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  • 特開-位置監視システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124596
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】位置監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
G08B25/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032373
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】加藤 陽造
【テーマコード(参考)】
5C087
【Fターム(参考)】
5C087AA03
5C087BB76
5C087DD02
5C087DD04
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG70
(57)【要約】
【課題】監視エリア内における人物位置の特定に適した位置監視システムを得る。
【解決手段】管理センタと、QRコードと、QRコード読取り機能を有する携帯端末と、携帯端末から位置情報通知を受信した場合に管理センタに対して位置情報通知を転送通知として送信する専用Webサイトとを備え、QRコードは、貼付場所に関する位置情報が含まれた通知を位置情報通知として専用Webサイトに対して送信する機能が埋め込まれており、携帯端末は、QRコードを読み取ることで位置情報通知を専用Webサイトに送信し、管理センタは、専用Webサイトから受信した転送通知に含まれている位置情報から携帯端末の所持者の位置を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視エリアにおける人の位置を管理する管理センタと、
前記監視エリアに貼付されたQRコードと、
QRコード読取り機能を有する携帯端末と、
前記携帯端末から位置情報通知を受信した場合に、前記管理センタに対して前記位置情報通知を転送通知として送信する専用Webサイトと
を備える位置監視システムであって、
前記QRコードは、前記監視エリアにおける貼付場所に関する位置情報が含まれた通知を前記位置情報通知として、前記専用Webサイトに対して送信する機能が埋め込まれており、
前記携帯端末は、前記QRコード読取り機能を用いて前記QRコードを読み取った場合には、前記位置情報通知を前記専用Webサイトに送信し、
前記管理センタは、前記専用Webサイトから前記転送通知を受信した場合には、前記転送通知に含まれている前記位置情報から前記携帯端末の所持者の位置を特定する
位置監視システム。
【請求項2】
前記管理センタは、前記専用Webサイトから前記転送通知を受信したい状況において、前記専用Webサイトに対して転送許可フラグを送信し、
前記専用Webサイトは、前記管理センタから前記転送許可フラグを受信している状態で前記携帯端末から前記位置情報通知を受信した場合には、前記管理センタに対して前記転送通知を送信する
請求項1に記載の位置監視システム。
【請求項3】
前記専用Webサイトは、前記監視エリアを含む地域で自然災害が発生したことを知らせる災害速報を公共機関から受信している場合には、前記管理センタから前記転送許可フラグを受信している状態であるか否かにかかわらず、前記携帯端末から受信した前記位置情報通知を前記転送通知として前記管理センタに対して送信する
請求項2に記載の位置監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視エリア内において携帯端末の所持者の位置を特定することに適した位置監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災受信機、発信機、中継器、音響装置、感知器等を備えて構成され、火災から防火対象である建物などの内部にいる人々を守る自動火災報知設備がある(例えば、非特許文献1参照)。自動火災報知設備では、感知器が熱や煙を感知することで、火災受信機に対して火災信号を送信する。火災信号を受信した火災受信機は、火災発生場所に応じて、警報を発し、音響装置を鳴動させ、防火対象内にいる人に火災の発生を知らせている。
【0003】
自動火災報知設備による火災監視エリアにおいては、逃げ遅れた人がいないかを検知することが重要である。そこで、火災発生が検知されたときに収音手段により収集された音信号に人の音声を示す信号が含まれているか否かを判別することによって、逃げ遅れた人がいるか否かを判定し、判定結果を表示する火災報知設備がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に係る火災報知設備によれば、各火災感知器の状態情報と各収音手段の音信号を同一の信号線で収集することができ、火災時に逃げ遅れた人がいることを火災受信機に表示できる。
