IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特開-物品搬送設備 図1
  • 特開-物品搬送設備 図2
  • 特開-物品搬送設備 図3
  • 特開-物品搬送設備 図4
  • 特開-物品搬送設備 図5
  • 特開-物品搬送設備 図6
  • 特開-物品搬送設備 図7
  • 特開-物品搬送設備 図8
  • 特開-物品搬送設備 図9
  • 特開-物品搬送設備 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124861
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240906BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B65G1/04 561
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032812
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】瀬邉 高弘
(72)【発明者】
【氏名】東 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 慶太
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022BB09
3F022EE05
3F022FF01
3F022HH12
3F022KK01
3F022KK20
3F022LL07
3F022LL16
3F022LL38
3F022MM05
3F022MM11
3F022MM51
3F022NN38
3F022NN55
(57)【要約】
【課題】複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備において、物品の保管場所を確保しつつ、物品の搬送効率を高めることが可能な物品搬送設備が望まれる。
【解決手段】物品を搬送する物品搬送設備であって、第1移載装置22を備えた第1昇降搬送装置2と、第2移載装置32を備えた第2昇降搬送装置3と、を備え、第1移載装置22の昇降軌跡である第1昇降軌跡4と第2移載装置32の昇降軌跡である第2昇降軌跡5とが上下方向視で重複しないように配置され、第1昇降軌跡4の下端部を含む一部の領域である第1対象領域と、第2昇降軌跡5の上端部を含む一部の領域である第2対象領域とが、上下方向の同じ範囲に配置されており、第1対象領域及び第2対象領域と上下方向の同じ範囲に配置された重複領域6に、第1移載装置22と第2移載装置32とから物品Wを移載可能であると共に物品Wを保管可能である共用保管部61が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備であって、
上下方向に延在するように配置された第1案内体と、前記第1案内体に沿って昇降すると共に移載対象箇所との間で前記物品を移載する第1移載装置と、を備えた第1昇降搬送装置と、
上下方向に延在するように配置された第2案内体と、前記第2案内体に沿って昇降する共に移載対象箇所との間で前記物品を移載する第2移載装置と、を備えた第2昇降搬送装置と、を備え、
前記第1移載装置の昇降軌跡である第1昇降軌跡と、前記第2移載装置の昇降軌跡である第2昇降軌跡とが、上下方向視で重複しないように配置されていると共に、
前記第1昇降軌跡における当該第1昇降軌跡の下端部を含む一部の領域である第1対象領域と、前記第2昇降軌跡における当該第2昇降軌跡の上端部を含む一部の領域である第2対象領域とが、上下方向の同じ範囲に配置されており、
前記第1対象領域及び前記第2対象領域と上下方向の同じ範囲に配置された重複領域に、前記第1移載装置と前記第2移載装置との双方から前記物品を移載可能であると共に前記物品を保管可能である共用保管部が設けられている、物品搬送設備。
【請求項2】
上下方向に延在するように配置され、前記第1昇降搬送装置を収容する第1筒体と、
上下方向に延在するように配置され、前記第2昇降搬送装置を収容する第2筒体と、
前記重複領域において前記第1案内体及び前記第2案内体を収容すると共に、前記共用保管部が設けられた中間筒体と、を備え、
前記第1筒体は、前記中間筒体よりも上側に配置されると共に、その下端部が前記中間筒体に連結され、
前記第2筒体は、前記中間筒体よりも下側に配置されると共に、その上端部が前記中間筒体に連結され、
前記第1筒体と前記第2筒体とは、上下方向視で重複しないように配置されている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
上下方向における前記中間筒体を挟んで前記第1筒体とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第1配置空間が設けられ、
上下方向における前記中間筒体を挟んで前記第2筒体とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第2配置空間が設けられている、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第1筒体と前記中間筒体との連結部、及び、前記第2筒体と前記中間筒体との連結部の少なくとも一方に防火扉が設けられ、
前記第1筒体と前記中間筒体との連結部に設けられる前記防火扉は、上下方向視で前記第1筒体の内部空間と重複すると共に上下方向視で前記第2筒体の内部空間と重複しない領域を開閉するように構成され、
前記第2筒体と前記中間筒体との連結部に設けられる前記防火扉は、上下方向視で前記第2筒体の内部空間と重複すると共に上下方向視で前記第1筒体の内部空間と重複しない領域を開閉するように構成される、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記共用保管部は、前記第1移載装置による前記物品の移載が行われる第1移載箇所と、前記第2移載装置による前記物品の移載が行われる第2移載箇所と、前記第1移載箇所と前記第2移載箇所との間で前記物品を搬送する連携搬送装置と、を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記共用保管部は、前記物品がそれぞれ載置される少なくとも2つの物品載置部を備え、
