(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124753
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032646
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】日塔 和宏
(72)【発明者】
【氏名】酒井 嘉伸
(72)【発明者】
【氏名】一関 広幸
(72)【発明者】
【氏名】能城 和弘
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】遊技者による操作入力が単調となることを防止して演出の興趣性を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技展開に応じて演出操作レバー1200を傾倒操作させて遊技演出に関する操作入力を行うことが可能となるように構成された演出操作装置を備える。演出操作レバー1200の先端部には、表面部が椀状に形成された発光装飾部1260が設けられ、発光装飾部1260の表面部には、光出射部1262と光反射面部1261とが表面部の径方向に交互に配置されており、光出射部1262から出射された光が光反射面部1261おいて反射されるように構成される。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部および前記ベース部に傾倒・起立揺動可能に設けられた操作入力部を有し、遊技展開に応じて前記操作入力部を傾倒操作させて遊技演出に関する操作入力を行えるように構成された演出操作装置を備え、
前記操作入力部の先端部には、表面部が椀状に形成された発光装飾部が設けられ、
前記発光装飾部の前記表面部には、光出射部と光反射面部とが前記表面部の径方向に交互に配置されており、
前記光出射部から出射された光が前記光反射面部おいて反射されるように構成されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例であるぱちんこ遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を保持する枠部材に、各種の制御基板や払出装置等が装着された裏機構盤が取り付けられて構成される。そして、遊技者による発射ハンドルの操作量に応じた発射強度で遊技球を遊技領域の上側へ打ち出し、その遊技球を遊技領域内で流下させる過程において、遊技領域内に設けられた各種の入賞装置に遊技球を入球させる遊技を行うように構成されている。遊技領域には、各種の入賞装置の他に、遊技の興趣性を高めるためにセンター飾りや、遊技展開に応じた演出画像等を表示する液晶表示装置や、遊技展開に応じて演出可動部を作動させて遊技演出を行う演出可動装置等が設けられている。
【0003】
このようなぱちんこ遊技機等では、近年、遊技展開に応じて遊技者自身が操作し、遊技演出に関する操作入力を行う演出操作装置を備えた遊技機が増えてきている(例えば、特許文献1を参照)。例えば、遊技過程において、液晶表示装置に表示される装飾図柄がリーチ状態となったときに、演出操作装置を操作する旨の入力促進画像が液晶表示装置に表示され、それに従って演出操作装置を操作して入力を行うことにより、大当りへの期待度を高めるような演出に切り替えるなどして、遊技者を積極的に遊技に参加させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような演出操作装置では、遊技者による押圧操作が可能な押しボタン型や回転操作が可能な回転ボタン型、もしくは遊技者による傾倒操作が可能なレバー型の操作装置が知られているが、押圧操作や傾倒操作を繰り返すだけでは操作が非常に単調となり、演出の興趣性を高める効果が低いという課題があった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、遊技者による操作入力が単調となることを防止して演出の興趣性を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的達成のために、本発明に係る遊技機は、ベース部および前記ベース部に傾倒・起立揺動可能に設けられた操作入力部を有し、遊技展開に応じて前記操作入力部を傾倒操作させて遊技演出に関する操作入力を行えるように構成された演出操作装置を備え、前記操作入力部の先端部には、表面部が椀状に形成された発光装飾部が設けられ、前記発光装飾部の前記表面部には、光出射部と光反射面部とが前記表面部の径方向に交互に配置されており、前記光出射部から出射された光が前記光反射面部おいて反射されるように構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技者による操作入力が単調となることを防止して演出の興趣性を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。
【
図2】上記ぱちんこ遊技機を後方から見た斜視図である。
【
図3】上記ぱちんこ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】上記ぱちんこ遊技機に配設された基本形態の演出操作装置の正面図である。
【
図5】上記演出操作装置を左前方から見た斜視図である。
【
図6】上記演出操作装置を右前方から見た斜視図(ケーシングの一部を取り外した状態の図)である。
【
図7】上記演出操作装置を右前方から見た斜視図(内部構成が見える状態とした図)である。
【
図8】上記演出操作装置を右後方から見た斜視図(内部構成が見える状態とした図)である。
【
図9】上記演出操作装置を右前方から見た斜視図(演出操作レバーが上昇した状態の図)である。
【
図10】上記演出操作装置を右前方から見た斜視図(演出操作レバーが前方に傾倒した状態の図)である。
【
図11】上記演出操作装置を右前方から見た斜視図(入力負荷装置を切り離した状態の図)である。
【
図13】上記演出操作装置を右前方から見た斜視図(入力負荷装置の内部構成が見える状態とした図)である。
【
図16】上記演出操作装置のメインフローチャートである。
【
図17】上記演出操作装置の初期化動作のフローチャートである。
【
図18】上記演出操作装置の遊技中動作のフローチャートである。
【
図22】上記第1形態の演出操作装置を右前方から見た斜視図である。
【
図23】上記第1形態の演出操作装置の演出操作レバーを左前方から見た斜視図である。
【
図24】上記第1形態の演出操作装置の演出操作レバーの分解斜視図である。
【
図25】上記第1形態の演出操作装置の、演出操作レバーが下降した状態の右側面図(ベースカバーを取り外した状態とした図)である。
【
図26】上記第1形態の演出操作装置の、演出操作レバーが上昇した状態の右側面図(ベースカバーを取り外した状態とした図)である。
【
図27】上記第1形態の演出操作装置の、演出操作レバーが前方に傾倒した状態の右側面図(ベースカバーを取り外した状態とした図)である。
【
図28】上記第1形態の演出操作装置の操作負荷機構を示す図で、(A)は演出操作装置を右前方から見た斜視図(内部構成が見える状態とした図)であり、(B)は同図(A)における丸B部分の拡大図である。
【
図29】上記第1形態の演出操作装置のレバー昇降機構を示す図で、(A)は演出操作装置を右後方から見た斜視図(内部構成が見える状態とした図)であり、(B)は同図(A)における丸C部分の拡大図である。
【
図30】上記第1形態の演出操作装置の演出操作レバーの発光演出器の分解斜視図である。
【
図31】上記第1形態の演出操作装置の発光演出器の縦断面図(前後方向に対し垂直な断面図)である。
【
図32】上記第1形態の演出操作装置の発光演出器に内蔵された送風振動器を取り出した状態の操作レバーの分解斜視図である。
【
図33】上記第1形態の演出操作装置の送風振動器を示す図で、(A)は送風振動器を右前方から見た斜視図であり、(B)は送風振動器を左前方から見た斜視図である。
【
図34】上記第1形態の演出操作装置の送風振動器の分解斜視図である。
【
図36】上記第2形態の演出操作装置を右前方から見た斜視図である。
【
図37】上記第2形態の演出操作装置の背面図である。
【
図38】上記第2形態の演出操作装置の分解斜視図である。
【
図39】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーを示す図で、(A)は操作レバーを右前方から見た斜視図であり、(B)は操作レバーを右後方から見た斜視図である。
【
図40】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーを示す図で、(A)は演出操作レバーの正面図であり、(B)は演出操作レバーの右側面図である。
【
図41】上記第2形態の演出操作装置の、演出操作レバーが前方に傾倒した状態の斜視図である。
【
図42】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの分解斜視図である。
【
図43】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの把持部を構成する最上段の把持ブロックの分解斜視図である。
【
図44】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの把持部を構成する最上段の把持ブロックを示す図で、(A)は最上段の把持ブロックを上方から見た斜視図であり、(B)は最上段の把持ブロックの底面図である。
【
図45】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの把持部を構成する最下段の把持ブロックを示す図で、(A)は最下段の把持ブロックを上方から見た斜視図であり、(B)は最下段の把持ブロックの底面図である。
【
図46】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの把持部駆動機構および振動付与機構を示す演出操作レバーの垂直断面図(左右方向に対し垂直な断面図)である。
【
図47】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの入力負荷機構の操作負荷付与プレートが取り付けられた状態のベース基部を示す図で、(A)ベース基部の正面図であり、(B)はベース基部を右前方から見た斜視図である。
【
図48】上記第2形態の演出操作装置の演出操作レバーの入力負荷機構の操作負荷付与プレートを示す図で、(A)は操作負荷付与プレートの正面図であり、(B)は操作負荷付与プレートを左前方から見た斜視図である。
【
図49】上記第2形態の演出操作装置の入力負荷機構の操作負荷付与ユニットを示す図で、(A)は操作負荷付与ユニットを右前方から見た斜視図であり、(B)は操作負荷付与ユニットを右後方から見た斜視図である。
【
図50】上記第2形態の演出操作装置の入力負荷機構の操作負荷付与ユニットを示す図で、(A)は操作負荷付与ユニットを右前方から見た状態の分解斜視図であり、(B)は操作負荷付与ユニットを右後方から見た状態の分解斜視図である。
【0010】
[遊技機の全体構成]
始めに、本発明の一実施形態に係るぱちんこ遊技機PMの正面側の構成について説明する。ぱちんこ遊技機PMは、
図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられている。前枠2は、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
【0011】
前枠2には、この前枠2の前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3a,3bを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられている。ガラス枠5は、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2の前面側には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
【0012】
ガラス枠5の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿6および下球皿7)が設けられている。ガラス枠5の上部には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ11や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカ8が設けられている。スピーカ8は、外枠1の下部にも設けられている。下球皿7は、ガラス枠5の左右中央に対して左側に寄って配置されている。これにより、下球皿7の正面右側には空きスペースが形成され、その部分(ガラス枠5の左右略中央)に所定の遊技演出に関する操作入力を行う演出操作装置100(「基本形態の演出操作装置」とも称する)が設けられている。この演出操作装置100については後段にて詳細に説明する。
【0013】
前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられている。前枠2の下部には、ガラス枠5(上下の球皿6,7および演出操作装置100)の後方位置に、遊技盤20と上下に整合し得る位置に遊技補助盤と称される補助機構部が形成されている。この遊技補助盤に、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構91(
図3を参照)と、この球送り機構91から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構92(
図3を参照)と、球送り機構91および発射機構92の作動を制御する発射制御基板55(
図3を参照)とが設けられている。
【0014】
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レール21と、外レール21の内側において左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レール22と、外レール21の右上部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾り23とを備えており、外レール21、内レール22およびレール飾り23によって囲まれた内側に略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール21および内レール22により、発射機構により打ち出された遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路24が形成される。この案内通路24における遊技球の出口開口の近傍位置、すなわち内レール22の先端部に、案内通路24を通って出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路24へ戻るのを防止する球戻り防止弁25が配設されている。
