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特開2024-124818プログラム、端末装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124818
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240906BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240906BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20240906BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240906BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/79 500
A63F13/87
G06Q30/0207 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032750
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(72)【発明者】
【氏名】福西 藍
(72)【発明者】
【氏名】槙石 隆
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】適切に、ユーザにゲームを継続してプレイさせることができるプログラム、端末装置およびシステムを提供することである。
【解決手段】本開示のプログラムは、コンピュータに、第1ユーザに関連付けられたゲームをプレイする当該第1ユーザと、第1ユーザがプレイするゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって第1ユーザを支援する第2ユーザと、の間において、第1ユーザから第2ユーザに対して発信された第1メッセージと、第2ユーザから第1ユーザに対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定する判定手段333と、特典条件が満たされた場合に、ゲームにおいて第1ユーザに特典を付与するように処理する付与手段334と、として機能させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1ユーザに関連付けられたゲームをプレイする当該第1ユーザと、前記第1ユーザがプレイするゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって前記第1ユーザを支援する第2ユーザと、の間において、
前記第1ユーザから前記第2ユーザに対して発信された第1メッセージと、前記第2ユーザから前記第1ユーザに対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定する判定手段と、
前記特典条件が満たされた場合に、前記ゲームにおいて前記第1ユーザに特典を付与するように処理する付与手段と、として機能させる、
プログラム。
【請求項2】
前記第2ユーザは、前記第1ユーザの疾患または心身の能力を評価する第3ユーザによって設定される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記特典条件は、前記第1メッセージに基づいて特定されるゲームのゲーム状況に関する情報が第1条件を満たすことを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記特典条件は、前記第1メッセージに基づいて、前記ゲーム状況に対する前記第1ユーザによる評価に関する情報が第2条件を満たすことをさらに含む、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特典条件は、前記第1メッセージおよび前記第2メッセージが発信された頻度に関する第3条件を満たすことを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記付与手段によって付与された特典は、前記判定手段によって特典条件を満たすと判定された際の前記ゲームのゲームセッションの次のゲームセッション以降で適用可能である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記付与手段は、前記特典条件が満たされた場合に、前記第2ユーザの選択により前記第1ユーザに前記特典を付与する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記ゲームのゲーム状況に基づいて、前記第2ユーザが選択可能な前記特典が決定される、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記判定手段は、前記ゲームのゲーム状況が第4条件を満たしてから所定期間内に前記第1メッセージが発信された場合に、前記特典条件を満たすかを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のプログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、を備える、
端末装置。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載のプログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、端末装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳の活性化や認知症の予防を目的とするゲームが普及している。例えば、特許文献1では、認知症の予防を実現するために、計画力や視空間認識力などの認知機能の向上を図ることが可能なゲームが提案されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に開示されているゲームは、ユーザ操作に従って選択されたオブジェクトを配置することにより、スタート地点とゴール地点との間に経路を生成して、その経路について所定条件を満たすか否かで正誤を判定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-168133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているゲームのような脳の活性化や認知症の予防を目的とするゲームは普及しているものの、ユーザにゲームを継続してプレイさせるための更なる工夫が求められる。
【0006】
そこで、本開示は、適切に、ユーザにゲームを継続してプレイさせることができるプログラム、端末装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の側面は、コンピュータに、第1ユーザに関連付けられたゲームをプレイする当該第1ユーザと、第1ユーザがプレイするゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって第1ユーザを支援する第2ユーザと、の間において、第1ユーザから第2ユーザに対して発信された第1メッセージと、第2ユーザから第1ユーザに対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定する判定手段と、特典条件が満たされた場合に、ゲームにおいて第1ユーザに特典を付与するように処理する付与手段と、として機能させる、プログラムである。
【0008】
(2)上記(1)において、第2ユーザは、第1ユーザの疾患または心身の能力を評価する第3ユーザによって設定されることができる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)において、特典条件は、第1メッセージに基づいて特定されるゲームのゲーム状況に関する情報が第1条件を満たすことを含むことができる。
【0010】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、特典条件は、第1メッセージに基づいて、ゲーム状況に対する第1ユーザによる評価に関する情報が第2条件を満たすことをさらに含むことができる。
【0011】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、特典条件は、第1メッセージおよび第2メッセージが発信された頻度に関する第3条件を満たすことを含むことができる。
【0012】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、付与手段によって付与された特典は、判定手段によって特典条件を満たすと判定された際のゲームのゲームセッションの次のゲームセッション以降で適用可能とすることができる。
【0013】
