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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124592
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】静電容量検出ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/263 20220101AFI20240906BHJP
【FI】
G01F23/263
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032367
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003236
【氏名又は名称】弁理士法人杉浦特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】吉川 治
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA14
2F014AB02
2F014AB04
2F014EA00
2F014GA04
(57)【要約】
【課題】静電容量を検出する検出用電極をカスタマイズすることができる静電容量検出ユニットを提供する。
【解決手段】外装ケースと、外装ケース内に収納される検出回路と、検出回路に接続される電極部と、を備え、電極部は、外装ケースの外部に導出され、静電容量を検出する検出用電極を備え、電極部が着脱自在とされる、静電容量検出ユニットである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装ケースと、
前記外装ケース内に収納される検出回路と、
前記検出回路に接続される電極部と、を備え、
前記電極部は、前記外装ケースの外部に導出され、静電容量を検出する検出用電極を備え、
前記電極部が着脱自在とされる、
静電容量検出ユニット。
【請求項2】
前記検出用電極は、FPC上に形成された一つの検出用電極を備え、
前記検出回路は、前記検出用電極により検出される第1静電容量と比較される第2静電容量を生成する静電容量生成回路を含み、
前記検出回路は、前記第1静電容量と前記第2静電容量とを比較することで得られる検出結果を出力する、
請求項1に記載の静電容量検出ユニット。
【請求項3】
前記静電容量生成回路は、所定の静電容量を有する容量素子に対して可変抵抗が直列接続された回路構成を有する、
請求項2に記載の静電容量検出ユニット。
【請求項4】
前記外装ケースを回転させることで前記可変抵抗の抵抗値が変更可能とされる、
請求項3に記載の静電容量検出ユニット。
【請求項5】
前記検出用電極は、FPC上に形成された複数の検出用電極を含み、
前記検出回路は、それぞれの前記検出用電極で検出される静電容量を比較することで得られる検出結果を出力する、
請求項1に記載の静電容量検出ユニット。
【請求項6】
前記検出用電極の周囲にグランドパターンが形成されている、
請求項1から5までの何れかに記載の静電容量検出ユニット。
【請求項7】
前記電極部が前記検出回路に接続されるコネクタに対して着脱自在とされる、
請求項1から5までの何れかに記載の静電容量検出ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量検出ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量の検出結果に基づいて液面の位置等を検出するセンサが知られている。係るセンサの一例として、下記の特許文献1は、パルス波形の変化に基づいて静電容量を検出する静電容量検出装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-220161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
元来、液面検出機能を有さない容器(液体を収納するタンクやパック等)に、静電容量の検出結果に基づいて液面を検出する静電容量検出ユニットを取り付けることで、それらの容器に液面検出機能を付与することができる。この場合に、静電容量を検出する電極の形状や大きさをカスタマイズできるようにすれば、静電容量を検出する液体の種類やそれらの液体を収納する容器の形状等に応じて静電容量検出ユニットの機能を最適化できる。さらに、汎用性のある静電容量検出ユニットを実現することができる。特許文献1に記載の技術は係る観点が欠如しており、静電容量検出ユニットを特定の対象や用途にしか用いることができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、静電容量を検出する電極をカスタマイズできるようにした静電容量検出ユニット提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
外装ケースと、
外装ケース内に収納される検出回路と、
検出回路に接続される電極部と、を備え、
電極部は、外装ケースの外部に導出され、静電容量を検出する検出用電極を備え、
電極部が着脱自在とされる、
静電容量検出ユニットである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る静電容量検出ユニットの外観例を示す図である。
