(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124811
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】改装建具
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
E06B1/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032731
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 淳司
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011KA06
2E011KB03
2E011KC01
2E011KC07
2E011KH01
(57)【要約】
【課題】室外側に室外側構造物が設けられる改装建具において、室外側構造物を建物躯体に固定せずに設置できる改装建具を提供すること。
【解決手段】改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4と、を備え、新設枠3の室外側X1に配置される室外側構造物7を備え、室外側構造物7は、構造物本体71と、構造物本体71の見付方向の端部に設けられアタッチメント43に取り付けられる取付部72と、を有し、アタッチメント43は、見付方向の外側に突出する外側突出部535を有し、取付部72は、外側突出部535を固定する固定部分70を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具であって、
前記新設枠の室外側に配置される室外側構造物を備え、
前記室外側構造物は、構造物本体と、前記構造物本体の見付方向の端部に設けられ前記アタッチメントに取り付けられる取付部と、を有し、
前記アタッチメントは、見付方向の外側に突出する外側突出部を有し、
前記取付部は、前記外側突出部を固定する固定部分を有する、改装建具。
【請求項2】
前記固定部分は、前記外側突出部を室内外方向に挟み込んで前記外側突出部を固定する、請求項1に記載の改装建具。
【請求項3】
前記外側突出部は、見付方向に延びる見付方向延在部と、見付方向延在部の見付方向の外側の端部から室内側に突出する室内側突出片と、を有し、
前記固定部分は、前記室内側突出片の見付方向の移動を規制する見付方向移動規制部を有する、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項4】
前記アタッチメントは、前記アタッチメントの室外側に配置され前記新設枠の室外側の少なくとも一部を覆うアタッチメントカバー部を有し、
前記外側突出部は、前記アタッチメントカバー部の室外側の端部において見付方向の外側に設けられる、請求項1又は2に記載の改装建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、既設枠と新設枠との間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具が知られている。
【0003】
ところで、改装建具ではないが一般的な建具において、室外側に面格子(室外側構造物)が設けられる建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の建具において、面格子の横方向の両端部を固定するブラケットは、建物躯体に固定されている。
【0004】
改装建具において、室外側に面格子を配置する場合に、特許文献1に記載の建具のように、面格子の横方向の両端部を建物躯体に固定する構造が一般的に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の建具のように、面格子(室外側構造物)の横方向の両端部に設けられるブラケットを建物躯体に固定する場合、建物躯体に直接固定する方法では、建物躯体からの粉塵などを考慮して、施工時の対策が必要となる。
【0007】
本開示は、室外側に室外側構造物が設けられる改装建具において、室外側構造物を建物躯体に固定せずに設置できる改装建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具であって、前記新設枠の室外側に配置される室外側構造物を備え、前記室外側構造物は、構造物本体と、前記構造物本体の見付方向の端部に設けられ前記アタッチメントに取り付けられる取付部と、を有し、前記アタッチメントは、見付方向の外側に突出する外側突出部を有し、前記取付部は、前記外側突出部を固定する固定部分を有する、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態の改装建具を室外側から見た正面図である。
【
図2】
図1のA-A線断面図であって、本実施形態の改装建具の横断面図である。
【
図4】室外側構造物の取付構造を示す拡大横断面図である。
【
図6】第2実施形態の室外側構造物の取付構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の改装建具1は、例えば、マンション等のビルなどの建物躯体100の開口部11に設けられる。
図1は、改装建具1を室外側から見た様子を示している。改装建具1は、すでに設置されている既設枠2に、新設枠3を取り付ける改修を行って形成される。
【0011】
本明細書において、「見付方向」とは、建物躯体100の壁に形成された開口部11に納められた改装建具1における障子12の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具1の見込方向の室外側を室外側X1とし、改装建具1の見込方向の室内側を室内側X2とする。改装建具1の見付方向における横方向を左右方向とする。
【0012】
改装建具1は、
図1及び
