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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124844
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】像加熱装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240906BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
G03G15/20 515
H05B3/00 335
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032790
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小栗 寛司
【テーマコード(参考)】
2H033
3K058
【Fターム(参考)】
2H033AA03
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA25
2H033BA26
2H033BA27
2H033BA31
2H033BB03
2H033BB05
2H033BB06
2H033BB13
2H033BB14
2H033BB15
2H033BB18
2H033BB21
2H033BB22
2H033BB26
2H033BB29
2H033BB30
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB38
2H033BE03
2H033CA07
2H033CA27
3K058AA86
3K058BA18
3K058DA01
(57)【要約】
【課題】発熱領域が記録材の幅方向に分割された加熱手段において最大幅の記録材が通紙されても、端部の温度低下を軽減し、画像定着不良を抑制する。
【解決手段】通電により発熱する発熱領域が記録材の搬送方向に直交する幅方向に分割された加熱手段と、前記加熱手段に対向して配置され、前記加熱手段との間に記録材を挟持する加圧部材と、を備え、前記加熱手段の熱によって記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置であって、前記発熱領域のうち、記録材の幅方向の最端部に位置する発熱領域は、その抵抗値がその他の発熱領域に比べて大きい。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱する発熱領域が記録材の搬送方向に直交する幅方向に分割された加熱手段と、
前記加熱手段に対向して配置され、前記加熱手段との間に記録材を挟持する加圧部材と、を備え、
前記加熱手段の熱によって記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置であって、
前記発熱領域のうち、記録材の幅方向の最端部に位置する発熱領域は、その抵抗値がその他の発熱領域に比べて大きい、ことを特徴とする像加熱装置。
【請求項2】
前記最端部に位置する発熱領域は、前記記録材の幅方向の最も外側が内側よりも記録材の搬送方向の長さが狭い形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項3】
前記最端部に位置する発熱領域は、前記記録材の幅方向において最も外側の一部分がそれよりも内側の部分よりも記録材の搬送方向の長さが狭い形状に形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
【請求項4】
前記最端部に位置する発熱領域は、前記記録材の幅方向において前記記録材に形成する画像の領域よりも外側の部分がそれよりも内側の部分よりも記録材の搬送方向の長さが狭い形状に形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
【請求項5】
前記最端部に位置する発熱領域は、前記記録材の幅方向において前記記録材の端部よりも外側の部分がそれよりも内側の部分よりも記録材の搬送方向の長さが狭い形状に形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
【請求項6】
前記最端部に位置する発熱領域は、前記その他の発熱領域とは異なる材質で形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項7】
前記最端部に位置する発熱領域は、前記その他の発熱領域とは異なる厚みで形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項8】
前記加熱手段は、記録材の搬送方向に並べた複数の発熱体を有し、
前記複数の発熱体は、前記搬送方向に直交する幅方向に分割され、前記搬送方向に重ならない位置に設けられた前記発熱領域を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項9】