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、付与手段は、特典条件が満たされた場合に、第2ユーザの選択により第1ユーザに特典を付与することができる。
【0014】
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、ゲームのゲーム状況に基づいて、第2ユーザが選択可能な特典が決定されることができる。
【0015】
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、判定手段は、ゲームのゲーム状況が第4条件を満たしてから所定期間内に第1メッセージが発信された場合に、特典条件を満たすかを判定することができる。
【0016】
(10)第2の側面は、上記(1)から(9)のいずれかのプログラムを記憶する記憶部と、プログラムを実行する制御部と、を備える、端末装置である。
【0017】
(11)第3の側面は、上記(1)から(9)のいずれかのプログラムを記憶する記憶部と、プログラムを実行する制御部と、を備える、システムである。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、適切に、ユーザにゲームを継続してプレイさせることができるプログラム、端末装置およびシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の一実施形態にかかるシステム1の概略を示すシステム構成図である。
図2】本開示の一実施形態にかかるゲーム用サーバ装置2のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態にかかる管理用サーバ装置3のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施形態にかかるゲーム装置4のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図5】本開示の一実施形態にかかる支援装置6のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図6】本開示の一実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、患者(第1ユーザ)と保護者(第2ユーザ)との情報共有および特典付与に関する画面遷移の一例を示す図である。
図7】本開示の一実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、保護者から特典付与された後の状況における患者と保護者との情報共有に関する画面遷移の一例を示す図である。
図8】本開示の一実施形態におけるシステム1において実行される、主に、患者と保護者との情報共有および特典付与に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本開示を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本開示を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0021】
[一実施形態]
図1は、本開示の一実施形態にかかるシステム1の概略を示すシステム構成図である。図1に示されるように、システム1では、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3および複数のゲーム装置4が通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。また、システム1では、複数の支援装置6は、通信ネットワーク5を介して管理用サーバ装置3と通信可能に接続されている。
【0022】
<ゲームの説明>
図1に示されるシステム1では、ゲーム用サーバ装置2および複数のゲーム装置4が通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されており、ゲーム装置4においてゲームが実行される。
【0023】
本実施形態にかかるゲームは、システム1にて実行されるオンラインのゲームであり、例えば、もの探しゲーム、パズルゲームおよび脳トレゲームなどを含む。ゲーム装置4のユーザは、そのゲームを1人でプレイしたり、その他のゲーム装置4のユーザとともに複数人で対戦または協力してプレイしたりする。
【0024】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置4、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置4がスマートフォンである場合を例示する。
【0025】
<システム1の概要>
システム1は、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3、複数のゲーム装置4および複数の支援装置6にて構成される。
【0026】
ゲーム用サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置4の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータ(ゲーム進行に必要なデータおよびゲームのプレイデータなど)およびゲームの実行状況の管理を行う。
【0027】
管理用サーバ装置3は、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)の心身の状態または能力に関する評価情報を記憶しており、例えば、ユーザに対する診断結果や治療に関する情報を管理している。管理用サーバ装置3は、ユーザがプレイするゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって当該ユーザを支援するユーザ(第2ユーザ)に関する情報を管理している。なお、第2ユーザは、第1ユーザに対応して設定されており、例えば、保護者のような存在である。第2ユーザは、後述する医師等による指定に基づいて第1ユーザに対応して設定されることが好ましいが、第1ユーザの指定に基づいて設定されてもよいし、第2ユーザ自身によって指定された後、第1ユーザや後述する医師等の承認に基づいて設定されてもよい。
【0028】
また、管理用サーバ装置3は、第1ユーザと第2ユーザとの間において、コミュケーション可能な仮想空間(例えば、チャットルームなど)を提供して、その仮想空間の設定や更新を管理する。管理用サーバ装置3は、ユーザ同士が互いにコミュケーション可能なグループ(例えば、同じような評価情報を有するユーザや同じゲームをプレイしているユーザで構成されるグループ)でのチャットルームを提供して管理してもよい。
【0029】
ゲーム装置4は、ユーザ(第1ユーザ)の操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置4は、通信ネットワーク5を介して、ゲーム用サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置4に対応づけて、識別情報(ユーザID)およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置4からゲーム用サーバ装置2に送信され、ゲーム用サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0030】
ユーザ認証を経て、ゲーム用サーバ装置2とゲーム装置4との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置4は、ゲーム進行に必要なデータをゲーム用サーバ装置2から受信し、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させる。
【0031】
支援装置6は、ユーザ(第2ユーザ)の操作に基づいて、管理用サーバ装置3によって管理されている識別情報(ユーザID)およびパスワードを含むアカウント情報を用いて、通信ネットワーク5を介して、管理用サーバ装置3が提供するチャットルームを利用する。また、第2ユーザは、支援装置6にて、ゲーム装置4を用いて第1ユーザがプレイするゲームのゲーム状況を参照する。具体的には、第2ユーザは、支援装置6から通信ネットワーク5を介して管理用サーバ装置3に接続し、管理用サーバ装置3に記憶されている第1ユーザがプレイしたゲームのゲーム状況(ログ)を参照する。
【0032】
<システム1の構成>
以下、図2図5を参照して、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3、ゲーム装置4および支援装置6の各ハードウェア構成および機能について説明する。
【0033】
<ゲーム用サーバ装置2の構成>
