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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124695
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6461 20110101AFI20240906BHJP
   H01R 24/40 20110101ALN20240906BHJP
   H01R 9/05 20060101ALN20240906BHJP
【FI】
H01R13/6461
H01R24/40
H01R9/05 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032559
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】武井 亮輔
【テーマコード(参考)】
5E021
5E077
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FB11
5E021FC20
5E021FC40
5E077BB06
5E077BB22
5E077EE18
5E077FF24
5E077JJ15
5E223AB58
5E223AB65
5E223AB67
5E223BA07
5E223BA08
5E223BA12
5E223CA13
5E223CC09
5E223CD01
5E223CD02
5E223GA08
5E223GA33
(57)【要約】
【課題】低コストで製造可能な電気コネクタを提供すること。
【解決手段】プラグコネクタ20は、絶縁性を有するハウジング22と、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列された導電性の複数の信号コンタクト23Bと、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列された導電性の複数のグランドコンタクト23Aと、を備える。グランドコンタクト23Aは、電気ケーブル60の外部導体63に接するグランド部材210に接続される第1接続部231と、リセプタクルコネクタ10の導電性のグランド端子13Aに接続される第2接続部232と、を有している。第1接続部231は、第2接続部232に連続する箇所からグランド部材210まで延びている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有するハウジングと、
第1方向に沿って前記ハウジングに配列された導電性の複数の信号コンタクトと、
前記第1方向に沿って前記ハウジングに配列された導電性の複数のグランドコンタクトと、を備え、
前記グランドコンタクトは、
電気ケーブルの外部導体に接するグランド部材、又は、前記外部導体に接続される第1接続部と、相手コネクタの導電性のグランド端子に接続される第2接続部と、を有し、
前記第1接続部は、
前記第2接続部に連続する箇所から前記グランド部材又は前記外部導体まで延びている、電気コネクタ。
【請求項2】
前記複数のグランドコンタクトに含まれる隣り合う2つのグランドコンタクト同士を連結する連結部を更に備え、
前記隣り合う2つのグランドコンタクトは、前記第1方向において、前記信号コンタクトを挟むように配置されており、
前記連結部は、前記隣り合う2つのグランドコンタクトの前記第1接続部同士を連結する第1連結部を有する、請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記連結部は、前記隣り合う2つのグランドコンタクトの前記第2接続部同士を連結する第2連結部を有する、請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記信号コンタクトは、前記電気ケーブルの信号線に接続される第3接続部と、前記相手コネクタの導電性の信号端子に接続される第4接続部と、を有し、
前記第3接続部及び前記第4接続部は、前記隣り合う2つのグランドコンタクトと、前記第1連結部及び前記第2連結部とによって囲まれている、請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記第1方向から見ると、前記第1接続部は前記第3接続部に重なるように配置されており、前記第2接続部は前記第4接続部に重なるように配置されている、請求項4記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記隣り合う2つのグランドコンタクトは、前記第1方向において、差動伝送を行う2つの前記信号コンタクトを挟むように配置されている、請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記第1方向に沿って延びている、請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記複数のグランドコンタクトには、前記隣り合う2つのグランドコンタクトを1セットとしたグランドコンタクト対が複数セット含まれており、
隣り合う2つの前記グランドコンタクト対は、互いの前記第1連結部同士が連結されると共に、互いの前記第2連結部同士が連結されている、請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記グランド部材は、前記第1方向、及び、前記第1方向に交差する方向であって前記電気ケーブルが延びる方向である第2方向、の両方に交差する第3方向において互いの間に前記外部導体を挟み込むように配置され、前記第1方向に延びる一対のグランドバーを有し、