前記加熱手段は、前記搬送方向に直交する幅方向に分割され、前記搬送方向に重ならない位置に設けられた前記発熱領域を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項10】
前記加熱手段は、各発熱体の前記幅方向の一方が独立した電極に接続され、他方が共通の電極に接続され、各発熱体が独立して給電可能な構成である、ことを特徴とする請求項8に記載の像加熱装置。
【請求項11】
円筒状のベルトと、
前記ベルトを加熱する前記加熱手段と、
前記ベルトを介して前記加熱手段に対向して配置され、前記加熱手段に前記ベルトを接触させ、前記ベルトとの間に記録材を挟持する前記加圧部材と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項12】
記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、を有する画像形成装置であって、
前記定着部が請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の像加熱装置である、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置においては、シート状の記録材の上に未定着のトナー画像を形成し、そのトナー画像を定着装置により加熱・加圧して記録材上に定着している。
【0003】
従来の定着装置のうちの1つとして、加熱手段にセラミックヒータを使用した定着装置がある。この定着装置では、クイックスタート性(オンデマンド性)を有し、画像形成装置のスタンバイ時に、定着装置への電力供給を極力抑え、消費電力を少なくする省エネルギータイプの定着ベルト加熱方式が採用されている。定着ベルト加熱方式の定着装置は、加熱手段としてのセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に定着ベルトを介在させて定着ニップ部を形成する。この定着ニップ部において、定着ベルトと加圧ローラとにより未定着トナー像を担持した記録材を挟持搬送しつつ、トナー像を熱と圧力で記録材に定着させる。
【0004】
ところが、近年の画像形成装置の定着装置は、更なる急速温度上昇によるウォームアップタイムの短縮と多様なサイズの記録材対応が求められてきている。ウォームアップタイム短縮のために定着ヒータの熱容量を小さくすると、記録材の最大幅に合わせた長さの発熱体のみでは、記録材が通過する通紙部領域に対して、記録材が通過しない非通紙部領域の温度が高くなり過ぎてしまう(以下、「端部昇温」という)。また、多様なサイズの記録材に対応するために、画像形成装置で使用される記録材の最大幅(以下、「最大記録材幅」という)に合わせた長さの発熱体のみで、温度コントロールするには、限界がある。
【0005】
そこで、特許文献1では、記録材幅に合わせて独立制御可能な発熱領域を備える分割ヒータの技術が開示されている。特許文献1は、記録材に合わせて適当な発熱領域を発熱させることで、非通紙部領域で発熱する領域を狭めることが可能となり、端部昇温を更に抑制することができる。また、多様なサイズの記録材に対応することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-86078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている分割ヒータは、最大記録材幅に近い記録材が通紙された場合、全ての分割ヒータを点灯させても、最も端部に位置する分割ヒータの発熱体(以下、「最端発熱体」という)の端部側温度が下がってしまう。これは、最端発熱体の端部側に分割ヒータが存在しないため、端部側の温度が記録材に奪われてしまうためである。ゆえに、この状態では、記録材に十分な熱量を与えることができず、画像定着不良を引き起こすおそれがある。
【0008】
端部側の温度を下がらないようにするため、ヒータの長さを長くして、最大記録材幅よりも大きいセラミックヒータを用いれば課題は解決できるものの、ヒータの長さの延長に伴い定着装置の肥大化を招くほか、セラミックヒータのコストアップが懸念される。
【0009】
本発明の目的は、分割ヒータにおいて最大記録材幅が通紙されても、端部の温度を下げることなく画像定着不良を軽減することのできる像加熱装置および画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、通電により発熱する発熱領域が記録材の搬送方向に直交する幅方向に分割された加熱手段と、前記加熱手段に対向して配置され、前記加熱手段との間に記録材を挟持する加圧部材と、を備え、前記加熱手段の熱によって記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置であって、前記発熱領域のうち、記録材の幅方向の最端部に位置する発熱領域は、その抵抗値がその他の発熱領域に比べて大きい、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発熱領域が記録材の幅方向に分割された加熱手段において最大幅の記録材が通紙されても、端部の温度低下を軽減し、画像定着不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置の概略構成図
