(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124791
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/55 20210101AFI20240906BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240906BHJP
H04N 23/52 20230101ALI20240906BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
G03B17/55
G03B17/02
H04N23/52
H05K7/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032699
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 陽作
(72)【発明者】
【氏名】入谷 裕子
(72)【発明者】
【氏名】真野 隼人
(72)【発明者】
【氏名】大野 堅太
【テーマコード(参考)】
2H100
2H104
5C122
5E322
【Fターム(参考)】
2H100AA12
2H100BB05
2H100DD06
2H100EE00
2H104CC06
5C122EA03
5C122EA54
5C122GE01
5C122GE03
5C122GE11
5C122HA82
5E322AA11
5E322BA03
5E322BB03
5E322EA11
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制しつつ、記録媒体を効率的に冷却する。
【解決手段】光軸方向に対して略垂直な撮像素子基板102と略平行に、光軸方向の-Z側に制御回路基板13が配置される。制御回路基板13には、記録メディア80を収納可能なメディアスロット202が実装される。第1の空冷ダクト12は、撮像素子基板102よりも光軸方向の後ろ側で且つ制御回路基板13およびメディアスロット202よりも光軸方向の前側に配置される。第1の空冷ダクト12は、制御回路基板13に対して熱的に接続される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に対して略垂直な第1の基板と、
前記第1の基板と略平行に、前記光軸方向の一方側に配置された第2の基板と、
前記第2の基板に実装され、記録媒体を収納可能な収納部と、
前記第1の基板よりも前記光軸方向の前記一方側で且つ前記第2の基板および前記収納部よりも前記光軸方向の他方側に配置された第1の空冷ダクトと、
前記第1の空冷ダクト内に気流を生じさせるファンと、を有し、
前記第1の空冷ダクトは、前記記録媒体、前記収納部または前記第2の基板の少なくともいずれかに対して熱的に接続されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記収納部は、前記第2の基板における、前記光軸方向の前記一方側に実装されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の基板には撮像素子が実装され、
前記撮像素子は、前記第1の空冷ダクトに対して熱的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2の基板よりも前記光軸方向の前記他方側に配置された第2の空冷ダクトを有し、
前記第2の空冷ダクトは、前記第2の基板における主熱源に対して熱的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の空冷ダクトと前記第2の空冷ダクトとを連結する連結部を有することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、使用時に把持される把持部を有し、
前記光軸方向から見て前記把持部と投影上重なる領域にバッテリが収納され、
前記光軸方向において、前記第1の空冷ダクトは前記バッテリと前記第2の基板との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1の基板には撮像素子が実装され、
前記撮像素子および前記第1の基板を含むユニットを前記光軸方向に垂直な方向に移動させる駆動機構を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記光軸方向からみて前記収納部の少なくとも一部と重なるバッテリを有し、
前記第1の空冷ダクトは、前記光軸方向からみて前記バッテリとは重ならず、且つ前記収納部と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1の空冷ダクトは、前記光軸方向からみて前記収納部と重なる位置から吸気することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1の空冷ダクトは、前記光軸方向において前記第2の基板に隣接し前記第2の基板と略平行な第1の壁と、前記光軸方向において前記第1の壁よりも前記第2の基板から離れた位置に設けられ且つ前記第2の基板と略平行な第2の壁と、を含み、
変形可能な伝熱部材が、前記第1の壁と前記第2の基板とを貫通し、且つ、前記記録媒体および前記第2の壁の両方に当接することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記伝熱部材の変形可能範囲は、前記光軸方向における前記第1の壁と前記第2の壁との間隔より長いことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第1の壁と前記第2の壁とは第3の壁でつながり、
前記第3の壁で囲まれた領域に前記伝熱部材が収容されることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記伝熱部材の先端に当接部材が設けられ、
前記伝熱部材は、前記当接部材を介して前記記録媒体と当接し、
前記当接部材の端部に斜面が設けられることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第2の基板は開口部を有し、
前記開口部に弾性伝熱部材が配置され、
前記弾性伝熱部材の第1の伝熱部と前記記録媒体とが当接し、
前記弾性伝熱部材の第2の伝熱部が前記開口部から前記第1の空冷ダクト内に露出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第2の伝熱部は前記第1の空冷ダクト内に突出することを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
バッテリを収納するバッテリ収納部を有し、
前記光軸方向において、前記第1の空冷ダクトは前記バッテリと前記第2の基板との間に配置され、
前記バッテリ収納部の少なくとも一部分が前記第1の空冷ダクトの少なくとも一部分を兼ねることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記バッテリ収納部のうち前記第1の空冷ダクト内に露出する部分の少なくとも一部が熱伝導性部材で構成されることを特徴とする請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記第2の基板の少なくとも一部分が前記第1の空冷ダクトの少なくとも一部分を兼ねることを特徴とする請求項16に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記第2の基板は開口部を有し、
前記開口部に弾性伝熱部材が配置され、
前記第2の基板における前記記録媒体とは反対側の面には、前記開口部を覆う伝熱封止部材が設けられ、
前記伝熱封止部材が前記第1の空冷ダクト内に露出し、
前記弾性伝熱部材の第1の伝熱部と前記記録媒体とが当接し、
前記弾性伝熱部材の第2の伝熱部と前記伝熱封止部材とが当接することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記第2の基板よりも前記光軸方向の前記他方側に配置された第2の空冷ダクトと、
前記第1の空冷ダクトと前記第2の空冷ダクトとを接続する第3の空冷ダクトと、を有し、
前記第2の基板には、前記第3の空冷ダクトが通るための開口部が前記収納部の近傍に形成され、