図2に示すように、建物躯体100の開口部11に設置された既設枠2の内周側に、アタッチメント4(
図2参照)を介して、新設枠3を取り付けることで構成される。改装建具1の室外側X1には、室外側構造物7が設けられる。改装建具1は、既設枠2と、新設枠3と、アタッチメント4(
図2参照)と、新設枠3の室外側X1に取り付けられる室外側構造物7と、を有する。新設枠3の内側には、障子12,12が開閉可能に納められる。本実施形態に示す室外側構造物7は一例であり、ここでは面格子を例示している。
【0013】
既設枠2は、開口部11に設けられる枠体である。既設枠2は、矩形の枠状に形成される。既設枠2は、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により構成される。既設枠2は、
図1に示すように、既設上枠21と、既設下枠22と、左右一対の既設縦枠23と、を有する。
【0014】
既設上枠21は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。既設下枠22は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0015】
新設枠3は、アタッチメント4(
図2参照)を介して、既設枠2の内周側に配置される。新設枠3は、矩形の枠状に形成される。新設枠3は、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠3は、新設上枠31と、新設下枠32と、左右一対の新設縦枠33と、を有する。
【0016】
新設上枠31は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。新設下枠32は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の新設縦枠33は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0017】
図2に示すように、アタッチメント4は、既設枠2と新設枠3の間に配置され、新設枠3を既設枠2に固定するための部材である。アタッチメント4は、アタッチメント上枠(図示せず)と、アタッチメント下枠(図示せず)と、左右一対のアタッチメント縦枠43と、を有する。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠及び左右一対のアタッチメント縦枠43は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0018】
アタッチメント上枠、アタッチメント下枠、左右一対のアタッチメント縦枠43は、それぞれ、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に沿って配置される。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠、左右一対のアタッチメント縦枠43は、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向において、間隔を空けて複数配置されてもよいし、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に延びる1部材により構成されていてもよい。
【0019】
次に、
図1~
図3により、既設縦枠23、新設縦枠33及びアタッチメント縦枠43の固定構造について説明する。
【0020】
既設縦枠23は、
図1及び
図2に示すように、建物躯体100の開口部11の左右方向の両端部に取り付けられている。既設縦枠23は、
図3に示すように、室内外方向に延びる室内外方向延在板231と、室内外方向延在板231の室外側X1の端部から左右方向の内側に延びる室外側突出板232と、室内外方向延在板231の室内側X2の端部から左右方向の内側に延びる室内側延出板233と、室内外方向延在板231の室外側X1の端部から左右方向の外側に突出する室外側L字片234と、室内外方向延在板231の室内側X2の端部から左右方向の外側に突出する室内側L字片235と、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材236と、を有する。
【0021】
既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部において、室内側X2の端部が、L字状のL字接続部材236を介して、建物躯体100の額縁部材103に固定されていると共に、室外側L字片234及び室内側L字片235において、建物躯体100に固定されている。なお、本実施形態では、既設縦枠23の室内側X2の端部に別体のL字接続部材236を接続したが、これに限定されない。L字接続部材236を設けずに、既設縦枠23と一体で既設縦枠23から突出するリブを設けてもよい。
【0022】
アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23と新設縦枠33とを接続する。アタッチメント縦枠43は、
図2に示すように、開口部11の左右方向の端部において、既設縦枠23及び新設縦枠33の間に配置され、上下方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23の内周側に接続される。アタッチメント縦枠43は、既設縦枠23の左右方向の内側に配置され、既設縦枠23に固定される。
【0023】
アタッチメント縦枠43は、室内外方向に延びる。アタッチメント縦枠43は、
図3に示すように、室内外方向に延びる室内外方向延在板431と、室内外方向延在板431の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部432(室内側延出部)と、室内外方向延在板431の室内外方向の室外側X1の端部寄りに形成され左右方向の外側に突出する突出片433と、アタッチメント縦枠カバー部53(アタッチメントカバー部)と、を有する。
