(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124745
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】車輌用前照灯
(51)【国際特許分類】
F21S 41/29 20180101AFI20240906BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240906BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240906BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20240906BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240906BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240906BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240906BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240906BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/143
F21V17/00 200
F21S45/47
F21V29/503
F21V29/76
F21W102:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032636
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生田 龍治郎
(72)【発明者】
【氏名】秋山 京平
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011AA03
3K011BA02
3K011EB02
(57)【要約】
【課題】 光源とインナーレンズの間の高い位置精度を確保すると共に光源の駆動時に発生する熱の外部への高い放熱性能を確保する。
【解決手段】 光源が実装された基板と、厚み方向における一方の面に基板が取り付けられる平板状のプレートと、プレートの厚み方向における他方の面に取り付けられ放熱フィン部を有するサブプレートと、光源から出射される光を制御するインナーレンズと、インナーレンズを保持しプレートに取り付けられるホルダーとを備えた。これにより、ホルダーと基板が平板状の同一の部材であるプレートに取り付けられると共にプレートとサブプレートが別部材として設けられるため、光源とインナーレンズの間の高い位置精度を確保することができると共に光源の駆動時に発生する熱の外部への高い放熱性能を確保することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が実装された基板と、
厚み方向における一方の面に前記基板が取り付けられる平板状のプレートと、
前記プレートの厚み方向における他方の面に取り付けられ放熱フィン部を有するサブプレートと、
前記光源から出射される光を制御するインナーレンズと、
前記インナーレンズを保持し前記プレートに取り付けられるホルダーとを備えた
車輌用前照灯。
【請求項2】
前記サブプレートと前記ホルダーが前記プレートに共締めにより取り付けられる
請求項1に記載の車輌用前照灯。
【請求項3】
前記基板と前記プレートと前記サブプレートと前記ホルダーと前記インナーレンズを有する光源ユニットが設けられ、
前記光源ユニットがランプハウジングにブラケットを介して取り付けられ、
前記プレートにボス貫通孔が形成され、
前記ホルダーには前記ボス貫通孔を貫通される取付ボスが設けられ、
前記ブラケットが前記プレートと前記サブプレートに非接触の状態で前記ホルダーが前記取付ボスにネジ止めされることにより前記ブラケットに取り付けられる
請求項2に記載の車輌用前照灯。
【請求項4】
前記サブプレートは平板状の金属板が折曲加工されることにより前記プレートに取り付けられる被取付板部と一対の前記放熱フィン部とから成る構成にされた
請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯。
【請求項5】
前記ホルダーに位置決めピンが設けられ、