【0015】
遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘、第1始動入賞装置41(第1始動口)、第2始動入賞装置42(第2始動口)、作動ゲート43、一般入賞装置44(一般入賞口)および大入賞装置45(大入賞口)等の各種入賞装置、並びに図柄表示装置46が設けられている。図柄表示装置46は、第1および第2始動入賞装置41,42への遊技球の入球を契機に、後述の主制御基板51により行われる当否抽選の結果に対応した第1および第2特別図柄や、作動ゲート43を遊技球が通過するのを契機に、主制御基板51により行われる第2始動入賞装置42の開放抽選の結果に対応した普通図柄や、これらの特別図柄および普通図柄の保留数を表示するように構成されている。
【0016】
遊技領域PAの略中央にはセンター役物60が配設されており、このセンター役物60の下方の開口を通して演出表示装置70(液晶表示装置)の画面が視認可能に設けられている。センター役物60は、モータやソレノイド等の電動アクチュエータと、この電動アクチュエータにより作動される演出可動部61とを有し、遊技展開に応じて演出可動部6
1を演出表示装置70の画面の前方位置まで下降移動させ、さらに演出可動部61を発光表示させる遊技演出を行うように構成されている。遊技領域PAには、センター役物60および演出表示装置70を囲むように配設されたセンターフレーム27が設けられている。遊技領域PAの下端部には、各入賞装置に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。
【0017】
続いて、ぱちんこ遊技機PMの背面側の構成について説明する。前枠2の背面側には、
図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が取り付けられている。裏セット盤30の各部には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンク33と、貯留タンク33からの遊技球を流下させる樋部材34と、樋部材34により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット35と、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿6もしくは下球皿7へ流下させる裏側通路部材36とが設けられている。
【0018】
遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51と、遊技展開に応じた演出動作、画像表示および効果音等の演出全般の制御を行う演出制御基板52とが設けられている。演出制御基板52は、演出表示装置70(液晶表示装置)と一体化された液晶ユニットとしてアッセンブリの状態で設けられている。裏セット盤30の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板54と、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(図示せず)とが設けられている。これらの制御基板は、不正改造防止のため、透明な樹脂製の基板ケース内に収容されてカシメ構造および封印シール構造により封印されたアッセンブリの状態で遊技盤20もしくは裏セット盤30の背面側に配設されている。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PMの各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
【0019】
続いて、ぱちんこ遊技機PMの電気的な概略構成について説明する。
図3に示すように、主制御基板51には、第1始動入賞装置41(第1始動口)への遊技球の入球を検出する第1始動口センサ81と、第2始動入賞装置42(第2始動口)への遊技球の入球を検出する第2始動口センサ82と、作動ゲート43の遊技球の通過を検出する作動ゲートセンサ83と、一般入賞装置44(一般入賞口)への遊技球の入球を検出する一般入賞口センサ84と、大入賞装置45(大入賞口)への遊技球の入球を検出する大入賞口センサ85と、アウト口29への遊技球の入球を検出するアウト口センサ86とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0020】
主制御基板51は、演出制御基板52と電気的に接続されており、主制御基板51から演出制御基板52へ一方向のみに各種の演出制御コマンドを送信可能になっている。また、主制御基板51は、払出制御基板54と電気的に接続されており、払出制御基板54との間で双方向に通信可能になっている。さらに、主制御基板51は、発射制御基板55と電気的に接続されており、主制御基板51から発射制御基板55へ一方向のみに通信可能になっている。
【0021】
演出制御基板52は、演出ランプ11と電気的に接続されており、主制御基板51からの指示(ランプ制御コマンド)に応じて演出ランプ11を制御するためのランプデータを送信する。また、演出制御基板52は、演出表示装置70およびスピーカ8と電気的に接続されており、主制御基板51からの指示(画像制御コマンド)に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置70に送信するとともに、主制御基板51からの指示(音響制御コマンド)に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ8に送信する。さらに、演出制御基板52は、
演出操作装置100と電気的に接続されており、主制御基板51からの指示(動作制御コマンド)に応じて演出操作装置100に作動信号を送信して演出操作装置100を作動させるとともに、演出操作装置100を用いて遊技者により操作入力された操作入力信号を受信するようになっている。
【0022】
払出制御基板54は、賞球払出ユニット35および貸球操作装置(図示せず)と電気的に接続されており、主制御基板51からの払出制御コマンド、もしくは貸球操作装置からの操作信号に基づいて、賞球払出ユニット35を作動させて遊技球を上球皿6もしくは下球皿7に払い出す制御を実行するようになっている。
【0023】
発射制御基板55は、発射ハンドル9、球送り機構91および発射機構92と電気的に接続されており、発射ハンドル9からの操作信号に基づいて、球送り機構91および発射機構92を同期的に作動させて遊技球を発射する制御を実行するようになっている。このとき、主制御基板51では、発射制御基板55との通信異常もしくは断線短絡電源異常が検出されていない場合、発射制御基板55に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。一方、発射制御基板55との通信異常もしくは断線短絡電源異常が検出されている場合、発射制御基板55に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止するようになっている。
【0024】
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、遊技球を上球皿6に貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が、球送り機構91によって1球ずつ発射機構92に送り出され、該発射機構92により遊技領域PAに向けて打ち出される。
【0025】
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口、第2始動口、大入賞口、一般入賞口のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット35により上球皿6、もしくは上球皿6が満杯の時には下球皿7に払い出される。例えば、第1始動口もしくは第2始動口に入賞した場合の賞球数は「3個」、大入賞口に入賞した場合の賞球数は「15個」、一般入賞口に入賞した場合の賞球数は「10個」となっている。遊技球が第1始動口もしくは第2始動口に入球すると、主制御基板51において特別図柄遊技の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(変動開始条件)が成立する場合、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、図柄表示装置46において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。演出表示装置70における装飾図柄の変動表示や後述する特別遊技が実行されることに伴って、演出表示装置70では、遊技の興趣性を高めたり、大当りの期待度を示唆したりするための演出的な動画像の表示を行うとともに、センター役物60の演出可動部61や後述する演出操作装置100の動作、スピーカ8からの音声/音楽データの出力による音声演出、ガラス枠5の演出ランプ11や遊技盤20に設けられた演出ランプの発光演出が実施される。
【0026】
図柄表示装置46において、第1特別図柄もしくは第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、特別遊技に移行し、大入賞口の開閉動作が開始される。また、演出表示装置70における、大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様となっている。特別遊技(大当り遊技)として、当選した大当り種別(大当り図柄)に応じて、規定ラウンド数の異なる複数種の特別遊技のうちのいずれかが展
開される。特別遊技は、大入賞口(特別電動役物)の1回もしくは複数回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。
【0027】
〔演出操作装置の構成〕
次に、基本形態の演出操作装置100の構成について、
図1および
図4~
図15を参照して説明する。演出操作装置100は、
図1に示すように、ガラス枠5の下部の左右略中央(下球皿7の右側)に設けられ、所定の遊技展開のときに遊技者により遊技演出に関する操作入力を行うための操作装置である。演出操作装置100は、
図4~
図8に示すように、ガラス枠5に固定されるベース部101と、ベース部101に対して上下方向に昇降移動自在に設けられる演出操作レバー110と、演出操作レバー110をベース部101に対して昇降移動させるレバー昇降機構120と、演出操作レバー110の傾倒操作に対して通常よりも大きな抵抗力を演出的に付与する入力負荷装置150とを有して構成される。
【0028】
演出操作レバー110は、上下方向に延びる略角柱形状のレバー基部111(
図8を参照)と、レバー基部111の上端部に設けられた略円盤形状のレバー先端部115とを有して構成される。レバー基部111の下端部には、左右方向に延びる回転軸112が設けられ、この回転軸112の上方位置に、左右方向に延びる傾倒軸113が設けられている(
図7を参照)。ベース部101には、上下に延びて形成されて回転軸112が挿入される第1ガイド孔102と、上下方向に延びて形成されて傾倒軸113が挿入される第2ガイド孔103とが設けられている(
図6を参照)。第1および第2ガイド孔102,103は、回転軸112および傾倒軸113の左右両側に設けられている。レバー基部111は、回転軸112および傾倒軸113が第1および第2ガイド孔102,103内をそれぞれ摺動することによりレバー基部111がガイドされ、ベース部101に対して上下方向に昇降移動(スライド移動)可能になっている。
【0029】
第2ガイド孔103の上端部には、前方に円弧状に延びて形成された傾倒ガイド部103aが設けられている。レバー基部111は、一番上まで上昇移動した位置において、傾倒軸113が傾倒ガイド部103a内を摺動することによりレバー基部111がガイドされ、遊技者により回転軸112を中心に前方に傾倒操作可能になっている。ベース部101の内部には、このようにレバー基部111を傾倒させるための可動空間が形成されている。この可動空間に上方から異物等が入ることを防ぐカバー部材111a(
図9を参照)がレバー基部111の前後に設けられており、カバー部材111aはレバー基部111の傾倒動作と同期して動くようになっている。
【0030】
レバー基部111には、遊技者により傾倒操作されている状態において、遊技者の手が放されたときに、レバー基部111を傾倒操作される前の位置に自動的に戻すバネ部材118(
図7を参照)が設けられている。なお、図示していないが、第1ガイド孔102内の上端部および下端部、第2ガイド孔103内の上端部および下端部、傾倒ガイド部103a内の前端部にはそれぞれ、回転軸112および傾倒軸113が接触して衝撃を受けるため、この衝撃を吸収するためのゴム部材が設けられている。
【0031】
ベース部101には、レバー基部111が一番下まで下降移動した位置(以下、この位置を「収納位置P1」と称する)に位置していることを検出する収納位置センサ105と、レバー基部111が一番上まで上昇移動した位置(以下、この位置を「操作可能位置P2」と称する)に位置していることを検出する操作可能位置センサ106と、レバー基部111が操作可能位置P2から前方に最大限まで傾倒した位置(以下、この位置を「操作状態位置P3」と称する)に位置していることを検出する操作状態位置センサ107とが設けられている。これらのセンサ105~107はそれぞれ、フォトセンサを用いて構成
され、回転軸112および傾倒軸113の右端部に固定された昇降検出片114aおよび傾倒検出片114b(
図9および
図10を参照)がそれぞれレバー基部111の移動に応じて各フォトセンサの発光素子と受光素子の間に挿入されて光を遮断したときに、レバー基部111が各位置に位置している状態であると検出するようになっている。これらのセンサ105~107により検出された検出信号はそれぞれ演出制御基板52に送信されるようになっている。
【0032】
レバー先端部115の上面略中央部には、遊技者により押し操作可能な演出ボタン116が設けられている。レバー先端部115の内部には、複数のLED(発光ダイオード)を実装したLED基板が設けられており、これらのLEDにより演出ボタン116自体および演出ボタン116の周囲を発光表示させることができるように構成されている。演出操作レバー110を操作可能位置P2から前方に傾倒操作した状態において、レバー先端部115の下面とベース部101の上面との間には、遊技者の手を挟み込まないように所定の空間を確保するようになっている。また、演出操作レバー110が収納位置P1に位置している状態においても、レバー先端部115の下面とベース部101の上面との間に、遊技者の指や遊技球を挟み込まないように所定の隙間を確保するようになっている。さらに、レバー先端部115の外形エッジ部分は丸みを帯びた形状に形成しており、安全性を確保するようになっている。ベース部101の上面は前方に向かって下がる傾斜面に形成されており、遊技球が当該上面に留まることなく、前方側に流下するようになっている。
