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特開2024-124597内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124597
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/06 20060101AFI20240906BHJP
   F02D 41/04 20060101ALI20240906BHJP
   F01P 5/12 20060101ALI20240906BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20240906BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20240906BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20240906BHJP
【FI】
F02D29/06 D
F02D41/04 ZHV
F01P5/12
B60K6/46
B60W10/06 900
B60W20/00 900
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032376
(22)【出願日】2023-03-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 新型ミニバン事前取材会 令和4年11月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】出口 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】大塚 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】木村 碩志
【テーマコード(参考)】
3D202
3G093
3G301
【Fターム(参考)】
3D202AA07
3D202BB08
3D202CC48
3D202DD10
3D202DD18
3D202DD20
3D202DD22
3D202DD45
3G093AA01
3G093AA16
3G093DA01
3G093DA05
3G093DB19
3G093DB28
3G093EA02
3G093EA03
3G093EB08
3G301JA32
3G301PE08
3G301PF12
(57)【要約】
【課題】内燃機関の冷却水温度の上昇を抑制する。
【解決手段】内燃機関10は、冷却水温度が第1所定温度Te1以上となると、機関回転数が規制回転数R1となるように低下させる。内燃機関10は、機関回転数が規制回転数R1の状態で冷却水温度が第1所定温度Te1以上となると、トルク規制によりトルクの上限値であるトルク規制値を所定量Th低下させる。内燃機関10は、機関回転数が規制回転数R1の状態で冷却水温度が第1所定温度Te1から所定温度th高くなると、トルク規制によりトルク規制値をさらに所定量Th低下させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電用に車両に搭載された内燃機関の制御方法であって、
内燃機関の冷却水温度が高温になると、内燃機関の冷却水温度を低下させるために内燃機関の機関回転数を低下させ、その後に内燃機関のトルクを低下させることを特徴とする内燃機関の制御方法。
【請求項2】
内燃機関の冷却水温度が予め設定された第1所定温度以上の高温になると、内燃機関の冷却水温度を低下させるために内燃機関の機関回転数を低下させる所定の回転数規制を実施し、上記回転数規制を実施しても内燃機関の冷却水温度が上記第1所定温度を超える高温になると、所定のトルク規制により内燃機関のトルクを低下させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項3】
上記回転数規制を実施しても内燃機関の冷却水温度が上記第1所定温度を超える場合には、車両に搭載されたバッテリのSOCが予め設定された所定値以下であっても、上記トルク規制により内燃機関のトルクを低下させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項4】
上記回転数規制を実施しても内燃機関の冷却水温度が上記第1所定温度を超える場合には、車両に搭載されたバッテリに強制的に充電を行う強制充電を実施中であっても、上記トルク規制により内燃機関のトルクを低下させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項5】
上記トルク規制は、内燃機関の冷却水の温度が高くなるほど内燃機関のトルクの上限値を低下させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項6】
内燃機関のトルクの上限値は、内燃機関の冷却水の温度上昇に伴い予め設定された所定の低下量で低下させることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項7】
上記トルク規制により内燃機関のトルクを低下させる際には、単位時間当たりのトルクの変化量が一定となるよう低下させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項8】
