(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124848
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20240906BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240906BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240906BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240906BHJP
【FI】
G02F1/1333
F21S2/00 443
F21Y103:10
F21Y115:10 700
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032797
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新谷 典久
【テーマコード(参考)】
2H189
3K244
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA63
2H189AA67
2H189AA70
2H189AA75
2H189HA03
2H189LA19
2H189LA20
2H189LA22
2H189MA09
3K244AA01
3K244BA11
3K244BA30
3K244BA31
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA19
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244KA02
3K244KA07
3K244KA11
3K244KA18
3K244KA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】振動による騒音を抑制する。
【解決手段】表示装置10は、導光板40を収容する底部51と、導光板の側面44を覆っており、第1貫通孔54Aを有するシャーシ側部54とを有するシャーシ50と、導光板40の表示パネル20側の主面41の外周縁部を覆っており、第2貫通孔61Aを有するフレーム本体部61と、シャーシ側部54を側方から覆っており、第3貫通孔64Aを有するフレーム側部64とを有するフレーム60と、表示パネル20の表示面20Sの外周縁部を覆うベゼル本体部81と、フレーム側部64を側方から覆うベゼル側部84と、を有するベゼル80と、シャーシ50に収容され、導光板40の側面44とシャーシ側部54との間に挟持される弾性部材90と、を備える。弾性部材90は、第1貫通孔54Aに挿通される第1突出部92と、第2貫通孔61Aに挿通される第2突出部94と、第3貫通孔に挿通される第3突出部96と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を導光する導光板と、
前記導光板からの光が照射され、画像を表示する表示面を有する表示パネルと、
前記導光板を収容する底部と、前記底部から突出して前記導光板の側面を覆っており、第1貫通孔を有するシャーシ側部と、を有するシャーシと、
前記導光板の前記表示パネル側の主面の外周縁部を覆っており、第2貫通孔を有するフレーム本体部と、前記フレーム本体部から突出して前記シャーシ側部を側方から覆っており、第3貫通孔を有するフレーム側部と、を有するフレームと、
前記表示パネルの前記表示面の外周縁部を覆うベゼル本体部と、前記ベゼル本体部から突出して前記フレーム側部を側方から覆うベゼル側部と、を有するベゼルと、
前記シャーシに収容され、前記導光板の前記側面と前記シャーシ側部との間に挟持される弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記第1貫通孔に挿通される第1突出部と、前記第2貫通孔に挿通される第2突出部と、前記第3貫通孔に挿通される第3突出部と、を有し、
前記第1突出部は前記フレーム側部に接し、前記第2突出部は前記ベゼル本体部に接し、前記第3突出部は前記ベゼル側部に接している表示装置。
【請求項2】
前記第3突出部は、前記第1突出部から突出し、
前記第3貫通孔は、前記第1貫通孔と重畳している請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3貫通孔の大きさは、前記第1貫通孔に比して小さく、
前記第1突出部の突出端は、前記第3貫通孔の開口縁部に接している請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1突出部は、前記弾性部材の前記シャーシ側部側の側面から突出しており、
