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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124608
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】管理装置および管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240906BHJP
   H04W 4/02 20180101ALI20240906BHJP
【FI】
G06Q50/26
H04W4/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032394
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深澤 正臣
【テーマコード(参考)】
5K067
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067JJ52
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】エリアの危険度に応じて無線端末装置の位置情報を適切に取得すること。
【解決手段】管理装置は、無線端末装置から所定の時間間隔で送信される位置情報を含む定期情報を受信する通信部と、エリアごとのエリア危険度を示す危険エリア情報を記憶する記憶部と、エリアごとの自然現象の観測結果が示す観測危険度を含む観測情報を外部装置から取得する観測情報取得部と、危険エリア情報と、観測情報と、無線端末装置の位置情報とに基づいて、通信部を介して、無線端末装置に対して定期情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信する指示部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末装置から所定の時間間隔で送信される位置情報を含む定期情報を受信する通信部と、
エリアごとのエリア危険度を示す危険エリア情報を記憶する記憶部と、
前記エリアごとの自然現象の観測結果が示す観測危険度を含む観測情報を外部装置から取得する観測情報取得部と、
前記危険エリア情報と、前記観測情報と、前記無線端末装置の位置情報とに基づいて、前記通信部を介して、前記無線端末装置に対して前記定期情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信する指示部と、
を備える、管理装置。
【請求項2】
前記指示部は、
前記エリア危険度と、前記観測危険度とに基づいて、前記エリアごとの現在の危険度を示す現在危険度を算出する現在危険度算出部と、
前記現在危険度と、前記無線端末装置の位置情報とに基づいて、前記無線端末装置の前記定期情報を送信する際の時間間隔を決定する時間間隔決定部と、を含む、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記現在危険度算出部が算出した現在危険度が所定の閾値以上である前記エリアがあった場合、前記時間間隔決定部は、前記無線端末装置の位置の前記現在危険度が高いほど前記定期情報を送信する際の時間間隔を短くし、前記無線端末装置の位置の前記現在危険度が低いほど前記定期情報を送信する際の時間間隔を長く決定する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記現在危険度算出部が算出した現在危険度が高い前記エリアに存在する前記無線端末装置の台数と、現在危険度が低い前記エリアに存在する前記無線端末装置の台数とに基づいて、前記時間間隔決定部は、前記定期情報を送信する際の時間間隔を決定する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項5】
無線端末装置から所定の時間間隔で送信される位置情報を含む定期情報を受信するステップ、
エリアごとのエリア危険度を示す危険エリア情報を記憶するステップと、
前記エリアごとの自然現象の観測結果が示す観測危険度を含む観測情報を外部装置から取得するステップと、
前記危険エリア情報と、前記観測情報と、前記無線端末装置の位置情報とに基づいて、前記無線端末装置に対して定期情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信するステップと、
を含む、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムに含まれる複数の通信端末装置が現在の位置情報を定期的に管理装置などに送信する技術が知られている。例えば、特許文献1には、測位端末の測位地点の危険度に応じて、測位情報を送信する頻度を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-138562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、予め定められた固定の危険度のみに基づいて、測位情報を送信する頻度を制御している。このため、特許文献1の技術では、例えば、自然災害などの状況が逐次変化する状況では、危険度を正確に算出することができない可能性がある。
【0005】
本発明は、エリアの危険度に応じて無線端末装置の位置情報を適切に取得することのできる管理装置および管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の管理装置は、無線端末装置から所定の時間間隔で送信される位置情報を含む定期情報を受信する通信部と、エリアごとのエリア危険度を示す危険エリア情報を記憶する記憶部と、前記エリアごとの自然現象の観測結果が示す観測危険度を含む観測情報を外部装置から取得する観測情報取得部と、前記危険エリア情報と、前記観測情報と、前記無線端末装置の位置情報とに基づいて、前記通信部を介して、前記無線端末装置に対して前記定期情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信する指示部と、を備える。