図2は、本開示の一実施形態にかかるゲーム用サーバ装置2のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図2に示されるように、ゲーム用サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0034】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介して管理用サーバ装置3および各ゲーム装置4と通信可能に接続されている。
【0035】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、例えば、本実施形態にかかるゲームプログラムを含む各種プログラム、ゲームデータおよびゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザに関する各種データなどが記憶されている。
【0036】
記憶部22は、ユーザDB(Data Base)221を含み、ユーザDB221には、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ毎に、ユーザのアカウント情報およびユーザがプレイするゲームデータおよびゲームの実行状況などを含むゲームに関するゲーム関連情報が対応付けられて記憶されている。例えば、ユーザIDおよびパスワードなどを含むユーザに関する情報、ゲームの開始、終了およびプレイ時間などを含むプレイ履歴情報、ゲームのクリア情報(レベル、進捗状況、成功/失敗)、およびその他ゲームに関する情報などが含まれている。
【0037】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム用サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段(ゲーム実行手段)231および照合手段232として機能する。
【0038】
-情報処理手段-
情報処理手段231は、各ゲーム装置4との間で各種データを送受信して、各ゲーム装置4と相互通信を行うことでゲーム装置4においてゲームを実行させる。情報処理手段231が各ゲーム装置4から受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザのアカウント情報およびゲームのプレイデータなどである。情報処理手段231が各ゲーム装置4に送信する主なデータとしては、ゲームプログラムを各ゲーム装置4が受信したことを確認するための情報、ゲームプログラムおよびゲーム進行に必要なデータなどである。
【0039】
また、情報処理手段231は、管理用サーバ装置3との間で各種データを送受信する。情報処理手段231は、主に、ゲーム用サーバ装置2のユーザDB221に記憶されるゲームの実行状況に関する情報を管理用サーバ装置3に送信する。例えば、各ユーザがゲーム装置4を用いて実行したゲームの開始、終了およびプレイ時間などを含むプレイ履歴情報、ゲームのクリア情報(レベル、進捗状況、成功/失敗)、およびその他ゲームに関する情報などが含まれる。なお、ゲーム用サーバ装置2と管理用サーバ装置3との各種データのやり取りは、直接的に通信しても、ゲーム装置4を介して間接的に通信してもよい。
【0040】
-照合手段-
照合手段232は、各ゲーム装置4から受信したユーザのアカウント情報を用いて、ユーザ認証を行う。
【0041】
<管理用サーバ装置3の構成>
図3は、本開示の一実施形態にかかる管理用サーバ装置3のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図3に示されるように、管理用サーバ装置3は、ネットワークインタフェース31、記憶部32および制御部33を有する。ネットワークインタフェース31および記憶部32は、バス39を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0042】
ネットワークインタフェース31は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介してゲーム用サーバ装置2、各ゲーム装置4および各支援装置6と通信可能に接続されている。
【0043】
記憶部32は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部32には、例えば、各ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)に関する各種データなどが記憶されている。また、記憶部32には、第1ユーザに対応する第2ユーザに関する各種データなども記憶されている。
【0044】
記憶部32は、ユーザDB321を含み、ユーザDB321には、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)毎に、ユーザのアカウント情報およびユーザの評価情報などが対応付けられて記憶されている。アカウント情報には、ユーザIDやパスワードなどが含まれるが、ゲーム装置4から管理用サーバ装置3に対するユーザ認証について、上記ゲーム装置4からゲーム用サーバ装置2に対するユーザ認証と同一のアカウント情報を利用してもよいし、異なるアカウント情報を利用してもよい。同一のアカウント情報を利用すれば、管理が簡素で容易であり、異なるアカウント情報を利用すれば、情報漏洩などのリスク軽減に繋がる。また、ユーザDB321には、第1ユーザに対応する第2ユーザのアカウント情報も記憶されており、支援装置6から管理用サーバ装置3に対するユーザ認証に利用される。
【0045】
ここで、管理用サーバ装置3の記憶部32に記憶されて管理される評価情報とは、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)の心身の状態または能力に関する評価情報である。例えば、評価情報は、ユーザの認知症状、精神疾患、認知機能レベル、ストレスレベル、身体障害レベル、職業能力レベルおよび知的能力レベルなどである。そして、これらの評価情報は、ユーザ(第1ユーザ)を患者として、医師、資格を有する専門家、医療機関および専門機関などによって診断(評価)および認定された信頼性の高い情報である。
【0046】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、管理用サーバ装置3の動作を制御する。制御部33は、各種プログラムを実行することにより、ゲーム特定手段331、情報共有手段332、判定手段333,付与手段334、照合手段335および通信手段336として機能する。
【0047】
-ゲーム特定手段-
ゲーム特定手段331は、ユーザDB321に記憶されている評価情報に基づいて、各ユーザがゲーム装置4を用いてプレイするゲームを特定する。具体的には、管理用サーバ装置3は、各ゲーム装置4からユーザのアカウント情報を受信し、ゲーム特定手段331は、ユーザDB321を参照して、そのユーザの評価情報に基づいて、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに応じて、適切なゲームを特定する。例えば、そのユーザの認知症状を改善させたり、進行(悪化)を遅らせたりするゲームが特定される。
【0048】
-情報共有手段-
情報共有手段332は、ゲーム特定手段331によって特定されたゲーム毎に、第1ユーザと第2ユーザとの間においてチャットルームなどの仮想空間を設定および管理する。このチャットルームは、ゲーム装置4を用いてそのゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)と、そのゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって第1ユーザを支援するユーザ(第2ユーザ)とが閲覧および書き込みなどが可能である。第2ユーザは、例えば、第1ユーザを監視したり、サポートしたりする保護者などであって、医師や医療機関(第3ユーザ)によって設定される。このように、情報共有手段332が設定および管理するチャットルームを用いて、ゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)とその保護者(第2ユーザ)間において、コミュニケーションを図れるようにしている。
【0049】
具体的には、情報共有手段332は、チャットルームに、第1ユーザがゲーム装置4を用いてプレイするゲーム関連情報を掲載したり、第1ユーザ(ゲーム装置4)および第2ユーザ(支援装置6)によって書き込まれたコメントやスタンプ等の書き込み情報を掲載したりする。ここで、ゲーム関連情報とは、ゲームのゲーム状況を含み、例えば、ゲームの開始、終了およびプレイ時間などを含むプレイ履歴情報、ゲームのクリア情報(レベル、進捗状況、成功/失敗)、およびその他ゲームに関する情報などである。
【0050】
第1ユーザによる書き込み情報には、例えば、テキスト情報、図形、スタンプなどを含む画像情報(静止画および動画)などが含まれる。これらの情報には、例えば、そのゲームの状況(成功/失敗やスコアなど)、そのゲームをプレイした感想(「面白かった」「難しかった」「もう嫌だ」など)、およびプレイしたゲームのリプレイ動画やハイライト動画などが含まれる。
