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特開2024-124595ポンプ制御装置およびポンプ制御方法
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  • 特開-ポンプ制御装置およびポンプ制御方法 図1
  • 特開-ポンプ制御装置およびポンプ制御方法 図2
  • 特開-ポンプ制御装置およびポンプ制御方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124595
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ポンプ制御装置およびポンプ制御方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 15/00 20060101AFI20240906BHJP
   F04B 49/10 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
F04D15/00 J
F04B49/10 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032371
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】小山 良介
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 貞治
(72)【発明者】
【氏名】大内 優
(72)【発明者】
【氏名】原田 知典
(72)【発明者】
【氏名】高尾 亮太
【テーマコード(参考)】
3H020
3H145
【Fターム(参考)】
3H020AA01
3H020AA10
3H020BA02
3H020BA27
3H020CA01
3H020DA01
3H020EA02
3H020EA11
3H145AA12
3H145AA23
3H145BA03
3H145BA28
3H145BA41
3H145CA03
3H145CA12
3H145CA29
3H145DA48
3H145EA13
3H145EA37
(57)【要約】
【課題】簡易にウォーターハンマを防止可能なポンプ制御方法を提供する。
【解決手段】ポンプPの吐出口側に接続されているすべての配管101の配設高さを記憶し、すべての配管101に配設されている弁102の開閉状態を取得し、開状態の弁102が配設されている配管101のなかで配設高さが最も高い配管101の水頭圧を算出し、ポンプPの吐出口周辺で検出される水圧が算出した水頭圧と同等の場合に、ポンプPを起動可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプの吐出口側に接続されているすべての配管の配設高さを記憶する系統情報記憶手段と、
前記すべての配管に配設されている弁の開閉状態を取得し、開状態の弁が配設されている配管のなかで配設高さが最も高い配管の水頭圧を算出し、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等の場合に、前記ポンプを起動可能にする制御手段と、
を備えることを特徴とするポンプ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等でない場合、前記ポンプを起動可能にするとともに、前記ポンプが起動された際に前記開状態の弁を全閉にした後に徐々に開く、
ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ制御装置。
【請求項3】
ポンプの吐出口側に接続されているすべての配管の配設高さを記憶し、
前記すべての配管に配設されている弁の開閉状態を取得し、開状態の弁が配設されている配管のなかで配設高さが最も高い配管の水頭圧を算出し、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等の場合に、前記ポンプを起動可能にする、
ことを特徴とするポンプ制御方法。
【請求項4】
前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等でない場合、前記ポンプを起動可能にするとともに、前記ポンプが起動された際に前記開状態の弁を全閉にした後に徐々に開く、
ことを特徴とする請求項3に記載のポンプ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの起動を制御するポンプ制御装置およびポンプ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、発電所の系統内の水が抜けている状態でポンプを起動すると、水が急激に充圧・昇圧されてウォーターハンマ・水撃が発生し、配管の脱落や機器の損傷などを引き起こすおそれがある。このような問題を解決するために、ポンプの起動時に運転員が出口弁を徐々に開けて急激な昇圧を防止する、という方法が知られていた。
【0003】