上記トルク規制は、内燃機関の冷却水温度が上記第1所定温度よりも低い予め設定された第2所定温度以下になるまで継続することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項9】
上記回転数規制は、車両のイグニッションスイッチがオフとなるまで継続することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項10】
内燃機関の冷却水が当該内燃機関によって駆動される機械式ウォータポンプによって冷却系統内を循環していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項11】
発電用に車両に搭載された内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の冷却水温度が高温になると、内燃機関の冷却水温度を低下させるために内燃機関の機関回転数を低下させ、その後に内燃機関のトルクを低下させる制御部を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電用に車両に搭載された内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、オーバーヒートによる内燃機関の損傷を自動的に防止するために、内燃機関の機関回転数を抑制する技術が開示されている。
【0003】
内燃機関を走行時の駆動源する車両の場合、機関回転数とトルクは、変速機のギア比で一義的に決まるため、機関回転数を制限してもギア比に応じた車速で走行が行われる。
【0004】
一方、内燃機関の動力が全て発電に使用されるシリーズハイブリッド車両においては、車両の駆動輪と内燃機関とが機械的に切り離されているため、内燃機関の動作点が一義的に決まらない。そのため、内燃機関の冷却水温度が高いときに、内燃機関の機関回転数を抑制してもトルク上昇でリカバリーできることから、機関回転数とトルクの両方を規制する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-360617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シリーズハイブリッド車両において内燃機関の冷却水温度が高い場合には、機関回転数及びトルクの両方を同時に規制して低下させると、発電量が著しく低下して車両の運転性に悪影響を及ぼす虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内燃機関は、内燃機関の冷却水温度が高温になると、内燃機関の冷却水温度を低下させるために内燃機関の機関回転数を低下させ、その後に内燃機関のトルクを低下させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、内燃機関は、回転数規制を実施しても冷却水の温度が低下しない場合、トルク規制を実施することで、運転性を損なうことなく水温上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明が適用される車両の駆動システムの概略を模式的に示した説明図。
図2】内燃機関の動作点を変更する場合の動かし方の一例を模式的に示した説明図。
図3】本発明に係る内燃機関の動作の一例を示すタイミングチャート。
図4】本発明に係る内燃機関の動作の一例を示すタイミングチャート。
図5】本発明に係る内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。
図6】本発明に係る内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。
図7】本発明に係る内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用される車両1の駆動システムの概略を模式的に示した説明図である。車両1は、駆動輪2を駆動する駆動ユニット3と、駆動輪2を駆動するための電力を発電する発電ユニット4と、を有している。
【0011】
駆動ユニット3は、駆動輪2を回転駆動する第2電動機としての駆動用モータ5と、駆動用モータ5の駆動力を駆動輪2に伝達する第1ギヤトレーン6及びディファレンシャルギヤ7と、を有している。駆動用モータ5には、発電ユニット4で発電された電力等が充電されたバッテリ8から電力が供給される。
【0012】
発電ユニット4は、駆動用モータ5に供給する電力を発電する第1電動機としての発電機9と、発電機9を駆動可能な内燃機関10と、内燃機関10の回転を発電機9に伝達する第2ギヤトレーン11と、を有している。
【0013】
車両1は、内燃機関10を動力としては使用しないいわゆるシリーズハイブリッド車両である。車両1は、例えば、バッテリ8のバッテリ残量が少なくなると、バッテリ8を充電するために内燃機関10を駆動して発電機9で発電する。
【0014】
駆動用モータ5は、車両1の直接的な駆動源であり、例えばバッテリ8からの交流電力により駆動する。また、駆動用モータ5は、車両1の減速時に発電機として機能する。
【0015】
