(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124707
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】蓋栓
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
A01K87/00 620A
A01K87/00 610A
A01K87/00 640B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032580
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】神納 芳行
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄己
(72)【発明者】
【氏名】松本 聖比古
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA05
2B019AA14
2B019AG03
(57)【要約】
【課題】穂先竿の引き出し作業を容易にすると共に、穂先竿の腐食を抑制する。
【解決手段】釣竿の開口端に取り付けられる蓋栓1であって、開口端を覆う蓋部10と、蓋部10に設けられ、磁力を発生可能な磁力部11と、磁力を外部に出力する出力状態と磁力が遮断される遮断状態とを切り替える切替部12と、釣竿に装着する装着部13をと備え、装着部13は、釣竿の外周を覆い装着する筒状部14を有し、切替部12は、出力状態と遮断状態との切り替え操作がされる操作部21を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿の開口端に取り付けられる蓋栓であって、
前記開口端を覆う蓋部と、
前記蓋部に設けられ、磁力を発生可能な磁力部と、
前記磁力を外部に出力する出力状態と、前記磁力が遮断される遮断状態と、を切り替える切替部と、
を備える、蓋栓。
【請求項2】
前記釣竿に装着する装着部を、さらに備え、
前記装着部は、前記釣竿の外周を覆い装着する筒状部を有する、請求項1に記載の蓋栓。
【請求項3】
前記釣竿に装着する装着部を、さらに備え、
前記装着部は、前記釣竿の内周に挿入し装着する挿入部を有する、請求項1に記載の蓋栓。
【請求項4】
前記切替部は、前記出力状態と前記遮断状態との切り替え操作がされる操作部を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の蓋栓。
【請求項5】
前記磁力部は、前記磁力を出力する永久磁石、を有し、
前記切替部は、前記出力状態にする出力位置と前記遮断状態にする遮断位置との間を移動可能に設けられる遮断部を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の蓋栓。
【請求項6】
前記遮断部は、前記磁力を遮断可能な強磁性体を含む、請求項5に記載の蓋栓。
【請求項7】
前記切替部は、前記遮断部を前記出力位置から前記遮断位置へ付勢する付勢部をさらに有する、請求項5に記載の蓋栓。
【請求項8】
前記磁力部は、通電することで前記磁力を発生させる電磁石を含み、
前記切替部は、前記電磁石への電力の供給を制御し、前記出力状態と前記遮断状態とを切り替える電力制御部を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の蓋栓。
【請求項9】
前記電力制御部は、電池を含む、請求項8に記載の蓋栓。
【請求項10】
前記電力制御部は、前記電力の供給と遮断を切り替える開閉器を有する、請求項8に記載の蓋栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿の開口端に取り付けられる蓋栓に関する。
【背景技術】
【0002】
振出式の釣竿は、複数の竿体を備えている。使用時には、順次竿先側の竿体を竿尻側の竿体から引き出し、仕舞時には、竿先側の竿体が竿尻側の竿体に順次収納される。
【0003】
仕舞時においては、竿先側の竿体が竿尻側の竿体から竿先側に飛び出さないようにするために、仕舞状態の釣竿の開口端には蓋栓が装着される。この蓋栓は、トップカバーとも称される。使用時には、釣竿から蓋栓を取り外し、最も竿先側に位置する竿体である穂先竿を最初に引き出すことになる。しかしながら、穂先竿の直径、特に穂先部の直径は細いため、取り出しにくい。