前記側面は、前記第1貫通孔の開口縁部に接している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1突出部は、基端元に第1傾斜面を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1突出部は、基端元に第1湾曲面を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3突出部は、基端元に第2傾斜面を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3突出部は、基端元に第2湾曲面を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、ゴム製である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記弾性部材は、ブロック状部材である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、液晶パネルである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、車載用である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルの裏側に導光板が備えられた液晶表示装置が知られており、その一例が特許文献1に開示されている。当該液晶表示装置では、光源からの光は導光板に入射され、導光板の内部を伝搬して液晶パネル側へ向けて出光される。
【0003】
特許文献1に記載の照明ユニット(バックライト装置)は、導光板と蛍光放電管(光源)との間、及び光源とバックカバー(裏ケース)との間に挿入されるゴムホルダーを備える。弾性体で形成されたゴムホルダーを設けることで、バックライト装置に外部から衝撃や振動が加わった場合に、導光板が蛍光放電管と衝突することを防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液晶表示装置には導光板以外にも振動しやすい部材がある。例えば、バックライト装置の各種部材が挟持されるシャーシ(裏ケース)、フレーム(表ケース)、並びに液晶表示装置の表示面側に配置される額縁状のベゼルは、振動によって互いに衝突すると、騒音(ノイズ)を発生することがある。特に、車載用途では振動が発生しやすく、特許文献1に記載のゴムホルダーによって、導光板以外の部材の振動による騒音を抑制することは難しい。そこで騒音を抑制するために、これらの部材が互いに衝突しても音が小さくなるようにクリアランス空間を小さく設けると、製造上の寸法バラつきによってクリアランス空間が不十分となることがある。その結果、騒音を確実に抑制できないのが実情である。
【0006】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、振動による騒音の発生を確実に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本技術に関わる表示装置は、光源と、前記光源からの光を導光する導光板と、前記導光板からの光が照射され、画像を表示する表示面を有する表示パネルと、前記導光板を収容する底部と、前記底部から突出して前記導光板の側面を覆っており、第1貫通孔を有するシャーシ側部と、を有するシャーシと、前記導光板の前記表示パネル側の主面の外周縁部を覆っており、第2貫通孔を有するフレーム本体部と、前記フレーム本体部から突出して前記シャーシ側部を側方から覆っており、第3貫通孔を有するフレーム側部と、を有するフレームと、前記表示パネルの前記表示面の外周縁部を覆うベゼル本体部と、前記ベゼル本体部から突出して前記フレーム側部を側方から覆うベゼル側部と、を有するベゼルと、前記シャーシに収容され、前記導光板の前記側面と前記シャーシ側部との間に挟持される弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記第1貫通孔に挿通される第1突出部と、前記第2貫通孔に挿通される第2突出部と、前記第3貫通孔に挿通される第3突出部と、を有し、前記第1突出部は前記フレーム側部に接し、前記第2突出部は前記ベゼル本体部に接し、前記第3突出部は前記ベゼル側部に接している。
【0008】
(2)また、上記表示装置は、上記(1)に加え、前記第3突出部は、前記第1突出部から突出し、前記第3貫通孔は、前記第1貫通孔と重畳していてもよい。
【0009】
(3)また、上記表示装置は、上記(2)に加え、前記第3貫通孔の大きさは、前記第1貫通孔に比して小さく、前記第1突出部の突出端は、前記第3貫通孔の開口縁部に接していてもよい。