発電機9は、内燃機関10に発生した回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、例えばバッテリ8を充電する。また、発電機9は、内燃機関10を駆動する電動機としての機能も有しており、内燃機関10のモータリングが可能となっている。発電機9は、内燃機関10のスタータモータとして機能させてもよい。なお、発電機9で発電した電力は、バッテリ8に充電するのではなく、例えば運転状態に応じて駆動用モータ5に直接供給するようにしてよい。
【0016】
内燃機関10は、冷却水により冷却される水冷式であって、冷却水が循環可能な図示せぬ冷却系統(冷却回路)を有している。冷却水は、例えば、内燃機関10によって駆動される図示せぬ機械式ウォータポンプによって冷却系統内を循環する。なお、上記冷却系統内の冷却水は、電動のウォータポンプにより循環させてもよい。
【0017】
内燃機関10は、発電専用に用いられるものであり、基本的には燃費が最良となるα線(最適燃費線)上の動作点で運転される。ここで動作点は、内燃機関10の機関回転数とトルクによって規定される。また、内燃機関10は、バッテリ8のSOCが低下して予め設定された所定値Cm以下になった場合には、バッテリ8のSOCが増加するように、α線(最適燃費線)上の動作点よりも大きい(高い)出力が得られる強制充電用の動作点で運転される。ここで動作点は、内燃機関10の機関回転数とトルクによって規定される。内燃機関10の出力は、機関回転数とトルクの積に比例した値となる。
【0018】
内燃機関10は、制御部としてのコントロールユニット13によって制御される。コントロールユニット13は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを備えた周知のデジタルコンピュータである。コントロールユニット13は、バッテリ8の充電容量に対する充電残量の比率であるSOC(State Of Charge)を検出可能となっている。
【0019】
コントロールユニット13には、内燃機関10のクランクシャフト(図示せず)のクランク角を検出するクランク角センサ14、内燃機関10の冷却水温度(水温)を検出する水温センサ15等の各種センサ類の検出信号が入力されている。
【0020】
クランク角センサ14は、内燃機関10の機関回転数を検出可能なものである。
【0021】
水温センサ15は、内燃機関10を冷却する冷却水が循環する冷却回路(冷却系統)に取り付けられている。
【0022】
内燃機関10は、冷却水が高温となった場合、運転条件(動作点)を変更することで、冷却水温度を低下させる。
【0023】
内燃機関10は、冷却水の温度が高温になった場合、オーバーヒートを抑制するためには、冷却水の温度を低下させる必要がある。内燃機関10は、機関回転数やトルクを低下させることで冷却水の温度を低下させることが可能である。
【0024】
図2は、内燃機関10の動作点を変更する場合の動かし方の一例を模式的に示した説明図である。
【0025】
図2中の特性線L1は、内燃機関10のWOT(最大トルク)線を示している。図2中の特性線L2は、内燃機関10の燃費が最良となるα線(最適燃費線)を示している。図2中の特性線L3は、動作点Aと同じ出力が得られる等出力線を示している。
【0026】
例えば、動作点Aから動作点Aよりも低回転低トルクとなる動作点Bに内燃機関10の動作点を変更する場合を考える。
【0027】
動作点Aは、機関回転数が所定回転数Ra、トルクが所定トルクTaとなる動作点である。動作点Bは、機関回転数が所定回転数Rb、トルクが所定トルクTbとなる動作点である。動作点Bの機関回転数である所定回転数Rbは、動作点Aの機関回転数である所定回転数Raよりも小さいものである。動作点Bのトルクである所定トルクTbは、動作点Aのトルクである所定トルクTaよりも小さいものである。
【0028】
動作点Aから動作点Bに変更する際にトルクよりも先に機関回転数を低下させた場合、内燃機関10の動作点は、図2中に実線矢印で示すように、A→C→Bと移動することになる。動作点Cは、機関回転数が所定回転数Rb、トルクが所定トルクTaとなる動作点である。
【0029】
一方、動作点Aから動作点Bに変更する際に機関回転数よりも先にトルクを低下させた場合、内燃機関10の動作点は、図2中に破線矢印で示すように、A→D→Bと移動することになる。動作点Dは、機関回転数が所定回転数Ra、トルクが所定トルクTbとなる動作点である。
【0030】
ここで、動作点Cにおける内燃機関10から冷却水への放熱量は、動作点Dにおける内燃機関10から冷却水への放熱量よりも少なくなる。つまり、内燃機関10から冷却水への放熱量は、トルクよりも機関回転数に対する感度が大きくなっている。
【0031】
動作点Bにおける内燃機関10から冷却水への放熱量は、動作点Bが動作点Aよりも回転数及びトルクが低下していることから、動作点Aにおける内燃機関10から冷却水への放熱量よりも少なくなる。
【0032】
なお、動作点C、Dにおける内燃機関10から冷却水への放熱量は、動作点Aにおける内燃機関10から冷却水への放熱量よりも少なく、動作点Bにおける内燃機関10から冷却水への放熱量よりも多くなっている。
【0033】
また、動作点Aでの内燃機関10の出力を維持して動作点を変更する場合、変更先の動作点は等出線上の動作点となり、機関回転数を低下させるとトルクは増加し、トルクを低下させると機関回転数が増加することになる。例えば、動作点Aから動作点Aと等出力が得られる動作点E、動作点Fへ動作点を変更する場合を考える。
【0034】