図2】一実施形態に係る外装上ケースの構成例を説明するための図である。
図3】一実施形態に係る外装下ケースの構成例を説明するための図である。
図4】一実施形態に係る電極部の構成例を説明するための図である。
図5】一実施形態に係る静電容量検出ユニットの内部構成例を説明するための図である。
図6】一実施形態に係る静電容量検出ユニットの内部構成例を説明するための図である。
図7】一実施形態に係る静電容量検出ユニットの検知原理を説明するための図である。
図8】一実施形態に係る検出回路の回路構成例を説明するための図である。
図9】一実施形態に係る静電容量検出ユニットの使用例を説明するための図である。
図10】A及びBは、一実施形態に係る静電容量検出ユニットの使用例を説明するための図である。
図11】変形例を説明するための図である。
図12】変形例に係る静電容量検出ユニットの使用例を説明するための図である。
図13】別の変形例を説明するための図である。
図14】別の変形例を説明するための図である。
図15】別の変形例を説明するための図である。
図16】別の変形例に係る静電容量検出ユニットを用いた処理例を説明するための図である。
図17】別の変形例を説明するための図である。
図18】応用例を説明するための図である。
図19】応用例におけるポップアップ表示の一例を説明するための図である。
図20】別の応用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
<一実施形態>
<変形例>
<応用例>
なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものではない。特に、実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置、上下左右等の方向の記載等は特に限定する旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがあり、また、図示が煩雑となることを防止するために、参照符号の一部のみを図示する場合や図示の一部を簡略化する場合もある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複する説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0009】
<一実施形態>
[静電容量検出ユニットの構成例]
図1乃至図6を参照して、一実施形態に係る静電容量検出ユニット(静電容量検出ユニット1)の構成例について説明する。図1は、静電容量検出ユニット1の外観例を示す図である。図2は、静電容量検出ユニット1の外装上ケース(外装上ケース11)の構成例を説明するための図である。図3は、静電容量検出ユニット1の外装下ケース(外装下ケース12)の構成例を説明するための図である。図4は、一実施形態に係る電極部(電極部20)の構成例を説明するための図である。図5及び図6は、静電容量検出ユニット1の内部構成例を説明するための図である。
【0010】
一実施形態に係る静電容量検出ユニット1は、静電容量の検出結果に基づいて液面を検出するセンサである。但し、このことは静電容量検出ユニット1の用途を限定するものではない。
【0011】
(外装ケース)
図1に示すように、静電容量検出ユニット1は、円筒状の形状を有する外装ケース10を有する。外装ケース10は、樹脂等の絶縁性の材料により構成される。本実施形態に係る外装ケース10は、外装ケース10の内部に収納されるLED(Light Emitting Diode)(後述するLED40)が発光した光を、外装ケース10から視認可能な程度に光透過性を有する光透過性樹脂により構成される。
【0012】
外装ケース10は、例えば上下に分離可能な外装上ケース11及び外装下ケース12を有する。なお、外装上ケース11及び外装下ケース12との表記は説明の便宜上の表記であり、両者の位置関係は上下になる場合もあれば、左右になることもある。
【0013】
外装ケース10の大きさは特に限定されるものではないが、一例として上面の直径が3cm程度で、高さが3cm程度であり、可搬可能な比較的小型のものである。外装上ケース11はユーザーによって回転可能に構成されている。
【0014】
図2を参照して外装上ケース11の構成例について説明する。図2は、図1に示す外装上ケース11を上下反転した状態を示す図である。外装上ケース11は最も外側に位置しリング状の形状を有する側壁部11Aを有する。側壁部11Aにより外装上ケース11の内部には内部空間SPAが形成される。
【0015】
内部空間SPAの奥側(図2における下側)には、リング状の形状を有する内壁部11Bが形成されている。内壁部11Bには、不連続の箇所となる切欠部11Cが形成されている。内壁部11Bの内側における略中央には、内壁部11Bの高さよりもやや小さい高さの中空円柱部11Dが形成されている。中空円柱部11Dは、リング状の形状を有する壁部11Eと、壁部11Eにより囲まれる内部空間である中空部11Fと、を有する。
【0016】
図3を参照して外装下ケース12の構成例について説明する。図3は、図1に示す外装ケース10のうち外装上ケース11を取り外した状態の外装下ケース12を示す。外装下ケース12は最も外側に位置しリング状の形状を有する側壁部12Aを有する。側壁部12Aにより外装下ケース12の内部には内部空間SPBが形成される。