図2】定着装置の概略断面図
図3】定着装置における定着ヒータの構造図
図4】(a)(b)定着ヒータの形状を示す要部拡大図、記録材とヒータ温度の関係を示す表図
図5】定着ヒータに記録材を通紙した時の各発熱体の通電量の関係を示す図
図6】定着ヒータ周りの回路図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
(画像形成装置)
本実施例に係る画像形成装置について、図1を用いて説明する。図1は本実施例に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置100は、記録材に画像を形成する画像形成部として、4つの画像形成ステーションを備えている。第一の画像形成ステーション(y)はイエロー、第二の画像形成ステーション(m)はマゼンタ、第三の画像形成ステーション(c)はシアン、第四の画像形成ステーション(k)はブラックの各色の画像形成を行う。
【0016】
なお、これらの画像形成ステーションの構成は、現像剤としてのトナーの色が異なる以外は同様の構成である。そのため、以降の説明では、代表としてイエローの画像形成ステーションの構成を説明し、その他の色の画像形成ステーションの説明は省略する。
【0017】
画像形成ステーション(y)において、101yは第一の像担持体である感光ドラム、102yは帯電ローラ、103yは露光装置、104yは現像器、105yは1次転写ローラ、106yは感光体クリーナを示している。107は第二の像担持体である中間転写ベルト、108は2次転写ローラ、110は中間転写ベルトクリーナを示している。111は給紙カセット、112はピックアップローラ、113は給紙ローラ、114はレジローラ、115、116、117、118は搬送ローラを示している。Eyは露光のレーザー光、Pは紙等の記録材を示している。
【0018】
画像形成装置全体の制御を行うCPU(不図示)が、記録材Pへの画像形成命令を受けることで、感光ドラム101y、現像器104y、2次転写ローラ108はそれぞれ駆動装置(不図示)によって図1に示す矢印方向に所定の速度で回転駆動される。
【0019】
感光ドラム101yはこの回転過程で、帯電ローラ102yにより所定の極性および電位に一様に帯電される。次に、帯電された感光ドラム101yは、画像信号に応じた露光装置103yからのレーザー照射により、感光ドラム101y上に静電潜像が形成される。その後、静電潜像が形成された感光ドラム101yは、現像位置において現像器104yによりトナーを用いてトナー像が現像される。感光ドラム101y上に形成されたトナー像は、1次転写部にて1次転写ローラ105yによって中間転写ベルト107に転写される。
【0020】
同様に、その他の画像形成ステーションにて各感光ドラム101上に現像された各色のトナー像は、各々1次転写ローラ105によって中間転写ベルト107に重ねて転写される。中間転写ベルト107上の4色のトナー像は、2次転写部に送られる。
【0021】
以上の過程において、感光ドラム101上および中間転写ベルト107上に残留したトナーは、それぞれ、感光体クリーナ106および中間転写ベルトクリーナ110によって掻き取られ、回収される。
【0022】
一方、給紙カセット111に収容された記録材Pは、ピックアップローラ112によって繰り出され、給紙ローラ113によって一枚ずつ給紙される。給紙された記録材Pは、レジストローラ114にて斜行が補正される。斜行補正された記録材Pは、レジストローラ114によって所定のタイミングで2次転写部に送られる。給紙ローラ113は記録材Pの重送防止、レジストローラ114は記録材Pの斜行防止のために備えられている。
【0023】
中間転写ベルト107上に重ねて転写された4色のトナー像は、2次転写部にて2次転写ローラ108によって記録材Pの表面に転写される。このとき、記録材Pは、中間転写ベルト107上のトナー像が2次転写ローラ108を通過するタイミングに合わせて、レジストローラ114によって2次転写部に送られる。中間転写ベルト107上の4色のトナー像は、高圧基板(不図示)により2次転写ローラ108に印加された電圧によって、記録材Pの表面に一括して転写される。
【0024】
2次転写ローラ108によってトナー像が転写された記録材Pは、定着装置1に送られる。定着装置1は、記録材Pに形成された画像(トナー像)を記録材Pに定着する。
【0025】