【0033】
レバー昇降機構120は、
図7および
図8に示すように、昇降モータ121と、昇降モータ121の回転動力を伝達する昇降ギヤ列122と、昇降ギヤ列122により伝達された昇降モータ121の回転動力により回転される昇降カム123と、ベース部101に上下方向に揺動自在に設けられ、昇降カム123の回転により上下方向に揺動される昇降アーム124とを有して構成される。昇降アーム124の先端部は、演出操作レバー110の回転軸112と係合されている。レバー昇降機構120は、昇降モータ121の回転動力を昇降ギヤ列122により伝達して昇降カム123を回転させ、昇降カム123の回転により昇降アーム124を上下方向に揺動させることにより、昇降アーム124に係合された回転軸112を介して演出操作レバー110を収納位置P1と操作可能位置P2との間において昇降移動させるように構成されている。また、レバー昇降機構120は、昇降アーム124を上方に揺動させる方向に力を付与する昇降バネ125を有している。レバー昇降機構120は、昇降カム123の形状、昇降モータ121の回転方向、および昇降バネ125によって付与される力により、演出操作レバー110の昇降移動を複数のパターン(態様)で行うことができるようになっている。
【0034】
昇降ギヤ列122には、クラッチ機構部122aが設けられている。このクラッチ機構部122aにより、遊技者によって強制的に演出操作レバー110を昇降移動させようとする力が加えられたときに、その力が昇降モータ121に伝達されることを遮断し、昇降モータ121の破損を防止することができるように構成されている。昇降モータ121の出力軸には円筒ウォームギヤ127が取り付けられており、この円筒ウォームギヤ127の先端部には工具(本実施形態では、プラスドライバー)を差し込むことが可能な溝127aが形成されている。この溝127aに工具を差し込んで円筒ウォームギヤ127を回転させることにより、電源が入っていない状態であっても、演出操作レバー110を昇降移動させてメンテナンス作業等を行うことができるように構成されている。
【0035】
なお、図示していないが、レバー昇降機構120は、演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させたときに、演出操作レバー110が操作可能位置P2から下降移動しないようにロックするロックプレートを有している。このロックプレートは、演出操作レバー110を昇降移動させるときの昇降カム123の回転により、演出操作レバー1
10を操作可能位置P2から下降移動させないようにロックするロック位置とロック解除位置とに移動されるように構成されている。演出操作装置100は、演出操作レバー110を振動させる振動モータ131(
図7を参照)を有している。この振動モータ131の出力軸に取り付けられた偏心カム132の動作により、レバー基部111およびレバー先端部115を振動させることができるだけではなく、演出ボタン116の操作時も振動を遊技者に知覚させることができるように構成されている。これらの振動は、演出操作レバー110の昇降移動中にも行うことができるようになっている。
【0036】
入力負荷装置150は、演出操作レバー110を操作可能位置P2から前方に傾倒操作するときに、その傾倒操作に対して抵抗力を付与する装置である。入力負荷装置150は、
図11~
図15に示すように、負荷切替モータ151と、負荷切替モータ151の出力軸に固定される第1ギヤ152と、第1ギヤ152と噛み合う第2ギヤ153と、第2ギヤ153内に挿入された状態で設けられるスクリュー部材154と、スクリュー部材154に連結される第3ギヤ155と、ロータリーダンパー156と、ロータリーダンパー156の回転軸に固定される第4ギヤ157と、演出操作レバー110の回転軸112および傾倒軸113の左端部に固定されるプレート部材158と、これらを組み付けるための複数のベース部材159A~159Cおよび複数のボルト部材とを有して構成される。
【0037】
第2ギヤ153の内周面とスクリュー部材154の外周面にはそれぞれ、ねじ状の歯が形成されており、これらの歯が噛み合った状態でスクリュー部材154が第2ギヤ153内に挿入されている。そのため、第2ギヤ153が回転すると、その回転方向に応じてスクリュー部材154が左右いずれかの方向にスライド移動するようになっている。このスクリュー部材154に連結部材161を介して第3ギヤ155が連結されている。第3ギヤ155の右側面には、上下方向に延びる凹状の切替凹部155aが形成されている。プレート部材158の左側面には、上下方向に延びる凸状の切替凸部158aが形成されている。スクリュー部材154の上記スライド移動により第3ギヤ155が右方にスライド移動されると、第3ギヤ155の切替凹部155aにプレート部材158の切替凸部158aが嵌合され、第3ギヤ155とプレート部材158が連結されるようになっている。プレート部材158は、演出操作レバー110の回転軸112および傾倒軸113の左端部に固定され、演出操作レバー110とともに前後方向に傾倒移動するようになっている。
【0038】
第3ギヤ155は、ロータリーダンパー156の回転軸に固定された第4ギヤ157と噛み合っている。第3ギヤ155は、スクリュー部材154とともに左右方向にスライド移動され、プレート部材158と連結されたときも、連結されていないときも、常に第4ギヤ157と噛み合った状態となっている。ロータリーダンパー156は、第4ギヤ157を介して入力される一方向の回転のみにトルクを発生する1WAY構造になっている(ロータリーダンパー156は1WAYヒンジとも称されるものである)。
【0039】
入力負荷装置150は、負荷切替モータ151を正回転させて第1ギヤ152を介して第2ギヤ153を回転させ、第2ギヤ153の回転によりスクリュー部材154を右方にスライド移動させることにより、スクリュー部材154に連結された第3ギヤ155を右方にスライド移動させ、第3ギヤ155の切替凹部155aにプレート部材158の切替凸部158aを嵌合させて第3ギヤ155とプレート部材158を連結させるように構成されている(
図14および
図15を参照)。そして、第3ギヤ155とプレート部材158が連結されると、演出操作レバー110を操作可能位置P2から前方に傾倒操作したときに、演出操作レバー110とともにプレート部材158が前方に傾倒移動され、プレート部材158と連結された第3ギヤ155が回転される。この第3ギヤ155の回転が第4ギヤ157を介してロータリーダンパー156に入力され、ロータリーダンパー156はこの回転に対してトルクを発生させて抵抗力を付与するようになっている。これにより
演出操作レバー110の前方への傾倒操作に対して抵抗力が付与され、遊技者は演出操作レバー110の操作感を通常よりも重く感じるようになっている。
【0040】
なお、ロータリーダンパー156は上記のように1WAY構造であり、演出操作レバー110の後方への傾倒操作(戻し操作)に対しては抵抗力が付与されないようになっている。入力負荷装置150では、演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していてプレート部材158の切替凸部158aが上下方向に延びた状態にあるときに、上記のように第3ギヤ155とプレート部材158を連結させることができるようになっており、演出操作レバー110が操作可能位置P2と操作状態位置P3の間において傾倒操作されているときには第3ギヤ155とプレート部材158とを連結させることはできないようになっている。
【0041】
一方、負荷切替モータ151を逆回転させると、第1ギヤ152を介して第2ギヤ153が逆回転され、この第2ギヤ153の回転によりスクリュー部材154が左方にスライド移動される。これによりスクリュー部材154に連結された第3ギヤ155が左方にスライド移動され、第3ギヤ155の切替凹部155aとプレート部材158の切替凸部158aとの嵌合が解除されて第3ギヤ155とプレート部材158が連結されていない状態(非連結状態)となるように構成されている。このとき、演出操作レバー110を傾倒操作してもプレート部材158を介して第3ギヤ155が回転されないため、演出操作レバー110の傾倒操作に対してロータリーダンパー156による上記抵抗力は付与されないようになっている。
【0042】
入力負荷装置150は、第3ギヤ155とプレート部材158が連結されて演出操作レバー110の傾倒操作に対して抵抗力を付与可能な状態であることを検出する第1切替センサ165と、第3ギヤ155とプレート部材158が連結されておらず演出操作レバー110の傾倒操作に対して抵抗力を付与しない状態であることを検出する第2切替センサ166とを有している。第1および第2切替センサ165,166はそれぞれ、フォトセンサを用いて構成され、第2ギヤ153に設けられた切替検出片153aが第2ギヤ153の回転に応じて各フォトセンサの発光素子と受光素子の間に挿入されて光を遮断したときに、演出操作レバー110の傾倒操作に対して抵抗力を付与可能な状態であるか否かを検出するようになっている。第1および第2切替センサ165,166により検出された検出信号はそれぞれ演出制御基板52に送信されるようになっている。
【0043】
上記のように、入力負荷装置150は、演出操作レバー110の傾倒操作に対して抵抗力を付与するときと、付与しないときとを切り替えることができるように構成されている。そのため、例えば、遊技領域PAに設けられた各入賞装置に遊技球が入球して図柄の変動抽選が開始され、その図柄変動中に2回以上演出操作レバー110を前方へ傾倒操作させる旨の入力促進画像を演出表示装置70の液晶画面に表示させ、2回以上傾倒操作させる演出を行うときに、1回目の傾倒操作時と2回目の傾倒操作時とにおいて、入力負荷装置150により当該傾倒操作に対する抵抗力を変えることができる。このように演出操作レバー110の操作感を変えることにより、遊技者による操作入力が単調となることを防止することができ、遊技演出の興趣性を高めることができる。なお、1回目の傾倒操作後に、演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻っていない場合(遊技者により傾倒操作されたままの場合)には、入力負荷装置150により抵抗力を変更することができないため、抵抗力を変更せずに遊技演出を実行するか、2回目には演出ボタン116を押圧操作させる演出に差し替える、もしくは2回目の演出を実行しないようにしてもよい。
【0044】
また、入力負荷装置150により傾倒操作に対する抵抗力を変更しているときには、上記入力促進画像を異なる画像としてもよい。例えば、通常時には「引け!!」という文字を表示し、抵抗力変更時には「力を込めて引け!!」という文字や、レバー画像を通常と
は異なる色味に表示するようにしてもよい。或いは、演出操作レバー110のレバー先端部115のLED発光パターンを変更したり、導入音声を変更したりしてもよい。また、入力負荷装置150による演出操作レバー110に対する抵抗力の変更は、必ず行われるのではなく、特別遊技(大当り遊技)へ移行する期待度が高いときに例えば50%~70%の確率で行われ、前記期待度が低いときには例えば10%の確率でしか行われないように、演出抽選により抵抗力変更(レバー負荷変更)の有無を決定してもよい。また、演出操作レバー110を前方に傾倒操作したままの状態で、入力負荷装置150による抵抗力の変更ができない場合には、上記入力促進画像等の表示による操作促進演出を行わないようにしたり、別の演出に差し替えるようにしてもよい。
【0045】
次に、演出操作装置100の動作制御について、
図16~
図20のフローチャートを参照して説明する。演出操作装置100は、主制御基板51からの指示に応じて演出制御基板52から送信される動作制御コマンドを受けて、
図16に示すように初期化動作および遊技中動作の動作制御が行われる。ぱちんこ遊技機PMの電源スイッチがOFF状態からON状態に切り替えられる(電源が立ち上げられる)と、演出操作装置100では、演出操作レバー110を収納位置P1に位置させる初期化動作が行われる(ステップS1)。
図17に示すように、この初期化動作では、先ず、電源が立ち上げられたか否かを判定する(ステップS11)。電源スイッチ(ぱちんこ遊技機PM)がOFF状態のまま、もしくはON状態のままの場合には、この初期化動作は終了される。
【0046】
電源スイッチがOFF状態からON状態に切り替えられて、ぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)の電断復帰が行われると、昇降モータ121を回転駆動させ、上記のようにレバー昇降機構120により演出操作レバー110を収納位置P1に下降移動させる動作制御が行われる(ステップS12)。ここで、最初(電源立ち上げ時)から演出操作レバー110が収納位置P1に位置している場合は、演出操作レバー110を収納位置P1から操作可能位置P2にゆっくり上昇移動させ、その後一定期間(例えば、3秒間)、演出操作レバー110を操作可能位置P2に保持し、その後、演出操作レバー110を収納位置P1にゆっくり下降移動させる制御が行われる。一方、最初(電源立ち上げ時)に演出操作レバー110が収納位置P1に位置していない場合は、演出操作レバー110を収納位置P1にゆっくり下降移動させ、その後、収納位置P1から操作可能位置P2にゆっくり上昇移動させ、その後一定期間(例えば、3秒間)、演出操作レバー110を操作可能位置P2に保持し、その後、演出操作レバー110を収納位置P1にゆっくり下降移動させる制御が行われる。なお、上記のゆっくり上昇、下降移動させるとは、昇降モータ121を正回転させてロックがかかった状態でゆっくり上昇、下降移動させることである。これ以外に、昇降モータ121を逆回転させてロックを外した状態で高速上昇移動させることも可能になっており、上記初期化動作において収納位置P1から操作可能位置P2に上昇移動させる場合に、上記高速上昇移動させるようにしてもよい。
【0047】