【0010】
(4)また、上記表示装置は、上記(1)から(3)のいずれか1つに加え、前記第1突出部は、前記弾性部材の前記シャーシ側部側の側面から突出しており、前記側面は、前記第1貫通孔の開口縁部に接していてもよい。
【0011】
(5)また、上記表示装置は、上記(1)から(4)のいずれか1つに加え、前記第1突出部は、基端元に第1傾斜面を有していてもよい。
【0012】
(6)また、上記表示装置は、上記(1)から(5)のいずれか1つに加え、前記第1突出部は、基端元に第1湾曲面を有していてもよい。
【0013】
(7)また、上記表示装置は、上記(1)から(6)のいずれか1つに加え、前記第3突出部は、基端元に第2傾斜面を有していてもよい。
【0014】
(8)また、上記表示装置は、上記(1)から(6)のいずれか1つに加え、前記第3突出部は、基端元に第2湾曲面を有有していてもよい。
【0015】
(9)また、上記表示装置は、上記(1)から(8)のいずれか1つに加え、前記弾性部材は、ゴム製であってもよい。
【0016】
(10)また、上記表示装置は、上記(1)から(9)のいずれか1つに加え、前記弾性部材は、ブロック状部材であってもよい。
【0017】
(11)また、上記表示装置は、上記(1)から(10)のいずれか1つに加え、前記表示パネルは、液晶パネルであってもよい。
【0018】
(12)また、上記表示装置は、上記(1)から(11)のいずれか1つに加え、前記表示パネルは、車載用であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本技術によれば、振動による騒音の発生を確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】フレーム、弾性部材、及びシャーシの要部を拡大した分解斜視図
【
図5】実施形態2に係る液晶表示装置を
図1のI-I線位置で切断した断面図
【
図8】実施形態3に係る液晶表示装置を
図1のI-I線位置で切断した断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
実施形態1に係る液晶表示装置(表示装置の一例)10について、
図1から
図3を参照して説明する。なお、各図の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で共通する方向となるように描かれている。また、Z軸において、液晶表示装置10の液晶パネル20(表示パネルの一例)側を表側、バックライト装置30(照明装置の一例)側を裏側とする。
【0022】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、平面視で全体として横長な方形状(矩形状)をなす。液晶表示装置10は、好ましくは車載用とされる。例えば液晶表示装置10は、カーナビゲーションシステムにおいて地図画像や車載カメラによる撮影画像等を表示したり、インストルメントパネルにおいて各種計器(スピードメータ、タコメータ等)や各種警告画像(エアバッグ警告灯、エンジン警告灯、シートベルト非装着警告灯等)を表示することに用いられる。液晶表示装置10の大きさは、車載に適した大きさ(例えば8インチ型から12インチ型程度)が好ましいが、特に限定されない。
【0023】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、画像を表示する表示面20Sを有する液晶パネル20と、バックライト装置30と、ベゼル80と、を備える。液晶パネル20は、その面内が、画像を表示可能で且つ中央側に配される表示領域(アクティブエリア)AAと、表示領域AAを取り囲む形で外周側に配されて平面に視て枠状(額縁状)をなす非表示領域(ノンアクティブエリア)NAAと、に区分されている。液晶パネル20、バックライト装置30、及び液晶表示装置10は、本実施形態では全体として横長な矩形状をなし、長辺方向が各図面のX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致し、厚さ方向がZ軸方向と一致しているが、図示の形状は一例であり、形状は限定されない。
【0024】
ベゼル80は、
図1に示すように、液晶パネル20の表側に配置される支持部材である。ベゼル80は、バックライト装置30の後述するシャーシ50(裏ケース)、及びフレーム60(表ケース)と共に、液晶パネル20及びバックライト装置30を一体的に保持している。ベゼル80は、平面視で矩形の枠状(額縁状)をなし、ベゼル本体部81と、4つのベゼル側部82、83、84、85と、を有する。
【0025】
