IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特開2024-124699情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム
<>
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図1
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図2
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図3
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図4
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図5
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図6
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図7
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図8
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図9
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図10
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図11
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図12
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図13
  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124699
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240906BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240906BHJP
   A62C 99/00 20100101ALI20240906BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B25/00 510M
A62C99/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032565
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】緒方 美季
(72)【発明者】
【氏名】小原 敏晴
【テーマコード(参考)】
2E189
5C087
5G405
【Fターム(参考)】
2E189GA01
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA04
5C087AA37
5C087AA44
5C087BB74
5C087DD04
5C087DD25
5C087DD26
5C087DD31
5C087EE14
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
5G405AA01
5G405AA06
5G405AB01
5G405CA26
5G405EA41
(57)【要約】
【課題】火災への対応に関する情報を適切に提供することが可能な情報提供装置等を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】本開示の一態様にかかる情報提供装置は、報知装置において計測されたセンサデータを取得する取得手段と、前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定する推定手段と、前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する検出手段と、前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する生成手段と、生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる出力制御手段と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知装置において計測されたセンサデータを取得する取得手段と、
前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定する推定手段と、
前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する検出手段と、
前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する生成手段と、
生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる出力制御手段と、を備える、
情報提供装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記人物の行動を検出し、
前記人物の行動に、前記人物が消火機器を所持し、消火活動を行っていないことが示される場合、
前記生成手段は、消火機器の使い方を示す前記指示情報を生成する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記火災の発生状況には、前記火災の種類を示す情報が含まれ、
前記推定手段は、前記報知装置において撮影された時系列の撮影画像に基づいて、火元の場所を推定し、推定された前記火元の場所に基づいて、前記火災の種類を推定し、
前記生成手段は、消火活動を促す前記指示情報を生成する場合、推定された前記火災の種類に対応する消火機器を特定し、特定された消火機器に関する情報を含む前記指示情報を生成する、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記火災が発生した場合、前記火災の発生状況を含む通知情報を、登録された端末装置に通知する通知手段を備え、
前記取得手段は、前記端末装置の位置情報を取得し
前記通知手段は、前記端末装置の位置情報に応じて、通知情報の内容を変える、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記通知手段は、前記端末装置に、前記火災の発生場所が撮影された撮影画像と、通報操作を受け付けるアイコンと、を表示させ、
前記アイコンが選択されると前記端末装置から消防機関への通報が行われる、
請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記火災の発生状況に含まれる前記火災の規模が所定の基準を満たす場合、前記火災の発生状況と前記火災の発生場所が撮影された撮影画像とを含む通知情報を、消防機関の指令システムに通知する通知手段を備える、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記火災の発生状況には、火元の場所を示す情報が含まれ、
前記推定手段は、前記報知装置において撮影された時系列の撮影画像に基づいて、前記火元の場所を推定し、
前記通知手段は、前記火元の場所を含む前記通知情報を通知する、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記火災の発生状況には、前記火災の発生場所における家具の配置を示す情報が含まれ、
前記推定手段は、前記報知装置によって撮影された撮影画像と、前記報知装置が設置された場所の間取り情報と、に基づいて、前記家具の配置を推定し、
前記通知手段は、前記家具の配置を含む前記通知情報を通知する、
請求項6または7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
報知装置において計測されたセンサデータを取得し、
前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定し、
前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出し、
前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成し、
生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる、
情報提供方法。
【請求項10】
報知装置において計測されたセンサデータを取得する処理と、
前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定する処理と、
前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する処理と、
前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する処理と、
