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特開2024-124659情報処理装置並びに情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124659
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】情報処理装置並びに情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/016 20230101AFI20240906BHJP
【FI】
G06Q30/016
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032486
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅由子
(72)【発明者】
【氏名】増田 藍
(72)【発明者】
【氏名】林 正二
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 功一
(72)【発明者】
【氏名】井口 匠
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】暮らしの変化に合わせて家電機器のおすすめ診断を行う情報処理装置並びに情報処理システムを提供する。
【解決手段】各家庭の家電機器の稼働情報とユーザに関する情報を取得する取得部と、稼働情報とユーザに関する情報に基づいて、ユーザの生活様態を推定する推定部と、推定した生活様態に適する家電機器を診断する診断部と、診断結果を出力する出力部を備えることを特徴とする情報処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各家庭の家電機器の稼働情報とユーザに関する情報を取得する取得部と、前記稼働情報と前記ユーザに関する情報に基づいて、ユーザの生活様態を推定する推定部と、推定した前記生活様態に適する家電機器を診断する診断部と、診断結果を出力する出力部を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記診断部が与える診断結果は、前記生活様態に適する家電機器を選択した根拠となる判断情報を含んでいることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記診断部は、前記推定部が推定した前記生活様態に基づいて、前記家電機器の付属品の最適な組み合わせ、または前記家電機器の部品の最適な組み合わせを診断することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記診断部は、ユーザの生活様態に適する前記家電機器の購入方法を診断することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記取得部は、さらに、ユーザが現在保有している家電機器の設計に関する情報を取得し、前記診断部は、該診断部が診断した前記家電機器が、ユーザの要望に適さないと判断された場合に、前記設計に関する情報に基づいて、前記ユーザが現在保有している家電機器のカスタマイズを提案することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記診断部は、前記ユーザが現在保有している家電機器のカスタマイズを該ユーザが承認した場合に、前記ユーザが現在保有している家電機器の稼働情報に基づいて、カスタマイズのメニューを提案することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
各家庭の通信機能付き家電機器と情報処理装置がネットワークを介して通信可能とされた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、各家庭の通信機能付き家電機器から家電機器の稼働情報と、ユーザが保有する携帯情報端末からユーザに関する情報を取得する取得部と、前記稼働情報と前記ユーザに関する情報に基づいて、ユーザの生活様態を推定する推定部と、推定した前記生活様態に適する家電機器を診断する診断部と、診断結果をユーザが保有する前記携帯情報端末に出力する出力部を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記診断部が与える診断結果は、前記生活様態に適する家電機器を選択した根拠となる判断情報を含んでいることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暮らしの変化に合わせて家電機器のおすすめ診断を行う情報処理装置並びに情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境に配慮しつつも経済を維持していくために、循環型経済に則ったビジネスモデルへの転換が求められつつある。この転換に伴い、家電機器を含む電子機器をより長く使用してもらうための仕組みを構築することが求められてきている。