【0005】
さらに、特許文献1に係る火災報知設備によれば、逃げ遅れた人がいると判定された収音手段に対応する音響出力手段へ音信号を出力することができ、火災時に逃げ遅れた人と火災受信機から通話することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-35780号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】能美防災株式会社 ホームページ、自動火災報知設備(URL:https://www.nohmi.co.jp/product/materiel/fid.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、音信号に人の音声を示す信号が含まれているか否かを判別することで、逃げ遅れた人がいるか否かを判定している。しかしながら、特許文献1では、人物位置の特定までは行っていない。
【0009】
また、火災発生時の逃げ遅れの判定ばかりでなく、例えば、高齢者施設、病院などで転倒事故などの異常事態が発生した場合、地震などの自然災害が発生した場合などにおいても、監視エリア内での人物位置の特定を行うことは重要である。
【0010】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、監視エリア内における人物位置の特定に適した位置監視システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る位置監視システムは、監視エリアにおける人の位置を管理する管理センタと、監視エリアに貼付されたQRコード(登録商標)と、QRコード読取り機能を有する携帯端末と、携帯端末から位置情報通知を受信した場合に、管理センタに対して位置情報通知を転送通知として送信する専用Webサイトとを備える位置監視システムであって、QRコードは、監視エリアにおける貼付場所に関する位置情報が含まれた通知を位置情報通知として、専用Webサイトに対して送信する機能が埋め込まれており、携帯端末は、QRコード読取り機能を用いてQRコードを読み取った場合には、位置情報通知を専用Webサイトに送信し、管理センタは、専用Webサイトから転送通知を受信した場合には、転送通知に含まれている位置情報から携帯端末の所持者の位置を特定するものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、監視エリア内における人物位置の特定に適した位置監視システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態1に係る位置監視システムの機能ブロック図である。
図2】本開示の実施の形態2に係る位置監視システムが適用される自動火災報知設備の全体構成図である。
図3】本開示の実施の形態3に係る位置監視システムが適用される高齢者施設のレイアウト図である。
図4】本開示の実施の形態3における図3中に示されたシンボルに関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の位置監視システムの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本開示に係る位置監視システムは、携帯端末の所持者が、監視エリア内に貼付されている最寄りのQRコードを携帯端末を利用して読み取ることで、管理センタに位置情報を容易にかつ迅速に伝達する機能を備える点に技術的特徴を有するものである。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る位置監視システムの機能ブロック図である。本実施の形態1に係る位置監視システムは、管理センタ100、携帯端末200、専用Webサイト300、およびネットワーク400を備えて構成されている。
【0016】
管理センタ100は、監視エリアにおける人の位置を管理するための上位装置に相当する。例えば、自動火災報知設備により監視している火災監視エリアを、本実施の形態1における「監視エリア」とした場合には、火災受信機が設置された防災センタが、管理センタ100に相当する。
【0017】
詳細は後述するが、本実施の形態1に係る管理センタ100は、位置情報が含まれた転送通知を受信することで、携帯端末200の所持者の位置を特定できる機能を有している。
【0018】
ただし、携帯端末200の所持者による誤操作に基づいて転送通知を受信してしまう状況を回避するために、管理センタ100は、転送通知を受信したい状況でのみ、専用Webサイト300に対して転送許可フラグを送信し、送信タイミングを制限する機能を必要に応じて有効化できる構成を備えている。