生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる処理と、をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、火災が発生した場合の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
火災の発生を検知する技術が存在する。
【0003】
特許文献1には、監視領域における火災事象検出部の検出結果に基づいて火災発生を判定して報知するとともに、監視領域の撮影画像を外部に送信する技術が開示される。
【0004】
特許文献2には、対象構造物に設置されたセンサにより検知された情報に基づいて、異常があるか否かを判定し、異常があると判定した場合に、居住者や管理者等に通知する技術が開示される。このとき、特許文献2に開示される技術では、テレビから警報メッセージを出力させたり、消火器から音響を発し消火器の位置を知らせるようにしたりすることが行われる。
【0005】
特許文献3には、火災に関連する火災関連事象の検知結果に基づいて、施設で発生する火災の拡大規模を推測し、推測された拡大規模に応じて、火災に関する通知情報を出力する技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-167616号公報
【特許文献2】特開2019-074837号公報
【特許文献3】特開2021-144445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
火災が発生した場合、人物は、火災にどう対応すべきか判断を行う。例えば火災が発生した際に現場にいる人物であれば、消火活動を行うか避難を行うか判断する。ここで、火災の規模によっては、現場にいる人物が消火活動を行うべき場合もあれば、当該人物が避難を行うべき場合もある。しかしながら当該人物は、気が動転してしまい、適切な判断ができない虞がある。また、消火活動を行う場合であっても、当該人物は、どのように消火活動を行えばよいかわからない虞もある。
【0008】
これに対して、人物への指示を含む警報を出力することが考えられる。しかしながら、予め定められた内容の警報を単に出力するだけでは、人物への指示が適切に行われない可能性がある。例えば、既に消火器を持っている人物に対して消火器の位置を指示しても、人物は行うべき対応がわからない。すなわち、人物によって、人物に必要な指示は異なる。この点に改善の余地がある。
【0009】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、火災への対応に関する情報を適切に提供することが可能な情報提供装置等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様にかかる情報提供装置は、報知装置において計測されたセンサデータを取得する取得手段と、前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定する推定手段と、前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する検出手段と、前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する生成手段と、生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる出力制御手段と、を備える。
【0011】
本開示の一態様にかかる情報提供方法は、報知装置において計測されたセンサデータを取得し、前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定し、前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出し、前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成し、生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる。
【0012】
本開示の一態様にかかるプログラムは、報知装置において計測されたセンサデータを取得する処理と、前記センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、前記報知装置が設置された場所の火災の発生状況を推定する処理と、前記センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する処理と、前記火災の発生状況と前記人物に関する情報とに応じて、前記人物が行うべき前記火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する処理と、生成された前記指示情報を、前記報知装置に出力させる処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、火災への対応に関する情報を適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態の情報提供装置を含む構成の一例を模式的に示す図である。
図2】第1の実施形態の情報提供装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態の情報提供装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図4】第2の実施形態の火災情報提供システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態の消火設備情報の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態の報知装置情報の一例を示す図である。
図7】第2の実施形態の情報提供装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図8】第3の実施形態の火災情報提供システムを含む構成の一例を模式的に示す図である。
図9】第3の実施形態の火災情報提供システムの機能構成の一例を含むブロック図である。
図10】第3の実施形態の報知装置情報の一例を示す図である。
図11】第3の実施形態の通知情報の一例を示す図である。
図12】第3の実施形態の情報提供装置の動作の第1の例を説明するフローチャートである。
図13】第3の実施形態の情報提供装置の動作の第2の例を説明するフローチャートである。
図14】本開示の第1、第2、及び第3の実施形態の情報提供装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の情報提供装置の概要について説明する。
【0017】
図1は、情報提供装置100を含む構成の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、火災情報提供システム1000は、少なくとも情報提供装置100を含む。図1の例では、火災情報提供システム1000は、情報提供装置100と報知装置200とを有する。情報提供装置100は、報知装置200と、有線または無線のネットワークを介して通信可能に接続される。
【0018】
報知装置200は、データの収集及び情報の提供を行う。具体的には、報知装置200は各種のセンサを搭載する。報知装置200は、センサを用いて計測を行うことによりデータを収集する。センサは例えば可視光カメラである。すなわち、報知装置200において撮影が行われ、撮影画像が生成される。このとき撮影画像は、静止画像であってもよいし、映像を構成するフレーム画像であってよい。また、報知装置200は、更なるセンサを搭載してもよい。例えば、報知装置200は、煙を検知する煙センサ、温度を計測する温度センサ、マイク、及び赤外線カメラ等を搭載してもよい。センサによって計測されたデータをセンサデータと称する。
【0019】
また、報知装置200は、出力装置を搭載する。報知装置200は、出力装置を用いて情報を提供する。出力装置の一例はスピーカである。例えば、報知装置200は、スピーカを利用して音声を出力する。さらに報知装置200は、出力装置としてランプ及びディスプレイを搭載してもよい。
【0020】
報知装置200は、各地に設置される。例えば、報知装置200は、建造物に設置される。一例としては、報知装置200は、集合住宅の各部屋に設置される。この例に限られず、報知装置200は、一軒家に設置されてもよいし、商業施設、及び公共施設等に設置されてもよい。例えば、報知装置200において撮影された撮影画像には、報知装置200が設置された場所にいる人物が映る。
【0021】
情報提供装置100は、例えばサーバ装置である。情報提供装置100は、クラウドサーバとして実現されてよい。情報提供装置100は、報知装置200から情報を取得し、取得した情報に基づいて各種の処理を行う。そして、情報提供装置100は、報知装置200に情報を出力させる。このように、火災情報提供システム1000は、報知装置200によって収集されたデータに基づいて処理を行い、報知装置200に情報を出力させる。
【0022】
なお、図1の例では、便宜上、情報提供装置100及び報知装置200は、それぞれ単一の装置で構成されているように記載されているが、情報提供装置100及び報知装置200のそれぞれの構成はこの例に限られない。すなわち、情報提供装置100及び報知装置200のそれぞれは、複数の装置で構成されてもよい。また、情報提供装置100と報知装置200とは一体の装置として構成されてもよい。