ベゼル本体部81は、液晶パネル20の表示面20Sの外周縁部を表側から覆っており、液晶表示装置10の表側の外観を構成している。ベゼル側部82、83、84、85は、ベゼル本体部81の外周縁部から裏側に突出している。ベゼル側部82、83、84、85は、後述するフレーム側部62、63、64、65を側方から覆っている。
【0026】
バックライト装置30は、
図1に示すように、複数のLED35(光源の一例)と、LED基板37と、導光板40と、光学シート39と、シャーシ50と、フレーム60と、弾性部材90とを備える。バックライト装置30は、LED35の光が導光板40の4つの側面42、43、44、45のうち、一方の長辺側面42(入射面の一例)からのみ入射される片側入光タイプのエッジライト型である。
【0027】
ただし、バックライト装置30は、LED35の光が導光板40の両方の長辺側面42、43から入射される両側入光タイプであってもよく、LED35の光が導光板40の短辺側面44、45の一方、又は両方から入射される構成であってもよい。またバックライト装置30は、LEDが導光板40の裏側に面状に配される直下型であっても構わない。本実施形態では、LED35の光が導光板40の長辺側面42から入射される構成について例示する。
【0028】
LED35は、
図1に示すように、導光板40の長辺側面42に沿って複数配置されている。LED35は、導光板40の長辺側面42に沿って延在するLED基板37に実装されている。LED35は直方体状をなし、一方の側面が発光面となる、いわゆる側面発光型(サイドビュー型)とされる。LED35の光軸(発光光の発光強度が最も高いピークとなる光の進行方向)はY軸方向である。
【0029】
導光板40は、LED35からの光を導光する。より詳しくは、導光板40はLED35から発せられた光を長辺側面42から導入し、その光を内部でY軸方向に沿って伝播させる。また、導光板40は光をY軸方向に伝播させつつ、表側へ向くように立ち上げて出光主面41(表側の主面)から出射させる。導光板40は、屈折率が空気よりも十分に高く、かつ透明性の高い樹脂(例えばポリカーボネート)製とされる。導光板40は、光学シート39に比して厚い平板状をなしている。なお、導光板40の裏面(出光主面41と反対側の面)には、導光板40の裏面やLED35から漏れた光を導光板40側に反射させるために、反射シートが設けられていてもよい。
【0030】
光学シート39は、導光板40から出射した光に所定の光学作用を付与する。光学シート39は、
図1に示すように、導光板40の出光主面41を覆うように、出光主面41上に設置されている。光学シート39は、液晶パネル20と導光板40との間に配置されていればよく、例えばフレーム60上に設置されていても構わない。光学シート39は種々様々なものが知られており、用途等に応じて1種類または複数種類のものが用いられる。例えば光学シート39は、樹脂製の光拡散シート、プリズムシート、レンズシート、輝度向上シート、波長変換シートとされる。
【0031】
シャーシ50は、表側(液晶パネル20側)に向けて開口したトレー状をなす。シャーシ50は、剛性に優れた材料からなり、例えば金属製とされる。シャーシ50は、底部51と、4つのシャーシ側部52、53、54、55と、を有する。底部51は平面視で矩形状をなし、底部51にはLED35を実装したLED基板37、導光板40、及び弾性部材90が収容(設置)されている。
【0032】
各シャーシ側部52、53、54、55は、底部51の外周縁部から表側に突出している。各シャーシ側部52、53、54、55は、導光板40の各側面42、43、44、45を側方(シャーシ50の内部と反対側)から覆っている。4つのシャーシ側部52、53、54、55のうち、シャーシ側部52、53は、導光板40の長辺側面42、43を側方から覆うシャーシ長辺側部であり、シャーシ側部54、55は、導光板40の短辺側面44、45を側方から覆うシャーシ短辺側部である。
【0033】
一方のシャーシ長辺側部53、及びこれと連なる一方のシャーシ短辺側部54はそれぞれ、
図1及び
図3に示すように、シャーシ50の一角部50A付近に第1貫通孔53A、54Aを有する。第1貫通孔53Aは、シャーシ長辺側部53においてシャーシ短辺側部54側の端部に設けられている。また第1貫通孔54Aは、シャーシ短辺側部54においてシャーシ長辺側部53側の端部に設けられている。
【0034】
第1貫通孔53A、54Aは、弾性部材90の後述する第1突出部92、93を挿通可能に、第1突出部92、93より大きい平面サイズを有する。第1貫通孔53A、54Aは、第1突出部92、93の数だけ(本実施形態では2つ)形成されている。本実施形態では、第1貫通孔53A、54Aは、第1突出部92、93に倣う平面形状(本実施形態では矩形状)に形成されているが、第1突出部92、93を挿通可能であれば、これらと異なる平面形状であっても構わない。