【0003】
この点、特許文献1には、ユーザ機器のユーザの生活スタイルに合う利用状況を解析し機器の長寿命化を実現するシステムについて開示されている。
【0004】
特許文献1には、「ユーザ機器に装着されたセンサーの検出情報の時系列データを取得して、ユーザ機器利用状況データとして前記ユーザ機器管理サーバに送信し、前記ユーザ機器管理サーバは、前記ユーザ機器から前記ユーザ機器利用状況データを取得、解析して利用改善ポイントを検出し、検出した利用改善ポイントを説明するメッセージを生成し、生成したメッセージを、前記ユーザ機器に送信する情報処理システム」という様態によって、ユーザに自身の機器の利用改善を促す点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-110998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の情報処理システムは、ユーザがすでに購入済みの電子機器を長期的に使用してもらうことを意図しているため、ユーザの生活様態に合うものをユーザが使用できるという、機器の長期的使用のための抜本的な対策を図るのは難しい。
【0007】
このことから本発明においては、暮らしの変化に合わせて家電機器のおすすめ診断を行う情報処理装置並びに情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のことから本発明においては、「各家庭の家電機器の稼働情報とユーザに関する情報を取得する取得部と、稼働情報とユーザに関する情報に基づいて、ユーザの生活様態を推定する推定部と、推定した生活様態に適する家電機器を診断する診断部と、診断結果を出力する出力部を備えることを特徴とする情報処理装置」としたものである。
【0009】
また本発明においては、「各家庭の通信機能付き家電機器と情報処理装置がネットワークを介して通信可能とされた情報処理システムであって、情報処理装置は、各家庭の通信機能付き家電機器から家電機器の稼働情報と、ユーザが保有する携帯情報端末からユーザに関する情報を取得する取得部と、稼働情報とユーザに関する情報に基づいて、ユーザの生活様態を推定する推定部と、推定した生活様態に適する家電機器を診断する診断部と、診断結果をユーザが保有する携帯情報端末に出力する出力部を備えることを特徴とする情報処理システム」としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、暮らしの変化に合わせた家電機器のおすすめ診断を行うことにより、ユーザの生活様態に合うものをユーザが使用できるという、機器の長期的使用のための抜本的な対策を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係る情報処理システムの全体構成例を示す図。
図2】情報処理装置1における主要な処理内容を示す図。
図3】稼働情報とユーザに関する情報とから、生活様態を推定する例を示す図。
図4】ユーザの生活様態に適した家電機器の診断処理例を示す図。
図5】管理業務プログラムPr4の処理内容を示すフローチャート例を示す図。
図6】診断結果から推奨製品候補を決定するための判断ロジックの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下,本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明の実施例に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。図1の情報処理システムは、各家庭2の家電機器3と情報処理装置1がネットワークNWを経由して接続されて構成されている。
【0014】
