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特開2024-124701情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124701
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/50 20220101AFI20240906BHJP
   H04L 43/20 20220101ALI20240906BHJP
   H04L 41/22 20220101ALI20240906BHJP
【FI】
H04L43/50
H04L43/20
H04L41/22
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032567
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良哉
(72)【発明者】
【氏名】森藤 福真
(57)【要約】
【課題】ネットワークに関する情報をより理解しやすい形で取得すること。
【解決手段】複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得し、取得された情報を他の情報処理装置に提供する制御部、を備え、前記制御部は、前記構内通信装置毎に、前記複数の通信網のうち少なくともいずれか一つを用いてVPNを使用可能か否か示す情報を取得し、取得された情報を前記情報処理装置に提供する、情報提供装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得し、取得された情報を他の情報処理装置に提供する制御部、を備え、
前記制御部は、前記構内通信装置毎に、前記複数の通信網のうち少なくともいずれか一つを用いてVPNを使用可能か否か示す情報を取得し、取得された情報を前記情報処理装置に提供する、情報提供装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記情報を示す画面を前記情報処理装置に提供し、
前記画面は、前記構内通信装置において通信状態を確認する処理であるセルフチェックを実行することを指示するためのボタンを含み、
前記制御部は、前記ボタンに対する操作に応じて、前記構内通信装置に対して前記セルフチェックを実行することを指示し、その結果を示す情報を前記情報処理装置に提供する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得する取得ステップと、
取得された情報を他の情報処理装置に提供する提供ステップと、
を有し、
前記取得ステップにおいて、前記構内通信装置毎に、前記複数の通信網のうち少なくともいずれか一つを用いてVPNを使用可能か否か示す情報を取得し、
前記提供ステップにおいて、取得された情報を前記情報処理装置に提供する、情報提供方法。
【請求項4】
複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得し、取得された情報を他の情報処理装置に提供する制御部、を備え、前記制御部は、前記構内通信装置毎に、前記複数の通信網のうち少なくともいずれか一つを用いてVPNを使用可能か否か示す情報を取得し、取得された情報を前記情報処理装置に提供する情報提供装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに関する情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークへ接続している端末においては、使用しているネットワークにおいて障害が生じていないか確認することのニーズがある。このような問題に対し、例えば障害発生の可能性のあるネットワーク部品を障害候補として特定し、起こりうる障害を表示する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-036809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、ネットワークの管理に関する知識を有する者に対して情報が提供されることが一般的であり、知識を有した者によって閲覧されることを前提とした情報提供であった。そのため、ネットワークの知識を多く有していない者にとっては理解が難しい場合があった。
上記事情に鑑み、本発明は、ネットワークに関する情報をより理解しやすい形で取得することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得し、取得された情報を他の情報処理装置に提供する制御部、を備える情報提供装置である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記制御部は、前記構内通信装置毎に、前記複数の通信網のうち少なくともいずれか一つを用いてVPNを使用可能か否か示す情報を取得し、取得された情報を前記情報処理装置に提供する。
【0007】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記制御部は、前記情報を示す画面を前記情報処理装置に提供し、前記画面は、前記構内通信装置において通信状態を確認する処理であるセルフチェックを実行することを指示するためのボタンを含み、前記制御部は、前記ボタンに対する操作に応じて、前記構内通信装置に対して前記セルフチェックを実行することを指示し、その結果を示す情報を前記情報処理装置に提供する。