前記第2の空冷ダクトまたは前記第3の空冷ダクトの少なくとも一方と前記収納部とが、シート状の放熱部材によって熱的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記開口部は、前記第2の基板における主熱源と前記収納部との間に位置することを特徴とする請求項20に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記光軸方向からみて前記第2の基板のうち前記収納部に対して投影上重なる範囲に形成された貫通穴に放熱部材が配置され、
前記収納部と前記第1の空冷ダクトとが前記放熱部材を介して熱的に接続されることを特徴とする請求項20に記載の撮像装置。
【請求項23】
前記記録媒体は前記貫通穴から前記第1の空冷ダクトの側へ露出しないことを特徴とする請求項22に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置においては、記録映像の高解像度化や高フレームレート化等に伴い、信号処理負荷と消費電力が大きくなり、撮像部や記録媒体(記録メディア)などの信号処理部の発熱量が多くなってきている。
【0003】
撮像装置内の電子部品の性能は高温下では低下するため、装置内部に冷却構造を備える必要がある。撮像装置の内部を強制空冷する放熱構造が特許文献1に開示されている。特許文献1の撮像装置は、強制空冷流路を内蔵し、装置背面の吸気口から供給される外気を強制空冷流路に通して熱交換した後に、装置側面の排気口から排気して、装置内部の主たる熱源を冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、記録媒体の冷却を考慮していない。仮に、記録媒体を冷却する構造を新たに追加すると装置が大型化してしまう。今後の高画質化による書き込みビットレートの増加に伴い、記録媒体での発熱量のさらなる増加が予測されるため、記録媒体を効率よく冷却することが必要となる。
【0006】
本発明は、大型化を抑制しつつ、記録媒体を効率的に冷却することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の撮像装置は、光軸方向に対して略垂直な第1の基板と、前記第1の基板と略平行に、前記光軸方向の一方側に配置された第2の基板と、前記第2の基板に実装され、記録媒体を収納可能な収納部と、前記第1の基板よりも前記光軸方向の前記一方側で且つ前記第2の基板および前記収納部よりも前記光軸方向の他方側に配置された第1の空冷ダクトと、前記第1の空冷ダクト内に気流を生じさせるファンと、を有し、前記第1の空冷ダクトは、前記記録媒体、前記収納部または前記第2の基板の少なくともいずれかに対して熱的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、大型化を抑制しつつ、記録媒体を効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】撮像装置の内部の構成要素の後方斜視図、前方斜視図である。
【
図3】撮像装置の内部の構成要素の後方分解斜視図、前方分解斜視図である。
【
図4】撮像ユニットの後方斜視図、前方斜視図である。
【
図5】撮像装置の放熱構造を示す後方斜視図、前方斜視図である。
【
図6】撮像装置の放熱構造を示す後方分解斜視図、前方分解斜視図である。
【
図10】
図7(b)のC-C線に沿う断面図である。
【
図11】撮像装置の内部の構成要素の後方分解斜視図である。
【
図14】撮像装置の内部構成を示す前方斜視図である。
【
図17】記録メディアの放熱構造の主要部の後方斜視図、前方斜視図である。
【
図18】記録メディアの放熱構造の主要部の後方分解斜視図、前方分解斜視図である。
【
図20】制御回路基板と弾性伝熱部材との位置関係を示す後方斜視図、前方斜視図である。
【
図22】第1の空冷ダクトの流路を示す斜視図である。
【
図28】制御回路基板と各空冷ダクトの斜視図である。
【
図29】制御回路基板周辺の後方斜視図、前方斜視図である。
【
図30】制御回路基板を背面側から見たXY平面図である。
【
図31】記録メディアが挿入されたメディアスロットを後方、前方から見たXY平面図である。
【
図32】制御回路基板、メディアスロットおよび空気流路に関わる構成の前方分解斜視図である。
【
図33】メディアスロットが2つ配置された制御回路基板の前方分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の斜視図である。以降の説明を簡単にするために、XYZ座標系を以下に定義する。撮像装置1の撮影光軸方向(光軸O方向)をZ軸とし、被写体方向を正(+Z)とする。Z軸に直交する平面上において、撮像装置1の幅方向(左右方向)をX軸とし、被写体側(+Z側)から見て右側を正(+X)とする。また、撮像装置1の天地方向をY軸とし、天に向かう方向を正(+Y)とする。
【0012】
従って、
図1(a)は撮像装置1の前方斜視図であり、
図1(b)、(c)は撮像装置1の後方斜視図である。
図1(c)は撮像装置1からバッテリ70および記録メディア80が挿抜途中の状態を示している。
【0013】
撮像装置1は、撮像装置本体2およびレンズ3から構成される。撮像装置本体2の内部には、制御回路基板13(
図2(b)参照)、撮像素子101(
図4(b))、電源部、画像を記録するための記録部、各種操作部など、撮像装置としての主たる機能を内包する構成要素が配置されている。
図1(a)に示すように、撮像装置本体2に対して、撮影被写体側(+Z側)にレンズ3が取り付けられている。レンズ3は、撮影状況に合わせて交換可能である。
【0014】
図1(a)に示すように、撮像装置本体2の右側部(+X側)には、排気口4が設けられている。排気口4からは、後述する冷却ファン15(
図3(a)、(b))を用いた強制空冷機構によって、本体内部で高温となった空気が排出される。
図1(b)、
図1(c)に示すように、撮像装置本体2の底面部(-Y側)には、第1の吸気口5が設けられている。第1の吸気口5からは、冷却ファン15を用いた強制空冷機構によって本体内部に冷たい空気が吸入される。
【0015】
撮像装置本体2における左寄りの位置には、第2の吸気口6が設けられている。第2の吸気口6からは、冷却ファン15を用いた強制空冷機構によって本体内部に冷たい空気が吸入される。撮像装置本体2の左側部には、撮影者が撮像装置本体2を把持するための把持部であるグリップ部9が配置される。グリップ部9は撮像装置本体2の前方(+Z方向)に突出した形状を有する。第2の吸気口6はグリップ部9から段差を設けた側面部に設けられることで、撮影者が撮像装置1を把持しても覆われにくい。
【0016】
撮像装置本体2はまた、バッテリ70を覆うバッテリ蓋7を有する。バッテリ70は撮像装置本体2の上下方向(Y軸方向)に挿抜可能である。撮像装置本体2の左側部にはまた、記録メディア80を覆う記録メディア蓋8が設けられる。記録メディア80は撮像装置本体2の左右方向(Y軸方向)に挿抜可能であり、後述するメディアスロット202(
図3(a))に収納される。バッテリ70および記録メディア80は、それぞれグリップ部9に収納される。
【0017】
図2、
図3を用いて、撮像装置1の内部の構成要素について説明する。
図2(a)、(b)はそれぞれ、撮像装置1の内部の構成要素の後方斜視図、前方斜視図である。
図3(a)、(b)はそれぞれ、撮像装置1の内部の構成要素の後方分解斜視図、
図3(b)は前方分解斜視図である。
図2、
図3では、主要な構成要素以外の図示を省略している。
【0018】
図3(a)、(b)に示すように、撮像装置本体2の内部は、主として撮像ユニット100とメインユニット200とで構成される。撮像ユニット100は、撮像ユニット保持部材10、撮像素子ユニット11、第1の空冷ダクト12を含む。撮像素子ユニット11は撮像素子101(
図4(b))を保持する駆動ユニット(後述する素子駆動ユニット110)と、駆動ユニットを駆動可能に保持する保持ユニット(後述する固定板金121等)とによって構成される。これにより、撮像素子101の防振機能を実現している。撮像ユニット100における防振構造の詳細は後述する。
【0019】
メインユニット200は、制御回路基板13、第2の空冷ダクト14、冷却ファン15、排気口連結部16、ダクト連結部17を含む。制御回路基板13は、撮像装置1全体を制御する。