少なくとも2つの前記物品載置部が、同じ高さに配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記第1移載装置と前記第2移載装置とが同じ高さに配置された状態で、同じ高さに配置された少なくとも2つの前記物品載置部のうち、前記第1移載装置と前記第2移載装置との一方の移載装置が前記物品の移載を開始した対象載置部がある場合に、他方の移載装置による前記対象載置部に対する前記物品の移載が禁止される、請求項6に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2017-114618号公報(特許文献1)には、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備に関する技術が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の物品搬送設備は、複数階層に亘って物品を搬送する階間搬送装置(K)を備えている。階間搬送装置(K)は、上下方向に延在するように配置された第1案内体(第1案内マストM1)及び第2案内体(第2案内マストM2)と、第1案内体に案内されて昇降する第1移載装置(第1移動体T1)と、第2案内体に案内されて昇降する第2移載装置(第2移動体T2)と、を備えている。第1案内体は、物品搬送設備の1階から3階に亘って設けられている。第2案内体は、物品搬送設備の3階から5階に亘って設けられている。第1移動体と第2移動体とのそれぞれは、物品を移載対象箇所に移載可能な移載装置を備えている。そして、第1移動体は、1階から3階までの各階に設けられた移載対象箇所に対して物品を搬送し、第2移動体は、3階から5階までの各階に設けられた移載対象箇所に対して物品を搬送する。また、3階の領域には、物品を載置可能な中継用支持台(N)が設けられており、第1移動体と第2移動体とは、中継用支持台(N)を介して物品の受け渡しを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-114618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された物品搬送設備では、第1移動体の移動軌跡の上端を含む領域と、第2移動体の移動軌跡の下端を含む領域とが重複する重複領域(ここでは、3階部分)を有している。しかし、第1移動体の移動軌跡と第2移動体の移動軌跡とが、上下方向視で重複するように配置されているため、このような重複領域において第1移動体と第2移動体とが干渉することなく同じ高さに位置することはできない。そのために、第1移動体と第2移動体とが同時に移載動作を行うことできず、設備全体として物品の搬送効率を高めにくいという問題があった。また、上記のような物品搬送設備では多くの物品が各階層に対して搬送されるため、例えば、搬送物品の渋滞回避や搬送順序の入れ替え等のために物品を一時的に保管する場所を確保して、物品の搬送効率の向上を図ることも考えられるが、特許文献1では言及されていない。
【0006】
そこで、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備において、物品の保管場所を確保しつつ、物品の搬送効率を高めることが可能な物品搬送設備が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品搬送設備は、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備であって、
上下方向に延在するように配置された第1案内体と、前記第1案内体に沿って昇降すると共に移載対象箇所との間で前記物品を移載する第1移載装置と、を備えた第1昇降搬送装置と、
上下方向に延在するように配置された第2案内体と、前記第2案内体に沿って昇降する共に移載対象箇所との間で前記物品を移載する第2移載装置と、を備えた第2昇降搬送装置と、を備え、
前記第1移載装置の昇降軌跡である第1昇降軌跡と、前記第2移載装置の昇降軌跡である第2昇降軌跡とが、上下方向視で重複しないように配置されていると共に、
前記第1昇降軌跡における当該第1昇降軌跡の下端部を含む一部の領域である第1対象領域と、前記第2昇降軌跡における当該第2昇降軌跡の上端部を含む一部の領域である第2対象領域とが、上下方向の同じ範囲に配置されており、
前記第1対象領域及び前記第2対象領域と上下方向の同じ範囲に配置された重複領域に、前記第1移載装置と前記第2移載装置との双方から前記物品を移載可能であると共に前記物品を保管可能である共用保管部が設けられている。
【0008】
本構成によれば、第1移載装置と第2移載装置とが、共用保管部に物品を保管できると共に当該共用保管部を介して物品を受け渡すことができるため、物品の保管場所を確保しやすくできると共に、第1移載装置の昇降可能範囲と第2移載装置の昇降可能範囲との全域に亘って物品を搬送することができる。また、本構成によれば、第1移載装置の昇降軌跡と第2移載装置の昇降軌跡とが上下方向視で重複しないように配置されているため、両者を同じ高さに配置した状態とすることができる。従って、第1移載装置と第2移載装置とがそれぞれ昇降する場合に、互いに制約を受けることがないため、設備全体として物品の搬送効率を高め易い。
このように本構成によれば、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備において、物品の保管場所を確保しつつ、物品の搬送効率を高めることができる。
【0009】
物品搬送設備のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】物品搬送設備の全体正面図
