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  • 特開-制御装置 図1
  • 特開-制御装置 図2
  • 特開-制御装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124680
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/06 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
B60K11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032523
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋道
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AA06
3D038AA09
3D038AB01
3D038AC22
(57)【要約】
【課題】指令デューティ比が0%である場合にも、制御装置が冷却ブロワの動作を適切に制御することができる技術を提供する。
【解決手段】コンバータから受信する指令デューティ比に基づいて冷却ブロワの動作を制御する制御装置を開示する。コンバータは、コンバータが正常状態である場合に、0%よりも大きい指令デューティ比を制御装置に送信するように構成されている。制御装置は、コンバータから指令デューティ比を受信し、指令デューティ比が、0%よりも大きい第1所定値以上である場合に、指令デューティ比に基づいて決定される回転数で動作するように冷却ブロワを動作させ、指令デューティ比が、0%よりも大きく第1所定値未満である場合に、冷却ブロワの動作を停止させ、指令デューティ比が、0%である場合に、冷却ブロワを所定回転数で動作させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバータから受信する指令デューティ比に基づいて冷却ブロワの動作を制御する制御装置であって、
前記コンバータは、前記コンバータが正常状態である場合に、0%よりも大きい前記指令デューティ比を前記制御装置に送信するように構成されており、
前記制御装置は、
前記コンバータから前記指令デューティ比を受信し、
前記指令デューティ比が、0%よりも大きい第1所定値以上である場合に、前記指令デューティ比に基づいて決定される回転数で動作するように前記冷却ブロワを動作させ、
前記指令デューティ比が、0%よりも大きく前記第1所定値未満である場合に、前記冷却ブロワの動作を停止させ、
前記指令デューティ比が、0%である場合に、前記冷却ブロワを所定回転数で動作させる、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、冷却ブロワの動作を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、電池パックと、電池パックを冷却する冷却ブロワと、冷却ブロワの動作を制御する制御装置と、を備える冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-247341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷却ブロワを利用してコンバータを冷却する技術が知られている。この技術では、制御装置は、コンバータから指令デューティ比を受信し、受信した指令デューティ比に基づいて冷却ブロワの動作を制御する。このような構成において、コンバータが発熱を伴う故障した場合に、制御装置がコンバータから受信する指令デューティ比が0%となることがある。この場合、コンバータを冷却するために、冷却ブロワを駆動させることが望ましい。しかし、制御装置は、冷却ブロワの動作を停止させることを目的として、0%の指令デューティ比をコンバータから受信することもある。この場合、冷却ブロワの動作を停止させることが望ましい。このように、制御装置は、コンバータから0%の指令デューティ比を受信する場合に、冷却ブロワを駆動させるべきなのか、又は、冷却ブロワの動作を停止させるべきなのかを適切に判断することができない。
【0005】
本明細書では、指令デューティ比が0%である場合にも、制御装置が冷却ブロワの動作を適切に制御することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の態様では、コンバータから受信する指令デューティ比に基づいて冷却ブロワの動作を制御する制御装置を開示する。前記コンバータは、前記コンバータが正常状態である場合に、0%よりも大きい前記指令デューティ比を前記制御装置に送信するように構成されている。前記制御装置は、前記コンバータから前記指令デューティ比を受信し、前記指令デューティ比が0%よりも大きい第1所定値以上である場合に、前記指令デューティ比に基づいて決定される回転数で動作するように前記冷却ブロワを動作させ、前記指令デューティ比が0%よりも大きく前記第1所定値未満である場合に、前記冷却ブロワの動作を停止させ、前記指令デューティ比が0%である場合に、前記冷却ブロワを所定回転数で動作させる。
【0007】
上記の構成によると、コンバータは、コンバータが正常状態である場合に、指令デューティ比「0%」を送信しない。そして、制御装置は、コンバータから、0%よりも大きく第1所定値未満である指令デューティ比を受信する場合に、冷却ブロワの動作を停止させ、コンバータから、0%である指令デューティ比を受信する場合に、冷却ブロワを所定回転数で動作する。従って、指令デューティ比が0%である場合にも、制御装置は冷却ブロワの動作を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】冷却システム2の制御構成を示す図。
図2】指令デューティ比と冷却ブロワの回転数との関係を示すグラフである。
図3】制御装置によって実行される駆動処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
図1に示すように、冷却システム2は、コンバータ10と、制御装置12と、冷却ブロワ14と、を備えている。冷却システム2は、例えば、電動車に搭載される。冷却ブロワ14は、コンバータ10を冷却する。
【0010】
コンバータ10は、制御装置12と通信可能に構成されている。コンバータ10は、指令デューティ比を制御装置12に送信するように構成されている。コンバータ10は、コンバータ10が正常状態である場合に、0%よりも大きく100%よりも小さい値を指令デューティ比として制御装置12に送信するように構成されている。