一方の前記グランドバーは、前記第3方向において、他方の前記グランドバーよりも前記第1接続部に近い位置に設けられており、前記第1接続部に接続されている、請求項1~8のいずれか一項記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記グランド部材は、前記第1方向、及び、前記第1方向に交差する方向であって前記電気ケーブルが延びる方向である第2方向、の両方に交差する第3方向において、前記第1接続部との間に前記外部導体を挟み込むように配置され、前記第1方向に延びるグランドバーを有し、
前記第1接続部は、前記グランドバーを介さずに前記外部導体に接続されている、請求項1~8のいずれか一項記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の同軸ケーブルの外部導体がグランドバーに半田接合され、グランドバーに、同軸ケーブルの中心導体と同じ方向に延びる突起部(グランドフィンガー)が設けられ、中心導体及び突起部が対応するコネクタ端子にそれぞれ半田接合されたコネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-41285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した、コンタクトに半田接合されるグランドフィンガー(突起部)は、高周波における電気特性の向上を図るために設けられている。しかしながら、グランドフィンガー(突起部)の形成に要する費用が高いことから、グランドフィンガーを設けることによって、電気コネクタの製造コストが増大することにつながっている。
【0005】
本開示は、低コストで製造可能な電気コネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電気コネクタは、絶縁性を有するハウジングと、第1方向に沿ってハウジングに配列された導電性の複数の信号コンタクトと、第1方向に沿ってハウジングに配列された導電性の複数のグランドコンタクトと、を備え、グランドコンタクトは、電気ケーブルの外部導体に接するグランド部材、又は、外部導体に接続される第1接続部と、相手コネクタの導電性のグランド端子に接続される第2接続部と、を有し、第1接続部は、第2接続部に連続する箇所からグランド部材又は外部導体まで延びている。本開示の電気コネクタでは、グランドコンタクトの第1接続部が電気ケーブルの外部導体に接するグランド部材又は外部導体に接続されると共に、第2接続部が相手コネクタのグランド端子に接続されている。そして、第1接続部が、第2接続部に連続する箇所からグランド部材又は外部導体まで延びている。このように、第1接続部がグランド部材等まで延び、グランド部材等への接続が直接可能とされていることにより、グランドコンタクトと電気ケーブルの外部導体との導通を図るための構成として所謂、グランドフィンガー(突起部)等を設けることなく、第1接続部とグランド部材等とを直接接続することによって、上記導通を図ることができる。これにより、グランドフィンガーを設ける場合と比較して、製造コストを低減することができる。以上のように、本開示によれば、低コストで製造可能な電気コネクタを提供することができる。
【0007】
上記電気コネクタは、複数のグランドコンタクトに含まれる隣り合う2つのグランドコンタクト同士を連結する連結部を更に備え、隣り合う2つのグランドコンタクトは、第1方向において、信号コンタクトを挟むように配置されており、連結部は、隣り合う2つのグランドコンタクトの第1接続部同士を連結する第1連結部を有していてもよい。このように、信号コンタクトを挟む2つのグランドコンタクトについて、第1接続部同士が第1連結部で連結されることにより、2つのグランドコンタクトの間に挟まれた信号コンタクトと、他の信号コンタクトとの間におけるクロストークが効果的に抑制される。すなわち、グランド部材に接続される部分(第1接続部)同士が第1連結部によって連結されることにより、接続に係る構成が第1連結部によって連結されることとなり、伝送速度が速くなった場合においても、クロストークを効果的に抑制することができる。
【0008】
連結部は、隣り合う2つのグランドコンタクトの第2接続部同士を連結する第2連結部を有していてもよい。このように、信号コンタクトを挟む2つのグランドコンタクトについて、第2接続部同士についても第2連結部で連結されることにより、2つのグランドコンタクトの間に挟まれた信号コンタクトと、他の信号コンタクトとの間におけるクロストークをより効果的に抑制することができる。
【0009】
信号コンタクトは、電気ケーブルの信号線に接続される第3接続部と、相手コネクタの導電性の信号端子に接続される第4接続部と、を有し、第3接続部及び第4接続部は、隣り合う2つのグランドコンタクトと、第1連結部及び第2連結部とによって囲まれていてもよい。このような構成によれば、信号コンタクトにおける信号線に接続される部分及び相手コネクタの信号端子に接続される部分の両方が、2つのグランドコンタクトと第1連結部及び第2連結部とによって囲まれるので、より効果的にクロストークを抑制することができる。
【0010】
第1方向から見ると、第1接続部は第3接続部に重なるように配置されており、第2接続部は第4接続部に重なるように配置されていてもよい。このような構成によれば、グランドコンタクトが信号コンタクトに重なるように配置され、効果的にクロストークを抑制することができる。
【0011】
隣り合う2つのグランドコンタクトは、第1方向において、差動伝送を行う2つの信号コンタクトを挟むように配置されていてよい。差動伝送を行う場合、高速伝送になりクロストークが問題になりやすい。この点、差動伝送を行う2つの信号コンタクトを挟むように、上述した隣り合う2つのグランドコンタクトが配置されていることにより、2つのグランドコンタクト及び2つの連結部によって、差動伝送時におけるクロストークを効果的に抑制することができる。
【0012】
第1連結部及び第2連結部は、第1方向に沿って延びていてもよい。このような構成によれば、最短距離で第1連結部及び第2連結部を設けることができ、構成を簡素化することができる。