【0007】
本発明の管理方法は、無線端末装置から所定の時間間隔で送信される位置情報を含む定期情報を受信するステップ、エリアごとのエリア危険度を示す危険エリア情報を記憶するステップと、前記エリアごとの自然現象の観測結果が示す観測危険度を含む観測情報を外部装置から取得するステップと、前記危険エリア情報と、前記観測情報と、前記無線端末装置の位置情報とに基づいて、前記無線端末装置に対して定期情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エリアの危険度に応じて無線端末装置の位置情報を適切に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る通信システムの概要を説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態の管理装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係る観測情報の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る危険エリア情報の一例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る現在危険度情報の一例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る災害発生危険エリアを示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る災害発生エリアに位置する無線端末装置を特定する方法を説明するための図である。
図10図10は、第2実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
図11図11は、第2実施形態に係るテーブル情報の一例を示す図である。
図12図12は、第2実施形態に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、第2実施形態に係る時間間隔を決定する方法を説明するための図である。
図14図14は、第3実施形態に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、第3実施形態に係る無線端末装置が位置情報を送信する際の時間間隔を変更する方法を説明するための図である。
図16図16は、第3実施形態の変形例に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
図17図17は、第3実施形態の変形例に係る安全エリア内の無線端末装置の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する方法を説明するための図である。
図18図18は、図18は、第4実施形態に係る時間間隔を元に戻す処理を示すフローチャートである。
図19図19は、第4実施形態に係る時間間隔を変更した無線端末装置を特定する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
(通信システム)
図1を用いて、第1実施形態に係る通信システムの構成例について説明する。図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、通信システム1は、複数の無線端末装置10と、基地局装置12と、管理装置14と、を含む。複数の無線端末装置10と、基地局装置12とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。
【0013】
無線端末装置10は、業務用無線機、スマートフォンなどの通信装置である。無線端末装置10は、ネットワークNを介して、基地局装置12と無線通信を行う。無線端末装置10は、現在の位置情報をGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号などに基づいて、定期的に現在の位置情報を検出する。無線端末装置10は、検出した現在の位置情報を、所定の時間間隔で定期的に基地局装置12に送信する。
【0014】
基地局装置12は、ネットワークNを介して、無線端末装置10と無線通信を行う通信装置である。
【0015】
管理装置14は、通信システム1の通信を管理する装置である。管理装置14は、例えば、基地局装置12の通信を管理する。管理装置14は、例えば、基地局装置12を制御して、基地局装置12と、無線端末装置10との間の通信を制御する。管理装置14は、例えば、基地局装置12を介して、各無線端末装置10の位置情報を所定の時間間隔で定期的に取得する。
【0016】
(概要)
図2を用いて、第1実施形態に係る通信システムの概要について説明する。図2は、第1実施形態に係る通信システムの概要を説明するための図である。
【0017】
図2に示すように、通信システム1は、基地局装置12のカバレッジエリア2(通信可能エリア)内に、無線端末装置10―1と、無線端末装置10―2と、無線端末装置10―3と、無線端末装置10―4と、無線端末装置10―5と、を含むものとする。無線端末装置10―1から無線端末装置10―5は、それぞれ、所定の時間間隔で定期的に現在の位置情報を基地局装置12に送信している。無線端末装置10―1から無線端末装置10―5が位置情報を送信するタイミングは、管理装置14により指定されている。
【0018】
本発明では、管理装置14は、カバレッジエリア2内に含まれるエリアごとの自然災害に関する危険度を算出する。そして、管理装置14は、エリアの危険度に応じて、無線端末装置10―1から無線端末装置10―5が位置情報を送信する際の時間間隔を変更させる処理を実行する。