動作点Eは、動作点Aよりも機関回転数が低いものの、トルクが高い動作点である。動作点Eは、機関回転数が所定回転数Rb、トルクが所定トルクTeとなる動作点であり、動作点Eのトルクである所定トルクTeは、動作点Aのトルクである所定トルクTaよりも大きいものである。
【0035】
動作点Eにおける内燃機関10から冷却水への放熱量は、機関回転数の低下による冷却水への放熱量の低下分が、トルクの増加による冷却水への放熱量の増加分によってほぼ相殺されることになり、動作点Aにおける内燃機関10から冷却水への放熱量と略同じとなる。
【0036】
動作点Fは、動作点Aよりもトルクが低いものの、機関回転数が高い動作点である。動作点Fは、機関回転数が所定回転数Rf、トルクが所定トルクTbとなる動作点であり、動作点Fの機関回転数である所定回転数Rfは、動作点Aの機関回転数である所定回転数Raよりも大きいものである。
【0037】
動作点Fにおける内燃機関10から冷却水への放熱量は、トルクの低下による冷却水への放熱量の低下分が、機関回転数の増加による冷却水への放熱量の増加分によってほぼ相殺されることになり、動作点Aにおける内燃機関10から冷却水への放熱量と略同じとなる。
【0038】
そこで、本実施例の内燃機関10は、例えばα線上の所定の動作点Hで運転中に冷却水温度(ENG水温)が予め設定された所定の第1所定温度Te1以上の高温になると、図2の三点鎖線で示す矢印のように、機関回転数を低下させ、その後にトルクを低下させる。
【0039】
詳述すると、内燃機関10は、運転中に冷却水温度が第1所定温度Te1以上の高温になると、冷却水温度を低下させるために機関回転数を所定の低回転数である規制回転数R1まで低下させる。つまり、制御部としてのコントロールユニット13は、内燃機関10の運転中に内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1以上なると、内燃機関10の冷却水温度を低下させるために機関回転数を規制回転数R1まで低下させる回転数規制を実施する。
【0040】
さらに、内燃機関10は、回転数規制を実施しても冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になると、所定のトルク規制によりトルクを低下させる。つまり、コントロールユニット13は、回転数規制を実施しても内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になる場合、トルク規制により内燃機関10のトルクを低下させる。換言すると、コントロールユニット13は、内燃機関10の冷却水温度が高温になると、内燃機関10の冷却水温度を低下させるために内燃機関10の機関回転数を低下させる回転数規制を実施し、回転数規制を実施しても内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になると、トルク規制により内燃機関10のトルクを低下させる。
【0041】
これによって、内燃機関10の冷却水の温度を過給的速やかに低下させることができる。内燃機関10は、冷却水の温度上昇が抑制され、冷却系統内の圧力が過大となることを抑制することができる。また、内燃機関10は、機関回転数を低下させても冷却水の温度が低下しない場合、トルクを低下させることで運転性を損なうことなく冷却水の温度上昇を抑制することができる。
【0042】
なお、内燃機関10の機関回転数を低下させる際には、α線上に沿って機関回転数を低下させれば、回転数を低下させる際の燃費の悪化を抑制できる。例えば、図2において、内燃機関10が動作点Hで運転中に冷却水の温度が第1所定温度Te1以上になった場合には、規制回転数R1が所定回転数Rbであれば、動作点Hからα線に沿って動作点Cへ動作点を移動させて機関回転数を低下させてもよい。
【0043】
内燃機関10は、回転数規制を実施しても冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になる場合、バッテリ8のSOCが予め設定された所定値Cm以下であっても、トルク規制によりトルクを低下させる。換言すると、内燃機関10は、回転数規制を実施しても冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になる場合、最適燃費点より高出力となる動作点でバッテリ8に強制的に充電を行う強制充電を実施中であっても、トルク規制によりトルクを低下させる。
【0044】
つまり、コントロールユニット13は、回転数規制を実施しても内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になる場合、バッテリ8のSOCが予め設定された所定値Cm以下であっても、トルク規制により内燃機関10のトルクを低下させる。換言すると、コントロールユニット13は、回転数規制を実施しても内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1を超える高温になる場合、最適燃費点よりも高出力となる内燃機関10の動作点でバッテリ8に強制的に充電を行う強制充電を実施中であっても、トルク規制によりトルクを低下させる。詳述すると、強制充電用のトルクがトルク規制により設定される所定のトルク規制値よりも大きい場合、強制充電用トルクがトルク規制値に置き換えられる。
【0045】
バッテリ8への強制充電は、例えば、バッテリ8のSOCが所定値Cm以下の場合に実施される。バッテリ8への強制充電を実施する際の内燃機関10の動作点は、例えば最適燃費線(α線)から外れた位置にある高出力の動作点に設定される。