【0013】
複数のグランドコンタクトには、隣り合う2つのグランドコンタクトを1セットとしたグランドコンタクト対が複数セット含まれており、隣り合う2つのグランドコンタクト対は、互いの第1連結部同士が連結されると共に、互いの第2連結部同士が連結されていてもよい。このような構成によれば、グランドコンタクトの数が増えた場合においても、構成を簡素化することができ、構成の小型化を実現することができる。
【0014】
グランド部材は、第1方向、及び、第1方向に交差する方向であって電気ケーブルが延びる方向である第2方向、の両方に交差する第3方向において互いの間に外部導体を挟み込むように配置され、第1方向に延びる一対のグランドバーを有し、一方のグランドバーは、第3方向において、他方のグランドバーよりも第1接続部に近い位置に設けられており、第1接続部に接続されていてもよい。このように、第1接続部が、離間距離が短いグランドバーに接続されていることにより、グランド経路を短くすることができ、ノイズを抑制することができる。
【0015】
グランド部材は、第1方向、及び、第1方向に交差する方向であって電気ケーブルが延びる方向である第2方向、の両方に交差する第3方向において、第1接続部との間に外部導体を挟み込むように配置され、第1方向に延びるグランドバーを有し、第1接続部は、グランドバーを介さずに外部導体に接続されていてもよい。このように、第1接続部がグランドバーを介さずに外部導体に直接接続されることにより、部品点数を削減して製造コストの低減を実現すると共に、接続箇所を少なくし、ノイズを好適に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、低コストで製造可能な電気コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係るコネクタ装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1のコネクタ装置を示す平面図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図1のコネクタ装置に含まれるリセプタクルコネクタを示す斜視図である。
図5図5は、図1のコネクタ装置に含まれるプラグコネクタを示す斜視図である。
図6図6は、プラグコネクタの導電端子及びリセプタクルコネクタの導電端子の接続に係る構成を示す側面図である。
図7図7は、プラグコネクタの導電端子及びリセプタクルコネクタの導電端子の接続に係る構成を示す平面図である。
図8図8は、プラグコネクタの導電端子及びリセプタクルコネクタの導電端子の接続に係る構成を示す底面図である。
図9図9は、比較例に係るグランド接続を説明する斜視図である。
図10図10(a),(b)は比較例に係る共振点を示すグラフであり、図10(c),(d)は本実施形態に係る共振点を示すグラフである。
図11図11は、変形例に係るコネクタ装置のグランド接続を説明する側面図である。
図12図12は、別の変形例に係るコネクタ装置のグランド接続を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面においては、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。各図において、Z軸正方向を「上」、Z軸負方向を「下」という場合がある。また、各図において、X軸正方向を「後」、X軸負方向を「前」という場合がある。以下に説明される本開示に係る実施形態は、本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。
【0019】
[コネクタ装置]
図1図3を参照して、コネクタ装置1の概要について説明する。図1は、本実施形態に係るコネクタ装置1を示す斜視図である。図2は、図1のコネクタ装置1を示す平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。図1図3に示されるように、コネクタ装置1は、電気コネクタである、リセプタクルコネクタ10と、プラグコネクタ20と、を備える。リセプタクルコネクタ10は、プラグコネクタ20の相手コネクタである。プラグコネクタ20は、リセプタクルコネクタ10の相手コネクタである。リセプタクルコネクタ10は、回路基板50に取り付けられ、回路基板50に電気的に接続されている。プラグコネクタ20は、電気ケーブル60(接続体)の端末部分に取り付けられ、電気ケーブル60に電気的に接続されている。
【0020】
リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20は、回路基板50の主面50s(表面。例えば、XY平面)に平行な方向であって電気ケーブル60が延びる方向である第2方向(例えばX軸方向)において互いに嵌合及び抜去可能に構成されている。リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20は、所謂、水平嵌合を行う電気コネクタである。リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が嵌合した状態において、回路基板50の主面50sに形成されている導電路(例えば配線であって、図示を省略する。)と電気ケーブル60とが電気的に接続される。このように、コネクタ装置1は、当該導電路と電気ケーブルとを電気的に接続するための装置である。
【0021】
回路基板50は、電子回路や電子部品を搭載する各種の基板であり、例えばプリント配線基板又はフレキシブルプリント基板等である。回路基板50は、主面50s上にリセプタクルコネクタ10を半田接続等により実装している。
【0022】