【0023】
次に、情報提供装置100の機能構成の一例を説明する。図2は、情報提供装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように情報提供装置100は、取得部110と推定部120と検出部130と生成部140と出力制御部150とを備える。
【0024】
取得部110は、報知装置200からセンサデータを取得する。具体的には、報知装置200において、報知装置200に搭載されるセンサが計測を行う。報知装置200は、計測されたデータであるセンサデータを報知装置200に送信する。取得部110は、送信されたセンサデータを取得する。
【0025】
このように、取得部110は、報知装置200において計測されたセンサデータを取得する。取得部110は、取得手段の一例である。
【0026】
推定部120は、センサデータに基づいて、報知装置200が設置された場所の火災の発生状況を推定する。火災の際、火災に関連する事象が発生する。火災に関連する事象とは、例えば、炎及び煙の発生、及び温度の上昇である。推定部120は、センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータを用いて、火災の発生状況を推定する。火災の発生状況には、火災が発生したか否かを示す情報が含まれる。また、火災の発生状況には、火災の規模を示す情報が含まれてもよい。
【0027】
例えばセンサデータに撮影画像が含まれる場合、推定部120は、撮影画像から炎を検出することにより、火災が発生したことを推定してよい。このとき推定部120は、炎の大きさから火災の規模を推定してよい。また、例えばセンサデータに、煙センサにより計測された煙に関するデータが含まれるとする。推定部120は、例えば、煙の濃度が一定の濃度以上である場合に火災が発生したことを推定してよい。このとき推定部120は、煙の濃度に応じて火災の規模を推定してよい。また、センサデータに、温度センサ及び赤外線カメラ等により計測されたデータが含まれる場合も、推定部120は当該データを用いて火災の発生状況を推定してよい。なお、センサデータには、複数種のデータが含まれてもよい。
【0028】
火災の発生状況の推定方法はこの例に限られない。例えば、推定部120は、所定の学習が行われた学習モデルを利用して、火災の発生状況を推定してよい。この場合学習モデルは、例えば、センサデータと火災の発生状況との関係が機械学習によって学習されたモデルである。
【0029】
このように、推定部120は、センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、報知装置200が設置された場所の火災の発生状況を推定する。推定部120は、推定手段の一例である。
【0030】
検出部130は、人物を検出する。センサデータに含まれる撮影画像に人物が映るとする。検出部130は、撮影画像から人物を検出する。このとき検出部130は、人物の行動を検出してよい。例えば、検出部130は、人物が立って静止している、及び消火活動を行っているという行動を検出してよい。また検出部130は、人物が物体を所持していることを、人物の行動として検出してよい。例えば、検出部130は、人物が布巾を持っていること、消火器を持っていること、及び、何も持っていないことを検出してよい。
【0031】
検出部130は、既存の画像処理技術を用いて人物の行動を検出してよい。また例えば、検出部130は、所定の学習が行われた学習モデルを利用して人物の行動を検出してよい。この場合学習モデルは、例えば、撮影画像と人物の行動との関係が機械学習によって学習されたモデルである。
【0032】
また、検出部130は、人物の属性を検出してよい。属性は、例えば、人物の年齢、及び性別である。属性はこの例に限られない。このとき検出部130は、既存の画像処理技術を用いて人物の行動を検出してよい。また例えば、検出部130は、撮影画像と人物の属性との関係が機械学習によって学習されたモデルを用いて、人物の属性を検出してよい。
【0033】
このように検出部130は、センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する。検出部130は、検出手段の一例である。
【0034】
生成部140は、撮影画像に映る人物に対する指示情報を生成する。指示情報は、当該人物が行うべき火災への対応に関する指示を示す。このとき、生成部140は、推定された火災の発生状況と、検出された人物に関する情報と、を利用して指示情報を生成する。例えば、火災が発生した場合であって、人物が立って静止している場合には、生成部140は、消火活動を開始する指示を示す指示情報を生成する。このとき生成部140は、火災の規模に応じて消火活動の内容が異なる指示情報を生成してもよい。また、例えば、火災が発生した場合であって、人物が消火器を持っている場合には、生成部140は、消火器の使い方の指示を示す指示情報を生成する。また、例えば、人物が消火活動を行った場合であって、火災がまだ発生している場合、生成部140は、避難を促す指示情報を生成してもよい。また、例えば、人物の年齢が10歳以下である場合、及び、人物の年齢が70歳以上である場合には、避難を優先するために、避難を促す指示情報を生成してもよい。生成される指示情報はこの例に限られない。
【0035】
このように、生成部140は、火災の発生状況と人物に関する情報とに応じて、人物が行うべき火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する。生成部140は、生成手段の一例である。
【0036】
出力制御部150は、指示情報を出力させる。具体的には、出力制御部150は、火災が発生した場所に設置された報知装置200に、生成部140によって生成された指示情報を出力させる。例えば、消火活動を開始する指示を示す指示情報が生成された場合、出力制御部150は、消火器で消火を行うことと、消火器の位置と、を示す音声を、報知装置200のスピーカから出力させる。指示情報の出力方法はこの例に限られない。
【0037】
このように、出力制御部150は、生成された指示情報を、報知装置200に出力させる。出力制御部150は、出力制御手段の一例である。
【0038】
次に、情報提供装置100の動作の一例を、図3を用いて説明する。なお本開示において、フローチャートの各ステップを「S1」のように、各ステップに付した番号を用いて表現する。
【0039】
図3は、情報提供装置100の動作の一例を説明するフローチャートである。取得部110は、報知装置200において計測されたセンサデータを取得する(S1)。推定部120は、センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、報知装置200が設置された場所の火災の発生状況を推定する(S2)。検出部130は、センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する(S3)。生成部140は、火災の発生状況と人物に関する情報とに応じて、人物が行うべき火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成する(S4)。出力制御部150は、生成された指示情報を、報知装置200に出力させる(S5)。
【0040】
このように、第1の実施形態の情報提供装置100は、報知装置200において計測されたセンサデータを取得し、センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、報知装置200が設置された場所の火災の発生状況を推定する。また、情報提供装置100は、センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する。そして、情報提供装置100は、火災の発生状況と人物に関する情報とに応じて、人物が行うべき火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成し、生成された指示情報を、報知装置200に出力させる。
【0041】
これにより、情報提供装置100は、人物の行動や属性等、人物に関する情報を考慮した上で、当該人物に対して火災への対応に関する指示を提供することができる。すなわち、情報提供装置100は、火災への対応に関する情報を適切に提供することができる。
【0042】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の火災情報提供システムについて説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した火災情報提供システムに関する更なる例を説明する。なお、第1の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0043】
図4は、火災情報提供システム1000の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、火災情報提供システム1000は、情報提供装置100と報知装置20とを備える。報知装置200は複数存在していてよい。報知装置200は、火災報知器の機能を有していてよい。