そして、収納位置センサ105からの検出信号により演出操作レバー110が収納位置P1に位置しているか否かを判定する(ステップS13)。演出操作レバー110が収納位置P1に位置していると検出された場合には、演出操作装置100の初期化動作は終了される。なお、各入賞装置に遊技球が入球して図柄の変動抽選が開始され、その図柄変動中に電源スイッチがON状態からOFF状態に切り替えられた後(電源断後)に、電源が立ち上げられた場合、演出表示装置70等の演出装置での電断前に開始した図柄変動に対する演出は行われることなく、当該変動が終了するタイミングまで、装飾図柄が高速変動するのみのダミー変動が実行されるため、電源立ち上げ時に初期化動作を行っても問題がない。また、演出操作レバー110が収納位置P1に戻る前に次の図柄変動が開始される場合があるが、演出操作レバー110を昇降動作させるパターンは基本的に大当り期待度の高い図柄変動の後半(終盤)に実施される演出(図柄変動の前半に係る遊技者操作演出では演出ボタン116を使用する)である場合が多く、ダミー変動および次の図柄変動の
前半において初期化動作を終了するための時間的余裕は確保されている。
【0048】
ステップS13において、収納位置センサ105により演出操作レバー110が収納位置P1に位置していると検出されない場合には、レバー昇降機構120(昇降モータ121)を駆動させて演出操作レバー110を収納位置P1に下降移動させるリトライ動作が行われる(ステップS14からステップS12に戻る)。演出操作レバー110が収納位置P1に位置しているか否かの判定タイミングは、操作可能位置P2から収納位置P1まで下降移動させる(復帰させる)のに必要な昇降モータ121(ステッピングモータ)の駆動ステップ数に所定のマージンを加えたステップ数動作を出力した場合であり、当該タイミングで収納位置P1に位置していない場合にはリトライ動作を行うと判定するものである。リトライ動作毎に収納位置P1方向へ向けた昇降モータ121の駆動ステップの間隔を異ならせ、演出操作レバー110に与えるトルクを異ならせるようにしたり、一旦操作可能位置P2方向に動作させた後、収納位置P1方向への動作を行うようにしてもよい。
【0049】
上記リトライ動作を4回以上行っても、演出操作レバー110が収納位置P1に位置していると検出されない場合には、初期化エラー報知が行われる(ステップS15)。この初期化エラー報知は、遊技領域PAの略中央に配置された演出表示装置70の液晶画面において、演出操作装置100(演出操作レバー110)の初期化動作を正常に行えない旨のエラー表示を行うとともに、ぱちんこ遊技機PMの前面側に配置されたスピーカ8から「演出操作装置100の初期化動作異常を検知しました」という旨の音声を発生させるようになっている。さらに、初期化エラー報知は、ガラス枠5に設けられた演出ランプ11、および演出操作レバー110のレバー先端部115に設けられた複数のLEDを赤色に点灯させてエラー報知を行うようになっている。
【0050】
初期化エラー報知が行われているときには、昇降モータ121を停止させる制御が行われる。そして、初期化エラー報知が行われてからの時間計測(ステップS16)や、遊技領域PAに設けられたアウト口29に遊技球が入球したか否かの監視(ステップS17)や、ガラス枠5が前枠2に対して前方に開放されたか否かの監視(ステップS18)などが行われる。初期エラー報知が行われてから10分(この時間は適宜変更可能である)が経過すること、アウト口29に遊技球が入球してアウト口センサ86により遊技球が検出されること、ガラス枠5が前枠2に対して前方に開放されること、のいずれかを検知すると、それを契機として、ステップS12に戻って演出操作装置100(演出操作レバー110)の初期化動作が再度行われる。上記3つのいずれかが検知された場合には、初期化エラー報知は終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除される。一方、上記3つのいずれも検知されない場合には、ステップS15における初期化エラー報知が継続して行われる。
【0051】
なお、ステップS16~S18において、初期エラー報知が行われてから所定時間が経過したこと、アウト口29に遊技球が入球したこと、ガラス枠5が開放されたこと、のいずれかを検知すると、初期化エラー報知が解除されるように構成してもよい。但し、リトライ動作(再度の初期化動作)は行われず、昇降モータ121はずっと停止したままになる。つまり、このようになった場合、再度初期化動作を行うには、基本的には、再度電源立ち上げを行う(電源スイッチをOFF状態にしてからON状態にし直す)必要がある。但し、所定時間経過やアウト口29への入球ではなく、ガラス枠5の開放だけは、再度の電源立ち上げを必要とすることなく、上記のようになった場合は、ガラス枠5を開放して閉鎖することで、再度初期化動作を行うよう構成しても良い。
【0052】
また、ステップS16~S18の他に、遊技者が演出操作レバー110を手で持って収納位置P1まで強制的に下降移動させて収納位置センサ105により検出されたか否かの
監視も行うように構成してもよい。そして、遊技者により演出操作レバー110が強制的に収納位置P1まで下降移動されたと検出されると、それを契機として、ステップS12に戻って演出操作装置100(演出操作レバー110)の初期化動作が再度行われるように構成してもよい。またこのとき、初期化エラー報知は終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除されるように構成してもよい。
【0053】
上記初期化動作が終わると、演出操作装置100では次に遊技中の動作制御に移行される(ステップS2)。演出操作装置100は、例えば、特別遊技(大当り遊技)に移行される期待度が高い図柄変動中や、特別遊技中において確率変動図柄へ昇格する期待度が高いとき等、所定の遊技展開のときに、演出操作レバー110を収納位置P1から操作可能位置P2に上昇移動させ、この操作可能位置P2において遊技者により演出操作レバー110を前方に傾倒操作させ、これにより遊技演出に関する操作入力を行うことができるようになっている。そこで、
図18に示すように、この遊技中動作では、先ず、上記のような所定の遊技展開であって、演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させるタイミングであるか否かを判定する(ステップS21)。演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させるタイミングではない場合には、この遊技中動作は終了される(
図20を参照)。
【0054】
演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させるタイミングであると判定した場合には、昇降モータ121を回転駆動させ、上記のようにレバー昇降機構120により演出操作レバー110を収納位置P1から操作可能位置P2に上昇移動させる動作制御が行われる(ステップS22)。そして、操作可能位置センサ106からの検出信号により演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置しているか否かを判定する(ステップS23)。ステップS22において演出操作レバー110を上昇移動させるタイミング(上昇前、上昇後のいずれでも可)であって、ステップS23において演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していると判定されるまでの間に、上記のように入力負荷装置150により、遊技展開に応じて演出操作レバー110の前方への傾倒操作に対する抵抗力切り替え設定される。例えば、遊技領域PAに設けられた各入賞装置に遊技球が入球して図柄の変動抽選が開始され、その図柄変動中に2回以上演出操作レバー110を前方へ傾倒操作させる旨の入力促進画像を演出表示装置70の液晶画面に表示させ、2回以上傾倒操作させる演出を行うときに、1回目の傾倒操作時と2回目の傾倒操作時とにおいて、入力負荷装置150により当該傾倒操作に対する抵抗力を変更させる。
【0055】
演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していると検出されない場合には、レバー昇降機構120(昇降モータ121)を駆動させて演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させるリトライ動作が行われる(ステップS24からステップS22に戻る)。演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置しているか否かの判定タイミングは、収納位置P1から操作可能位置P2まで上昇移動させるのに必要な昇降モータ121(ステッピングモータ)の駆動ステップ数に所定のマージンを加えたステップ数動作を出力した場合であり、当該タイミングで操作可能位置P2に位置していない場合にはリトライ動作を行うと判定するものである。リトライ動作毎に操作可能位置P2方向へ向けた昇降モータ121の駆動ステップの間隔を異ならせ、演出操作レバー110に与えるトルクを異ならせるようにしたり、一旦収納位置P1方向に動作させた後、操作可能位置P2方向への動作を行うようにしてもよい。
【0056】
なお、遊技中に演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させるリトライ動作を行う場合、図柄変動に関係なく進行してしまうため、リトライ動作中に演出操作レバー110を用いて操作入力すべきタイミングが経過する虞がある。この場合、演出操作レバー110を上昇移動させる必要がなくなり、逆に、演出操作レバー110を収納位置P
1に下降移動させるタイミングになる。そのため、この場合には後述するステップS35に移行するように構成してもよい。なお、このように構成した場合には、リトライカウンタは、演出操作レバー110が収納位置P1に位置した後もクリアせず、次回の上昇動作時にも引き継いでカウントするようにすることが望ましい。
【0057】
上記リトライ動作を5回以上行っても、演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していると検出されない場合には、出現エラー報知が行われる(ステップS25)。この出現エラー報知は、遊技領域PAの略中央に配置された演出表示装置70の液晶画面において「演出操作レバー110の動作停止中」という旨のエラー表示を行うとともに、演出操作レバー110のレバー先端部115に設けられた複数のLEDを赤色に点灯させてエラー報知を行うようになっている。なお、この出現エラー報知では、演出ランプ11による発光やスピーカ8による音声を用いたエラー報知は行わないようになっている。
【0058】
出現エラー報知が行われているときには、昇降モータ121を停止させる制御が行われる。そして、ガラス枠5が前枠2に対して前方に開放されたか否かの監視(ステップS26)や、出現エラー報知が行われてから遊技球の発射操作等が所定時間行われず、演出表示装置70の液晶画面において待機デモ画像(映像)が表示されたか否かの監視(ステップS27)や、遊技者が演出操作レバー110を手で持って操作可能位置P2まで強制的に上昇移動させて操作可能位置センサ106により検出されたか否かの監視(ステップS28)などが行われる。待機デモ画像は、特別図柄の保留がなく且つ図柄変動が行われていない遊技待機状態が一定時間(例えば、75秒)経過することで、(3つの)装飾図柄が表示されている画面からデモ画面に移行するようになっている。なお、上記デモ画面は、通常遊技中(大当り確率が低い状態、一般入賞装置(所謂、電チュー)の開放容易性が低い状態)で発生するが、確率変動中(大当り確率が高い状態)や時短中(電チューの開放容易性が高い状態)では発生しないよう構成してもよい。
【0059】
ガラス枠5が前枠2に対して前方に開放されること、演出表示装置70に待機デモ画像が表示されること、遊技者により演出操作レバー110が強制的に操作可能位置P2まで上昇移動されること、のいずれかを検知すると、それを契機として、ステップS22に戻ってレバー昇降機構120(昇降モータ121)を再度駆動させて演出操作レバー110を操作可能位置P2に上昇移動させる動作制御が行われる。上記3つのいずれかが検知された場合には、出現エラー報知は終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除される。一方、上記3つのいずれも検知されない場合には、ステップS25における出現エラー報知が継続して行われる。なお、出現エラー報知が行われている際に、遊技者が演出操作レバー110を手で持って収納位置P1まで強制的に下降移動させて収納位置センサ105により検出されたか否かの監視も行うように構成してもよい。そして、遊技者により演出操作レバー110が強制的に収納位置P1まで下降移動されたと検出されると、それを契機として、出現エラー報知が終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除されるように構成してもよい。
【0060】
ステップS23において、操作可能位置センサ106により演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していると検出された場合には、
図19に示すように、遊技者により演出操作レバー110が操作可能位置P2から前方に傾倒操作されたか否かを監視する(ステップS29)。演出操作レバー110が傾倒操作されたか否かは、操作可能位置センサ106により演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していると検出されなくなった事象によって監視することができる。なお、上述の操作状態位置センサ107により演出操作レバー110が検出された事象によって演出操作レバー110が傾倒操作された状態であることを検知するようにしてもよい。
【0061】
操作可能位置センサ106により演出操作レバー110が操作可能位置P2に位置していると検出されなくなり、演出操作レバー110が傾倒操作された状態である場合には、操作可能位置センサ106からの検出信号により演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻ってきたか否かを判定する(ステップS30)。演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻ってきていないと検出された場合には、演出操作レバー110が操作可能位置P2から傾倒操作されてからの時間を監視する(ステップS31)。そして、演出操作レバー110が傾倒操作された時点から10秒(この時間は適宜変更可能である)以上経過しても操作可能位置P2に戻ってきていない場合には、収納エラー報知レベル1が行われる(ステップS32)。この収納エラー報知レベル1は、遊技領域PAの略中央に配置された演出表示装置70の液晶画面において「演出操作レバー110を戻して下さい」という旨のエラー表示を行うようになっている。なお、この収納エラー報知レベル1では、演出ランプ11および演出操作レバー110のLEDによる発光や、スピーカ8による音声を用いたエラー報知は行わないようになっている。