【0017】
側壁部12Aの上側端面における内周縁寄りの位置からは、リング状の形状を有する内壁部12Bが上方に向かって突設している。内壁部12Bの一部は不連続となっている。この不連続となっている箇所に対応する側壁部12Aの箇所が切り欠けられることで切欠部12Cが形成されている。なお、切欠部12Cは、外装下ケース12ではなく、外装上ケース11に形成されてもよい。
【0018】
外装上ケース11の側壁部11Aが外装下ケース12の内壁部12Bの外側(側壁部12Aの上側端面付近)に係合することで、外装上ケース11と外装下ケース12とが一体化する。外装上ケース11と外装下ケース12とが一体化した状態(外装ケース10の状態)では、切欠部12Cの箇所が、外装ケース10の内部空間と外部空間とを通じる僅かな隙間となる。
【0019】
(電極部)
静電容量検出ユニット1は、電極部20を有する。電極部20は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)により構成されている。図1に示すように、電極部20は、ポリイミド等のプラスチックフィルムで形成された基材21を有する。基材21は、第1主面21A及び第1主面21Aとは反対側の第2主面21Bを有する。図1に示す例では、第1主面21Aが上側を向いており、第2主面21Bが下側を向いている。
【0020】
基材21は、薄板状の導出部21Cと、導出部21Cの一端(外装ケース10の内部とは反対側)に形成された円形状の円形部21Dとを有する。導出部21C及び円形部21Dは連続的に形成されている。導出部21Cは、上述した切欠部12Cを介して外装ケース10の内側から外側に対して導出されている。導出部21Cの長さは特に限定されるものではないが、後述するように、円形部21Dを外装下ケース12の底面に引き回すことができる程度の長さに設定される。
【0021】
また、電極部20は、銅箔等の導電パターンとして、検出用電極部22及びグランドパターン23を有する。検出用電極部22及びグランドパターン23は、基材21の第1主面21Aに形成されている。検出用電極部22及びグランドパターン23は、そのほとんどが導出部21Cによって外装ケース10の外部に導出されている。なお、図4では、電極部20が有する導電パターンに対してドットが付されている。このことは、図11図12図14図15及び図16でも同様である。
【0022】
検出用電極部22は、円形状の形状を有する検出用電極22Aと、検出用電極22Aと一続きの導電パターンである線状の第1接続部22Bと、を有する。図4に示すように、検出用電極22Aは、円形部21Dの第1主面21Aに形成されている。検出用電極22Aは、静電容量を検出するための電極である。第1接続部22Bは、導出部21Cの第1主面21Aに形成されている。第1接続部22Bの外装ケース10側の端部は検出回路(後述する検出回路41A)に接続される。係る構成により、検出用電極22Aの検出結果が第1接続部22Bを介して検出回路41Aに供給される。
【0023】
グランドパターン23は、円形状の一部が不連続となっている形状を有するC字状部23Aを有する。また、グランドパターン23は、C字状部23Aと一続きの導電パターンであり、C字状部23Aの一端から延在する線状の第2接続部23Bを有する。
【0024】
図4に示すように、C字状部23Aは、円形部21Dの第1主面21Aに形成されている。具体的には、C字状部23Aは、検出用電極22Aの周縁に対してやや離隔した位置で、当該検出用電極22Aを取り囲むように形成されている。第2接続部23Bは、導出部21Cの第1主面21Aに形成されている。第2接続部23Bの外装ケース10側の端部は検出回路41Aに接続される。検出用電極22Aの周囲にグランドパターン23が形成されることで、外来ノイズ等による静電容量の検出への影響を低減することができ、検出用電極22Aによる静電容量の検出精度の低下を抑制できる。
【0025】
さらに、電極部20は、テスト信号を読み取るためのテスト信号用電極(テスト信号用電極25A、テスト信号用電極(グランド)25B)を有する。なお、テスト信号用電極はなくてもよい。また、第2接続部23Bの下側には、予備の検出用電極の接続部25Cが形成されている。
【0026】
(外装ケース内の内部構成例)
次に、図5及び図6を参照して、外装ケース10内の内部空間(例えば内部空間SPA及び内部空間SPB)に収納される構成要素の一例について説明する。外装ケース10の内部空間には基板30が収納される。基板30は、例えば薄板状のリジッド基板であり、上側の主面である表面30Aと反対側(下側)の主面である裏面30Bとを有する。表面30Aには、発光素子の一例であるLED40と、制御回路41と、板ばね電極42とが接続されている。また、基板30の裏面30Bには、FPCコネクタ44が接続されている。これらの各構成要素が基板30に形成された所定の導電パターンにより電気的に接続される。また、外装ケース10内には電池43が収納されている。
【0027】
LED40は、静電容量検出ユニット1により液面の変化(例えば、液面の低下)が検出された際に発光する素子である。例えば、静電容量検出ユニット1により液面の低下が検出された際にLED40が発光する。常時LED40が発光し、静電容量検出ユニット1により液面の低下が検出された際にLED40が消灯するようにしてもよい。