電気ケーブル60は、携帯電話等の小型の電子機器に内蔵される各種の回路基板間で信号等を伝送するために用いられる配線である。電気ケーブル60は、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が嵌合した状態において、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びている。電気ケーブル60は、図3に示されるように、線状に延びる金属線(例えば銅線)からなる内部導体61と、内部導体61の周面を覆う絶縁体62と、円筒状を呈する金属編組線とからなり、且つ絶縁体62の周面を覆う外部導体63と、外部導体63の周面を覆う保護被膜64とを含む。
【0023】
電気ケーブル60は、プラグコネクタ20が取り付けられる先端部(端末部分)から基端部(先端部とは逆の端末部分)に向かうにつれて内部導体61、絶縁体62、外部導体63及び保護被膜64がこの順で段状に露出される。例えば電気ケーブル60は同軸ケーブル等である。プラグコネクタ20は、第2方向及び第3方向の双方に交差する第1方向(例えばY軸方向)に沿って延びる同軸ケーブル用のコネクタであってもよい。
【0024】
以下、第1方向がY軸方向に沿い、第2方向がX軸方向に沿い、第3方向がZ軸方向に沿うものとして説明する。
【0025】
[リセプタクルコネクタ]
図3及び図4を参照してリセプタクルコネクタ10について詳細に説明する。図4は、図1のコネクタ装置1に含まれるリセプタクルコネクタ10を示す斜視図である。リセプタクルコネクタ10は、全体としてY軸方向に沿って延びる長尺状のコネクタであり、回路基板50の主面50s(図1参照)に取り付けられている。図3及び図4に示されるように、リセプタクルコネクタ10は、シェル11と、ハウジング12と、複数の導電端子13(導電性のグランド端子及び信号端子)と、を含んでいる。
【0026】
ハウジング12は、樹脂を含んだ絶縁材料で構成されており、複数の導電端子13を保持すると共に、シェル11と導電端子13との間を絶縁する。ハウジング12は、基部12aと、一対の端部12b,12bと、を含む。基部12aは、Y軸方向に沿って延びる略矩形状を呈する板状体である。基部12aにおけるX軸方向の前端面12cには、基部12aをX軸方向に貫通する複数の貫通孔12dが形成されている。複数の貫通孔12dは、Y軸方向に沿って配列されている。貫通孔12dは、導電端子13が挿入される孔部である。貫通孔12dから挿入される導電端子13は、基部12aの上壁12eに沿ってX軸方向に延びる(図3参照)。
【0027】
前端面12cにおける貫通孔12dよりも下方の領域には、基部12aをX方向に貫通するシェル固定穴12fが複数形成されている。複数のシェル固定穴12fは、Y軸方向において所定の間隔で、複数形成されている。シェル固定穴12fには、シェル11の一部が挿入される。図3に示されるように、前端面12cにおいては、Z軸方向において、上壁12e、貫通孔12d、及び下壁12hが順に形成されている。上壁12e及び下壁12hに挟まれる領域には、プラグコネクタ20の一部を収容する収容空間AS(図3参照)が形成されている。一対の端部12b,12bは、基部12aのY方向の両端部に設けられている。端部12bは、シェル11によって覆われている。
【0028】
シェル11は、導電性の板材にプレス加工を施すことによって形成されている。シェル11は、上壁11aと、下壁11bと、側壁11c,11cと、を有する。上壁11aは、ハウジング12の基部12aの上壁12eを上方から覆う部分である。下壁11bは、ハウジング12の下壁12hに載置されるように設けられる部分である。下壁11bは、X方向の端部において、X方向の前方に突出した突出部11d(図4参照)を複数有する。突出部11dは、Y軸方向において所定の間隔で、複数設けられている。突出部11dは、ハウジング12のシェル固定穴12fに挿入される。これにより、ハウジング12に対してシェル11が固定される。側壁11c,11cは、ハウジング12の端部12bを覆うように設けられる。
【0029】
複数の導電端子13は、導電性の板材にプレス加工を施すことによって形成されている。複数の導電端子183は、Y軸方向に沿ってハウジング12に配列されている。各導電端子13は、X軸方向に沿って延び、図3に示されるように、第1部分13aと、立ち上がり部13bと、延在部13cと、接触部13dと、を含む。
【0030】
第1部分13aは、回路基板(不図示)の主面上に配置され、回路基板の主面に沿って延びる部分である。第1部分13aは、回路基板の導電路であるパッドに実装され、該パッドに半田等によって接続される。立ち上がり部13bは、第1部分13aに連続すると共に上方に立ち上がる部分である。延在部13cは、立ち上がり部13bの上端に連続すると共に、X方向に延在する部分である。延在部13cは、ハウジング12の貫通孔12dを通過するようにX方向に延在する。接触部13dは、延在部13cの後端に連続するように設けられており、プラグコネクタ20の導電端子23に接触する部分である。導電端子13は、図7に示されるように、互いに同じ形状であるグランド端子13Aと信号端子13Bとを有する。
【0031】
[プラグコネクタ]
次に、図3及び図5図8を参照し、プラグコネクタ20について詳細に説明する。図5は、図1のコネクタ装置1に含まれるプラグコネクタ20を示す斜視図である。プラグコネクタ20は、全体としてY軸方向に沿って延びる長尺状のコネクタであり、リセプタクルコネクタ10に嵌合するように構成され、且つ、電気ケーブル60が接続されたコネクタである。図3及び図5に示されるように、プラグコネクタ20は、シェル21と、ハウジング22と、複数の導電端子23とを含む。
【0032】