また、簡易な機構でウォーターハンマの発生を長期にわたって防止できる、といウォーターハンマ防止装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、ケースに一次通水路が貫通され、ケースに摺動自在に内装されたピストンと、ピストンを摺動方向の一方に付勢するバネ部材とを有する。そして、一次通水路を流れる水の水圧でピストンが他方に摺動すると、一次通水路を流れる水が流入可能な二次通水路が生じるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-357283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発電所内には、多数のポンプや配管・水路、出口弁などが配設されている。このため、ポンプの起動時にすべての出口弁を徐々に開ける、という操作を行うには労力と時間を要し、しかも、起動頻度が多い機器では、その都度運転員が対応しなければならず、多大な労力と時間を要する。また、特許文献1の装置では、すべての配管・水路に装置を配設する必要があり、大規模な設備改造が必要で多大な費用や時間を要してしまう。
【0006】
そこで本発明は、簡易にウォーターハンマを防止可能なポンプ制御装置およびポンプ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ポンプの吐出口側に接続されているすべての配管の配設高さを記憶する系統情報記憶手段と、前記すべての配管に配設されている弁の開閉状態を取得し、開状態の弁が配設されている配管のなかで配設高さが最も高い配管の水頭圧を算出し、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等の場合に、前記ポンプを起動可能にする制御手段と、を備えることを特徴とするポンプ制御装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のポンプ制御装置において、前記制御手段は、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等でない場合、前記ポンプを起動可能にするとともに、前記ポンプが起動された際に前記開状態の弁を全閉にした後に徐々に開く、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、ポンプの吐出口側に接続されているすべての配管の配設高さを記憶し、前記すべての配管に配設されている弁の開閉状態を取得し、開状態の弁が配設されている配管のなかで配設高さが最も高い配管の水頭圧を算出し、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等の場合に、前記ポンプを起動可能にする、ことを特徴とするポンプ制御方法である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のポンプ制御方法において、前記ポンプの吐出口周辺で検出される水圧が前記水頭圧と同等でない場合、前記ポンプを起動可能にするとともに、前記ポンプが起動された際に前記開状態の弁を全閉にした後に徐々に開く、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1および請求項3に記載の発明によれば、ポンプに接続され弁が開いている配管のなかで最も高い位置にある配管による計算上の水頭圧と、ポンプの吐出口周辺で検出された水圧とが同等の場合には、水が送られるすべての配管に水が満たされていると判断され、ポンプが起動可能となる。つまり、すべての配管に水が満たされていれば、ウォーターハンマが発生しないためポンプを起動でき、すべての配管に水が満たされていなければ、ポンプを起動できなくなり、ウォーターハンマを防止することができる。
【0012】
このように、ポンプを起動する事前にウォーターハンマを防止することができるため、運転員による対応・操作を削減することが可能となる。また、最も高い位置にある配管による水頭圧を算出し、ポンプの吐出口周辺の水圧を検出・計測するだけでよいため、多くの配管、弁が配設されていても簡易にウォーターハンマを防止することが可能で、しかも、既存の設備にも容易に適用することが可能である。
【0013】
請求項2および請求項4に記載の発明によれば、算出した水頭圧と検出された水圧とが同等でない場合、つまり、水が送られるすべての配管に水が満たされていないと判断される場合には、ポンプが起動可能になり、起動された際に弁が徐々に開らかれる。このため、配管に水が満たされていなくても、急激な昇圧・充圧が防止され、ウォーターハンマを防止することが可能となる。
【0014】
しかも、請求項2に記載の発明によれば、自動的に弁が徐々に開らかれるため、運転員による対応・操作を削減することが可能になるとともに、多くの配管、弁が配設されていても、迅速に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態に係るポンプ制御装置の配設状態を示す概略構成図である。
図2図1のポンプ制御装置を示す概略構成ブロック図である。
図3図1のポンプ制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態に係るポンプ制御装置1の配設状態を示す概略構成図である。このポンプ制御装置1は、ポンプPの起動を制御などする装置であり、この実施の形態では、発電所のポンプPを制御する場合について説明するが、その他の施設・建物のポンプPにも適用できることは勿論である。また、ポンプPで水を送る場合について説明するが、水以外の液体であってもよい。
【0018】