このうち各家庭2の家電機器3は、通信部5(5a,5b,5c,5d,5e)を備えてIoT化された通信機能付き家電機器(以下コネ家電という。コネクテッド家電の略)であり、ここでは冷蔵庫3a,オーブンレンジ3b、炊飯器3c、洗濯機3d、掃除機3eを例示している。各家電機器3の通信部5は、家庭内通信装置7と通信を行い、家電機器3やその使用状況(コネ家電稼働情報)などに関する各種情報を、ネットワークNWを経由して情報処理装置1に送信する。
【0015】
他方情報処理装置1は、各家庭からの家電機器3の情報とともに家電機器のファブリケーション施設31の情報、並びに中古を含む販売業者の在庫情報などを含めて、家電機器についての情報(商品情報)を広く入手している。また情報処理装置1は、家庭内のユーザが所有する携帯情報端末6からユーザが直接手入力したユーザに関する情報(ユーザ情報)を取得する。
【0016】
情報処理装置1は、中央制御装置CPU、入力装置I、出力装置O、通信装置TM、主記憶装置M1、補助記憶装置M2などを含む計算機装置により構成されている。ネットワークNWを経由して情報処理装置1に取り込まれた各種の情報は、通信装置TMを介して補助記憶装置M2に蓄積され、その後中央制御装置CPUを用いたプログラムの実行により、情報解析などの処理が行われる。処理中の情報は主記憶装置M1に記憶される。
【0017】
情報処理装置1は、入力装置Iから解析の指示を与え、中央制御装置CPUは、補助記憶装置M2に蓄積された、家電機器5に関する大量な各種の情報を解析し、解析結果を出力装置Oのモニタ画面などに解析情報として可視化して表示するとともに、各家庭に特化された診断情報Jを各家庭のユーザが保有する携帯情報端末6に送信し表示する。これにより家庭のユーザは、その家庭に特化された情報(暮らしの変化に合わせた家電機器のおすすめ診断情報)を取得することができる。
【0018】
なお図示の例では、主記憶装置M1に格納されたプログラムにより、中央制御装置CPUは入出力処理の機能と、各種の推定処理の機能と、データの診断処理機能などを実現する。収集したデータを蓄積記憶する補助記憶装置M2の記憶内容を大別して示すならば、ユーザ情報、コネ家電稼働情報、商品情報を備えるものとされる。
【0019】
このようにして、情報処理装置1には、コネ家電から家電機器の稼働情報が収集されている。これらは例えば、洗濯・乾燥稼働状況/冷蔵庫庫内カメラの情報などである。ここで、家電機器の稼働情報を取得する取得部は、通信部5並びに家庭内通信装置7がこれに相当する。
【0020】
また情報処理装置1には、家電機器のユーザに関する情報が主に携帯情報端末6経由で収集されている。ユーザに関する情報は、ユーザのライフスタイルに関する情報であり、ユーザの要望や思いである。
【0021】
ユーザのライフスタイルに関する情報は、属性情報(年齢/性別/身長体重などの身体情報…など)、同居家族の情報(世帯人数/家族構成など)、生活空間情報(間取り/築年数/階数など)、家事の実態(家事を行う時間帯や頻度、担当するユーザなど)でありスケジュールアプリと連携して取得も可能、健康情報(アレルギー、服薬情報など)でありヘルスケアアプリと連携して取得も可能、家電の置かれている状況でありユーザの撮影画像から取得可能なもの、といったものである。
【0022】
ユーザの要望や思いとは、家事へのこだわり(週末に時間をかけて念入りにやりたい、平日にさっと済ませたいなど)、環境意識(多少コストがかかっても環境に良い暮らしがしたい、フェアトレードなものを選びたいなど)、家電への要望(重くても吸引力のある掃除機がよい、など)、ライフスタイルへのこだわり(休日は家にいたい、料理を楽しみたいなど)、これからの生活への要望(結婚予定で同居家族が増える、など)、といったものである。
【0023】
さらにユーザに関する情報としては、外部アプリから取得した情報(スケジュール/運動状況など)、購買履歴(よく買う洗剤・食品など)、IoTクローゼット取得情報(洋服の使用・購買履歴など)をふくむものである。
【0024】
これらを整理するならば、ユーザに関する情報とは、ユーザの住環境、プロフィール、家での過ごし方であり、稼働情報とは物理パラメータとその発生時間ということができる。
【0025】
情報処理装置1は、中央制御装置CPUを用いたプログラムPrの実行により、各種処理を実行する。図2は、情報処理装置1における主要な処理内容を示す図である。処理プログラムPr1では、例えば学習処理を利用した情報解析処理を実行し、解析結果を補助記憶装置M2に記憶する。
【0026】
