筐体102に形成された溝部に沿って移動することにより、撮像ユニットガイド117bは、媒体の搬送面に対して傾くことなく、上下方向A3に移動する。第1撮像ユニット117は、撮像ユニットガイド117bの移動と連動して、媒体の搬送面と直交する上下方向A3に移動可能に設けられている。一方、第2撮像ユニット118は下側筐体101に固定されている。
【0043】
また、撮像ユニットガイド117bには、媒体搬送方向A1の上流側であり、且つ、ガイド部117eの上方に、後述する移動部材と係合可能な係合部117gが設けられている。係合部117gは、アームであり、撮像ユニットガイド117bと一体の部材により形成される。なお、係合部117gは、撮像ユニットガイド117bと別個の部材により形成されてもよい。
【0044】
図4は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116の配置を説明するための模式図である。
【0045】
図4は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116等を媒体搬送方向A1の上流側から見た模式図である。
図4に示すように、媒体搬送装置100は、さらに移動部材121、ジョイント部122及び第2シャフト123等を有している。
【0046】
上記したように、第1シャフト115aは、第1搬送ローラ115の回転軸である。第1搬送ローラ115は、第1シャフト115aに設けられ、不図示の駆動装置によって第1シャフト115aを中心に回転する。第1シャフト115aの一方の端部115bは、上側筐体102に形成された、上下方向A3に延伸する不図示の溝部と係合している。第1シャフト115aは、第1搬送ローラ115の移動と連動して、媒体の搬送面と直交する上下方向A3に移動可能に設けられている。
【0047】
移動部材121は、第1シャフト115aに設けられている。移動部材121の上面には、一端が上側筐体102に支持された第3ばね121aの他端が取り付けられ、移動部材121、第1シャフト115a及び第1搬送ローラ115は、第3ばね121aにより第2搬送ローラ116側に向かう方向に付勢されている。即ち、第3ばね121aは、第1搬送ローラ115を第2搬送ローラ116側に押圧する。
【0048】
また、移動部材121には、上下方向A3に延伸する不図示の溝部が形成されている。各溝部は、上側筐体102に固定され且つ上下方向A3に延伸する不図示の板部材と係合している。各溝部が板部材に沿って移動することにより、移動部材121は、媒体の搬送面に対して傾くことなく、上下方向A3に移動する。これにより、第1搬送ローラ115及び第1シャフト115aは、搬送される媒体の厚さに応じて、媒体の搬送面と直交する上下方向A3に移動可能に設けられている。移動部材121は、第1搬送ローラ115及び第1シャフト115aの移動と連動して移動するように設けられている。一方、第2搬送ローラ116は、下側筐体101に固定されている。
【0049】
ジョイント部122は、ユニバーサルジョイントであり、第1受部材122aと、第2受部材122bと、ジョイント軸122cとを含む。第1受部材122aは、第1シャフト115aの端部115bと反対側の端部に固定するように設けられ、第1シャフト115aと接続される。第2受部材122bは、第2シャフト123の一端に固定するように設けられ、第2シャフト123と接続される。ジョイント軸122cは、第1受部材122a及び第2受部材122bを接続する。これにより、ジョイント部122は、第1シャフト115aと第2シャフト123とを傾動自在に接続するとともに、第2シャフト123からの回転駆動力を第1シャフト115aに伝達する。
【0050】
第2シャフト123は、駆動装置によって回転する駆動軸である。第2シャフト123の一端は、第2受部材122bに接続され、第2シャフト123の他端は、不図示の駆動機構を介して駆動装置と接続している。これにより、第2シャフト123は、駆動装置からの回転駆動力をジョイント部122に伝達し、第1搬送ローラ115は、駆動装置によって回転する。
【0051】