【0062】
収納エラー報知レベル1が行われているときには、操作可能位置センサ106からの検出信号により演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻ってきたか否かの判定(ステップS33)や、収納エラー報知レベル1が行われてからの時間計測(ステップS34)などが行われる。演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻ってきたことが検知されるとステップS30に戻る。一方、演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻ってきたこと、収納エラー報知レベル1が行われた時点から60秒(この時間は適宜変更可能である)以上経過したこと、のいずれも検知されない場合には、ステップS32における収納エラー報知レベル1が継続して行われる。収納エラー報知レベル1が行われた時点から60秒以上経過した場合には、後述する収納エラー報知レベル2が行われる(ステップS39)。上記2つのいずれかが検知された場合には、収納エラー報知レベル1は終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除される。
【0063】
ステップS30において演出操作レバー110が操作可能位置P2に戻ってきたことが検知された場合には、遊技展開に応じて演出操作レバー110を操作可能位置P2から収納位置P1に下降移動させるタイミングであるか否かを判定する(ステップS35)。演出操作レバー110を収納位置P1に下降移動させるタイミングではない場合には、ステップS29に戻って、遊技者により演出操作レバー110が操作可能位置P2から前方に傾倒操作されたか否かを監視する。
【0064】
演出操作レバー110を収納位置P1に下降移動させるタイミングであると判定した場合には、
図20に示すように、昇降モータ121を回転駆動させ、上記のようにレバー昇降機構120により演出操作レバー110を操作可能位置P2から収納位置P1に下降移動させる動作制御が行われる(ステップS36)。そして、収納位置センサ105からの検出信号により演出操作レバー110が収納位置P1に位置しているか否かを判定する(ステップS37)。演出操作レバー110が収納位置P1に位置していると検出された場合には、この遊技中動作は終了される。
【0065】
演出操作レバー110を操作可能位置P2から収納位置P1に下降移動させる動作制御(リトライ動作を含む)を1回~4回行っても、演出操作レバー110が収納位置P1に位置していると検出されない場合には、収納エラー報知レベル2が行われる(ステップS38からステップS39に進む)。また、上述したように、収納エラー報知レベル1が行われた時点から60秒以上経過した場合にも、収納エラー報知レベル2が行われる。この収納エラー報知レベル2は、遊技領域PAの略中央に配置された演出表示装置70の液晶画面において「演出操作レバー110を戻して下さい」という旨のエラー表示を行うとともに、ぱちんこ遊技機PMの前面側に配置されたスピーカ8から「演出操作レバー110
を戻して下さい」という旨の音声を30秒間繰り返し発生させるようになっている。さらに、収納エラー報知レベル2は、ガラス枠5に設けられた演出ランプ11を赤色に点灯させてエラー報知を行うようになっている。なお、収納エラー報知レベル2では、演出操作レバー110のLEDによる発光を用いたエラー報知は行わないようになっている。
【0066】
収納エラー報知レベル2が行われているときには、遊技領域PAに設けられた各入賞装置に遊技球が入球して図柄の変動抽選が開始されたか否かの監視(ステップS40)や、その変動抽選が停止されたか否かの監視(ステップS41)や、収納エラー報知レベル2が行われてからの時間計測(ステップS42)などが行われる。図柄の変動抽選が開始されたこと、その変動抽選が停止されたこと、収納エラー報知レベル2が行われた時点から5秒(この時間は適宜変更可能である)以上が経過されたこと、のいずれかを検知すると、それを契機として、ステップS36に戻ってレバー昇降機構120(昇降モータ121)を再度駆動させて演出操作レバー110を収納位置P1に下降移動させる動作制御が行われる。上記3つのいずれかが検知された場合には、収納エラー報知レベル2は終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除される。一方、上記3つのいずれも検知されない場合には、ステップS39における収納エラー報知レベル2が継続して行われる。なお、ステップS42では、収納エラー報知レベル2が行われた時点からではなく、直近のエラー判定(ステップS37での判定)が行われてから5秒以上経過したか否かを監視するように構成してもよい。
【0067】
ステップS36において、演出操作レバー110を操作可能位置P2から収納位置P1に下降移動させるリトライ動作を5回以上行っても、演出操作レバー110が収納位置P1に位置していると検出されない場合には、収納エラー報知レベル3が行われる(ステップS38からステップS43に進む)。この収納エラー報知レベル3は、上記出現エラー報知と同様に、遊技領域PAの略中央に配置された演出表示装置70の液晶画面において「演出操作レバー110の動作停止中」という旨のエラー表示を行うとともに、演出操作レバー110のレバー先端部115に設けられた複数のLEDを赤色に点灯させてエラー報知を行うようになっている。なお、この収納エラー報知レベル3では、演出ランプ11による発光や、スピーカ8による音声を用いたエラー報知は行わないようになっている。
【0068】
収納エラー報知レベル3が行われているときには、昇降モータ121を停止させる制御が行われる。そして、ガラス枠5が前枠2に対して前方に開放されたか否かの監視(ステップS44)や、収納エラー報知レベル3が行われてから遊技球の発射操作等が所定時間行われず、演出表示装置70の液晶画面において待機デモ画像(映像)が表示されたか否かの監視(ステップS45)や、遊技者が演出操作レバー110を手で持って収納位置P1まで強制的に下降移動させて収納位置センサ105により検出されたか否かの監視(ステップS46)などが行われる。待機デモ画像は、上記ステップS27において説明した条件と同様の条件で表示される。演出表示装置70に待機デモ画像が表示されること、遊技者により演出操作レバー110が強制的に収納位置P1まで下降移動されること、のいずれかを検知すると、それを契機として、ステップS36に戻ってレバー昇降機構120(昇降モータ121)を再度駆動させて演出操作レバー110を収納位置P1に下降移動させるリトライ動作が行われる。ガラス枠5が前枠2に対して前方に開放されたと検出された場合には、
図17に示すステップS12に戻って初期化動作が行われる。上記3つのいずれかが検知された場合には、収納エラー報知レベル3は終了される、もしくはぱちんこ遊技機PM(演出制御基板52)がエラー状態であると判断している状態が解除される。一方、上記3つのいずれも検知されない場合には、ステップS43における収納エラー報知レベル3が継続して行われる。
【0069】
このように演出操作装置100では、正常に初期化動作が行われない場合に、演出表示装置70における画像表示、スピーカ8からの音声発生、並びに、演出ランプ11および
演出操作レバー110のLED発光を用いて初期化エラー報知を行うようになっている。そのため、正常に初期化動作が行われない場合に、施設管理者や遊技者に迅速且つ適切に注意喚起を行うことができる。
【0070】
また、遊技中においては、演出操作レバー110が収納位置P1から操作可能位置P2に正常に上昇移動されない場合に、演出表示装置70における画像表示、および演出操作レバー110のLED発光を用いて出現エラー報知を行うようになっている。さらに、操作可能位置P2から収納位置P1に正常に下降移動されない場合には、演出表示装置70における画像表示のみを用いて行う収納エラー報知レベル1と、演出表示装置70における画像表示、スピーカ8からの音声発生および演出ランプ11の発光を用いて行う収納エラー報知レベル2と、演出表示装置70における画像表示および演出操作レバー110のLED発光を用いて行うエラー報知、並びに演出操作装置100(昇降モータ121)の動作を停止させる収納エラー報知レベル3とを行って、段階的に注意喚起を行うようになっている。このように段階的(レベル別)に注意喚起方法を変えることにより、施設管理者や遊技者に迅速且つ適切に注意喚起を行うことができる。また、収納エラー報知レベル3では、昇降モータ121の動作も停止させることにより、昇降モータ121の破損も防ぐことができる。
【0071】
なお、出現エラー報知と収納エラー報知レベル3では、エラー報知を行う条件(エラー回数が5回以上)や、リトライ動作条件(ガラス枠5の開放、待機デモ画像(映像)の表示、遊技者による演出操作レバー110の強制的な下降移動)や、エラー報知の態様(演出表示装置70による画像表示および演出操作レバー110のLEDによる発光を用いてエラー報知を行う一方、演出ランプ11による発光やスピーカ8による音声を用いたエラー報知は行わない)が共通した構成となっている。
【0072】
〔第1形態の演出操作装置〕
次に、上述した演出操作装置100とは一部構成が異なる演出操作装置(「第1形態の演出操作装置」とも称する)について説明する。
図21および
図22に、第1形態の演出操作装置1000を示している。まず、
図21~
図29を追加参照して演出操作装置1000の全体構成について概略説明する。
図21および
図22に示す演出操作装置1000は、上述した演出操作装置100と同様に、ガラス枠5(
図1を参照)の下部の左右略中央に設けられ、所定の遊技展開のときに遊技者により遊技演出に関する操作入力を行うための操作装置である。演出操作装置1000は、ベース部1100と、ベース部1100に対して上下方向に昇降移動可能に、かつ前後方向に揺動可能に設けられる演出操作レバー1200(「操作入力部」とも称する)とを主体として構成される。ベース部1100は、ガラス枠5に固定されるベース基部1110と、ベース基部1110に取り付けられるベースカバー1130とを有して構成されている。
【0073】
演出操作レバー1200は、上下方向に延びる略角柱形状のレバー基部1210(
図23を参照)と、レバー基部1210の上端部に設けられた発光演出器1230とを有して構成される。レバー基部1210の上端部には、発光演出器支持部1211が設けられており(
図24を参照)、この発光演出器支持部1211に発光演出器1230が取り付けられるようになっている。発光演出器1230については詳細を後述する。
【0074】
レバー基部1210の左右の側面部にはそれぞれ、左右方向に突出する円柱状の揺動ガイド軸1212および傾倒ガイド軸1213が上下方向に所定距離を置いて並ぶように設けられている。また、揺動ガイド軸1212および傾倒ガイド軸1213には、両ガイド軸1212,1213の先端部同士を連結するように、上下方向に延びて形成された摺動プレート1214(「操作入力部側接触部材」とも称する)が取付部材1215,1216を介して取り付けられている。この摺動プレート1214の上端部の前側面部には、平
面状の摺接面1214aが形成されている。
【0075】
図25~
図27に示すように、ベース基部1110の左右の側面部(
図25~
図27では右側面部を示すが左側面部も同様に構成される)には、上下方向に延びて形成された第1ガイド孔1111と、前方に傾いて上下方向に円弧状に延びて形成された第2ガイド孔1112と、第2ガイド孔1112の上端部から、下方に傾いて前後方向に円弧状に延びて形成された第3ガイド部1113とが設けられている。第1ガイド孔1111には、レバー基部1210の揺動ガイド軸1212が挿入され、第2および第3ガイド孔1112,1113内には、レバー基部1210の傾倒ガイド軸1213が挿入されるようになっている。
【0076】
レバー基部1210(演出操作レバー1200)は、揺動ガイド軸1212および傾倒ガイド軸1213が第1および第2ガイド孔1111,1112内をそれぞれ摺動することによりレバー基部1210がガイドされ、ベース基部1110(ベース部1100)に対して上下方向に昇降移動(スライド移動)可能になっている。具体的には、レバー基部1210は、
図25に示す状態の位置(「レバー収納状態位置」とも称する)と、
図26に示す状態の位置(「レバー上昇状態位置」とも称する)との間を、ベース基部1110に対して上下方向に昇降移動可能である。なお、第2ガイド孔1112が前方に傾いて形成されているため、レバー基部1210は、レバー収納状態位置からレバー上昇状態位置まで上昇移動する際、傾倒ガイド軸1213が第2ガイド孔1112内を摺動することにより前方に徐々に傾きながら上昇移動するようになっている。
【0077】
また、レバー基部1210(演出操作レバー1200)は、揺動ガイド軸1212が第1ガイド孔1111内を上端まで移動した状態の位置(レバー上昇状態位置)において、傾倒ガイド軸1213が第2ガイド孔1112内を摺動することによりレバー基部1210がガイドされ、遊技者による傾倒操作により揺動ガイド軸1212を中心に揺動して前方に傾倒可能になっている。具体的には、レバー基部1210は、
図26に示すレバー上昇状態位置と、
図27に示す状態の位置「レバー傾倒状態位置」とも称する)との間を、ベース基部1110に対して前後方向に揺動可能である。
【0078】
図25~
図28に示すように、ベース基部1110の左右の側面部(
図25~
図28では右側面部を示すが左側面部にも同様に構成される)には、上下方向に延びて形成された摺動プレート1114(「ベース部側接触部材」とも称する)が、前後方向に揺動可能に取付部材1115を介して取り付けられている。詳細には、摺動プレート1114は、取付部材1115の軸部と同軸に設けられて左右方向に延びる揺動軸(図示略)を中心に揺動可能に構成されている。摺動プレート1114の上端部の後面部には曲面状に形成された摺接部1114aが設けられている。
【0079】
摺動プレート1114は、
図26に示すように、レバー基部1210がレバー上昇状態位置まで移動すると、摺動プレート1114の摺接部1114aが、レバー基部1210に設けられた摺動プレート1214の摺接面1214aに接触するように配置されている。そして、レバー基部1210が前方に傾倒操作されると、その傾倒操作に応じて前方に傾倒移動する摺動プレート1214の摺接面1214aに摺動プレート1114の摺接部1114aが摺接しながら、摺動プレート1114が前方に揺動するようになっている。また、摺動プレート1114の下方には、前後方向に延びて形成された抵抗部材1117が揺動軸1117aを中心に上下方向に揺動自在にベース基部1110の側面部に支持されている。この抵抗部材1117は、揺動軸1117aと反対側に位置する先端部1117cが不図示の伸長バネにより揺動軸1117a回りに上方に向かって付勢された状態で設けられている。レバー基部1210が前方に傾倒操作されると、摺動プレート1114が取付部材1115を中心として揺動し、摺動プレート1114の摺接部1114aとは