【0046】
内燃機関10のトルク規制は、内燃機関10冷却水温度が高くなるほど内燃機関10のトルクの上限値を低下させる。つまり、コントロールユニット13は、トルク規制により内燃機関10の冷却水温度が高くなるほど内燃機関10のトルクの上限値を低下させる。
【0047】
詳述すると、内燃機関10のトルクの上限値は、内燃機関10の冷却水の温度上昇に伴い予め設定された所定(一定)の低下量で低下させる。つまり、コントロールユニット13は、トルク規制により内燃機関10のトルクの上限値を内燃機関10の冷却水の温度上昇に伴い予め設定された所定(一定)の低下量で低下させる。
【0048】
これによって、内燃機関10の冷却水の温度は、冷却系統の熱容量が大きく、急激に変化しない。そのため、内燃機関10は、急激なトルク変動を抑制することができる。つまり、内燃機関10が搭載された車両1の運転者は、トルク変動による違和感を覚えにくくなる。
【0049】
内燃機関10のトルクの上限値は、トルク規制により、例えば、内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1から所定温度th(例えば0.1℃)上昇する毎に、予め設定された所定量Th(例えば1Nm)減少させる。内燃機関10のトルクの上限値は、トルク規制により、例えば、第1所定温度Te1よりも高い所定の第3所定温度Te3になるまで、所定温度th(例えば0.1℃)上昇する毎に、予め設定された所定量Th(例えば1Nm)減少させてもよい。なお、内燃機関10のトルクの上限値は、トルク規制により、例えば第1所定温度Te1から温度上昇が続くかぎり、所定温度th(例えば0.1℃)上昇する毎に、予め設定された所定量Th(例えば1Nm)減少させてもよい。
【0050】
内燃機関10は、トルク規制によりトルクを低下させる際に、単位時間当たりのトルクの変化量が一定となるよう低下させてもよい。つまり、コントロールユニット13は、トルク規制により内燃機関10のトルクを低下させる際、単位時間当たりのトルクの変化量が一定となるよう低下させてもよい。
【0051】
これによって、内燃機関10は、急激なトルク変動を抑制することができる。つまり、内燃機関10が搭載された車両1の運転者は、トルク変動による違和感を覚えにくくなる。
【0052】
内燃機関10のトルク規制は、内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1よりも低い予め設定された第2所定温度Te2以下になるまで継続する。つまり、コントロールユニット13は、内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1よりも低い予め設定された第2所定温度Te2以下になるまでトルク規制を継続する。
【0053】
これによって、内燃機関10は、オーバーヒートによる悪影響を回避することができる。
【0054】
内燃機関10の回転数規制は、車両1のイグニッションスイッチがオフとなるまで継続する。つまり、コントロールユニット13は、車両1のイグニッションスイッチがオフとなるまで回転数規制を継続する。
【0055】
これによって、内燃機関10は、回転数規制を解除することによる車両1の車速変動を回避することができる。つまり、内燃機関10が搭載された車両1の運転者は、車速変動による違和感を覚えにくくなる。
【0056】
内燃機関10の冷却水は、内燃機関10によって駆動される機械式ウォータポンプによって冷却系統内を循環している。機械式ウォータポンプは、機関回転数の低下に伴い、ポンプ回転数が低下する。そのため、機械式ウォータポンプは、機関回転数の低下に伴い吐出圧が低下する。これによって、内燃機関10は、機関回転数の低下に伴い冷却系統内の圧力を低下させることができる。
【0057】
図3は、上述した実施例における内燃機関10の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0058】
図3の時刻t1以前、内燃機関10は、α線上の所定の動作点で運転している。図3の時刻t1以前の内燃機関10は、機関回転数が初期回転数R0、トルクが初期トルクT01となる規制前初期動作点で運転されている。初期トルクT01は、基準トルクTwotよりも小さい値となる。
【0059】
基準トルクTwotは、WOT線上にあるスロットル弁が全開状態のトルクであり、機関回転数が初期回転数R0の場合には、WOT線上で機関回転数が初期回転数R0のときのトルクとなる。
【0060】
図3の時刻t1は、内燃機関10の冷却水温度が第2所定温度Te2以上となるタイミングである。図3の時刻t1において、内燃機関10のトルク規制が許可され、トルクの上限値であるトルク規制値が基準トルクTwotに設定される。トルク規制は、内燃機関10のトルクの上限値を設定するものである。つまり、図3の時刻t1以前は、トルク規制が解除されている(不許可)状態である。なお、図3の時刻t1において設定されるトルク規制値は、基準トルクTwotよりも小さい値に設定してもよい。つまり、トルク規制が許可された際に設定されるトルク規制値は、WOT線よりも低出力側の値でもよい。
【0061】