【0019】
携帯端末200は、監視エリア内にいる人々が所持する端末であり、QRコード読取り機能を有している。なお、携帯端末200は、所持者の人数分に相当する台数が存在するが、図1では、代表して1台の携帯端末200として示している。
【0020】
監視エリア内のあらかじめ決められた複数の場所には、QRコード201が設けられている。QRコード201は、監視エリアにおける貼付場所に関する位置情報が含まれた通知を位置情報通知として、専用Webサイト300に対して送信する機能が埋め込まれている。
【0021】
QRコードは、例えば、監視エリアの壁、廊下、扉などに、貼付しておくか、または表示させるようにすることができる。あるいは、監視エリア内に設置されている防災機器などにQRコードを貼付しておくことも考えられる。さらには、投影器あるいはディスプレイを用いてQRコード201を所望の場所に表示させることも考えられる。
【0022】
また、位置情報通知の一例としては、「○○階の第1会議室内にいます」、「ロビー階のトイレ内にいます」といったメッセージが挙げられる。
【0023】
従って、携帯端末200の所持者は、QRコード201を読み取る単純な操作を行うことで、自身の位置を知らせる位置情報通知を、専用Webサイト300に対して迅速に送信することができる。
【0024】
専用Webサイト300は、管理センタ100から転送許可フラグを受信している状態で、携帯端末200から位置情報通知を受信した場合には、管理センタ100に対して位置情報通知を転送通知として送信する。
【0025】
なお、専用Webサイト300は、転送許可フラグを活用する場合には、転送許可フラグがセットされている状態でのみ、管理センタ100に対して位置情報を含む転送通知を送信するように構成することができる。
【0026】
この結果、管理センタ100は、火災発生が検知されていない平常時の状況など、転送通知を受信する必要がない状況では、転送許可フラグを送信せずにリセットしておくことで、誤操作に基づく不要な位置情報通知が転送されてくることを回避することができる。
【0027】
ただし、管理センタ100によって転送許可フラグがセットされていない状況であっても、監視エリアを含む地域で自然災害等による緊急事態が発生した場合には、携帯端末200から送信された位置情報通知に基づいて、監視エリア内における携帯端末200の所持者の位置を特定することは重要である。
【0028】
そこで、本実施の形態1に係る専用Webサイト300は、監視エリアを含む地域で自然災害が発生したことを知らせる災害速報を公共機関から受信している場合には、管理センタ100から転送許可フラグを受信している状態であるか否かにかかわらず、携帯端末200から受信した位置情報通知を転送通知として管理センタ100に対して送信する機能をさらに備えて構成することができる。
【0029】
なお、携帯端末200から専用Webサイト300への位置情報通知、および専用Webサイト300から管理センタ100への転送通知のそれぞれの通知の送信に当たっては、位置情報が含まれた定型文を用いる代わりに、位置情報と関連付けたコードデータとして送信し、受信側でコードデータから位置情報を復号するようにしてもよい。
【0030】
また、通知としては、メールによる通知、プッシュ通知など、種々の形態を採用することができる。
【0031】
以上のように、実施の形態1によれば、携帯端末の所持者は、監視エリア内の最寄りの位置に設けられたQRコードを携帯端末によって読み取ることで、位置情報を容易に知らせることができる。また、転送許可フラグがセットされているときのみ管理センタに位置情報が転送されるように制限をかけることで、位置情報を特定したい状況に絞り、無駄な通信を抑制することができる。
【0032】
さらに、緊急事態が発生した場合には、転送許可フラグがセットされているか否かにかかわらず、携帯端末から送信された位置情報を管理センタでタイムリーに受信することができる。従って、監視エリア内における人物位置の特定に適した位置監視システムを実現できる。
【0033】
このような位置監視システムは、火災監視エリアにおける火災発生時に適用されることで、逃げ遅れた人の把握、適切な避難誘導、迅速な救助作業などに有効活用することができる。
【0034】
また、高齢者施設、病院などでは、居室、トイレなどの個室内にQRコードを添付しておくことで、携帯端末を所持する個室利用者は、必要に応じてQRコードを読み取ることによって、自身の位置情報が含まれた位置情報通知を容易に送信することができる。
【0035】
従って、高齢者施設、病院などの管理者は、管理センタにおいて、位置情報通知の送信元である個室利用者の位置を迅速に特定でき、特定された場所に直ちに向かうなど、適切な対応を取ることができる。
【0036】
実施の形態2.