反対側のコロ取り付け部1114bに取り付けられたコロ1116が、抵抗部材1117の凹設溝部1117bの後端側の傾斜面を乗り上げるように移動する。このとき抵抗部材1117は先端部1117cにおいて上方に向けて不図示の伸長バネで付勢されているため、コロ1116が凹設溝部1117bの後端側の傾斜面を乗り上げるためには一定量の負荷が必要となる。この負荷は、遊技者がレバー基部1210を前方に傾倒操作する傾倒操作の開始動作の際の抵抗力として遊技者に知覚される。本例では、摺動プレート1214、摺動プレート1114、抵抗部材1117および不図示の伸長バネを主体として操作負荷機構が構成されている。
【0080】
図29に示すように、ベース基部1110の右後部には、レバー昇降機構1300が設けられている。レバー昇降機構1300は、昇降モータ1310と、昇降モータ1310の回転動力を伝達する昇降ギヤ列1320と、昇降ギヤ列1320により伝達された昇降モータ1310の回転動力により回転される昇降カム1330と、ベース部1110に上下方向に揺動自在に設けられ、昇降カム1330の回転により上下方向に揺動される昇降アーム1340と、昇降アーム1340を上方に揺動させる方向に力を付与する昇降バネ(図示せず)とを有して構成される。昇降アーム1340の先端部は、演出操作レバー1200(レバー基部1210)の揺動ガイド軸1212と係合されている。レバー昇降機構1300は、昇降モータ1310の回転動力を昇降ギヤ列1320により伝達して昇降カム1330を回転させるようになっている。そして、演出操作レバー1200が収納状態位置にあるときには、昇降カム1330の回転により昇降カム1330と昇降アーム1340との係合を外し、昇降アーム1340を昇降バネの弾性付勢力により上方に揺動させる。これにより、昇降アーム1340に係合された揺動ガイド軸1212を介して演出操作レバー1200を収納状態位置から上昇状態位置まで上昇移動させることができる。また、演出操作レバー1200が上昇状態位置にあるときには、昇降カム1330の回転により昇降カム1330と昇降アーム1340とを係合させながら、昇降アーム1340を下方に揺動させる。これにより、昇降アーム1340に係合された揺動ガイド軸1212を介して演出操作レバー1200を上昇状態位置から収納状態位置まで下降移動させることができる。なお、昇降モータ1310および昇降ギヤ列1320は、上述した基本形態のレバー昇降機構120の昇降モータ121および昇降ギヤ列122と同様に構成されている。
【0081】
図30~
図31を追加参照して、レバー基部1210(演出操作レバー1200)の上端部に設置される発光演出器1230について説明する。発光演出器1230は、
図30に示すように、把持部レンズカバー1231、把持部レンズ1232、装飾部第1レンズ1233、装飾部第2レンズ1234、ボタン部レンズカバー1235、ボタン部レンズ1236、ボタン部反発バネ1237、LED基板1238、台座プレート1239、および振動送風器1400を有して構成される。
【0082】
台座プレート1239は、レバー基部1210の上端部に設けられた発光演出器支持部1211(
図24を参照)に固定されるようになっている。LED基板1238は、その表面部に複数のLED(一部のみ付番)1241が実装されて台座付プレート1239に取り付けられる。装飾部第2レンズ1234は、LED基板1238の中央部から前部に亘る部分を覆う状態で台座プレート1239に取り付けられる。ボタン部反発バネ1237は装飾部第2レンズ1234の中央部に設けられた演出ボタン支持部1234aに取り付けられ、ボタン部レンズ1236はボタン部反発バネ1237を覆う状態で演出ボタン支持部1234aに上下移動可能に取り付けられる。ボタン部レンズカバー1235はボタン部レンズ1236を覆う状態でボタン部レンズ1236と共に上下移動可能に演出ボタン支持部1234aに取り付けられる。
【0083】
ボタン部レンズカバー1235、ボタン部レンズ1236およびボタン部反発バネ12
37により遊技者が押し操作可能な演出ボタンが構成される。ボタン部反発バネ1237は、遊技者による演出ボタンの押し操作に対して抵抗力を付与するとともに、押し操作から解放された演出ボタンを元の位置に戻す機能を有する。また、演出ボタンは、LED基板1238上の所定のLED1241により発光表示されるようになっている。装飾部第1レンズ1233は、装飾部第2レンズ1234を覆う状態で台座プレート1239に取り付けられる。装飾部第1レンズ1233の中央部には、上下に貫通する中央開口部1233aが設けられており、演出ボタン(ボタン部レンズカバー1235)の上端部がこの中央開口部1233aから上方に突出するようになっている。装飾部第1レンズ1233および装飾部第2レンズ1234のより詳細な構成については別途説明する。
【0084】
把持部レンズ1232はLED基板1238の中央部よりも後方の部分を覆う状態で台座プレート1239に取り付けられ、把持部レンズカバー1231は把持部レンズ1232を覆う状態で台座プレート1239に取り付けられる。把持部レンズカバー1231は、台座プレート1239に取り付けられた状態において、発光演出器支持部1211の後端部1211aと組み合わされて把持部1250を構成するようになっている(
図25~
図27を参照)。この把持部1250は、遊技者が演出操作レバー1200(レバー基部1210)の傾倒操作を行う際に、遊技者により把持される部分として用いられる。この把持部1250は、LED基板1238上の所定のLED1241(
図30を参照)により表面部(把持部レンズカバー1231側の部分)が発光表示されるようになっている。振動送風器1400は、
図32に示すように、把持部レンズカバー1231と発光演出器支持部1211との間、すなわち把持部1250の内部に収容配置され、把持部レンズ1232を介して把持部レンズカバー1231の裏面部に取り付けられる。振動送風器1400の詳細については後述する。
【0085】
装飾部第1レンズ1233および装飾部第2レンズ1234は透明な樹脂材料により形成されており、装飾部第1レンズ1233および装飾部第2レンズ1234により発光装飾部1260が構成される(
図24および
図32を参照)。装飾部第1レンズ1233は前後左右に延びて平面視多角形状に形成された第1レンズ基部1233bと、第1レンズ基部1233bの外縁に沿って形成された第1レンズ外郭部1233cと、装飾部第1レンズ1233の中央開口部1233aの外縁に沿って形成された第1レンズ内郭部1233dとを有している。第1レンズ基部1233b、および第1レンズ内郭部1233dは、平面視左右対称の形状に形成されている。また、第1レンズ基部1233bの表面部は、全体的には上方に凹面を向けた椀状(凹曲面状)に形成されており、当該表面部にはメッキ処理が施されている。そのため、第1レンズ基部1233bの表面部は、凹面鏡のように光を反射する光反射面部1261として機能することができるようになっている。
【0086】
第1レンズ基部1233bの表面部には、上下方向に貫通する4個の発光レンズ部挿通孔1233A1~1233A4が形成されている。発光レンズ部挿通孔1233A1,1233A2は、平面視くの字形状に形成されており、第1レンズ内郭部1233dの左側において左右方向に所定距離を置いて配置されている。発光レンズ部挿通孔1233A3,1233A4は、平面視逆くの字形状に形成されており、第1レンズ内郭部1233dの右側において左右方向に互いに所定距離を置いて配置されている。発光レンズ部挿通孔1233A1,1233A2と発光レンズ部挿通孔1233A3,1233A4とは、それぞれ平面視左右対称に配置されている。
【0087】
装飾部第2レンズ1234は前後左右に延びて平面視多角形状に形成された第2レンズ基部1234bと、第2レンズ基部1234bの外縁に沿って形成された第2レンズ外郭部1234cと、装飾部第2レンズ1234の演出ボタン支持部1234aの外縁に沿って形成された第2レンズ内郭部1234dとを有している。第2レンズ基部1234b、第2レンズ外郭部1234cおよび第1レンズ内郭部1233dは、平面視左右対称の形
状に形成されている。
【0088】
第2レンズ基部1234bには、上方に突出する板状の4個の発光レンズ部1234A1~1234A4が形成されている。発光レンズ部1234A1,1234A2は、平面視くの字形状に形成されており、第2レンズ内郭部1234dの左側において左右方向に所定距離を置いて配置されている。発光レンズ部1234A3,1234A4は、平面視逆くの字形状に形成されており、第2レンズ内郭部1234dの右側において左右方向に互いに所定距離を置いて配置されている。発光レンズ部1234A1,1234A2と発光レンズ部挿通孔1234A3,1234A4とは、それぞれ平面視左右対称に配置されている。
【0089】
装飾部第1レンズ1233と装飾部第2レンズ1234とが組み合わされることにより、発光レンズ部1234A1~1234A4の各上端部が発光レンズ部挿通孔1233A1~1233A4からそれぞれ上方に突出して露出し、この露出する部分が光出射部1262として機能するようになっている(
図31を参照)。また、装飾部第1レンズ1233と装飾部第2レンズ1234とが組み合わされることにより、
図24に示すように、発光装飾部1260の表面部において、光出射部1262と光反射面部1261とが、当該表面部の径方向(
図31において一点鎖線で示す発光装飾部1260の中心軸Axの径方向)に交互に配置されるようになっている。
【0090】
発光演出器1230が構成された状態において、発光レンズ部1234A1~1234A4の各下端部は、LED基板1238上の所定のLED1241と対向し、当該LED1241から射出された光が入射する光入射部1263として機能するようになっている(
図31を参照)。また、各光入射部1263には、微小な凹凸部を形成するローレット加工が施されている。これにより、発光レンズ部1234A1~1234A4は、LED1241から射出された光を光入射部1263において拡散(散乱)させながら光入射部1263から内部に取り込み、取り込んだ光を内部で反射させて光出射部1262から射出することが可能となっている。
【0091】
なお、発光レンズ部1234A1~1234A4の各光出射部1262から射出される光は、主に発光装飾部1260の表面部の径方向外方に向けて射出される。そして、光出射部1262から射出された光は、光出射部1262の外側に位置する光反射面部1261において所定の向き(例えば、演出操作レバー1200がレバー収納状態位置にあるときは上方)に反射される。具体的には、発光レンズ部1234A1の光出射部1262から射出される光は、主に発光レンズ部1234A1と発光レンズ部1234A2との間に位置する光反射面部1261で反射され、発光レンズ部1234A2の光出射部1262から射出される光は、主に発光レンズ部1234A2と第1レンズ外郭部1233cとの間に位置する光反射面部1261で反射されるようになっている。同様に、発光レンズ部1234A3の光出射部1262から射出される光は、主に発光レンズ部1234A3と発光レンズ部1234A4との間に位置する光反射面部1261で反射され、発光レンズ部1234A4の光出射部1262から射出される光は、主に発光レンズ部1234A4と第1レンズ外郭部1233cとの間に位置する光反射面部1261で反射されるようになっている。
【0092】
そのため、発光レンズ部1234A1~1234A4の各光出射部1262から射出されて光反射面部1261で反射されるそれぞれの光が混じり難くなり、各光反射面部1261からの反射光をきれいに見せることが可能となっている。また、発光レンズ部1234A1~1234A4が取り込む各LED1241からの光の色を調整することにより、各光反射面部1261で反射される光の色合いを調整して、反射光の色の明暗や濃度等が反射される位置によって徐々に変化するグラデ―ション発光を行ったり、反射光の色が反
射される位置によって変化する虹色発光を行ったりすることが可能となっている。また、発光レンズ部1234A1~1234A4の各光出射部1262から射出されて光反射面部1261で反射される反射光の向きは、演出操作レバー1200(レバー基部1210)の揺動姿勢に応じて変化する。例えば、演出操作レバー1200がレバー収納状態位置にあるときは反射光の向きが上方であるのに対し、演出操作レバー1200がレバー上昇状態位置にあるときは反射光の向きが遊技者の顔の方向となるように設定することができる。これにより、例えば、演出操作レバー1200がレバー収納状態位置からレバー上昇状態位置に移動したときに、発光装飾部1260による光演出を行うことによって、発光装飾部1260からの光を遊技者が認識し易くなり、遊技者に演出操作レバー1200の傾倒操作を行うように促すことが可能となる。
【0093】
なお、第2レンズ外郭部1234cを発光レンズ部として構成してもよい。また、この場合において、ベースカバー1130の所定の部分にメッキ処理を施し、このメッキ処理を施した部分を第2レンズ外郭部1234cの光出射部から射出された光を反射する光反射部として構成してもよい。これにより、発光装飾部1260による発光演出の効果を高めることができる。
【0094】
図33および
図34を追加参照して振動送風器1400について説明する。振動送風器1400は、
図33に示すように、ファンケース1410と、ファンケース1410に取り付けられたファンモータ1420と、ファンケース1410に収納された送風ファン1430とを主体として構成される。ファンケース1410は、ケース本体1411とケース蓋1416とから構成され、ケース蓋1416には吸気口1417が設けられている。また、ケース本体1411とケース蓋1416とが組み合わされると、ケース部送風口1418が形成されるようになっている。送風ファン1430は、
図34に示すように、ファン本体1431と、ファン本体1431に取り付けられる2個の錘体1436とから構成される。ファン本体1431は、円筒状に配列された送風フィン1432と、ファンモータ1420の出力軸1421に取り付けられる歯車1440と噛合する噛合部1433とを有し、ファンケース1410に設けられたファン回転軸1412に回転自在に取り付けられる。2個の錘体1436は、ファン本体1431の重心位置を回転中心位置から偏倚させるためのもので、ファン本体1431に設けられた2本の錘体取付ピン1434に取り付けられる。