【0044】
本実施形態においては、集合住宅の一の住居に報知装置200が設置され、火災情報提供システム1000が、火災の発生応じて情報を提供する例を主に説明する。しかしながら、報知装置200が設置される例はこの例に限られない。
【0045】
[火災情報提供システム1000の詳細]
図4に示すように、報知装置200は、計測部210と出力部220とを備える。計測部210は、各種の計測を行うセンサの機能を有する。そして計測部210は、計測されたセンサデータを情報提供装置100に送信する。センサデータには、計測されたデータだけでなく、計測された時刻及び報知装置200を識別する情報が含まれてもよい。
【0046】
センサの一例は可視光カメラである。この場合、計測部210は、撮影を行い、撮影画像を生成する。そして、計測部210は、生成した撮影画像を情報提供装置100に送信する。
【0047】
センサは煙センサであってもよい。この場合、計測部210は、煙に関するデータを計測する。煙に関するデータは、例えば、煙の濃度の計測値であってもよいし、煙の濃度が一定以上であることを示す情報であってもよい。そして、計測部210は、煙に関するデータを情報提供装置100に送信する。
【0048】
センサは温度センサであってもよい。この場合、計測部210は、温度を計測する。そして、計測部210は、計測された温度を示す温度データを情報提供装置100に送信する。
【0049】
センサは、赤外線カメラであってもよい。この場合、計測部210は、赤外線を検出し、赤外線に基づく赤外線画像を生成する。赤外線画像は、撮影された物体の温度を示す画像である。例えば、赤外線画像には、温度に応じて異なる色が表現される。計測部210は、赤外線画像及び検出された赤外線を示す情報を情報提供装置100に送信する。
【0050】
なお、計測部210は、断続的に計測を行ってもよいし、一定間隔で計測を行ってよい。複数種のセンサがある場合、計測部210は、複数種のセンサデータをともに送信してもよいし、異なるタイミングで送信してもよい。また、計測部210が有するセンサの機能の例はこの例に限られない。
【0051】
出力部220は、情報提供装置100から送信された情報を出力する。出力部220は、出力装置の機能を有する。具体的には、出力部220は、スピーカ、ディスプレイ、及びランプの機能を有してよい。具体的な出力例は後述する。
【0052】
情報提供装置100は、取得部110と推定部120と検出部130と生成部140と出力制御部150とを備える。また、情報提供装置100は、記憶装置190を有する。記憶装置190は、情報提供装置100と通信可能に接続される外部の装置であってもよい。
【0053】
取得部110は、報知装置200からセンサデータを取得する。取得部110は、取得したセンサデータを記憶装置190に格納する。このとき、取得部110は、所定時間ごとに記憶装置190に格納されたセンサデータを削除してよい。例えば、取得部110は、計測された時刻から所定時間以上経過したセンサデータを記憶装置190から削除してよい。
【0054】
推定部120は、センサデータに基づいて火災の発生状況を推定する。このとき推定部120は、火災の発生の有無、及び、火災の規模を含む、火災の発生状況を推定してよい。火災の規模とは、炎が存在する範囲を示すものであってよい。
【0055】
例えば、炎が大きいほど火災の規模が大きいことが推定される。また、温度が高いほど、または、所定値以上の温度を示す範囲が広いほど火災の規模が大きいことが推定される。さらに、煙の量が多いほど、火災の規模が大きいことが推定される。例えば、撮影画像に映る炎が大きいほど、火災の規模が大きいことが推定される。また、撮影画像が白んだり黒みがかったりするほど、炎とともに発生する煙の量が多いことが推定される。そこで、推定部120は、撮影画像に映る炎の大きさ、及び、撮影画像の色に基づいて、火災の規模を推定してよい。
【0056】
またセンサデータに、煙に関するデータが含まれるとする。このとき推定部120は、計測された煙の濃度に応じて、火災の規模を推定してよい。また、センサデータに温度データが含まれるとする。このとき、推定部120は、温度データに示される温度の値に応じて、火災の規模を推定してよい。また、センサデータに赤外線画像が含まれるとする。このとき推定部120は、赤外線画像上において、温度が所定値以上の範囲の大きさに応じて、火災の規模を推定してよい。
【0057】
推定部120は、火災の規模を複数のレベルで表現してもよい。例えば、推定部120は、推定された、炎が存在する範囲の大きさに応じて、火災の規模を「大」「中」「小」等で表現してよい。
【0058】
推定部120は、センサデータに含まれる複数種のデータのそれぞれを考慮して火災の規模を推定してよい。
【0059】
また、推定部120は、学習モデルを利用して火災の発生状況を推定してよい。学習モデルは、センサデータと火災の発生状況との関係が機械学習によって学習されたモデルである。この場合、推定部120は、学習モデルにセンサデータを入力する。そして、推定部120は、当該学習モデルによって出力された情報を、報知装置200が設置された場所における火災の発生状況として推定してよい。当該学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを用いた深層学習等により学習されたものであるが、この例に限られない。当該学習モデルは、記憶装置190に格納されてよい。
【0060】
火災の発生状況には、火元の場所を示す情報が含まれてもよい。すなわち、推定部120は、火元の場所を推定してよい。このとき推定部120は、報知装置200によって撮影された時系列の撮影画像から、炎が発生した場所を特定する。そして、推定部120は、特定された場所を火元の場所として推定してよい。例えば、報知装置200が、キッチンを撮影可能な位置に設置されるとする。そして、調理中に天ぷら油にガスコンロの火が引火して火災が発生したとする。この場合、推定部120は、時系列の撮影画像に基づいて、炎が発生した場所であるガスコンロの位置を特定する。そして、推定部120は、ガスコンロの位置を、火元の場所として推定する。
【0061】
火災の発生状況には、火災の種類を示す情報が含まれてもよい。火災の種類とは、普通火災、油火災、及び電気火災等である。普通火災は、木材及び紙等が燃える火災である。普通火災はA火災と呼ばれることもある。油火災は、調理用油及び石油等の油による火災である。油火災はB火災と呼ばれることもある。電気火災は、電気設備における火災である。電気火災はC火災と呼ばれることもある。火災の種類はこの例に限られない。
【0062】
推定部120は、火元の場所を示す情報に基づいて、発生した火災の種類を推定してよい。例えば、火元の場所がガスコンロである場合、天ぷら油等に引火した火災である可能性が高い。この場合、推定部120は、発生した火災が油火災であると推定してよい。また、例えば、火元の場所が電化製品であるとする。この場合、推定部120は、発生した火災が電気火災であると推定してよい。このように推定部120は、報知装置200において撮影された時系列の撮影画像に基づいて火元の場所を推定し、推定された火元の場所に基づいて、火災の種類を推定してよい。
【0063】
検出部130は、撮影画像に映る人物を検出する。具体的には、検出部130は、人物の行動を検出する。例えば検出部130は、撮影画像に映る人物が消火活動を行っているか否かを検出してよい。また、検出部130は、当該人物が所持する物体を検出する。より具体的には、検出部130は、人物が消火機器を持っているか否かを検出してよい。消火機器は、例えば、布巾、消火器、及び水が入った器等である。
【0064】
検出部130は、学習モデルを利用して人物の行動を検出してよい。この場合の学習モデルは、人物が映る撮影画像と人物の行動との関係が機械学習によって学習されたモデルである。検出部130は、撮影画像を学習モデルに入力する。そして、検出部130は、学習モデルによって出力された情報を、撮影画像に映る人物の行動として検出してよい。当該学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを用いた深層学習等により学習されたものであるが、この例に限られない。当該学習モデルは、記憶装置190に格納されてよい。
【0065】
また、検出部130は、撮影画像に映る人物の属性を検出する。属性は、例えば年齢及び性別である。さらに属性には、人物が怪我の有無等が含まれてもよい。この場合も同様に、検出部130は、学習モデルを利用して人物の属性を検出してよい。当該学習モデルは、人物が映る撮影画像と人物の属性との関係が機械学習によって学習されたモデルである。当該学習モデルも、例えば、ニューラルネットワークを用いた深層学習等により学習されたものであるが、この例に限られない。
【0066】
生成部140は、火災の発生状況と人物に関する情報とに基づいて指示情報を生成する。例えば、検出部130によって人物の行動が検出されたとする。火災が発生した場合であって、撮影画像に映る人物が消火活動を行っていない場合、生成部140は、消火活動を開始する指示を示す指示情報を生成してよい。この場合、指示情報には、消火器で消火を行うことを示す内容が含まれる。さらに、生成部140は、火災の規模に応じて異なる内容の指示情報を生成してよい。例えば、火災の規模が「小」である場合、生成部140は、濡れ布巾で消火を行うことを示す指示情報を生成してよい。また、火災の規模が「中」である場合、生成部140は、消火器で消火を行うことを示す指示情報を生成してよい。なお、火災の規模が「大」である場合、生成部140は、人物の行動に関わらず、避難を行うことを示す指示情報を生成してよい。