画像が定着された記録材Pは、その後、搬送ローラ115、116、117、118を介して画像形成装置100の外部に排紙される。このようにして、カラー画像が形成された記録材Pを得る。
【0026】
以上説明した画像形成装置100による画像形成動作は、画像形成装置100の上面の操作部119、あるいはネットワークを経由して、ユーザからの指示によって行われる。また、この一連の画像形成動作は、操作部119、あるいはネットワークを経由した各入力信号に従って制御部としてのCPU(不図示)が制御している。
【0027】
(定着装置)
次に定着装置1について、図2を用いて説明する。図2は記録材Pの搬送方向に沿った定着装置1の概略断面図である。
【0028】
画像形成装置100は、記録材Pに形成された画像を加熱する像加熱装置として、前記定着装置(定着部)1を備えている。
【0029】
図2に示すように、定着装置1は、定着ヒータユニット2と、加圧ローラ3と、を備えている。記録材Pは、トナー像の定着時に定着ヒータユニット2と加圧ローラ3との間を挟持搬送される。
【0030】
図2に示すように、定着ヒータユニット2は、セラミックヒータ(以下、「定着ヒータ」という)20と、横断面が半円弧桶形のヒータホルダ2bと、補強板金2cと、円筒形状の無端ベルトである定着フィルム2aと、を備えている。ヒータホルダ2bは、定着ヒータ20を支持する支持体である。補強板金2cは、逆U字形であり、加圧ローラ3により加圧された際に、定着ヒータユニット2が変形しないように設けられている。
【0031】
加熱手段としての定着ヒータ20は、複数の発熱体21~23と、前記複数の発熱体21~23を記録材Pの搬送方向に並べた基板25と、を備えている。基板25は、記録材Pの搬送方向に直交する幅方向を長手とする絶縁性、耐熱性、低熱容量の基板である。
【0032】
定着ヒータ20は、基板25の一方の面に複数の発熱体21~23を設けている。また発熱体21~23は、絶縁を確保するために保護ガラス26に覆われている。定着ヒータ20は、ヒータホルダ2bに固定して支持されている。
【0033】
さらに定着ヒータ20は、基板25の定着フィルム2aとの接触面側に、摺動層として厚さ10[μm]程度のポリイミド層を設けてもよい。この摺動層(ポリイミド層)により、定着フィルム2aと定着ヒータ20との摺擦抵抗を低減することで、駆動トルクの低減および定着フィルム2aの内面の磨耗を防止することができる。
【0034】
定着フィルム2aは、厚さ30[μm]のステンレスを円筒状に形成した基材上に、厚さ約300[μm]のシリコーンゴム層(弾性層)がリングコート法により形成されている。さらに弾性層上には、定着フィルム2aの最表面層として、厚さ20[μm]のPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂チューブが被覆された構造となっている。
【0035】
定着フィルム2aは、内面にグリスが塗布され、ヒータホルダ2bと定着フィルム2aの内面との摺動性の向上が図られている。
【0036】
なお、定着フィルム2aは、ステンレス以外に、ニッケル系金属材料や、ポリイミド等の耐熱樹脂などを円筒状の基材に用いてもよい。また、ポリイミド等の耐熱樹脂を基材として用いる場合には、摺動層としてのポリイミド層は必要なくなる。
【0037】
加圧ローラ3は、定着フィルム2aを介して定着ヒータ20に対向して配置されている。ここでは、加圧ローラ3は、定着ヒータユニット2の下方に設けられている。加圧ローラ3は、ステンレス製の芯金(軸部)3a上に、厚さ約3[mm]のシリコーンゴム層(弾性層)3b、さらに厚さ約40[μm]のPFA樹脂チューブ(表層)3cを順に積層した多層構造の加圧部材である。この加圧ローラ3の芯金3aの両端部が装置フレームの側板(不図示)間に回転可能に軸受保持されている。
【0038】
ヒータホルダ2bは、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成されており、定着ヒータ20を保持するとともに定着フィルム2aをガイドする役割を果たしている。ヒータホルダ2bの両端部は、不図示の加圧機構により総圧90~320[N]の力で加圧ローラ3の方向に付勢されている。その結果、定着ヒータ20の下面(加熱面とは反対側の面)が、定着フィルム2aを介して加圧ローラ3の弾性層に抗して所定の押圧力をもって圧接され、定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成する。言い換えれば、加圧ローラ3は、定着フィルム2aを介して定着ヒータ20に対向して配置されており、定着ヒータ20に定着フィルム2aを接触させ、定着フィルム2aとの間に記録材Pを挟持する挟持部(定着ニップ部N)を形成する。
【0039】
このような構成の定着装置1は、加圧ローラ3が、駆動系(不図示)により、記録材Pの搬送方向に回転駆動(図2では反時計回り)される。加圧ローラ3が回転駆動されることで、定着フィルム2aは、定着ヒータ20の基板表面に密着摺動して、ヒータホルダ2bの周囲を回動する。
