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特開2024-12459ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012459
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20240123BHJP
   G06Q 20/38 20120101ALI20240123BHJP
   G06Q 30/018 20230101ALI20240123BHJP
【FI】
H04L9/32 200Z
G06Q20/38 310
G06Q30/018
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187411
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2022556183の分割
【原出願日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】62/992,219
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】500041363
【氏名又は名称】マスターカード インターナシヨナル インコーポレイテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100224683
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 詩織
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン シー デイビス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】システムにおいて、処理サーバは、コンピューティング装置からスカラーデジタル資産の1つ以上のユニットについてデータ要求を受信するプロセッサを含む。プロセッサは、コンピューティング装置が要求するスカラーデジタル資産と、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットとを識別しコンピューティング装置が、スカラーデジタル資産にアクセスすることを検証し、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットのハッシュチェインを生成し、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットのハッシュチェインを含むデータ応答メッセージを、コンピューティング装置に送信する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための方法であって、前記方
法は、
処理サーバの受信器によって、コンピューティング装置から、スカラーデジタル資産の
1つ以上のユニットについてデータ要求を受信することと、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記コンピューティング装置によって要求され
た前記スカラーデジタル資産を識別することと、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユ
ニットを識別することと、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記コンピューティング装置が、前記スカラー
デジタル資産にアクセスすることを検証することと、
前記処理サーバの前記プロセッサによって、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上
のユニットのハッシュチェインを生成することと、
前記処理サーバの送信器によって、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニッ
トの前記ハッシュチェインを含むデータ応答メッセージを、前記コンピューティング装置
に送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記処理サーバの前記プロセッサによって、前記スカ
ラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットのハッシュチェインを生成することは、
前記処理サーバの前記プロセッサによって、ランダムな初期値を使用して、前記スカラ
ーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの各々にハッシュダイジェスト関数を適用する
こと、
をさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニット
の各ユニットは、前記ハッシュチェイン内の単一のハッシュによって表される、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニット
の範囲は、最初のハッシュと最後のハッシュとによって表される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産は、デジタル通貨である、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニット
の1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の最小ユニットである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニット
の1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の指定されたユニットサイズである、方
法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産は、ブロックチェーンネッ
トワークに格納される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記ハッシュチェインは、第1のコンピューティング
装置によって、オフライン環境において、第2のコンピューティング装置に転送可能であ
る、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、前記ハッシュチェインの指定された範囲は、第1のコ
ンピューティング装置によって、オフライン環境において、第2のコンピューティング装
置に転送可能である、方法。
【請求項11】
ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すためのシステムであって、前
記システムは、
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ可読な1つ以上の記憶部と、
コンピュータ可読な1つ以上の有形記憶装置と、
前記1つ以上の記憶部のうちの少なくとも1つを介して前記1つ以上のプロセッサのう
ちの少なくとも1つによって実行されるために、前記1つ以上の記憶装置のうちの少なく
とも1つに格納された命令と、
を含み、前記命令は、
処理サーバの受信器によって、コンピューティング装置から、スカラーデジタル資産の
1つ以上のユニットについてデータ要求を受信するための命令と、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記コンピューティング装置によって要求され
た前記スカラーデジタル資産を識別するための命令と、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユ
ニットを識別するための命令と、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記コンピューティング装置が、前記スカラー
デジタル資産にアクセスすることを検証するための命令と、
前記処理サーバの前記プロセッサによって、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上
のユニットのハッシュチェインを生成するための命令と、
前記処理サーバの送信器によって、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニッ
トの前記ハッシュチェインを含むデータ応答メッセージを、前記コンピューティング装置
に送信するための命令と、
を含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記処理サーバの前記プロセッサによって、前
記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットのハッシュチェインを生成するための
前記命令は、
前記処理サーバの前記プロセッサによって、ランダムな初期値を使用して、前記スカラ
ーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの各々にハッシュダイジェスト関数を適用する
ための命令をさらに含む、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユ
ニットの各ユニットは、前記ハッシュチェイン内の単一のハッシュによって表される、シ
ステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユ
ニットの範囲は、最初のハッシュと最後のハッシュとによって表される、システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産は、デジタル通貨で
ある、システム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユ
ニットの1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の最小ユニットである、システム
【請求項17】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユ
ニットの1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の指定されたユニットサイズであ
る、システム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産は、ブロックチェー
ンネットワークに格納される、システム。
【請求項19】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記ハッシュチェインは、第1のコンピューテ
ィング装置によって、オフライン環境において、第2のコンピューティング装置に転送可
能である、システム。
【請求項20】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記ハッシュチェインの指定された範囲は、第
1のコンピューティング装置によって、オフライン環境において、第2のコンピューティ
ング装置に転送可能である、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年3月20日に出願された米国仮特許出願第62/992,219号の利益を主張す
る。その仮出願の内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ハッシュチェインを使用して、スカラー(実数)デジタル資産を表
すことに関する。具体的には、オフライン環境におけるスカラーデジタル資産の監査可能
な追跡可能性を可能にするためのハッシュチェインの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、デジタル通貨は、伝統的なフィアット(不換)通貨よりも増加した使用を見せた
。多くのデジタル通貨は、いわゆる「二重支出」問題の可能性を低減するためにブロック
チェーン技術を利用する。二重支出は、ネットワークを自分の利点のために操作すること
ができるデジタル通貨保有者によって、デジタル通貨が2回消費され得るリスクである。
ブロックチェーン技術は、不変の共有台帳を使用して、この「二重送信」問題を防止する
。ここで、各取引は、取引が発生する順序において、ブロックチェーンネットワークによ
って確認され、検証される。したがって、デジタル通貨の第1の支出は、ブロックチェー
ンネットワークによって無効として識別されることになるであろう第2の「二重」支出の
前に確認され、検証されることになる。しかしながら、現在の技術は、そのような二重支
出セキュリティ機構が機能するために、デジタル通貨がブロックチェーンネットワークに
接続されることを必要とする。
【0004】
大概の資産に基づくシステムに内在する技術的問題は、どのように個々の資産を効率的
に一意に識別し得るかである。一意の識別子をランダムに選択することができるが、衝突
を確認して回避する方法がなければならず、多数の資産が伝達される場合、データストリ
ームは法外に大きくなる可能性がある。したがって、範囲又はグループなどによって潜在
的に多数の資産を識別する機能を提供する一方で、衝突を恐れずに個々の資産を一意に識
別する方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための例示的なシ
ステム及び方法の説明を提供する。方法及びシステムは、コンピューティング装置から、
スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットについてデータ要求を受信することができる
プロセッサを含むことができる。プロセッサは、コンピューティング装置によって要求さ
れたスカラーデジタル資産と、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットとを識別する
ことができる。プロセッサは、コンピューティング装置が、スカラーデジタル資産にアク
セスすることを検証することができる。プロセッサは、スカラーデジタル資産の1つ以上
のユニットのハッシュチェインを生成して、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニット
のハッシュチェインを含むデータ応答メッセージを、コンピューティング装置に送信する
ことができる。
【0006】
本開示の範囲は、添付の図面と併せて読まれるとき、例示的な実施形態の以下の詳細な
説明から最もよく理解される。図面に含まれるのは、以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すために実行する高位レベルのシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
図2】例示的な実施形態による、ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すために実行する図1のシステムのコンピューティングシステムを示すブロック図である。
図3】例示的な実施形態による、図1のシステムにおけるハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための処理を示すフロー図である。
図4】例示的な実施形態による、ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための例示的な方法を示すフローチャートである。
図5】例示的な実施形態による、コンピュータシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示のさらなる適用範囲は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう
。例示的な実施形態の詳細な説明は、例示の目的のみを意図するものであり、したがって
、必ずしも本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0009】
<用語集>
ブロックチェーン-ブロックチェーンに基づく通貨のすべての取引の公開台帳。1つ以
上のコンピューティング装置はブロックチェーンネットワークを含むことができる。ブロ
ックチェーンネットワークは、ブロックチェーン内のブロックの一部として、取引を処理
及び記録するように構成されることができる。ブロックが完成されると、ブロックはブロ
ックチェーンに追加され、取引記録がこれにより更新される。多くの事例では、ブロック
チェーンは、時系列順の取引台帳とすることができ、又はブロックチェーンネットワーク
による使用に適し得る任意の他の順序で提示されることができる。ある構成では、ブロッ