【0035】
フレーム60は、
図1に示すように、例えば平面視で横長矩形の枠状をなし、樹脂製とされる。フレーム60の平面サイズはシャーシ50に比べて大きく形成されており、フレーム60はシャーシ50に対して表側から重ね合わされている。フレーム60とシャーシ50との間には、LED35が実装されたLED基板37、導光板40、光学シート39、及び弾性部材90が保持されている。また、フレーム60の平面サイズはベゼル80に比べて小さく形成されており、ベゼル80はフレーム60に対して表側から重ね合わされている。フレーム60とベゼル80との間には、液晶パネル20が保持されている。
【0036】
ベゼル80、フレーム60、及びシャーシ50の4つの角部は一致するように組み立てられている。これにより、ベゼル側部82、83、84、85、フレーム側部62、63、64、65、及びシャーシ側部52、53、54、55はそれぞれ、側面に視て互いに重畳している。弾性部材90は、重なり合うベゼル80の一角部80A、フレーム60の一角部60A、及びシャーシ50の一角部50Aの付近に設けられている。
【0037】
フレーム60は、フレーム本体部61と、4つのフレーム側部62、63、64、65と、を有する。フレーム本体部61は、導光板40と液晶パネル20との間に配置されており、液晶パネル20の非表示領域AAと重畳する。液晶パネル20は、フレーム本体部61の表側に設置されている。
【0038】
フレーム本体部61は、
図2に示すように、導光板40の出光主面41の外周縁部を、光学シート39を介して表側から覆っている。フレーム本体部61は、フレーム60の一角部60A付近に第2貫通孔61Aを有する。第2貫通孔61Aは、弾性部材90の後述する第2突出部94を挿通可能に、第2突出部94より大きい平面サイズを有する。第2貫通孔61Aは、第2突出部94の数だけ(本実施形態では1つ)形成されている。第2貫通孔61Aは、第2突出部94に倣う平面形状(本実施形態では矩形状)に形成されているが、第2突出部94を挿通可能であれば、これと異なる平面形状であっても構わない。
【0039】
各フレーム側部62、63、64、65は、フレーム本体部61の外周縁部から裏側に突出している。フレーム側部62、63、64、65は、シャーシ側部52、53、54、55を側方から覆っている。4つのフレーム側部62、63、64、65のうち、フレーム側部62、63は、シャーシ長辺側部52、53を覆うフレーム長辺側部であり、フレーム側部64、65は、シャーシ短辺側部54、55を覆うフレーム短辺側部である。
【0040】
一方のフレーム長辺側部63、及びこれと連なる一方のフレーム短辺側部64はそれぞれ、
図1及び
図3に示すように、フレーム60の一角部60A付近に第3貫通孔63A、64Aを有する。第3貫通孔63Aは、フレーム長辺側部63においてフレーム短辺側部64側の端部に設けられている。また第3貫通孔64Aは、フレーム短辺側部64においてフレーム長辺側部63側の端部に設けられている。
【0041】
第3貫通孔63A、64Aは、
図3に示すように、弾性部材90の後述する第3突出部96、97を挿通可能に、第3突出部96、97より大きい平面サイズを有する。また第3貫通孔63A、64Aは、弾性部材90の第1突出部92、93が挿通しないように、第1突出部92、93より小さい平面サイズに形成されている。第3貫通孔63A、64Aは、第3突出部96、97の数だけ(本実施形態では2つ)形成されている。第3貫通孔63A、64Aは、第3突出部96、97に倣う平面形状(本実施形態では矩形状)に形成されているが、第3突出部96、97を挿通可能であれば、これと異なる平面形状であっても構わない。
【0042】
弾性部材90は、
図1に示すように、シャーシ50において一角部50A付近に収容されている。弾性部材90は、液晶パネル20の非表示領域NAAと重畳しており、表示には影響を与えない。本実施形態では、弾性部材90は、
図2に示すように、導光板40の短辺側面44とシャーシ短辺側部54との間に挟持されているが、導光板40の長辺側面43とシャーシ長辺側部53との間に把持されていても構わない。弾性部材90は、例えば弾性を有するゴム製のブロック状部材とされる。弾性部材90は、
図3に示すように、基部91と、2つの第1突出部92、93と、第2突出部94と、2つの第3突出部96、97と、を有する。
【0043】
基部91は、直方体状をなし、
図3に示すように、表側の面(
図3の上面)91Aと、裏側の面(
図3の下面)91Bと、4つの側面91C、91D、91E、91Fと、を有する。基部91の裏側の面91Bは、シャーシ50の底部51上に設置されている。基部91の側面91Fは、