第2シャフト123は、上下方向A3において、第1搬送ローラ115が第2搬送ローラ116と当接する位置P1より上側の位置P2に配置される。位置P1は、第2搬送ローラ116と当接したときの第1搬送ローラ115の中心位置であり、位置P2は、第2シャフト123の中心位置である。媒体が搬送されていない状態では、上下方向A3において、第1受部材122aは位置P1に配置され、第2受部材122bは位置P2に配置される。これにより、ジョイント軸122cは、幅方向A2の中央側から外側に向かって上昇していくように傾いて配置される。第1搬送ローラ115の初期位置P1を第2シャフト123の中心位置P2より下側に配置することにより、第1搬送ローラ115は、位置P2から、位置P1と位置P2の距離分だけ上側の位置P3まで上方に移動可能となる。したがって、媒体搬送装置100は、第1搬送ローラ115の移動範囲を大きくすることが可能となる。
【0052】
第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120の配置関係は、第1搬送ローラ115及び第2搬送ローラ116の配置関係と、ほぼ同様である。即ち、媒体搬送装置100は、第1排出ローラ119を移動させるためのジョイント部、シャフト及び移動部材を有し、第1排出ローラ119は、搬送面と直交する上下方向A3に移動可能に設けられている。一方、第2排出ローラ120は、下側筐体101に固定される。
【0053】
図5A及び
図5Bは、フラップガイド113、搬送ガイド114、第1搬送ローラ115及び撮像ユニットガイド117bの位置関係を説明するための模式図である。
図5Aは、フラップガイド113、搬送ガイド114、第1搬送ローラ115及び撮像ユニットガイド117bを下方側から見た平面図である。
図5Bは、フラップガイド113、搬送ガイド114、第1搬送ローラ115及び撮像ユニットガイド117bを下方側から見た斜視図である。
【0054】
図5A及び
図5Bに示すように、フラップガイド113は、幅方向A2において、二つの第1搬送ローラ115の外側端部にわたって延伸するように設けられている。なお、フラップガイド113の数は一つに限定されず、複数のフラップガイド113が、幅方向A2において、間隔を空けて並べて配置されてもよい。
【0055】
搬送ガイド114は、幅方向A2において、二つの第1搬送ローラ115の間に配置される。なお、搬送ガイド114の数は一つに限定されず、複数の搬送ガイド114が、幅方向A2において、間隔を空けて並べて配置されてもよい。その場合、幅方向A2において、二つの第1搬送ローラ115の外側に搬送ガイド114が配置されてもよい。
【0056】
撮像ユニットガイド117bは、幅方向A2において、二つの第1搬送ローラ115の間、及び、二つの第1搬送ローラ115の外側に配置される。なお、搬送ガイド114の数は三つに限定されず、一つ、二つ又は四つ以上でもよい。
【0057】
フラップガイド113、搬送ガイド114、撮像ユニットガイド117b及び第1搬送ローラ115は、相互に対向しない位置に配置される。特に、搬送ガイド114の第2ガイド面114b及び撮像ユニットガイド117bのガイド部117eは、それぞれ櫛歯形状を有している。搬送ガイド114の第2ガイド面114b及び撮像ユニットガイド117bのガイド部117eは、媒体搬送方向A1において相互に重なり、幅方向A2において一方が他方の切れ込み部分に配置されるように設けられる。また、搬送ガイド114の第2ガイド面114bと、撮像ユニットガイド117bのガイド部117eの水平面とは、面一となるように配置される。これにより、撮像ユニットガイド117bは、搬送ガイド114により案内された媒体を第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に確実且つ良好に案内することができる。
【0058】
図6A及び
図6Bは、媒体搬送時のフラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bの動作について説明するための模式図である。
図6A及び
図6Bは、フラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117b等を側方から見た図である。
【0059】
図6Aは、媒体として、厚み及び剛性を有さない用紙Pが搬送される例を示す。用紙Pの厚さは、上下方向A3におけるフラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bの下端と下側ガイド105aとの間の距離より小さい。