ハウジング22は、樹脂を含んだ絶縁材料で構成されており、複数の導電端子23を保持すると共に、シェル21と導電端子23との間を絶縁する。ハウジング22は、基部22aと、中央壁部22bと、一対の端部22c,22cと、を含む。基部22aは、Y軸方向に沿って延びる略矩形状を呈する板状体である。基部22aの上壁22dには、複数の導電端子23が露出するようにY軸方向に沿って配列される。中央壁部22bは、基部22aの上壁22dにおけるX軸方向の略中央部分においてY軸方向の全域に設けられており、Z方向に立ち上がった部分である。図3に示されるように、基部22aにおける中央壁部22bよりも前方(X軸負方向)の部分は、リセプタクルコネクタ10のハウジング12の上壁12e及び下壁12h間の収容空間ASに収容(嵌合)される。中央壁部22bは、ハウジング12の上壁12eの上端12xに当接することにより、リセプタクルコネクタ10に嵌合されるプラグコネクタ20の位置決めを行う。一対の端部22c,22cは、基部22aのY方向の両端部に設けられている。端部22cは、シェル21によって覆われている。
【0033】
シェル21は、導電性の板材にプレス加工を施すことによって形成されている。図3及び図5に示されるように、シェル21は、上壁21aと、ロックバー覆い部21bと、を有する。上壁21aは、ハウジング22の上壁22dを上方から覆う部分である。上壁21aは、ハウジング22の上壁22dの内、概ね、中央壁部22bよりも後方(X軸正方向)の領域を覆う。ロックバー覆い部21bは、ロックバー80の一部を覆うように設けられている。ロックバー80は、プラグコネクタ20に回動可能に取り付けられており、プラグコネクタ20及びリセプタクルコネクタ10が嵌合した状態を保持するロック部材である。
【0034】
複数の導電端子23は、導電性の板材にプレス加工を施すことによって形成されている。複数の導電端子123は、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列されている。図6図8は、プラグコネクタ20の導電端子23及びリセプタクルコネクタ10の導電端子13の接続に係る構成を示す図であり、それぞれ、側面図、平面図、底面図である。なお、図6図8の各図においては、プラグコネクタ20の導電端子23、リセプタクルコネクタ10の導電端子13、電気ケーブル60、及びグランド部材210(詳細は後述)のみを図示し、その他の構成を図示していない。
【0035】
図7に示されるように、複数の導電端子23は、複数のグランドコンタクト23Aと、複数の信号コンタクト23Bと、を含んで構成されている。複数のグランドコンタクト23Aは、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列されている。グランドコンタクト23Aは、リセプタクルコネクタ10のグランド端子13Aに接続されている。複数の信号コンタクト23Bは、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列されている。信号コンタクト23Bは、リセプタクルコネクタ10の信号端子13Bに接続されている。プラグコネクタ20のグランドコンタクト23A及び信号コンタクト23B、並びに、リセプタクルコネクタ10のグランド端子13A及び信号端子13Bは、それぞれ、X軸方向に沿って延びている。隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aは、Y軸方向において、例えば差動伝送を行う2つの信号コンタクト23B,23Bを挟むように配置されている。グランドコンタクト23A及び信号コンタクト23Bは、互いに別の形状とされてもよいし、互いに同一の形状とされていてもよい。Y軸方向において、グランドコンタクト23Aの両隣は信号コンタクト23Bであり、信号コンタクト23Bの両隣は一方がグランドコンタクト23Aであり他方が信号コンタクト23Bである。
【0036】
信号コンタクト23Bは、図7に示されるように、電気ケーブル60の信号線である内部導体61に接続される第3接続部233と、第3接続部233に連続すると共にプラグコネクタ20の信号端子13Bに接続される第4接続部234と、を有する。第3接続部233及び第4接続部234は、いずれもX軸方向に沿って延びている。
【0037】
図6図8に示されるように、プラグコネクタ20は、グランド回路の構成として、電気ケーブル60の外部導体63に接触するグランド部材210を有している。グランド部材210は、図6に示されるように、例えば、一対のグランドバー211,212と、半田部213と、を含んで構成されている。一対のグランドバー211,212は、Z方向における互いの間に外部導体63を挟み込むように配置されている。一方のグランドバー212は、外部導体63の下部を覆うように設けられている。他方のグランドバー211は、外部導体63の上部を覆うように設けられている。一対のグランドバー211,212は、Y軸方向に沿って延びている(図7及び図8参照)。半田部213は、一対のグランドバー211,212を外部導体63に固定する半田付け部分である。外部導体63には、一対のグランドバー211,212が直接接触していてもよいし、半田部213のみが接触していてもよい。
【0038】
グランドコンタクト23Aの詳細について、図6図8を参照して説明する。図6図8に示されるように、グランドコンタクト23Aは、第1接続部231と、第2接続部232と、を有している。第1接続部231及び第2接続部232は、いずれもX軸方向に沿って延びている。
【0039】
第1接続部231は、外部導体63に接するグランド部材210、具体的には一対のグランドバー211,212の内、下部のグランドバー212に接続される部分である(図6参照)。第2接続部232は、リセプタクルコネクタ10の導電性のグランド端子13Aに接続される部分である(図6参照)。第1接続部231は、第2接続部232に連続する箇所からグランドバー212まで延びている。
【0040】