【0051】
第2ユーザによる書き込み情報には、例えば、テキスト情報、図形、スタンプなどを含む画像情報(静止画および動画)などが含まれる。これらの情報には、例えば、そのゲームの状況に対する感想や応援メッセージ(「すごい!」「おめでとう!」「難しそうだね」「もうちょっとだけ頑張ってみよう」「どうだった?」など)、その他、第1ユーザに対して、ゲームを継続してプレイさせるためにモチベーションを維持させるようなメッセージであるとよい。
【0052】
-判定手段-
判定手段333は、チャットルームにおいて、第1ユーザから第2ユーザに対して発信された第1メッセージと、第2ユーザから第1ユーザに対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定する。
【0053】
例えば、第1ユーザは患者であって、ゲーム装置4を用いてプレイしたゲームのゲーム関連情報やその感想をチャットルームに書き込み(第1メッセージ)、第2ユーザは、当該患者の保護者であって、第1ユーザによって書き込まれた第1メッセージに対して、第1ユーザを支援するような意見や感想をチャットルームに書き込む(第2メッセージ)。このように双方で構成されるコミュニケーションに基づいて、判定手段333は、特典条件を満たすかを判定する。
【0054】
具体的には、コミュニケーションは、第1メッセージおよび第2メッセージのうち一方のメッセージのみで構成されるものではなく、第1メッセージと第2メッセージとの双方で構成される。また、特典条件とは、第2ユーザから第1ユーザに特典を付与するための条件であって、典型的には、コミュニケーションの度合いに応じて第2ユーザから第1ユーザに特典を付与することが可能となる。
【0055】
具体的には、判定手段333は、第1メッセージと第2メッセージとでコミュニケーションが構成されれば、特典条件を満たすと判定してもよいが、さらに、第1メッセージおよび第2メッセージの発信頻度、各メッセージの文字数、およびメッセージにゲームに対する感想が含まれているかなどの内容に応じたコミュニケーションの質および/または量に基づいて、特典条件を満たすかを判定してもよい。
【0056】
ここで、特典条件には、コミュニケーションにおいて、第1メッセージおよび第2メッセージのうち一方の発信に偏りがないか、特に、第1ユーザからの第1メッセージの発信頻度が少なくないか、第1メッセージの文字数が少なくないか、第1メッセージの内容にゲームに対する感想などの第1ユーザ自身のコメントが含まれているか、などを含めるとよい。
【0057】
さらに、判定手段333は、例えば、AIを用いて、コミュニケーションの質および/または量を分析することによって、特典条件を満たすかを判定してもよい。
【0058】
-付与手段-
付与手段334は、判定手段333によって特典条件を満たすと判定された場合に、ゲームにおいて第1ユーザに特典を付与するように処理する。ここで、ゲームにおいて第1ユーザに付与される特典とは、例えば、ゲームの難易度を変更したり、ゲーム(クエスト)をクリアするために有効なアイテムやアドバイスを提供したり、ゲームでのスコアや報酬を加算したり、特別な画面を表示したりすることを含む。
【0059】
具体的には、判定手段333によって特典条件を満たすと判定された場合に、第1ユーザに付与する特典を、支援装置6を用いて第2ユーザが選択することによって決定される。第2ユーザは、第1ユーザがプレイするゲームを実際にはプレイしておらず、当該ゲームに適切な特定を把握できていない場合も考えられ、その際には、付与手段334は、例えば、当該ゲームにおいて、または当該ゲームの現在の状況において適切な特典をオススメ特典として第1ユーザに付与するようにするとよい。
【0060】
-照合手段-
照合手段335は、各ゲーム装置4から受信したユーザのアカウント情報を用いて、ユーザ認証を行う。また、照合手段335は、各支援装置6から受信したユーザのアカウント情報を用いて、ユーザ認証を行う。
【0061】
-通信手段-
通信手段336は、ゲーム用サーバ装置2との間で各種データを送受信する。通信手段336は、主に、ゲーム用サーバ装置2のユーザDB221に記憶されるゲームの実行状況に関する情報(ログ情報)を、当該ゲーム用サーバ装置2から直接的に、またはゲーム装置4を介して間接的に受信する。
【0062】
また、通信手段336は、各ゲーム装置4および各支援装置6との間で各種データを送受信する。通信手段336が各ゲーム装置4および各支援装置6から受信する主なデータとしては、ユーザのアカウント情報、チャットルームへの閲覧要求および書き込みデータなどである。通信手段336が各ゲーム装置4および各支援装置6に送信する主なデータとしては、ゲーム用サーバ装置2から受信したゲームの実行状況に関する情報、特典条件が満たされたことを示す情報、第1ユーザに付与可能な特典および各ユーザが書き込んだコメントをチャットルームに更新したデータなどである。
【0063】
<ゲーム装置4の構成>
図4は、本開示の一実施形態にかかるゲーム装置4のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図4に示されるように、ゲーム装置4は、ディスプレイ47、スピーカ48およびタッチパッド49が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置4は、ネットワークインタフェース41、グラフィック処理部42、オーディオ処理部43、操作部44、記憶部45および制御部46を有する。ネットワークインタフェース41、グラフィック処理部42、オーディオ処理部43、操作部44および記憶部45は、バス50を介して制御部46と電気的に接続されている。
【0064】
ネットワークインタフェース41は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介してゲーム用サーバ装置2および管理用サーバ装置3と通信可能に接続されている。
【0065】
グラフィック処理部42は、制御部46から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。また、グラフィック処理部42は、制御部46から出力される情報共有およびコミュニケーションを図るための画像情報に従って、例えばチャットルームを形成する画像を描画する。
【0066】
グラフィック処理部42は、例えば液晶型であるディスプレイ47と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ47上に表示され、静止画形式に描画されたチャットルーム形式の画像は、情報共有画面としてディスプレイ47上に表示される。
【0067】
オーディオ処理部43は、スピーカ48と接続されており、制御部46の指示に従ってゲーム音声を再生および合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ48から出力させる。また、オーディオ処理部43は、制御部46の指示に従って、例えば、チャットルームやメッセージに新着(更新)情報があれば、それを通知する音声をスピーカ48から出力させてもよい。
【0068】
操作部44は、タッチパッド49に接続されており、操作および入力に関するデータをタッチパッド49との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド49をタッチ操作することでゲーム装置4に操作信号を入力することができる。ユーザは、タッチパッド49を操作することにより、例えば、ゲームをプレイしたり、チャットルームにおける閲覧および書き込みをしたりする。
【0069】
記憶部45は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部45には、ゲーム用サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲーム進行に必要なデータ、ゲーム装置4のアカウント情報、その他各種プログラムおよびデータなどが格納されている。
【0070】
制御部46は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム装置4の動作を制御する。
【0071】
制御部46は、各種プログラムを実行することにより、通信手段461、ゲーム実行手段462、情報共有手段463および報知制御手段464として機能する。
【0072】
例えば、ゲーム装置4は、ゲーム用アプリケーションおよび管理用アプリケーションを有してもよい。ゲーム用アプリケーションは、ゲーム用サーバ装置2と通信して、ユーザがゲームをプレイするために、主に、通信手段461、ゲーム実行手段462および報知制御手段464を機能させるものである。管理用アプリケーションは、管理用サーバ装置3と通信して、ユーザのプレイするゲームを特定し、他のユーザ(例えば、第2ユーザ(保護者))とコミュニケーションを図るために、主に、通信手段461、情報共有手段463および報知制御手段464を機能させるものである。