図6Aに示すように、用紙Pが搬送される場合、フラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bは、用紙Pに接触せず、移動しない。但し、用紙Pが搬送中に浮き上がった場合、その浮き上がった部分は、フラップガイド113、搬送ガイド114又は撮像ユニットガイド117bに接触し、フラップガイド113、搬送ガイド114又は撮像ユニットガイド117bによって押さえられる。このように、フラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bは、厚み及び剛性を有さない媒体が搬送される場合に、媒体の浮き上がりを規制する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体のジャムの発生を抑制することができる。
【0060】
図6Bは、媒体として、厚紙、プラスチックカード、パスポート又は冊子等の厚み及び剛性を有する媒体M1が搬送される例を示す。媒体M1の厚さは、上下方向A3におけるフラップガイド113、搬送ガイド114及び撮像ユニットガイド117bの下端と下側ガイド105aとの間の距離より大きいものとする。
図6Bに示すように、媒体M1が搬送される場合、フラップガイド113は、媒体M1によって押し上げられ、上方に移動する。また、第1搬送ローラ115も、媒体M1によって押し上げられ、上方に移動する。第1搬送ローラ115の移動に伴って、第1シャフト115a及び搬送ガイド114も上方に移動するため、媒体M1は搬送ガイド114に接触しない。また、撮像ユニットガイド117bは、媒体M1によって押し上げられて上方に移動し、撮像ユニットガイド117bの移動に伴って第1撮像ユニット117も上方に移動する。このように、フラップガイド113及び撮像ユニットガイド117bは、厚み及び剛性を有する媒体が搬送される場合に、媒体の上面を規制する。これにより、媒体搬送装置100は、厚み及び剛性を有する媒体を良好に搬送することができる。
【0061】
図7A、
図7B、
図8A及び
図8Bは、媒体搬送時の第1搬送ローラ115、移動部材121及び撮像ユニットガイド117bの動作について説明するための模式図である。
図7A、
図7B、
図8A及び
図8Bは、第1搬送ローラ115、移動部材121及び撮像ユニットガイド117b等を側方から見た図である。
【0062】
図7A、
図7B、
図8A及び
図8Bに示すように、移動部材121には、撮像ユニットガイド117bの係合部117gと係合可能な被係合部121bが設けられている。
【0063】
図7A、
図7B、
図8A及び
図8Bは、媒体として、厚紙、プラスチックカード、パスポート又は冊子等の厚み及び剛性を有する媒体M2が搬送される例を示す。媒体M2の厚さは、上下方向A3における撮像ユニットガイド117bのガイド部117eの傾斜面の上端と下側ガイド105aとの間の距離より大きく、且つ、第2搬送ローラ116の回転中心と下側ガイド105aとの間の距離より小さいものとする。
【0064】
図7Aは、媒体が搬送されていない状態を示す。
図7Aに示すように、媒体が搬送されていない場合、第1搬送ローラ115は第2搬送ローラ116と当接している。また、撮像ユニットガイド117bは、第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に、薄い媒体を搬送可能なわずかな隙間が存在するように、第1撮像ユニット117を支持している。第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間の隙間は、例えば0.5mm以上且つ1.0mm以下となるように設定される。
【0065】
ガイド部117eの傾斜面は、媒体が搬送されていない場合、上下方向A3において、傾斜面の上端と下側ガイド105aとの間の距離が、第1搬送ローラ115の回転中心と下側ガイド105aとの間の距離より短くなるように配置されている。また、媒体が搬送されていない場合、撮像ユニットガイド117bの係合部117gと移動部材121の被係合部121bとは離間して配置されている。係合部117gは、上下方向A3において、媒体が搬送されていない場合に係合部117gと被係合部121bとが離間している距離が、傾斜面の上端と下側ガイド105aとの間の距離より短くなるように配置されている。媒体が搬送されていない場合に係合部117gと被係合部121bとが離間している距離は、例えば0.5mm以上且つ1.0mm以下に設定される。
【0066】