図6に示されるように、第1接続部231は、グランドバー212の下面212aに接続される部分であってX軸方向に延びる第1部分231aと、第1部分231aの前端に連続すると共に上方に立ち上がりながらX軸方向の前方に延びる第2部分231bと、第2部分231bの前端に連続すると共にX軸方向の前方に延びる第3部分231cと、第3部分231cの前端に連続すると共に上方に立ち上がりながらX軸方向の前方に延びる第4部分231dと、第4部分231dの前端に連続すると共にX軸方向の前方に延びる第5部分231eと、を有する。また、第2接続部232は、第1接続部231の第5部分231eに連続すると共に上方に立ち上がりながらX軸方向の前方に延びる第1部分232aと、第1部分232aの前端に連続すると共にX軸方向の前方に延びる第2部分232bと、第2部分232bの前端に連続すると共に下方に向かいながらX軸方向の前方に延びる第3部分232cと、第3部分232cの前端に連続すると共にX軸方向の前方に延びる第4部分232dと、を有する。第2部分232bは、接触部13dに接触する部分である。また、第4部分232dはハウジングに埋設されて固定される部分である。
【0041】
ここで、上述した一対のグランドバー211,212の内、下部のグランドバー212は、Z軸方向において、上部のグランドバー211よりも第1接続部231に近い位置に設けられており、第1接続部231の第1部分231aに接続されている。すなわち、第1接続部231は、一対のグランドバー211,212の内、近接する方のグランドバー212に接続されている。
【0042】
更に、本実施形態に係るプラグコネクタ20では、クロストークを抑制する観点から、信号コンタクト23Bを挟むように配置された、互いに隣り合う2つのグランドコンタクト23A同士を連結する構成が設けられている。以下では、互いに隣り合う2つのグランドコンタクト23A同士を連結する構成について、図7及び図8を参照して説明する。
【0043】
図8に示されるように、プラグコネクタ20は、複数のグランドコンタクト23Aに含まれる、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23A同士を連結する連結部28を有する。連結部28は、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aの第1接続部231,231同士を連結する第1連結部28aを有する。連結部28は、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aの第2接続部232,232同士を連結する第2連結部28cを有する。
【0044】
第1連結部28aは、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aの第1接続部231,231の第1部分231a,231a(図6参照)の後端部分同士を連結するように、Y軸方向に沿って延びている。第1連結部28aは、第1部分231aと共にグランドバー212の下面212aに接触していてもよい。第2連結部28cは、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aの第2接続部232,232の第4部分232d,232d(図6参照)同士を連結するように、Y軸方向に沿って延びている。信号コンタクト23Bは、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aと、第1連結部28a及び第2連結部28cと、によって囲まれている(図8参照)。詳細には、信号コンタクト23Bの第3接続部233及び第4接続部234は、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aと、第1連結部28a及び第2連結部28cと、によって囲まれている(図8参照)。なお、図6に示される側面図においてグランドコンタクト23Aを構成する第1接続部231及び第2接続部232が示されているのに対して信号コンタクト23Bを構成する第3接続部233及び第4接続部234が示されていないことからも明らかなように、本実施形態に係る構成では、Y軸方向から見ると、第1接続部231は第3接続部233に重なるように配置されており、第2接続部232は第4接続部234に重なるように配置されている。
【0045】
上述したように、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23A同士が第1連結部28a及び第2連結部28cによって連結されている。図8に示されるように、複数のグランドコンタクト23Aには、このように連結された隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aを1セットとしたグランドコンタクト対39が複数セット含まれている。そして、互いに隣り合う2つのグランドコンタクト対39,39は、互いの第1連結部28a,28a同士が連結されると共に、互いの第2連結部28c,28c同士が連結されている。このようにして、全てのグランドコンタクト対39の第1連結部28a同士が連結されると共に、第2連結部28c同士が連結されていてもよい。この場合、各第1連結部28a同士を連結した1本の部材がY軸方向に沿って延びており、また、各第2連結部28c同士を連結した1本の部材がY軸方向に沿って延びていてもよい(図8参照)。
【0046】
[作用]
本実施形態に係るプラグコネクタ20は、絶縁性を有するハウジング22と、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列された導電性の複数の信号コンタクト23Bと、Y軸方向に沿ってハウジング22に配列された導電性の複数のグランドコンタクト23Aと、を備える。グランドコンタクト23Aは、電気ケーブル60の外部導体63に接するグランド部材210に接続される第1接続部231と、リセプタクルコネクタ10の導電性のグランド端子13Aに接続される第2接続部232と、を有している。そして、図6に示されるように、第1接続部231は、第2接続部232に連続する箇所からグランド部材210まで延びている。