【0020】
第1の空冷ダクト12は、熱伝導性の高いアルミなどの金属で構成され、撮像素子101と熱的に接続される。第1の空冷ダクト12は、さらに、制御回路基板13に実装されたメディアスロット202に収納される記録メディア80と熱的に接続される。第2の空冷ダクト14は、熱伝導性の高いアルミなどの金属で構成され、制御回路基板13における主熱源となるIC201と熱的に接続される。
【0021】
これら撮像素子101、記録メディア80、IC201で生じた熱は、放熱構造によって放熱される。冷却ファン15は、回転することで第1の空冷ダクト12内(空冷ダクト内)に気流を生じさせる。この放熱構造は、冷却ファン15の回転により撮像装置本体2の外部から空気を吸いこみ、それぞれの空冷ダクトと熱交換を行い、熱くなった空気を外部に吐き出すことによって強制空冷を実現する。この放熱構造の詳細については後述する。
【0022】
図4(a)、(b)を用いて、撮像ユニット100における防振構造について説明する。
図4(a)、(b)はそれぞれ、撮像ユニット100の後方斜視図、前方斜視図である。なお、
図4(a)、(b)では撮像ユニット保持部材10の図示を省略している。
【0023】
撮像ユニット100は、素子駆動ユニット110および撮像素子保持ユニット120を含む。素子駆動ユニット110は、撮像素子101、撮像素子101が実装される撮像素子基板102(
図6(a))、撮像素子101を接着保持する撮像素子保持部材103などを含む。撮像素子保持ユニット120は、固定板金121、第1の空冷ダクト12などを含む。撮像素子101は、レンズ3から入ってきた光を電気信号に変換する。
【0024】
素子駆動ユニット110は、撮像素子保持ユニット120の構成部材によって挟持され、不図示のボール部材などによって転動可能に保持される。第1の駆動機構130X、第2の駆動機構130Yは、撮像ユニット100のY方向、X方向に延在する。第1の駆動機構130X、第2の駆動機構130Yは、それぞれ光軸方向に重なって配置されるコイルや磁石(いずれも図示せず)などを有することで、ボイスコイルモータ方式によって駆動力を発生させることができる。
【0025】
これらの駆動機構により、素子駆動ユニット110は、撮像素子保持ユニット120に対して相対的に、所定の方向に所定の移動量で駆動可能となる。例えば、撮像装置1の使用時に手ブレが生じた際に、そのブレ量を検知し、そのブレ量を相殺するように素子駆動ユニット110を駆動することで、カメラの手振れによる撮影画のブレを補正することができる。
【0026】
第1の空冷ダクト12は、撮像素子ユニット11に対向する位置に撮像素子冷却面12a(
図6(a))を有し、撮像素子ユニット11で生じた熱が撮像素子冷却面12aを介して伝熱される。第1の空冷ダクト12に伝熱された熱は、後述する放熱構造によって冷却される。
【0027】
図5、
図6を用いて、撮像装置1における放熱構造について説明する。
図5は、撮像装置1の放熱構造を示す内部斜視図であり、
図5(a)は後方斜視図、
図5(b)は前方斜視図である。
図6は撮像装置1の放熱構造を示す内部分解斜視図であり、
図6(a)は後方分解斜視図、
図6(b)は前方分解斜視図である。
【0028】
図5、
図6に示すように、撮像素子101は、光軸方向に対して略垂直となるように撮像素子基板102(
図6(a))に実装される。
図6(a)、(b)に示すように、撮像素子101の後方には第1の空冷ダクト12が撮像素子基板102と対向して配置される。
【0029】
撮像素子101の熱は撮像素子冷却面12aから第1の空冷ダクト12に伝わる。この伝熱は、例えば不図示の放熱ゴムやグラファイトシートなどを介して行われ、撮像素子ユニット11の防振駆動に大きな影響を与えない。
【0030】
制御回路基板13は、光軸Oと垂直に配置される(
図3(b))。前方から撮像素子ユニット11、第1の空冷ダクト12、制御回路基板13の順番に配置される。撮像素子基板102から出力された映像信号は、不図示のフレキシブルプリント基板によって制御回路基板13に送信され、制御回路基板13の画像処理部にて処理が施される。この画像処理などを担うIC201は、制御回路基板13の後方に配置される第2の空冷ダクト14と熱的に接続されている。
【0031】
制御回路基板13の-X側の端部付近には、メディアスロット202が実装される(
図6(a))。メディアスロット202は、記録媒体の一例である記録メディア80を収納可能な収納部である。このメディアスロット202の位置は、後方からみてグリップ部9に投影上収まる領域内である。メディアスロット202は制御回路基板13の後側(-Z側)に配置される。
【0032】
撮像装置1で動画を記録すると、変換された映像データが、メディアスロット202に装着された記録メディア80に書き込まれる。近年、この映像データの高解像度化がすすみ、記録メディア80への書き込みビットレートの増大に伴い記録メディア80の発熱量が増加していることから、記録メディア80の放熱が重要となる。
【0033】
メディアスロット202に装着された記録メディア80は、その両面が制御回路基板13とメディアスロット202の一部とによって覆われる。制御回路基板13の前方(+Z方向)には第1の空冷ダクト12が配置される。第1の空冷ダクト12は、後方から見てメディアスロット202と投影上重なる領域に記録メディア冷却面12bを有する(
図6(a))。記録メディア冷却面12bが、対向する制御回路基板13と熱的に接続されることで、記録メディア80の熱は第1の空冷ダクト12に伝熱され放熱される。本実施形態では、制御回路基板13と第1の空冷ダクト12との間に弾性を有する熱伝導部材203が挟み込まれており、熱伝導部材203を介して伝熱される。
【0034】
本実施形態では、記録メディア80の熱は、記録メディア80と対向する制御回路基板13から第1の空冷ダクト12に伝わる構成とした。すなわち、第1の空冷ダクト12は、制御回路基板13に対して熱的に接続される。しかしこれに限定されず、記録メディア80の熱が、記録メディア80から直接伝わる構成としてもよいし、メディアスロット202から伝わる構成としてもよい。また、メディアスロット202の実装面は制御回路基板13の前側としてもよい。従って、第1の空冷ダクト12は、記録メディア80、メディアスロット202または制御回路基板13の少なくともいずれかに対して熱的に接続されればよい。
【0035】
また、第2の空冷ダクト14とメディアスロット202とは、後方から見て投影上重ならず、左右方向に並列に配置される(
図5)。第2の空冷ダクト14は記録メディア80の放熱に直接的に関与しておらず、制御回路基板13のメディアスロット202近傍のIC201を放熱することができ、グリップ部9の大型化、特に厚みの増加を抑制できている。第2の空冷ダクト14は第2の吸気部14aを有する(
図5(a))。第1の空冷ダクト12は第1の吸気部12cを有する(
図5(b))。
【0036】
次に、
図7~
図10を用いて、冷却ファン15による強制空冷の構造について説明する。
【0037】
図7(a)、(b)はそれぞれ、撮像装置1の底面図、背面図である。
図8は、
図7(a)のA-A線に沿う断面図である。
図9は、
図7(b)のB-B線に沿う断面図である。
図10は、
図7(b)のC-C線に沿う断面図である。
【0038】
図6(a)、
図10等に示すように、制御回路基板13は、撮像素子基板102と略平行に、光軸方向における撮像素子基板102より後ろ側(-Z側;一方側)に配置される。第1の空冷ダクト12は、撮像素子基板102(第1の基板)よりも光軸方向における後ろ側(-Z側)で且つ制御回路基板13(第2の基板)およびメディアスロット202よりも光軸方向における前側(+Z側;他方側)に配置される。第1の空冷ダクト12は、光軸方向において撮像素子基板102と制御回路基板13との間に位置する。
【0039】
また、光軸方向から見てグリップ部9と投影上重なる領域にバッテリ70が収納され、光軸方向において、第1の空冷ダクト12はバッテリ70と制御回路基板13との間に位置する(
図10)。
【0040】
図7(a)、
図8に示すように、撮像装置本体2の底面にある第1の吸気口5は、第1の空冷ダクト12の第1の吸気部12cと連結されている。冷却ファン15の回転により、撮像装置本体2の外部からの空気が第1の吸気口5および第1の吸気部12cを通じて第1の空冷ダクト12内に取り込まれる(