例えば学習処理では、入力蓄積した大容量の情報をクラスタリング処理して、複数のクラスタを生成する。学習によるこれらの解析は例えば、家電機器の製造、販売、在庫に関する状況の把握、ユーザ要望の把握、家電機器使用に関するユーザの活動実態の把握、各家電機器の稼働状況の把握、ユーザ情報の把握、ユーザのライフスタイルの把握などに適用されるものであり、生成された複数のクラスタにより、各種の傾向が判明する。
【0027】
クラスタリングにより求められたこれらの個別のクラスタは、ビッグデータの解析により求めた動向解析結果であり、家電機器5の利用に関する同一傾向を示す情報の集合である。このため、このクラスタに分類されたこと自体が、1つの傾向を示すものではあるが、さらにこの中でクラスタの中心座標からの乖離により、乖離するユーザの特有の傾向を示したものと理解することができる。係る全体把握及び個別各種情報把握を通じて、個別ユーザの特異な傾向が明確化できる。
【0028】
なお、家電機器の稼働情報と家電機器のユーザに関する情報とでは、情報の入手経路が相違することが多いため、自ずと分類可能であるが、判別の再確認の意味において、処理プログラムPr1における情報解析処理では、入力した複数の情報に対して、これらを家電機器の稼働情報と家電機器のユーザに関する情報に再度振り分けして定義しておくのがよい。
【0029】
また処理プログラムPr1における情報解析処理では、個別ユーザにおける各種の情報を区分して把握するための各種設問を発生させておくのがよい。例えば同一クラスタに分類された場合であっても、ユーザの行動(例えば掃除時間)が平均掃除時間からどの程度乖離しているかを判断、確認するための、具体的な数値を含む設問を形成しておくことが、個別ユーザの傾向を具体的に推し量るうえで有効な質問となる。
【0030】
次に情報処理装置1は、図2のプログラムPr2を実行し、家電機器の稼働情報と家電機器のユーザに関する情報とから、このユーザの生活様態の推定処理を実行する。図3は、具体的な推定事例を示しており、取得情報(家電機器の稼働情報または家電機器のユーザに関する情報)と之から推定される生活様態の例を示している。
【0031】
図3の上段のケースによれば、取得情報である「IoT掃除機稼働情報」からは「頻繁に稼働している」という生活様態が推定でき、その他「住居情報」から「部屋数多い」ことが推定でき、「家事へのこだわり」から「気になったときにさっと掃除したい」ことが推定でき、「環境意識」からは「リサイクル性が高い製品が良い」という生活様態が推定できる。
【0032】
図3の2段目のケースによれば、取得情報である「IoT洗濯機稼働情報」からは「製品スペックに対して洗濯容量多め」という生活様態が推定でき、その他「同居家族の情報」から「子供がスポーツをやっている」ことが推定でき、「ヘルスケア情報」から「花粉アレルギーある」ことが推定でき、「購買情報」からは「柔軟剤はフローラル系の香りをよく買う」という生活様態が推定できる。
【0033】
図3の3段目のケースによれば、取得情報である「これからの生活情報」からは「引っ越し予定、新居の間取りや画像」という生活様態が推定でき、その他「家電の置かれている状況」から「新居は木目を基調としたキッチン」であることが推定でき、「IoT冷蔵庫庫内食品情報」から「最近卵が増えた」ことが推定でき、「環境意識」からは「環境にいいのであれば中古商品でもよい」という生活様態が推定できる。
【0034】
図3の4段目のケースによれば、取得情報である「身体情報」からは「祖父は握力が弱い」という生活様態が推定でき、その他「家電への要望」から「唯一無二の個性的な見た目の家電が欲しい」ことが推定でき、「IoT掃除機の使用情報」から「平日は握力の弱い祖父が、休日は握力に問題のない父が掃除をしている」ことが推定できる。
【0035】
次に情報処理装置1は、図2のプログラムPr3を実行し、家電機器の稼働情報と家電機器のユーザに関する情報から推定したユーザの生活様態に対して、さらにユーザの生活様態に適した家電機器の診断処理を実行する。図4は、具体的な診断事例を示しており、図3の家電機器の稼働情報と家電機器のユーザに関する情報から推定したユーザの生活様態に対して、さらにこの診断結果を付与したものである。なお、この診断結果は、図1に示す各家庭に特化された診断情報Jとして、各家庭のユーザが保有する携帯情報端末6に送信し表示される。
【0036】