クチェーン内に記録された取引は、宛先アドレス及び通貨額を含むことができ、ブロック
チェーンは、どのくらいの通貨が特定のアドレスに帰属可能であるかを記録する。ある事
例では、ソースアドレス、タイムスタンプなどの追加情報が捕捉されることができる。ま
た、ある実施形態では、ブロックチェーンは、プルーフオブワーク(proof of work)及び
/又はそれに関連付けられた任意の他の適切な検証技術を介してブロックチェーンネット
ワークによって確認及び検証されるデータ(これは、追加のデータ及びある事例では任意
のデータ)から構成されることができる。ある場合では、そのようなデータは、取引の一
部としてブロックチェーンに含まれることができ、例えば、取引データに付加された追加
のデータに含まれる。ある事例では、ブロックチェーンにそのようなデータを含めること
は、トランザクションを構成することができる。そのような事例では、ブロックチェーン
は、特定のデジタル通貨、仮想通貨、フィアット通貨、又は他の種類の通貨に直接関連付
けられないとすることができる。
【0010】
ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すためのシステム
図1は、ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すためのシステム10
0を示す。
【0011】
システム100において、コンピューティング装置102は、クライアント装置として
動作することができ、処理サーバ104と通信することができる。例示的な実施形態では
、処理サーバ104は、スカラーデジタル資産の調整役及び/又は調節役として動作する
ことができるが、これらに限定されない。例えば、処理サーバ104は、銀行又は他の金
融機関(これらに限定されない)などの通貨調整役として動作することができる。他の種
類の資産は、他の調整役、例えば、コンテンツ提供者又はライセンス当局を有することに
なる。コンピューティング装置102及び処理サーバ104は、以下でより詳細に論じら
れるように、図2に示されるコンピューティングシステム200又は図5に示されるコン
ピューティングシステム500など、本明細書で論じられる機能を実行するように特別に
構成された任意の種類のコンピューティングシステムとすることができる。
【0012】
システム100において、コンピューティング装置102は、データ要求106を処理
サーバ104に電子的に送信することができる。例示的な実施形態では、データ要求10
6は、ブロックチェーンネットワーク110に格納されたスカラーデジタル資産に関する
ものとすることができる。スカラー資産は、デジタル通貨、仮想通貨、フィアット通貨若
しくは他の種類の通貨、データファイル、又は実数を使用して定量化され得る任意の他の
種類のデジタル資産などの任意の資産とすることができるが、これらに限定されない。ス
カラーデジタル資産は、スカラーデジタル資産全体を構成する1つ以上のユニットに分解
されることが可能であり得る。例えば、コンピューティング装置は、20米ドルについて
、データ要求106を処理サーバ104に電子的に送信することができ、この20米ドル
は、すなわち、スカラーデジタル資産であり、2枚の10ドル札、4枚の5ドル札、20
枚の1ドル札、又は2000セント、それらの混合など、ドル及びセントのユニットに分
割され得る。ハッシュチェインは、実質的に任意の長さとすることができるので、ユニッ
トは、最小の単位となり得るであろう。さらに、データ要求106は、コンピューティン
グ装置102に関連付けられた認証情報を含むことができ、例えば、ユーザ名、パスワー
ド、口座番号、又は任意の他の識別情報などであるが、これらに限定されない。コンピュ
ーティング装置102は、図5に示される通信インフラストラクチャ506(これに限定
されない)などの任意の適切な通信ネットワークを使用して、データ要求106を処理サ
ーバ104に電子的に送信することができる。
【0013】
システム100において、処理サーバ104は、ブロックチェーンネットワーク110
に格納されたスカラーデジタル資産についてデータ要求106を受信することができる。
例示的な実施形態では、処理サーバ104は、ブロックチェーンネットワーク110に関
連付けられたノードと、ブロックチェーントランザクション及び/又はブロックチェーン
トランザクションのブロックを、それに関連付けられたブロックチェーンに移し替える(p
ost)ように構成されたノードとすることができる。他の実施形態では、処理サーバ104
は、中間コンピューティング装置と電子的に通信するように構成されることができる。中
間コンピューティング装置は、ブロックチェーンネットワーク110のノードとすること
ができる。処理サーバ104と、ブロックチェーンネットワーク110及び/又は中間コ
ンピューティング装置との間の通信は、インターネット(これに限定されない)などの任
意の適切な通信ネットワークを使用して実行されることができる。
【0014】
処理サーバ104は、コンピューティング装置102が、ブロックチェーンネットワー
ク110に格納された、要求されたスカラーデジタル資産にアクセスすることを検証する
ことができる。ある実施形態では、処理サーバ104は、処理サーバ104に関連付けら
れた記憶部に照会することができる。この記憶部は、コンピューティング装置102に関
連付けられたすべての資産の記録を格納する。別の実施形態では、処理サーバは、認証情
報を格納することができ、例えば、ユーザ名、口座番号、コンピューティング装置102
に関連付けられた秘密鍵及び/又は公開鍵であるが、これらに限定されない。ならびにブ
ロックチェーンネットワーク110は、処理サーバ104が、ブロックチェーンネットワ
ーク110に格納されたコンピューティング装置102に関連付けられた資産にアクセス
することを可能にする。例えば、処理サーバ104は、スカラーデジタル資産の調整役及
び/又は調節役として動作することができる。したがって、処理サーバ104は、コンピ
ューティング装置102によるブロックチェーンネットワーク110へのアクセスを制御
することができる。
【0015】
処理サーバ104は、データ要求106において要求されたスカラーデジタル資産の1
つ以上のユニットを識別することができる。例示的な実施形態では、処理サーバ104は
、要求されたデジタルスカラー資産の最小ユニットを識別することができる。上記の例を
続けると、データ要求106が20米ドルに関するものである場合、処理サーバ104は
、要求されたスカラーデジタル資産の1つ以上のユニットとして、2000セント、すな
わち、米ドルの最小額面を表す2000ユニットを識別することができる。別の実施形態
では、処理サーバ104は、要求されたスケーラブル資産の定義されたユニットを識別す
ることができる。ここで、定義されたユニットは、要求されたスケーラブル資産の最小ユ
ニットよりも大きいユニットである。上記の例を続けると、データ要求106が20米ド
ルに関するものである場合、処理サーバ104は、2枚の10ドル札を表す2個のユニッ
ト、4枚の5ドル札を表す4個のユニット、又は20枚の1ドル札を表す20個のユニッ
トなどを識別することができる。
【0016】
処理サーバ104は、データ要求106においてコンピューティング装置102によっ
て要求されたスカラーデジタル資産を表すためのハッシュチェインを生成する。ハッシュ
チェインは、初期値を取り、ハッシュアルゴリズムを適用して後続の値を生成することに
よって作成される。ここで、ハッシュは、一方向ハッシュであり、任意のエンティティが
後続の値から初期値を識別することを防止する。この処理は多数回繰り返される。作成さ
れたハッシュ値は、その後何度もハッシュ化され、初期値から始まるチェーンを作成する
。したがって、このチェーンは、数千回ハッシュ化される可能性がある。例えば、処理サ
ーバ104は、初期秘密値Xを生成することができる。初期秘密値Xが識別されると、処
理サーバ104は、ハッシュアルゴリズムを適用することによって、初期値をハッシュ化
して、本明細書ではH(X0)と呼ばれる新しいハッシュ値を取得することができる。ハ
ッシュアルゴリズムは、H(X0)からXを識別する方法がないように、一方向暗号学的
ハッシュ関数とすることができる。ハッシュ値H(X0)が取得された際に、処理サーバ
104は、値を再びハッシュ化することによって処理を繰り返して、本明細書ではH(X