図8の矢印F1)。メディアスロット202に収納された記録メディア80の熱は、制御回路基板13の前方にある第1の空冷ダクト12の記録メディア冷却面12bに、熱伝導部材203を介して伝熱される(
図8、
図10の矢印F2)。
【0041】
一方、撮像素子101の熱は、第1の空冷ダクト12の撮像素子冷却面12aに、不図示の熱伝導部材などを介して伝熱される(
図8、
図10の矢印F3)。これらの熱源(記録メディア80、撮像素子101)と熱交換されて高温となった第1の空冷ダクト12内の空気は、第1の空冷ダクト12の第1の排気部12dと連結されるダクト連結部17を経由して第2の空冷ダクト14に取り込まれる(
図9の矢印F4)。
【0042】
撮像装置本体2の第2の吸気口6は、第2の空冷ダクト14の第2の吸気部14aと連結されている。冷却ファン15の回転により撮像装置本体2の外部からの空気が第2の吸気口6および第2の吸気部14aを通じて第2の空冷ダクト14内に取り込まれる(
図10の矢印F5)。制御回路基板13に実装されたIC201の熱は、制御回路基板13の後方にある第2の空冷ダクト14に、不図示の熱伝導部材などを介して伝熱される(
図10の矢印F6)。
【0043】
この熱源(IC201)と熱交換されて高温となった第2の空冷ダクト14内の空気は、撮像素子101と記録メディア80の熱が第1の空冷ダクト12から伝わって高温となった空気と合流して、冷却ファン15によって吸い込まれる(
図9、
図10の矢印F7)。そして、この吸い込まれた空気は、排気口連結部16を通って撮像装置本体2の排気口4から外部へ排出される(
図10の矢印F8)。
【0044】
このように、冷却ファン15を用いた強制空冷機構により、記録メディア80の熱を第1の空冷ダクト12を介して撮像装置本体2の外部に排出することが可能となる。従って、高ビットレートの記録時においても記録停止することなく撮像装置1の信頼性を向上させることができる。また、その他の熱源である撮像素子101や制御回路基板13の熱も、第1の空冷ダクト12や第2の空冷ダクト14を介して撮像装置本体2の外部に排熱することができ、撮像装置1の信頼性を一層向上させることができる。
【0045】
本実施形態によれば、第1の空冷ダクト12は、撮像素子基板102よりも光軸方向の後ろ側で且つ制御回路基板13およびメディアスロット202よりも光軸方向の前側に配置される(
図10)。第1の空冷ダクト12は、制御回路基板13に対して熱的に接続される。そして冷却ファン15を用いた強制空冷機構により、制御回路基板13の熱が第1の空冷ダクト21を介して排出されるので、メディアスロット202に収納された記録メディア80が効率よく冷却される。また、この強制空冷機構は、制御回路基板13を冷却するものであり、記録メディア80の冷却用に新たな冷却構造を設ける必要がないので、構成の複雑化や大型化が回避される。よって、大型化を抑制しつつ、記録メディア80を効率的に冷却することができる。
【0046】
また、撮像素子101は、第1の空冷ダクト12に対して熱的に接続されるので、撮像素子101を効率よく冷却することができる。
【0047】
また、第2の空冷ダクト14は、制御回路基板13における主熱源であるIC201と熱的に接続されるので、IC201を含む制御回路基板13を効率よく冷却することができる。
【0048】
また、第1の空冷ダクト12と第2の空冷ダクト14とをダクト連結部17が連結することで空気流路が連通するので、第1の空冷ダクト12に取り込まれた空気を第2の空冷ダクト14を介して効率よく排出することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
図11~
図16を用いて本発明の第2の実施形態およびその変形例を説明する。本実施形態の撮像装置1では、第1の空冷ダクト1000およびメディアスロット1020の構成が第1の実施形態のものと異なる。
【0050】
図11は、撮像装置1の内部の構成要素の後方分解斜視図である。
図12は、撮像装置1の内部構成を示す正面図である。
図12では、第1の空冷ダクト1000のレイアウトについて説明するため、主として第1の空冷ダクト1000と制御回路基板13とバッテリ70との関係に着目して示している。
【0051】
図12に示すように、光軸方向からみて、第1の空冷ダクト1000は記録メディア80の一部に対して重なり、且つ、バッテリ70とは重ならない位置に配置される。第1の空冷ダクト1000と記録メディア80とが重なった領域には、記録メディア80と第1の空冷ダクト1000とをつなぐ伝熱部材(
図16で後述するばね1006および受け部品1007)がある。この伝熱部材により、記録メディア80の熱を第1の空冷ダクト1000に伝えることができる。記録メディア80と第1の空冷ダクト1000との伝熱については後述する。
【0052】
光軸方向からみて、第1の空冷ダクト1000とバッテリ70とが重ならないことにより、グリップ部9の厚みを増やさずに記録メディア80の冷却ができる。そのため、小型で、且つ、グリップ性を損なわない撮像装置を提供できる。
【0053】
図13~
図15は本実施形態の変形例を説明する図である。本実施形態における放熱構造は変形例と共通するので、まず、本実施形態における放熱構造について
図16で説明する。
【0054】
図16は、
図12のD-D線に沿う断面図である。記録メディア80から第1の空冷ダクト1000への伝熱の例を説明する。
【0055】
第1の空冷ダクト1000は、制御回路基板13に対して略平行な2つの壁を有する。2つの壁のうち、制御回路基板13に近接(隣接)する壁が第1の壁1002であり、制御回路基板13より離れた方の壁が第2の壁1003である。これら2つの壁の間を空気が流れる。
【0056】
制御回路基板13には、放熱を行うための基板穴1004が形成され、第1の壁1002にはダクト穴1005が形成されている。第2の壁1003からは内側にフィン1008が延出している。第1の空冷ダクト1000の第2の壁1003と記録メディア80との間には、基板穴1004およびダクト穴1005を貫通してばね1006が設けられる。
【0057】
ばね1006と記録メディア80との間には受け部品1007が設けられる。受け部品1007は、ばね1006の付勢力によって記録メディア80へ押しつけられて当接する当接部材である。よって、ばね1006の変形可能範囲Tは、第1の壁1002と第2の壁1003との間隔D1より長い。
【0058】
受け部品1007は、金属などの熱伝導性の高い物質で構成され、ばね1006も金属製であるため熱を伝えやすい。従って、記録メディア80と接して受け部品1007に伝わった熱は、ばね1006を介して第2の壁1003に効率的に伝わる。第2の壁1003に伝わった熱はフィン1008へ伝わり、フィン1008に当たる空気と熱交換して外部に排出されることで放熱が可能となる。
【0059】
受け部品1007における、記録メディア80へ接触する端面の縁部には、全周に亘って斜面1010が形成されている。記録メディア80の挿入時には、記録メディア80の端部が受け部品1007の斜面1010に当たる。その力でばね1006が圧縮されることで、記録メディア80を滑らかに挿入することができる。
【0060】
また、制御回路基板13は、ばね1006の外周を囲むように、第1の壁1002と第2の壁1003とをつなぐ円筒壁1009を有する。円筒壁1009によって第1の空冷ダクト1000の一部が塞がれる。この塞がれた領域をX1とする。ばね1006は領域X1内で伸縮する。空気は領域X1を避けて第1の壁1002と第2の壁1003との間を流れ、領域X1を流れることはない。よって、ばね1006や記録メディア80には、第1の空冷ダクト1000内を流れる空気が入らない。
【0061】
このように、第2の壁1003と記録メディア80との間にばね1006が配置されることで、ばね1006の変形可能範囲Tを大きくとることができる。よって、ばね1006が伸縮するストロークを大きくとることができ、記録メディア80へ小さな負荷で当接することができる。一般に、記録メディア80へ外力を加えることは、メディアスロット1020の接点に力がかかるため好ましくない。しかし、本実施形態のようにばね1006のストロークを大きくとることで記録メディア80への負荷が減り、適切な接点状態を維持することができる。