図4の上段のケースでは、推定した複数の生活様態を総合的に判断しこのユーザに対する家電機器の診断結果として「さっと掃除できる軽さ重視掃除機を提案、部屋数が多いので数本セットでおすすめ、リサイクル性が高いアルミパイプタイプの部品にカスタム」することを提案したものである。
【0037】
同様に図4の2段目のケースでは、「現在使用している洗濯機より容量が多い機種を提案、泥汚れが落ちやすい洗濯コースをプラス、花粉を重点的に落とすコースを提案(2月~5月までサブスクリプション)、フローラル系の香りの柔軟剤をセットで提案」することを提案したものである。
【0038】
同様に図4の3段目のケースでは、「現在ホワイト色冷蔵庫を使用しているが、新居のインテリアに合うようにベージュ色に変更を提案⇒外観扉のみの変更を提案、状態の良い中古部品を提案/卵ケースの追加を提案」することを提案したものである。
【0039】
同様に図4の4段目のケースでは、「使用者によってハンドルを付け替えられるような掃除機を提案、握力の弱い祖父用に握りやすい掃除機ハンドルを提案での作成をおすすめ。ファブリケーション施設と連携して見た目もこだわれるように作成をアシスト」することを提案したものである。
【0040】
プログラムPr2,Pr3は、主にユーザに対するサービス業務に関するものであるが、さらに情報処理装置1は、図2のプログラムPr4の全体管理業務を実行する。図5は、管理業務プログラムPr4の処理内容を示すフローチャートである。
【0041】
この処理では、まず処理ステップS100において各家庭からユーザ情報を入力する。処理ステップS101の判断処理では、コネ家電から情報を入手できるかを判断し、入手できない場合には処理ステップS103に移動して外部情報が取得可能かを判断する。
【0042】
コネ家電から情報を入手できるときには、処理ステップS102でコネ家電の情報を入手し、次いで処理ステップS10では外部情報の取得が可能であるかを判断し、外部情報を入手できない場合には処理ステップS103に移動して外部情報が取得可能かを判断する。外部情報を入手できる場合には処理ステップS104に移動して外部情報を取得する。なお、外部情報とは、図1に示す家電機器のファブリケーション施設31の情報、並びに中古を含む販売業者の在庫情報などである。また処理ステップS105ではユーザが購入を希望する購入候補製品の情報を取得する。
【0043】
上記した各種のデータを入手したうえで、処理ステップS106では、推奨する最適家電の在庫を確認するが、ここでは製造メーカばかりではなく、中古またはリファビッシュ製品(整備品)も含めた在庫品の有無を確認しておくのがよい。商品が確保できることを確認する。
【0044】
処理ステップS107では最適家電の診断を実施する。この処理ステップS106の処理が、図2の解析プログラムPr1,生活様態推定プログラムPr2並びに診断プログラムPr3の実行に対応している。これにより、全体解析に基づいて個別ユーザに対する最適家電の診断結果を求める。
【0045】
そのうえで、処理ステップS108ではユーザの携帯情報端末6に向けて最適家電の診断結果を通知する。
【0046】
処理ステップS108までが、情報処理装置1内における処理内容を示している。これに対し、以降の処理ステップS109から処理ステップS112までは、最適家電の診断結果を提示されたユーザにおける判断、処理を主として記述している。
【0047】
最適家電の診断結果を提示されたユーザは、処理ステップS109において提示された家電機器を検討する。この提示内容で了解できる場合(No)には処理ステップS112に移動し、了解できない場合(Yes)には処理ステップS110に移動する。なお提示された家電機器の検討の中では、製品、部品、或はその組み合わせの変更を考慮するものとし、要望する仕様をユーザの携帯情報端末6から連絡する。これを受けて情報処理装置1では、処理ステップS110において要望を満たす製品、部品、或はその組み合わせの選択肢を再度ユーザの携帯情報端末6に提示する。その結果の繰り返しを含めて、処理ステップS111では、提示された選択肢を選択することで、合意がされたものとする。
【0048】
これにより当初案か、見直し案かを問わず、製品の希望が明確化されたことになり、ユーザは処理ステップS112において携帯情報端末6に表示される確認情報として、ファブリケーション(ここでは個人が自宅のガレージや机の上、特定の施設などを利用してものづくりを行うこととする)を行うか、どうかの判断を求められる。ファブリケーションを行なわない場合(No)には、処理ステップS121に移動し、ファブリケーションを行なう場合(Yes)には処理ステップS113に移動する。