【0024】
室内外方向延在板431は、室内外方向の途中において、ネジ131により、既設縦枠23の室内外方向延在板231及び建物躯体100に固定される。突出片433は、既設縦枠23の室外側突出板232の室内側X2の面に沿って、室内外方向延在板431から左右方向の外側に突出する。
【0025】
室内外方向延在板431の室外側X1の端部には、アタッチメント縦枠カバー部53が固定される。アタッチメント縦枠カバー部53は、室内側X2の端部に形成され室内外方向に延びる室内外方向延在板531と、室内外方向延在板531の室内外方向の途中から左右方向の外側に突出する気密材取付延出部532と、気密材取付延出部532の室外側X1に形成される気密材取付部533と、室外側X1の端部に配置されるL字カバー部534(室外側部分)と、構造物取付突出部535(外側突出部)と、を有する。室内外方向延在板531は、ネジ132により、室内外方向延在板431の室外側X1の部分に固定される。気密材取付延出部532と既設縦枠23の室内側延出板233との間には、気密材532aが配置される。気密材取付部533には、気密材533aが取り付けられる。
【0026】
L字カバー部534は、アタッチメント縦枠カバー部53の室外側X1の端部に配置される。L字カバー部534は、既設縦枠23よりも室外側X1に突出して配置され、室内側X2及び左右方向の内側に向けて開放するL字状に形成される。L字カバー部534は
図4に示すように、見込方向に延びる見込方向延在板534aと、見込方向延在板534aの室外側X1の端部から左右方向の内側に延びる見付方向延在板534bと、を有する。L字カバー部534は、新設縦枠33の室外側X1に配置される。L字カバー部534は、新設縦枠33の室外側X1の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0027】
構造物取付突出部535は、L字カバー部534の見付方向延在板534bの左右方向の外側の端部から、左右方向の外側にL字状に突出する。構造物取付突出部535は、アタッチメント縦枠カバー部53の室外側X1の端部において左右方向の外側の端部から左右方向の外側に突出して形成されている。構造物取付突出部535には、室外側構造物7に設けられる支持部72が取り付けられる。構造物取付突出部535が支持部72に取り付けられる取付構造の詳細については後述する。
【0028】
新設縦枠33は、
図3に示すように、アタッチメント縦枠43の内周側(アタッチメント縦枠43の左右方向の内側)に、スペーサ部材631を介して、取り付けられる。新設縦枠33は、アタッチメント縦枠43の室内外方向延在板431の左右方向の内側の面との間に、板状のスペーサ部材631を挟んだ状態で、スペーサ部材631の左右方向の内側の面に配置される。
【0029】
スペーサ部材631は、1枚以上のシートによって構成される。スペーサ部材631を構成するシートの厚み及びシートの積層数は、アタッチメント縦枠43と新設縦枠33との間の隙間の大きさ等に応じて適宜設定される。また、アタッチメント縦枠43と新設縦枠33との間の隙間の大きさによっては、スペーサ部材631を設けなくてもよい。
【0030】
新設縦枠33は、新設縦枠室外側中空部331と、新設縦枠室内側中空部332と、室内側端部延出板333と、室外側X1の端部において室外側X1に向けて開放する室外側開放取付部334と、を有する。
【0031】
新設縦枠室外側中空部331及び新設縦枠室内側中空部332は、いずれも室内外方向に延びる細長い長方形状の中空状に形成され、室内外方向に並んで配置される。新設縦枠室外側中空部331が室外側X1に配置され、新設縦枠室内側中空部332が室内側X2に配置されている。
【0032】
室内側端部延出板333は、新設縦枠室内側中空部332の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板333は、新設縦枠33の室内側X2の端部側において、斜めに傾けたネジ133により、スペーサ部材631及びアタッチメント縦枠43の室内側端部延出部432に固定される。室外側開放取付部334には、室外側開放取付部334の室外側X1の見付面を閉鎖する閉鎖部材335が取り付けられている。
【0033】
新設縦枠室内側中空部332の室内側X2の左右方向の内側の面には、樹脂製のアングル部材632が取り付けられている。アングル部材632には、室内側化粧カバー633が取り付けられる。室内側化粧カバー633は、室外側X1及び左右方向の外側が開放されたL字状に形成され、アタッチメント縦枠43の室内側X2の端部側及び新設縦枠33の室内側X2の端部側を覆うように配置される。室内側化粧カバー633と額縁部材103との境目は、額縁部材103にネジ固定される断面L字状の見切り材634によって遮蔽されている。
【0034】
次に、改装建具1の室外側X1に設けられる室外側構造物7の取付構造について説明する。
図1及び
図2に示すように、室外側構造物7は、改装建具1の室外側X1に設けられる。本実施形態に示す室外側構造物7として、面格子を一例に説明している。
【0035】
室外側構造物7は、左右方向の両端部において、左右のアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に、支持部72を介して固定される。支持部72は、室外側構造物7を、左右のアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に設けられた構造物取付突出部535に固定して取り付ける。
【0036】
まず、左右のアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に設けられた構造物取付突出部535について説明する。