【0008】
本発明の一態様は、複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得するステップと、取得された情報を他の情報処理装置に提供するステップと、を有する情報提供方法である。
【0009】
本発明の一態様は、複数の通信網と端末装置との間の通信を中継する構内通信装置における前記通信網を経由した通信の状況を示す情報を前記通信網毎に取得し、取得された情報を他の情報処理装置に提供する制御部、を備える情報提供装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ネットワークに関する情報をより理解しやすい形で取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】情報提供装置25の機能構成の具体例を示す図である。
図3】情報提供システム100における動作の流れの具体例を示す図である。
図4】提供画面の具体例を示す図である。
図5】セルフチェック処理で得られた情報を示す画面の一具体例を示す図である。
図6】セルフチェック処理で得られた情報を示す画面の一具体例を示す図である。
図7】セルフチェック処理で得られた情報を示す画面の一具体例を示す図である。
図8】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100は、特定の施設において使用される複数の端末装置10に対して通信を提供するシステムである。情報提供システム100は、複数の施設に対して通信を提供する。情報提供システム100は、アンダーレイネットワーク(アンダーレイNW)20と、オーバーレイネットワーク(オーバーレイNW)30とを備える。
【0013】
端末装置10は、ネットワークに接続する情報機器である。端末装置10は、特定の施設において使用される。端末装置10は、例えばパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット機器、事務機器(例えば複合機)、固定電話機、携帯電話機、IoT(Internet of Things)機器、センサー、カメラ、セキュリティ機器等がある。端末装置10は、有線通信を行ってもよいし無線通信を行ってもよい。端末装置10は、同一の施設に設置されている構内通信装置21に接続し、構内通信装置21を介してアンダーレイNW20、オーバーレイNW30を経由して他の装置と通信する。端末装置10が通信する他の装置の具体例として、他の施設において使用されている端末装置10や、インターネットに接続されているサーバー装置等がある。
【0014】
端末装置10は、ユーザーインターフェースを備えるように構成されてもよい。このように構成された端末装置10は、ユーザーの操作に応じて情報提供装置25に対して情報を要求し、情報提供装置25から提供される情報をユーザーに対して出力するように構成されてもよい。このような端末装置10の具体例として、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等がある。
【0015】
端末装置10のプロセッサーは、例えば自装置(端末装置10)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、情報提供システム100の専用アプリケーションとして端末装置10に提供されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの他の具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションがある。このようなアプリケーションは、予め端末装置10にインストールされていてもよいし、ユーザーによって操作される際にその都度ダウンロードされてもよい。例えばWEBブラウザーのアプリケーションとして実装される場合には、特定のWEBサーバー(例えば情報提供装置25)に端末装置10が接続することに応じてWEBサーバーによって指定された装置(例えばWEBサーバーそのものでもよいし他のサーバーでもよい)から端末装置10がアプリケーションをダウンロードして実行してもよい。プロセッサーは、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0016】
アンダーレイNW20は、各端末装置10が他の装置と通信を行う際に使用される物理的な通信経路を構成する。アンダーレイNW20は、例えばIPv4、IPv6、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)等の技術を用いて構成される。アンダーレイNW20は、例えば構内通信装置21、第一通信網22、第二通信網23、ULセキュリティ装置24及び情報提供装置25を備える。
【0017】
構内通信装置21は、通信装置を用いて構成される。構内通信装置21は、例えば顧客構内設備(Customer Premises Equipment:CPE)として構成されてもよい。構内通信装置21は、各施設に少なくとも1台設けられる。構内通信装置21は、1又は複数台の端末装置10の接続を受け付け、第一通信網22及び第二通信網23と各端末装置10との間の通信を中継する。構内通信装置21は、例えば他の施設に設けられた構内通信装置21との間でVPN(Virtual Private Network)を構築してもよい。VPNが構築される際に使用される通信経路には、インターネットが用いられてもよいし、通信事業者によって提供される閉域網が用いられてもよい。