【0040】
定着装置1は、定着温度を検出するための温度検出手段としてのサーミスタ2dを備える。サーミスタ2dは、熱源である定着ヒータ20の下面(加熱面)に対して上面(非加熱面)に設置されている。サーミスタ2dは、定着ヒータ20の中央温度を検出する機能を担っている。
【0041】
定着装置1は、サーモスタット2eを備える。サーモスタット2eは、定着ヒータ20の温度が所定温度(目標温度)に達するとバイメタルが反転して接点が開放される感温スイッチである。サーモスタット2eは、定着ヒータ20の温度が所定温度を超えると、接点が開放されて、定着ヒータ20への電力供給を遮断する機能を担っている。なお、定着ヒータ20に供給される電力は交流電力である。
【0042】
加圧ローラ3が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム2aが従動回転状態になると、定着ヒータ20に通電(交流電力の供給)が行われる。そして、定着ヒータ20の温度が目標温度に到達して温度調整された状態になると、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材Pが導入される。
【0043】
定着ニップ部Nでは、記録材Pのトナー像を担持する面が定着フィルム2aの外面に密着する。記録材Pは、定着ニップ部Nにおいて定着フィルム2aとともに移動する。記録材Pが定着ニップ部Nで挟持されて搬送される過程において、定着ヒータ20からの熱が定着フィルム2aを介して記録材Pに付与される。定着ヒータ20からの熱により、未定着のトナー像が記録材P上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは、定着フィルム2aから分離されて搬送される。
【0044】
(定着ヒータ)
次に、定着ヒータ20について図3を用いて詳しく説明する。図3は本実施例における定着ヒータ20の構造図である。
【0045】
定着ヒータ20は、記録材Pの搬送方向に並べた複数の発熱体21~23を有している。なお、ここでは、定着ヒータ20は3本の発熱体21~23を有する構成を例示しているが、本発明はこれに限らず、複数本の発熱体に適用できる。
【0046】
複数の発熱体21~23は、アルミナや窒化アルミ等のセラミックを素材とする基板25に対して、基板25の一方の面である定着フィルム2aと接触する面に設けられている。複数の発熱体21~23は、銀パラジウム(Ag/Pd)等で構成され、前記基板25の前記一方の面に印刷、焼成されている。
【0047】
そして定着ヒータ20は、各発熱体21~23が独立して給電可能な構成となっている。具体的には、定着ヒータ20の各発熱体21~23は、長手方向の一方の端部が独立した電極31~33にそれぞれ接続され、他方の端部が共通の電極35に接続されている。更に発熱体21~23は、保護ガラス26で覆われている。
【0048】
複数の発熱体21~23は、それぞれ発熱領域21a~23aを有しており、各電極31~33から通電することで、通電された発熱体の発熱領域が点灯し発熱する。なお、各発熱体21~23は、それぞれ通電時に発熱しない非発熱領域21b~23bを有している。定着ヒータ20において、各発熱体21~23の発熱領域21a~23aは、以下のようにして、前記搬送方向に直交する幅方向に分割され、前記搬送方向に重ならない位置に設けられている。
【0049】
なお、記録材の搬送方向に直交する幅方向は、前述した基板25の長手方向と同じ方向でもあるため、以下の説明では、記録材の搬送方向に直交する方向は、記録材の幅方向または長手方向という。また基板25の長手方向に直交する方向は、記録材の搬送方向と同じ方向であり、基板25の長手方向の長さに対して短いため、短手方向ともいう。
【0050】
定着ヒータ20において、第一の発熱体21は、長手方向の両側が非発熱領域21b、21bに挟まれた1つの発熱領域21aを有する。その他の発熱体である第二の発熱体22、第三の発熱体23は、それぞれ非発熱領域22b、23bを挟んで長手方向の両側に発熱領域22a、23aを有する。
【0051】
3本の発熱体21~23のうち、第一の発熱体21の発熱領域21aは長手方向の中央に配置されている。定着ヒータ20において、記録材Pの通過する長手方向の中央を中央点Oとし、図中に破線で示す。その他の発熱体22、23の各発熱領域22a、23aは、中央点Oから定着ヒータ20の長手方向の外側に向かって第一の発熱領域21aから順に、第二の発熱領域22a、第三の発熱領域23aの順で配置されている。また、発熱体21~23(の発熱領域)は、中央点Oを基準として定着ヒータ20の長手方向において対称な形状である。
【0052】
第二の発熱体22の非発熱領域22bは、長手方向の長さが第一の発熱領域21aと同じである。そのため、中央点Oを基準として長手方向に対称な形状である第二の発熱体22の第二の発熱領域22aは、搬送方向において第一の発熱領域21aに重ならない。