図4に示すように、構造物取付突出部535は、L字カバー部534の見付方向延在板534bの左右方向の外側の端部から、左右方向の外側にL字状に突出する。構造物取付突出部535は、L字カバー部534の見付方向延在板534bの左右方向の外側の端部から左右方向の外側に延長するように延出して見付方向に延びる見付方向延在部5351と、見付方向延在部5351の左右方向の外側の端部から室内側X2に突出する室内側突出片5352と、を有する。
【0037】
次に、左右のアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に取り付けられる室外側構造物7について説明する。
図1及び
図2に示すように、室外側構造物7は、構造物本体71(面状部)と、2組の一対の支持部72,72(取付部)と、を有する。構造物本体71は、左右方向の両端部が、それぞれ、上下に離れて配置された2つの支持部72(
図1参照)を介して、
図2に示すように、アタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に接続されている。
【0038】
構造物本体71は、
図1に示すように、左右方向に延びる共と上下方向に延びる面状に形成される。構造物本体71の内部には、上下方向に延びる複数の格子部材711が左右方向に並んで配置される。構造物本体71は、障子12が配置された範囲の上下方向及び左右方向の範囲よりも広い範囲に配置されている。
【0039】
2組の一対の支持部72,72は、
図1に示すように、左右方向に離れて配置される一対の支持部72が、上下に離れて2組設けられる。一対の支持部72は、それぞれ、
図2に示すように、構造物本体71の左右方向(見付方向)の両端部に設けられ、左右のアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に取り付けられる。支持部72は、本体側取付金具73と、枠側ブラケット74と、枠側取付コ字状部材75と、を有する。
【0040】
本体側取付金具73は、
図4及び
図5に示すように、構造物本体71の左右方向の外側の端部においてアタッチメント縦枠43側(室内側X2)の見付面に固定される。本体側取付金具73は、構造物本体71の左右方向の外側の端部におけるアタッチメント縦枠43側(室内側X2)の見付面にネジ731aにより固定される本体側見付面取付板731と、本体側見付面取付板731の左右方向の外側の端部から見込方向のアタッチメント縦枠43側(室内側X2)に延びる見込方向延出板732と、見込方向延出板732のアタッチメント縦枠43側(室内側X2)の端部から左右方向の内側に延出する見付方向延出板733と、見付方向延出板733の左右方向の内側の端部から構造物本体71側(室外側X1)に傾斜して延びる取付金具側傾斜板734と、を有する。
【0041】
枠側ブラケット74は、室内外方向に延びて形成され、室外側X1が、本体側取付金具73に固定されるとともに、室内側X2が、アタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に固定される。
【0042】
枠側ブラケット74は、本体側取付金具73の取付金具側傾斜板734の室内側X2の傾斜面に沿って配置されネジ741aにより取付金具側傾斜板734に固定されるブラケット側傾斜板741と、ブラケット側傾斜板741の構造物本体71側の端部から室内側X2に屈曲して突出する傾斜突出片742と、ブラケット側傾斜板741のアタッチメント縦枠43側(室内側X2)の端部から左右方向の外側に延びるとともに本体側取付金具73の見付方向延出板733の室内側X2の面に沿って配置される見付方向延出板743と、見付方向延出板743の左右方向の外側の端部からアタッチメント縦枠43側(室内側X2)に延びる見込方向延在板744と、見込方向延在板744のアタッチメント縦枠43側(室内側X2)の端部から左右方向の内側に突出するフック状部745と、見込方向延在板744の室内外方向の途中の一部が切断されて左右方向の内側に倒されて屈曲して見付方向に延びる2つの屈曲板部746と、を有する。
【0043】
フック状部745は、枠側ブラケット74の室内側X2の端部に形成される。フック状部745は、見込方向延在板744の室内側X2の端部から左右方向の内側に屈曲して所定長さ延びる内側延在板7451と、内側延在板7451の左右方向の内側から室外側X1に屈曲して室外側X1に突出する突出板7452と、を有する。
【0044】
2つの屈曲板部746は、
図5に示すように、見込方向延在板744の平面板状の部分の一部が室内側X2が開放するU字状に切断されて左右方向の内側に屈曲するように倒されることで、見込方向延在板744の室内外方向の途中から、左右方向の内側に突出して形成される。2つの屈曲板部746は、
図4に示すように、フック状部745の室外側X1にフック状部745に対向して配置される。見込方向延在板744における2つの屈曲板部746が屈曲されて開放された部分には、2つの開口部744aが形成されている。
【0045】
枠側取付コ字状部材75は、左右方向の外側に向けて開放するコ字状部751と、コ字状部751の室内側X2の左右方向の外側において室内側X2に突出する屈曲突出部752と、を有する。コ字状部751は、室外側X1において見付方向に延びる室外側見付方向延在板部7511と、室外側見付方向延在板部7511の左右方向の内側の端部から室内外方向に延びる左右方向内側見込方向延在板部7512と、左右方向内側見込方向延在板部7512の室内側X2の端部から左右方向の外側に延びると共に室外側見付方向延在板部7511に平行に配置される室内側見付方向延在板部7513と、を有する。屈曲突出部752は、コ字状部751の室内側見付方向延在板部7513の左右方向の外側の端部から室内側X2に突出する。
【0046】