【0018】
第一通信網22は、構内通信装置21を他のネットワーク(例えばインターネット)と接続する通信網である。第一通信網22は、例えばIPoE(IP over Ethernet)を用いた通信網であってもよい。
【0019】
第二通信網23は、構内通信装置21を他のネットワーク(例えばインターネット)と接続する通信網である。第二通信網23は、第一通信網22とは異なる通信網である。第二通信網23は、例えばモバイルネットワーク(移動体通信網)を用いた通信網であってもよい。
【0020】
ULセキュリティ装置24は、通信機能を有する情報処理装置を用いて構成される。ULセキュリティ装置24は、アンダーレイNW20を流れるデータに対して所定のセキュリティに関連する処理を行う。ULセキュリティ装置24は、アンダーレイNW20を流れるデータを監視する。ULセキュリティ装置24は、例えばDPI(Deep Packet Inspection)を用いて、アンダーレイNW20を流れるパケットを監視してもよい。ULセキュリティ装置24は、オーバーレイNW30から制限対象となる装置(以下「制限対象装置」という。)に関する情報を受信する。制限対象装置は、例えばオーバーレイNW30において、悪性の挙動が検出された装置である。制限対象装置の具体例として端末装置10がある。ULセキュリティ装置24は、制限対象装置として定義されている端末装置10の通信を制限する。ULセキュリティ装置24は、例えば制限対象装置から送信されたデータが検出されると、検出されたデータを廃棄することでアンダーレイNW20から排除してもよい。
【0021】
情報提供装置25は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。情報提供装置25は、アンダーレイNW20の状態を示す情報や、各構内通信装置21によって各端末装置10に対して提供される通信の状態を示す情報を収集し、端末装置10に対して情報を提供する。図2は、情報提供装置25の機能構成の具体例を示す図である。情報提供装置25は、通信部251、記憶部252及び制御部253を備える。
【0022】
通信部251は、アンダーレイNW20に接続する通信装置を用いて構成される。通信部251は、制御部253の制御にしたがってアンダーレイNW20を介して他の装置と通信する。
【0023】
記憶部252は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部252は、制御部253の動作に必要なデータを記憶する。記憶部252は、例えば制御部253によって収集されたアンダーレイNW20の状態を示す情報や、各構内通信装置21によって提供される通信の状態を示す情報を記憶する。
【0024】
制御部253は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部253は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部254及び情報提供部255として機能する。なお、制御部253の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0025】
情報取得部254は、アンダーレイNW20の状態を示す情報や、各構内通信装置21によって提供される通信の状態を示す情報を取得する。情報取得部254は、どのような処理によってこれらの情報を取得してもよい。例えば、情報取得部254は、アンダーレイNW20の通信網(例えば第一通信網22及び第二通信網23)を構築する通信機器と通信することによって、アンダーレイNW20の状態を示す情報として各通信網の状態を示す情報を取得してもよい。このような通信機器の具体例として、ルーターやゲートウェイや基地局装置や局舎装置等がある。例えば、情報取得部254は、構内通信装置21と通信することによって、構内通信装置21によって提供される通信の状態を示す情報を取得してもよい。情報取得部254は、例えばSNMPやNetFlow等のプロトコルを用いて通信を行うことによってこれらの情報を取得してもよい。情報取得部254は、取得された情報を記憶部252に記録する。
【0026】
情報提供部255は、情報処理装置から情報提供を要求されると、要求に応じて要求元の情報処理装置に対して情報を提供する。情報提供先となる情報処理装置は、例えばいずれかの構内通信装置21に接続された端末装置10に限定されてもよい。端末装置10に提供される情報は、その端末装置10が接続しているアンダーレイNW20に関する情報に限定されてもよい。端末装置10に提供される情報は、その端末装置10が接続している構内通信装置21と同一の主体に対して提供されている通信サービスに関連する1又は複数の構内通信装置21に限定されてもよい。端末装置10に提供される情報は、その端末装置10が接続している構内通信装置21に関する情報に限定されてもよい。このような限定は、例えば要求元である情報処理装置から送信される識別情報に基づいて行われてもよい。このような識別情報の具体例として、MACアドレス、IPアドレス、ユーザーIDがある。また、このような限定は、例えば情報提供装置25において受信された要求を示す情報に含まれる通信経路を示す情報が示す構内通信装置21の識別情報(例えばMACアドレスやIPアドレス)に基づいて行われてもよい。情報提供部255は、後述するセルフチェックに関する処理を実行してもよい。