ここで、発電所には、多数のポンプPが配設され、各ポンプPの吐出口側には、単数または複数の配管101が接続され、各配管101には弁102が配設されている。そして、ポンプPが起動すると、タンク103内の水が吸い上げられて各配管101に送られ、開状態の弁102を介して給水されるようになっている。
【0019】
また、弁102は、遠隔で開閉制御可能なものであり、例えば、電磁弁で構成され、後述するように、ポンプ制御装置1からの徐開信号などに応じて開閉可能となっている。さらに、弁102の開閉状態を後述するポンプ制御装置1の弁制御部5から取得、監視できるようになっている。なお、弁102の開閉をすべてポンプ制御装置1で制御する場合には、開閉状態を弁102から取得しなくてもポンプ制御装置1で認識することが可能となる。
【0020】
このようなポンプPの給水系統に対してポンプ制御装置1が配設されている。この実施の形態では、1つのポンプPの給水系統に対して1つのポンプ制御装置1が配設されている場合について説明するが、複数のポンプPの給水系統に対して1つのポンプ制御装置1を配設し、1つのポンプ制御装置1で複数のポンプPなどを制御するようにしてもよい。
【0021】
また、ポンプPの吐出口周辺には圧力計2が配設され、ポンプPの吐出口周辺の水圧(ポンプPに実際にかかる水頭圧)を検出、計測するようになっている。この圧力計2は、既存の給水系統に配設されていればこれを利用すればよいし、配設されていない場合には、ポンプ制御装置1とともに配設される。
【0022】
ポンプ制御装置1は、圧力計2、ポンプPおよび各弁102と通信自在に接続され、図2に示すように、主として、系統情報記憶部(系統情報記憶手段)3と、起動制御部(制御手段)4と、弁制御部(制御手段)5と、これらを制御などする中央処理部(制御手段)6と、を備える。
【0023】
系統情報記憶部3は、各ポンプPに接続されているすべての配管101の配設高さを含む、系統情報を記憶するメモリ・記憶装置である。すなわち、各ポンプPに対して、接続されているすべての配管101の識別情報、ポンプPの吐出口からの各配管101の配設高さ(水が満たされる最高高さ)、各配管101に配設されている弁102の識別情報などが、系統情報として記憶されている。
【0024】
起動制御部4は、ポンプPを起動制御するための制御回路・インターフェイスであり、中央処理部6からの制御指令に応じて、後述するように、ポンプPに起動信号を送信したりする。
【0025】
弁制御部5は、各弁102の開閉状態を取得したり、各弁102を開閉制御したりするための制御回路・インターフェイスであり、中央処理部6からの制御指令に応じて、後述するように、各弁102に徐開信号などを送信したりする。
【0026】
中央処理部6は、ポンプPの起動によって水が送られる・流れる範囲(水張り範囲)に、水が満たされているか否かを判定して、起動制御部4や弁制御部5に制御指令を送信したりする中央制御部である。すなわち、水張り範囲に水が満たされている場合にポンプPを起動しても、ウォーターハンマ・水撃が発生しないため、ポンプPの起動に許可する(そのまま起動させたりする)。一方、水張り範囲に水が満たされていない場合にポンプPを起動すると、ウォーターハンマ・水撃が発生するため、ポンプPの起動にインターロックをかける(起動させない)、あるいは、ポンプPの起動の際に弁102を徐々に開けるものである。
【0027】
具体的には、図3に示すように、まず、ポンプPの吐出口側に接続されているすべての配管101に配設されている弁102の開閉状態を取得する(ステップS1)。次に、水張り範囲のなかで配設高さが最も高い配管101の水頭圧を算出する(ステップS2)。すなわち、弁102が開状態である配管101のなかで、配設高さが最も高い配管101の高さを系統情報記憶部3の系統情報から検索、取得し、その最高高さによる水頭圧(ポンプPの吐出口周辺にかかるべき水圧)を算出する。具体的には、水の比重、最高高さ、配管101の面積などに基づいて算出されるポンプPの吐出口周辺にかかるべき重量・荷重を、ポンプPの吐出口周辺の面積で除算して算出する。
【0028】
一方、圧力計2で検出、計測されたポンプPの吐出口周辺の水圧、つまり、ポンプPの吐出口周辺に実際にかかっている水頭圧の計測値を取得する(ステップS3)。続いて、ステップS2で算出した水頭圧の算出値と、ステップS3で取得した水頭圧の計測値とが同等か否かを判定する(ステップS4)。ここで、算出値と計測値とが同等とは、算出値と計測値との差が所定の範囲内であり、水張り範囲に水が満たされていると考えられることを意味する。例えば、算出値と計測値との差が、計算上や計測上の誤差範囲である場合や、算出値が計測値よりも高い場合には、同等であると判定される。
【0029】
なお、前回のポンプ起動時の圧力が配管101内に残っている(系統内の弁102が閉まって配管101内の水が一切抜けずに充圧されたままになっている)場合、配管内圧力(ポンプPの吐出圧)が算出値以上になる可能性もあるため、計測値が算出値と同等以上の場合も含まれる。
【0030】
そして、算出値と計測値とが同等の場合(ステップS4で「Y」の場合)、ポンプPを起動可能(起動許可)にする(ステップS5)。すなわち、ポンプPの起動にインターロック・動作ロックをかけずに、無条件にポンプPを起動できる状態にしたり、ポンプPに起動信号を送信して起動させたりする。
【0031】