図3の時刻t2は、内燃機関10の冷却水温度が上昇し、第1所定温度Te1以上となるタイミングである。図3の時刻t2において、内燃機関10の回転数規制が開始され、機関回転数が規制回転数R1に設定される。内燃機関10のトルクは、図3の時刻t2において、α線上で機関回転数が規制回転数R1となる回転数規制トルクT02に設定される。
【0062】
図3の例では、時刻t2のタイミングで今回の走行開始後初めて冷却水温度が第1所定温度Te1に到達している。
【0063】
内燃機関10の冷却水温度は、機関回転数を規制回転数R1に低下させることで、時刻t2以降いったん第1所定温度Te1以下に低下している。
【0064】
図3の時刻t3は、バッテリ8のSOCが所定値Cm以下になるタイミングである。内燃機関10は、時刻t3のタイミングからバッテリ8のSOCを上昇させるために、動作点を強制充電用の高出力の動作点に切り替える。時刻t3のタイミングにおいては、機関回転数が規制回転数R1に規制されているので、強制充電用の動作点として、機関回転数が規制回転数R1、トルクが基準トルクTwotとなる動作点を強制充電用の動作点としている。
【0065】
内燃機関10の冷却水温度は、内燃機関10のトルクが基準トルクTwotに上昇するため、時刻t3以降上昇し始める。
【0066】
図3の時刻t4は、内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1を超えるタイミングである。トルク規制は、時刻t4のタイミングで、トルク規制値を基準トルクTwotから所定量Th(例えば1Nm)低下させた第1所定トルクT1に向けて低下させる。つまり、トルク規制は、トルク規制値を時刻t4のタイミングから単位時間当たりの低下量を一定(例えば1Nm/秒)として低下させる。そのため、内燃機関10のトルクは、強制充電中ではあるが、時刻t4のタイミングから第1所定トルクT1に向けて低下する。トルク規制値を基準トルクTwotから第1所定トルクT1に低下させる際には、ステップ的に(一気に)低下させてもよい。
【0067】
図3の時刻t5は、内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1から所定温度th(例えば0.1℃)高くなったタイミングである。トルク規制は、時刻t5のタイミングで、トルク規制値を第1所定トルクT1から所定量Th(例えば1Nm)低下させた第2所定トルクT2に向けて低下させる。つまり、トルク規制は、トルク規制値を時刻t5のタイミングから単位時間当たりの低下量を一定(例えば1Nm/秒)として低下させる。そのため、内燃機関10のトルクは、強制充電中ではあるが、時刻t5のタイミングから第2所定トルクT2に向けて低下する。トルク規制値を第1所定トルクT1から第2所定トルクT2に低下させる際には、ステップ的に(一気に)低下させてもよい。なお、図3においては、時刻t5のタイミングで、トルク規制値が第1所定トルクT1となっている。
【0068】
ここで、トルク規制は、冷却水温度が第1所定温度Te1よりも上昇すると、第1所定温度Te1よりも高い所定の第3所定温度Te3になるまで、段階的にトルク規制値を低下させる。詳述すると、トルク規制は、冷却水温度が第1所定温度Te1から所定温度th上昇する毎にトルク規制値を所定量Th低下させ、第3所定温度Te3になった際に設定されるトルク規制値(例えば最小所定トルクTmin)を最大トルク規制(トルク規制量の上限であり、トルク規制値の下限値)としてる。
【0069】
図3の時刻t6は、内燃機関10の冷却水温度が第2所定温度Te2から所定温度th(例えば0.1℃)高くなったタイミングである。トルク規制は、時刻t6のタイミングで、トルク規制値を第2所定トルクT2から所定量Th(例えば1Nm)低下させた第3所定トルクT3に向けて低下させる。つまり、トルク規制は、トルク規制値を時刻t6のタイミングから単位時間当たりの低下量を一定(例えば1Nm/秒)として低下させる。そのため、内燃機関10のトルクは、強制充電中ではあるが、時刻t6のタイミングから第3所定トルクT3に向けて低下する。トルク規制値を第2所定トルクT2から第3所定トルクT3に低下させる際には、ステップ的に(一気に)低下させてもよい。なお、図3においては、時刻t6のタイミングで、トルク規制値が第2所定トルクT2となっている。
【0070】
図3の時刻t7は、内燃機関10のトルクが第3所定トルクT3になったタイミングである。冷却水温度は、時刻t7のタイミングで低下に転じている。
【0071】
図3の時刻t8は、バッテリ8のSOCが所定値Cmよりも小さい所定値Cn以下になるタイミングである。内燃機関10は、内燃機関10の冷却水温度の上昇に伴い、回転数規制とトルク規制により低出力の動作点となる。そのため、バッテリ8のSOCは、時刻t5のタイミングから減少し始める。そこで車両1は、時刻t8のタイミングからバッテリ8のSOCが所定値Cn未満にならないように、車速を低下させ、バッテリ8の電力消費量を抑制する。バッテリ8のSOCが低下しないように車速を低下させる際には、例えば所定の低下率で車速を低下させる。
【0072】
図4は、上述した実施例における内燃機関10の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0073】
図4の時刻t1以前、内燃機関10は、機関回転数が初期回転数R0、トルクが基準トルクTwotとなる強制充電用の動作点で運転されている。
【0074】