【0073】
―通信手段―
通信手段461は、ネットワークインタフェース41を介してゲーム用サーバ装置2および管理用サーバ装置3との通信を行う機能である。
【0074】
通信手段461は、操作部44がタッチパッド49から受信した各種操作信号に応じて、ゲーム用サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段461は、新たなゲームプログラム(データ)のダウンロード要求情報、ユーザのアカウント情報およびゲームのプレイデータなどをゲーム用サーバ装置2に送信する。また、通信手段461は、ダウンロード要求情報に応じてゲーム用サーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータなどを受信する。
【0075】
通信手段461は、操作部44がタッチパッド49から受信した各種操作信号に応じて、管理用サーバ装置3が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段461は、ユーザのアカウント情報、およびそのユーザがプレイするゲームに対応するチャットルームへの閲覧要求および書き込みデータなどを、管理用サーバ装置3に送信する。通信手段461は、管理用サーバ装置3のゲーム特定手段331によって特定されたそのユーザがプレイするゲームに関する情報を受信したり、上記チャットルームへの閲覧や書き込み要求に応じて管理用サーバ装置3から送信される新たな情報を含むチャットルームのデータなどを受信したりする。
【0076】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段462は、ユーザによるタッチパッド49の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部45から読み出すか、またはゲーム用サーバ装置2から受信したゲームデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部42によって処理されることにより、ディスプレイ47には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0077】
そして、ゲーム実行手段462は、ゲーム画像上に、ユーザの操作に従ってキャラクタやパズルを移動(配置)させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動やパズルの移動(配置)などを制御する。例えば、ゲーム実行手段462は、ユーザのタッチパッド49の操作に従って、ゲームをプレイしてクエストを実行させる。
【0078】
さらに、ゲーム実行手段462は、ユーザにとって適切な条件でゲームが実行できるようにしている。例えば、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応するゲームの実行条件などを、管理用アプリケーションを介して、ゲーム用アプリケーションに連携する。
【0079】
ゲーム実行手段462は、例えば、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応するゲームの実行条件に基づいて特殊ゲームとして実行する。また、ユーザは、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応するゲーム(ゲーム特定手段331によって特定されたゲームなど)のみをダウンロードおよびインストール可能とし、ゲーム実行手段462は、当該ダウンロードおよびインストールされた特殊ゲームを実行するようにしてもよい。ここで、特殊ゲームとは、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応した難易度、またはその認知機能レベルを改善するような条件に基づいて実行できるように所定のゲームを調整したゲームである。
【0080】
―情報共有手段―
情報共有手段463は、ユーザによるタッチパッド49の操作に従って、管理用サーバ装置3から受信したチャットルームのデータを用いて、チャットルームの画像情報を生成する。チャットルームの画像情報がグラフィック処理部42によって処理されることにより、ディスプレイ47には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0081】
―報知制御手段-
報知制御手段464は、ゲームの実行およびチャットルームでの情報共有にあたり、ディスプレイ47の表示制御およびスピーカ48の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段464は、ゲーム実行手段462によってゲームが実行されている間は、そのゲーム画像をグラフィック処理部42を介してディスプレイ47に表示し、そのゲーム音声をオーディオ処理部43を介してスピーカ48に出力する。また、報知制御手段464は、情報共有手段463によってチャットルームで情報共有されている間は、そのチャットルームの画像情報をグラフィック処理部42を介してディスプレイ47に表示し、そのチャットルームでの音声(新着音など)をオーディオ処理部43を介してスピーカ48に出力する。
【0082】
<支援装置6の構成>
図5は、本開示の一実施形態にかかる支援装置6のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図5に示されるように、支援装置6は、ディスプレイ67、スピーカ68およびタッチパッド69が外部接続または内蔵される。また、支援装置6は、ネットワークインタフェース61、グラフィック処理部62、オーディオ処理部63、操作部64、記憶部65および制御部66を有する。ネットワークインタフェース61、グラフィック処理部62、オーディオ処理部63、操作部64および記憶部65は、バス70を介して制御部66と電気的に接続されている。
【0083】
ネットワークインタフェース61は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介して管理用サーバ装置3と通信可能に接続されている。
【0084】
グラフィック処理部62は、制御部66から出力される情報共有およびコミュニケーションを図るための画像情報に従って、例えばチャットルームを形成する画像を描画する。
【0085】
グラフィック処理部62は、例えば液晶型であるディスプレイ67と接続されており、静止画形式に描画されたチャットルーム形式の画像は、情報共有画面としてディスプレイ67上に表示される。
【0086】
オーディオ処理部63は、スピーカ68と接続されており、制御部66の指示に従って、例えば、チャットルームやメッセージに新着(更新)情報があれば、それを通知する音声をスピーカ68から出力させてもよい。
【0087】
操作部64は、タッチパッド69に接続されており、操作および入力に関するデータをタッチパッド69との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド69を操作することにより、例えば、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ(第1ユーザ)に対して特典を付与するように処理したり、チャットルームにおける閲覧および書き込みをしたりする。
【0088】
記憶部65は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部65には、支援装置6のアカウント情報、その他各種プログラムおよびデータなどが格納されている。
【0089】
制御部66は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、支援装置6の動作を制御する。
【0090】
制御部66は、各種プログラムを実行することにより、通信手段661、情報共有手段662、選択手段663および報知制御手段664として機能する。
【0091】
例えば、支援装置6は、ゲーム装置4が有する管理用アプリケーションを有してもよい。管理用アプリケーションは、管理用サーバ装置3と通信して、当該支援装置6を操作するユーザ(第2ユーザ)が対応付けられている第1ユーザおよび当該第1ユーザがプレイするゲームを特定し、当該第1ユーザ(例えば、患者)とコミュニケーションを図るために、主に、通信手段661、情報共有手段662、選択手段663および報知制御手段664を機能させるものである。
【0092】
―通信手段―
通信手段661は、ネットワークインタフェース61を介して管理用サーバ装置3との通信を行う機能である。
【0093】