【0019】
(管理装置)
図3を用いて、第1実施形態に係る管理装置の構成例について説明する。図3は、第1実施形態の管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0020】
図3に示すように、管理装置14は、通信部20と、記憶部22と、制御部24と、を備える。
【0021】
通信部20は、管理装置14と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部20は、例えば、管理装置14と、基地局装置12との間の通信を実行する。
【0022】
記憶部22は、各種の情報を記憶している。記憶部22は、制御部24の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0023】
記憶部22は、例えば、危険エリア情報22aを記憶している。危険エリア情報22aは、エリアごとのエリア危険度を示す情報である。危険エリア情報22aは、例えば、特定の自然災害ごとのエリア危険度を示すハザードマップである。ハザードマップは、例えば、公的機関、民間機関などにおいて作成される。ハザードマップは、例えば、土砂災害、洪水災害、津波災害など複数の自然災害に関する情報を含んでいてもよい。
【0024】
制御部24は、管理装置14の各部を制御する。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAMまたはROMなどの記憶装置とを有する。制御部24は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部24は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0025】
制御部24は、位置情報取得部30と、観測情報取得部32と、危険エリア情報取得部34と、指示部36と、現在危険度算出部38と、時間間隔決定部40と、を備える。
【0026】
位置情報取得部30は、通信部20を介して、各無線端末装置10の位置情報を取得する。位置情報取得部30は、通信部20を介して、各無線端末装置10の位置情報を所定の時間間隔で定期的に取得する。
【0027】
観測情報取得部32は、エリアごとの自然現象の観測結果が示す観測危険度を含む観測情報を外部装置から取得する。観測情報は、例えば、雨雲の位置、降雨量、降雪量、地震の震度、風速などが例示されるが、これらに限定されない。観測情報取得部32は、例えば、気象庁、地方自治体などが観測した観測情報を外部装置から取得する。外部装置は、例えば、気象庁、地方自治体などに設置されたサーバ装置である。
【0028】
危険エリア情報取得部34は、記憶部22に記憶されている危険エリア情報22aを取得する。
【0029】
指示部36は、通信部20を介して、各無線端末装置10に対して位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信する。指示部36は、例えば、危険エリア情報取得部34が取得した危険エリア情報22aと、観測情報取得部32が取得した観測情報と、位置情報取得部30が取得した無線端末装置10の位置情報とに基づいて、各無線端末装置10に対して位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を指示するための制御情報を送信する。
【0030】
現在危険度算出部38は、危険エリア情報22aに含まれるエリア危険度と、観測情報に含まれる観測危険度とに基づいて、エリアごとの現在の危険度を示す現在危険度を算出する。現在危険度算出部38は、算出した現在危険度に基づいて、災害が発生する可能性の高いエリアを災害発生危険エリアとして特定する。
【0031】
現在危険度算出部38は、現在危険度を算出する際に、観測危険度を補正して、現在危険度を算出してもよい。現在危険度算出部38は、例えば、雨雲の観測情報に基づく河川の下流の観測危険度が低くても、上流の観測危険度が高い場合には、下流で洪水が発生する可能性がある。この場合、現在危険度算出部38は、雨雲の観測情報に基づく河川の下流の観測危険度を高くして、現在危険度を算出してもよい。
【0032】
時間間隔決定部40は、現在危険度算出部38が算出した現在危険度と、位置情報取得部30が取得した無線端末装置10の位置情報とに基づいて、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を決定する。
【0033】
(時間間隔決定処理)
図4を用いて、第1実施形態に係る時間間隔決定処理について説明する。図4は、第1実施形態に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
図4は、例えば、自治体などから自然災害の警報が出された場合に、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する処理を示す。図4の処理は、例えば、警報が無くなるまで所定の周期(例えば、1分から10分)で繰り返し実行される。
【0035】
位置情報取得部30は、各無線端末装置10の位置情報を取得する(ステップS10)。具体的には、位置情報取得部30は、各無線端末装置10の位置情報を所定の時間間隔で定期的に取得する。そして、ステップS12に進む。
【0036】
観測情報取得部32は、通信部20を介して、外部装置から観測情報を取得する(ステップS12)。図5は、第1実施形態に係る観測情報の一例を示す図である。図5は、雨雲の観測結果に関する観測情報を示す。図5に示すように、観測情報は、カバレッジエリア2をメッシュ状に分割した複数のエリア3ごとに示される。図5において、エリア3中に示す数字は、観測危険度を示す。観測危険度は、例えば、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の6段階で表される。この場合、「1」のとき観測危険度が最も低く、「6」のとき観測危険度が最も高い。そして、ステップS14に進む。