【0028】
制御回路41は、静電容量検出ユニット1の各部を統括的に制御するIC(Integrated Circuit)である。例えば、制御回路41は、LED40の発光/消灯を制御したり、電池43からの電力供給に関する制御を行う。また、制御回路41は、検出回路41Aを含む。検出回路41Aの詳細については後述する。
【0029】
板ばね電極42は、電源スイッチ用の板ばね電極である。板ばね電極42は、例えば外装上ケース11の回転に応じて押下される。板ばね電極42が押下されることで板ばね電極42の接点が導通することにより、静電容量検出ユニット1の電源がオンになる。具体的には、板ばね電極42の接点が切欠部11C内に配置された状態では、板ばね電極42が押下されない、すなわち板ばね電極42の接点が導通せずに静電容量検出ユニット1の電源がオフとなる。静電容量検出ユニット1のユーザーが外装上ケース11を回転させると、切欠部12C内に配置された板ばね電極42の位置が切欠部12C外に排出され内壁部12B(例えば、内壁部12Bの端面)によって押下される。これにより、板ばね電極42の接点が例えば電池43の給電ポイントと接触することで、静電容量検出ユニット1の電源がオンする。
【0030】
FPCコネクタ44は、制御回路41及び基板30と電極部20との間を中継する。FPCコネクタ44に対して導出部21Cの端部が接続される。係る構成により、電極部20の検出結果がFPCコネクタ44及び基板30の所定のパターンを介して制御回路41に、具体的には、制御回路41に含まれる検出回路41Aに供給される。なお、本明細書において「検出回路に接続される電極部」とは、電極部20の検出結果が検出回路41Aに供給される構成を意味する。すなわち、電極部20が検出回路41Aに直接接続されていてもよいし、本実施形態のように、電極部20がFPCコネクタ44等の中継部材を介して検出回路41Aに接続されていてもよい。
【0031】
本実施形態に係る静電容量検出ユニット1では、電極部20がFPCコネクタ44に対して着脱自在とされる。例えば、静電容量検出ユニット1のユーザーは、外装ケース10を外装上ケース11と外装下ケース12とに分離する。そして、ユーザーは、FPCコネクタ44から電極部20を取り外し、異なる大きさや形状の検出用電極22Aを有する電極部20をFPCコネクタ44に取り付けることで、電極部20をカスタマイズすることができる。
【0032】
電池43は、例えばコイン型の一次電池である。電池43は、静電容量検出ユニット1が動作するにあたって必要な電力を供給する電源であり、外装下ケース12の内部空間SPBに収納される。電池43は、リチウムイオン電池等の充電可能な電池であってもよい。
【0033】
上述した検出回路41Aには、抵抗値調整部45が接続されている。抵抗値調整部45は、円筒状の形状を有し、検出回路41Aが有する可変抵抗(後述する可変抵抗53A)の抵抗値を変化させるためのつまみである。抵抗値調整部45は、外装上ケース11の中空部11Fに収納される。そして、外装上ケース11をユーザーが回転させると、外装上ケース11の回転に伴って抵抗値調整部45も回転する。すなわち、外装上ケース11を回転させることで、検出回路41Aが有する可変抵抗の抵抗値を変化させることができる。
【0034】
例えば、抵抗値調整部45の上側端面に線状の突起(不図示)を設け、中空部11Fの上側に位置する面に線状の溝部(不図示)を設ける。外装上ケース11が外装下ケース12と一体化されると、線状の突起が線状の溝部と係合する。係る構成によって、外装上ケース11の回転に伴って抵抗値調整部45を回転させることができる。
【0035】
このように、本実施形態では、外装上ケース11を回転させることで、静電容量検出ユニット1の電源のオン/オフ、及び、検出回路41Aが有する可変抵抗の抵抗値の設定を行うことができる。例えば、静電容量検出ユニット1の電源がオフの状態のときに外装上ケース11を少し回転すると静電容量検出ユニット1の電源がオンする。さらに外装上ケース11を同方向に回転させると可変抵抗の抵抗値を徐々に大きくすることができる。なお、外装下ケース12を回転させることで、静電容量検出ユニット1の電源のオン/オフ等ができるようにしてもよい。また、外装上ケース11及び外装下ケース12を相対移動させることで、静電容量検出ユニット1の電源のオン/オフ等ができるようにしてもよい。
【0036】
[検出回路について]
(検出原理)
次に、制御回路41が有する検出回路41Aの詳細について説明する。始めに、図7を参照して検出原理について説明する。入力パルスPLAが入力されることに応じて、静電容量の検出結果である出力OA及び静電容量の検出結果である出力OBが得られる。出力OAは例えば静電容量を検出する検出用電極の出力であり、出力OBは例えば静電容量を検出する検出用電極の出力又は所定の静電容量を生成する静電容量生成回路の出力である。出力OAが静電容量生成回路の出力であり出力OBが検出用電極の出力であってもよい。
【0037】
出力OA及び出力OBが、例えば排他的論理和回路(EX-OR)に入力され比較される。出力OAに対応するパルス及び出力OBに対応するパルスに対して閾値THが設定されている。出力OA及び出力OBの差分、すなわち、静電容量の差分が、それぞれの出力に対応するパルスの立ち上がり時間、立ち下がり時間に対して時間差を生じさせる。閾値THを用いて当該時間差をパルス化する。生成されたパルスが排他的論理和回路から出力される。図7に示す例では、排他的論理和回路から出力されるパルスの一例としてパルスPLB及びパルスPLCが図示されている。