【0004】
そこで、下記特許文献1においては、蓋栓に永久磁石を備えると共に穂先竿の穂先部には磁性体を備えている。そして、使用時に釣竿から蓋栓を取り外す際に、穂先竿の磁性体を蓋栓の永久磁石で吸着することにより、穂先竿を容易に引き出すことができる。しかしながら、穂先竿の磁性体が帯磁しやすい。穂先竿の磁性体が帯磁すると、磁性体に砂鉄等の汚れが付着しやすくなり、磁性体が腐食しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、穂先竿の引き出し作業を容易にすると共に、穂先竿の腐食を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る蓋栓は、釣竿の開口端に取り付けられる。蓋栓は、蓋部と、磁力部と、切替部とを備える。蓋部は、釣竿の開口端を覆う。磁力部は、蓋部に設けられる。磁力部は、磁力を発生可能である。切替部は、出力状態と遮断状態とを切り替える。出力状態では、切替部は、磁力を外部に出力する。遮断状態では、切替部は、磁力を遮断する。
【0008】
この構成によれば、蓋栓に磁力部が設けられているので、穂先竿の穂先部に設けられた磁性体を吸着することができる。そのため、穂先竿を容易に引き出すことができる。また、釣竿を使用しない仕舞状態では、切替部によって磁力部の磁力を遮断することができる。そのため、穂先竿の磁性体が帯磁することを抑制することができる。
【0009】
本発明の第1側面に従う第2側面の蓋栓においては、釣竿に装着する装着部をさらに備える。装着部は、筒状部を有する。筒状部は、釣竿の外周を覆い装着する。この構成によれば、蓋栓の筒状部が釣竿の開口端を径方向外側から保護する。
【0010】
本発明の第1側面に従う第3側面の蓋栓においては、釣竿に装着する装着部をさらに備える。装着部は、挿入部を有する。挿入部は、釣竿の内周に挿入し装着する。この構成によれば、蓋栓の挿入部が釣竿の開口端を径方向内側から保護する。
【0011】
本発明の第1側面乃至第3側面の何れか一つに従う第4側面の蓋栓においては、切替部は、操作部を有する。操作部は、出力状態と遮断状態との切り替え操作がされる。この構成によれば、操作部によって切替部を出力状態と遮断状態とに容易に切り替えることができる。
【0012】
本発明の第1側面乃至第4側面の何れか一つに従う第5側面の蓋栓においては、磁力部は、永久磁石を有する。永久磁石は、磁力を出力する。切替部は、遮断部を有する。遮断部は、出力位置と遮断位置との間を移動可能に設けられる。出力位置においては出力状態となり、遮断位置においては遮断状態となる。この構成によれば、遮断部が遮断位置に移動することにより永久磁石の磁力が遮断され、また、遮断部が出力位置に移動することにより永久磁石の磁力が出力される。このように遮断部の移動によって永久磁石の磁力の出力と遮断を容易に切り替えることができる。
【0013】
本発明の第5側面に従う第6側面の蓋栓においては、遮断部は、強磁性体を含む。強磁性体は、磁力を遮断可能である。この構成によれば、遮断部が強磁性体を含むので、永久磁石の磁力を効果的に遮断することができる。
【0014】
本発明の第5側面又は第6側面に従う第7側面の蓋栓においては、切替部は、付勢部をさらに有する。付勢部は、遮断部を出力位置から遮断位置へ付勢する。この構成によれば、付勢部が遮断部を遮断位置へ付勢するので、釣竿の仕舞状態において遮断部を容易に遮断位置に位置させることができる。
【0015】
本発明の第1側面乃至第4側面の何れか一つに従う第8側面の蓋栓においては、磁力部は、電磁石を含む。電磁石は、通電することで磁力を発生させる。切替部は、電力制御部を有する。電力制御部は、電磁石への電力の供給を制御することにより、出力状態と遮断状態とを切り替える。この構成によれば、電力制御部が電磁石への電力の供給を制御するので、出力状態と遮断状態とを容易に切り替えることができる。
【0016】
本発明の第8側面に従う第9側面の蓋栓においては、電力制御部は、電池を含む。この構成によれば、電力制御部が電池を含んでいるので、電源コード等が不要であり、電力制御部の構成を簡素化できる。
【0017】