1)と呼ばれるハッシュ値H(H(X0))を取得することができる。コンピューティン
グ装置102は、多数N回の処理を繰り返すことを続けて、次の図のように見えることに
なるハッシュチェイン内の最終値H(XN)に到達することができる。
【0017】
例示的な実施形態では、処理サーバ104は、ランダムな秘密値(X)を取得し、次に
スカラーデジタル資産の各ユニットについて、合意されたハッシュダイジェスト関数(H
)を適用することによって、コンピューティング装置102によって要求されたスカラー
デジタル資産のハッシュチェインを生成する。ランダムな秘密値(X)は、初期値とする
ことができる。この初期値は、ランダムに又は擬似ランダムに生成される、コンピューテ
ィング装置102のユーザによって選択される、又は任意の適切な方法を使用して識別さ
れる。ハッシュダイジェスト関数は、任意の暗号学的ハッシュ関数とすることができ、例
えば、SHA-256などであるが、これに限定されない。この処理は、決定論的で一意
的な、連結されたハッシュのチェーンをもたらす。要求されたスカラーデジタル資産が2
0米ドルである上記の例を続けると、処理サーバ104は、ハッシュダイジェスト関数(
H)を2000回適用して、その結果、ハッシュチェインは2000ハッシュの長さとな
り、各ハッシュは1セントを表す。したがって、スカラーデジタル資産(例えば、20米
ドル)の各ユニット(例えば、セント)は、2000ハッシュのハッシュチェイン内に一
意の不変識別子を有することになる。
【0018】
処理サーバ104は、要求されたデータを有するデータ応答メッセージ108をコンピ
ューティング装置102に電子的に送信することができる。例示的な実施形態では、デー
タ応答メッセージ108は、要求されたスカラーデジタル資産のハッシュチェインを含む
。例えば、上記の例では、データ応答メッセージは、コンピューティング装置102によ
って要求された20米ドルの各セントを表す2000チェーンのハッシュチェインを含む
ことになる。例示的な環境では、処理サーバ104は、オフライン環境において使用する
ために、要求されたスカラーデジタル資産のハッシュチェインをコンピューティング装置
102に送信する。例えば、コンピューティング装置102は、スカラーデジタル資産の
全部又は一部を別のコンピューティング装置に送信することができる。上記の例を続ける
と、コンピューティング装置は、20米ドルの2000ユニット全て、又は20米ドルを
表す2000ユニットの指定された部分、例えば、10米ドルを表す1000ユニット若
しくは1米ドルを表す100ユニット、を送信することができる。
【0019】
現在、共有デジタル台帳又はブロックチェーンが、二重支出の保護を提供することを利
用不可とするオフラインの使用事例をサポートする必要がある。本明細書で論じられる方
法及びシステムは、コンピューティング装置102がハッシュチェインによって表される
スカラーデジタル資産を、追跡可能かつ監査可能な方法でオフライン環境において他のコ
ンピューティング装置に送信することを可能にする。ハッシュチェイン内の各ハッシュは
スカラーデジタル資産の単一のユニットを表すので、スカラーデジタル資産の各ユニット
は、その識別性(identity)を保持し、コンピューティング装置102によって各ユニット
が何回オフラインで転送されるかにかかわらず、一意の不変な起点、すなわち、最初の秘
密値Xを有するであろう。したがって、本明細書で論じられる方法及びシステムは、ハッ
シュチェインを使用してオフライン環境においてスカラーデジタル資産を転送するための
監査可能かつ追跡可能な方法について、現在の技術によって対処されていない新規の解決
策を提供する。さらに、本明細書で論じられる方法及びシステムは、オフライン環境にお
いてユーザ間で直接交換されるスカラーデジタル資産のハッシュチェインを介して、値の
ユニット基準の追跡を提供する。
【0020】
コンピューティングシステム
図2は、コンピューティングシステム200の実施形態を示す。コンピューティングシ
ステム200は、例えば、システム100内のコンピューティング装置102及び/又は
処理サーバ104として機能することができる。図2に示されるコンピューティングシス
テム200の実施形態は、例示としてのみ提供され、本明細書で論じられるような機能を
実行するのに適したコンピューティングシステム200のすべての可能な構成を網羅し得
るものではないことが、当業者には明らかであろう。例えば、図5に示され、以下でより
詳細に論じられるコンピュータシステム500は、コンピューティングシステム200の
適切な構成とすることができる。
【0021】
コンピューティングシステム200は、受信装置202を含むことができる。受信装置
202は、1つ以上のネットワークプロトコルを介して1つ以上のネットワーク上のデー
タを受信するように構成されることができる。ある事例では、受信装置202は、1つ以
上の通信方法を介して、コンピューティング装置102と、処理サーバ104と、他のシ
ステム及びエンティティとからデータを受信するように構成されることができる。この通
信方法は、例えば、無線周波数、構内通信網、無線エリアネットワーク、パーソナルエリ
アネットワーク、セルラー通信ネットワーク、Bluetooth、インターネットであ
る。ある実施形態では、受信装置202は、複数の装置から構成されることができる。こ
れは、例えば、異なるネットワークを介してデータを受信するための異なる受信装置であ
り、構内通信網を介してデータを受信するための第1の受信装置及びインターネットを介
してデータを受信するための第2の受信装置などである。受信装置202は、電子的に送
信されたデータ信号を受信することができる。データは、データ信号に重ねられる、又は
符号化されることができる。ならびに、データは、受信装置202によるデータ信号の受
信を介して、復号化される、構文解析される、読み取られる、又は取得されることができ
る。ある事例では、受信装置202は、受信されたデータ信号を構文解析するための構文
解析モジュールを含み、重ねられたデータを取得することができる。例えば、受信装置2
02は、パーサプログラムを含むことができる。パーサプログラムは、受信されたデータ
信号を受信して、受信されたデータ信号を、処理装置によって実行される機能が使用可能
な入力に変換して、本明細書で説明される方法及びシステムを実行するように構成される
【0022】
受信装置202は、コンピューティング装置102によって電子的に送信されたデータ
信号を受信するように構成さることができる。このデータ信号は、データ要求106と重
ねられる、又は符号化されることができる。また、受信装置202は、処理サーバ104
によって電子的に送信されたデータ信号を受信するように構成されることができる。この
データ信号は、データ応答メッセージ108と重ねられる、又は符号化されることができ
、ハッシュ値を含むことができる。
【0023】
また、コンピューティングシステム200は、通信モジュール204を含むことができ
る。通信モジュール204は、本明細書で論じられる機能を実行する際に使用するために
、モジュールと、エンジンと、データベースと、記憶部と、コンピューティングシステム
200の他の構成要素との間でデータを送信するように構成されることができる。通信モ
ジュール204は、1つ以上の通信種別から構成されることができ、コンピューティング
装置内の通信のために、様々な通信方法を利用することができる。例えば、通信モジュー
ル204は、バス、コンタクトピンコネクタ、電線などから構成されることができる。ま
た、ある実施形態では、通信モジュール204は、コンピューティングシステム200の
内部構成要素と、コンピューティングシステム200の外部構成要素(外部接続データベ
ース、表示装置、入力装置など)との間で通信するように構成されることができる。また
、コンピューティングシステム200は、処理装置を含むことができる。処理装置は、当
業者には明らかであるように、本明細書で論じられるコンピューティングシステム200
の機能を実行するように構成されることができる。ある実施形態では、処理装置は、クエ
リモジュール214、検証モジュール216、生成モジュール218などの処理装置の1
つ以上の機能を実行するように特別に構成された、複数のエンジン及び/又はモジュール
を含む、及び/又はそれらから構成されることができる。本明細書で使用されるように、