【0047】
本実施形態に係るプラグコネクタ20では、グランドコンタクト23Aの第1接続部231が電気ケーブル60の外部導体63に接するグランド部材210に接続されると共に、第2接続部232がリセプタクルコネクタ10のグランド端子13Aに接続されている。そして、第1接続部231が、第2接続部232に連続する箇所からグランド部材210まで延びている。このように、第1接続部231がグランド部材210まで延び、グランド部材210への接続が直接可能とされていることにより、グランドコンタクト23Aと電気ケーブル60の外部導体63との導通を図るための構成として所謂グランドフィンガー等を設けることなく、第1接続部231とグランド部材210との直接接続によって、上記導通を図ることができる。これにより、グランドフィンガーを設ける場合と比較して、製造コストを低減することができる。以上のように、本実施形態に係るプラグコネクタ20によれば、低コストで製造可能な電気コネクタを提供することができる。また、グランドフィンガーを設けずに第1接続部231とグランド部材210との直接接続によって上記導通を図る構成においては、従来のグランドフィンガーを設けた構成と比較して、共振点が高周波域に移動することとなるので、クロストークを効果的に低減することができる。
【0048】
図9は、比較例に係るグランド接続を説明する図である。図9に示されるプラグコネクタ520は、基本構成が本実施形態に係るプラグコネクタ20と同一であるが、外部導体63とグランドコンタクト523Aとのグランド接続がグランドフィンガー590によって実現されている点で、プラグコネクタ20と異なっている。グランドフィンガー590は、上部のグランドバー211から延びて、プラグコネクタ520のグランドコンタクト523Aに接続されている。このような構成においては、グランドフィンガー590が設けられていることによって、コネクタの製作コストが高くなってしまう。この点、上述したように、グランドフィンガーを設けずにグランドコンタクト23Aの第1接続部231がグランド部材210に接続されたプラグコネクタ20では、コネクタの製作コストを抑制することができる。
【0049】
プラグコネクタ20は、複数のグランドコンタクト23Aに含まれる隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23A同士を連結する連結部28を更に備え、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aは、Y軸方向において、信号コンタクト23Bを挟むように配置されており、連結部28は、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aの第1接続部231,231同士を連結する第1連結部28aを有していてもよい。このように、信号コンタクト23Bを挟む2つのグランドコンタクト23A,23Aについて、第1接続部231,231同士が第1連結部28aで連結されることにより、2つのグランドコンタクト23A,23Aの間に挟まれた信号コンタクト23Bと、他の信号コンタクト23Bとの間におけるクロストークが効果的に抑制される。すなわち、グランド部材210に接続される部分(第1接続部231,231)同士が第1連結部28aによって連結されることにより、接続に係る構成が第1連結部28a,28aとなり、伝送速度が速くなった場合においても、クロストークを効果的に抑制することができる。
【0050】
連結部28は、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aの第2接続部232,232同士を連結する第2連結部28cを有していてもよい。このように、信号コンタクト23Bを挟む2つのグランドコンタクト23A,23Aについて、第2接続部232,232同士についても第2連結部28cで連結されることにより、2つのグランドコンタクト23A,23Aの間に挟まれた信号コンタクト23Bと、他の信号コンタクト23Bとの間におけるクロストークをより効果的に抑制することができる。
【0051】
図10(a)は、図9示すようにグランドフィンガーを有すると共に第1連結部28a及び第2連結部28cを有さない構成のNEXT(Near End Cross Talk)の共振点を示しており、図10(b)は、図9に示すようにグランドフィンガーを有すると共に第1連結部28a及び第2連結部28cを有さない構成のFEXT(Far End Cross Talk)の共振点を示しており、図10(c)は本実施形態に係る構成(第1連結部28a及び第2連結部28cを有する構成)のNEXT共振点を示しており、図10(d)は本実施形態に係る構成(第1連結部28a及び第2連結部28cを有する構成)のFEXTの共振点を示している。図10(a)~(d)において、横軸は周波数(GHz)、縦軸は伝送信号の減衰量(dB)を示している。図10(a)(b)の比較例に係る構成と、図10(c)(d)の本実施形態に係る構成とは、グランドフィンガーの有無並びに第1連結部28a及び第2連結部28cの有無以外は、同様である。図10(a)(b)に示される比較例では、16GHz付近の共振点において減衰量が大きくなっている。この点、図10(c)(d)に示されるように、本実施形態に係る構成では、同じ16GHz付近において、共振点の減衰量を抑制することができており、31GHz付近の共振点において減衰量が大きくなっている。このように、グランドフィンガーを無くして且つ第1連結部28a及び第2連結部28cを設けることにより、共振点を高周波域に移動させることができ、クロストークを効果的に低減することができた。
【0052】