図2】重複領域を模式的に示す平面図
図3】第1筒体、第2筒体、及び中間筒体の配置を模式的に示す平面図
図4】第1移載装置による物品の移載を模式的に示す側面図
図5】連携搬送装置を模式的に示す側面図
図6】制御ブロック図
図7】制御フロー図
図8】別実施形態における重複領域を模式的に示す平面図
図9】別実施形態における重複領域を模式的に示す平面図
図10】別実施形態における第1筒体、第2筒体、及び中間筒体の配置を模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
物品搬送設備は、例えば、原材料、中間製品、或いは完成品等の搬送や保管を行う設備である。以下では、図面に基づいて、物品搬送設備の実施形態について説明する。
【0012】
図1に示すように、物品搬送設備100は、複数階層に亘って物品Wを搬送するように構成されている。本実施形態では、物品搬送設備100は、複数階の床部Fを備えた建物に設置されている。物品搬送設備100は、複数の物品Wを、複数階におけるそれぞれの階層に搬送可能に構成されている。また、物品搬送設備100は、複数の物品Wを保管可能に構成されている。物品Wとしては、例えば半導体基板やレチクル基板等を収容する収容容器(FOUP(Front Opening Unified Pod)やレチクルポッド等)を例示することができる。このような物品搬送設備100は、例えば、クリーン環境下において原材料の処理等を行うクリーンルーム等に設置されることが想定される。
【0013】
本実施形態では、物品搬送設備100は、第1昇降搬送装置2と、第2昇降搬送装置3とを備えている。また、物品搬送設備100は、第1筒体7と、第2筒体8と、中間筒体9と、を更に備えている。第1昇降搬送装置2と第2昇降搬送装置3とのそれぞれは、複数階層に亘って物品Wを搬送可能であると共に、後述する複数の移載対象箇所11に物品Wを移載可能に構成されている。以下では、第1昇降搬送装置2と第2昇降搬送装置3とのそれぞれの構成について説明する。なお、水平面に沿うと共に、第1昇降搬送装置2と第2昇降搬送装置3とが並ぶ方向を並び方向Xとし、第2昇降搬送装置3に対して第1昇降搬送装置2が配置されている側を並び方向第1側X1とし、その反対側(第1昇降搬送装置2に対して第2昇降搬送装置3が配置されている側)を並び方向第2側X2として説明する。
【0014】
図1図2、及び図4に示すように、第1昇降搬送装置2は、上下方向に延在するように配置された第1案内体21と、第1案内体21に沿って昇降すると共に移載対象箇所11との間で物品Wを移載する第1移載装置22と、を備えている。本実施形態では、第1案内体21は、複数階層に亘って配置されている。そのため、第1移載装置22は、第1案内体21に案内されることで、複数階層に亘って移動する。図1及び図4に示すように、第1移載装置22は、第1案内体21に昇降可能に取り付けられた昇降台25と、昇降台25に支持された移載機構24と、物品Wを支持する支持部23と、を備えている。昇降台25が第1案内体21に沿って昇降することで、移載機構24及び支持部23が昇降する。図4の例では、移載機構24は、支持部23を上下方向に沿う軸心周りに旋回させる旋回部(不図示)と、支持部23を水平方向に出退させる出退部(不図示)とを備えている。ここでは、移載機構24は、水平多関節アーム(いわゆるSCARA;Selective Compliance Assembly Robot Arm)を用いて構成されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、第2昇降搬送装置3は、上下方向に延在するように配置された第2案内体31と、第2案内体31に沿って昇降する共に移載対象箇所11との間で物品Wを移載する第2移載装置32と、を備えている。本実施形態では、第2案内体31は、複数階層に亘って配置されている。そのため、第2移載装置32は、第2案内体31に案内されることで、複数階層に亘って移動する。第1移載装置22と同じ構造であるため第2移載装置32の詳細な図示は省略するが、第2移載装置32は、第2案内体31に昇降可能に取り付けられた昇降台25と、昇降台25に支持された移載機構24と、物品Wを支持する支持部23と、を備えている。昇降台25が第2案内体31に沿って昇降することで、移載機構24及び支持部23が昇降する。なお、第1移載装置22及び第2移載装置32のそれぞれの移載機構24については、支持部23を水平方向に移動させるフォーク式の機構を用いたり、把持部により物品Wを把持するチャック式の機構を用いることもできる。ここで、第1移載装置22又は第2移載装置32により、移載対象箇所11に物品Wを移載する場合について説明する。図4の例では、移載対象箇所11は、板状の棚体とされている。棚体は、支持部23が上下方向に移動可能になるように、その一部が切り欠かれている。水平多関節アームの移動により、物品Wを載置した支持部23が、棚体に対して上側に配置されると、昇降台25が下降する。昇降台25の下降により、支持部23が下降して、棚体の切欠き部分を通過する。物品Wは、棚体の切欠き部分を通過できないため、棚体上に残留し、これにより、物品Wが棚体に載置される。なお。第1移載装置22又は第2移載装置32により、棚体上の物品Wを受け取る場合には、上記とは逆の動作が行われる。
【0016】