用語「モジュール」は、入力を受信し、入力を使用して1つ以上の処理を実行し、出力を
提供するように特にプログラムされた、ソフトウェア又はハードウェアとすることができ
る。様々なモジュールによって実行される入力、出力、及び処理は、本開示に基づいて当
業者には明らかであろう。
【0024】
また、コンピューティングシステム200は、記憶部206を含むことができる。記憶
部206は、本明細書で論じられる機能を実行する際に、コンピューティングシステム2
00によって使用するためのデータを格納するように構成されることができる。このデー
タは、例えば、公開鍵及び秘密鍵、対称鍵などである。記憶部206は、適切なデータフ
ォーマット方法及びスキーマを使用して、データを格納するように構成されることができ
、例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリなどの任意の適切な種類のメモ
リとすることができる。記憶部206は、例えば、暗号鍵及びアルゴリズムと、通信プロ
トコル及び規格と、データフォーマット規格及びプロトコルと、処理装置のモジュール及
びアプリケーションプログラムのためのプログラムコードと、当業者には明らかであるよ
うな本明細書で開示される機能の実行においてコンピューティングシステム200によっ
て使用するのに適し得る他のデータと、を含むことができる。ある実施形態では、記憶部
206は、関係データベースから構成される、又はそれを含むことができる。関係データ
ベースは、格納された構造化データ集合の記憶、識別、修正、更新、アクセスなどのため
に構造化クエリ言語を利用する。記憶部206は、例えば、暗号鍵、ソルト、ナンス、バ
ックエンドシステムのための通信情報、などを格納するように構成されることができる。
【0025】
記憶部206は、ハッシュチェイン及びそれに関連付けられたデータを格納するように
構成されることができる。コンピューティング装置102において、記憶部206は、1
つ以上の初期値と、それに関連付けられた任意のハッシュチェイン値とを格納することが
できる。コンピューティング装置102において、記憶部206は、スカラーデジタル資
産のオフライン転送の際に使用するために、送信されたデータ応答メッセージ108の一
部として、受信されたハッシュチェインを格納することができる。さらに、コンピューテ
ィング装置102において、記憶部206は、ハッシュチェインによって表されるスカラ
ーデジタル資産の1つ以上のユニットの任意の後続の転送を格納することができる。処理
サーバ104において、記憶部206は、ランダムな秘密値X、すなわち、ハッシュチェ
インを開始するために使用される初期値を格納することができる。処理サーバ104の記
憶部206は、コンピューティング装置102によって要求されたスカラーデジタル資産
へのアクセスについて、ブロックチェーンネットワーク110に照会するために、コンピ
ューティング装置102に関連付けられた公開鍵及び秘密鍵を格納することができる。さ
らに、処理サーバ104の記憶部206は、コンピューティング装置102によるスカラ
ーデジタル資産のオフライン転送の際に使用するために、送信されたデータ応答メッセー
ジ108の一部として作成されたハッシュチェインを格納することができる。
【0026】
コンピューティングシステム200は、クエリモジュール214を含むことができる。
クエリモジュール214は、データベース上でクエリを実行して、情報を識別するように
構成されることができる。クエリモジュール214は、1つ以上のデータ値又はクエリ文
字列を受信することができる。クエリモジュール214は、コンピューティングシステム
200の記憶部206などの示されたデータベース上で、そこに基づきクエリ文字列を実
行して、そこに格納された情報を識別することができる。次に、クエリモジュール214
は、必要に応じて、識別された情報を、コンピューティングシステム200の適切なエン
ジン又はモジュールに出力することができる。クエリモジュール214は、例えば、コン
ピューティングシステム200の記憶部206上でクエリを実行して、要求されたスカラ
ーデジタル資産(データ応答メッセージ108に含めるためにハッシュチェイン内にハッ
シュ化されて、コンピューティング装置102に送信される)を識別することができる。
また、クエリモジュール214は、例えば、コンピューティングシステム200の記憶部
206上でクエリを実行して、コンピューティング装置102に関連付けられたスカラー
デジタル資産を構成する1つ以上のユニットを識別することができる。
【0027】
また、コンピューティングシステム200は、検証モジュール216を含むことができ
る。検証モジュール216は、本明細書で論じられる機能の一部として、コンピューティ
ングシステム200に関する検証を実行するように構成されることができる。検証モジュ
ール216は、入力として命令を受信するこができる。これは、検証されるデータ及び/
又は検証の際に使用されるデータを含むことができる。検証モジュール216は、要求に
応じて検証を実行することができ、検証の結果を、コンピューティングシステム200の
別のモジュール又はエンジンに出力することができる。検証モジュール216は、例えば
、コンピューティング装置102が、ブロックチェーンネットワーク110に格納された
、要求されたスカラーデジタル資産にアクセスすることを検証するように構成されること
ができる。
【0028】
また、コンピューティングシステム200は、生成モジュール218を含むことができ
る。生成モジュール218は、本明細書で論じられる機能を実行する際に、コンピューテ
ィングシステム200によって使用するためのデータを生成するように構成されることが
できる。生成モジュール218は、入力として命令を受信することができ、命令に基づい
てデータを生成することができ、生成されたデータを、コンピューティングシステム20
0の1つ以上のモジュールに出力することができる。例えば、生成モジュール218は、
スカラーデジタル資産を表す際に使用するため、コンピューティング装置102に送信す
るためなどのために、ハッシュダイジェスト関数を初期値に適用することによって、ハッ
シュチェインを生成するように構成されることができる。
【0029】
また、コンピューティングシステム200は、送信装置220を含むことができる。送
信装置220は、1つ以上のネットワークプロトコルを介して1つ以上のネットワーク上
でデータを送信するように構成されることができる。ある事例では、送信装置220は、
1つ以上の通信方法を介して、コンピューティング装置102と、処理サーバ104と、
ブロックチェーンネットワーク110と、他のエンティティとにデータを送信するように
構成されることができる。この通信方法は、構内通信網、無線エリアネットワーク、セル
ラー通信、Bluetooth、無線周波数、インターネットなどである。ある実施形態
では、送信装置220は、複数の装置から構成されることができる。これは、異なるネッ
トワークを介してデータを送信するための異なる送信装置であり、例えば、構内通信網を
介してデータを送信するための第1の送信装置及びインターネットを介してデータを送信
するための第2の送信装置などである。送信装置220は、受信するコンピューティング
装置によって構文解析されることができる、重ねられたデータを有するデータ信号を電子
的に送信することができる。ある事例では、送信装置220は、データを、送信に適した
データ信号に重ねる、符号化する、又はフォーマットするための1つ以上のモジュールを
含むことができる。
【0030】
送信装置220は、データ要求106に重ねられる、又は符号化されるデータ信号を、
処理サーバ104に電子的に送信するように構成されることができる。これは、本明細書
で論じられるような機能において使用されるデータを含むことができる。また、送信装置
220は、データ応答メッセージ108に重ねられることができる、又は符号化されるこ
とができるデータ信号を、コンピューティング装置102に電子的に送信するように構成
されることができる。これは、例えば、データ要求106に応答してコンピューティング
装置102に送信されるスカラーデジタル資産又は任意の他の情報のうちの1つ以上のユ
ニットを表すハッシュチェインを含むことができる。
【0031】
ハッシュチェインを使用して、スカラーデジタル資産を表すための処理