前記プレートと前記サブプレートに前記位置決めピンが挿通される位置決め孔が形成された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光源から出射された光がインナーレンズによって制御されて照射される車輌用前照灯についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用前照灯には、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に光源とインナーレンズを有する光源ユニットが配置され、光源から出射された光がインナーレンズによって制御されて外部へ向けて照射されるタイプがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された車輌用前照灯においては、金属板を有する構造に光源が実装されている。金属板は略前後方向を向き光源が実装された平板状の光源実装部と光源実装部に対してそれぞれ90度折り曲げられて形成された複数の側面部分とを有している。光源ユニットがこのような構成にされることにより、側面部分が放熱フィンの機能を有し、光源の駆動時に発生する熱が金属板から放出されて光源の温度上昇が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような車輌用前照灯においては、光源から出射された光がインナーレンズによって制御されて予め定められた所定の配光パターンで照射される。従って、光源とインナーレンズの位置関係は適正な照射状態を確保するために重要であり、光源が実装される光源実装部の高い面精度を確保する必要がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された車輌用前照灯のように光源実装部に対して折り曲げられた部分が存在する構成にされていると、折り曲げ加工によって生じる応力により光源実装部に歪みが生じる可能性があり、光源実装部の面精度が低下して光源とインナーレンズの間の高い位置精度を確保することができなくなるおそれがある。
【0007】
一方、車輌用前照灯においては、光源の駆動時に発生する熱の外部への高い放熱性能を確保して光源の安定した駆動状態を確保する必要もある。
【0008】
そこで、本発明車輌用前照灯は、光源とインナーレンズの間の高い位置精度を確保すると共に光源の駆動時に発生する熱の外部への高い放熱性能を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車輌用前照灯は、光源が実装された基板と、厚み方向における一方の面に前記基板が取り付けられる平板状のプレートと、前記プレートの厚み方向における他方の面に取り付けられ放熱フィン部を有するサブプレートと、前記光源から出射される光を制御するインナーレンズと、前記インナーレンズを保持し前記プレートに取り付けられるホルダーとを備えたものである。
【0010】
これにより、インナーレンズを保持するホルダーと光源が実装された基板とが平板状のプレートに取り付けられると共にプレートに放熱フィンを有するサブプレートが取り付けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インナーレンズを保持するホルダーと光源が実装された基板とが平板状のプレートに取り付けられると共にプレートに放熱フィンを有するサブプレートが取り付けられるため、ホルダーと基板が平板状の同一の部材であるプレートに取り付けられると共にプレートとサブプレートが別部材として設けられ、光源とインナーレンズの間の高い位置精度を確保することができると共に光源の駆動時に発生する熱の外部への高い放熱性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図2乃至
図5と共に本発明車輌用前照灯の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用前照灯の概略断面図である。
【
図3】ホルダーとプレートとサブプレートの斜視図である。
【
図4】プレートに対するホルダーとサブプレートの取付構造と光源ユニットのブラケットに対する取付構造とを概念的に示す断面図である。
【
図5】複数のサブプレートがプレートに取り付けられる例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明車輌用前照灯を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0014】
車輌用前照灯1は前端に開口を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(
図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0015】
灯室5には光源ユニット6が配置されている。光源ユニット6はプレート7と基板8とホルダー9とインナーレンズ10とサブプレート11とを有している(
図1及び
図2参照)。
【0016】