【0095】
振動送風器1400では、ファンモータ1420の回転動力が歯車1440を介して送風ファン1430(ファン本体1431)に伝達されて送風ファン1430が回転する。送風ファン1430が回転することで、吸気口1417からファンケース1410内に空気が取り込まれるとともに、ケース部送風口1418から風が送出されるようになっている。また、ファン本体1431に錘体1436が散り付けられてファン本体1431の重心位置が回転中心位置から偏倚していることで、送風ファン1430が回転すると回転にブレが生じ、これにより振動送風器1400から振動が発生するようになっている。
【0096】
上述したように、振動送風器1400は、把持部レンズカバー1231の裏面部に取り付けられる(
図32を参照)。把持部レンズカバー1231の表面部には、当該表面部を貫通するカバー部送風口1231aが形成されており、振動送風器1400が始動して送風ファン1430が回転すると、振動送風器1400のケース部送風口1418から送出された風が、カバー部送風口1231aから所定の向きに送出されるようになっている。カバー部送風口1231aから送出される風の向きは、演出操作レバー1200(レバー基部1210)の揺動姿勢に応じて変化する。例えば、演出操作レバー1200がレバー収納状態位置にあるときは送風の向きが上方であるのに対し、演出操作レバー1200がレバー上昇状態位置にあるときは送風の向きが遊技者の顔の方向となるように設定することができる。これにより、例えば、演出操作レバー1200がレバー収納状態位置からレ
バー上昇状態位置に移動したときに、振動送風器1400による送風演出を行うことによって、演出操作レバー1200(把持部レンズカバー1231)からの風を遊技者が認識し易くなり、遊技者に演出操作レバー1200の傾倒操作を行うように促すことが可能となる。
【0097】
また、振動送風器1400が始動して送風ファン1430が回転すると、振動送風器1400から振動が発生する。この振動は把持部レンズカバー1231に伝わって、把持部1250(
図25~
図27を参照)全体が振動するようになっている。そのため、例えば、演出操作レバー1200がレバー収納状態位置からレバー上昇状態位置に移動し、遊技者が演出操作レバー1200の傾倒操作を行うために把持部1250を把持するときに、振動送風器1400による振動演出を行うことによって、把持部1250の振動をダイレクトに遊技者(遊技者の手)に伝えることができる。また、振動がダイレクトに遊技者に伝わることで、傾倒操作を行う遊技者に高揚感を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0098】
〔第2形態の演出操作装置〕
次に、上述した演出操作装置100,1000とは一部構成が異なる演出操作装置(「第2形態の演出操作装置」とも称する)について説明する。
図35~
図37に、第2形態の演出操作装置2000を示している。まず、
図35~
図41を追加参照して演出操作装置2000の全体構成について概略説明する。
図35~
図37に示す演出操作装置2000は、上述した演出操作装置100,1000と同様に、ガラス枠5(
図1を参照)の下部の左右略中央に設けられ、所定の遊技展開のときに遊技者により遊技演出に関する操作入力を行うための操作装置である。演出操作装置2000は、ベース部2100と、ベース部2100に対して前後方向に揺動可能に設けられる演出操作レバー2200(「操作入力部」とも称する)とを主体として構成される。ベース部2100は、ガラス枠5に固定されるベース基部2110と、ベース基部2110に取り付けられるベースカバー2130とを有して構成されている。
【0099】
演出操作レバー2200は、右側面視コの字形状に形成されたレバー基部2210(
図38および
図40(B)を参照)と、レバー基部2210の上端部に設けられた発光ボタン演出器2230と、レバー基部2210の上部前端部と下部前端部との間を上下方向に延びる略円柱形状の把持部2500とを有して構成される。レバー基部2210の上端部には、円形皿状の発光演出器支持部2211が設けられており(
図42を参照)、この発光演出器支持部2211に発光ボタン演出器2230が取り付けられるようになっている。発光ボタン演出器2230および把持部2500については詳細を後述する。
【0100】
図39(B)に示すように、レバー基部2210の下部前端部には、左右方向に延びる揺動軸2212が設けられている。また、レバー基部2210の左右の側面部には、左右方向に突出する揺動ガイド軸2213が設けられている。一方、
図38に示すように、ベース基部2110の下部前端部には、左右方向に延びる揺動支持軸2111が設けられている。また、ベース基部2110の後部には、左右方向に所定距離を置いて互いに対向配置された一対の揺動ガイドプレート2112が設けられており、この揺動ガイドプレート2112には前方に傾いて上下方向に円弧状に延びるように形成された揺動ガイド孔2113が設けられている。レバー基部2210は、揺動軸2212を揺動支持軸2111に係合させ、かつ揺動ガイド軸2213を揺動ガイド孔2113内に挿入させることでベース基部2110に対し、揺動軸2212を中心に前後方向に揺動可能に取り付けられる。具体的には、レバー基部2210は、
図36に示すように起立した状態となる位置(「レバー起立状態位置」とも称する)と、
図41に示すように傾倒した状態となる位置(「レバー傾倒状態位置」とも称する)との間を、ベース基部1110に対して前後方向に揺動可能となっている。また、レバー基部2210の揺動ガイド軸2213とベース基部21
10との間には、引張バネ2114が架け渡されるようになっている。この引張バネ2114は、レバー基部2210をレバー起立状態位置に戻る方向に付勢する。
【0101】
図39(B)に示すように、レバー基部2210の下部後端部には、操作負荷付与ユニット2300が設けられている。一方、
図38に示すように、ベース基部2110の下部前端部には、操作負荷付与ユニット2300と係合する操作負荷付与プレート2400が設けられている。この操作負荷付与ユニット2300と操作負荷付与プレート2400により操作負荷機構が構成される。操作負荷機構については詳細を後述する。
【0102】
図42を追加参照して、レバー基部2210(演出操作レバー2200)の上端部に設置される発光ボタン演出器2230について説明する。発光ボタン演出器2230は、
図42に示すように、ボタン部レンズカバー2231、ボタン部レンズ2232およびLED基板2233を有して構成される。LED基板2233は、その表面部に複数のLED(一部のみ付番)2241が実装されるとともに、表面部に3個のボタン部反発バネ2243が取り付けられており、レバー基部2210の上端部に設けられた発光演出器支持部2211に固定されるようになっている。ボタン部レンズ2232は、LED基板2233の表面部を覆う状態でLED基板2233に取り付けられる。ボタン部レンズカバー2231は、円環状に形成されたレンズカバー枠部2231aと、遊技者による押し操作に応じてレンズカバー枠部2231aに対し上下移動可能に取り付けられたドーム状のレンズカバー主部2233bとから構成され、ボタン部レンズ2232を覆う状態でレンズカバー枠部2231aに取り付けられる。ボタン部反発バネ2243は、遊技者によるボタン部レンズカバー2231(レンズカバー主部2233b)の押し操作に対して抵抗力を付与するとともに、押し操作から解放されたレンズカバー主部2233bを元の位置に戻す機能を有する。また、発光ボタン演出器2230のボタン部レンズ2232およびボタン部レンズカバー2231は、LED基板2233上のLED2241により発光表示されるようになっている。
【0103】
図43~
図46を追加参照して把持部2500について説明する。把持部2500は、
図42に示すように、把持ブロック連結ユニット2510、5個の把持ブロック2530A~2530Eおよび偏心カム回転ユニット2550を有して構成される。把持ブロック連結ユニット2510は、板状に形成されたユニット基部2511と、上下方向に延びて上端部がユニット基部2511に取り付けられた連結ロッド2513とを有している。連結ユニット2510のユニット基部2511は、レバー基部2210の発光演出器支持部2211に形成された取付用開口部2215に取り付けられるようになっている。
【0104】
偏心カム回転ユニット2550は、円板状に形成された底部プレート2551と、底部プレート2551の裏面部側に設けられたカム軸歯車2553と、上下方向に延びて下端部が底部プレート2551を貫通してカム軸歯車2553に取り付けられたカム回転軸2555とを有している。偏心カム回転ユニット2550の底部プレート2551は、レバー基部2210の下部前端部に形成された取付用凹部2216に取り付けられ、このときカム軸歯車2553はレバー基部2210の内部(取付用凹部2216の下側)に配置されるようになっている。取付用凹部2216の中心部には上下方向に貫通する貫通孔2217が形成されており、カム回転軸2555の下端部(カム軸歯車2553とレバー基部2210と間に位置する部分)は、この貫通孔2217内を挿通されるようになっている。カム軸歯車2553が回転するとそれに連動してカム回転軸2555が軸回りにカム軸歯車2553と共に回転する。カム回転軸2555の上端部には回転時軸支持部材2557が設けられており、カム回転軸2555の上端部は、回転軸支持部材2557を介して把持ブロック連結ユニット2510のユニット基部2511に回転自在に取り付けられる。
【0105】
5個の把持ブロック2530A~2530Eは、上下に積み重ねられることで柱状に形成されて用いられる。積み重ねられた状態で最上段に位置する把持ブロック2530Aの上面部は、把持ブロック連結ユニット2510のユニット基部2511に取り付けられ、最下段に位置する把持ブロック2530Eの下面部(底面部)は、偏心カム回転ユニット2550の底部プレート2551に取り付けられる。また、カム回転軸2555は、積み重ねられた5個の把持ブロック2530A~2530Eの各中心部を上下に貫通するように設置される。また、積み重ねられた5個の把持ブロック2530A~2530Eは、把持ブロック連結ユニット2510の連結ロッド2513を介して上下に連結されるようになっている。
【0106】
5個の把持ブロック2530A~2530Eは基本的な構成が共通している。ここでは主に、最上段に位置する把持ブロック2530Aを例にとってその構成について説明し、他の把持ブロック2530B~2530Eについては簡略的に説明する。把持ブロック2530Aは、
図43および
図44に示すように、固定ブロック2531、可動ブロック2533および偏心カム2535により構成される。この点は、他の把持ブロック2530B~2530Eについても同様である。
【0107】
固定ブロック2531は、板状に形成された固定ブロック基部2531aと、固定ブロック基部2531aの下面部から下方に延びる6個の柱状部2532a~2532fとを有している。6個の柱状部2532a~2532fは固定ブロック基部2531aの外縁部に沿って互いに距離を置いて配置されている。柱状部2532eと柱状部2532fとは縦壁部2531bにより連結されており、この柱状部2532e,2532fおよび縦壁部2531bによって、把持ブロック連結ユニット2510の連結ロッド2513と係合可能なロッド係合部2531cが構成されている。また、固定ブロック基部2531aの中央部にはカム回転軸2555が挿通されるカム回転軸挿通孔2531dが形成されている。また、柱状部2532a~2532dの下端部には下方に突出する位置合せ用の係合凸部2532gがそれぞれ(計4個)形成されている。このような固定ブロック2531の構成は、他の把持ブロック2530B~2530Eについても同様である。なお、他の把持ブロック2530B~2530Eにおける固定ブロック2531の固定ブロック基部2531aの上面部には、把持ブロックを積み重ねたときに、上記4個の係合凸部2532gとそれぞれ係合して位置合せできるように構成された4個の係合凹部2531gが形成されている(
図45(A)を参照)。
【0108】
可動ブロック2533は、円筒状に形成された可動ブロック基部2533aと、可動ブロック基部2533aの外周面から当該可動ブロック基部2533aの径方向外方に突出した5個の突起部2534a~2534eとを有している。5個の突起部2534a~2534eは可動ブロック基部2533aの周方向に沿って互いに距離を置いて配置されている。可動ブロック2533は、各突起部2534a~2534eが固定ブロック2531の各柱状部2532a~2532fの間に位置するようにして固定ブロック2531に対して配置される。このような可動ブロック2533の構成は、他の把持ブロック2530B~2530Eについても同様である。
【0109】
偏心カム2535は、円筒状に形成されたカム基部2535aと、カム基部2535aの外周面から当該カム基部2535aの径方向外方に突出するように形成された当接円板部2536aとを有している。当接円板部2536aは、平面視において外形が円状に形成されており、かつカム基部2535aに対し偏心して設けられている。偏心カム2535は、カム回転軸2555に取り付けられて、可動ブロック2533の可動ブロック基部2533a内に配置される。偏心カム2535の当接円板部2536aの外径寸法は、可動ブロック基部2533aの内径寸法よりも若干短く設定されている。このような偏心カム2535の構成は、他の把持ブロック2530B~2530Eについても同様である。
【0110】
偏心カム2535がカム回転軸2555に取り付けられて可動ブロック2533の可動ブロック基部2533a内に配置されると、当接円板部2536aの外周面が可動ブロック基部2533aの内周面に当接し、これにより可動ブロック2533が、偏心カム2535の回転中心軸の位置に対して当該中心軸の径方向に移動する。このとき可動ブロック2533が移動する方向は、可動ブロック2533に対する偏心カム2535(当接円板部2536a)の回転角度位置によって変化する。ここでは例えば、偏心カム2535の偏心方向(カム基部2535aに対する当接円板部2536aの偏倚方向)を回転角度位置の基準とする。可動ブロック2533が移動すると、可動ブロック2533の各突起部2534a~2534eのうち、可動ブロック2533が移動した方向に位置する突起部の固定ブロック2531の外周部からの突出量が増大する。一方、可動ブロック2533が偏倚した方向とは逆の方向に位置する突起部の固定ブロック2531の外周部からの突出量は減少する。
【0111】