本発明の第8側面又は第9側面に従う第10側面の蓋栓においては、電力制御部は、開閉器を有する。開閉器は、電力の供給と遮断を切り替える。この構成によれば、電力制御部が開閉器を有するので、電力の供給と遮断を容易に且つ確実に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、蓋栓が磁力部を備えることにより、釣竿を使用する際に、穂先竿の穂先部に設けられた磁性体を蓋栓の磁力部で吸着することができる。そのため、穂先竿を容易に引き出すことができる。しかも、釣竿を使用しないときには、切替部によって磁力部の磁力の出力を遮断することができる。そのため、穂先竿の磁性体の帯磁を抑制することができ、帯磁が原因となる磁性体の腐食を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】蓋栓が装着される釣竿を示し、(a)は、要部外観図、(b)は、穂先部の断面図。
【
図4】本発明の一実施形態における蓋栓の要部を示す斜視図。
【
図8】本発明の他の実施形態における蓋栓の要部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る釣竿用の蓋栓について図面を参酌しつつ説明する。蓋栓1は、釣竿2の竿先側の第1開口端2aに装着される。まず、蓋栓1が装着される釣竿2の概要について説明する。
図1に釣竿2の要部を示している。釣竿2は、振出式である。即ち、釣竿2は、渓流竿等の振り出し竿であって、釣糸ガイドを備えていない延べ竿である。
【0021】
釣竿2は、複数の竿体を備えている。詳細には、複数の竿体は、竿先側から順に、穂先竿3、一又は複数の中間竿4、元竿5からなる。穂先竿3は、複数の竿体のうち最も小径であって、且つ、最も竿先側に位置する。元竿5は、複数の竿体のうち最も大径であって、且つ、最も竿尻側に位置する。釣竿2の竿先側の第1開口端2aは、元竿5の竿先側の開口端である。本実施形態では、全ての竿体が筒状である。但し、穂先竿3は、その一部や全体が中実状であってもよい。複数の竿体は、
図1(a)のように、順次振出形式に連結される。即ち、竿尻側の竿体の竿先側の端部内周面に、竿先側の竿体の竿尻側の端部外周面が摩擦により固定される。元竿5の竿先側には、複数の中間竿4のうち最も竿尻側の中間竿4(元上竿)が接続される。そして、順次、竿先側の竿体が接続され、複数の中間竿4のうち最も竿先側の中間竿4(穂持竿)の竿先側に穂先竿3が接続される。尚、釣竿2の竿尻側の第2開口端2bには尻栓6が着脱自在に装着されている。釣竿2の竿尻側の第2開口端2bは、元竿5の竿尻側の開口端である。
【0022】
釣竿2を使用しないとき、即ち、仕舞状態においては、穂先竿3及び中間竿4は全て元竿5の径方向内側に収納される。そして、釣竿2を行う際には、元竿5から穂先竿3及び中間竿4が竿先側に向けて引き出される。
図1(a)は、穂先竿3等が元竿5から引き出される途中の状態を示している。蓋栓1は、仕舞状態における釣竿2の第1開口端2aに装着されて、釣竿2の第1開口端2aを閉塞する。
【0023】
釣糸7は、穂先竿3の竿先側の端部である穂先部3aに取り付けられる。穂先部3aには、釣糸7を穂先部3aに容易に着脱できるように係止具8が設けられる。係止具8は、
図1(b)のように、穂先竿3のブランクに差し込まれて固定される。係止具8は、穂先竿3のブランクから竿先側に突出する突出部8aを有し、その突出部8aに釣糸7が係止される。係止具8は、少なくとも突出部8aが磁性体からなる。係止具8の全体が磁性体から構成されてもよい。磁性体は、例えばSUS430である。
【0024】
このような釣竿2に装着される蓋栓1は、釣竿2の第1開口端2aを覆う蓋部10と、蓋部10に設けられ、磁力を発生する磁力部11と、磁力部11の磁力を竿尻側に出力する出力状態と磁力部11の磁力の竿尻側への出力を遮断する遮断状態とを切り替える切替部12と、釣竿2の第1開口端2aに装着される装着部13とを備える。釣竿2への装着構造は、大別すると二種類ある。即ち、
図2に示すように、釣竿2の第1開口端2aの外周を覆うように装着される第1タイプと、
図3に示すように、釣竿2の第1開口端2aの内周に挿入されるように装着される第2タイプとがある。第1タイプの蓋栓1の場合、装着部13は、釣竿2の第1開口端2aの外周を覆うように挿着される筒状部14を有する。第2タイプの蓋栓1の場合、装着部13は、釣竿2の第1開口端2aの内周に挿入されるように装着される挿入部15を有する。蓋栓1は何れのタイプのものであってもよいが、以下、第1タイプのものについて詳述する。