【0053】
第三の発熱体23の非発熱領域23bは、長手方向の長さが第一の発熱領域21aとその両側の第二の発熱領域22aとを合わせた長さと同じである。そのため、中央点Oを基準として長手方向に対称な形状である第三の発熱体23の第三の発熱領域23aは、搬送方向において第一の発熱領域21aとその両側の第二の発熱領域22aに重ならない。
【0054】
なお、図3に示す定着ヒータにおける発熱体の発熱領域の長さおよび発熱領域の配置場所は例示であって、これに限定されるものではない。発熱体の発熱領域の長さおよび発熱領域の配置場所は、画像形成装置が対応できる複数の記録材の幅などに応じて、適宜決定する。
【0055】
一例として、第一の発熱体21の第一の発熱領域21aの幅方向の長さは168[mm]であり、記録材の最大幅である最大記録材幅の中央(中央点O)で線対称となるように配置している。第二の発熱体22の第二の発熱領域22aの幅方向の長さは62[mm]であり、第一の発熱体21の第一の発熱領域21aと第一の非発熱領域21bとの境から両電極方向に配置している。さらに、第三の発熱体23の第三の発熱領域23aの幅方向の長さは22[mm]であり、第二の発熱体22の第二の発熱領域22aと非発熱領域22bとの境から両電極方向に配置している。
【0056】
前記複数の発熱体21~23の発熱領域21a~23aのうち、記録材Pの幅方向の最端部に位置する発熱領域23aは、その形状が他の発熱領域21a、22aの形状とは異なっている。例えば本実施例では、図3に示すように、前記最端部に位置する発熱領域23aは、記録材Pの幅方向の最も外側が内側よりも記録材の搬送方向の長さが狭いテーパ形状に形成されている。
【0057】
言い換えれば、前記複数の発熱体21~23の発熱領域21a~23aのうち、記録材Pの幅方向の最端部に位置する発熱領域23aは、その抵抗値が他の発熱領域21a、22aに比べて大きくなるようにしている。すなわち、最端部に位置する発熱領域23a(電極に近い発熱領域23a)の形状を外側ほど狭いテーパ形状にすることで、他の発熱領域21a、22aよりも抵抗値が大きくなるようにしている。
【0058】
さらに詳しくは、前記最端部に位置する発熱領域23aは、記録材Pの幅方向において最も外側の一部分23a1がそれよりも内側の部分23a2よりも記録材Pの搬送方向の長さが狭いテーパ形状に形成されている。
【0059】
次に図4(a)および図4(b)を用いて、本実施例における定着ヒータ20の形状について、比較例の定着ヒータの形状と比較して説明する。図4(a)および図4(b)は、図3に示す定着ヒータ20の最端部に位置する発熱領域23aの一部(丸枠箇所)を拡大した要部拡大図である。
【0060】
図4(a)は、比較例の定着ヒータ20の形状と、最大記録材幅が通紙されたときの定着ヒータ20のヒータ温度を模式的に示したものである。比較例の定着ヒータ20において、最端部に位置する発熱領域23aは、記録材Pの幅方向の内側から最も外側まで記録材の搬送方向の長さが同じ形状に形成されている。
【0061】
図4(b)は、本実施例の定着ヒータ20の形状と、最大記録材幅が通紙されたときの定着ヒータ20のヒータ温度を模式的に示したものである。本実施例の定着ヒータ20において、最端部に位置する発熱領域23aは、記録材Pの幅方向において最も外側の一部分23a1がそれよりも内側の部分23a2よりも記録材Pの搬送方向の長さが狭いテーパ形状に形成されている。
【0062】
ここで、各発熱体21~23の発熱領域21a~23aの端部側から所定の位置にある閾値αの説明をする。これは、最大記録材幅を中心としたとき、各発熱領域の閾値αを超える記録材が通紙された場合、その発熱領域と隣り合う端部側の発熱領域を点灯させ、発熱させる判断基準である。つまり、記録材Pの幅(幅方向の長さ)が発熱領域21aの閾値αを超える場合は、その発熱領域21aと隣り合う端部側の発熱領域22aも発熱させる動作を行う。また、第二の発熱領域22aの閾値αを超える場合は、その発熱領域22aと隣り合う端部側の発熱領域23aも発熱させる動作を行う。
【0063】
図4(a)に示す比較例の定着ヒータ20では、最大記録材幅は最端部に位置する発熱領域23aの閾値αを超える記録材であるため、隣り合う端部側の発熱領域を点灯しなければ、この記録材に必要な電力を賄うことができない。しかし、発熱領域23aは幅方向の最端部に位置するため、それよりも隣り合う端部側の発熱領域は存在していない。ゆえに、比較例の定着ヒータ20の形状では、最大記録材幅に近い紙が通紙されたとき、十分な電力を賄うことができず、記録材に熱が奪われてしまい、端部側のヒータ温度は下がってしまう 。
【0064】
これに対し図4(b)に示す本実施例の定着ヒータ20では、最端部に位置する発熱領域23aの最も外側の一部分23a1をそれよりも内側の部分23a2よりも抵抗値を大きくし、電力量を大きくしている。すなわち、最端部に位置する発熱領域23aの最も外側の一部分23a1を外側ほど狭いテーパ形状に形成している。