【0038】
排他的論理和回路からパルスが出力されることで、静電容量検出ユニット1が対象を検出できる。例えば、静電容量検出ユニット1の検出対象が容器内の液面の場合に、出力OA及び出力OBがいずれも容器内の液体に対応した静電容量の場合は両者の差分が略0となるため、排他的論理和回路からパルスが出力されない。一方で、例えば、出力OAが容器内の液体に対応しない静電容量(例えば、容器内の空気に対応する静電容量)であり、出力OBが容器内の液体に対応した静電容量の場合は、両者の間に差分が生じ排他的論理和回路からパルスが出力される。これによって、液体の存在を検出することができる。
【0039】
(検出回路の回路構成例)
図8は、一実施形態に係る検出回路41Aの回路構成例を説明するための図である。上述したように、検出回路41Aは、FPCコネクタ44を介して電極部20と接続されている。例えば、FPCコネクタ44の所定のピンに検出用電極部22の導電パターン(より具体的には第1接続部22Bの端部)が接続される。また、FPCコネクタ44の他のピンにグランドパターン23(より具体的には第2接続部23Bの端部)が接続される。
【0040】
検出回路41Aは、所定のパルスが入力される入力端子51を有する。入力端子51は端子ではなく所定のパルスが入力される経路でもよい。入力端子51に接続されているラインL1は、ラインL2とラインL3とに分岐する。ラインL2に対して抵抗52が接続される。ラインL3に対して静電容量生成回路53が接続される。
【0041】
抵抗52は、FPCコネクタ44の所定のピンに接続される。例えば、抵抗52は、検出用電極22Aによる静電容量の検出結果が入力されるピンに対して接続される。
【0042】
静電容量生成回路53は、例えば、ラインL1とラインL3とが接続される接続点の側から順に、可変抵抗53A及びコンデンサ53B(所定の静電容量を有する容量素子の一例)が直列接続された回路構成を有する。コンデンサ53Bの容量は、例えば100pF程度である。静電容量生成回路53は、検出用電極22Aで検出された静電容量(第1静電容量)と比較される静電容量(第2静電容量)を生成する。可変抵抗53Aの抵抗値は、上述した抵抗値調整部45を回転させることで調整可能とされている。一例として、可変抵抗53Aは、0から20kΩ、若しくは、0から50kΩの間の抵抗値が設定可能とされる。
【0043】
検出回路41Aは、排他的論理和回路55を有する。排他的論理和回路55は、電源電圧が供給されるVCC端子とグランドと接続される端子AGNDを有する。また、排他的論理和回路55は、抵抗52と検出用電極22Aとの間の接続点PAに接続される。これにより、検出用電極22Aで検出された静電容量がA入力として排他的論理和回路55に入力される。さらに、排他的論理和回路55は、可変抵抗53Aとコンデンサ53Bとの間の接続点PBに接続される。これにより、静電容量生成回路53で生成された静電容量がB入力として排他的論理和回路55に入力される。排他的論理和回路55は、入力端子51からパルスが入力されたタイミング毎に上述した検出原理に基づいてA入力をB入力とを比較し、比較結果に応じて、パルスを出力Yとして出力する。
【0044】
[使用例]
次に、図9を参照して静電容量検出ユニット1の使用例について説明する。図9に示すように、例えば容器61内に液体62が貯留されている。液体62は、洗剤、液体石けん等何でもよい。液体62が使用されることで液面62Aが徐々に低下する。
【0045】
静電容量検出ユニット1は、例えば容器61の適宜な表面に取り付けられる。取り付け方法としては例えば両面テープを用いることができるが、係る方法に限定されることはない。具体的には、図9に示すように、ユーザーは、検出用電極22Aと容器61の表面とが対向するように導出部21Cを折り返し、その状態で検出用電極22Aを容器61の表面に両面テープで取り付ける。
【0046】
例えば、静電容量生成回路53が液体62に対応する静電容量と同等のパルスの立ち上がり/立ち下りの遅延を生じさせるリファレンスを生成するように、予め可変抵抗53Aの抵抗値を調整しておく。このとき、図10Aに示すように、液面62Aが検出用電極22Aの位置よりも上側の場合は、検出用電極22Aで検出される静電容量と静電容量生成回路53が生成する静電容量との差分が略0となるため、排他的論理和回路55からの出力Yは例えばローレベルとなる。これに対して、図10Bに示すように、液面62Aが静電容量検出ユニット1の取り付け位置よりも下側に低下した場合は、検出用電極22Aで検出される静電容量と静電容量生成回路53が生成する静電容量との間に差分が生じる。これにより、排他的論理和回路55からの出力Yは例えばハイレベルとなり、排他的論理和回路55から静電容量の差分に応じた長さのパルスが出力される。排他的論理和回路55からパルスが出力されたことで、静電容量検出ユニット1は液面62Aの低下を検出できる。上述の可変抵抗53Aの抵抗値の調整について詳述すると、液面62Aが検出用電極22Aの位置よりも上側にある状態で、排他的論理和回路55からの出力Yが臨界的にローレベルに保たれて、パルスが出力されない状態となるように、外装上ケース11を回転さることで、可変抵抗53Aの抵抗値を調整する。容器や液体による静電容量への影響は、容器の材質や厚さ、あるいは液体の成分やその濃度等に依存して変化し得るが、ユーザは、外装上ケース11を回転さることで容易に可変抵抗53Aの抵抗値を調整できるため、任意の容器あるいは任意の液体に対して、適宜、リファレンスの調整を行うことができる。