【0062】
また、円筒壁1009によって隔離された領域X1に配置されたばね1006や記録メディア80には空気が流れないため、第1の空冷ダクト1000内を流れる外気から運ばれてくる埃がたまることがない。そのため、ばね1006の伸縮性を阻害したり、メディアスロット1020内に埃が入り込んだりすることを回避することができる。なお、記録メディア80を付勢する付勢部材としてばね1006を用いたが、ばねの形態はこれに限定されるものではない。また、伸縮性があり熱伝導性のよいものであれば他の弾性部材等を採用してもよい。
【0063】
本実施形態によれば、第1の空冷ダクト1000は、撮像素子基板102よりも光軸方向の後ろ側で且つ制御回路基板13およびメディアスロット1020よりも光軸方向の前側に配置される。第1の空冷ダクト1000は、制御回路基板13に対して熱的に接続される。よって、大型化を抑制しつつ、記録メディア80を効率的に冷却することに関し、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0064】
また、光軸方向からみてメディアスロット1020の少なくとも一部とバッテリ70とが重なる。第1の空冷ダクト1000は、光軸方向からみてバッテリ70とは重ならず、且つメディアスロット1020と重なる位置に配置される(
図12)。これにより、バッテリ70が配置される領域における光軸方向の拡大を抑制しつつ、メディアスロット1020の冷却効果を高めることができる。
【0065】
また、変形可能な伝熱部材であるばね1006が、第1の空冷ダクト1000の第1の壁1002と制御回路基板13とを貫通し、且つ、記録メディア80および第2の壁1003の両方に当接する(
図16)。これにより、記録メディア80の熱を第1の空冷ダクト1000に効率よく伝えることができる。
【0066】
また、ばね1006の変形可能範囲Tは、第1の壁1002と第2の壁1003との間隔D1より長いので、記録メディア80に対する当接負荷を小さくでき、適切な接点状態を維持することができる。
【0067】
また、第1の壁1002と第2の壁1003と第3の壁である円筒壁1009とによって囲まれた領域X1内にばね1006が収容される。これにより、メディアスロット1020内に埃が入り込むことが回避される。
【0068】
また、ばね1006の先端に受け部品1007が設けられ、ばね1006は、受け部品1007を介して記録メディア80と当接し、受け部品1007の端部に斜面1010が設けられる。これにより、記録メディア80の挿入操作を滑らかにすることができる。
【0069】
次に、
図13~
図15を用いて、本実施形態の変形例を説明する。
【0070】
図13は、本実施形態の変形例に係る撮像装置1の外観斜視図である。
図14、
図15はそれぞれ、撮像装置1の内部構成を示す前方斜視図、正面図である。
図14では、ダクト構造を説明するために一部の部品の図示を省略している。特に言及しない部分については、第2の実施形態として説明したものと同様である。
【0071】
本変形例では、
図13、
図15に示すように、吸気口1001はレンズを取り付けるマウントの面と略同一面で、且つ、X軸方向においてマウントとグリップ部との間に配置されている。吸気口1001から入った空気は第1の空冷ダクト1000に流れる。
【0072】
また、吸気口1001は、光軸方向からみて記録メディア80の一部に対して重なり、バッテリ70とは重ならない位置に配置される(
図15)。これにより、発熱源である記録メディア80に近い位置から吸気できる。従って、外気を取り込んだ直後の空気を記録メディア80の近傍に流すことができるため、冷却効果が高くなる。
【0073】
この変形例によれば、第1の空冷ダクト1000は、光軸方向からみてメディアスロット1020と重なる位置に配置された吸気口1001から吸気するので、記録メディア80の冷却効果を一層高めることができる。
【0074】
なお、本実施形態およびその変形例において、第1の空冷ダクト1000は、記録メディア80、メディアスロット1020または制御回路基板13の少なくともいずれかに対して熱的に接続されればよい。例えば、メディアスロット1020は制御回路基板13の前側に実装されてもよい。
【0075】
また、記録メディア80から第1の空冷ダクト1000へ直接放熱するものに限らず、記録メディア80からメディアスロット1020へ伝わった熱を第1の空冷ダクト1000へ伝熱する構成を採用してもよい。この構成でも、第1の空冷ダクト1000とメディアスロット1020とが重なる部分からの伝熱により冷却効果が期待できる。
【0076】
(第3の実施形態)
図17~
図26を用いて、本発明の第3の実施形態を説明する。主として第1の実施形態と相違する部分を説明する。特に言及しない部分については第1の実施形態と同様である。
【0077】
図17(a)、(b)は、記録メディア80の放熱構造の主要部の斜視図であり、
図17(a)は後方斜視図、
図17(b)は前方斜視図である。
【0078】
発熱源である記録メディア80は制御回路基板3026上に実装されたメディアスロット3002に挿入されている。バッテリ70はバッテリ収納部3004に収納されている。第1の空冷ダクト3005は、第1の吸気口5(
図1(b))に通じる吸入口3006とダクト連結部17(
図2(a))に通じる排出口3007とを有する。また、冷却ファン15(
図2(a))により、第1の空冷ダクト3005内では吸入口3006から排出口3007に向けて空気が流れる。記録メディア80で発生した熱は第1の空冷ダクト3005内を流れる空気を介して、撮像装置本体2(
図1)の外に排出される。この記録メディア80の冷却については後述する。
【0079】
図18(a)、(b)は、記録メディア80の放熱構造の主要部の分解斜視図であり、
図18(a)は後方斜視図、
図18(b)は前方斜視図である。
【0080】
制御回路基板3026の基板開口部3009には、熱伝導性および弾性が高い弾性伝熱部材3008が配置されている。記録メディア80がメディアスロット3002に収納されている状態において、弾性伝熱部材3008は記録メディア80に接し、且つ、その一部が、基板開口部3009から第1の空冷ダクト3005内に露出する。これらの詳細な位置関係については後述する。
【0081】
第1の空冷ダクト3005において、ダクト蓋部材3018には、記録メディア80の光軸投影上に蓋開口3010が形成されている。ダクトベース部材3019には、バッテリ70の光軸投影上にダクト開口3011が形成されている。バッテリ収納部3004には収納部材開口3012が形成されている。この収納部材開口3012は熱伝導率の高い伝熱板3013で封止されている。
【0082】
図19、
図20を用いて弾性伝熱部材3008の詳細構成について説明する。
図19は弾性伝熱部材3008の斜視図である。
図20(a)、(b)は制御回路基板3026と弾性伝熱部材3008との位置関係を示す斜視図であり、
図20(a)は後方斜視図、
図20(b)は前方斜視図である。
【0083】
弾性伝熱部材3008は、制御回路基板3026における-Z側の面に実装されるための実装部3014を持つ。また、弾性伝熱部材3008は、記録メディア80(
図17(a))に接し、伝熱を行う伝熱面3015を持つ。また、弾性伝熱部材3008は、第1の空冷ダクト3005内を流れる空気に効果的に熱を伝えるためのフィン部3016を持つ。このフィン部3016は基板開口部3009(
図18(b))から第1の空冷ダクト3005(
図17(b))内に突出する。また、弾性伝熱部材3008は、記録メディア80の挿入を円滑にするための傾斜部3017を持つ。記録メディア80の挿入時の記録メディア80と弾性伝熱部材3008との当接関係については後述する。
【0084】
図21、
図22を用いて第1の空冷ダクト3005内の空気の流路と記録メディア80の放熱について説明する。
図21は
図17(a)のE-E線に沿う断面図である。
【0085】
第1の空冷ダクト3005の記録メディア80側(-Z側)の壁は、ダクト蓋部材3018と、蓋開口3010(