【0065】
ここでは、最端部に位置する発熱領域23aは、記録材Pの幅方向において前記記録材Pの最大記録材幅の端部よりも外側の部分23a1がそれよりも内側の部分23a2よりも記録材の搬送方向の長さが狭い形状に形成されている。
【0066】
ここでは、最端部に位置する発熱領域23aのテーパ形状の開始位置を最大記録材幅よりも外側にしているが、これに限らない。最端部に位置する発熱領域23aのテーパ形状の開始位置を、前述の最大記録材幅(図4(b)に示す破線位置)にかえて、記録材に画像を形成する領域よりも外側にしても良い。すなわち、前記発熱領域23aにおいて、記録材Pの幅方向において最も外側の一部分23a1としては、記録材Pの端部よりも外側の部分に限定されず、記録材Pに形成する画像の領域よりも外側の部分でも良い
【0067】
言い換えれば、最端部に位置する発熱領域23aは、記録材Pの幅方向において前記記録材Pに形成する画像の領域よりも外側の部分23a1がそれよりも内側の部分23a2よりも記録材の搬送方向の長さが狭い形状に形成されていても良い。
【0068】
このように最端部に位置する発熱領域23aを図4(b)に示すテーパ形状にすることで、発熱領域の搬送方向の長さが狭まり、抵抗値が大きくなるため、発熱領域のテーパ形状箇所の電力量が大きくなる。その結果、最端部の発熱領域23aの端部側の電力量は、他の発熱領域より大きくなるため、熱量が上昇する。最端部の発熱領域23aの端部側の熱量が大きくなるため、当該発熱領域23aの閾値αも比較例に比べて幅方向の長さを短くできる。電力量は抵抗値に比例するため、最端部の発熱領域23aの閾値αが最大記録材幅に跨らないような適当なテーパ形状にすることで、最大記録材幅の記録材が通紙されても十分な熱量を供給することができる。
【0069】
次に図5を用いて、本実施例における定着ヒータ20おいて、様々な記録材を通紙したときの各発熱体(発熱領域)の通電量について説明する。以下、幅方向の長さが異なる3種類の記録材P1~P3が通紙されたときの場合に分けて説明する。
【0070】
まず記録材P1が通紙された場合について説明する。記録材P1の幅方向の長さは第一の発熱体21の第一の発熱領域21aに収まり、第一の発熱領域21aの閾値αを跨いでいない。そのため、この記録材P1は第一の発熱体21に電力投入するだけで、十分な熱量を確保できると、ヒータ制御手段50が判断する。すなわち、第一の発熱体21だけが発熱する。記録材P1に必要な電力量となるように第一の発熱体21を通電し、温度調整制御を行う。このときの通電量は例えば60%である。
【0071】
次に記録材P2が通紙された場合について説明する。記録材P2の幅方向の長さは、第一の発熱体21の第一の発熱領域21aの閾値αを跨いでいる。そのため、この記録材P2は第一の発熱体21と第二の発熱体22に電力投入することで、十分な熱量を確保できると、ヒータ制御手段50が判断する。すなわち、第一の発熱体21と第二の発熱体22が発熱する。記録材P2に必要な電力量となるように、第一の発熱体21には最大電力となるように通電し、残りの必要な電力量になるように補うように、第二の発熱体22を通電し、温度調整制御を行う。このときの通電量は例えば第一の発熱体21には100%、第二の発熱体22には15%である。
【0072】
次に記録材P3が通紙された場合について説明する。記録材P3の幅方向の長さは、第二の発熱体22の閾値αを跨いでいる。そのため、この記録材P3は第一の発熱体21と第二の発熱体22および第三の発熱体23に電力投入することで、十分な熱量を確保できると、ヒータ制御手段50が判断する。すなわち、第一の発熱体21と第二の発熱体22および第三の発熱体23が発熱する。記録材P3に必要な電力量となるように、第一の発熱体21および第二の発熱体22には最大電力となるように通電し、残りの必要な電力量になるように補うように、第三の発熱体23を通電し、温度調整制御を行う。このときの通電量は例えば第一の発熱体21および第二の発熱体22には100%、第三の発熱体23には40%である。
【0073】
以上のように、記録材Pの幅方向の長さに応じて通電する発熱体21~23を決定し、それぞれの記録材に必要な電力を定着ヒータ20の中心に位置する発熱体21から、隣り合う端部側の発熱体22、23へと広げていき、電力量を大きくしていく動作を行う。
【0074】
次に図6を用いて、本実施例における定着ヒータ20おいて、発熱体に電力を供給し、定着ヒータ20の温度制御を行う様子を説明する。図6は、定着ヒータ周りの回路図である。
【0075】
画像形成装置100に供給される交流電圧源51が、スイッチ手段52,53と各発熱体ごとのヒータ電力制御手段61,62,63を通して、定着ヒータ20内の発熱体21、発熱体22および発熱体23へと電力を供給する。定着ヒータ20の温度は、温度検出手段としてのサーミスタ2dで検出している。その検出した温度が、予めヒータ制御手段50が記憶している目標温度になるように、ヒータ制御手段50は発熱体21、発熱体22および発熱体23の電力制御をする。ここでヒータ制御手段50が行う制御について説明する。