図3は、ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための、図1のシス
テム100において実行される例示的な処理を示す。
【0032】
ステップ302において、コンピューティング装置102は、(例えば、送信装置22
0を介して)データ要求106を処理サーバ104に電子的に送信して、任意の適切な通
信方法を使用して通信セッションを開始することができる。ステップ304において、処
理サーバ104は、(例えば、受信装置202を介して)データ要求106を受信するこ
とができる。ここで、データ要求は、ブロックチェーンネットワーク110に格納された
スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットに関する要求を含むことができる。
【0033】
ステップ306において、処理サーバ104は、データ要求106を介して、ブロック
チェーンネットワーク110上で、コンピューティング装置102によって要求されたス
カラーデジタル資産を(例えば、クエリモジュール214によって実行されるクエリを介
して)識別することができる。さらに、ステップ308において、処理サーバは、要求さ
れたスカラーデジタル資産の1つ以上のユニットを(例えば、クエリモジュール214に
よって実行されるクエリを介して)識別することができる。ハッシュ値の合計は範囲によ
って識別されることができ、例えば、「X1-X4」は、一例では4セントを識別し、し
たがって、X1、X2、X3、X4を識別する必要性を避け得ることに留意されたい。こ
れは、比較的小さなデータ値の集合を使用して、大きな数の資産を伝達する必要性を大幅
に低減する。
【0034】
ステップ310において、処理は、コンピューティング装置102がブロックチェーン
ネットワーク110に格納された、要求されたスカラーデジタル資産にアクセスすること
を、(例えば、クエリモジュール214によって実行されるクエリを介して)検証するこ
とができる。
【0035】
ステップ312において、処理サーバは、ランダムな初期値を使用するハッシュダイジ
ェスト関数を、要求されたスカラーデジタル資産の各ユニットに適用することによって、
要求されたスカラーデジタル資産の、1つ以上の識別されたユニットのハッシュチェイン
を、(例えば、生成モジュール218を介して)生成することができる。
【0036】
ステップ314において、処理サーバは、データ応答メッセージ108をコンピューテ
ィング装置102に、(例えば、送信装置220を介して)送信することができる。ステ
ップ316において、コンピューティング装置102は、データ応答メッセージ108を
、(例えば、受信装置202を介して)受信することができる。このデータ応答メッセー
ジ108は、データ要求106において要求されたスカラーデジタル資産を表すハッシュ
チェインを含む。
【0037】
ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための例示的な方法
図4は、図1のシステム100における処理サーバ104の観点における、ハッシュチ
ェインを使用してスカラーデジタル資産を表すための方法400を示す。
【0038】
ステップ402において、データ要求(例えば、データ要求106)は、処理サーバ(
例えば、処理サーバ104)の受信器(例えば、受信装置202)によって、コンピュー
ティング装置(例えば、コンピューティング装置102)から受信されることができる。
データ要求は、処理サーバ104によって調整及び/又は調節された分散台帳(例えば、
ブロックチェーンネットワーク110)に格納されたスカラーデジタル資産の1つ以上の
ユニットに関するものとすることができる。
【0039】
ステップ404において、コンピューティング装置(例えば、コンピューティング装置
102)によって要求されたスカラーデジタル資産は、分散台帳上の処理サーバによって
、(例えば、クエリモジュール214によって実行されるクエリを介して)識別されるこ
とができる。
【0040】
ステップ406において、処理サーバは、プロセッサによって(例えば、クエリモジュ
ール214によって実行されるクエリを介して)、クライアント装置によって要求された
スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットを識別することができる。処理サーバは、ス
カラーデジタル資産の最小ユニットの数又はスカラーデジタル資産の指定されたユニット
サイズを識別することができる。
【0041】
ステップ408において、処理サーバは、プロセッサ(例えば、検証モジュール216
)によって、コンピューティング装置が、分散台帳に格納された、要求されたスカラーデ
ジタル資産にアクセスすることを検証することができる。
【0042】
ステップ410において、処理サーバは、処理サーバのプロセッサ(例えば、生成モジ
ュール218)によって、ランダムな初期値を使用して、スカラーデジタル資産の1つ以
上のユニットにハッシュダイジェスト関数を適用することによって、ハッシュチェインを
生成することができる。これは、ランダムな初期値を使用するハッシュダイジェスト関数
を、要求されたスカラーデジタル資産の識別された各ユニットに適用することによって、
要求されたスカラーデジタル資産を表すハッシュチェインをもたらす。
【0043】
ステップ412において、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットのハッシュチェ
インを含むデータ応答メッセージ(例えば、データ応答メッセージ108)は、処理サー
バの送信器(例えば、送信装置220)によってコンピューティング装置に送信されるこ
とができる。
【0044】
コンピュータシステムアーキテクチャ
図5は、本開示の実施形態又はその一部がコンピュータ可読コードとして実装されるこ
とができるコンピュータシステム500を示す。例えば、図1のコンピューティング装置
102及び処理サーバ104と、図2のコンピューティングシステム200とは、ハード
ウェア、ハードウェア上で実行されるソフトウェア、ファームウェア、命令を格納した非
一時的コンピュータ可読媒体、又はそれらの組み合わせを使用して、コンピュータシステ
ム500において実装されることができ、1つ以上のコンピュータシステム又は他の処理
システムにおいて実装されることができる。ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの
任意の組合せは、図3図4の方法を実装するために使用されるモジュール及び構成要素
を具体化することができる。
【0045】
プログラマブルロジックが使用される場合、そのようなロジックは、実行可能ソフトウ
ェアコードによって構成された市販の処理プラットフォーム上で実行して、特定の目的の
コンピュータ又は特別な目的の装置(例えば、プログラマブルロジックアレイ、特定用途
向け集積回路など)になることができる。当業者は、開示された主題の実施形態が、様々
なコンピュータシステム構成を用いて実施され得ることを理解することができる。このコ
ンピュータシステム構成は、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、
メインフレームコンピュータ、分散機能を用いてリンク又はクラスタ化されたコンピュー
タ、ならびに仮想的に任意の装置に埋め込まれ得るパーベイシブ又は小型コンピュータを
含む。例えば、少なくとも1つのプロセッサ装置及び記憶部が、上述の実施形態を実装す
るために使用されることができる。
【0046】
本明細書で論じられるプロセッサユニット又は装置は、単一のプロセッサ、複数のプロ
セッサ、又はそれらの組み合わせとすることができる。プロセッサ装置は、1つ以上のプ
ロセッサ「コア」を有することができる。本明細書で論じられる用語「コンピュータプロ
グラム媒体」、「非一時的コンピュータ可読媒体」、及び「コンピュータ使用可能媒体」
は、概して、有形媒体を指すために使用される。この有形媒体は、例えば、取り外し可能
記憶ユニット518、取り外し可能記憶ユニット522、及びハードディスクドライブ5
12に取り付けられたハードディスクである。
【0047】
本開示の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム500に関して説明さ