【0025】
図4に蓋栓1の概略斜視図を示している。本実施形態の蓋栓1は、蓋部10と、磁力部11と、切替部12と、装着部13とを備えている。蓋栓1は、元竿5の中心線の方向に沿った栓軸線20を有している。装着部13は、筒状部14を有する。切替部12は、出力状態と遮断状態との切り替え操作がされる操作部21を有する。本実施形態において、操作部21の切り替え操作の方向は、栓軸線20に沿った方向である。磁力部11は、永久磁石22を有する。切替部12は、出力状態にする出力位置と遮断状態にする遮断位置との間を移動可能に設けられる遮断部23を有する。
【0026】
蓋部10は筒状である。蓋部10は、筒状部14に対して竿先側に設けられる。蓋部10と筒状部14は同軸に設けられる。操作部21は、蓋部10から竿先側に突出している。操作部21は、蓋栓1において最も竿先側に位置する。操作部21は、蓋部10及び筒状部14に対して、蓋栓1の栓軸線20に沿って移動可能である。切替部12は、枠体24を有している。枠体24は、蓋部10の径方向内側に設けられている。枠体24は、蓋部10に対して栓軸線20に沿って移動可能である。枠体24の竿先側の端面の外側に操作部21が設けられている。操作部21は、枠体24と共に栓軸線20に沿って移動する。蓋部10は、枠体24を竿先側に付勢する第1付勢部25を備えている。第1付勢部25は、例えば圧縮コイルバネである。枠体24の内部に、永久磁石22が設けられている。永久磁石22は、枠体24と共に移動することが好ましい。永久磁石22は、枠体24のうち筒状部14に近い位置に設けられる。永久磁石22は、操作部21に対して竿尻側に離れて設けられている。
【0027】
枠体24は、遮断部23に対して移動する。遮断部23は、左右一対の遮断板26を備えている。遮断板26は、永久磁石22よりも竿尻側に配置されている。遮断板26は、蓋部10に回動可能に設けられている。遮断板26の回動軸線26aは、栓軸線20に対して直交する方向に延びている。
図5乃至
図7にも示しているように、遮断板26は、回動軸線26aの回りに回動する。遮断板26は、
図4及び
図5のような栓軸線20の方向に対して直交した状態となる閉状態から竿尻側に所定角度回動する。
図7は遮断板26が竿尻側に回動した開状態を示している。遮断板26の回動角度は任意であって、例えば90度であってもよい。一対の遮断板26は、互いに対向して配置されている。一対の遮断板26は、観音開きの構造である。
【0028】
図4及び
図5は、遮断板26が閉じた状態であって遮断板26が遮断位置である状態を示している。
図7は、遮断板26が開いた状態であって遮断板26が出力位置である状態を示している。遮断板26は、永久磁石22の磁力を遮断可能な強磁性体26bを含む。遮断板26の全体が強磁性体26bから構成されてもよいし、遮断板26の一部に強磁性体26bが設けられてもよい。
図4及び
図5のように遮断板26が閉じると永久磁石22の磁力が遮断板26によって遮断され、永久磁石22の磁力線は、遮断板26を竿尻側に実質上通過しない。
図7のように遮断板26が竿尻側に開くと、遮断していた磁力線が竿尻側に通過でき、永久磁石22の磁力が遮断板26によって遮断されずに磁力が竿尻側に出力される。
図7のように、遮断板26が開くと、永久磁石22が係止具8を吸着できる。永久磁石22が係止具8を吸着するとき、穂先竿3は、釣竿2の第1開口端2aから竿先側に移動し、係止具8は筒状部14の内部を通って永久磁石22まで達する。尚、釣竿2の第1開口端2aを下側(斜め下側を含む)に向けることにより、穂先竿3を落下させるようにして釣竿2の第1開口端2aから竿先側に突出させて永久磁石22に吸着させてもよい。
図7の状態から蓋栓1を元竿5から竿先側に向けて取り外すと、係止具8が永久磁石22に吸着された状態のまま蓋栓1と共に竿先側に移動する。そのため、穂先竿3を容易に元竿5から引き出すことができる。
【0029】