本実施の形態2では、先の実施の形態1で説明した位置監視システムを、自動火災報知設備に適用し、火災発生時における人物位置の特定結果に基づいて、逃げ遅れた人の把握、適切な避難誘導、迅速な救助作業などに有効活用する場合を具体的に説明する。
【0037】
図2は、本開示の実施の形態2に係る位置監視システムが適用される自動火災報知設備の全体構成図である。火災受信機10は、信号線SG1を介して、アドレッサブル発信機20、火災感知器31、32、感知器用中継器40、および防排煙制御用中継器50と接続されている。
【0038】
感知器用中継器40には、火災感知器が複数台接続されている。図2では、2台の火災感知器41、42を例示している。また、防排煙制御用中継器50には、防火戸51、排煙機52、シャッタ53、およびたれ壁54が接続されている。
【0039】
また、火災受信機10は、信号線SG2を介して、光警報装置61、62、および光警報装置用中継器70と接続されている。さらに、光警報装置用中継器70には、光警報装置が複数台接続されている。図2では、2台の光警報装置71、72を例示している。
【0040】
ここで、火災感知器31、32、および火災感知器41、42は、あらかじめ設定されたそれぞれの火災監視エリアにおいて、煙、熱などを検知することで火災の発生を感知する複数の火災感知器に相当する。
【0041】
また、防火戸51、排煙機52、シャッタ53、およびたれ壁54は、複数の火災感知器のそれぞれの感知結果と連動して動作し、火災、煙等の拡散を防止するために機能する端末設備群に相当する。
【0042】
また、光警報装置61、62、および光警報装置71、72は、あらかじめ設定されたそれぞれの地区において火災の発生を光により報知する複数の装置に相当する。
【0043】
また、例えば、非常口の近傍には、避難口、避難経路、避難器具などの位置を示すための誘導灯81、82が設けられている。なお、誘導灯81、82は、常に点灯のみしている一般型と、常時点灯で火災時点滅となる点滅型に大別される。
【0044】
点滅型が採用される場合には、誘導灯81、82は、自動火災報知設備に設けられた火災感知器の作動と連動して点滅することができる。図2では、火災受信機10から誘導灯81、82の点灯、点滅を制御できる構成を示している。
【0045】
複数の火災感知器のそれぞれは、個々の火災感知器を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられている。そして、複数の火災感知器のそれぞれは、自身に割り付けられたアドレス情報を含めた情報として、火災関連情報を火災受信機10に対して送信することができる。一方、火災受信機10は、アドレス情報を付加して情報伝送を行うことで、所望の火災感知器に対して必要な情報を送信することができる。
【0046】
また、複数の端末設備のそれぞれにも、個々の端末設備を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられている。従って、火災受信機10は、アドレス情報を付加して情報伝送を行うことで、所望の端末設備を稼働させる指令を送信することができる。
【0047】
また、複数の光警報装置のそれぞれにも、個々の光警報装置を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられている。従って、火災受信機10は、アドレス情報を付加して情報伝送を行うことで、所望の光警報装置を光らせる指令を送信することができる。
【0048】
さらに、複数の誘導灯は、常時点灯ではなく、火災受信機10から点灯、消灯を制御可能な場合には、それぞれの誘導灯にも、個々の誘導灯を識別するためのアドレス情報があらかじめ割り付けられている。従って、火災受信機10は、アドレス情報を付加して情報伝送を行うことで、所望の誘導灯を点灯、点滅させる指令を送信することができる。
【0049】
このような構成により、火災受信機10は、あらかじめ決められた種々の火災監視エリアに設置されている複数の火災感知器、およびアドレッサブル発信機20から火災関連情報を収集する。そして、火災受信機10は、収集した火災関連情報に基づいて、火災警報を行い、端末設備群を作動させることができる。
【0050】
さらに、火災受信機10は、収集した火災関連情報に基づいて、警報が必要な地区に設置された光警報装置を点灯動作させ、誘導灯を点滅動作させることができる。なお、複数の光警報装置および複数の誘導灯のそれぞれは、どの火災感知器の感知結果と連動して動作するかがあらかじめ規定されている。
【0051】
また、図示は省略しているが、火災受信機10は、収集した火災関連情報に基づいて、移報信号を出力し、消火設備を起動して消火作業を開始したり、非常放送装置により火災報知あるいは避難誘導を行ったり、ネットワークを介して上位装置に対して火災関連情報を伝送したりすることができる。
【0052】
このような構成を備えた自動火災報知設備に対して、先の実施の形態1で説明した位置監視システムを提供する場合について具体的に説明する。図2に示した自動火災報知設備では、火災受信機10を本開示の位置監視システムにおける管理センタ100として用いることができる。
【0053】
また、QRコード201は、図2に示した各種防災機器の本体、各種防災機器の近傍、火災監視エリア内の壁、扉などに設けることができる。
【0054】
従って、管理センタ100の役割を果たす火災受信機10は、専用Webサーバを介して、携帯端末200の所持者の位置情報が含まれている転送通知を取得することができる。また、火災受信機10は、火災が発生していない平常時においては、転送許可フラグをリセットしておくことで、誤操作等による転送通知を受信しないように制限をかけることができる。
【0055】
さらに、緊急事態が発生した場合には、転送許可フラグがセットされているか否かにかかわらず、携帯端末から送信された位置情報をタイムリーに受信することができる。
【0056】
以上のように、実施の形態2によれば、本開示に係る位置監視システムを自動火災報知設備に適用することで、火災が発生した際に限定して、火災監視エリア内での携帯端末の所持者の位置を容易に特定することができる。この結果、逃げ遅れた人、助けを必要としている人などの位置を容易に特定でき、適切な避難誘導、迅速な救助作業等に有効活用することができる。
【0057】
実施の形態3.