図7Bは、媒体M2が搬送され、媒体M2の先端が第1搬送ローラ115に当接した状態を示す。
図7Bに示すように、媒体M2の先端が第1搬送ローラ115に当接した場合、第1搬送ローラ115は、媒体M2によって、上下方向A3において上方に、即ち下側ガイド105aから離れる方向に移動する(押し上げられる)。移動部材121は、第1搬送ローラ115の移動と連動して移動し、移動部材121の被係合部121bは、係合部117gと係合する。
【0067】
図8Aは、媒体M2がさらに搬送され、媒体M2の先端が撮像ユニットガイド117bのガイド部117eの傾斜面に当接した状態を示す。
図8Aに示すように、媒体M2の先端が第1搬送ローラ115に当接してから媒体M2がさらに搬送された場合、第1搬送ローラ115は、媒体M2によってさらに上方に移動し、移動部材121は、第2搬送ローラ116の移動と連動してさらに上方に移動する。移動部材121の被係合部121bと係合した係合部117gが移動部材121によって上方に移動することにより、撮像ユニットガイド117bは上方に移動し、媒体M2の先端がガイド部117eの傾斜面に当接可能となる。これにより、媒体M2の先端が、撮像ユニットガイド117bにおける媒体の搬送方向A1の上流端と衝突して、媒体M2が停止し、ジャムが発生することが抑制される。
【0068】
また、撮像ユニットガイド117bの上方への移動に伴い、第1撮像ユニット117も上方に移動する。このようにして、移動部材121は、撮像ユニットガイド117bと係合して第1撮像ユニット117を上下方向A3の上方に移動させる。
【0069】
図8Bは、媒体M2がさらに搬送され、媒体M2の先端が、第1撮像ユニット117の下面117dと同じ高さに位置する、ガイド部117eの傾斜面の下端に当接した状態を示す。
図8Bに示すように、媒体M2の先端がガイド部117eの傾斜面に当接してから媒体M2がさらに搬送された場合、撮像ユニットガイド117bは、媒体M2によってさらに上方に移動し、これに伴い、第1撮像ユニット117もさらに上方に移動する。これにより、媒体M2は、第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間に適切に搬送される。
【0070】
このように、傾斜面に媒体M2が当接することによって、撮像ユニットガイド117bは、第1撮像ユニット117を上下方向A3の上方に移動させる。一方、このとき、第1搬送ローラ115は、
図8Aに示す位置から移動していないため、係合部117gは、移動部材121の被係合部121bから再度離間する。
【0071】
上記したように、媒体が搬送されていない場合、撮像ユニットガイド117bの係合部117gと移動部材121の被係合部121bとは離間して配置されている。したがって、媒体が搬送されていない場合の係合部117gと被係合部121bの間の距離より薄い媒体が搬送された場合、被係合部121bは係合部117gと係合せず、移動部材121は係合部117g及び第1撮像ユニット117を移動させない。このように、所定の厚さ以上の媒体が搬送された場合にのみ、移動部材121は、撮像ユニットガイド117bと係合して第1撮像ユニット117を移動させる。
【0072】
特に、媒体搬送装置100は、媒体が第1搬送ローラ115に当接した時と、撮像ユニットガイド117bの傾斜面に当接した時との二段階に分けて第1撮像ユニット117を上昇させる。これにより、媒体搬送装置100は、撮像ユニットガイド117bの傾斜面の傾きを大きくする必要がないため、媒体のジャムが発生することを抑制できる。また、媒体搬送装置100は、撮像ユニットガイド117bの傾斜面のサイズを大きくする必要がないため、媒体搬送装置100全体のサイズが大きくなることを抑制できる。
【0073】
即ち、媒体搬送装置100では、所定の厚さ以上の媒体が搬送された場合に、第1搬送ローラ115の移動と連動して移動部材121が係合部117gと係合し、撮像ユニットガイド117b及び第1撮像ユニット117を移動させる。これにより、媒体搬送装置100は、様々な厚さの媒体が搬送された場合に、第1撮像ユニット117を適切に移動させて、搬送された媒体を良好に撮像することが可能となる。
【0074】