プレート7は放熱性の高い平板状の金属材料、例えば、アルミニウムによって形成され、前後方向を向く状態にされている。プレート7は前面が実装面7aとして形成され後面が取付面7bとして形成されている(
図2及び
図3参照)。
【0017】
プレート7には、例えば、四つのボス貫通孔12が上下左右に離隔して形成されている。プレート7には、例えば、三つのネジ挿通孔13が上端部と下端部に形成され、例えば、一つのネジ挿通孔13が上端部に形成され二つのネジ挿通孔13が下端部において左右に離隔して形成されている。プレート7には、例えば、三つの第1の位置決め孔14が上端部と下端部に形成され、例えば、二つの第1の位置決め孔14が上端部において左右に離隔して形成され一つの第1の位置決め孔14が下端部に形成されている。プレート7には、例えば、二つのピン貫通孔15が下端部において左右両端部に形成されている。
【0018】
基板8はプレート7の実装面7aに、例えば、接着等によって取り付けられている。基板8には図示しない回路パターンが形成されている。基板8は外形状がプレート7の外形状より小さくされ、プレート7の左右両側部と上端側の部分とを除く部分に取り付けられている。基板8には略中央部に光源配置孔8aが形成されている。基板8の下端部には三つの逃げ孔8bが左右に離隔して形成されている。
【0019】
基板8がプレート7に取り付けられた状態において、プレート7の全てのボス貫通孔12が基板8によって覆われない状態にされ、逃げ孔8bがそれぞれプレート7の下側の二つのネジ挿通孔13と下側の第1の位置決め孔14に対応して位置される。
【0020】
基板8の下端部にはコネクター16が接続されており、コネクター16には回路パターンの一部が接続されている。コネクター16には図示しない電源回路に接続された接続コードの給電部が接続される。
【0021】
プレート7の実装面7aには、例えば、三つの光源17が実装されている。光源17は接着等によって実装面7aに接合されることにより実装され、例えば、二つの光源17が基板8の直ぐ上側に左右に離隔して位置され一つの光源17が光源配置孔8aに位置されている。光源17としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられている。
【0022】
光源17は、例えば、ワイヤーボンディングによって基板8の前面に形成された回路パターンに接続されている。従って、光源17には電源回路からの電流が接続コードとコネクター16と回路パターンを介して供給される。
【0023】
ホルダー9は外形状がプレート7の外形状と略同じ大きさ及び形状に形成された枠状のベース部18とベース部18の内周部から前方に突出されたレンズ保持部19とを有している。
【0024】
ベース部18には後方に突出された、例えば、四つの第1の取付ボス20が上下左右に離隔して設けられている。ベース部18には後方に突出された、例えば、三つの第2の取付ボス21が上端部と下端部に設けられ、例えば、一つの第2の取付ボス21が上端部に設けられ二つの第2の取付ボス21が下端部において左右に離隔して設けられている。ベース部18には後方に突出された、例えば、三つの第1の位置決めピン22が上端部と下端部に設けられ、例えば、二つの第1の位置決めピン22が上端部において左右に離隔して設けられ一つの第1の位置決めピン22が下端部に設けられている。ベース部18には後方に突出された、例えば、二つの第2の位置決めピン23が下端部において左右両端部に設けられている。
【0025】
光源ユニット6においては、第1の取付ボス20の外径がボス貫通孔12の径より小さくされ、第2の取付ボス21の外径がネジ挿通孔13の径より大きくされ、第2の位置決めピン23の外径がピン貫通孔15の径より小さくされている。
【0026】
レンズ保持部19は円筒状に形成された周面部19aと周面部19aの前縁から内方に張り出されたフランジ状の規制部19bとを有している。
【0027】
インナーレンズ10は前後方向から見た外形状が円形状に形成され、周方向に並んで三つの制御部10aを有している。インナーレンズ10はホルダー9のレンズ保持部19に後方から挿入されて保持され、規制部19bによってインナーレンズ10からの前方への脱落が防止される。三つの制御部10aは三つの光源17から出射される光をそれぞれ制御する機能を有し、光源17から出射された光は制御部10aによって略平行光にされる。
【0028】
サブプレート11は放熱性の高い金属材料、例えば、アルミニウムによって折曲加工により所定の形状に形成され、前後方向を向く被取付板部24と被取付板部24の左右両端縁から後方に突出された一対の放熱フィン部25とから成る。
【0029】
被取付板部24には、例えば、三つの取付用挿通孔24aが上端部と下端部に形成され、例えば、一つの取付用挿通孔24aが上端部に形成され二つの取付用挿通孔24aが下端部において左右に離隔して形成されている。被取付板部24には、例えば、三つの第2の位置決め孔24bが上端部と下端部に形成され、例えば、二つの第2の位置決め孔24bが上端部において左右に離隔して形成され一つの第2の位置決め孔24bが下端部に形成されている。