枠体24の内部には、遮断板26を開く開閉板27が設けられている。開閉板27の竿尻側の端部には竿尻側に向けて尖った楔状部27aが設けられている。楔状部27aは、閉状態の遮断板26に当接、あるいは、隙間を介して竿先側に対峙している。開閉板27は永久磁石22の径方向外側に一対配置されている。一対の開閉板27は、互いに回動軸線26aの方向に対向している。開閉板27は枠体24と共に栓軸線20の方向に移動する。開閉板27が竿尻側に移動すると、開閉板27が遮断板26を押して開く。切替部12は、遮断部23を出力位置から遮断位置へ付勢する第2付勢部28を有している。第2付勢部28は、例えば捻りコイルバネである。第2付勢部28は、遮断板26毎に設けられることが好ましい。第2付勢部28は、遮断板26を開き側から閉じ側に向けて付勢する。
【0030】
図4に示すように、枠体24及び開閉板27は、通常は、第1付勢部25に付勢されることにより第1位置に位置する。枠体24及び開閉板27が第1位置に位置するとき、遮断板26は、第2付勢部28に付勢されることにより閉状態に保持される。操作部21が竿尻側に押圧操作されることにより、枠体24及び開閉板27が第1付勢部25に抗して竿尻側に移動して、
図7に示す第2位置に位置する。第2位置は、第1位置に対して竿尻側に所定距離離れた位置である。枠体24及び開閉板27が第1位置から第2位置に位置するとき、遮断板26は第2付勢部28に抗して竿尻側に回動する。枠体24及び開閉板27が第2位置に位置するとき、遮断板26は開状態にある。枠体24及び開閉板27が第1付勢部25に付勢されて第2位置から第1位置まで竿先側に移動すると、遮断板26は第2付勢部28に付勢されて閉じ方向に自動的に回動して
図4及び
図5のような閉状態に戻る。尚、永久磁石22も枠体24と共に第1位置と第2位置との間を栓軸線20の方向に沿って移動する。
【0031】
以上のように、永久磁石22によって穂先竿3の係止具8を吸着して穂先竿3を元竿5から容易に引き出すことができる。しかも、釣竿2を使用しないときには、遮断板26が永久磁石22の磁力を遮断するので、穂先竿3の係止具8の帯磁を抑制することができる。そのため、帯磁が原因となる係止具8の腐食を抑制することができる。また、操作部21を押すと永久磁石22が穂先竿3の係止具8に近づくので、永久磁石22によって係止具8をより一層容易に吸着させることができる。
【0032】
尚、上記実施形態では、磁力部11が永久磁石22を備えたが、永久磁石22に代えて電磁石30を備えていてもよい。即ち、磁力部11は、通電することで磁力を発生させる電磁石30を備えてもよい。
図8に電磁石30を備えている蓋栓1を模式的に示している。電磁石30は、蓋部10に設けられている。切替部12は、電磁石30への電力の供給を制御して、出力状態と遮断状態とを切り替える電力制御部31を有している。電力制御部31は、蓋部10に設けられている。電力制御部31は、電池32を備えている。電池32は、蓋部10に設けられている。電池32は、例えばボタン電池型などの一次電池であるが、二次電池であってもよく、電池32の形状は、ボタン型の形状に限られない。電力制御部31は、電力の供給と遮断を切り替える開閉器33を備えている。開閉器33は、電気接点34を有する。操作部21が押圧操作されて蓋部10に対して竿尻側に移動すると、操作部21は、電気接点34を電池32に接続させ、電磁石30に電池32から電力が供給され、電磁石30に係止具8を吸着させることができる。操作部21が図示しない第1付勢部25によって竿先側に移動して元の状態まで戻ると、電気接点34は電池32から離れて、電池32から電磁石30への電力の供給が遮断される。尚、開閉器33は、種々のスイッチであってよい。このように電磁石30を備えると、穂先竿3を引き出す必要がないときに、遮断部23を備えていなくても、磁力を確実に遮断することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 蓋栓
2 釣竿
2a 第1開口端
2b 第2開口端
3 穂先竿
3a 穂先部
4 中間竿
5 元竿
6 尻栓
7 釣糸
8 係止具
8a 突出部
10 蓋部
11 磁力部
12 切替部
13 装着部
14 筒状部
15 挿入部
20 栓軸線
21 操作部
22 永久磁石
23 遮断部
24 枠体
25 第1付勢部
26 遮断板
26a 回動軸線
26b 強磁性体
27 開閉板
27a 楔状部
28 第2付勢部
30 電磁石
31 電力制御部
32 電池
33 開閉器
34 電気接点