図2に示すように、導光板40の短辺側面44に接している。なお、本願明細書における「接している」とは、接触している状態、及び振動等によって接触可能な程度に近接している状態を含む。
【0044】
一方の第1突出部92は、
図2及び
図3に示すように、基部91の側面91Dから側方(X軸方向)に突出長L92だけ突出している。他方の第1突出部93は、基部91の側面91Cから側方(Y軸方向)に突出長L93だけ突出している。第2突出部94は、基部91の表側の面91Aから表側(Z軸方向)に突出長L94だけ突出している。一方の第3突出部96は、第1突出部92の突出端面92Aから側方(X軸方向)に突出長L96だけ突出している。他方の第3突出部97は、第1突出部93の突出端面93Aから側方(Y軸方向)に突出長L97だけ突出している。
【0045】
第1突出部92、93、第2突出部94、及び第3突出部96、97はいずれも直方体状をなしているが、円柱状や円錐状等であっても良く、限定されない。また、これらの形状及び大きさは、同一でなく、個々に異なっていても構わない。
【0046】
第1突出部92は、
図2に示すように、シャーシ短辺側部54の第1貫通孔54Aに挿通している。第1突出部92の基端元と連なる基部91の側面91Dは、第1貫通孔54Aの開口縁部に接している。第1突出部92の突出端面92Aは、フレーム短辺側部64の第3貫通孔64Aの開口縁部に接しており、第3貫通孔64Aに挿通していない。同様にして、第1突出部93は、シャーシ長辺側部53の第1貫通孔53Aを挿通している。第1突出部93の基端元と連なる基部91の側面91Cは、第1貫通孔53Aの開口縁部に接している。第1突出部93の突出端面93Aは、フレーム長辺側部63の第3貫通孔63Aの開口縁部に接しており、第3貫通孔63Aを挿通していない。
【0047】
第2突出部94は、
図2に示すように、フレーム本体部61の第2貫通孔61Aを挿通している。第2突出部94の突出端面94Aは、ベゼル本体部81に接している。
【0048】
第3突出部96は、
図2に示すように、フレーム短辺側部64の第3貫通孔64Aを挿通している。第3突出部96の突出端面96Aは、ベゼル側部84に接している。同様にして、第3突出部97は、フレーム長辺側部63の第3貫通孔63Aを挿通している。第3突出部97の突出端面97Aは、ベゼル側部83に接している。
【0049】
次に、上記した液晶表示装置10の作用及び効果について説明する。弾性部材90は導光板40の短辺側面44とシャーシ短辺側部54との間に挟持されている。弾性部材90の基部91の側面91Fは、導光板40の短辺側面44と接し、側面91C、91Dはシャーシ側部54、53の第1貫通孔54A、53Aの開口縁部と接している。これにより弾性部材90によって、導光板40及びシャーシ50の振動を吸収できる。
【0050】
また弾性部材90は、第1突出部92の突出端面92Aがフレーム側部64の第3貫通孔64Aの開口縁部に接し、第1突出部93の突出端面93Aがフレーム側部63の第3貫通孔63Aの開口縁部に接している。これにより弾性部材90によって、フレーム60の振動を吸収できる。さらに第2突出部94の突出端面94Aはベゼル本体部81に接し、第3突出部96の突出端面96Aはベゼル側部84に接し、第3突出部97の突出端面97Aはベゼル側部83に接している。これにより弾性部材90によって、ベゼル80の振動を吸収できる。従って、弾性部材90によれば、導光板40、シャーシ50、フレーム60、及び並びベゼル80の振動を吸収することができ、振動による騒音を確実に抑制できる。
【0051】
なお、本実施形態に係る弾性部材90は、バックライト装置30の一角部(ベゼル80の一角部80A、フレーム60の一角部60A、及びシャーシ50の一角部50Aの付近)に設けられているが、2つ以上の角部に設けられていてもよい。また、弾性部材90の配設位置は、液晶パネル20の非表示領域NAAとの重畳位置であれば、バックライト装置30の角部に限られず、辺部であってもよく、角部と辺部の両方であってもよい。弾性部材90をバックライト装置30の辺部に設ける場合、第1突出部92、93、第3突出部96、97の数は、2つずつではなく、1つずつ設けられていればよい。弾性部材90の数、及び配設位置を適宜調整することで、使用環境に応じて振動の吸収性能を最適化し、より確実に振動による騒音を抑制できる。
【0052】
<実施形態2>
実施形態2に係る弾性部材190、及びこれを備える液晶表示装置110について
図4から
図6を参照して説明する。実施形態2において、実施形態1と同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0053】