【0037】
危険エリア情報取得部34は、記憶部22に記憶されている危険エリア情報22aを取得する(ステップS14)。図6は、第1実施形態に係る危険エリア情報の一例を示す図である。図6に示すように、危険エリア情報は、カバレッジエリア2をメッシュ状に分割された複数のエリア3ごとに示される。図6において、エリア3中に示す数字は、エリア危険度を示す。エリア危険度は、例えば、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の6段階で表される。この場合、「1」のときエリア危険度が最も低く、「6」のときエリア危険度が最も高い。図6に示す例では、「洪水」と、「土砂崩れ」に関するエリア危険度が示されている。そして、ステップS16に進む。
【0038】
現在危険度算出部38は、観測情報取得部32が取得した観測情報と、危険エリア情報取得部34が取得した危険エリア情報22aとに基づいて、現在の危険度を示す現在危険度を算出する(ステップS16)。図7は、第1実施形態に係る現在危険度情報の一例を示す図である。現在危険度算出部38は、例えば、観測情報が示す観測危険度と、危険エリア情報22aが示すエリア危険度とを合計して、カバレッジエリア2内のエリアごとに現在危険度を算出する。図7において、エリア3中に示す数字は、現在危険度を示す。そして、ステップS18に進む。
【0039】
現在危険度算出部38は、算出した現在危険度に基づいて、災害発生危険エリアを特定する(ステップS18)。図8は、第1実施形態に係る災害発生危険エリアを示す図である。現在危険度算出部38は、例えば、現在危険度が所定の点数以上のエリアを災害発生危険エリアとして特定する。図8に示す例では、現在危険度算出部38は、カバレッジエリア2内の複数のエリア3のうち、現在危険度が8点以上のエリアを災害発生危険エリアとして特定する。そして、ステップS20に進む。
【0040】
位置情報取得部30は、カバレッジエリア2内で災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10を特定する(ステップS20)。図9は、第1実施形態に係る災害発生エリアに位置する無線端末装置を特定する方法を説明するための図である。位置情報取得部30は、各無線端末装置10の位置情報と、災害発生危険エリアに基づいて、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10を特定する。図9に示す例では、位置情報取得部30は、無線端末装置10―4と、無線端末装置10―5とを災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10として特定する。そして、ステップS22に進む。
【0041】
時間間隔決定部40は、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を決定する(ステップS22)。具体的には、時間間隔決定部40は、通常の時間間隔が120秒である場合、時間間隔を5秒に決定する。そして、ステップS24に進む。
【0042】
指示部36は、通信部20を介して、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10に対して時間間隔を変更するように指示する(ステップS24)。具体的には、指示部36は、図9に示す例でいえば、無線端末装置10―4と無線端末装置10―5とに対して、通信部20を介して、時間間隔を120秒から5秒に変更させるための制御情報を送信する。これにより、無線端末装置10―4と無線端末装置10―5とは、基地局装置12に対して位置情報を定期的に送信するタイミングが120秒から5秒に変更される。そして、図4の処理を終了する。
【0043】
上述のとおり、第1実施形態は、災害発生危険エリアに位置にしている無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を短くすることができる。これにより、第1実施形態は基地局装置12が受信した際の位置情報と、無線端末装置10の位置情報とのずれが少なくなるため、無線端末装置10のユーザを救助する際にそのユーザの発見が容易になる。
【0044】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第1実施形態では、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を短くする例について説明した。第2実施形態では、災害発生危険エリアに位置していないが、安全なエリアにも位置していない無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する処理を行う。
【0045】
(管理装置)
図10を用いて、第2実施形態に係る管理装置の構成例について説明する。図10は、第2実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0046】
図10に示すように、管理装置14Aは、記憶部22Aがテーブル情報22bを記憶している点と、制御部24Aが距離算出部42を備える点で、図3に示す管理装置14と異なる。
【0047】
図11は、第2実施形態に係るテーブル情報の一例を示す図である。図11に示すように、テーブル情報22bは、「現在位置」と、「位置情報の送信間隔」といった項目を含む。テーブル情報22bは、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を決定するために使用される情報である。
【0048】
「現在位置」は、災害発生危険エリアから無線端末装置10までの距離を示す。「現在位置」では、災害発生危険エリアから1000m以上離れているエリアを安全エリアとしている。
【0049】