【0030】
以下に、プレート7に対するホルダー9とサブプレート11の取付作業について説明する(
図2及び
図4参照)。
【0031】
光源ユニット6においては、インナーレンズ10がホルダー9に保持された状態でホルダー9とサブプレート11のプレート7に対する取付作業が行われる。取付作業においては、先ず、プレート7の第1の位置決め孔14にホルダー9の第1の位置決めピン22が挿通されると共にプレート7のボス貫通孔12とピン貫通孔15にそれぞれホルダー9の第1の取付ボス20と第2の位置決めピン23が貫通される。
【0032】
第1の位置決め孔14に第1の位置決めピン22が挿通されることによりプレート7に対するホルダー9の位置決めが行われる。このときボス貫通孔12とピン貫通孔15はそれぞれ第1の取付ボス20と第2の位置決めピン23より径が大きくされているため、ボス貫通孔12とピン貫通孔15にそれぞれ第1の取付ボス20と第2の位置決めピン23が貫通されることによっては位置決めが行われない。
【0033】
プレート7に対するホルダー9の位置決めが行われることにより、プレート7のネジ挿通孔13にホルダー9の第2の取付ボス21が一致される。尚、下側に位置された二つの第2の取付ボス21と下側に位置された一つの第1の位置決めピン22はそれぞれ一部が基板8の逃げ孔8bに挿入される。
【0034】
また、このとき同時にホルダー9の第1の位置決めピン22がサブプレート11の第2の位置決め孔24bに挿通されてサブプレート11のホルダー9とプレート7に対する位置決めが行われ、サブプレート11の取付用挿通孔24aがプレート7のネジ挿通孔13に一致される。
【0035】
上記のように、光源ユニット6においては、プレート7とサブプレート11にそれぞれ第1の位置決めピン22が挿通される第1の位置決め孔14と第2の位置決め孔24bが形成されている。
【0036】
従って、プレート7の第1の位置決め孔14とサブプレート11の第2の位置決め孔24bの何れにもホルダー9の第1の位置決めピン22が挿通されてホルダー9とサブプレート11がプレート7に位置決めされるため、構造の簡素化を図った上でホルダー9とサブプレート11のプレート7に対する位置決めを行うことができる。
【0037】
プレート7に対するホルダー9とサブプレート11の位置決めが行われた状態において、第1の取付ネジ100が順に後方から取付用挿通孔24aとネジ挿通孔13に挿通され第2の取付ボス21に螺合されることによりホルダー9とサブプレート11がプレート7に同時に共締めによって取り付けられる。
【0038】
このように車輌用前照灯1においては、サブプレート11とホルダー9がプレート7に共締めにより取り付けられるため、プレート7にサブプレート11とホルダー9が一つの作業によって同時に取り付けられ、サブプレート11とホルダー9の取付作業における作業性の向上を図ることができる。
【0039】
尚、プレート7にサブプレート11が取り付けられた状態においては、被取付板部24の前面がプレート7の後面に面接触された状態になるが、被取付板部24の前面又はプレート7の後面に放熱性の高いグリスが塗布された状態でサブプレート11がプレート7に取り付けられてもよい。このようなグリスが塗布されることにより、プレート7からのサブプレート11への熱の伝達効率の向上を図ることができる。
【0040】
上記のようにプレート7にホルダー9とサブプレート11が取り付けられることにより光源ユニット6が構成される。光源ユニット6はブラケット26を介してランプハウジング2に取り付けられる(
図1及び
図4参照)。尚、ブラケット26は光源ユニット6が取り付けられた状態においてネジ止め等によってランプハウジング2に取り付けられる。
【0041】
ブラケット26は、例えば、枠状に形成された部分を有している。ブラケット26には、例えば、二つの位置決め用の図示しないピン挿入孔と、例えば、四つの取付孔26aとが形成されている。ピン挿入孔は左右に離隔して位置され、取付孔26aは上下左右に離隔して位置されている。
【0042】
光源ユニット6はブラケット26に以下のようにして取り付けられる(
図4参照)。
【0043】
光源ユニット6はホルダー9の第2の位置決めピン23がピン挿入孔に挿入されてブラケット26に対する位置決めが行われ、位置決めが行われた状態において第1の取付ボス20が取付孔26aに一致される。ブラケット26に対する光源ユニット6の位置決めが行われた状態において、第2の取付ネジ200が後方から取付孔26aに挿通され第1の取付ボス20に螺合されることにより光源ユニット6がブラケット26に取り付けられる。