【0067】
このように生成部140は、火災の規模に応じて異なる指示を示すよう指示情報を生成してよい。
【0068】
また、例えば、検出部130によって人物の属性が検出されたとする。ここで、火災が発生した場合であって、人物の年齢が10歳以下である場合には、生成部140は、避難を優先するために、避難を促す指示情報を生成してよい。また、生成部140は、火災が発生した場合であって、人物の性別が男性である場合には、消火活動を促す指示情報を生成し、人物の性別が女性である場合には、周囲に助けを求める指示を示す指示情報を生成してよい。
【0069】
また、生成部140は、人物の年齢に応じて異なる態様の指示情報を生成してよい。このとき生成部140は、人物の年齢に応じて、指示情報の内容の詳細度合いを変更してよい。例えば、生成部140が、火災が発生時に、消火器による消火活動を促す指示情報を生成するとする。ここで、人物の年齢が30歳の場合には、生成部140は、消火器で消火を行うことを示す内容を示す指示情報を生成してよい。人物の年齢が10歳の場合には、生成部140は、消火器で消火を行うこと、及び消火器の使い方を示す内容を示す指示情報を生成してよい。
【0070】
さらに生成部140は、火災の規模を考慮して指示情報を生成してよい。例えば人物の年齢が10歳以下であるとする。このとき火災の規模が「小」である場合には、生成部140は、消火活動を開始する指示を示す指示情報を生成してよい。そして火災の規模が「中」及び「大」である場合には、生成部140は、避難を促す指示情報を生成してよい。
【0071】
消火器による消火を促す場合、生成部140は、消火器の位置を示す情報を含む指示情報を生成してよい。消火器の位置は予め登録される。より具体的には、消火器の位置は、消火設備情報に示される。消火設備情報は、建造物等に設置される、消火を行うことが可能な設備を示す情報である。消火設備情報は、記憶装置190に格納される。
【0072】
図5は消火設備情報の一例を示す図である。図5の例では、消火器に関する情報を示す消火設備情報が示される。具体的には、図5の例では、消火器を識別する消火器識別情報と消火器が設置された位置と消火器の種類とが関連付けて示される。消火器には、対応する火災の種類が定められる。例えば、普通火災及び電気火災には有効であるが、油火災には不向きな消火器も存在する。図5の例では、消火器識別情報「s2」の消火器は、種類が「ABC」と定められている。これは、当該消火器が、A火災(普通火災)、B火災(油火災)及びC火災(電気火災)のいずれにも対応することを示す。なお、消火設備情報はこの例に限られない。
【0073】
生成部140は、報知装置200が設置された場所に応じて、消火設備情報に示される消火器を特定する。例えば、生成部140は、報知装置200が設置された場所に最も近い消火器を特定する。そして、生成部140は、特定された消火器の位置を示す情報を含む指示情報を生成する。図5の例において、消火器識別情報「s1」が特定された場合、指示情報には、消火器が「玄関横」にあることを示す情報が含まれる。
【0074】
なお報知装置200が設置された場所は予め登録される。報知装置200の設置された場所を示す情報は記憶装置190に格納される。報知装置200が複数存在する場合は、報知装置200に関する情報を含む報知装置情報が記憶装置190に格納される。図6は報知装置情報の一例を示す図である。図6の例では、報知装置200を識別する報知装置識別情報と報知装置200の設置場所とが関連付けて示される。この例では設置場所は、便宜上座標のように示されているがこの例に限られない。設置場所は、緯度及び経度であってもよいし、住所であってもよい。また設置場所には、キッチン及び寝室等の、住居のどの部屋に設置されているかを示す情報が含まれてもよい。例えば、センサデータに報知装置識別情報が含まれる場合、報知装置情報に基づいて、報知装置200の設置場所が特定される。なお、報知装置情報には、報知装置200が設置された場所の住人に関する情報が含まれてもよい。住人に関する情報は、氏名、年齢、及び連絡先等である。
【0075】
また、消火器による消火を促す場合、生成部140は、消火器の種類を考慮して、消火器の位置を示す情報を含む指示情報を生成してよい。例えば、火災の発生状況に、発生した火災がB火災であることが示されているとする。このとき生成部140は、B火災に対応する消火器であって、報知装置200が設置された場所から最も近い消火器を特定する。図5の例では、生成部140は、種類に「B」が含まれる消火器のうち、報知装置200の設置場所に最も近い消火器を特定する。例えば、消火器識別情報「s2」が特定された場合、指示情報には、消火器が「1階エントランス」にあることを示す情報が含まれる。このように、生成部140は、火災の種類に対応する消火機器を特定し、特定された消火機器に関する情報を含む指示情報を生成してよい。
【0076】
また、火災が発生した場合であって、人物が消火器を所持しているが消火活動を行っていないとする。例えば検出部130が、人物が消火器を所持していることを検出し、所定時間、消火器を使用していないことを検出した場合に、当該人物が消火活動を行っていないことを検出する。このような場合、生成部140は、消火器の使い方を示す指示情報を生成する。この場合指示情報には、例えば、消火器の安全栓を抜き、ノズルを炎に向けることを示す情報が含まれる。このように、生成部140は、消火機器の使い方を示す指示情報を生成してよい。
【0077】
出力制御部150は、指示情報を報知装置200に出力させる。具体的には、出力制御部150は、指示情報を報知装置200に送信する。報知装置200の出力部220は、指示情報を出力する。指示情報が音声情報である場合、出力部220は、音声を出力する。例えば指示情報に、消火器で消火を行うことを示す内容が含まれるとする。このとき出力部220は、例えば「消火器で消火してください。消火器の位置は、玄関横です」という音声を出力する。また、例えば指示情報に、消火器の使い方を示す情報が含まれるとする。このとき出力部220は、例えば「まず消火器の安全栓を抜いて、ノズルを炎に向けてください」といった音声を出力する。
【0078】
指示情報が画像情報を含む場合、出力制御部150は、出力部220に指示情報に応じた画像を表示させてもよい。また、火災が発生した場合には、出力制御部150は、出力部220にランプを点灯させてもよい。
【0079】
なお、出力制御部150は、人物の年齢に応じて指示情報の出力方法を変えてよい。指示情報が音声情報であるとする。このとき、人物の年齢が10歳以下である場合、及び、人物の年齢が70歳以上である場合、出力制御部150は、出力させる音声の速度を遅くしてよい。また、指示情報に、文章を含む画像情報が含まれるとする。このとき、人物の年齢が10歳以下である場合、及び、人物の年齢が70歳以上である場合、出力制御部150は、文字を大きくした文章や、漢字を平仮名に変換した文章を含む画像情報を出力させてよい。
【0080】
[情報提供装置100の動作例]
次に、情報提供装置100の動作の一例を、図7を用いて説明する。本動作例では、人物に、消火器による消火を促す場合の情報提供装置100の動作を説明する。
【0081】
図7は、情報提供装置100の動作の一例を説明するフローチャートである。取得部110は、報知装置200からセンサデータを取得する(S101)。このとき取得部110は、取得したセンサデータを記憶装置190に格納する。推定部120は、センサデータに含まれる報知装置識別情報に基づいて、報知装置200の設置場所を特定する(S102)。そして推定部120は、センサデータに基づいて火災の発生状況を推定する(S103)。
【0082】
火災が発生していない場合(S104の「No」)、情報提供装置100は、S101の処理に戻る。火災が発生した場合(S104の「Yes」)、検出部130は、撮影画像に基づいて人物を検出する(S105)。例えば、検出部130は、人物の行動及び属性を検出する。このように、検出部130は、火災が発生したことに応じて、検出処理を行ってよい。
【0083】
本動作例では、消火器による消火を促す指示情報が生成される。そのため指示情報には、消火器の位置を示す情報が含まれる。そのため、生成部140は、まず、報知装置200の設置場所と、発生した火災の種類と、に応じて、消火器を特定する(S106)。例えば生成部140は、火災の発生状況に示される火災の種類に対応する消火器を、消火設備情報から抽出する。そして、生成部140は、抽出された消火器のうち、報知装置200の設置場所から最も近い位置に設置された消火器を特定する。
【0084】
生成部140は、指示情報を生成する(S107)。この例では、生成部140は、特定された消火器の位置を示す情報を含む指示情報を生成する。
【0085】
出力制御部150は、生成された指示情報を報知装置200に出力させる(S108)。例えば、出力制御部150は、「消火器で消火してください。消火器の位置は、玄関横です」という音声を報知装置200に出力させる。