通信手段661は、操作部64がタッチパッド69から受信した各種操作信号に応じて、管理用サーバ装置3が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段661は、ユーザのアカウント情報、およびそのユーザがプレイするゲームに対応するチャットルームへの閲覧要求および書き込みデータなどを、管理用サーバ装置3に送信する。通信手段661は、管理用サーバ装置3のゲーム特定手段331によって特定された第1ユーザがプレイするゲームに関する情報を受信したり、上記チャットルームへの閲覧や書き込み要求に応じて管理用サーバ装置3から送信される新たな情報を含むチャットルームのデータなどを受信したりする。
【0094】
―情報共有手段―
情報共有手段662は、ユーザによるタッチパッド69の操作に従って、管理用サーバ装置3から受信したチャットルームのデータを用いて、チャットルームの画像情報を生成する。チャットルームの画像情報がグラフィック処理部62によって処理されることにより、ディスプレイ67には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0095】
―選択手段-
選択手段663は、情報共有手段662によってディスプレイ67に表示された第1ユーザに付与可能な特典を、ユーザ(第2ユーザ)によるタッチパッド69の操作に従って選択する。選択手段663によって選択された特典に関する情報は、通信手段661によって管理用サーバ装置3にされる。
【0096】
―報知制御手段-
報知制御手段664は、チャットルームでの情報共有にあたり、ディスプレイ67の表示制御およびスピーカ68の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段464は、情報共有手段662によってチャットルームで情報共有されている間は、そのチャットルームの画像情報をグラフィック処理部62を介してディスプレイ67に表示し、そのチャットルームでの音声(新着音など)をオーディオ処理部63を介してスピーカ68に出力する。
【0097】
<患者と保護者との情報共有および特典付与に関する処理について>
図6は、本開示の一実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、患者(第1ユーザ)と保護者(第2ユーザ)との情報共有および特典付与に関する画面遷移の一例を示す図である。ここでは、認知症の患者がゲーム装置4を用いてパズルゲームをプレイし、保護者が支援装置6を用いて患者とのコミュニケーションを図りつつ、特典を付与して支援する場合を例に挙げて詳しく説明する。
【0098】
先ず、ゲーム装置4では、患者によって管理用アプリケーションが起動されることによりメニュー画面scr10が表示される。この際、ゲーム装置4から当該患者のアカウント情報が管理用サーバ装置3に送信され、ユーザDB321に記憶されている当該患者の評価情報に基づいて、当該患者に適切なゲームが特定される。また、予め(前回以前に)、当該患者に適切なゲームが特定され、ゲーム装置4において、当該ゲームが設定されていてもよい。
【0099】
画面src10において、患者によってbtn11「コミュニティ」が選択されると、画面scr20に遷移し、チャットメニューが表示され、ここでは、「保護者とのチャット」および「グループチャット」が表示されている。「保護者とのチャット」とは、当該患者と当該患者に対応する保護者との間において、チャットルームにてメッセージのやり取りを行うものである。
【0100】
「グループチャット」とは、例えば、当該患者と同じような評価情報を有して、同じゲームをプレイする他の患者(第1ユーザ)で構成されるグループにおいて、チャットルームにてメッセージのやり取りを行うものである。
【0101】
なお、当該患者に対応する保護者やグループは、管理用サーバ装置3のユーザDB321に基づいて設定され、または予め(前回以前に)、ゲーム装置4において設定されていてもよい。
【0102】
画面scr20において、例えば、患者によってbtn21「保護者とのチャット」が選択されると、画面scr60に遷移し、患者と保護者との間においてチャットルームにてメッセージのやり取りを行うことができる。
【0103】
一方、画面src10において、患者によってbtn12「ゲームプレイ」が選択されると、管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションが起動されて、画面scr30に遷移し、患者は、当該患者にとって適切なゲームとして設定されているゲームをプレイすることができる。なお、ここで起動するゲーム用アプリケーションは、認知機能レベルなどに対応している特殊ゲーム(医療モード)であり、ここでは、患者は、「パズルゲーム」をプレイすることを示している。
【0104】
そして、例えば、患者は、「パズルゲーム」のクエストに失敗したものとし、画面scr40において、クエストに失敗したことが示されている。
【0105】
画面scr40において、患者は、btn41「リトライ」を選択することにより、画面scr30に遷移し、再度「パズルゲーム」をプレイすることも可能であるが、btn42「コミュニティに共有」を選択することにより、画面scr50に遷移し、プレイしたゲームの状況などを他のユーザに情報共有することができる。
【0106】
画面scr50において、患者は、プレイしたゲームの状況について、その情報の共有先(「保護者」または「グループ」)を選択し、どのような情報を共有するか(「ゲーム名」、「クエスト名」、「スコア・報酬」および「リプレイ動画」)を選択し、さらには、感想などを自由に記入することができる。
【0107】
例えば、患者は、btn51「保護者」を選択することにより、画面scr60に遷移し、保護者とのチャットルームにおいて、プレイしたゲームの状況について、その情報を保護者と共有する。その際、ここでは、例えば、共有情報として、chk52「クエスト名」、chk53「スコア・報酬」を選択し、chk54「リプレイ動画」を選択し、ひとこととして、ゲームをプレイした感想などを記入しているものとし、それらが画面scr60におけるチャットルームに反映される。
【0108】
画面scr60において、患者と保護者とのチャットルームが表示されている。患者がプレイしたゲームのゲーム状況について、画面scr50において患者が入力した内容が患者から保護者に対して発信されたメッセージ(第1メッセージ)として表示されている。具体的には、msg61では、患者がクエスト3-1に失敗したこと、スコアなどのログデータのリンク先、およびリプレイ動画のリンク先など、ゲームの状況に関するゲーム関連情報が表示されている。また、msg62では、ゲームをプレイした患者が、例えば、画面scr50のひとこと欄に自由に入力した感想などが表示されている。
【0109】
ここで、画面scr50において患者が選択することにより共有されるゲームの状況と、患者自身の言葉で自由に記入した感想とは、別のメッセージ(msg61とmsg62)として表示されている。後者は、患者がより積極的にコミュニケーションを構築しようとしていると評価することもできる。また、これらのメッセージに含まれる内容は、全て個別のメッセージとして表示してもよいし、1つのメッセージとして表示してもよい。
【0110】
その次に、保護者から患者に対して発信されたメッセージ(第2メッセージ)が表示されている。具体的には、msg63では、患者によって発信されたメッセージを見て、保護者が患者に対してゲームを継続してプレイさせるためにモチベーションを維持させるようなメッセージを入力するとよい。
【0111】
さらに、保護者によって発信されたメッセージを見て、msg64では、患者が保護者に対して返答するようなメッセージを発信している。
【0112】
なお、ゲームの状況や感想は、画面scr50で選択および入力された情報が画面scr60のチャットルームに反映されているが、画面scr50での入力でなく、画面scr60に遷移して、患者が、直接、チャットルームに入力することもできる。
【0113】
このように、患者と保護者との間において、第1メッセージおよび第2メッセージのうち一方のメッセージのみでなく、第1メッセージと第2メッセージとの双方で構成されるコミュニケーションが生成されている。
【0114】
そして、当該コミュニケーションに基づいて特典条件が満たされて、msg65では、保護者が患者に対して特典を付与することが可能であることが表示されている。例えば、管理用サーバ装置3における判定手段333は、患者から保護者に対して発信された第1メッセージと、保護者から患者に対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションが生成され、さらに、それらが所定回数以上または所定文字数以上であれば特典条件が満たされると判定する。これにより、判定手段333は、保護者が患者に対して特典を付与することが可能であることを表示すればよい。
【0115】
画面src60において、保護者によってmsg65中のbtn61「特典付与する」が選択されると、画面scr70に遷移し、特典付与処理が表示され、ここでは、患者がプレイしたゲームの状況、および特典付与が可能であることが表示され、さらに、「付与可能特典一覧」と「オススメ特典」とが表示されている。