本実施の形態3では、先の実施の形態1で説明した位置監視システムを、高齢者施設に適用し、火災発生時に限らず、他の用途でも、人物位置の特定結果を有効活用する場合について具体的に説明する。
【0058】
図3は、本開示の実施の形態3に係る位置監視システムが適用される高齢者施設のレイアウト図である。図3では、高齢者施設の1階フロアにおいて、防災設備として、煙感知器2、熱感知器3、光警報装置4、および誘導灯5が監視エリア内に配置され、火災受信機1により統括制御される状態が例示されている。
【0059】
なお、図3に示した煙感知器2および熱感知器3のそれぞれは、先の図2に示した火災感知器に相当する。また、図3に示した火災受信機1、光警報装置4、誘導灯5のそれぞれは、先の図2に示した火災受信機、光警報装置、誘導灯に相当する。また、図4は、本開示の実施の形態3における図3中に示されたシンボルに関する説明図である。
【0060】
図3のようなレイアウトを有する高齢者施設では、火災受信機1により、居室1~6、管理室、および廊下で構成される監視エリアで発生する火災を監視することができる。
【0061】
このような構成を備えた高齢者施設に対して、先の実施の形態1で説明した位置監視システムを提供する場合について具体的に説明する。図3に示した高齢者施設では、火災受信機10を本開示の位置監視システムにおける管理センタ100として用いることができる。
【0062】
また、QRコード201は、図3に示した各居室においては、洗面所、トイレ、ベッド、浴室など、居住者が居座る要所に貼付しておくことができる。また、QRコード201は、図3に示した廊下の壁面、床面、扉面などの要所にも貼付しておくことができる。
【0063】
従って、管理センタ100の役割を果たす火災受信機1は、専用Webサイト300を介して、携帯端末200の所持者の位置情報が含まれている転送通知を取得することができる。また、火災受信機1は、居住者が限られているため、転送許可フラグを常時セットしておくことで、誤操作等も含め、すべての転送通知を受信し、高齢者の位置情報を監視することができる。
【0064】
また、携帯端末200は、高齢者施設の居住者に限らず、高齢者施設で働いている看護師、ヘルパー等が持参することもでき、高齢者の介助作業中に不測の事態が発生したような場合にも、看護師、ヘルパー等が迅速に位置情報を知らせることができる。
【0065】
また、携帯端末200としては、QRコード読取り機能を有する専用機を用いることができる。この結果、スマートフォン等の操作が苦手な人であっても、容易な操作性を提供できる。
【0066】
以上のように、実施の形態3によれば、本開示に係る位置監視システムを高齢者施設等に適用することで、火災が発生していない平常時も含めて、監視エリア内での携帯端末の所持者の位置を容易に特定することができる。
【0067】
この結果、火災時においては、逃げ遅れた人、助けを必要としている人などの位置を容易に特定でき、適切な避難誘導、迅速な救助作業等に有効活用することができる。また、平常時においても、不測の事態が発生していると思われる位置情報を容易に特定でき、迅速に駆けつけ、適切な対応を取ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1,10 火災受信機(管理センタ)、100 管理センタ、200 携帯端末、201 QRコード、300 専用Webサイト、400 ネットワーク。
図1
図2
図3
図4