図4の時刻t1は、内燃機関10の冷却水温度が第2所定温度Te2以上となるタイミングである。図4の時刻t1において、内燃機関10のトルク規制が許可され、トルクの上限値であるトルク規制値が基準トルクTwotに設定される。図4の時刻t1以前は、トルク規制が解除されている(不許可)状態である。
【0075】
図4の時刻t2は、内燃機関10の冷却水温度が上昇し、第1所定温度Te1を超えるタイミングである。図4の時刻t2において、内燃機関10の回転数規制が開始され、内燃機関10は、強制充電中ではあるが、機関回転数を規制回転数R1に低下させる。図4においては、回転数規制により内燃機関10の冷却水温度が低下しないため、回転数規制の実施後、直ちにトルク規制値を基準トルクTwotから所定量Th(例えば1Nm)低下させた第1所定トルクT1に向けて低下させる。つまり、トルク規制は、トルク規制値を時刻t2のタイミングから単位時間当たりの低下量を一定(例えば1Nm/秒)として低下させる。そのため、内燃機関10のトルクは、強制充電中ではあるが、時刻t2のタイミングから第1所定トルクT1に向けて低下する。トルク規制値を基準トルクTwotから第1所定トルクT1に低下させる際には、ステップ的に(一気に)低下させてもよい。
【0076】
図4の例では、時刻t2のタイミングで回転数規制に引き続きトルク規制にトルク規制値の低下を行っても内燃機関10の冷却水温度は低下せずに上昇を続けている。
【0077】
図4の時刻t3は、バッテリ8のSOCが所定値Cmよりも小さい所定値Cn以下になるタイミングである。そこで車両1は、時刻t3のタイミングからバッテリ8のSOCが所定値Cn未満にならないように、車速を低下させ、バッテリ8の電力消費量を抑制する。
バッテリ8のSOCが低下しないように車速を低下させる際には、例えば所定の低下率で車速を低下させる。
【0078】
図4の時刻t4は、内燃機関10の冷却水温度が第1所定温度Te1から所定温度th(例えば0.1℃)高くなったタイミングである。トルク規制は、時刻t4のタイミングで、トルク規制値を第1所定トルクT1から所定量Th(例えば1Nm)低下させた第2所定トルクT2に向けて低下させる。つまり、トルク規制は、トルク規制値を時刻t4のタイミングから単位時間当たりの低下量を一定(例えば1Nm/秒)として低下させる。そのため、内燃機関10のトルクは、強制充電中ではあるが、時刻t4のタイミングから第2所定トルクT2に向けて単位時間当たりの低下量を一定(例えば1Nm/秒)として低下する。トルク規制値を第1所定トルクT1から第2所定トルクT2に低下させる際には、ステップ的に(一気に)低下させてもよい。なお、図4においては、時刻t4のタイミングで、トルク規制値が第1所定トルクT1となっている。
【0079】
なお、車両1は、時刻t4のタイミングからトルク規制値の変化(低下)をも考慮して車速を低下させている。つまり、車両1の車速は、図4の時刻t3~t4間と、図4の時刻t4以降とでは、低下率が異なっている。バッテリ8のSOCが低下しないように車速を低下させる際には、常に一定の低下率で車速を低下させるようにしてもよい。
【0080】
図4の時刻t5は、内燃機関10のトルクが第2所定トルクT2になったタイミングである。冷却水温度は、時刻t5のタイミングで低下に転じている。トルク規制値、内燃機関10のトルク、及び車両1の車速は、時刻t5以降一定となっている。
【0081】
図5図7は、上述した実施例における内燃機関10の制御の流れを示すフローチャートである。
【0082】
ステップS1では、回転数規制が実施済であるか否かを判定する。ステップS1において回転数規制が既に実施済の場合は、ステップS2へ進む。ステップS1において回転数規制が実施されていない場合は、ステップS3へ進む。
【0083】
ステップS2では、現在実施中の回転数規制を維持する。
【0084】
ステップS3では、トルク規制が許可済であるか否かを判定する。ステップS3においてトルク規制が既に許可済の場合は、ステップS4へ進む。ステップS3においてトルク規制が許可されていない場合は、ステップS5へ進む。
【0085】
ステップS4では、現在実施中のトルク規制を維持する。
【0086】
ステップS5では、内燃機関10の動作点がα線上にあるか否かに基づいて、内燃機関10のトルクを決定する。詳述すると、ステップS5では、バッテリ8のSOCの状態と内燃機関10の現在のトルクとに応じて、内燃機関10のトルクをα線上のトルクとするか、強制充電用のトルクとするかを決定する。具体的には、ステップS5において、例えば、内燃機関10のトルクがα線上のトルクであり、バッテリ8のSOCが所定値Cmよりも大きい場合には、ステップS6に進む。ステップS5において、例えば、内燃機関10のトルクがα線上のトルクであり、バッテリ8のSOCが所定値Cm以下の場合には、ステップS7に進む。ステップS5において、例えば、内燃機関10のトルクがα線上のトルクではなく、バッテリ8のSOCが所定値Cmよりも大きい所定値Cp以下の場合には、ステップS7に進む。
【0087】
ステップS6では、内燃機関10のトルクをα線上のトルクに設定する。ステップS6を経験するとステップS8へ進む。
【0088】
ステップS7では、内燃機関10のトルクを強制発電用のトルクに設定する。ステップS7を経験するとステップS20へ進む。
【0089】
ステップS8では、冷却水温度が第2所定温度Te2以上か否かを判定する。ステップS8において冷却水温度が第2所定温度Te2以上の場合は、ステップS9に進む。ステップS8において冷却水温度が第2所定温度Te2未満の場合は、ステップS10へ進む。