枠側取付コ字状部材75は、コ字状部751の開放された部分の内部に枠側ブラケット74の2つの屈曲板部746が配置された状態で、枠側ブラケット74に取り付けられる。枠側取付コ字状部材75のコ字状部751の室外側見付方向延在板部7511と枠側ブラケット74の屈曲板部746とには、ネジ76が、室外側X1から室内側X2に向けて貫通して配置される。ネジ76の先端がコ字状部751の室内側見付方向延在板部7513の室外側X1の面に当接して配置された状態で、ネジ76をドライバー(図示せず)で回転させることで、枠側取付コ字状部材75は、室内外方向に移動する。
【0047】
コ字状部751の室内側見付方向延在板部7513の室内側X2の面とフック状部745の突出板7452の室外側X1の先端の端面との間に、構造物取付突出部535の見付方向延在部5351を配置した状態で、ネジ76をドライバー(図示せず)で回転させて枠側取付コ字状部材75を室内外方向に移動させる。これにより、コ字状部751の室内側見付方向延在板部7513の室内側X2の面とフック状部745の突出板7452の室外側X1の先端の端面との間に、構造物取付突出部535の見付方向延在部5351を挟み込んで、支持部72の枠側ブラケット74に、アタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535の見付方向延在部5351を固定する。
【0048】
これにより、枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75は、構造物取付突出部535を室内外方向に挟み込んで、室内外方向の移動を規制した状態で、構造物取付突出部535を固定する。枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75は、アタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535を室内外方向に挟み込んで固定する固定部分70を構成する。
【0049】
また、この状態においては、アタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535の室内側突出片5352は、左右方向(見付方向)において、枠側取付コ字状部材75の屈曲突出部752とフック状部745の突出板7452との間に挟まれた位置に配置される。これにより、アタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535の左右方向(見付方向)の移動が規制される。枠側取付コ字状部材75の屈曲突出部752及びフック状部745の突出板7452は、室内側突出片5352の左右方向(見付方向)の移動を規制する見付方向移動規制部を構成する。
【0050】
次に、室外側構造物7をアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に取り付ける手順について説明する。
【0051】
まず、室外側構造物7側において、構造物本体71の左右方向の端部に、支持部72の本体側取付金具73を固定する。
【0052】
また、アタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53側において、支持部72の枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75の間にアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535を配置した状態で、ネジ76を締め込むことで、枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75に、アタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535を固定する。
【0053】
これにより、支持部72の枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75により、アタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535を挟み込んで室内外方向の移動を規制した状態で固定できる。
【0054】
ネジ76を締め込んで固定する場合において、ネジ76を、アタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535に対して、室外側X1から垂直に締め込んで固定する。枠側ブラケット74の見付方向延出板743には、ネジ76を締め込んで固定する際にドライバー(図示せず)が貫通する見込方向貫通穴743aが形成されている。
【0055】
そして、構造物本体71の左右方向の端部に固定した本体側取付金具73と、枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75によりアタッチメント縦枠カバー部53の構造物取付突出部535を固定した状態の枠側ブラケット74とを、ネジ741aにより固定する。このようにして、室外側構造物7をアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53に取り付けることができる。
【0056】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4と、を備え、新設枠3の室外側X1に配置される室外側構造物7を備え、室外側構造物7は、構造物本体71と、構造物本体71の見付方向の端部に設けられアタッチメント縦枠43に取り付けられる支持部72と、を有し、アタッチメント縦枠43は、左右方向の外側に突出する構造物取付突出部535を有し、支持部72は、構造物取付突出部535を固定する固定部分70(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75)を有する。これにより、構造物取付突出部535を、ネジ76により、支持部72の固定部分70(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75)に容易に固定できる。よって、室外側X1に室外側構造物7が設けられる改装建具1において、室外側構造物7を建物躯体100に固定せずに容易に設置できる。