【0086】
本動作例はあくまで一例である。すなわち情報提供装置100の動作はこの例に限られない。
【0087】
このように、第2の実施形態の情報提供装置100は、報知装置200において計測されたセンサデータを取得し、センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、報知装置200が設置された場所の火災の発生状況を推定する。また、情報提供装置100は、センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物を検出する。そして、情報提供装置100は、火災の発生状況と人物に関する情報とに応じて、人物が行うべき火災への対応に関する指示を示す指示情報を生成し、生成された指示情報を、報知装置200に出力させる。
【0088】
例えば、情報提供装置100は、人物の行動を検出し、検出された人物の行動に、人物が消火機器を所持し、消火活動を行っていないことが示される場合、消火機器の使い方を示す指示情報を生成してよい。また、例えば情報提供装置100は、人物の属性を検出し、検出された人物の属性に、人物の年齢及び性別の少なくともいずれかが示される場合、人物の年齢及び性別の少なくともいずれかに応じた指示情報を生成してよい。
【0089】
これにより、情報提供装置100は、人物に関する情報を考慮した上で、当該人物に対して火災への対応に関する指示を提供することができる。すなわち、情報提供装置100は、火災への対応に関する情報を適切に提供することができる。
【0090】
また、火災の発生状況には、火災の種類を示す情報が含まれてよい。第2の実施形態の情報提供装置100は、報知装置200において撮影された時系列の撮影画像に基づいて、火元の場所を推定し、推定された火元の場所に基づいて、火災の種類を推定してよい。そして、情報提供装置100は、消火活動を促す指示情報を生成する場合、推定された火災の種類に対応する消火機器を特定し、特定された消火機器に関する情報を含む指示情報を生成してよい。
【0091】
これにより、情報提供装置100は、火災の種類に適した消火機器の情報を人物に提供することができる。
【0092】
[変形例1]
推定部120及び検出部130の機能は、報知装置200も有していてよい。すなわち、センサデータに含まれる、火災に関連する事象に関するデータに基づいて、報知装置200が設置された場所の火災の発生状況を、報知装置200が推定してよい。また、センサデータに含まれる撮影画像から、当該撮影画像に映る人物の行動を、報知装置200が検出してよい。
【0093】
この場合、報知装置200は、推定された火災の発生状況、及び検出された人物の行動を、情報提供装置100に送信してよい。
【0094】
[変形例2]
報知装置200は複数設置されてよい。具体的には、集合住宅の一室に複数の報知装置200が設置されてもよい。例えば、当該部屋の、キッチン、リビング、及び寝室のそれぞれに報知装置200が設置されてよい。
【0095】
この場合、取得部110は、それぞれの報知装置200からセンサデータを取得する。そして、推定部120は、それぞれのセンサデータに基づいて、火災の発生状況を推定してよい。また、検出部130は、複数の報知装置200の少なくともいずれかに映る人物の行動を検出してよい。
【0096】
[変形例3]
報知装置200の計測部210は、周囲の音を集音するマイクの機能を有していてよい。例えば、計測部210は、人物が発した音声を計測してよい。計測部210は音声情報を情報提供装置100に送信する。
【0097】
取得部110は、音声情報を含むセンサデータを取得する。このとき、生成部140は、音声情報に応じて指示情報を生成してよい。例えば、音声情報に「消火器はどこにある」という音声が含まれるとする。生成部140は、当該音声情報に応じて、消火器の位置を示す指示情報を生成してよい。また例えば、音声情報に「消火器の使い方を教えて」という音声が含まれるとする。生成部140は、当該音声情報に応じて、消火器の使い方を示す指示情報を生成してよい。生成された指示情報は、報知装置200の出力部220において出力される。
【0098】
このように、火災情報提供システム1000は、人物からの問いかけに対して適切な応答をすることも可能である。
【0099】
なお、音声を収音し、音声情報に応じて情報を生成する方法は、既存の音声処理技術が用いられてよい。
【0100】
[変形例4]
情報提供装置100は、指示情報を随時生成してよい。例えば、火災が発生し、人物が消火活動を行ったとする。この場合、検出部130は、人物が消火活動を行ったことを検出する。その後、推定部120は、取得部110によって取得されたセンサデータに基づいて、火災の発生状況を推定する。ここで、火災が発生していると推定された場合、当該状況は、消火活動は行われたが、火災は鎮火していない状況と言える。このような状況において、生成部140は、さらなる消火活動を促す指示情報を生成してよい。また、生成部140は、避難を促す指示情報を生成してよい。
【0101】
[変形例5]
取得部110は、取得したセンサデータを記憶装置190に格納する。そして、取得部110は、記憶装置190に格納されるセンサデータのうち、計測された時刻から所定時間以上経過したセンサデータを削除してよい。このとき取得部110は、火災が発生したことに応じて削除方法を変更してよい。具体的には、取得部110は、火災が発生した場合、火災が発生した時刻から1時間前までのセンサデータを削除しないようにしてよい。
【0102】
センサデータには、撮影画像が含まれる。撮影画像には、人物が生活している様子が含まれる可能性がある。そのため定期的にセンサデータを削除することにより、情報提供装置100は人物のプライバシーに配慮した処理を行うことができる。また、火災が発生した場合には、火災が発生した時刻付近のセンサデータを削除しないようにすることにより、情報提供装置100は、発生した火災に関連する情報を保持しておくことができる。
【0103】
[変形例6]
消火設備情報には、消火器以外の消火設備に関する情報が含まれてもよい。例えば消火設備情報には、スプリンクラー及び消火栓等の位置を示す情報が含まれてよい。
【0104】
例えば、生成部140は、消火栓が、消火器よりも火災の発生場所に近い位置に設置されているとする。この場合、生成部140は、消火栓による消火活動を促す指示情報を生成してもよい。
【0105】
また例えば、火災発生場所にスプリンクラーが設置されているとする。この場合、スプリンクラーが稼動することにより消火活動が自動的に行われる。このような場合には、生成部140は、火災の規模によらず、人物に避難を促す指示情報を生成してよい。
【0106】
このように、情報提供装置100は、各種の消火設備に関する情報を考慮して、指示情報を生成してよい。
【0107】
[変形例7]
生成部140は、更なる情報を考慮して指示情報を生成してよい。
【0108】
更なる情報の一例は、危険物に関する危険物情報である。危険物情報は、危険物の種類と危険物の位置と報知装置識別情報とが関連付けられた情報である。危険物情報は、記憶装置190に予め格納される。
【0109】
例えば、住居において灯油が格納されているとする。この場合、危険物情報には、灯油が格納されている場所が示される。生成部140は、火災が発生した場所に設置された報知装置200に対応する危険物情報を特定する。そして、生成部140は、危険物の位置に応じて指示情報を生成してよい。例えば、炎が存在する範囲から所定の範囲内に危険物がある場合、生成部140は、火災の規模及び人物の行動によらず、避難を促す指示情報を生成してよい。
【0110】
危険物情報はこの例に限られない。例えば、報知装置200の設置場所から所定範囲内の危険物を有する建造物の情報であってもよい。
【0111】
このように、情報提供装置100は、危険物に関する情報を考慮して、指示情報を生成してよい。
【0112】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の火災情報提供システムについて説明する。第3の実施形態では、火災の発生に応じて各種の通知を行う例を説明する。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0113】
図8は、火災情報提供システム1001を含む構成の一例を模式的に示す図である。火災情報提供システム1001は、情報提供装置101と報知装置200とを備える。また、火災情報提供システム1001には、端末装置300が含まれてよい。情報提供装置101は、有線または無線のネットワークを介して、報知装置200及び端末装置300と通信可能に接続される。さらに情報提供装置101は、有線または無線のネットワークを介して、指令システム400とも通信可能である。
【0114】
火災情報提供システム1001は、火災情報提供システム1000と同様の処理を実行可能であってよい。火災情報提供システム1001は、火災情報提供システム1000の処理に加え、さらに以下で説明する処理を実行可能であってよい。
【0115】
なお、本実施形態においても、集合住宅の一の住居に報知装置200が設置され、火災情報提供システム1001が、火災の発生に応じて情報を提供する例を主に説明する。しかしながら、報知装置200が設置される例はこの例に限られない。