図18(a))から露出した制御回路基板3026と、弾性伝熱部材3008の一部と、から構成されている。記録メディア80が発した熱は、弾性伝熱部材3008を介して、第1の空冷ダクト3005内を流れる空気に伝わることで空冷される。弾性伝熱部材3008がフィン部3016を持つことで、弾性伝熱部材3008の表面積が増え、記録メディア80の冷却効率を高めることができる。
【0086】
また、記録メディア80が発した熱は、弾性伝熱部材3008の実装部3014から制御回路基板3026にも伝わる。制御回路基板3026は第1の空冷ダクト3005内に露出しているので、制御回路基板3026の熱も第1の空冷ダクト3005内を流れる空気に伝えることができ、記録メディア80の冷却効率を高めることができる。
【0087】
第1の空冷ダクト3005のバッテリ70側(+Z側)の壁は、ダクトベース部材3019と、ダクトベース部材3019のダクト開口3011(
図18(a))から露出したバッテリ収納部3004と、から構成されている。バッテリ収納部3004の一部は伝熱板3013により構成される。すなわち、バッテリ収納部3004のうち第1の空冷ダクト3005内に露出する部分の少なくとも一部が、熱伝導性部材である伝熱板3013で構成されている。
【0088】
バッテリ収納部3004の一部分が第1の空冷ダクト3005の一部分を兼ねることで、第1の空冷ダクト3005を薄型化することができる。これにより、撮像装置1のグリップ部9(
図1(a))を光軸方向に薄型化できる。なお、バッテリ収納部3004の一部分が第1の空冷ダクト3005の一部分を兼ねているが、逆に第1の空冷ダクト3005の一部分がバッテリ収納部3004の一部分を兼ねてもよい。
【0089】
また、伝熱板3013が第1の空冷ダクト3005の一部分を兼ねることで、バッテリ70の冷却効率も高めることができる。本実施形態では、バッテリ70と伝熱板3013とが接していないが、バッテリ70と伝熱板3013とが接する構成を採用してもよい。
【0090】
図22は、第1の空冷ダクト3005の流路を示す斜視図である。ダクトベース部材3019は略光軸方向に突出する第1の整流リブ3020を持つ。また、バッテリ収納部3004は略光軸方向に突出する第2の整流リブ3021を持つ(
図18(a)も参照)。第1の整流リブ3020および第2の整流リブ3021の作用により、第1の空冷ダクト3005内での空気の流路は、破線の矢印Gのように第1の整流リブ3020および第2の整流リブ3021を迂回した流路となる。これにより、ダクト全域に空気の流れが発生し、記録メディア80の冷却効率を高めることができる。
【0091】
図23を用いて、記録メディア80の挿入行程における記録メディア80と弾性伝熱部材3008との当接関係について説明する。
図23(a)、(b)、(c)は、
図17(a)のE-E線に沿う断面における弾性伝熱部材3008周辺の拡大図である。
【0092】
図23(a)は、記録メディア80が弾性伝熱部材3008に当接する前の挿入初期状態を示している。この状態では、弾性伝熱部材3008の一部と記録メディア80の一部とが記録メディア80の挿入方向(X軸方向)からみて重なっている。
【0093】
図23(b)は、記録メディア80をメディアスロット3002に挿入する途中の状態を示している。記録メディア80の挿入行程において、記録メディア80は弾性伝熱部材3008のうち傾斜部3017に最初に当接する。これにより、記録メディア80が弾性伝熱部材3008から受ける力を緩和することができる。
【0094】
図23(c)は、記録メディア80をメディアスロット3002に挿入し終わった状態を示している。この状態では、弾性伝熱部材3008の伝熱面3015と記録メディア80とが接している。
【0095】
なお、
図23(c)に示すように、弾性伝熱部材3008のフィン部3016が第1の空冷ダクト3005の流路内に突出する構成が採用された。しかし、第1の空冷ダクト3005の薄型化を重視する場合は、弾性伝熱部材3008からフィン部3016を無くした構成を採用してもよい。その場合、弾性伝熱部材3008は、基板開口部3009を通じて第1の空冷ダクト3005と繋がるが、制御回路基板3026よりも+Z方向に突出しない位置に配置される。
【0096】
本実施形態によれば、第1の空冷ダクト3005は、撮像素子基板102よりも光軸方向の後ろ側で且つ制御回路基板3026およびメディアスロット3002よりも光軸方向の前側に配置される。第1の空冷ダクト3005は、制御回路基板3026に対して熱的に接続される。よって、大型化を抑制しつつ、記録メディア80を効率的に冷却することに関し、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0097】
また、制御回路基板3026の基板開口部3009に弾性伝熱部材3008が配置される。そして、伝熱面3015(第1の伝熱部)と記録メディア80とが当接し、フィン部3016(第2の伝熱部)が基板開口部3009から第1の空冷ダクト3005内に露出する(
図21)。特に、フィン部3016は、第1の空冷ダクト3005内に突出する。
これにより、記録メディア80を効率よく冷却することができる。
【0098】
また、光軸方向において、第1の空冷ダクト3005はバッテリ70と制御回路基板3026との間に配置され、バッテリ収納部3004の一部を構成する伝熱板3013が第1の空冷ダクト3005の一部分を兼ねる(
図21)。バッテリ収納部3004の少なくとも一部分が第1の空冷ダクト3005の少なくとも一部分を兼ねることで、撮像装置1のグリップ部9を光軸方向に薄型化できる。また、伝熱板3013が第1の空冷ダクト3005の一部分を兼ねる。すなわち、バッテリ収納部3004のうち第1の空冷ダクト3005内に露出する部分の少なくとも一部が熱伝導性部材である伝熱板3013で構成される。これにより、バッテリ70の冷却効率も高めることができる。
【0099】
また、制御回路基板3026の少なくとも一部分が第1の空冷ダクト3005の少なくとも一部分を兼ねるので(
図21)、撮像装置1の大型化を抑制することができる。
【0100】
次に、
図24~
図26を用いて、本実施形態の変形例を説明する。この変形例では、弾性伝熱部材3008(
図19)に代えて、第2の弾性伝熱部材3022が採用される。
【0101】
図24は、第2の弾性伝熱部材3022の斜視図である。第2の弾性伝熱部材3022は、制御回路基板3026の基板開口部3009に配置される。第2の弾性伝熱部材3022の素材は弾性伝熱部材3008と同様であり、弾性と熱伝導性が高い金属などの素材である。第2の弾性伝熱部材3022の形状は、弾性伝熱部材3008からフィン部3016を廃止する代わりに第2の伝熱面3025を持たせた形状に相当する。
【0102】
図25は、制御回路基板3026の斜視図である。制御回路基板3026における+Z側の面(記録メディア80とは反対側の面)に、伝熱封止部材としての伝熱シート部材3024が配置される。伝熱シート部材3024は、金属などの伝熱性の高い素材や、フィルムのように薄い部材で構成される。
【0103】
図26は、
図23(c)に対応する、第2の弾性伝熱部材3022周辺の拡大図である。伝熱シート部材3024は、基板開口部3009(
図18(b))を覆うように配置される。第2の弾性伝熱部材3022の伝熱面3015は記録メディア80に接し、且つ、第2の弾性伝熱部材3022の第2の伝熱面3025は伝熱シート部材3024に接する。これにより、記録メディア80の熱は、第2の弾性伝熱部材3022と伝熱シート部材3024とを介して、第1の空冷ダクト3005内を流れる空気に伝えられる。この構成では、基板開口部3009を密閉することで、記録メディア80の防塵防滴性能を高める効果がある。また、フィン部3016が無いことで、厚みの薄いダクトを構成できる効果がある。
【0104】
このように、本変形例によれば、伝熱シート部材3024が第1の空冷ダクト3005内に露出する。第2の弾性伝熱部材3022の伝熱面3015(第1の伝熱部)と記録メディア80とが当接し、且つ、第2の弾性伝熱部材3022の第2の伝熱面3025(第2の伝熱部)と伝熱シート部材3024とが接する。従って、記録メディア80を一層効率よく冷却することができる。
【0105】
(第4の実施形態)
図27は、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の底面側(-Y側)の斜視図である。この撮像装置6000は、撮像装置本体5000とレンズ3とから構成される。レンズ3の構成は第1の実施形態のものと同じである。