【0049】
因みにファブリケーションを行なわない場合(No)には、処理ステップS121においてユーザは商品を決定し、処理ステップS122において買い方(買い切りまたはレンタルまたはサブスクリプション)を選択し、処理ステップS123において決済処理を、いずれも携帯情報端末6から行う。これを受けて、情報処理装置1側では、処理ステップS24において商品を手配し、処理ステップS25において商品を発送し、処理ステップS126において商品の受け取り、利用段階に入る。
【0050】
ファブリケーションを行なう場合(Yes)には、情報処理装置1は処理ステップS113においてファブリケーション施設31の情報を提供し、処理ステップS114において部品情報を手配し、処理ステップS115において製品を決定し、処理ステップS116において買い方(買い切りまたはレンタルまたはサブスクリプション)を選択し、処理ステップS117において決済処理を行う。これらの手続きは、いずれも携帯情報端末6から行う。これを受けて、情報処理装置1側では、処理ステップS118においてファブリケーション施設31を予約し、処理ステップS119において部品材料を手配し、処理ステップS120においてファブリケーションを行ったうえで処理ステップS126において商品の受け取り、利用段階に入る。なお、レンタルやサブスクリプション型式での買い方を選択した場合、製品の本体となるベース機をレンタルし、ファブリケーションはユーザがカスタマイズした付属部品だけに行う。
【0051】
図6は、ユーザに対して診断結果を提示する際に、診断結果から当該ユーザに提案すべき推奨製品候補を決定するための判断ロジックの一例を示している。図6の推奨製品候補の決定過程は、情報処理装置1側における学習に基づいて行ってもよく、あるいはユーザに対する質問と回答から、順次絞り込みを行うものであってもよい。但し、この場合の質問は、解析されたユーザの生活様態に沿って設問されたものであり、生活様態は家電機器の稼働情報とユーザに関する情報をベースにして形成されていることが望ましい。
【0052】
図6について詳細な説明は割愛するが、複数の質問群とその組み合わせに従い、製品候補案を推定し、ユーザに提示している。またこの提示では、生活様態に適する家電機器候補を選択した根拠となる判断情報を含んでいるのがよい。なお、最初の質問S200においてNOとなった場合には、別の質問が実施されることになる。ここでは質問の繰り返しにより結論を導くことを一事例として述べている。
【0053】
以上述べた本発明によれば、暮らしの変化に合わせた家電機器のおすすめ診断を行うことにより、ユーザの生活様態に合うものをユーザが使用できるという、機器の長期的使用のための抜本的な対策を図ることができる。
【実施例0054】
実施例2では、本発明を実施する上での基本的な考え方、各種代案、変形例についてまとめて説明する。
【0055】
まず情報処理装置1の診断結果としては、生活様態に適する家電機器を提案するのがよく、この時に家電機器を選択した根拠となる判断情報を併せて提示するのがよい。
【0056】
また診断部は、推定した生活様態に基づいて、家電機器の付属品の最適な組み合わせ、または家電機器の部品の最適な組み合わせ、あるいは家電機器の購入方法(サブスクリプション、新品購入、レンタル)を提示するのがよい。
【0057】
また取得部は、さらに、ユーザが現在保有している家電機器の設計に関する情報を取得し、診断部は、診断部が診断した家電機器が、ユーザの要望に適さないと判断された場合に、設計に関する情報に基づいて、ユーザが現在保有している家電機器のカスタマイズを提案するのがよい。なおカスタマイズのメニューはファブリケーション全般とするのがよい。さらに、ユーザが現在保有している家電機器のカスタマイズをユーザが承認した場合に、ユーザが現在保有している家電機器の稼働情報に基づいて、カスタマイズのメニュー(例えば外観または内部の部品交換、ソフトアップデートを含めた改造メニュー)を提案するのがよい。
【符号の説明】
【0058】
1:情報処理装置
2:家庭2
3:家電機器
5:通信部
6:携帯情報端末
7:家庭内通信装置
31:ファブリケーション施設
CPU:中央制御装置
I:入力装置
O:出力装置
TM:通信装置
M1:主記憶装置M1、
M2:補助記憶装置
NW:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6