【0027】
オーバーレイNW30は、各端末装置10が他の装置と通信を行うに際して構築される仮想的なネットワークである。オーバーレイNW30は、例えばGRE(Generic Routing Encapsulation)、VXLAN(Virtual eXtensible Local Area Network)、IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)等の技術を用いて構築されてもよい。オーバーレイNW30は、例えばOLセキュリティ装置31を備える。
【0028】
OLセキュリティ装置31は、通信機能を有する情報処理装置を用いて構成される。OLセキュリティ装置31は、オーバーレイNW30を流れるデータに対して所定のセキュリティに関連する処理を行う。
【0029】
OLセキュリティ装置31は、オーバーレイNW30を流れるデータを監視する。OLセキュリティ装置31は、オーバーレイNW30において、所定のルールを満たした悪性の通信データを検出すると、検出された通信データに関する情報をULセキュリティ装置24に通知する。悪性の通信データとは、例えば悪性のプログラム(いわゆるマルウェア)に汚染された端末装置10によって送信されるデータである。検出された通信データに関する情報とは、例えば送信元に関する情報や、送信先に関する情報や、データの日時、データの中継に関する情報など、そのデータから取得可能な様々な情報である。OLセキュリティ装置31は、取得された通信データに基づいて、悪性の通信データの送信元となる装置を制限対象装置として特定する。
【0030】
図3は、情報提供システム100における動作の流れの具体例を示す図である。端末装置10は、ユーザーの操作に応じて情報提供装置25に対する情報要求のための信号(要求信号)を生成する(ステップS101)。端末装置10は、生成された要求信号を情報提供装置25に送信する(ステップS102)。情報提供装置25は、要求信号を受信すると、受信された要求信号が示す要求に応じて、提供される情報を記憶部252から読み出す。情報提供装置25は、要求された情報を示す画面情報(提供画面情報)を生成し(ステップS103)、要求元である端末装置10に送信する(ステップS104)。端末装置10は、情報提供装置25から提供画面情報を受信すると、受信された情報を出力する。例えば、端末装置10は、受信された提供画面情報に基づいて提供画面を生成して表示する(ステップS105)。
【0031】
図4は、提供画面の具体例を示す図である。図4に示される提供画面には、端末ID、端末名、回線ID、種別、インターネット通信、VPNID、VPN接続、リソースIDの各値が表示されている。端末IDは、構内通信装置21の識別情報である。端末名は、構内通信装置21に対して割り当てられた名称である。端末名として、構内通信装置21が設置された施設名(拠点名)が用いられてもよい。一つの構内通信装置21(端末)に対して、1又は複数の回線が設けられる。例えば、図1における第一通信網22及び第二通信網23がそれぞれ一つの回線に相当する。
【0032】
回線IDは、各回線の識別情報を示す。種別は、各回線の種別を示す。種別として、例えば各回線において用いられる通信のプロトコルや通信形態を示す情報が用いられてもよい。種別の値として“IPoE”が用いられている場合には、その回線はIPoEを用いた通信を行う網であることを示す。種別の値として“モバイル”が用いられている場合には、その回線は移動体通信網であることを示す。インターネット通信は、その構内通信装置21がその回線を用いてインターネットへの通信を行うことが可能か否かを示す。
【0033】
VPNIDは、その構内通信装置21が構築したVPNの識別情報を示す。VPN接続は、その構内通信装置21がVPNを構築できているか否かを示す。VPN接続の値は、その構内通信装置21において使用されている回線が複数ある場合、いずれか一つの回線でVPNを構築できて通信が可能になっていれば、他の回線でVPNを構築できていない(VPNで通信できない)としても通信可能を示す値(例えば“OK”)が示される。そのため、例えば端末IDが“Z000002”、端末名が“A支店”の構内通信装置21において、IPoEではインターネット通信が“NG”でありVPN通信ができないものの、モバイルではインターネット通信が“OK”でありVPN通信が可能であるため、VPN接続の値は“OK”となっている。リソースIDは、リソースの識別情報を示す。
【0034】
提供画面に表示されているセルフチェックボタンについて説明する。セルフチェックボタンは、例えば端末IDの欄に設けられてもよい。セルフチェックボタンは、例えば“セルフチェック”という文字列が記載された画像として表示されてもよい。セルフチェックボタンに対して操作がなされると、端末装置10は、セルフチェックボタンが操作されたことを示す情報と、セルフチェックボタンが操作された端末IDと、を含むセルフチェック要求情報を情報提供装置25に送信する。セルフチェック要求情報を受信した情報提供装置25は、セルフチェック要求情報が含む端末IDが示す構内通信装置21に対してセルフチェック実行を指示する。
【0035】