カム回転軸2555の回転により偏心カム2535が回転すると、偏心カム2535(当接円板部2536a)の回転角度位置が順次変わり、可動ブロック2533の移動方向も順次変わる。これにより、可動ブロック2533の各突起部2534a~2534eの固定ブロック2531の外周部からの各突出量を順次変化させることができる。このような偏心カム2535の作用は、他の把持ブロック2530B~2530Eについても同様である。ただし、把持ブロック2530A~2530Eの各偏心カム2535は、カム回転軸2555に取り付けられた状態において、それぞれの回転角度位置が異なるように設定されている(それぞれの回転角度位置が揃うように設定することもできる)。そのため、例えば、把持ブロック2530Aでは可動ブロック2533の5個の突起部2534a~2534eのうち突起部2534aが最も突出しているタイミングにおいて、把持ブロック2530B,2530C,2530Dおよび2530Eでは、突起部2534b,2534c,2534dおよび2534eがそれぞれ最も突出しているというように設定することも可能である。したがって、遊技者が把持部2500を把持するときにカム回転軸2555を回転させて、把持ブロック2530A~2530Eにおける各突起部2534a~2534eの突出量を順次変化させることにより、把持部2500を把持する遊技者に、把持部2500がうねうねと動いているような特有の感覚を持たせることが可能となる。
【0112】
カム回転軸2555は、
図46に示すように、レバー基部2210の内部に設けられた把持部駆動機構2600によって回転駆動される。把持部駆動機構2600は、把持部駆動モータ2610と、把持部駆動モータ2610の回転動力をカム軸歯車2553に伝達する把持部駆動ギア列2630とを有して構成されている。また、レバー基部2210の内部には、振動付与機構2700が設けられている。この振動付与機構2700は、所定の回転軸を中心に回転可能な偏心回転板2710と、振動付与モータ2730と、振動付与モータ2730の回転動力を偏心回転板2710の回転軸に伝達する振動付与ギア列2750とを有して構成されている。偏心回転板2710は、回転中心位置と重心位置とが偏倚するように構成されており、回転するとレバー基部2210を振動させる。この振動は、把持部2500を把持するときや発光ボタン演出器2230を押し操作するときの遊技者に知覚させることができる。
【0113】
なお、
図46に示すように、把持部2500上端後部には、遊技者が把持部2500を把持する際に指を掛けるための凹状の指掛部2570が設けられている。この指掛部2570を設けるため、把持ブロック2530A,2530B(固定ブロック2531および可動ブロック2533)は、他の把持ブロック2530C~2530Eとは異なる形状に形成されている。また、各把持ブロック2530A~2530Eを連結する連結ロッド2513(
図42を参照)に、LED基板2233に実装された所定のLED2241(例
えば、LED基板2233の裏面部に実装されるLED)からの光を入射させ、連結ロッド2513を発光表示するようにしてもよい。
【0114】
図47~
図50を追加参照して操作負荷付与ユニット2300と操作負荷付与プレート2400により構成される操作負荷機構について説明する。操作負荷付与プレート2400は、
図47に示すように、ベース基部2110の後端下部において前方を向いて取り付けられる。
図48に示すように、操作負荷付与プレート2400は、正面視矩形状に形成された基部プレート2410と、基部プレート2410の前面部に上下方向に延びて形成された係合リブ2430(ベース部側接触部材に相当する)とを有している。基部プレート2410の前面部は前方に円弧状に湾曲しており、係合リブ2430も基部プレート2410の前面部と同様に前方に円弧状に湾曲している。
【0115】
係合リブ2430は、
図48(A)に示すように、正面視左右対称の形状に形成されている。正面視において係合リブ2430の左側面部2431は、下端部から直線的に上方に延び、途中から左方に円弧状に湾曲して左方に張り出す。そして、最も左方に張り出した位置から右方に一定角度傾斜した状態で直線的に斜め上方に延びる。左側面部2431において、下端部から最も左方に張り出した位置までの部分を下段左側面部2431aと称し、最も左方に張り出した位置から上方の部分を上段左側面部2431bと称する。下段左側面部2431aは下端部が平面で構成され、それよりも上側の部分が曲面で構成される。上段左側面部2431bは全体が平面で構成される。
【0116】
左側面部2431と左右対称に構成される係合リブ2430の右側面部2432は、正面視において下端部から直線的に上方に延び、途中から右方に円弧状に湾曲して右方に張り出す。そして、最も右方に張り出した位置から左方に一定角度傾斜した状態で直線的に斜め上方に延びる。右側面部2432において、下端部から最も右方に張り出した位置までの部分を下段右側面部2432aと称し、最も右方に張り出した位置から上方の部分を上段右側面部2432bと称する。下段右側面部2432aは下端部が平面で構成され、それよりも上側の部分が曲面で構成される。上段右側面部2432bは全体が平面で構成される。
【0117】
左側面部2431および右側面部2432が上述のように構成されることで、左側面部2431と右側面部2432との間の左右方向の距離(「(係合リブ2430の)幅間隔」とも称する)は、係合リブ2430の下端部から上端部に向かって以下のように変化する。下段左側面部2431aと下段右側面部2432aとの間の幅間隔は下端部が最も狭く、上部に向かうに従って急激に広くなる。そして、下段左側面部2431aと上段左側面部2431bとの境界部と、下段右側面部2432aと上段右側面部24321bとの境界部との間の幅間隔が最も広くなる。上段左側面部2431bと上段右側面部2432bとの間の幅間隔は、上部に向かうに従って一定の割合で徐々に狭くなっていく。
【0118】
操作負荷付与ユニット2300は、
図39(B)に示すように、レバー基部2210の後端下部において後方を向いて取り付けられ、レバー基部2210(演出操作レバー2200)の前後方向への揺動の動きに応じて上下方向に揺動するようになっている。
図49に示すように、操作負荷付与ユニット2300は、ユニット基部2310と、ユニット基部2310に左右方向スライド移動可能に取り付けられる左スライド部2320および右スライド部2330と、左スライド部2320と右スライド部2330との間に架け渡される上下一対の引張バネ2340とを有して構成される。
【0119】
図50に示すように、ユニット基部2310は、矩形板状に形成されたベース板部2311と、ベース板部2311の前面部の四隅に設けられた取付片2312と、ベース板部2311の前面部の上縁中央部および下縁中央部に設けられたストッパ片2313と、ベ
ース板部2311の上下方向中央部に左右方向に延びるように形成された左ガイド孔2314および右ガイド2315とを有している。左ガイド孔2314と右ガイド2315は左右対称に配置されている。ストッパ片2313は、左スライド部2320が所定位置(左スライド部基準位置)よりも右方にスライド移動することを規制するとともに、右スライド部2320が所定位置(右スライド部基準位置)よりも左方にスライド移動することを規制するように構成されている。ユニット基部2310は、取付片2312が取付ネジを介してレバー基部2210の側面部に固定されることによってレバー基部2210の後端下部に取り付けられる(
図39(B)を参照)。
【0120】
図50に示すように、左スライド部2320は、矩形板状に形成された左スライド基部2321と、左スライド基部2321の後面部に設けられた摺動板取付部2322と、摺動板取付部2322に取付ネジ2323を介して取り付けられる左右一対の円板状の摺動板2324と、左スライド基部2321の前面部の右端部に設けられた前後方向に延びる円柱状のコロローラ支持軸2325と、コロローラ支持軸2325に取付具2326を介して回転自在に取り付けられる左コロローラ2327(操作入力部側接触部材に相当する)と、左スライド基部2321の後面部の左端上部および左端下部にそれぞれ設けられた引張バネ係止片2328とを有している。左スライド部2320は、左右一対の摺動板2324が左ガイド孔2314内に挿入された状態でユニット基部2310に取り付けられ、左右一対の摺動板2324が左ガイド孔2314内を摺動することにより左スライド基部2321がガイドされ、ユニット基部2310に対して左右方向にスライド移動可能になっている。
【0121】
右スライド部2330は、矩形板状に形成された右スライド基部2331と、右スライド基部2331の後面部に設けられた摺動板取付部2332と、摺動板取付部2332に取付ネジ2333を介して取り付けられる左右一対の円板状の摺動板2334と、右スライド基部2331の前面部の左端部に設けられた前後方向に延びる円柱状のコロローラ支持軸2335と、コロローラ支持軸2335に取付具2336を介して回転自在に取り付けられる左コロローラ2337(操作入力部側接触部材に相当する)と、右スライド基部2331の後面部の右端上部および右端下部にそれぞれ設けられた引張バネ係止片2338とを有している。右スライド部2330は、左右一対の摺動板2334がユニット基部2310の右ガイド孔2315内に挿入された状態でユニット基部2310に取り付けられ、左右一対の摺動板2334が右ガイド孔2315内を摺動することにより右スライド基部2331がガイドされ、ユニット基部2310に対して左右方向にスライド移動可能になっている。左スライド部2320と右スライド部2330は、左右対称に構成されている。
【0122】
上下一対の引張バネ2340は、左端部が左スライド部2320の引張バネ係止片2328に係止され、右端部が右スライド部2330の引張バネ係止片2338に係止されることにより、左スライド部2320と右スライド部2330との間に架け渡される。上下一対の引張バネ2340は、左スライド部2320がユニット基部2310のストッパ片2313の左端部に当接する状態となる左スライド部基準位置までスライド移動するように左スライド部2320を付勢するとともに、右スライド部2330がストッパ片2313の右端部に当接する状態となる右スライド部基準位置までスライド移動するように右スライド部2330を付勢する。
【0123】
操作負荷付与ユニット2300は、遊技者により操作されて演出操作レバー2200(レバー基部2210)がベース基部2110に対して前後方向に揺動するときに、レバー基部2210に設けられた操作負荷付与プレート2400の係合リブ2430と以下のように係合する。遊技者の傾倒操作により演出操作レバー2200がレバー起立状態位置からレバー傾倒状態位置に向けて傾倒移動するときには、まず、操作負荷付与ユニット23
00の左スライド部2320のコロローラ2327が係合リブ2430の下段左側面部2431aに下端部側から接触しながら上方に移動するとともに、右スライド部2330のコロローラ2337が係合リブ2430の下段右側面部2432aに下端部側から接触しながら上方に移動する。このとき、係合リブ2430の幅間隔が急激に広くなってくるので、それに応じて左右のコロローラ2327,2337の間隔が急激に広がるように左スライド部2320が左方に、右スライド部2330が右方にスライド移動される。その際、左スライド部2320と右スライド部2330との間に架け渡されている上下一対の引張バネ2340が急激に伸長されるため、縮もうとする引張バネ2340の弾性力により左スライド部2320および右スライド部2330のスライド移動に対して大きな抵抗力が作用する。この抵抗力は、演出操作レバー2200の傾倒操作に対する抵抗力として、遊技者に知覚されることになる。演出操作レバー2200がさらに傾倒移動して、左右のコロローラ2327,2337が下段左側面部2431aおよび下段右側面部2432aをそれぞれ乗り越えると、そこから先は、演出操作レバー2200の傾倒移動に応じて左右のコロローラ2327,2337の間隔が徐々に狭くなるように左スライド部2320および右スライド部2330がスライド移動されるので、抵抗力が徐々に低減する。
【0124】
遊技者の起立操作(傾倒状態の演出操作レバー2200を起立させる操作)により演出操作レバー2200がレバー傾倒状態位置からレバー起立状態位置に向けて起立移動するときには、上述したのとは逆に抵抗力が増減する。すなわち、左右のコロローラ2327,2337が上段左側面部2431bおよび下段右側面部2432bに上端側から接触しながら下方に移動していく段階では起立操作に対する抵抗力が徐々に増大していく。そして、左右のコロローラ2327,2337が上段左側面部2431bおよび下段右側面部2432bをそれぞれ乗り越えると、起立操作に対する抵抗力が急激に減少することになる。このように、操作負荷付与ユニット2300および操作負荷付与プレート2400により構成される操作負荷付与機構によれば、遊技者による演出操作レバー2200の傾倒操作に対して一時的に強い抵抗力を付与することができる。
【0125】
なお、本発明は、上記実施形態(変形例を含む)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。例えば、上述の実施形態では、本発明が適用される遊技機の一例として、ぱちんこ遊技機を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、遊技メダルを使用するスロットマシン(回胴式遊技機)に本発明を適用することもできる。スロットマシンに適用する場合には、
図17に示す初期化動作時のフローチャートにおけるステップS17の「遊技球をアウト口が通過する」という条件を削除して適用すればよい。さらに、ぱちんこ遊技機やスロットマシンだけではなく、遊技球を使用する回胴式遊技機、雀球遊技機、アレンジボール機などの他の遊技機についても同様に適用し、同様の効果を得ることができる。
【0126】
また、上述の実施形態では、演出操作装置100の初期化動作および初期化エラー報知について説明したが、演出操作装置1000,2000についても、演出操作装置100と同様の初期化動作および初期化エラー報知を行うことができる。
【符号の説明】
【0127】
PM ぱちんこ遊技機
PA 遊技領域
2 前枠(枠部材)
5 ガラス枠(扉部材)
8 スピーカ(報知装置)
11 演出ランプ(報知装置)
20 遊技盤
52 演出制御基板(報知装置)
70 演出表示装置(報知装置)
100,1000,2000 演出操作装置(演出装置)
105 収納位置センサ(検出装置)
106 操作可能位置センサ(検出装置)
110,1200,2200 演出操作レバー(操作入力部、演出可動部)
150 入力負荷装置
1114 摺動プレート(ベース部側接触部材)
1214 摺動プレート(操作入力部側接触部材)
2327,2337 コロローラ(操作入力部側接触部材)
2430 係合リブ(ベース部側接触部材)