本実施形態では、第1案内体21と第2案内体31とは、並び方向Xに互いに離間して配置されていると共に、上下方向にずれた位置に配置されている。より具体的には、第1案内体21と第2案内体31とは、第1移載装置22と第2移載装置32とのそれぞれの昇降軌跡(第1昇降軌跡4、第2昇降軌跡5)が干渉しないように、離間して配置されている。また、第1案内体21の下端部を含む一部分と、第2案内体31の上端部を含む一部分とが、上下方向の同じ範囲に配置されている。本例では、第1案内体21の上端部は、第2案内体31の上端部よりも上側に配置され、第1案内体21の下端部は、第2案内体31の下端部よりも上側であって、第2案内体31の上端部よりも下側に配置されている。図1の例では、第1案内体21と第2案内体31とのそれぞれは、昇降台25を上下方向に沿って移動可能なマストとされている。第1案内体21は、5つの階層のうちの、3階床部F3から5階天井までの全域に亘って配置されている。第2案内体31は、1階床部F1から3階天井までの全域に亘って配置されている。すなわち、第1案内体21と第2案内体31とは、3階の層(ここでは、3階床部F3から3階天井まで)において、上下方向で同じ範囲になるように配置されている。このように各案内体が配置されているため、第1移載装置22は、3階から5階までの範囲を昇降し、第2移載装置32は、1階から3階までの範囲を昇降する。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態では、第1移載装置22の昇降軌跡である第1昇降軌跡4と、第2移載装置32の昇降軌跡である第2昇降軌跡5とが、上下方向視で重複しないように配置されている。第1昇降軌跡4は、第1案内体21に沿って形成されている。第2昇降軌跡5は、第2案内体31に沿って形成されている。上記のとおり、第1案内体21と第2案内体31とは、第1移載装置22と第2移載装置32とのそれぞれの昇降軌跡が干渉しないように、並び方向Xに互いに離間している。従って、第1昇降軌跡4及び第2昇降軌跡5は、上下方向視で互いに重複しない。本例では、第1昇降軌跡4は、第1移載装置22が昇降上限から昇降下限まで移動した場合の軌跡であり、第2昇降軌跡5は、第2移載装置32が昇降上限から昇降下限まで移動した場合の軌跡である。図示の例では、第1昇降軌跡4は、3階から5階までの複数層に亘って形成されている。第2昇降軌跡5は、1階から3階までの複数の階層に亘って形成されている。
【0018】
また、図1及び図2に示すように、第1昇降軌跡4における当該第1昇降軌跡4の下端部41を含む一部の領域である第1対象領域42と、第2昇降軌跡5における当該第2昇降軌跡5の上端部51を含む一部の領域である第2対象領域52とが、上下方向の同じ範囲に配置されている。そして、後述する重複領域6が、第1対象領域42及び第2対象領域52と上下方向の同じ範囲に配置されている。本実施形態では、第1対象領域42は、第1昇降軌跡4の下端部41を含む、第1昇降軌跡4の上下方向の中央部よりも下側の領域であり、第2対象領域52は、第2昇降軌跡5の上端部51を含む、第2昇降軌跡5の上下方向の中央部よりも上側の領域である。すなわち、第1昇降軌跡4の上端部は、第2昇降軌跡5の上端部51よりも上側に配置され、第1昇降軌跡4の下端部41は、第2昇降軌跡5の下端部よりも上側であって、第2昇降軌跡5の上端部51よりも下側に配置されている。ここでは、重複領域6は、並び方向X視で、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とが重複する領域を含んでいる。図1の例では、第1昇降軌跡4は、3階から5階までの階層の上下方向の全域に形成されている。第2昇降軌跡5は、1階から3階までの階層の上下方向の全域に形成されている。第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とは、複数の階層のうちの1つの階層(ここでは、3階の層)の上下方向の全域において、同じ範囲になるように配置されている。すなわち、本例では、第1対象領域42は、第1昇降軌跡4における当該1つの階層に配置された部分であり、第2対象領域52は、第2昇降軌跡5における当該1つの階層に配置された部分である。そして、複数の階層のうちの当該1つの階層において、並び方向X視で、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とが重複する。また、図2の例では、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とが並び方向Xに沿うと共に、互いに離間するように配置されている。ここでは、重複領域6は、複数の階層のうちの1つの階層に配置された、中間筒体9の内部空間P3の全域とされている。なお、重複領域6の一部と、中間筒体9の内部空間P3の一部とを、上下方向や水平方向にずらして配置してもよい。中間筒体9の具体的な構成は、後述する。
【0019】
図1及び図3に示すように、第1筒体7は、上下方向に延在するように配置され、第1昇降搬送装置2を収容するように構成されている。第1筒体7は、第1案内体21に沿って、複数階層に亘って配置されている。また第1筒体7は、第1昇降搬送装置2及び第1昇降軌跡4のそれぞれに応じた大きさに形成されている。具体的には、第1筒体7は、第1昇降搬送装置2(第1案内体21、第1移載装置22)を収容すると共に、第1昇降軌跡4をその内部に含む大きさに形成されている。本実施形態では、図1に示すように、第1筒体7は、中間筒体9よりも上側に配置されると共に、その下端部71が中間筒体9に連結されている。そのため、第1筒体7は、第1案内体21における、中間筒体9に収容される部分(重複領域6に存在する部分)よりも上側を収容するように構成されている。同様に、第1筒体7は、第1昇降軌跡4のうちの、中間筒体9の内部空間P3に形成される部分(重複領域6に形成される部分であり、上述した第1対象領域42に相当する部分)よりも上側を含むように形成されている。本例では、第1筒体7は、上下方向に沿って延在する中空(筒状)の部材で形成されている。また、第1筒体7は、中間筒体9の上面91から立ち上がるように設けられている。そして、第1筒体7の内部空間P1と重複領域6(ここでは、中間筒体9の内部空間P3)とが連通している。
【0020】