「位置情報の送信間隔」は、位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を示す。無線端末装置10の現在位置が安全エリアである場合には、位置情報の送信間隔は、例えば、120秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアである場合には、位置情報の送信間隔は、例えば、5秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで100m未満の位置である場合、位置情報の送信間隔は10秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで100m以上200m未満である場合、位置情報の送信間隔は20秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで200m以上300m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、35秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで300m以上400m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、45秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで400m以上500m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、50秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで500m以上600m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、55秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで600m以上700m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、60秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで700m以上800m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、65秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで800m以上900m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、75秒である。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリアまで900m以上1000m未満である場合、位置情報の送信間隔は、例えば、90秒である。
【0050】
距離算出部42は、災害危険エリアから各無線端末装置10までの距離を算出する。距離算出部42は、例えば、位置情報取得部30が取得した各無線端末装置10の位置情報に基づいて、災害危険エリアから各無線端末装置10までの距離を算出する。
【0051】
時間間隔決定部40Aは、距離算出部42が算出した災害発生危険エリアから各無線端末装置10までの距離に基づいて、各無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を決定する。時間間隔決定部40Aは、例えば、テーブル情報22bに基づいて、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を決定する。
【0052】
(時間間隔決定処理)
図12を用いて、第2実施形態に係る時間間隔決定処理について説明する。図12は、第2実施形態に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
図12は、例えば、自治体などから自然災害の警報が出された場合に、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する処理を示す。図12の処理は、例えば、警報が無くなるまで所定の周期(例えば、1分から10分)で繰り返し実行される。
【0054】
ステップS30からステップS38の処理は、図4に示すステップS10からステップS18の処理と同じなので、説明を省略する。
【0055】
位置情報取得部30は、無線端末装置10から取得した位置情報に基づいて、無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリア内であるか否かを判定する(ステップS40)。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリア内であると判定された場合(ステップS40;Yes)、ステップS42に進む。無線端末装置10の現在位置が災害発生危険エリア内であると判定されない場合(ステップS40;No)、ステップS44に進む。
【0056】
ステップS40でYesと判定された場合、時間間隔決定部40Aは、テーブル情報22bに基づいて、災害発生危険エリア内に位置する無線端末装置10が位置情報を送信する際の時間間隔を5秒に決定する(ステップS42)。図13は、第2実施形態に係る時間間隔を決定する方法を説明するための図である。図13に示す例では、無線端末装置10―4と無線端末装置10―5とが災害発生危険エリアに位置している。図13では、災害発生危険エリアから1000m以上離れている場所を、安全エリア4として示している。この場合、時間間隔決定部40Aは、テーブル情報22bに基づいて、無線端末装置10-4と無線端末装置10―5とが位置情報を送信する際の時間間隔を5秒に決定する。そして、ステップS50に進む。
【0057】