一方、算出値と計測値とが同等でない場合(ステップS4で「N」の場合)には、ポンプPの起動を制限する(ステップS6)。ここで、制限には、次のような制御・動作を含む。第1に、ウォーターハンマが生じるおそれがあることを、例えば、発電所の監視センタの端末や運転員の端末などに表示、知らせる。第2に、ポンプPの起動にインターロックをかけてポンプPを起動できないようにする。第3に、ポンプPを起動可能にするとともに、ポンプPが起動された際に開状態の弁102を全閉にした後に徐々に開いたりする(弁102に全閉信号を送信した後に徐開信号を送信する)ことが含まれる。また、これらのうち、どのような制限・動作を行うかは、予めポンプPごとに固定的に選択・設定するようにしてもよいし、任意のポンプPに対して任意のタイミングで選択・変更できるようにしてもよい。
【0032】
このように、計算によるポンプPの吐出口周辺の水頭圧と、実際に計測されたポンプPの吐出口周辺の水頭圧が同等でない場合には、水張り範囲に水が満たされておらず、ウォーターハンマが発生するおそれがあるとして、ポンプPの起動にインターロックなどをかけるものである。
【0033】
このような制御は、どのようなタイミングで行ってもよいが、例えば、ポンプPの起動要求が入力された場合(ポンプPの起動ボタンがオンされた場合)に、対象のポンプPに対して上記のような制御を行ってもよい。すなわち、計算による水頭圧と実際の水頭圧とが同等の場合には、そのままポンプPを起動させ、同等でない場合には、ポンプPを起動させなかったり、ポンプPを起動させると同時に弁102を徐々に開いて、ウォーターハンマの発生を防止したりする。
【0034】
また、上記のような制御を定期的に行ってもよい。すなわち、すべてのポンプPに対して、定期的に水頭圧の計算値と実測値とが同等であるか否かを判定し、同等でない場合に、インターロックをかけたり、同等でないことを記憶したりすることを繰り返す。そして、特定のポンプPの起動要求が入力された場合に、そのポンプPに対する直前の判定結果に基づいて、ポンプPをそのまま起動させたり、ポンプPの起動をロックしたり、ポンプPを起動させると同時に弁102を徐々に開いたりする。
【0035】
次に、この発明の実施の形態に係るポンプ制御方法について説明するが、基本的には、上記の図3に示すポンプ制御装置1の制御動作と同等な制御方法となる。
【0036】
すなわち、まず、各ポンプPの吐出口側に接続されている全配管101の配設高さを記憶する。次に、制御対象のポンプPに接続されている全配管101の弁102の開閉状態を取得し、開状態の弁102が配設されている配管101のなかで配設高さが最も高い配管101による水頭圧を算出する。また、ポンプPの吐出口周辺の水頭圧を計測・実測し、水頭圧の算出値と計測値とが同等か否かを判定する。その結果、同等の場合には、ポンプPを起動可能にし、同等でない場合には、ポンプPを起動しないようにしたり、ポンプPを起動すると同時に弁102を徐々に開いたりする。
【0037】
以上のように、このような構成のポンプ制御装置1およびポンプ制御方法によれば、ポンプPに接続され弁102が開いている配管101のなかで最も高い位置にある配管101による計算上の水頭圧と、ポンプPの吐出口周辺の実際の水頭圧とが同等の場合には、水が送られるすべての配管101(水張り範囲)に水が満たされていると判断され、ポンプPが起動可能となる。つまり、すべての配管101に水が満たされていれば、ウォーターハンマが発生しないためポンプPを起動でき、すべての配管101に水が満たされていなければ、ポンプPを起動できなくなったりして、ウォーターハンマを防止することができる。
【0038】
このように、ポンプPを起動する事前にウォーターハンマを防止することができるため、運転員による対応・操作を削減することが可能となる。また、最も高い位置にある配管101による水頭圧を算出し、ポンプPの吐出口周辺の水圧を検出・計測するだけでよいため、多くの配管101、弁102が配設されていても簡易にウォーターハンマを防止することが可能で、しかも、既存の設備にも容易に適用することが可能である。
【0039】
また、算出上の水頭圧と検出された実際の水頭圧とが同等でない場合、つまり、水が送られるすべての配管101に水が満たされていないと判断される場合には、ポンプPが起動可能になるとともに、起動された際に弁102が徐々に開らかれる場合がある。この場合、配管101に水が満たされていなくても、急激な昇圧・充圧が防止され、ウォーターハンマを防止することが可能となる。
【0040】
しかも、ポンプ制御装置1によれば、自動的に弁102が徐々に開らかれるため、運転員による対応・操作を削減することが可能になるとともに、多くの配管101、弁102が配設されていても、迅速に対応することが可能となる。
【0041】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、ポンプPの起動制限のひとつとして、所定の端末に知らせることを例示したが、ポンプPの起動ボタンの周辺に警報ランプを設けて、これを点灯・点滅させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ポンプ制御装置
2 圧力計
3 系統情報記憶部(系統情報記憶手段)
4 起動制御部(制御手段)
5 弁制御部(制御手段)
6 中央処理部(制御手段)
P ポンプ
101 配管
102 弁
図1
図2
図3