弾性部材190は、
図4に示すように、2つの第1突出部192、193、及び2つの第3突出部196、197の形状が実施形態1と異なっている。第1突出部192、193はそれぞれ、基部91の側面91D、91Cとの接続部分である基端元に傾斜面192B、193Bを有する。また第3突出部196、197はそれぞれ、第1突出部192、193の突出端面92A、93Aとの接続部分である基端元に傾斜面196B、197Bを有する。
【0054】
このようにすれば、第1突出部192の基端元は、
図5及び
図6に示すように、シャーシ側部54の第1貫通孔54Aの開口縁部54Bにより密着しやすくなる。同様にして、第1突出部193は、シャーシ側部53の第1貫通孔53Aの開口縁部により密着しやすくなる。その結果、弾性部材190とシャーシ側部53、54との密着性を向上でき、シャーシ50の振動をより一層吸収しやすくできる。
【0055】
また、第3突出部196は、フレーム側部64の第3貫通孔64Aの開口縁部64Bにより密着しやすくなる。同様にして、第3突出部197は、フレーム側部63の第3貫通孔63Aの開口縁部により密着しやすくなる。その結果、弾性部材190とフレーム側部63、64との密着性を向上でき、フレーム60の振動をより一層吸収しやすくできる。
【0056】
<実施形態3>
実施形態3に係る弾性部材290、及びこれを備える液晶表示装置210について
図7から
図9を参照して説明する。実施形態3において、実施形態1から実施形態2と同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0057】
弾性部材290は、
図7に示すように、2つの第1突出部292、293、及び2つの第3突出部296、297の形状が丸みを帯びている点が実施形態1及び実施形態2と異なっている。第1突出部292、293の各突出端面292A、293A、及び第3突出部296、297の各突出端面296A、297Aは、丸みを帯びた角部を有する矩形状をなしている。第1突出部292、293はそれぞれ、基部91の側面91D、91Cとの接続部分である基端元に湾曲面292B、293Bを有する。また第3突出部296、297はそれぞれ、第1突出部292、293の突出端面292A、293Aとの接続部分である基端元に湾曲面296B、297Bを有する。
【0058】
このようにすれば、第1突出部292の基端元は、
図8及び
図9に示すように、シャーシ側部54の第1貫通孔54Aの開口縁部54Bにより密着しやすくなる。同様にして、第1突出部293は、シャーシ側部53の第1貫通孔53Aの開口縁部により密着しやすくなる。その結果、弾性部材290とシャーシ側部53、54との密着性を向上でき、シャーシ50の振動をより一層吸収しやすくできる。
【0059】
また、第3突出部296は、フレーム側部64の第3貫通孔64Aの開口縁部64Bにより密着しやすくなる。同様にして、第3突出部297は、フレーム側部63の第3貫通孔63Aの開口縁部により密着しやすくなる。その結果、弾性部材290とフレーム側部63、64との密着性を向上でき、フレーム60の振動をより一層吸収しやすくできる。
【0060】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0061】
(1)シャーシ50、フレーム60、及びベゼル80の全体形状は、図示に限定されず、これらによってLED35を実装するLED基板37、導光板40、及び光学シート39が支持可能であれば、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0062】
10、110、210…液晶表示装置(表示装置)、20…液晶パネル(表示パネル)、20S…表示面、35…LED(光源)、40…導光板、41…出光主面(表示パネル側の主面)、44…短辺側面(側面)、50…シャーシ、51…底部、53、54…シャーシ側部、53A、54A…第1貫通孔、60…フレーム、61…フレーム本体部、61A…第2貫通孔、63、64…フレーム側部、63A、64A…第3貫通孔、80…ベゼル、81…ベゼル本体部、83、84…ベゼル側部、90、190、290…弾性部材、91C、91D…シャーシ側部側の側面、92、93、192、193、292、293…第1突出部、92A、93A、292A、293A…突出端面(突出端)、94…第2突出部、96、97、196、197、296、297…第3突出部、10、110、210…液晶表示装置(表示装置)、192B、193B…傾斜面(第1傾斜面)、196B、197B…傾斜面(第2傾斜面)、292B、293B…湾曲面(第1湾曲面)、296B、297B…湾曲面(第2湾曲面)