図1及び図3に示すように、第2筒体8は、上下方向に延在するように配置され、第2昇降搬送装置3を収容するように構成されている。第2筒体8は、第2案内体31に沿うように、複数階層に亘って配置されている。また第2筒体8は、第2昇降搬送装置3及び第2昇降軌跡5のそれぞれに応じた大きさに形成されている。具体的には、第2筒体8は、第2昇降搬送装置3(第2案内体31、第2移載装置32)を収容すると共に、第2昇降軌跡5をその内部に含む大きさに形成されている。本実施形態では、図1に示すように、第2筒体8は、中間筒体9よりも下側に配置されると共に、その上端部81が中間筒体9に連結されている。そのため、第2筒体8は、第2案内体31における、中間筒体9に収容されている部分(重複領域6に存在する部分)よりも下側を収容するように構成されている。同様に、第2筒体8は、第2昇降軌跡5のうちの、中間筒体9の内部空間P3に形成される部分(重複領域6に形成される部分であり、上述した第2対象領域52に相当する部分)よりも下側を含むように形成されている。本例では、第2筒体8は、上下方向に沿って延在する中空(筒状)の部材で形成されている。第2筒体8は、中間筒体9の下面から下側に下がるように設けられている。そして、第2筒体8の内部空間P2と重複領域6(ここでは、中間筒体9の内部空間P3)とが連通している。因みに、本実施形態において「含む」とは、昇降軌跡(第1昇降軌跡4、第2昇降軌跡5)が、ある空間内(例えば、第1筒体7の内部空間P1及び第2筒体8の内部空間P2)に存在していることを表している。
【0021】
なお、図3の例では、第1筒体7及び第2筒体8のそれぞれは、平面視で矩形状に形成されているが、これには限定されず、例えば、平面視で円形状や多角形状等とされていてもよい。また、第1筒体7と第2筒体8との平面視での形状を互いに異ならせるようにしてもよい。
【0022】
図1から図3に示すように、中間筒体9は、重複領域6において第1案内体21及び第2案内体31を収容する。中間筒体9は、上下方向において、第1筒体7と第2筒体8との間に配置され、第1筒体7と第2筒体8とを接続している。中間筒体9は、重複領域6に応じた大きさに形成されている。すなわち、中間筒体9は、重複領域6を囲むように形成されている。また、中間筒体9は、第1案内体21と第2案内体31とのそれぞれにおいて、重複領域6と上下方向に同じ範囲に含まれる部分を収容する。これにより、中間筒体9は、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とのそれぞれにおいて、重複領域6と上下方向に同じ範囲の領域を内部空間P3に含むことができる。図3の例では、中間筒体9と、第1筒体7及び第2筒体8とが、平面視で重複するように配置されている。また、第1筒体7と第2筒体8(図3の破線部分)とは、並び方向Xに沿うと共に、互いに離間して配置されており、平面視で重複していない。このように、本実施形態では、第1筒体7と第2筒体8とは、上下方向視で重複しないように配置されている。
【0023】
図1の例では、中間筒体9は、複数階層のうちの1つの階層(ここでは、3階部分)に設けられている。具体的には、中間筒体9は、3階床部F3に設置されており、3階床部F3から3階天井までに亘って設けられている。なお重複領域6は、複数の階層に亘って形成されていてもよく、これに対応して、中間筒体9も複数の階層に亘って設けられていてもよい。中間筒体9は、上下方向に沿う中空(筒状)の部材で形成されている。また、図3の例では、中間筒体9は、平面視で矩形状に形成されているが、これには限定されず、例えば、平面視で円形状や多角形状等に形成されていてもよい。
【0024】
本実施形態では、図1に示すように、上下方向における中間筒体9を挟んで第1筒体7とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第1配置空間S1が設けられている。本例では、図1に示すように、中間筒体9よりも下側であって、平面視で中間筒体9と重複すると共に、第2筒体8と重複しない空間に、第1配置空間S1が設定されている。換言すると、第1配置空間S1は、第2筒体8に対して並び方向第1側X1に隣接するように設定されている。図示の例では、中間筒体9よりも下側であって、平面視で中間筒体9と重複する範囲において、第2筒体8に対して第1筒体7が配置されている側(第2筒体8に対して並び方向第1側X1)の空間が第1配置空間S1とされている。また、第1配置空間S1は、中間筒体9が配置されている階層よりも下の階層(ここでは、2階の層)に設定されている。
【0025】
また、本実施形態では、図1に示すように、上下方向における中間筒体9を挟んで第2筒体8とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第2配置空間S2が設けられている。本例では、図1に示すように、中間筒体9よりも上側であって、平面視で中間筒体9と重複すると共に、第1筒体7と重複しない空間に、第2配置空間S2が設定されている。換言すると、第2配置空間S2は、第1筒体7に対して並び方向第2側X2に隣接するように設定されている。図示の例では、中間筒体9よりも上側であって、平面視で中間筒体9と重複する範囲において、水平方向で第1筒体7に対して第2筒体8が配置されている側に第2配置空間S2が設定されている。また、第2配置空間S2は、中間筒体9が配置されている階層よりも上の階層(ここでは、4階の層)に設定されている。このように、第2配置空間S2は、中間筒体9を挟んで第1配置空間S1よりも上側に設定されている。
【0026】
図1の例では、第1配置空間S1と第2配置空間S2とのそれぞれに、搬送対象である物品Wに関する処理が行われる装置(例えば、物品Wが容器の場合に、当該容器に収容された半導体基板やレチクル基板等に対する処理装置)や、物品Wの保管棚等を配置できるようになっている。また、第1配置空間S1と第2配置空間S2とのそれぞれに、天井搬送車の案内レール等を配置させてもよい。このように、第1配置空間S1及び第2配置空間S2は、必要に応じて、各種装置98や案内レール等を配置することが可能な空間とされている。なお、ここでは、第1配置空間S1と第2配置空間S2とのそれぞれは、1つの階層に設定されているが、複数階層に亘って設定されていてもよい。