【0116】
端末装置300は、人物が所持する装置である。人物は、火災の発生場所にいる人物に限られない。端末装置300は、予め登録される端末である。端末装置300は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯型端末である。この例に限らず、端末装置300はパーソナルコンピュータであってよい。端末装置300は、入出力機能を有する装置であればよい。端末装置300は複数存在してよい。情報提供装置101は、端末装置300に対して情報の提供を行う。
【0117】
指令システム400は、火災の発生の通報を受け付ける通報受理機関のシステムである。通報受理機関の一例は、消防機関である。以降、通報受理機関が消防機関である例について説明する。消防機関は、通報を受け付けると、現場にかけつけるべき出動対象(消防隊員及び救急隊員等)に出動の指令を行う。通報は、消防機関の指令室における指令システム400につながる。情報提供装置101は、このような指令システム400に対して情報の提供を行う。
【0118】
[火災情報提供システム1001の詳細]
図9は、火災情報提供システム1001の機能構成の一例を含むブロック図である。図9に示すように、報知装置200は、計測部210と出力部220とを備える。情報提供装置101は、取得部111と推定部121と検出部130と生成部140と出力制御部150と通知部160とを備える。また、情報提供装置101は、記憶装置190を有する。
【0119】
取得部111は、端末装置300から情報を取得する。具体的には、取得部111は、端末装置300から、端末装置300の位置情報を取得する。端末装置300は、GPS(Global Positioning System)等の、GNSS(Global Navigation Satellite System)によって、自機の位置情報を特定することが可能な機能が備えられている。取得部111は、端末装置300において特定された位置情報を取得する。
【0120】
ここで、端末装置300の情報は、登録情報に含まれる。すなわち、端末装置300は、報知装置200に関連付けて予め登録される。登録情報は、報知装置情報に含まれてよい。図10は、報知装置情報の一例を示す図である。図10の例では、報知装置情報に登録情報が含まれている。登録情報には、端末装置300を識別する端末識別情報が含まれる。例えば、報知装置識別情報が「h1」の報知装置200に対しては、端末識別情報「t1」の端末装置300と「t2」の端末装置300とが登録されていることが示される。このように、一の報知装置200に対して複数の端末装置300が登録されてよい。また、図10の例では、報知装置識別情報が「h2」の報知装置200と「h3」の報知装置200とに対しては、端末識別情報「t3」の端末装置300が登録されている。このように、複数の報知装置200に対して、同一の端末装置300が登録されてよい。
【0121】
登録される端末装置300の一例は、報知装置200が設置された住居の住人が所持する端末装置である。例えば、当該住居に二人の住人がおり、二人の住人が端末装置300を一つずつ所持しているとする。この場合、当該住居に設置された報知装置200には、二つの端末装置300が登録される。なお登録される端末装置300はこの例に限られない。
【0122】
取得部111は、登録情報に示される端末装置300の位置情報を取得する。例えば、火災の発生状況に火災が発生したことが示される場合、取得部111は、当該火災の発生場所に設置される報知装置200に対して登録された端末装置300から、位置情報を取得する。
【0123】
推定部121は、報知装置200が設置された場所の家具の配置を推定する。例えば、推定部121は、撮影画像に基づいて、設置されている家具を検出する。そして、推定部121は、検出された家具の撮影画像上の位置と、報知装置200が設置された場所の間取り情報と、に基づいて、家具の配置を推定する。間取り情報は、予め記憶装置190に格納される。例えば、住居に報知装置200が設置されている場合、推定部121は、当該住居の間取りの位置と検出された家具とを関連付けた情報を家具の配置を示す情報として生成する。このとき、間取り情報と撮影画像との位置合わせが予め行われる。すなわち、撮影画像に映る領域が間取りのどの位置であるかが予め対応付けられる。家具の配置を示す情報は、例えば、住居の間取りを示す図面に、家具を示すアイコンが重畳された画像であってもよい。
【0124】
通知部160は、端末装置300または指令システム400に通知を行う。通知部160は通知手段の一例である。
【0125】
まず端末装置300に通知を行う例について説明する。通知部160は、火災が発生した場合、登録された端末装置300に通知を行う。より具体的には、通知部160は、火災の発生場所に設置された報知装置200に対して登録された端末装置300を特定する。例えば、図10の例において、火災の発生場所に設置された報知装置200の報知装置識別情報が「h1」であるとする。この場合、通知部160は、登録された端末装置300が、端末識別情報「t1」と「t2」の端末装置であると特定する。そして、通知部160は、特定された端末装置300に対して、通知情報を通知する。例えば、通知部160は、火災の発生状況を含む通知情報を端末装置300に通知する。また、通知部160は、指示情報を含む通知情報を端末装置300に通知してよい。
【0126】
また、通知部160は、端末装置300の位置情報に応じて、通知を行ってよい。例えば、図10の例において、端末識別情報「t1」と「t2」の端末装置300が特定されたとする。例えば、端末識別情報「t1」の端末装置300の位置情報が、報知装置200の設置場所を示しているとする。すなわち、端末識別情報「t1」の端末装置300が、火災が発生した住居に存在するとする。この場合、当該住居にいる人物に、火災への対応を指示する必要がある。そのため、通知部160は、指示情報を含む通知情報を、端末識別情報「t1」の端末装置300に通知する。
【0127】
また、端末識別情報「t2」の端末装置300の位置情報が、報知装置200の設置場所と異なる位置を示しているとする。例えば、端末識別情報「t2」の端末装置300が、当該設置場所から10キロメートル離れた位置に存在するとする。すなわち、火災が発生した住居の住人が、住居から離れた位置に存在する。この場合、当該住人には、火災が発生したことを通知する必要がある。そのため、通知部160は、火災の発生状況を含む通知情報を、端末識別情報「t2」の端末装置300に通知する。このように、通知部160は、端末装置300の位置情報に応じて、通知情報の内容を変えてよい。
【0128】
通知情報には、各種の情報が含まれてよい。例えば、通知情報には、撮影画像が含まれてよい。図11は、通知情報の一例を示す図である。具体的には、図11は、火災の発生状況を含む通知情報を示す図の一例である。この例では、端末装置300に、撮影画像と火災の規模とが表示されている。これにより、端末装置300を所持する人物は、火災の状況を視認することができる。また、図11の例では、「通報する」という文字が記載されたアイコンが示されている。当該アイコンは、通報操作を受け付けるための情報である。例えば、端末装置300を所持する人物が当該アイコンを選択することにより、消防機関への通報が行われる。すなわち、人物と消防機関の指令室のオペレータとの通話が開始される。このとき、通知部160は、アイコンが選択されたことに応じて、火災の発生状況を含む通知情報を指令システム400に送信してよい。
【0129】
このように、通知部160は、端末装置300に、火災の発生場所が撮影された撮影画像と、通報操作を受け付けるアイコンと、を表示させてよい。
【0130】
次に、指令システム400に通知を行う例について説明する。推定部121によって推定された火災の発生状況に、火災が発生したことが示される場合、通知部160は、火災の発生状況を含む通知情報を指令システム400に通知してよい。このとき、火災の発生状況には、火災が発生したこと、火災の規模、火元の場所、及び家具の配置等、を示す情報が含まれてよい。通知情報には、火災の発生場所を示す情報、及び、火災の発生場所が撮影された撮影画像が含まれてよい。火災の発生場所を示す情報は、報知装置200が設置された場所を示す。
【0131】
また、通知部160は、火災の発生場所に関連する人物の情報をさらに含む通知情報を指令システム400に通知してよい。火災の発生場所に関連する人物の情報の一例は、住人に関する情報である。例えば、通知情報には、住人の氏名、年齢、及び連絡先等である。住人の氏名、年齢、及び連絡先等は、報知装置情報に含まれる。
【0132】
また、通知部160は、火災の発生状況に応じて指令システム400に通知情報を通知するか否か判定してよい。例えば、火災の規模が「大」「中」「小」のいずれかで表されるとする。このとき通知部160は、火災の規模が「大」である場合のみ、指令システム400に通知を行ってよい。すなわち、通知部160は、火災の発生状況に含まれる火災の規模が所定の基準を満たす場合、火災の発生状況と火災の発生場所が撮影された撮影画像とを含む通知情報を、消防機関の指令システム400に通知してよい。
【0133】
さらに通知情報には、火災の発生場所に関連する、消火設備情報、及び、危険物情報が含まれてもよい。
【0134】