【0106】
本実施形態では、第1の実施形態に対し、メディアスロット202(
図3(a))の強制空冷構造が主に異なる。特に言及しない部分については、第1の実施形態として説明したものと同様である。
【0107】
図27に示すように、強制空冷機構により撮像装置本体5000の内部に外気を取り込む第1の吸気口5012および第2の吸気口5013が、撮像装置本体5000の底面(-Y側の面)に配置されている。
【0108】
図28は、制御回路基板5021と各空冷ダクトの斜視図である。
図28を参照して、主に制御回路基板5021上のIC201(
図3(a))を冷却する第2の空冷ダクト5025と、記録メディア80や撮像素子ユニット11(
図3(a))を冷却する第1の空冷ダクト5024について説明する。
【0109】
図28に示すように、第2の空冷ダクト5025と第1の空冷ダクト5024とは、制御回路基板5021を跨いでダクト連結部5028により連結される。また、第1の空冷ダクト5024と第2の空冷ダクト5025とは、ダクト連結部5028とは別に、第3の空冷ダクト5023によっても連結される。
【0110】
制御回路基板5021には、第3の空冷ダクト5023が通るための貫通穴である基板開口部5022が設けられる。第3の空冷ダクト5023は基板開口部5022を貫通して、第1の空冷ダクト5024と第2の空冷ダクト5025とを接続する。基板開口部5022および第3の空冷ダクト5023の詳細は後述する。
【0111】
図29(a)、(b)を参照して、記録メディア80を空冷するための空気の流れについて説明する。
図29(a)は制御回路基板5021周辺の後方斜視図であり、
図29(b)は制御回路基板5021周辺の前方斜視図である。
【0112】
第3の空冷ダクト5023を通る第1の空気5031の流れは次のようになっている。
図29(a)に示すように、第1の空気5031は、冷却ファン15の回転により第1の吸気口5012から吸気される。吸気された空気は、第1の空冷ダクト5024、第3の空冷ダクト5023、第2の空冷ダクト5025、冷却ファン15の順に経由して、排気口連結部16へ排気される。
【0113】
ダクト連結部5028を通る第2の空気5032の流れは次のようになっている。
図29(b)に示すように、第2の空気5032は、冷却ファン15の回転により第2の吸気口5013から吸気され、第1の空冷ダクト5024、ダクト連結部5028、第2の空冷ダクト5025、冷却ファン15の順に経由して、排気口連結部16へ排気される。
【0114】
第1の空気5031は、主として、記録メディア80および制御回路基板5021上のIC201を効果的に冷却する。第2の空気5032は、主として、撮像素子ユニット11および制御回路基板5021を効果的に冷却する。
【0115】
図30は、制御回路基板5021を背面側(-Z側)から見たXY平面図である。基板開口部5022の配置について説明する。制御回路基板5021上には、メディアスロット202およびIC201が配置される。第3の空冷ダクト5023は、記録メディア80を効果的に冷却するために、メディアスロット202の近傍に配置される。そのため、第3の空冷ダクト5023が通る基板開口部5022は、メディアスロット202に近い位置に配置される。
【0116】
ここで、制御回路基板5021上には、発熱量が大きいIC201が配置されている。IC201がメディアスロット202近傍に配置される場合、IC201による熱がメディアスロット202へ伝熱し、記録メディア80がさらに高温になることが懸念される。そこで、本実施形態では、X軸方向において、基板開口部5022をメディアスロット202とIC201との間に配置することで、基板開口部5022が、メディアスロット202とIC201とを熱的に遮断する役割を兼ねる。
【0117】
なお、基板開口部5022の形状は、第3の空冷ダクト5023が通ることができれば、
図30に示すような四角形状でなくてもよい。また、基板開口部5022には、第3の空冷ダクト5023の配置、およびメディアスロット202の放熱を妨げなければ、配線等の、第3の空冷ダクト5023以外の部材が通ってもよい。つまり、基板開口部5022を部材が通るか否かは問わず、また、通る部材の種類は問わない。
【0118】
図31(a)、(b)はそれぞれ、記録メディア80が挿入されたメディアスロット202を後方、前方から見たXY平面図である。メディアスロット202の形状について説明する。
【0119】
図31(b)に示す接点5140により、メディアスロット202は制御回路基板5021に電気的に接続される。メディアスロット202の外装は、記録メディア80と制御回路基板5021との間まで回り込む回り込み部5210を有する形状となっている。そのため、制御回路基板5021における実装面側(+Z側)から見て、記録メディア80と回り込み部5210とは互いに少なくとも一部が重なる構成である。
【0120】
次に、
図32を参照して、メディアスロット202の放熱構造について説明する。
図32は、制御回路基板5021、メディアスロット202および空気流路に関わる構成の前方分解斜視図である。
【0121】
制御回路基板5021には、光軸方向からみて、制御回路基板5021と回り込み部5210とが投影上重なる範囲に貫通穴5230が設けられている。貫通穴5230には、弾性のある放熱部材5220が配置されている。これにより、放熱部材5220を介して、メディアスロット202の回り込み部5210と第1の空冷ダクト5024とが熱的に接続される。
【0122】
貫通穴5230は、メディアスロット202へ記録メディア80を挿入した際、貫通穴5230から記録メディア80が露出しない大きさおよび位置に形成される。これによって、放熱部材5220は記録メディア80の挿抜を妨げず、記録メディア80へ負荷を与えない。
【0123】
また、放熱部材5050を介して、第2の空冷ダクト5025とメディアスロット202とが熱的に接続される。また、放熱部材5050を介して、メディアスロット202と第3の空冷ダクト5023とが熱的に接続される。
【0124】
ここで、基板開口部5022および第3の空冷ダクト5023をメディアスロット202の近傍に配置することで、第1の吸気口5012から吸気される冷たい空気を、メディアスロット202近傍に流すことができる。これにより、放熱部材5050を介したメディアスロット202の放熱をより効果的に行うことができる。メディアスロット202が各空冷ダクトと熱的に接続されるため、メディアスロット202の放熱効率を向上させることができる。
【0125】
本実施形態によれば、第1の空冷ダクト5024は、撮像素子ユニット11よりも光軸方向の後ろ側で且つ制御回路基板5021およびメディアスロット202よりも光軸方向の前側に配置される。第1の空冷ダクト5024は、制御回路基板5021に対して熱的に接続される。よって、大型化を抑制しつつ、記録メディア80を効率的に冷却することに関し、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0126】
また、第3の空冷ダクト5023が、第2の空冷ダクト5025の基板開口部5022を通り、第1の空冷ダクト5024と第2の空冷ダクト5025とを接続する。第2の空冷ダクト5025または第3の空冷ダクト5023の少なくとも一方とメディアスロット202とが、シート状の放熱部材5050によって熱的に接続される。これにより、メディアスロット202を効率よく冷却することができる。
【0127】
また、基板開口部5022は、光軸方向からみて、制御回路基板5021における主熱源となるIC201とメディアスロット202との間に位置する(
図30)。これにより、メディアスロット202とIC201とを熱的に遮断するので、メディアスロット202の放熱効率を高めることができる。
【0128】
また、貫通穴5230に配置された放熱部材5220を介して、メディアスロット202と第1の空冷ダクト5024とが熱的に接続される(
図32)。これにより、メディアスロット202の放熱効率を高めることができる。
【0129】
また、記録メディア80は、貫通穴5230から第1の空冷ダクト5024の側へ露出しないので、記録メディア80への負荷を抑制することができる。
【0130】