ステップS40でNoと判定された場合、距離算出部42は、災害発生危険エリアから各無線端末装置10までの距離を算出する(ステップS44)。具体的には、距離算出部42は、カバレッジエリア2内において、各無線端末装置10の各々について、最も近い災害発生危険エリアまでの距離を算出する。そして、ステップS46に進む。
【0058】
位置情報取得部30は、距離算出部42が算出した距離に基づいて、無線端末装置10の現在位置が安全エリア内であるか否かを判定する(ステップS46)。具体的には、位置情報取得部30は、現在位置が災害発生危険エリアから1000m以上離れた場所に位置している場合には、無線端末装置10の現在位置が安全エリア内であると判定する。図13に示す例でいえば、無線端末装置10―1と無線端末装置10―2とが安全エリア4内に位置している。無線端末装置10の現在位置が安全エリア内であると判定された場合(ステップS46;Yes)、図12の処理を終了する。すなわち、図13に示す例でいえば、無線端末装置10―1と無線端末装置10―2とが位置情報を定期的に送信する際の時間間隔は変更されない。無線端末装置10の現在位置が安全エリア内であると判定されない場合(ステップS46;No)、ステップS48に進む。
【0059】
ステップS46でNoと判定された場合、時間間隔決定部40Aは、テーブル情報22bに基づいて、災害発生危険エリアまでの距離に応じて無線端末装置10が位置情報を送信する際の時間間隔を決定する(ステップS48)。図13に示す例では、無線端末装置10―3が災害発生危険エリアおよび安全エリア4に位置していない。無線端末装置10―3から災害発生危険エリアまでの距離が、700m以上800m未満と算出されたとする。この場合、時間間隔決定部40Aは、無線端末装置10―3が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を65秒に設定する。そして、ステップS50に進む。
【0060】
ステップS50の処理は、図4に示すステップS24の処理と同じなので、説明を省略する。
【0061】
上述のとおり、第2実施形態は、安全エリア内に位置していない無線端末装置10に対しては災害発生危険エリアまでの距離に応じて、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を短くすることができる。これにより、第2実施形態は基地局装置12が受信した際の位置情報と、各無線端末装置10の位置情報とのずれが少なくなるため、各無線端末装置10のユーザを救助する際にそのユーザの発見が容易になる。
【0062】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る管理装置の構成は、図10に示す管理装置14Aと同じなので、説明を省略する。
【0063】
第3実施形態では、各無線端末装置10の位置情報を取得したタイミングで、各無線端末装置10が位置情報を送信する際の時間間隔を動的に変更してもよい。すなわち、第3実施形態では、各無線端末装置10の位置情報を送信する際の時間間隔を変更する指示を出した後、各無線端末装置10の位置情報が変化した場合には、各無線端末装置10が位置情報を送信する際の時間間隔をさらに変更する。
【0064】
(時間間隔変更処理)
図14を用いて、第3実施形態に係る時間間隔変更処理について説明する。図14は、第3実施形態に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図14に示す処理は、例えば、図12に示す時間間隔決定処理の後に、実行される処理である。
【0066】
位置情報取得部30は、無線端末装置10の位置情報が変化したか否かを判定する(ステップS60)。具体的には、位置情報取得部30は、無線端末装置10から前回取得した位置情報と、無線端末装置10から今回取得した位置情報とに基づいて、無線端末装置10の現在位置が変化したか否かを判定する。無線端末装置10の位置情報が変化したと判定された場合(ステップS60;Yes)、ステップS62に進む。無線端末装置10の位置情報が変化したと判定されない場合(ステップS60;No)、ステップS68に進む。
【0067】
ステップS62の処理は、図12に示すステップS44の処理と同じなので、説明を省略する。
【0068】
時間間隔決定部40Aは、テーブル情報22bに基づいて、災害発生危険エリアまでの距離に応じて無線端末装置10が位置情報を送信する際の時間間隔を変更する(ステップS64)。図15は、第3実施形態に係る無線端末装置が位置情報を送信する際の時間間隔を変更する方法を説明するための図である。図15に示すように、例えば、無線端末装置10―3が災害発生危険エリアから800mの位置から無線端末装置10―3aとして示すように、災害発生危険エリアから200m付近の地点まで移動したとする。この場合、時間間隔決定部40Aは、テーブル情報22bに基づいて、無線端末装置10-3が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を65秒から20秒に変更する。例えば、無線端末装置10―3が災害発生エリアから800mの位置から無線端末装置10-3bとして示すように、災害発生危険エリアから1000m付近の位置まで移動したとする。この場合、時間間隔決定部40Aは、テーブル情報22bに基づいて、無線端末装置10-3が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を65秒から90秒に変更する。そして、ステップS66に進む。
【0069】
ステップS66の処理は、図12に示すステップS50の処理と同じなので、説明を省略する。
【0070】
制御部24Aは、図14の処理を終了するか否かを判定する(ステップS68)。具体的には、制御部24Aは、例えば、カバレッジエリア2内に災害発生危険エリアが無くなった場合に、図14の処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS68;Yes)、図14の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS68;No)、ステップS60に進む。