【0027】
図1に示すように、本実施形態では、第1筒体7と中間筒体9との連結部72、及び、第2筒体8と中間筒体9との連結部82の少なくとも一方に防火扉14が設けられている。本例では、第1筒体7と中間筒体9との連結部72と、第2筒体8と中間筒体9との連結部82との双方に防火扉14が設けられている。図示の例では、防火扉14は、スライド式の扉とされている。第1筒体7と中間筒体9との連結部72に設けられる防火扉14は、上下方向視で第1筒体7の内部空間P1と重複すると共に上下方向視で第2筒体8の内部空間P2と重複しない領域を開閉するように構成されている。本例では、第1筒体7と中間筒体9との連結部72に設けられた防火扉14は、閉状態で、第1筒体7の内部空間P1と中間筒体9の内部空間P3との境界領域の全域を覆うように配置される(図1の2点鎖線)。また、第2筒体8と中間筒体9との連結部82に設けられる防火扉14は、上下方向視で第2筒体8の内部空間P2と重複すると共に上下方向視で第1筒体7の内部空間P1と重複しない領域を開閉するように構成される。本例では、第2筒体8と中間筒体9との連結部82に設けられた防火扉14は、閉状態で、第2筒体8の内部空間P2と中間筒体9の内部空間P3との境界領域の全域を覆うように配置される(図1の2点鎖線)。
【0028】
図1の例では、物品搬送設備100は、移載対象箇所11として、コンベヤ部69を備えている。コンベヤ部69は、複数の階層のそれぞれの床部F(1階床面F1~5階床部F5)に設けられている。第1昇降搬送装置2と第2昇降搬送装置3とのそれぞれは、これら床部Fに設置されたコンベヤ部69に対して物品Wを移載することができる。ここでは、コンベヤ部69は、設置された階層に対して第1昇降搬送装置2及び第2昇降搬送装置3との間で物品Wを搬出入するための公知のコンベヤとされている。また、図1の例では、第1筒体7と第2筒体8と中間筒体9とのそれぞれは、搬送用コンベヤ95に接続されている。そして、第1昇降搬送装置2と第2昇降搬送装置3とのそれぞれは、このような搬送用コンベヤ95に対しても物品Wを移載可能とされていてもよい。例えば、搬送用コンベヤ95では、不図示の天井搬送車との間で物品Wの受け渡しを行うようにすることができる。なお、図1では、分かり易くするために、搬送対象となる物品Wや、移載装置(第1移載装置22、第2移載装置32)等が実際よりも大きく記載されている。
【0029】
図1及び図2に示すように、重複領域6に、第1移載装置22と第2移載装置32との双方から物品Wを移載可能であると共に物品Wを保管可能である共用保管部61が設けられている。本実施形態では、共用保管部61は、中間筒体9に設けられている。共用保管部61では、第1移載装置22と第2移載装置32との間での物品Wの受け渡しや、物品Wの一時的な保管が行われる。本例では、共用保管部61は、中間筒体9の内部(すなわち、中間筒体9の内部空間P3)に、上下方向に分かれて複数(ここでは、2つ)設けられている。また、共用保管部61は、重複領域6に配置されている。
【0030】
図2及び図5に示すように、共用保管部61は、第1移載装置22による物品Wの移載が行われる第1移載箇所62と、第2移載装置32による物品Wの移載が行われる第2移載箇所63と、第1移載箇所62と第2移載箇所63との間で物品Wを搬送する連携搬送装置64と、を備える。本例では、第1移載箇所62と第2移載箇所63とは、同じ高さに配置されている。そして、連携搬送装置64は、第1移載箇所62と第2移載箇所63とを接続するように配置されている。ここで、連携搬送装置64は、物品Wを水平方向に搬送するコンベヤ装置である。図2に示すように、第1移載箇所62及び第2移載箇所63は、並び方向Xに離間するように配置されている。そして、連携搬送装置64は、並び方向Xに沿って第1移載箇所62と第2移載箇所63とを接続している。本例では、第1移載箇所62及び第2移載箇所63と、連携搬送装置64とは、第1昇降軌跡4及び第2昇降軌跡5に対して正面側(第1案内体21及び第2案内体31に対して第1移載装置22と第2移載装置32とのそれぞれの支持部23が配置される側)に配置されている。また、第1移載箇所62は、第1移載装置22に対応するように、第2移載箇所63に対して並び方向第1側X1に配置されている。このように、本実施形態では、第1移載箇所62及び第2移載箇所63についても、移載装置(第1移載装置22、第2移載装置32)により物品Wが移載される移載対象箇所11とされている。このような構成により、第1移載装置22と第2移載装置32との移載作業を同時期に行うことができる。例えば、第1移載装置22が第1移載箇所62に物品Wを引き渡す動作を行いながら、第2移載装置32が、連携搬送装置64により第1移載箇所62から搬送された物品Wを、第2移載箇所63から受け取る動作を行うことができる。従って、物品Wの搬送効率を高めることができる。
【0031】
図5の例では、連携搬送装置64は、台車式のコンベヤで構成されている。具体的には、連携搬送装置64は、台車部64aと、物品Wを載置する載置台64bと、連携案内体64cとを備えている。台車部64aは、連携案内体64cに案内されて、並び方向Xに移動する。載置台64bは、台車部64aに対して昇降可能とされており、第1移載箇所62と第2移載箇所63とのそれぞれにおいて、昇降移動することで物品Wの受け渡しを行う。連携案内体64cは、例えば、レール等を備えており、台車部64aをレールに沿って案内するようにしてもよい。なお、連携搬送装置64は、台車式のコンベヤ以外に、ローラ式やベルト式等の公知のコンベヤとされていてもよく、フォーク式の移載装置とされていてもよい。また、第1移載箇所62と第2移載箇所63とのそれぞれは、物品Wを下方から支持する棚体とされている。図5の例では、第1移載箇所62及び第2移載箇所63は、連携案内体64cに支持されているが、図4に示すように、中間筒体9の側壁に支持されていてもよい。また、このような棚体が上下方向に沿う軸心周りに回転するように設けられており、物品Wの向きを自在に変更可能に構成されていてもよい。