図33を用いて、第4の実施形態の変形例を説明する。この変形例では、メディアスロット202がY方向に複数並んで配置される。
【0131】
図33は、メディアスロット202が2つ配置された制御回路基板5021の前方分解斜視図である。
図33では、Y方向に2つのメディアスロット202が並んで配置されるが、配置数は3以上でもよい。
【0132】
図33に示す破線囲み部5300は、各メディアスロット202の回り込み部5210が互いに隣り合う領域である。破線囲み部5300と第1の空冷ダクト5024とを熱的に接続するように、貫通穴5230および放熱部材5220が配置される。破線囲み部5300は、熱源であるメディアスロット202同士が近い領域であるため、熱がこもりやすくなる箇所である。
【0133】
そこで、破線囲み部5300と第1の空冷ダクト5024とを熱的に接続する。これにより、メディアスロット202がY方向へ複数実装される場合でも、メディアスロット202内の記録メディア80により生じた熱を第1の空冷ダクト5024へ効率的に放熱することができる。
【0134】
なお、各実施形態において、「略」を付したものは完全を除外する趣旨ではない。例えば、「略平行」、「略垂直」、「略同一面」、「略光軸方向」は、それぞれ完全な平行、垂直、直交、同一面、光軸方向を含む趣旨である。
【0135】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0136】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
光軸方向に対して略垂直な第1の基板と、
前記第1の基板と略平行に、前記光軸方向の一方側に配置された第2の基板と、
前記第2の基板に実装され、記録媒体を収納可能な収納部と、
前記第1の基板よりも前記光軸方向の前記一方側で且つ前記第2の基板および前記収納部よりも前記光軸方向の他方側に配置された第1の空冷ダクトと、
前記第1の空冷ダクト内に気流を生じさせるファンと、を有し、
前記第1の空冷ダクトは、前記記録媒体、前記収納部または前記第2の基板の少なくともいずれかに対して熱的に接続されることを特徴とする撮像装置。
(構成2)
前記収納部は、前記第2の基板における、前記光軸方向の前記一方側に実装されることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成3)
前記第1の基板には撮像素子が実装され、
前記撮像素子は、前記第1の空冷ダクトに対して熱的に接続されることを特徴とする構成1または2に記載の撮像装置。
(構成4)
前記第2の基板よりも前記光軸方向の前記他方側に配置された第2の空冷ダクトを有し、
前記第2の空冷ダクトは、前記第2の基板における主熱源に対して熱的に接続されることを特徴とする構成1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
(構成5)
前記第1の空冷ダクトと前記第2の空冷ダクトとを連結する連結部を有することを特徴とする構成4に記載の撮像装置。
(構成6)
前記撮像装置は、使用時に把持される把持部を有し、
前記光軸方向から見て前記把持部と投影上重なる領域にバッテリが収納され、
前記光軸方向において、前記第1の空冷ダクトは前記バッテリと前記第2の基板との間に配置されることを特徴とする構成1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
(構成7)
前記第1の基板には撮像素子が実装され、
前記撮像素子および前記第1の基板を含むユニットを前記光軸方向に垂直な方向に移動させる駆動機構を有することを特徴とする構成1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
(構成8)
前記光軸方向からみて前記収納部の少なくとも一部と重なるバッテリを有し、
前記第1の空冷ダクトは、前記光軸方向からみて前記バッテリとは重ならず、且つ前記収納部と重なる位置に配置されることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成9)
前記第1の空冷ダクトは、前記光軸方向からみて前記収納部と重なる位置から吸気することを特徴とする構成8に記載の撮像装置。
(構成10)
前記第1の空冷ダクトは、前記光軸方向において前記第2の基板に隣接し前記第2の基板と略平行な第1の壁と、前記光軸方向において前記第1の壁よりも前記第2の基板から離れた位置に設けられ且つ前記第2の基板と略平行な第2の壁と、を含み、
変形可能な伝熱部材が、前記第1の壁と前記第2の基板とを貫通し、且つ、前記記録媒体および前記第2の壁の両方に当接することを特徴とする構成8または9に記載の撮像装置。
(構成11)
前記伝熱部材の変形可能範囲は、前記光軸方向における前記第1の壁と前記第2の壁との間隔より長いことを特徴とする構成10に記載の撮像装置。
(構成12)
前記第1の壁と前記第2の壁とは第3の壁でつながり、
前記第3の壁で囲まれた領域に前記伝熱部材が収容されることを特徴とする構成11に記載の撮像装置。
(構成13)
前記伝熱部材の先端に当接部材が設けられ、
前記伝熱部材は、前記当接部材を介して前記記録媒体と当接し、
前記当接部材の端部に斜面が設けられることを特徴とする構成12に記載の撮像装置。
(構成14)
前記第2の基板は開口部を有し、
前記開口部に弾性伝熱部材が配置され、
前記弾性伝熱部材の第1の伝熱部と前記記録媒体とが当接し、
前記弾性伝熱部材の第2の伝熱部が前記開口部から前記第1の空冷ダクト内に露出することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成15)
前記第2の伝熱部は前記第1の空冷ダクト内に突出することを特徴とする構成14に記載の撮像装置。
(構成16)
バッテリを収納するバッテリ収納部を有し、
前記光軸方向において、前記第1の空冷ダクトは前記バッテリと前記第2の基板との間に配置され、
前記バッテリ収納部の少なくとも一部分が前記第1の空冷ダクトの少なくとも一部分を兼ねることを特徴とする構成14に記載の撮像装置。
(構成17)
前記バッテリ収納部のうち前記第1の空冷ダクト内に露出する部分の少なくとも一部が熱伝導性部材で構成されることを特徴とする構成16に記載の撮像装置。
(構成18)
前記第2の基板の少なくとも一部分が前記第1の空冷ダクトの少なくとも一部分を兼ねることを特徴とする構成16に記載の撮像装置。
(構成19)
前記第2の基板は開口部を有し、
前記開口部に弾性伝熱部材が配置され、
前記第2の基板における前記記録媒体とは反対側の面には、前記開口部を覆う伝熱封止部材が設けられ、
前記伝熱封止部材が前記第1の空冷ダクト内に露出し、
前記弾性伝熱部材の第1の伝熱部と前記記録媒体とが当接し、
前記弾性伝熱部材の第2の伝熱部と前記伝熱封止部材とが当接することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成20)
前記第2の基板よりも前記光軸方向の前記他方側に配置された第2の空冷ダクトと、
前記第1の空冷ダクトと前記第2の空冷ダクトとを接続する第3の空冷ダクトと、を有し、
前記第2の基板には、前記第3の空冷ダクトが通るための開口部が前記収納部の近傍に形成され、
前記第2の空冷ダクトまたは前記第3の空冷ダクトの少なくとも一方と前記収納部とが、シート状の放熱部材によって熱的に接続されることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成21)
前記開口部は、前記第2の基板における主熱源と前記収納部との間に位置することを特徴とする構成20に記載の撮像装置。
(構成22)
前記光軸方向からみて前記第2の基板のうち前記収納部に対して投影上重なる範囲に形成された貫通穴に放熱部材が配置され、
前記収納部と前記第1の空冷ダクトとが前記放熱部材を介して熱的に接続されることを特徴とする構成20または21に記載の撮像装置。
(構成23)
前記記録媒体は前記貫通穴から前記第1の空冷ダクトの側へ露出しないことを特徴とする構成22に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0137】
12 第1の空冷ダクト
13 制御回路基板
15 冷却ファン
80 記録メディア
101 撮像素子
102 撮像素子基板
202 メディアスロット