【0044】
このときホルダー9は第2の位置決めピン23の外径がプレート7のピン貫通孔15の径より小さくされ第1の取付ボス20の外径がボス貫通孔12の径より小さくされ第1の取付ボス20がボス貫通孔12に貫通されているため、第2の取付ネジ200が第1の取付ボス20に螺合されるときにブラケット26がプレート7に干渉することがなく、光源ユニット6のブラケット26への取付時にプレート7に歪みが生じることがない。
【0045】
このように車輌用前照灯1においては、光源ユニット6がランプハウジング2にブラケット26を介して取り付けられ、ホルダー9にはボス貫通孔12を貫通される第1の取付ボス20が設けられ、ブラケット26がプレート7とサブプレート11に非接触の状態でホルダー9が第1の取付ボス20にネジ止めされることによりブラケット26に取り付けられる。
【0046】
従って、ブラケット26がプレート7とサブプレート11に関与することなく光源ユニット6がブラケット26に取り付けられるため、光源ユニット6がブラケット26に取り付けられるときにプレート7にブラケット26から負荷が付与されることがなくプレート7の歪みの発生を防止することができる。
【0047】
上記のように構成された車輌用前照灯1において、光源17に電流が供給されて光源17が駆動状態にされると、光源17と基板8に熱が発生する。発生した熱の多くはプレート7に伝達されプレート7からサブプレート11に伝達されてプレート7とサブプレート11から放出される。特に、プレート7からサブプレート11に伝達された熱は多くがサブプレート11の放熱フィン部25から放出される。
【0048】
このように多くの熱がプレート7とサブプレート11から放出されるため、光源17と基板8の温度上昇が抑制され、光源17と基板8の良好な駆動状態が確保される。
【0049】
以上に記載した通り、車輌用前照灯1にあっては、基板8が取り付けられる平板状のプレート7と、プレート7に取り付けられ放熱フィン部25を有するサブプレート11と、インナーレンズ10を保持しプレート7に取り付けられるホルダー9とを備えている。
【0050】
従って、車輌用前照灯1においては、インナーレンズ10を保持するホルダー9と光源17が実装された基板8が平板状のプレート7に取り付けられると共にプレート7に放熱フィン部25を有するサブプレート11が取り付けられるため、光源17とインナーレンズ10の間の高い位置精度を確保することができると共に光源17の駆動時に発生する熱の外部への高い放熱性能を確保することができる。
【0051】
特に、プレート7が平板状に形成されているため、プレート7に歪みが生じずプレート7の高い面精度が確保され、高い面精度が確保されたプレート7にインナーレンズ10を保持するホルダー9が取り付けられている。従って、光源17とインナーレンズ10の間の高い位置精度が確保されて光源17から出射される光のインナーレンズ10による安定した制御状態が確保されるため、車輌用前照灯1の安定した配光性能を確保することができる。
【0052】
また、サブプレート11は平板状の金属板が折曲加工されることにより被取付板部24と一対の放熱フィン部25とから成る構成にされているため、平板状の部材の2箇所を折り曲げることによりサブプレート11を形成することが可能であり、サブプレート11の形成を容易に行うことができると共に構造の簡素化による製造コストの低減を図ることができる。
【0053】
尚、上記には、一つのサブプレート11がプレート7に取り付けられる例を示したが、車輌用前照灯1においてはサブプレート11より小さな複数のサブプレート11Aがプレート7に取り付けられてもよい(
図5参照)。この場合にはプレート7にそれぞれのサブプレート11Aの位置決め用の図示しない位置決め孔とそれぞれのサブプレート11Aの取付用の図示しないネジ挿通孔とが形成される。
【0054】
複数のサブプレート11Aがプレート7に取り付けられる構成にされることにより、プレート7に対するサブプレート11Aの取付位置に関する設計の自由度の向上を図ることができ、特に、放熱フィン部25から放出される熱の放熱位置を最適な位置に設定することにより放熱効率の向上を図ることができる。また、サブプレート11Aの放熱フィン部25の合計の面積を大きくすることも可能になり、一層の放熱効率の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 車輌用前照灯
2 ランプハウジング
6 光源ユニット
7 プレート
8 基板
9 ホルダー
10 インナーレンズ
11 サブプレート
12 ボス貫通孔
14 第1の位置決め孔
17 光源
20 第1の取付ボス
22 第1の位置決めピン
24 被取付板部
24b 第2の位置決め孔
25 放熱フィン部
26 ブラケット
11A サブプレート