【0071】
上述のとおり、第3実施形態は、無線端末装置10の前回の位置情報と、最新の位置情報とを比較して、位置が変化している場合には、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更することができる。これにより、第3実施形態は、無線端末装置10が災害発生危険エリアに近づいていた場合には、ユーザが災害に遭う危険度が上がるため、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を短くすることができる。また、第3実施形態は、無線端末装置10が災害発生危険エリアから離れた場合には、ユーザが災害に遭う危険度が下がるため、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を短くすることができる。これにより、第3実施形態は、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を適切に変更することができる。
【0072】
[第3実施形態の変形例]
第3実施形態の変形例について説明する。第3実施形態では、無線端末装置10の前回の位置情報と、最新の位置情報とを比較して、位置が変化している場合には、無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する。この際、第3実施形態の変形例では、災害発生危険エリア内にいる無線端末装置10の台数に応じて、安全エリア内にいる無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔をより長く変更するようにしてもよい。すなわち、第3実施形態の変形例では、安全エリア内にいる無線端末装置10が位置情報を送信する頻度を下げることで、通信システム1全体での通信帯域使用量を一定に保ち、災害発生危険エリア内の無線端末装置10からの位置情報の送信を妨げないように制御する。
【0073】
(時間間隔変更処理)
図16を用いて、第3実施形態の変形例に係る時間間隔変更処理について説明する。図16は、第3実施形態の変形例に係る時間間隔決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
図16は、例えば、自治体などから自然災害の警報が出された場合に、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する処理を示す。図16の処理は、例えば、警報が無くなるまで所定の周期(例えば、1分から10分)で繰り返し実行される。
【0075】
ステップS80の処理は、図4に示すステップS10の処理と同じなので、説明を省略する。
【0076】
位置情報取得部30は、取得した無線端末装置10の位置情報に基づいて、災害発生危険エリア内に位置する無線端末装置10の台数を算出する(ステップS82)。そして、ステップS84に進む。
【0077】
位置情報取得部30は、災害発生危険エリア内の無線端末装置10の台数が所定以上あるか否かを判定する(ステップS84)。例えば、位置情報取得部30は、全体で1000台の無線端末装置10に対して、100台以上の無線端末装置10が災害発生危険エリア内に位置している場合に、所定以上の台数の無線端末装置10が災害発生危険エリア内に位置していると判定するが、これに限定されない。災害発生危険エリア内の無線端末装置10の台数は所定以上であると判定された場合(ステップS84;Yes)、ステップS86に進む。災害発生危険エリア内の無線端末装置10の台数は所定以上であると判定されない場合(ステップS84;No)、ステップS90に進む。
【0078】
時間間隔決定部40Aは、安全エリア内の任意の台数の無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する(ステップS86)。図17は、第3実施形態の変形例に係る安全エリア内の無線端末装置の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する方法を説明するための図である。図17に示すように、テーブル情報22cは、「台数」と、「位置情報の送信間隔」といった項目を含む。
【0079】
「台数」は、災害発生危険エリア内に位置している無線端末装置10の台数を示す。「位置情報の送信間隔」は、安全エリア内に位置している無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を示す。
【0080】
時間間隔決定部40Aは、例えば、テーブル情報22cに基づいて、災害発生危険エリア内に位置している無線端末装置10の台数に応じて、安全エリア内にいる任意の無線端末装置10について、位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更する。時間間隔決定部40Aは、例えば、災害発生危険エリア内に位置している無線端末装置10の台数が100台に達した場合には、安全エリア内に位置している無線端末装置10から任意に選択した100台の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を360秒に変更する。時間間隔決定部40Aは、例えば、災害発生危険エリア内に位置している無線端末装置10の台数が150台に達した場合には、安全エリア内に位置している無線端末装置10から任意に選択した150台の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を360秒に変更する。時間間隔決定部40Aは、例えば、災害発生危険エリア内に位置している無線端末装置10の台数が200台に達した場合には、安全エリア内に位置している無線端末装置10から任意に選択した200台の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を360秒に変更する。時間間隔決定部40Aは、例えば、災害発生危険エリア内に位置している無線端末装置10の台数が250台に達した場合には、安全エリア内に位置している無線端末装置10から任意に選択した250台の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を360秒に変更する。そして、ステップS88に進む。