【0076】
ヒータ制御手段50は、画像形成装置100の動作モードが稼働状態時のプリントモードもしくは待機状態時のスタンバイモードの場合、スイッチ手段52をONさせ、発熱体21、発熱体22および発熱体23へ電力を供給する準備を行う。次にヒータ制御手段50は、各発熱体を点灯させるために、画像形成装置100に通紙される記録材Pの大きさと、予め記憶している点灯パターンに応じてヒータ電力制御手段61,62,63を制御する。発熱体21、発熱体22および発熱体23を点灯させることで、定着ヒータ20が加熱されていく。ヒータ制御手段50は、定着ヒータ20付近にあるサーミスタ2dで検出した温度情報を監視し、その温度情報に基づいて、発熱体21、発熱体22および発熱体23の点灯もしくは消灯タイミングを可変させていく。
【0077】
以上のように、発熱領域が記録材の幅方向に分割された定着ヒータ20において、最端部に位置する発熱体23を、他の発熱体21、22よりも抵抗値を大きくする。これにより、最大幅の記録材が通紙されても、端部の温度低下を軽減し、画像定着不良を抑制することができる。
【0078】
なお、前述した実施例では、最端部に位置する発熱体をテーパ形状にして、他の発熱体よりも抵抗値を大きくする構成について説明したが、これに限定されるものではなく、他の方法を用いて抵抗値を変化させてもよい。例えば、最端部に位置する発熱体23(発熱領域23a)を、他の発熱体21、22(発熱領域21a、22a)とは異なる材質(抵抗材料)で形成して、抵抗値を大きくする構成にしても良い。あるいは、最端部に位置する発熱体23(発熱領域23a)を、他の発熱体21、22(発熱領域21a、22a)とは異なる厚みで形成そて。抵抗値を大きくする構成にしても良い。このように構成しても、前述した実施例と同様の効果が得られる。
【0079】
また前述した実施例では、定着ヒータ20は3本の発熱体21~23を有する構成を例示したが、本発明はこれに限らず、複数本の発熱体に適用できる。また、各発熱体へ給電するための電極位置を、定着ヒータ20の端部に位置している構成を例示したが、本発明はこれに限らない。
【0080】
また前述した実施例では、複数の感光ドラムを有する電子写真方式のフルカラーの画像形成装置に適用した例を説明したが、本発明はこれに限らず、各種方式の画像形成装置、単色の画像形成装置などにも適用できる。
【0081】
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像を記録材に一括して転写する画像形成装置を例示したが、これに限定されるものではない。記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられる像加熱装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【0082】
また前述した実施例では、像加熱装置としてプリンタや複写機等の画像形成装置に搭載される定着装置を例示した。しかしながら、本発明はこのような定着装置に限られるものではなく、例えば、記録材に形成された画像の光沢性を向上させる光沢付与装置等の像加熱装置にも適用できる。また、画像形成装置に搭載されない像加熱装置にも適用できる。
【0083】
また前述した実施例では、定着ヒータ20は、記録材Pの搬送方向に並べた複数の発熱体21~23を有する構成を例示した。そのうえで前記複数の発熱体21~23が、前記搬送方向に直交する幅方向に分割され、前記搬送方向に重ならない位置に設けられた前記発熱領域21a~23aを有する構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、定着ヒータ20は、1つの発熱体を有する構成であっても良い。そのうえで前記1つの発熱体が、前記搬送方向に直交する幅方向に分割され、前記搬送方向に重ならない位置に設けられた前記発熱領域を有する構成とする。このような構成であっても、前述した効果と同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0084】
N …定着ニップ部(挟持部)
P …記録材
1 …定着装置
2 …定着ヒータユニット
2a …定着フィルム
2b …ヒータホルダ
2c …補強板金
2d …サーミスタ
2e …サーモスタット
3 …加圧ローラ(加圧部材)
3a …芯金(軸部)
3b …シリコーンゴム層(弾性層)
3c …樹脂チューブ(表層)
20 …定着ヒータ(加熱手段)
21~23 …発熱体
21a~23a …発熱領域
21b~23b …非発熱領域
25 …基板
26 …保護ガラス
31~35 …電極
100 …画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6