構内通信装置21は、セルフチェック実行の指示を受けると、所定のセルフチェック処理を実行する。セルフチェック処理は、自装置(構内通信装置21)が端末装置10に対して提供している通信サービスの状態を示す情報を取得する処理である。セルフチェック処理は、例えばSNMPやNetFlow等のプロトコルを用いた通信を行うことによってこれらの情報を取得してもよい。構内通信装置21は、セルフチェック処理で得られた情報を情報提供装置25に送信する。情報提供装置25は、セルフチェック処理で得られた情報を示す画面情報を、セルフチェックの要求元である端末装置10に対して送信する。端末装置10は、受信された画面情報を表示する。
【0036】
図5は、セルフチェック処理で得られた情報を示す画面の一具体例を示す図である。図5の例では、セルフチェック処理が実行された構内通信装置21において、回線故障による通信断が生じていることがわかる。また、この通信断は、第一通信網22及び第二通信網23の双方で生じており、通信ができなくなっていることが示されている。
【0037】
図6は、セルフチェック処理で得られた情報を示す画面の一具体例を示す図である。図6には、Ping試験結果の欄が表示されている。Ping試験結果の欄には、ネットワーク側から構内通信装置21のIPアドレスへping試験した結果が表示されてもよい。例えば、WAN(第一通信網)の欄には、第一通信網(例えば有線回線)経由で構内通信装置21のWANインターフェースへping試験を行った結果が表示されてもよい。WAN(第二通信網)の欄には、第二通信網(例えばモバイル回線)経由で構内通信装置21のWANインターフェースへping試験を行った結果が表示されてもよい。図6のPing試験結果の欄の表示を見ることによって、ユーザーは第一通信網及び第二通信網の両方の状態を容易に確認することが可能となる。
【0038】
図6には、さらにFIC/VPN接続の欄と、FIC接続のBGP状態の欄と、が表示されてもよい。FIC/VPN接続の欄には、FIC(Flexible InterConnect)接続に関する情報と、VPN接続に関する情報とが表示される。また、FIC接続のBGP状態の欄には、FIC接続におけるルーティング状態を示す情報が表示される。
【0039】
図7は、セルフチェック処理で得られた情報を示す画面の一具体例を示す図である。例えば、図7に示されるように構内通信装置21のインターフェースに関する情報が表示されてもよい。例えば、構内通信装置21が備える複数種類のインターフェース(例えば、LAN、WAN、USB)について、使用中のポートと未使用のポートとをそれぞれ異なる態様(例えば異なる色)で表示してもよい。1つの拠点でのLANの状態やWANの状態を示す情報が、LAN及びWANそれぞれに分けて表示される。そのため、どの箇所に問題が発生しているのかユーザーは切り分けて容易に判断することが可能となる。
これらの他にも、例えばIPoEやモバイルにおけるトラフィック量を所定の期間ごと(例えば日毎)に示すグラフが表示されてもよい。
【0040】
図8は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば情報提供装置25に適用されてもよい。この場合、例えば情報提供装置25の通信部251は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば情報提供装置25の記憶部252は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、情報提供装置25の制御部253は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0041】
このように構成された情報提供システム100によれば、ネットワークに関する情報をより理解しやすい形で取得することが可能となる。以下、このような効果について説明する。情報提供システム100では、アンダーレイNW20に関する情報や、各構内通信装置21の通信に関する情報が、情報提供装置25によって情報処理装置(例えば端末装置10)に提供される。これらの情報を所望する者は、特にネットワークに関する知識を有していなくても、情報処理装置を操作して情報提供装置25に対して要求することでこれらの情報を容易に取得することができる。
【0042】
また、セルフチェックボタンを操作することによって、各構内通信装置21の通信に関する情報についてより詳細な情報を容易に取得することができる。また、表示される画面においても、専門用語で示されるような各項目の値について知識を有していなくても、結果として通信可能か否かを示す情報が表示されるため、一番知りたい情報の一つである“通信できるのか否か”を容易に知ることが可能となる。また、障害が生じている場合に専門家やサービス事業者に対して問い合わせる際には、セルフチェックの結果の画面などに詳細な情報も表示されるため、より的確に問い合わせを行うことや、質問に対して回答することが可能となる。
【0043】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0044】
100…情報提供システム, 10…端末装置, 20…アンダーレイNW, 21…構内通信装置, 22…第一通信網, 23…第二通信網, 24…ULセキュリティ装置, 25…情報提供装置, 30…オーバーレイNW, 31…OLセキュリティ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8