【0011】
制御装置12は、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。制御装置12は、回転数マップ16が記憶されている。制御装置12は、回転数マップ16を利用して、冷却ブロワ14の動作を制御する。
【0012】
図2を参照して、回転数マップ16について説明する。回転数マップ16は、コンバータ10から受信される指令デューティ比に基づいて、冷却ブロワ14の回転数を決定するためのマップである。回転数マップ16の縦軸は、冷却ブロワ14の回転数[rpm]を示し、横軸は指令デューティ比[%]を示している。以下では、冷却ブロワ14の回転数のことを「ブロワ回転数」と記載する。
【0013】
図2に示すように、指令デューティ比が「0%」又は「100%」である場合のブロワ回転数には、冷却ブロワ14の最大回転数Rmaxが設定されている。指令デューティ比が0%よりも大きく第1所定値α(例えば2%)よりも小さい第1停止範囲SR1内、又は、指令デューティ比が第2所定値β(例えば98%)よりも大きく100%よりも小さい第2停止範囲SR2内である場合のブロワ回転数には、「0」が設定されている。指令デューティ比が第1所定値α以上であり第2所定値β以下である通常範囲NR内である場合のブロワ回転数は、0rpm~最大回転数Rmaxの範囲内で比例的に増加するように設定されている。
【0014】
(駆動処理;図3
図3を参照して、制御装置12によって実行される駆動処理について説明する。制御装置12は、他の制御装置からコンバータ10を起動させるための信号が受信される場合に、図3の駆動処理を実行する。
【0015】
S2において、制御装置12は、コンバータ10を駆動させる。
【0016】
S4において、制御装置12は、コンバータ10から指令デューティ比を受信する。
【0017】
S6において、制御装置12は、指令デューティ比が、第1所定値α以上であり、かつ、第2所定値β以下であるのか否かを判断する。即ち、制御装置12は、指令デューティ比が、回転数マップ16の通常範囲NR内の値であるのか否かを判断する。制御装置12は、指令デューティ比が回転数マップ16の通常範囲NR内の値である場合に、S6でYESと判断し、S8に進む。一方、制御装置12は、指令デューティ比が回転数マップ16の通常範囲NR外の値である場合に、S6でNOと判断し、S10に進む。
【0018】
S8において、制御装置12は、指令デューティ比と回転数マップ16とを利用して、冷却ブロワ14を駆動させる。具体的には、制御装置12は、指令デューティ比と回転数マップ16とを利用してブロワ回転数を特定し、特定済みのブロワ回転数となるように冷却ブロワ14の動作を制御する。制御装置12は、S8が終了すると、S4に戻る。
【0019】
S10において、制御装置12は、指令デューティ比が0%であるのか否か、又は、指令デューティ比が100%であるのか否かを判断する。制御装置12は、指令デューティ比が0%及び100%のいずれでもない場合に、S10でNOと判断し、S12に進む。一方、制御装置12は、指令デューティ比が0%である場合、又は、指令デューティ比が100%である場合に、S10でYESと判断し、S12に進む。なお、S12でYESと判断される場合とは、指令デューティ比が、回転数マップ16の第1停止範囲SR1内の値、又は、第2停止範囲SR2内の値である場合である。
【0020】
S12において、制御装置12は、冷却ブロワ14の動作を停止させる。
【0021】
S14において、制御装置12は、他の制御装置からコンバータ停止要求を受信しているのか否かを判断する。コンバータ停止要求は、コンバータ10の動作を停止させることを要求するための信号である。制御装置12は、コンバータ停止要求を受信済みである場合に、S14でYESと判断し、S16に進む。一方、制御装置12は、コンバータ停止要求を受信していない場合に、S14でNOと判断し、S4に戻る。
【0022】
S16において、制御装置12は、コンバータ10の動作を停止させる。制御装置12は、S16が終了すると、図3の処理を終了する。
【0023】
また、S20において、制御装置12は、指令デューティ比と回転数マップ16とを利用して、冷却ブロワ14を駆動させる。具体的には、制御装置12は、指令デューティ比と回転数マップ16とを利用して、最大回転数Rmaxをブロワ回転数として特定し、ブロワ回転数が最大回転数Rmaxとなるように冷却ブロワ14の動作を制御する。制御装置12は、S20が終了すると、図3の処理を終了する。
【0024】
上述のように、制御装置12は、コンバータ10から受信する指令デューティ比に基づいて冷却ブロワ14の動作を制御する。コンバータ10は、コンバータ10が正常状態である場合に、0%よりも大きい指令デューティ比を制御装置12に送信するように構成されている。制御装置12は、コンバータ10から指令デューティ比を受信し(図3のS4)、指令デューティ比が、0%よりも大きい第1所定値α以上である場合(S6でYES)に、指令デューティ比に基づいて決定される回転数で動作するように冷却ブロワ14を動作させ、指令デューティ比が、0%よりも大きく第1所定値α未満である場合(S10でNO)に、冷却ブロワ14の動作を停止させ、指令デューティ比が、0%である場合(S10でYES)に、冷却ブロワ14を最大回転数Rmax(「所定回転数」の一例)で動作させる。
【0025】
上記の構成によると、コンバータ10は、コンバータ10が正常状態である場合に、指令デューティ比「0%」を送信しない。そして、制御装置12は、コンバータ10から、0%よりも大きく第1所定値α未満である指令デューティ比を受信する場合に、冷却ブロワ14の動作を停止させ、コンバータ10から、0%である指令デューティ比を受信する場合に、冷却ブロワ14を最大回転数Rmaxで動作する。従って、指令デューティ比が0%である場合にも、制御装置12は冷却ブロワ14の動作を適切に制御することができる。
【0026】
また、制御装置12は、コンバータ10は、コンバータ10が正常状態である場合に、指令デューティ比「100%」を送信しない。そして、制御装置12は、コンバータ10から、第2所定値βよりも大きく100%未満である指令デューティ比を受信する場合(図3のS6でYES)に、冷却ブロワ14の動作を停止させ、コンバータ10から、100%である指令デューティ比を受信する場合(S10でNO)に、冷却ブロワ14を最大回転数Rmaxで動作する。従って、指令デューティ比が100%である場合にも、制御装置12は冷却ブロワ14の動作を適切に制御することができる。
【符号の説明】
【0027】
2:冷却システム、10:コンバータ、12:制御装置、14:冷却ブロワ、16:回転数マップ
図1
図2
図3