【0116】
「付与可能特典一覧」とは、保護者が患者に付与可能な特典の一覧であって、保護者によってbtn71「付与可能特典一覧」が選択されることにより表示される。例えば、ゲームの難易度変更、ゲーム(クエスト)をクリアするために有効なアイテムやアドバイス、ゲームでのスコアや報酬、および特別な画面の表示などを含む付与可能な特典の一覧が表示される。支援装置6における選択手段663は、保護者に操作されることにより当該付与可能特典一覧から患者に付与する特典を選択するとよい。
【0117】
「オススメ特典」とは、保護者が患者に付与可能な特典のうち、当該ゲームにおいて、または当該ゲームの現在の状況において適切な特典であって、自動的に設定される特典である。ここでは、当該患者がゲームAのクエスト3-1について3回連続失敗していることに基づいて、ゲームの難易度を低下させることをオススメ特典とする。保護者は、患者を支援するために設定されたユーザであって、必ずしもゲームに詳しいとは限らず、その場合、支援装置6における選択手段663は、保護者の操作に基づいてオススメ特典を選択することにより、容易に適切な特典を効果的に付与することができる。
【0118】
画面scr70において、保護者は、btn72「オススメ特典」を選択することにより、患者にオススメ特典を付与するとともに、その内容が画面scr60のチャットルームにおいてmsg66として反映されている。
【0119】
そして、ゲーム装置4で患者によってプレイされるゲームに対して、管理用サーバ装置3における付与手段334によって、特典が付与される。なお、付与された特典は、過去や現在プレイ中のゲームセッションに適用するものでなく、次のゲームセッション以降で適用可能とすればよい。
【0120】
図7は、本開示の一実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、保護者から特典付与された後の状況における患者と保護者との情報共有に関する画面遷移の一例を示す図である。図7に示されるように、画面src10において、患者によってbtn12「ゲームプレイ」が選択されると、患者は、画面src30において、難易度が低下された「パズルゲーム」をプレイする。これは、図6で説明したように、保護者が患者に特典を付与することにより、ここでは、「パズルゲーム」の難易度低下という特典が付与された結果が反映されている。
【0121】
そして、例えば、患者は、「パズルゲーム」のクエストに成功したものとし、画面scr40において、クエストに成功したことが示されている。
【0122】
画面scr40において、患者は、btn43「次ステージへ」を選択することにより、画面scr30に遷移し、再度「パズルゲーム」をプレイすることも可能であるが、btn42「コミュニティに共有」を選択することにより、画面scr50に遷移し、プレイしたゲームの状況などを他のユーザに情報共有することができる。
【0123】
画面scr50において、患者は、クエストをクリアしたゲームの状況について、例えば、btn51「保護者」を選択することにより、そこで選択した情報および記入した感想などを画面scr60におけるチャットルームに反映し、保護者と情報を共有する。
【0124】
画面scr60において、患者と保護者とのチャットルームが表示されている。患者がクエストをクリアしたゲームの状況について、msg61では、患者がクエスト3-1をクリアしたこと、スコアなどのログデータのリンク先、およびハイライトリプレイ動画のリンク先など、ゲームの状況に関するゲーム関連情報が表示されている。また、msg62では、クエストをクリアした患者が、例えば、画面scr50のひとこと欄に自由に入力した感想などが表示されている。
【0125】
さらに、チャットルームおいて患者によって書き込まれた、患者から保護者に対するメッセージとして、msg67では、特典付与のお礼メッセージなどが表示されている。
【0126】
その次に、保護者から患者に対して発信されたメッセージ(第2メッセージ)が表示されている。具体的には、msg68では、患者によって発信されたメッセージを見て、保護者が患者に対して発信したお祝いメッセージなどが表示されている。ゲームを継続してプレイさせるためにモチベーションを維持するようなメッセージを入力するとよい。
【0127】
このように、クエストをクリアした場合にも、患者と保護者との間において、第1メッセージおよび第2メッセージのうち一方のメッセージのみでなく、第1メッセージと第2メッセージとの双方で構成されるコミュニケーションが生成されている。
【0128】
そして、このようなコミュニケーションが生成されると、当該コミュニケーションに基づいて特典条件が満たされて、msg65では、新たに、保護者が患者に対して特典を付与することが可能であることが表示されている。以降の処理については、図6で説明したのと同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0129】
<システム1の動作の流れ>
次に、図6を用いて説明した画面遷移の一例に関して、その処理の流れについて説明する。
【0130】
図8は、本開示の一実施形態におけるシステム1において実行される、主に、患者と保護者との情報共有および特典付与に関する処理の流れを示すフローチャートである。図8に示されるように、当該処理は、ステップst10~st60を含み、各ステップは、主に、管理用サーバ装置3、ゲーム装置4および支援装置6におけるCPUなどによって実行される。
【0131】
ステップst10において、管理用サーバ装置3における情報共有手段332は、仮想空間(チャットルーム)を提供し、ゲーム装置4の患者および支援装置6の保護者からの閲覧および書き込みを受ける。
【0132】
ステップst20において、管理用サーバ装置3における判定手段333は、チャットルームに書き込まれたメッセージを含む情報を取得する。
【0133】
ステップst30において、管理用サーバ装置3における判定手段333は、ステップst20で取得された情報に含まれる第1メッセージと第2メッセージとの双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定する。
【0134】
特典条件を満たさない場合は、ステップst20の処理に戻る(ステップst30で「No」)。
【0135】
特典条件を満たす場合は、ステップst40の処理に進み(ステップst30で「Yes」)、ステップst40において、管理用サーバ装置3における情報共有手段332は、保護者から患者に付与可能な特典を提示する。なお、ここで、付与可能な特典の一覧を提示して、保護者に選択させるようにしてもよいし、付与可能な特典のうちオススメ特典を提示するようにしてもよい。
【0136】
ステップst50において、支援装置6における選択手段663は、ステップst40で提示された特典一覧の中から、またはオススメ特典のうちいずれかを、保護者の操作により選択する。
【0137】
ステップst60において、管理用サーバ装置3における付与手段334は、ステップst50で選択された特典を患者に付与する。具体例としては、管理用サーバ装置3における付与手段334は、ゲーム装置4を用いてプレイされるゲームについて、その患者にとって適切な特典(例えば、難易度の変更、アイテムやアドバイスの提供、スコアや報酬の加算、および特別な画面の表示など)を付与する。
【0138】
以上をまとめると、本開示の一実施形態にかかるシステム1では、患者(第1ユーザ)に関連付けられたゲームをプレイする当該患者と、患者がプレイするゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって患者を支援する保護者(第2ユーザ)と、の間において、患者から保護者に対して発信された第1メッセージと、保護者から患者に対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定する判定手段333と、特典条件が満たされた場合に、ゲームにおいて患者に特典を付与するように処理する付与手段334と、として機能させる。
【0139】
<一実施形態の効果>
本開示の一実施形態にかかるシステム1によれば、患者(第1ユーザ)に関連付けられたゲームをプレイする当該患者と、患者がプレイするゲームをプレイすることなく当該ゲームのゲーム状況を参照可能であって患者を支援する保護者(第2ユーザ)と、の間において、管理用サーバ装置3における情報共有手段332によって提供されたチャットルームでメッセージの発信を行う。管理用サーバ装置3における判定手段333は、患者から保護者に対して発信された第1メッセージと、保護者から患者に対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて特典条件を満たすかを判定し、特典条件が満たされた場合に、支援装置6における選択手段663は、保護者による操作により付与する特典を選択し、管理用サーバ装置3における付与手段334は、ゲームにおいて患者に選択された特典を付与するように処理する。これにより、患者は励まされたり、褒められたり、興味が湧いたりして、モチベーションが維持されるとともに、特典を付与されることでさらにゲームをプレイする気が向上するため、適切に、患者にゲームを継続してプレイさせることができる。