以上詳述したように、媒体搬送装置100では、第1搬送ローラ115の回転軸に搬送ガイド114が設けられる。搬送ガイド114は、第2ガイド面114bが第1搬送ローラ115と第2搬送ローラ116のニップ部Nの下流側の端部から第1撮像ユニット117の上流側の端部まで延伸し、且つ、第1撮像ユニット117の下面117dと面一となるように設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、移動可能に設けられた第1撮像ユニット117に媒体を適切に搬送させることが可能となった。したがって、媒体搬送装置100は、様々な厚さを有する媒体を適切に搬送させることが可能となった。
【0075】
特に、媒体搬送装置100では、第1搬送ローラ115が上下方向A3に移動可能に設けられ、搬送ガイド114は第1搬送ローラ115の移動と連動して移動する。これにより、媒体搬送装置100は、パスポートのような厚みを有する媒体を適切に搬送しつつ、薄紙を搬送する際には、薄紙の浮き上がりを規制して、ジャムの発生を抑制することが可能となった。
【0076】
また、搬送ガイド114の第2ガイド面114bは、第1撮像ユニット117の下面117dと面一となるように設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、媒体搬送路内で、上下方向A3のギャップの大きい上流側領域から、ギャップの小さい第1撮像ユニット117と第2撮像ユニット118の間の領域へ媒体を搬送させる際にジャムが発生することを抑制することが可能となった。
【0077】
なお、フラップガイド113は、揺動可能に設けられず、固定して設けられてもよい。または、フラップガイド113は、省略されてもよい。また、撮像ユニットガイド117bは、省略されてもよい。その場合、幅方向A2において、第1撮像ユニット117の、搬送ガイド114と対向する位置には、搬送ガイド114の先端が配置される凹部が設けられる。これにより、搬送ガイド114は、媒体搬送方向A1において第1撮像ユニットの上流側の端部まで延伸するように設けられる。
【符号の説明】
【0078】
100 媒体搬送装置、113 フラップガイド、114 搬送ガイド、114b 第2ガイド面、115 第1搬送ローラ、116 第2搬送ローラ、117 第1撮像ユニット、117b 撮像ユニットガイド、121 移動部材
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送面と直交する方向に移動可能に設けられ、且つ、媒体を撮像する撮像ユニットと、
媒体搬送方向において前記撮像ユニットより上流側に、前記搬送面と直交する方向に移動可能に設けられた複数のローラと、
前記複数のローラの回転軸と当接することにより、前記複数のローラの移動と連動して移動する搬送ガイドと、を有し、
前記搬送ガイドは、前記複数のローラの間に設けられ、且つ、媒体搬送方向において下流側から上流側に向かって上方に傾斜するガイド面を有し、
前記ガイド面は、媒体搬送方向において、前記複数のローラの回転中心よりも上流側に配置される、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記撮像ユニットは、媒体と当接して前記撮像ユニットを移動させる第2搬送ガイドを含む、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記複数のローラの移動と連動して移動し、前記第2搬送ガイドと係合して前記撮像ユニットを移動させるための移動部材をさらに有し、
媒体が搬送されていない場合、前記第2搬送ガイドと前記移動部材とは離間して配置されており、所定の厚さ以上の媒体が搬送された場合にのみ、前記移動部材が前記第2搬送ガイドと係合して前記撮像ユニットを移動させる、請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
媒体搬送方向において前記搬送ガイドより上流側に、媒体搬送方向の上流側端部を中心軸として揺動可能に設けられた第3搬送ガイドをさらに有する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記複数のローラは、媒体搬送方向と直交する方向において相互に間隔を空けて配置され、
前記搬送ガイドは、媒体搬送方向と直交する方向において前記複数のローラの間に設けられる、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記搬送ガイドは、前記撮像ユニットの下面と平行な第2ガイド面をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。