信号コンタクト23Bは、電気ケーブル60の内部導体61に接続される第3接続部233と、リセプタクルコネクタ10の導電性の信号端子13Bに接続される第4接続部234と、を有し、第3接続部233及び第4接続部234は、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aと、第1連結部28a及び第2連結部28cとによって囲まれていてもよい。このような構成によれば、信号コンタクト23Bにおける内部導体61に接続される部分及びリセプタクルコネクタ10の信号端子13Bに接続される部分の両方が、2つのグランドコンタクト23A,23Aと第1連結部28a及び第2連結部28cとによって囲まれるので、より効果的にクロストークを抑制することができる。
【0053】
Y軸方向から見ると、第1接続部231は第3接続部233に重なるように配置されており、第2接続部232は第4接続部234に重なるように配置されていてもよい。このような構成によれば、グランドコンタクト23Aが信号コンタクト23Bに重なるように配置され、効果的にクロストークを抑制することができる。
【0054】
隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aは、Y軸方向において、差動伝送を行う2つの信号コンタクト23B,23Bを挟むように配置されていてもよい。差動伝送を行う場合、高速伝送になりクロストークが問題になりやすい。この点、差動伝送を行う2つの信号コンタクト23B,23Bを挟むように、上述した隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aが配置されていることにより、2つのグランドコンタクト23A,23A並びに第1連結部28a及び第2連結部28cによって、差動伝送時におけるクロストークを効果的に抑制することができる。
【0055】
第1連結部28a及び第2連結部28cは、Y軸方向に沿って延びていてもよい。このような構成によれば、最短距離で第1連結部28a及び第2連結部28cを設けることができ、構成を簡素化することができる。
【0056】
複数のグランドコンタクト23Aには、隣り合う2つのグランドコンタクト23A,23Aを1セットとしたグランドコンタクト対39が複数セット含まれており、隣り合う2つのグランドコンタクト対39,39は、互いの第1連結部28a,28a同士が連結されると共に、互いの第2連結部28c,28c同士が連結されていてもよい。このような構成によれば、グランドコンタクト23Aの数が増えた場合においても、構成を簡素化することができ、構成の小型化を実現することができる。
【0057】
グランド部材210は、Z軸方向において互いの間に外部導体63を挟み込むように配置され、Y軸方向に延びる一対のグランドバー211,212を有し、一方のグランドバー212は、Z軸方向において、他方のグランドバー211よりも第1接続部231に近い位置に設けられており、第1接続部231に接続されていてもよい。このように、第1接続部231が、離間距離が短いグランドバー212に接続されていることにより、グランド経路を短くすることができ、ノイズを抑制することができる。
【0058】
以上、本実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、第1接続部231が下部のグランドバー212に接続されているとして説明したがこれに限定されず、図11に示されるように、第1接続部231がグランドバーを介さずに外部導体63に接続されていてもよい。図11に示される例では、グランド部材610が、上部のグランドバー611と、半田部613と、を含んで構成されている。グランドバー611は、外部導体63の上部を覆うように設けられている。半田部613は、グランドバー611を外部導体63に固定する半田付け部分である。図11に示される構成においては、下部のグランドバーが設けられておらず、第1接続部231が半田部613に接続されている。すなわち、第1接続部231は、半田部613を介して外部導体63に接続されている。このように、下部のグランドバーが設けられずに、第1接続部231が半田部613を介して外部導体63に接続されることにより、部品点数を更に削減して製造コストの低減を実現することができる。また、接続箇所を少なくすることにより、ノイズを好適に抑制することができる。
【0059】
また、図12に示されるように、第1接続部231が外部導体63に直接接続されてもよい。この場合、例えば、超音波接合等により、第1接続部231が外部導体63に接続される。このような構成によれば、部品点数を更に削減して製造コストの低減を実現すると共に、接続箇所を少なくしてノイズを好適に抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態においては、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が所謂、水平嵌合を行う電気コネクタであるとして説明したが、これに限定されず、リセプタクルコネクタ及びプラグコネクタは、Z軸方向に沿って互いに嵌合される、すなわち垂直嵌合を行う電気コネクタであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…リセプタクルコネクタ(相手コネクタ)、13A…グランド端子、13B…信号端子、20…プラグコネクタ(電気コネクタ)、22…ハウジング、23A…グランドコンタクト、23B…信号コンタクト、28…連結部、28a…第1連結部、28c…第2連結部、39…グランドコンタクト対、60…電気ケーブル、61…内部導体(信号線)、63…外部導体、210…グランド部材、211,212…グランドバー、231…第1接続部、232…第2接続部、233…第3接続部、234…第4接続部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12