【0140】
なお、保護者は、患者の疾患または心身の能力を評価する医師や医療機関など(第3ユーザ)によって適切な人物を設定されるため、当該保護者は、患者の特性を把握して、適切なメッセージの発信および特典の付与を行うことができる。これにより、患者のモチベーションが維持されて、より適切に、患者にゲームを継続してプレイさせることができる。
【0141】
特典条件は、患者から保護者に対して発信された第1メッセージと、保護者から患者に対して発信された第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションに基づいて判定されるが、例えば、当該第1メッセージに基づいて特定されるゲームのゲーム状況に関する情報が所定条件(第1条件)を満たすことを含むとよい。具体的には、患者は、ゲーム進捗を保護者に対して自発的に説明することで、保護者とのコミュニケーションを強化する。言語解析などを用いて第1メッセージにゲームの進捗状況に関する情報が含まれている、または、所定回数以上、所定文字数以上および具体的な内容が含まれていることで第1条件を満たすか否かを判定するとよい。
【0142】
また、特典条件は、第1メッセージに基づいて、ゲーム状況に対する患者による評価に関する情報が所定条件(第2条件)を満たすことを含むとよい。具体的には、第1メッセージに客観的なゲーム状況に関する情報でなく、「面白かった」「難しかった」「もう嫌だ」などそのゲームをプレイした感想のように、患者が自由に記入するコメント欄(図6および図7の画面scr50のひとこと)への入力、およびそれに相当するコメントが含まれている、または、所定回数以上、所定文字数以上および具体的な内容が含まれていることで第2条件を満たすか否かを判定するとよい。これにより、第1メッセージに関して、機械的な発信でなく、患者自身での言葉で発信することにより保護者とのコミュニケーションを強化する。
【0143】
また、特典条件は、第1メッセージおよび第2メッセージが発信された頻度に関する所定条件(第3条件)を満たすことを含むとよい。具体的には、第1メッセージおよび第2メッセージのそれぞれの発信回数が所定回数以上、双方の発信回数に偏りがないか(発信回数差が所定回数以下)、発信回数のタイミング(キャッチボールできているか、短時間で返答しているか)で第3条件を満たすか否かを判定するとよい。これにより、第1メッセージと第2メッセージと、の双方で構成されるコミュニケーションをより適切に強化することができる。
【0144】
なお、特典条件は、第1メッセージや第2メッセージについて、例示したものに限定されるものではなく、その他一般的な日常の出来事や世間話が含まれていてもよい。患者と保護者とのコミュニケーションが強化され、結果的に、適切に、患者にゲームを継続してプレイさせることに繋がれば、その他の条件であってもよい。
【0145】
また、管理用サーバ装置3における判定手段333は、特典条件を満たすかを判定するが、その判定するタイミングは、所定時間毎であってもよいし、患者がプレイしたゲームのゲーム状況に応じて設定されてもよい。例えば、判定手段333は、患者がプレイしたゲームのクエストに失敗してから所定期間内に、当該患者から保護者に対して第1メッセージが発信された場合に、特典条件を満たすかを判定する。患者に対して心境の変化が生じる可能性が高い場面で第1メッセージが発信されれば、それに応じて迅速に付与可能な特典を付与すると、モチベーションが維持されて、ゲームを継続してプレイさせることに繋げることができる。
【0146】
また、保護者が患者に付与する特典は、当該ゲームを対象とするものであるが、これに限定されるものではない。例えば、患者に対して気分転換に他のゲームをプレイすることを提案したり、その提案したゲームを対象とする特典であってもよい。
【0147】
<変形例>
本発明の一実施形態では、図6および図7を用いて、主に、患者と保護者とのチャットルームについて説明したが、例えば、図6に示される画面scr20において、btn22「グループチャット」が選択されることにより、患者は、グループでのチャットルームにおいてグループのメンバとの間においてコミュニケーションを図ることもできる。
【0148】
例えば、患者の認知症状や認知機能レベルに応じたグループ毎にチャットルームが設定されてもよい。この場合、ゲーム特定手段331は、具体的にプレイするゲームを特定してもよいし、患者の認知症状や認知機能レベルに応じたグループを特定し、そのグループに適合するゲームを当該患者が選択するようにしてもよい。
【0149】
同じグループに所属するユーザ(患者)は、他のメンバに対して第1メッセージを発信し、他のメンバは、それに対して第2メッセージを発信する。すなわち、1対1または複数のコミュニケーションとなる。
【0150】
特典条件は、第1メッセージと複数のユーザからの第2メッセージとの全体に基づいて判定されてもよいし、第1メッセージと複数のユーザそれぞれの第2メッセージとに基づいて判定されてもよい。
【0151】
また、特典条件が満たされた場合には、当該グループチャットのメンバ全てが当該患者(第1メッセージの発信者)に特典を付与できてもよいし、当該メンバのうちいずれかのメンバ(例えば、第2メッセージを多く発信した者、第2メッセージを最後に発信した者または予め設定されたユーザなど)が当該患者(第1メッセージの発信者)に特典を付与できてもよい。
【0152】
<変形例の効果>
この変形例によれば、患者としては、保護者のみならず、同じゲームをプレイしているメンバから当該ゲームに関して適切な第2メッセージを受信することができたり、理解し合える仲間意識を共有することができたりする。その結果、モチベーションが維持されて、適切に、患者にゲームを継続してプレイさせることができる。
【0153】
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0154】
前記実施形態では、ゲーム装置4がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置4は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0155】
前記実施形態では、ゲームがパズルゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、もの探しゲーム、カジュアルゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、ボードゲーム、およびカードゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0156】
前記実施形態では、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3、ゲーム装置4および支援装置6が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムの各手段の全部または一部が、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3、ゲーム装置4および支援装置6とは別の通信端末で機能させてもよいし、これらのうち組み合わせられる2つの装置で機能させてもよい。また、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3、ゲーム装置4および支援装置6(またはこれらのうちの一部)を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0157】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0158】
1…システム
2…ゲーム用サーバ装置
3…管理用サーバ装置
4…ゲーム装置
5…通信ネットワーク
6…支援装置
21,31,41,61…ネットワークインタフェース
22,32,45,65…記憶部
23,33,46,66…制御部
29,39,50,70…バス
42,62…グラフィック処理部
43,63…オーディオ処理部
44,64…操作部
47,67…ディスプレイ
48,68…スピーカ
49,69…タッチパッド
221,321…ユーザDB
231…情報処理手段(ゲーム実行手段)
232,335…照合手段
331…ゲーム特定手段
332,463,662…情報共有手段
333…判定手段
334…付与手段
336,461,661…通信手段
462…ゲーム実行手段
464,664…報知制御手段
663…選択手段
図1
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