【0032】
本実施形態では、図2に示すように、共用保管部61は、物品Wがそれぞれ載置される少なくとも2つの物品載置部65を備えている。そして、少なくとも2つの物品載置部65が、同じ高さに配置されている。図2の例では、共用保管部61は、複数(ここでは、3つ)の物品載置部65を備えている。これら複数の物品載置部65に対しては、第1移載装置22と第2移載装置32との双方により物品Wの移載が可能となっている。例えば、第1移載装置22により、特定の物品載置部65に物品Wが引き渡され、特定の物品載置部65に載置された当該物品Wを、第2移載装置32が受け取って搬送することができる。図示の例では、複数の物品載置部65は、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5との間に挟まれるように配置されている。また、複数の物品載置部65は、第1移載箇所62、第2移載箇所63、及び連携搬送装置64よりも移載装置(第1移載装置22、第2移載装置32)に近い側に配置されている。これにより、第1移載装置22及び第2移載装置32に近い物品載置部65については、第1移載装置22と第2移載装置32とによる共有棚とすることができる。また、物品載置部65と比べて第1移載装置22及び第2移載装置32から遠い第1移載箇所62及び第2移載箇所63については、共有棚とせず、連携搬送装置64により第1移載箇所62と第2移載箇所63との間で物品Wの受け渡しが行われる。このようにして、重複領域6(ここでは、中間筒体9の内部空間P3)を有効活用することができる。また、上記の構成では、搬送する物品Wの数が多い場合でも、第1移載装置22と第2移載装置32との物品Wの受け渡しを効率よく行うことができ、複数の階層に配置されたコンベヤ部69や搬送用コンベヤ95に対して、スムーズに物品Wを搬送することができる。なお、本例では、複数の物品載置部65と、第1移載箇所62及び第2移載箇所63とが、同じ高さに配置されている。ここで、「同じ高さ」とは、厳密に同じ高さである必要はなく、例えば、第1移載装置22又は第2移載装置32の上下方向の寸法程度、上下方向にずれた位置に配置されていてもよい。物品載置部65は、物品Wを下方から支持する棚体とされている。このように、本実施形態では、物品載置部65のそれぞれについても、移載装置(第1移載装置22、第2移載装置32)により物品Wが移載される移載対象箇所11とされている。
【0033】
また、本例では、共用保管部61は、複数の一般載置部68を備えている。複数の一般載置部68は、第1昇降軌跡4及び第2昇降軌跡5を囲むように、水平面に沿って配置されている。第1昇降軌跡4及び第2昇降軌跡5に対して並び方向Xの両外側や、第1移載箇所62及び第2移載箇所63の並び方向Xの両外側に配置されている。一般載置部68は、移載対象箇所11として、第1移載装置22又は第2移載装置32による物品Wの移載が可能である。たとえば、平面視で、複数の一般載置部68のうち、第2移載装置32よりも第1移載装置22に近い位置に配置されている一般載置部68に対しては、第1移載装置22により物品Wが移載される。また、平面視で、複数の一般載置部68のうちの、第1移載装置22よりも第2移載装置32に近い位置に配置されている一般載置部68に対しては、第2移載装置32により物品Wが移載される。なお、一般載置部68は、物品Wを下方から支持する棚体とされている。このように、共用保管部61に複数の物品Wを保管することができるため、例えば、物品Wを一時的に保管したり、物品Wの搬送順を入れ替えたりすること等が可能になる。また、本例では、共用保管部61に、第1移載箇所62、第2移載箇所63、複数の物品載置部65、及び複数の一般載置部68が、移載対象箇所11として配置されており、重複領域6(ここでは、中間筒体9の内部空間P3)を有効活用することができる。なお、図1において、中間筒体9の内部に複数設けられた共用保管部61は、互いに同じ構成とされている。しかし、これら複数の共用保管部61の構成を互いに異ならせてもよい。例えば、複数の共用保管部61において、上記で説明した図2の一例や、後述する図8の一例等を、必要に応じて組み合わせたり、これらの一例に示された構成を改変したりすることが可能である。
【0034】
図6に示すように、物品搬送設備100は、第1昇降搬送装置2、第2昇降搬送装置3、連携搬送装置64、防火扉14、及びコンベヤ部69を制御する制御装置Hを備えている。制御装置Hは、マイクロコンピュータ等のプロセッサを備えると共に、メモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、プロセッサ等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、制御装置Hの各機能が実現される。制御装置Hは、物品搬送設備100が設置されたクリーンルーム等の全体を制御する上位コントローラCと相互に通信可能に接続されている。制御装置Hは、上位コントローラCからの指令を取得し、取得した指令の内容に応じて、第1昇降搬送装置2、第2昇降搬送装置3、連携搬送装置64、防火扉14、及びコンベヤ部69を制御する。
【0035】