[情報提供装置101の動作例1]
次に、情報提供装置101の動作の第1の例を、図12を用いて説明する。本動作例では、端末装置300に通知情報を通知する例を説明する。
【0135】
図12は、情報提供装置101の動作の第1の例を説明するフローチャートである。S201乃至S208の処理は、図7のS101乃至S108の処理と同様であるため記載を省略する。取得部111は、報知装置200に対応する端末装置300を特定する(S209)。例えば、取得部111は、火災の発生場所に設置された報知装置200に対して登録された端末装置300を特定する。そして、取得部111は、特定された端末装置300の位置情報を取得する(S210)。
【0136】
通知部160は、位置情報に応じた通知情報を端末装置300に通知する(S211)。例えば、通知部160は、火災の発生場所付近に存在する端末装置300には、指示情報を含む通知情報を通知する。また、例えば通知部160は、火災の発生場所から所定の距離以上離れた位置に存在する端末装置300には、火災の発生状況を含む通知情報を通知する。
【0137】
本動作例はあくまで一例である。すなわち情報提供装置101の動作はこの例に限られない。例えば、S206の処理の後にS209及びS210の処理が行われてもよい。また、取得部111は、登録された端末装置300の位置情報を随時取得してもよい。
【0138】
[情報提供装置101の動作例2]
次に、情報提供装置101の動作の第2の例を、図13を用いて説明する。本動作例では、指令システム400に通知情報を通知する例を説明する。
【0139】
図13は、情報提供装置101の動作の第2の例を説明するフローチャートである。S301乃至S308の処理は、図7のS101乃至S108の処理とほぼ同様である。なお、S303の処理において推定された火災の発生状況には、家具の配置を示す情報が含まれてよい。すなわち、S303の処理において、推定部121は、報知装置200が設置された場所の家具の配置も推定してよい。
【0140】
通知部160は、火災の規模が所定の基準を満たすか否か判定する(S309)。火災の規模が所定の基準を満たす場合(S309の「Yes」)、通知部160は、通知情報を指令システム400に通知する(S310)。火災の規模が所定の基準を満たさない場合(S309の「No」)、通知部160は、指令システム400に通知を行わなくともよい。
【0141】
本動作例はあくまで一例である。すなわち情報提供装置101の動作はこの例に限られない。例えば、S204の「Yes」の場合に、S309及びS310の処理を行ってもよい。この場合、S309の「No」の場合、及びS310の処理の後に、情報提供装置101は、S305以降の処理を行ってよい。
【0142】
このように、第3の実施形態の情報提供装置101は、火災が発生した場合、火災の発生状況を含む通知情報を、登録された端末装置300に通知してよい。このとき情報提供装置101は、端末装置300の位置情報を取得し、端末装置300の位置情報に応じて、通知情報の内容を変えてよい。
【0143】
これにより、情報提供装置101は、火災発生時に、火災に関係する人物に通知を行うことができる。さらに情報提供装置101は、人物がいる位置に応じて、適した情報を提供することができる。
【0144】
また、第3の実施形態の情報提供装置101は、端末装置300に、火災の発生場所が撮影された撮影画像と、通報操作を受け付けるアイコンと、を表示させてよい。このとき、アイコンが選択されると、端末装置300から消防機関への通報が行われる。これにより、情報提供装置101は、端末装置300を所持する人物に、火災の状況を確認させたうえで、通報を行うべきか否かを判断させることができる。
【0145】
また、第3の実施形態の情報提供装置101は、火災の発生状況に含まれる火災の規模が所定の基準を満たす場合、火災の発生状況と火災の発生場所が撮影された撮影画像とを含む通知情報を、消防機関の指令システム400に通知してよい。このとき火災の発生状況には、火元の場所を示す情報、及び火災の発生場所における家具の配置を示す情報が含まれてよい。
【0146】
これにより、情報提供装置101は、必要に応じて、消防機関に情報提供を行うことができる。また、情報提供装置101は、火元の場所や家具の配置等の情報も消防機関に提供することができるので、消防機関による初動対応の迅速化に貢献することができる。
【0147】
[変形例8]
報知装置200の計測部210は可視光カメラの機能を有する。計測部210は、端末装置300または指令システム400からの操作によって制御されてもよい。例えば、端末装置300または指令システム400からの操作によって、可視光カメラにおいて、パン、チルト及びズームが行われてよい。
【0148】
端末装置300によって計測部210が制御される例を説明する。まず、通知部160によって通知情報が、端末装置300に通知される。このとき、端末装置300には、カメラ制御の操作を受け付けるユーザインタフェースが表示される。端末装置300は、当該ユーザインタフェースを通じて、カメラ制御の操作の入力を受け付ける。出力制御部150は、入力されたカメラ制御の操作に応じて、計測部210(可視光カメラ)を制御する。取得部111は、制御された計測部210によって撮影された撮影画像を随時取得する。そして、通知部160は、端末装置300に撮影画像を配信する。指令システム400によって計測部210が制御される場合も同様である。
【0149】
これにより、火災の発生場所と異なる位置にいる人物に、火災の状況を確認させることができる。
【0150】
<情報提供装置のハードウェアの構成例>
上述した第1、第2、及び第3の実施形態の情報提供装置を構成するハードウェアについて説明する。図14は、各実施形態における情報提供装置を構成するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ装置90において、各実施形態及び各変形例で説明した、情報提供装置及び情報提供方法が実現される。なお、各実施形態及び各変形例で説明した情報提供装置、報知装置、及び端末装置等のそれぞれが、図14に示すハードウェア構成を有していてよい。
【0151】
図14に示すように、コンピュータ装置90は、プロセッサ91、RAM(Random Access Memory)92、ROM(Read Only Memory)93、記憶装置94、入出力インタフェース95、バス96、及びドライブ装置97を備える。なお、情報提供装置は、複数の電気回路によって実現されてもよい。
【0152】
記憶装置94は、プログラム(コンピュータプログラム)98を格納する。プロセッサ91は、RAM92を用いて本情報提供装置のプログラム98を実行する。具体的には、例えば、プログラム98は、図3図7図12、及び図13に示す処理をコンピュータに実行させるプログラムを含む。プロセッサ91が、プログラム98を実行することに応じて、本情報提供装置の各構成の機能が実現される。プログラム98は、ROM93に記憶されていてもよい。また、プログラム98は、記憶媒体80に記録され、ドライブ装置97を用いて読み出されてもよいし、図示しない外部装置から図示しないネットワークを介してコンピュータ装置90に送信されてもよい。
【0153】
入出力インタフェース95は、周辺機器(キーボード、マウス、表示装置など)99とデータをやり取りする。入出力インタフェース95は、データを取得または出力する手段として機能する。バス96は、各構成を接続する。
【0154】
なお、情報提供装置及び火災情報提供システムの実現方法には様々な変形例がある。例えば、火災情報提供システムに含まれる各構成は、それぞれ専用の装置として実現することができる。また、情報提供装置及び報知装置は、それぞれ複数の装置の組み合わせに基づいて実現することができる。
【0155】
各実施形態の機能における各構成を実現するためのプログラムを記憶媒体に記録させ、該記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体、及びそのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0156】
該記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、またはROMであるが、この例に限られない。また該記憶媒体に記録されたプログラムは、単体で処理を実行しているプログラムに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するプログラムも各実施形態の範疇に含まれる。
【0157】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0158】
また、上記実施形態及び変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0159】
100、101 情報提供装置
110、111 取得部
120、121 推定部
130 検出部
140 生成部
150 出力制御部
160 通知部
190 記憶装置
200 報知装置
300 端末装置
400 指令システム
1000、1001 火災情報提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14