れる。この説明を読んだ後、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテ
クチャを使用して、どのように本開示を実施するかが当業者には明らかになるであろう。
動作は連続的な処理として説明されることができるが、動作のいくつかは、実際には並列
に、同時に、及び/又は分散環境において、単一又はマルチプロセッサ機械によるアクセ
スのためにローカルに又は遠隔に格納されたプログラムコードを用いて、実行されること
ができる。さらに、ある実施形態では、動作の順序は、開示された主題の趣旨から逸脱す
ることなく、再構成されることができる。
【0048】
プロセッサ装置504は、本明細書で論じられる機能を実行するように特に構成された
専用又は汎用プロセッサ装置とすることができる。プロセッサ装置504は、通信インフ
ラストラクチャ506に接続されることができる。通信インフラストラクチャ506は、
例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、マルチコアメッセージパッシング方式
などである。ネットワークは、本明細書で開示されるような機能を実行するのに適した任
意のネットワークとすることができ、構内通信網(LAN)、広域通信網(WAN)、無
線ネットワーク(例えば、WiFi)、移動体通信網、衛星ネットワーク、インターネッ
ト、光ファイバ、同軸ケーブル、赤外線、無線周波数(RF)、又はそれらの任意の組合
せを含むことができる。他の適切なネットワークの種類及び構成は、当業者には明らかで
あろう。また、コンピュータシステム500は、主記憶部508(例えば、ランダムアク
セスメモリ、読み取り専用メモリなど)を含むことができ、補助記憶部510も含むこと
ができる。補助記憶部510は、ハードディスクドライブ512と、フロッピーディスク
ドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどの取り外し
可能記憶ドライブ514とを含むことができる。
【0049】
取り外し可能記憶ドライブ514は、周知の方法で、取り外し可能記憶ユニット518
から読み取る、及び/又はそれに書き込むことができる。取り外し可能記憶ユニット51
8は、取り外し可能記憶媒体を含むことができる。取り外し可能記憶媒体は、取り外し可
能記憶ドライブ514によって読み書きされることができる。例えば、取り外し可能記憶
ドライブ514がフロッピーディスクドライブ又はユニバーサルシリアルバスポートであ
る場合、取り外し可能記憶ユニット518は、それぞれフロッピーディスク又はポータブ
ルフラッシュドライブとすることができる。一実施形態では、取り外し可能記憶ユニット
518は、非一時的コンピュータ可読記録媒体とすることができる。
【0050】
ある実施形態では、補助記憶部510は、コンピュータプログラム又は他の命令をコン
ピュータシステム500に読み込むことを可能にするための代替手段、例えば、取り外し
可能記憶ユニット522及びインタフェース520を含むことができる。そのような手段
の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース(例えば、ビデオゲー
ムシステムに見られるようなもの)と、取り外し可能メモリチップ(例えば、EEPRO
M、PROMなど)及び関連付けられたソケットと、当業者には明らかであるような他の
取り外し可能記憶ユニット522及びインタフェース520とを含むことができる。
【0051】
コンピュータシステム500に(例えば、主記憶部508及び/又は補助記憶部510
に)格納されたデータは、任意の種類の適切なコンピュータ可読媒体に格納されることが
できる。このコンピュータ可読媒体は、例えば、光学記憶装置(例えば、コンパクトディ
スク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなど)又は磁気テープ記憶装置(例
えば、ハードディスクドライブ)である。データは、任意の種類の適切なデータベース構
成で構成されることができる。このデータベース構成は、例えば、関係データベース、構
造化クエリ言語(SQL)データベース、分散データベース、オブジェクトデータベース
などである。適切な構成及び記憶装置の種類は、当業者には明らかであろう。
【0052】
また、コンピュータシステム500は通信インタフェース524を含むことができる。
通信インタフェース524は、ソフトウェア及びデータを、コンピュータシステム500
と外部装置との間で転送することを可能にするように構成されることができる。例示的な
通信インタフェース524は、モデム、ネットワークインタフェース(例えば、イーサネ
ットカード)、通信ポート、PCMCIAスロット及びカードなどを含むことができる。
通信インタフェース524を介して転送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態と
することができる。この信号は、電子信号、電磁信号、光信号、又は当業者には明らかで
あるような他の信号とすることができる。信号は、通信経路526を介して伝搬すること
ができる。通信経路526は、信号を伝えるように構成されることができ、電線、ケーブ
ル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、無線周波数リンクなどを使用して実装され
ることができる。
【0053】
コンピュータシステム500は、表示インタフェース502をさらに含むことができる
。表示インタフェース502は、データを、コンピュータシステム500と外部表示装置
530との間で転送することを可能にするように構成されることができる。例示的な表示
インタフェース502は、高精細度マルチメディアインタフェース(HDMI)、デジタ
ルビジュアルインタフェース(DVI)、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)などを
含むことができる。表示装置530は、コンピュータシステム500の表示インタフェー
ス502を介して送信されたデータを表示するための任意の適切な種類の表示装置とする
ことができる。この表示装置は、陰極線管(CRT)表示装置、液晶表示装置(LCD)
、発光ダイオード(LED)表示装置、静電タッチ表示装置、薄膜トランジスタ(TFT
)表示装置などを含む。
【0054】
コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体は、主記憶部508及び補
助記憶部510などのメモリを指すことができる。このメモリは、メモリ半導体(例えば
、DRAMなど)とすることができる。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピ
ュータシステム500にソフトウェアを提供するための手段とすることができる。コンピ
ュータプログラム(例えば、コンピュータ制御ロジック)は、主記憶部508及び/又は
補助記憶部510に格納されることができる。また、コンピュータプログラムは、通信イ
ンタフェース524を介して受信されることができる。そのようなコンピュータプログラ
ムは、実行されると、コンピュータシステム500が本明細書で論じられるような本方法
を実施することを可能にすることができる。特に、コンピュータプログラムは、実行され
ると、プロセッサ装置504が、本明細書で論じられるような、図3図4によって示さ
れる方法を実施することを可能にすることができる。したがって、そのようなコンピュー
タプログラムは、コンピュータシステム500の制御装置を表すことができる。本開示が
ソフトウェアを使用して実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品
に格納され、取り外し可能記憶ドライブ514、インタフェース520、及びハードディ
スクドライブ512、又は通信インタフェース524を使用して、コンピュータシステム
500に読み込まれることができる。
【0055】
プロセッサ装置504は、1つ以上のモジュール又はエンジンを含むことができ、これ
は、コンピュータシステム500の機能を実行するように構成される。モジュール又はエ
ンジンの各々は、ハードウェアを使用して実装されることができる。ある事例では、モジ
ュール又はエンジンの各々は、ソフトウェアを利用することもでき、例えば、主記憶部5
08又は補助記憶部510に格納されたプログラムコード及び/又はプログラムに対応す