【0047】
排他的論理和回路55からパルスが出力された場合、換言すれば、液面62Aの低下が検出された場合に、静電容量検出ユニット1の制御回路41はLED40の発光を制御してもよい。例えば、液面62Aの低下が検出された場合に、制御回路41は、LED40を点灯するようにしてもよい。また、制御回路41は、常時LED40を点灯させておき、液面62Aの低下が検出された場合にLED40を消灯させてもよい。本実施形態に係る外装ケース10は光透過性樹脂で構成されるため、外装ケース10内でのLED40の発光及び消灯をユーザーが認識できる。
【0048】
[本実施形態により得られる効果]
本実施形態に係る静電容量検出ユニット1によれば、例えば以下の効果が得られる。
静電容量検出ユニット1を容器の表面等に取り付けるだけで、元来、液面検出機能を有さない容器に液面検出機能を付与することができる。
静電容量検出ユニット1に対して電極部20が着脱自在とされることで、静電容量検出ユニット1の電極部20をカスタマイズすることができる。これにより、検知対象に適した電極部20を使用することができ、静電容量検出ユニット1を汎用性のあるユニットとすることができる。
また、静電容量生成回路53の可変抵抗53Aを簡単に調整し設定できるので、検知対象に適した静電容量(リファレンスとなる静電容量)を設定することができる。
また、電極部が破損した場合であっても容易に交換することができる。
【0049】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0050】
(変形例1)
図11は、本変形例に係る電極部(電極部20A)を説明するための図である。電極部20Aが電極部20と異なる点は、円形部21Dが矩形状の矩形部21Eとなっており、また、検出用電極22Aが矩形状の形状を有し、グランドパターン23のC字状部23Aが略矩形となっている点である。矩形部21Eは、例えば、導出部21Cの延在方向と略直交する方向が長手方向となる形状を有する。
【0051】
係る電極部20Aの形状により、静電容量検出ユニット1を使用する際に、図12に示すように矩形部21Eを湾曲させることができる。従って、静電容量検出ユニット1が取り付けられる容器等が円筒状でありその表面が湾曲している場合であっても、当該表面に検出用電極22Aを密着させることができる。これにより、静電容量を精度良く検出することができる。
【0052】
例えば、静電容量検出ユニット1が取り付けられる容器の表面が平坦な場合は一実施形態に係る電極部20を使用する。静電容量検出ユニット1が取り付けられる容器の表面が湾曲している場合は、FPCコネクタ44に取り付けられる電極部を電極部20から電極部20Aに付け替えた上で、静電容量検出ユニット1を容器に取り付ける。このように静電容量検出ユニット1の電極部をカスタマイズすることができるので、静電容量検出ユニット1の取り付け対象に適した電極部を用いることができる。
【0053】
(変形例2)
上述した一実施形態では、静電容量生成回路53がリファレンスとなる静電容量を生成する構成について説明したがこれに限定されることはない。例えば、静電容量検出ユニット1が静電容量生成回路53を有さずに、電極部20が検出用電極を2個有するようにしてもよい。図13は、本変形例に係る検出回路41Aの回路構成例を示す。本変形例に係る検出回路41Aは、静電容量生成回路53を有さない。FPCコネクタ44の所定のピンに対しては、検出用電極22Aとは異なる検出用電極26Aが接続される。
【0054】
入力端子51に接続されているラインL1は、ラインL2とラインL4とに分岐する。ラインL4に対して抵抗56が接続される。抵抗56は、FPCコネクタ44の所定のピンに接続される。例えば、抵抗56は、検出用電極26Aで検出された静電容量が入力されるピンに対して接続される。
【0055】
抵抗56と検出用電極26Aとの間の接続点PCが排他的論理和回路55に接続される。これにより、検出用電極26Aで検出された静電容量がB入力として排他的論理和回路55に入力される。排他的論理和回路55は、入力端子51からパルスが入力されたタイミング毎に上述した検出原理に基づいてA入力をB入力とを比較し、比較結果に応じて適宜パルスを出力する。
【0056】
図14は、本変形例に係る電極部20Bの具体例を示す。電極部20Bは、検出用電極22Aの他に検出用電極26Aを有する。本変形例では、検出用電極22Aと検出用電極26Aとがいずれも半円状の形状を有する。検出用電極26Aは、検出用電極22Aの下側のやや離隔した位置に形成される。検出用電極26Aによって検出された静電容量が第3接続部26Bを介してFPCコネクタ44に供給される。ここで、FPCコネクタ44との接続部分における各配線の配設順序について、図14において、上側から2本がテスト用電極への接続部(テスト信号用電極25Aへの接続部及びテスト信号用電極(グランド)25Bへの接続部)、上側から3番目が検出用電極22Aへの第1接続部22B、上側から4番目がグランドパターン23への第2接続部23B、の順序で配設されており、これらの配設順序は、図4に図示した実施例における配設順序と共通している。本変形例では、図4に示した実施例の場合に加えて第3接続部26Bが配設されている点で異なっており、この点について、図4の図示において未接続となっていた下端の接続部(予備の検出用電極25Cの接続部)を第3接続部26Bとして配設している。このような配設順序とすることで、図4に示した実施例における配設順序との互換性を持たせることができる。