【0090】
ステップS9では、トルク規制を許可する。ステップS9を経験するとステップS11へ進む。
【0091】
ステップS10では、トルク規制を解除もしくはトルク規制をないものとする。ステップS10を経験すると今回のルーチンを終了する。
【0092】
ステップS11では、トルク規制値を基準トルクTwotにする。なお、ステップS11において、トルク規制値の値を基準トルクTwotよりも小さい値としてもよい。
【0093】
ステップS12では、冷却水温度が第1所定温度Te1以上であるか否かを判定する。
【0094】
ステップS12において冷却水温度が第1所定温度Te1以上の場合は、ステップS13に進む。ステップS12において冷却水温度が第1所定温度Te1未満の場合は、今回のルーチンを終了する。
【0095】
ステップS13では、回転数規制を開始する。ステップS13において、既に回転数規制が実施されている場合は、回転数規制は維持される。
【0096】
ステップS14では、冷却水温度が第3所定温度Te3以上であるか否かを判定する。ステップS14において冷却水温度が第3所定温度Te3以上の場合は、ステップS15に進む。ステップS14において冷却水温度が第3所定温度Te3未満の場合は、ステップS16へ進む。
【0097】
ステップS15では、冷却水温度が第3所定温度Te3で最大トルク規制となるようトルク規制を行う。つまり、冷却水温度が第3所定温度Te3以上では、トルク規制値は一定となる。
【0098】
ステップS16では、冷却水の温度上昇に伴いトルクを低下させる。ステップS16では、トルクを低下させる際は、一定の変化速度で低下させてもよい。
【0099】
ステップS17では、トルク規制値がα線上のトルクよりも大きいか否かを判定する。すなわちステップS17では、冷却水の温度上昇に伴い小さい値に設定されるトルク規制値が機関回転数を同一とした場合に、α線上のトルクよりも大きいか否かを判定する。
【0100】
ステップS17においてトルク規制値がα線上のトルクよりも大きい場合はステップS18へ進む。ステップS17においてトルク規制値がα線上のトルク以下の場合はステップS19へ進む。
【0101】
ステップS18では、内燃機関10のトルクをα線上のトルクにする。ステップS19では、内燃機関10のトルクをトルク規制値にする。
【0102】
ステップS20において冷却水温度が第2所定温度Te2以上の場合は、ステップS21に進む。ステップS20において冷却水温度が第2所定温度Te2未満の場合は、ステップS10へ進む。
【0103】
ステップ21では、トルク規制を許可する。
【0104】
ステップS22では、トルク規制値を基準トルクTwotにする。なお、ステップS22において、トルク規制値の値を基準トルクTwotよりも小さい値としてもよい。
【0105】
ステップS23において冷却水温度が第1所定温度Te1以上の場合は、ステップS24に進む。ステップS12において冷却水温度が第1所定温度Te1未満の場合は、今回のルーチンを終了する。
【0106】
ステップS24では、回転数規制を開始する。ステップS24において、既に回転数規制が実施されている場合は、回転数規制は維持される。
【0107】
ステップS25では、冷却水温度が第3所定温度Te3以上であるか否かを判定する。ステップS25において冷却水温度が第3所定温度Te3以上の場合は、ステップS26に進む。ステップS25において冷却水温度が第3所定温度Te3未満の場合は、ステップS27へ進む。
【0108】
ステップS26では、冷却水温度が第3所定温度Te3で最大トルク規制となるようトルク規制を行う。つまり、冷却水温度が第3所定温度Te3以上では、トルク規制値は一定となる。
【0109】
ステップS27では、冷却水の温度上昇に伴いトルクを低下させる。ステップS27では、トルクを低下させる際は、一定の変化速度で低下させてもよい。
【0110】
ステップS28では、トルク規制値が強制充電用のトルクよりも大きいか否かを判定する。すなわちステップS28では、冷却水の温度上昇に伴い小さい値に設定されるトルク規制値が機関回転数を同一とした場合に、強制充電用のトルクよりも大きいか否かを判定する。
【0111】
ステップS28においてトルク規制値が強制充電用のトルクよりも大きい場合はステップS29へ進む。ステップS28においてトルク規制値が強制充電用のトルク以下の場合はステップS30へ進む。
【0112】
ステップS29では、内燃機関10のトルクを強制充電用のトルクにする。ステップS30では、内燃機関10のトルクをトルク規制値にする。
【0113】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0114】
上述した実施例は、内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置に関するものである。
【符号の説明】
【0115】
1…車両
2…駆動輪
3…駆動ユニット
4…発電ユニット
5…駆動用モータ
6…第1ギヤトレーン
7…ディファレンシャルギヤ
8…バッテリ
9…発電機
10…内燃機関
11…第2ギヤトレーン
13…コントロールユニット
14…クランク角センサ
15…水温センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7