【0081】
ステップS88の処理は、図12に示すステップS50の処理と同じなので、説明を省略する。ステップS90の処理は、図14に示すステップS68の処理と同じなので、説明を省略する。
【0082】
上述のとおり、第3実施形態の変形例は、災害発生危険エリア内に位置する無線端末装置10の台数が増えると、安全エリア内に位置する無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を長くするように変更する。これにより、第3実施形態の変形例は、安全エリア内にいる無線端末装置10が位置情報を送信する頻度を下げることで、通信システム1全体での帯域使用量を一定に保ち、災害発生危険エリア内の無線端末装置10からの位置情報の送信を妨げないようにすることができる。第3実施形態の変形例では、災害発生危険エリア内に位置する無線端末装置10の台数に基づいて安全エリア内に位置している無線端末装置10の位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更したが、災害発生危険エリア内の台数と安全エリア内の台数の比率に基づいて位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更してもよい。これにより、通信システム全体の通信量を一定に保つことができる。
【0083】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る管理装置の構成は、図3に示す管理装置14または図10に示す管理装置14Aと同じなので、説明を省略する。
【0084】
第4実施形態では、カバレッジエリア2内の災害発生危険エリアが解消された場合、位置情報を定期的に送信する際の時間間隔が変更された無線端末装置10に対して、時間間隔を元に戻すような処理を実行する。
【0085】
図18を用いて、第4実施形態に係る時間間隔を元に戻す処理について説明する。図18は、第4実施形態に係る時間間隔を元に戻す処理を示すフローチャートである。
【0086】
現在危険度算出部38は、カバレッジエリア2内の災害発生危険エリアが解消されたか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、現在危険度算出部38は、観測情報取得部32が取得した観測情報と、危険エリア情報取得部34が取得した危険エリア情報22aとに基づいて、カバレッジエリア2内の災害発生危険エリアは解消されたか否かを判定する。カバレッジエリア2内の災害発生危険エリアが解消されたと判定された場合(ステップS100;Yes)、ステップS102に進む。カバレッジエリア2内の災害発生危険エリアが解消されたと判定されない場合(ステップS100;No)、ステップS100の処理が繰り返される。
【0087】
位置情報取得部30は、送信情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更した無線端末装置10を特定する(ステップS102)。図19は、第4実施形態に係る時間間隔を変更した無線端末装置を特定する方法を説明するための図である。図19に示すとおり、位置情報取得部30は、カバレッジエリア2内において、災害発生危険エリアに位置していた無線端末装置10―3と、無線端末装置10―4と、無線端末装置10―5とを送信情報を定期的に送信する際の時間間隔を変更した無線端末装置10として特定する。そして、ステップS104に進む。
【0088】
指示部36は、通信部20を介して、災害発生危険エリアに位置している無線端末装置10に対して時間間隔を元に戻すように指示する(ステップS104)。具体的には、指示部36は、図19に示す例でいえば、無線端末装置10―3と、無線端末装置10―4と、無線端末装置10―5とに対して、通信部20を介して、時間間隔を元に戻すための制御情報を送信する。これにより、無線端末装置10―3と、無線端末装置10―4と、無線端末装置10―5とは、基地局装置12に対して位置情報を定期的に送信するタイミングが120秒に戻る。そして、図18の処理を終了する。
【0089】
上述のとおり、第4実施形態は、カバレッジエリア2内の災害発生危険エリアが解消された場合に、各無線端末装置10が位置情報を定期的に送信する際の時間間隔を元に戻すことができる。これにより、第4実施形態は、災害発生危険エリアが解消された場合に、速やかに通常通りの運用に戻すことができる。
【0090】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0091】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
1 通信システム
10 無線端末装置
12 基地局装置
14,14A 管理装置
20 通信部
22 記憶部
22a 危険エリア情報
24,24A 制御部
30 位置情報取得部
32 観測情報取得部
34 危険エリア情報取得部
36 指示部
38 現在危険度算出部
40,40A 時間間隔決定部
42 距離算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
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図19