【0057】
例えば、検出用電極22Aが上側、検出用電極26Aが下側になるようにして電極部20Bが容器の表面に取り付けられる。液面が検出用電極22Aの上端の位置よりも低下すると、それぞれの検出用電極で検出される静電容量に差分が生じ、液面が検出用電極26Aの位置まで低下した場合に、それぞれの検出用電極で検出される静電容量に差分が最大となる。この差分に基づいて排他的論理和回路55から差分に応じた長さのパルスが出力される。これにより液面の低下を検出できる。
【0058】
図15は、本変形例に係る他の電極部20Cの具体例を示す。電極部20Cは、電極部20Bと同様に、検出用電極22A及び検出用電極26Aを有する。検出用電極22A及び検出用電極26Aは、例えば直角三角形状の形状を有する。検出用電極22A及び検出用電極26Aは、各々の斜辺が対向するように、且つ、最小の角が上下反対となるようにして設けられる。
【0059】
図16に示すように、上述した液面62Aの位置が液面621の場合は、液体に対応している検出用電極の面積が、検出用電極22Aの方が検出用電極26Aよりも小さいので、この面積の違いにより、検出用電極22Aで検出される静電容量が検出用電極26Aで検出される静電容量よりも小さくなるため、排他的論理和回路55からこの差分に応じた長さのパルスが出力される。また、液面62Aの位置が液面621よりも下側の液面622まで低下した場合は、液体に対応している検出用電極の面積が、検出用電極22Aの方が検出用電極26Aよりも小さいので、排他的論理和回路55からこの差分に応じた長さのパルスが出力される。また、液面62Aの位置が液面622から液面623までさらに低下した場合は、検出用電極の面積の違いにより、検出用電極22Aで検出される静電容量が検出用電極26Aで検出される静電容量よりも小さくなるので、排他的論理和回路55からこの差分に応じた長さのパルスが出力される。
【0060】
電極部20Cによれば、検出用電極22Aで検出される静電容量と検出用電極26Aで検出される静電容量との差分に応じて排他的論理和回路55から出力されるパルスの幅をモニタリングすることで液面62Aの位置を検出することができる。
【0061】
(変形例3)
静電容量検出ユニット1が、静電容量生成回路53を有し、且つ、検出用電極を2個有する構成でもよい。図17は、本変形例に係る検出回路41Aの回路構成例を示す。接続点PBと接続点PCとの間にスイッチSWが設けられている。例えば、静電容量生成回路53が生成する静電容量を用いる場合はスイッチSWをオンする。検出用電極26Aで検出される静電容量を用いる場合はスイッチSWをオフする。スイッチSWをオン/オフするためのボタン等が外装ケース10に設けられてもよい。
【0062】
(その他の変形例)
本発明に係る静電容量検出ユニットの用途は液面の検出に限定されることはない。例えば、液体に乳化剤等の添加剤が一定以上、混合したか否かを検出できる。添加剤の混入度合いによって静電容量が変化するので、係る静電容量を検出することで添加剤が一定以上、混合したか否かを検出できる。また、本発明に係る静電容量検出ユニットによれば、液面の低下だけでなく液面の上昇も検出できる。例えば、汚水タンクに汚水を入れて処理する場合に、汚水タンクに一定以上の汚水が貯まったか否かを検出できる。また、本発明に係る静電容量検出ユニットによれば、汚水タンクで発生する気泡の影響を受けづらいので、汚水タンク内の汚水量を精度良く検出できる。
【0063】
検出用電極の数は2個でなく、3個以上の複数であってもよい。外装ケースの形状は円筒状の形状以外であってもよい。
電極部は外装ケースに設けられたコネクタに着脱自在とされてもよい。当該コネクタは外装ケース内でFPC等を介して検出回路に接続される。係る構成によれば、外装上ケースと外装下ケースとを分離せずに電極部を交換することができる。
静電容量を用いた処理はアナログで行われてもよいし。デジタルデータに変換した上で行われてもよい。
【0064】
上述した実施形態の構成、方法、工程、形状、材料及び数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることや入れ替えることが可能である。また、1つのものを2つ以上に分けることも可能であり、2つ以上のものを1つに纏めることも可能である。さらに、一部を省略することも可能である。
【0065】
<応用例>
次に、本発明の応用例について説明する。なお、本応用例に係る静電容量検出ユニット1の制御回路41は、外部機器と通信を行う公知の通信回路を有する。静電容量検出ユニット1が行う通信としては、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、WUSB(Wireless USB)、BLE(Bluetooth Low Energy)等が挙げられる。
【0066】