る。そのような事例では、プログラムコードは、コンピュータシステム500のハードウ
ェアによる実行の前に、プロセッサ装置504によって(例えば、コンパイルするモジュ
ール又はエンジンによって)コンパイルされることができる。例えば、プログラムコード
は、プロセッサ装置504及び/又はコンピュータシステム500の任意の追加のハード
ウェア構成要素による実行のために、アセンブリ言語又は機械コードなどの低水準言語に
翻訳されるプログラミング言語で書かれたソースコードとすることができる。コンパイル
する処理は、字句解析と、前処理と、構文解析と、意味解析と、構文指向翻訳と、コード
生成と、コード最適化と、コンピュータシステム500を制御して本明細書で開示された
機能を実行するのに適した低水準言語へのプログラムコードの翻訳に適し得る任意の他の
技術との使用を含むことができる。そのような処理の結果、コンピュータシステム500
が、上述の機能を実行するように一意にプログラムされた、特別に構成されたコンピュー
タシステム500となることは、当業者には明らかであろう。
【0056】
本開示と一致する技術は、他の特徴の中でも、ハッシュチェインを使用して、クライア
ント装置を認証するためのシステム及び方法を提供する。開示されたシステム及び方法の
様々な例示的な実施形態が上述されたが、それらは、限定ではなく、例示のみの目的で提
示されたことを理解されたい。それは、網羅的ではなく、開示された厳密な形態に本開示
を限定しない。上記の教示に照らして、修正及び変形が可能であり、又は、修正及び変形
は、広さ若しくは範囲から逸脱することなく、本開示の実施から得られることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を転送するための方法であって、前記方法は、
コンピューティング装置の送信装置によって処理サーバに、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットについてデータ要求を送信することと
前記コンピューティング装置の受信装置によって前記処理サーバから、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットのハッシュチェインを含むデータ応答メッセージを受信することと、
前記コンピューティング装置によって記憶部内に、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの前記ハッシュチェインを格納することと、
前記コンピューティング装置の前記送信装置によって第2のコンピューティング装置に、少なくとも、前記ハッシュチェインの一部を送信することであって、前記第2のコンピューティング装置に前記送信することは、オフライン環境における、ことと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの前記ハッシュチェインは、ランダムな初期値を使用して、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの各々にハッシュダイジェスト関数を適用することによって、生成される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの各ユニットは、前記ハッシュチェイン内の単一のハッシュによって表される、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの範囲は、最初のハッシュと最後のハッシュとによって表される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産は、デジタル通貨である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の最小ユニットである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の指定されたユニットサイズである、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記スカラーデジタル資産は、ブロックチェーンネットワークに格納される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記ハッシュチェインの前記一部は、前記ハッシュチェインの指定された範囲である、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記コンピューティング装置によって前記記憶部内に、前記第2のコンピューティング装置への前記ハッシュチェインの前記一部の前記送信の記録を格納すること、
をさらに含む、方法。
【請求項11】
ハッシュチェインを使用してスカラーデジタル資産を転送するためのシステムであって、前記システムは、
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ可読な1つ以上の記憶部と、
コンピュータ可読な1つ以上の有形記憶装置と、
前記1つ以上の記憶部のうちの少なくとも1つを介して前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるために、前記1つ以上の記憶装置のうちの少なくとも1つに格納された命令と、
を含み、前記命令は、
コンピューティング装置の送信装置によって処理サーバに、コンピューティング装置から、スカラーデジタル資産の1つ以上のユニットについてデータ要求を送信するための命令と、
前記コンピューティング装置の受信装置によって前記処理サーバから、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットのハッシュチェインを含むデータ応答メッセージを受信するための命令と、
前記コンピューティング装置によって記憶部内に、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの前記ハッシュチェインを格納するための命令と、
前記コンピューティング装置の前記送信装置によって第2のコンピューティング装置に、少なくとも、前記ハッシュチェインの一部を送信するための命令であって、前記第2のコンピューティング装置に前記送信することは、オフライン環境における、命令と、
を含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの前記ハッシュチェインは、ランダムな初期値を使用して、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの各々にハッシュダイジェスト関数を適用することによって、生成される、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの各ユニットは、前記ハッシュチェイン内の単一のハッシュによって表される、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの範囲は、最初のハッシュと最後のハッシュとによって表される、システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産は、デジタル通貨である、システム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の最小ユニットである、システム。
【請求項17】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産の前記1つ以上のユニットの1つのユニットは、前記スカラーデジタル資産の指定されたユニットサイズである、システム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記スカラーデジタル資産は、ブロックチェーンネットワークに格納される、システム。
【請求項19】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記ハッシュチェインの前記一部は、前記ハッシュチェインの指定された範囲である、システム。
【請求項20】
請求項11に記載のシステムにおいて、
前記コンピューティング装置によって前記記憶部内に、前記第2のコンピューティング装置への前記ハッシュチェインの前記一部の前記送信の記録を格納するための命令をさらに含む、システム。
【外国語明細書】