【0057】
また、本実施形態においては、固定部分70(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75)は、構造物取付突出部535を室内外方向に挟み込んで構造物取付突出部535を固定する。これにより、構造物取付突出部535を固定部分70(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75)により室内外方向に挟み込んで、強固に固定できる。
【0058】
また、本実施形態においては、構造物取付突出部535は、見付方向に延びる見付方向延在部5351と、見付方向延在部5351の左右方向の外側の端部から室内側X2に突出する室内側突出片5352と、を有し、固定部分70は、室内側突出片5352の左右向の移動を規制する見付方向移動規制部(枠側取付コ字状部材75の屈曲突出部752、フック状部745の突出板7452)を有する。これにより、室内側突出片5352の左右向の移動を規制した状態で、構造物取付突出部535を、支持部72の固定部分70(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75)に固定できる。
【0059】
また、本実施形態においては、アタッチメント縦枠43は、アタッチメント縦枠43の室外側X1に配置され新設縦枠33の室外側X1の少なくとも一部を覆うアタッチメント縦枠カバー部53を有し、構造物取付突出部535は、アタッチメント縦枠カバー部53の室外側X1において左右方向の外側に設けられる。これにより、アタッチメント縦枠カバー部53の室外側X1において左右方向の外側に設けられた構造物取付突出部535において、支持部72の固定部分70(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75)に容易に固定できる。
【0060】
次に、
図6により、第2実施形態の室外側構造物7Aの取付構造について説明する。第2実施形態において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
図6に示すように、第2実施形態の左右のアタッチメント縦枠43のアタッチメント縦枠カバー部53Aには、構造物取付突出部535A(外側突出部)が設けられる。構造物取付突出部535Aは、L字カバー部534の見付方向延在板534bの左右方向の外側の端部から左右方向の外側に延長するように延出して見付方向に延びる見付方向延在部5351を有する。第2実施形態の構造物取付突出部535Aは、第1実施形態の構造物取付突出部535と比べて、第1実施形態の構造物取付突出部535が室内側突出片5352を有しているのに対して、第1実施形態の室内側突出片5352を有していない。
【0062】
また、第2実施形態の支持部72Aは、本体側取付金具73と、枠側ブラケット74と、枠側取付コ字状部材75Aと、を有する。第2実施形態の本体側取付金具73及び枠側ブラケット74の構成は、上述の第1実施形態と同様である。第2実施形態の枠側取付コ字状部材75Aは、第1実施形態の枠側取付コ字状部材75と比べて、第1実施形態の枠側取付コ字状部材75が屈曲突出部752(見付方向移動規制部)を有しているのに対して、屈曲突出部752(見付方向移動規制部)を有していない。
【0063】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、構造物取付突出部535Aにおいて、支持部72の固定部分70A(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75A)に容易に固定できる。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、固定部分70A(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75A)は、構造物取付突出部535を室内外方向に挟み込んで、室内外方向の移動を規制した状態で、構造物取付突出部535を固定する。これにより、構造物取付突出部535を固定部分70A(枠側ブラケット74及び枠側取付コ字状部材75A)により室内外方向に挟み込んで、強固に固定できる。
【0064】
以上、本開示の改装建具の一実施形態について説明したが、本開示の改装建具は適宜変更可能である。例えば、本開示の改装建具は、上述した2枚の障子12,12を有するものに制限されず、3枚以上の障子を有するものであってもよいし、1枚だけの障子を有する片引き窓を構成するものであってもよい。さらに、本開示の改装建具は、辷り出し窓やFIX窓、上げ下げ窓、外倒し窓、内倒し窓、あるいは開き窓を構成するものであってもよい。
【0065】
前記実施形態においては、縦枠アタッチメントに外側突出部を設けて、取付部に外側突出部を固定する構成としたが、これに限定されない。上枠アタッチメントや下枠アタッチメントに外側突出部を設けて、取付部に外側突出部を固定する構成としてもよい。
【0066】
前記実施形態においては、室外側構造物7を面格子により構成したが、これに限定されない。室外側構造物は、新設枠の室外側に配置される構造物であればよい。
【符号の説明】
【0067】
1 改装建具、2 既設枠、3 新設枠、4 アタッチメント、7 、室外側構造物、11 開口部、23 既設縦枠(既設枠)、33 新設縦枠(新設枠)、43 アタッチメント縦枠(アタッチメント)、53 アタッチメント縦枠カバー部(アタッチメントカバー部)、70 固定部分、71 構造物本体、72 支持部(取付部)、74 枠側ブラケット(固定部分)、75 枠側取付コ字状部材(固定部分)、100 建物躯体、535 構造物取付突出部(外側突出部)、752 屈曲突出部(見付方向移動規制部)、5352 室内側突出片、7452 突出板(見付方向移動規制部)