図18は、本応用例に係るシステム構成例を示す図である。例えば、液体(例えば消毒液72)が貯められる容器71の表面に対して4個の静電容量検出ユニット(静電容量検出ユニット1A、1B、1C及び1D)が取り付けられる。それぞれの静電容量検出ユニットは、消毒液72の液面72Aが自身の取り付け位置を下回ったか否かを検出する。
【0067】
4個の静電容量検出ユニットは、例えば、容器71の高さを略4等分した位置に取り付けられる。容器71内の消毒液72が略満杯である状態、すなわち、何れの静電容量検出ユニットによっても液面72Aの低下が検出されない場合は、消毒液72の残容量の割合が100%とされる。静電容量検出ユニット1Aのみにより液面72Aの低下が検出された場合は、消毒液72の残容量の割合が75%とされる。静電容量検出ユニット1A、1Bにより液面72Aの低下が検出された場合は、液体の残容量の割合が50%とされる。静電容量検出ユニット1A~1Cにより液面72Aの低下が検出された場合は、消毒液72の残容量の割合が25%とされる。全ての静電容量検出ユニットにより液面72Aの低下が検出された場合は、消毒液72の残容量の割合が0%とされる。ここでの残容量の割合は実際の残容量の割合と近似した値である。
【0068】
各静電容量検出ユニットは、検出結果を所定の周期(例えば、10秒毎)にスマートホン73に通知する。係る通知は、例えば、BLEに基づく通信により行われる。
【0069】
スマートホン73は、各静電容量検出ユニットから通知された検出結果をサーバー74に送信する。サーバー74には各静電容量検出ユニットの検出結果が、日付、時間、GPS(Global Positioning System)等と対応付けられて保存される。
【0070】
スマートホン73は、各静電容量検出ユニットの検出結果の組み合わせに基づいて、消毒液72の残容量の割合を判断する。例えば、静電容量検出ユニット1Aから液面72Aの低下を検出した旨が通知され、他の静電容量検出ユニット1B~1Dから液面72Aの低下を検出しない旨が通知された場合には、スマートホン73は、消毒液72の残容量の割合が75%と判断する。
【0071】
スマートホン73は、静電容量検出ユニット1A~1Cにより液面72Aの低下が検出された場合、すなわち、消毒液72の残容量の割合が25%となった場合に、消毒液72の残容量の低下をユーザー75に通知する。ユーザー75への通知は、例えばスマートホン73が有するバイブレータ機能と、スマートホン73が有するディスプレイへのポップアップ表示とによって行われる。音声等によって消毒液72の残容量の低下がユーザー75に通知されてもよい。
【0072】
図19は、ユーザー75に通知されるポップアップ表示の一例を示す。例えば、スマートホン73のディスプレイの上側には、現在の日時に関する日時表示73Aが表示される。日時表示73Aの下側に残容量の割合を示す残容量割合表示73Bが表示される。図19の例では、残容量割合表示73B(例えば25%)が円グラフによって表示される。残容量割合表示73Bは円グラフでなく数字だけの表示でもよいし、棒グラフ状の表示等であってもよい。残容量割合表示73Bの下側にはメッセージ73Cが表示される。メッセージ73Cの内容は例えば消毒液72の補充を促すメッセージであり、具体的には「消毒液の残量が少なくなってます。補充してください。」とのメッセージである。図19に示したポップアップ表示は、例えばスマートホン73の振動に共に表示される。
【0073】
図19に示すポップアップ表示は他の情報を含んでいてもよい。例えば、残容量の割合の経時的変化が折れ線グラフ等で表示されてもよい。また、残容量の割合が25%になったときでなく、75%や50%になったときにポップアップ表示が表示されるようにしてもよい。
【0074】
図20は、別の応用例を説明するための図である。容器81内に液体82が貯められている。ユーザーは、液体82の液面82Aを検出したい箇所に静電容量検出ユニットを取り付ける。ユーザーは、例えば容器81の下側付近であり上下にやや離隔した位置に、2個の静電容量検出ユニット(静電容量検出ユニット1D、1E)を取り付ける。2個の静電容量検出ユニット1D及び静電容量検出ユニット1Eは、例えば制御基板85に実装されており、制御基板85にはそれぞれの静電容量検出ユニットの検出結果を処理するIC(不図示)等が実装される。
【0075】
図20に示すように、液体82の使用に伴い液面82Aが静電容量検出ユニット1Dと静電容量検出ユニット1Eとの間まで低下すると、それぞれの静電容量検出ユニットで検出される静電容量に差分が生じる。差分が検出された際に、例えば上述したポップアップ表示が表示されるようにしてもよい。係る構成により、液面が、ユーザーが設定した位置まで低下したことを検出できる。ポップアップ表示等の通知を受けたユーザーは、液体82を適宜補充する。
【符号の説明】
【0076】
1、1A、1B、1C、1D、1E・・・静電容量検出ユニット
10・・・外装ケース
11・・・外装上ケース
12・・・外装下ケース
20・・・電極部
22A、26A・・・検出用電極
23・・・グランドパターン
41A・・・検出回路
44・・・FPCコネクタ
45・・・抵抗値調整部
53・・・静電容量生成回路
53A・・・可変抵抗
53B・・・コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20