図1及び図2の例では、制御装置Hは、特定の階層において搬送用コンベヤ95やコンベヤ部69から受け取った物品Wを、異なる階層の搬送用コンベヤ95やコンベヤ部69に搬送することができる。例えば、制御装置Hは、特定の階層(ここでは、4階又は5階)のコンベヤ部69から搬入された物品Wを、重複領域6における複数の共用保管部61のうちの1つに搬送するように、第1移載装置22を制御することができる。そして、図2に示すように、制御装置Hは、共用保管部61において、搬送した物品Wを、物品載置部65を介して第2移載装置32に引き渡すように、第1移載装置22及び第2移載装置32を制御することができる。また、制御装置Hは、第1移載装置22から第1移載箇所62に引き渡された物品Wを第2移載箇所63に搬送し、その後、第2移載装置32が第2移載箇所63上の物品Wを受け取るように、第1移載装置22、第2移載装置32、及び連携搬送装置64を制御することができる。また、制御装置Hは、物品Wを一般載置部68に引き渡すように第1移載装置22を制御すると共に、他の物品Wが共用保管部61を介して他の階層に搬送されてから、一般載置部68に載置された当該物品Wを、物品載置部65や連携搬送装置64を介して第2移載装置32に引き渡すように、各装置を制御することが可能である。制御装置Hは、第1移載装置22から受け取った物品Wを、規定の階層(ここでは、1階又は2階)の搬送用コンベヤ95(1階)やコンベヤ部69(1階又は2階)に搬送するように、第2移載装置32を制御することができる。なお、第2移載装置32から第1移載装置22に物品Wを引き渡して搬送する場合も、同様である。
【0036】
また、制御装置Hは、物品Wを、中間筒体9に接続された搬送用コンベヤ95や、中間筒体9が設置された階層(ここでは、3階)に設けられたコンベヤ部69に搬送するように、第1移載装置22及び第2移載装置32を制御することができる。
【0037】
本実施形態では、図4及び図7に示すように、第1移載装置22と第2移載装置32とが同じ高さに配置された状態で、同じ高さに配置された少なくとも2つの物品載置部65のうち、第1移載装置22と第2移載装置32との一方の移載装置が物品Wの移載を開始した対象載置部66がある場合に、他方の移載装置による対象載置部66に対する物品Wの移載が禁止される。図2の例では、制御装置Hは、3つの物品載置部65のうちの1つが、第1移載装置22の対象載置部66とされている場合には、第2移載装置32による当該対象載置部66に対する物品Wの移載を禁止する。同様に、制御装置Hは、3つの物品載置部65のうちの1つが、第2移載装置32の対象載置部66とされている場合には、第1移載装置22による当該対象載置部66に対する物品Wの移載を禁止する。以下では、制御フロー図を用いて説明を加える。
【0038】
制御装置Hは、第1移載装置22と第2移載装置32とのいずれか一方の移載装置により、移載が開始された対象載置部66があると判定した場合には(S01:Yes)、他方の移載装置(第1移載装置22又は第2移載装置32)による対象載置部66に対する物品Wの移載を禁止する(S02)。その場合、制御装置Hは、当該他方の移載装置について、対象載置部66以外の物品載置部65に物品Wを移載するように制御する。図2の例では、制御装置Hは、対象載置部66に対する物品Wの移載を禁止された移載装置について、一般載置部68に物品Wを移載するように制御することができる。
【0039】
本実施形態では、図6に示すように、制御装置Hは、第1筒体7と中間筒体9との連結部72と、第2筒体8と中間筒体9との連結部82との双方に設けられた防火扉14を制御する。制御装置Hは、例えば、上位コントローラCが、火災発生の報知信号を受信した場合等に、上位コントローラCから受信した指令情報に従って、防火扉14を開状態から閉状態に切り換えるように、防火扉14を制御する。
【0040】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0041】
(1)上記実施形態では、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とは、1つの階層(図1の例では、3階の層)の上下方向の全域において、同じ範囲になるように配置されている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とは、複数の階層に亘って、同じ範囲になるように配置されていてもよい。また、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とは、1つの階層のうちの上下方向の一部の領域において、同じ範囲になるように配置されていてもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、第1筒体7は、第1昇降搬送装置2を収容し、第2筒体8は、第2昇降搬送装置3を収容する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1筒体7は、第1移載装置22のみを収容し、第1昇降軌跡4を内部空間P1に含むように設けられ、第2筒体8は、第2移載装置32のみを収容し、第2昇降軌跡5を内部空間P2に含むように設けられていてもよい。
【0043】
(3)上記実施形態では、上下方向における中間筒体9を挟んで第1筒体7とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第1配置空間S1が設けられ、上下方向における中間筒体9を挟んで第2筒体8とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第2配置空間S2が設けられている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1配置空間S1及び第2配置空間S2のうちのいずれか一方のみが設けられる構成とすることもできる。
【0044】
(4)上記実施形態では、第1筒体7と中間筒体9との連結部72、及び、第2筒体8と中間筒体9との連結部82の少なくとも一方に防火扉14が設けられている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1筒体7と中間筒体9との連結部72、及び、第2筒体8と中間筒体9との連結部82のそれぞれに防火扉14が設けられていなくてもよい。その場合、例えば、中間筒体9の内部空間P3を仕切るように、1つ又は複数の防火扉14を中間筒体9の内部に設けることもできる。また、第1筒体7における、中間筒体9との連結部72以外の部分や、第2筒体8における、中間筒体9との連結部82以外の部分に防火扉14を設けることもできる。
【0045】
(5)上記実施形態では、共用保管部61は、第1移載装置22による物品Wの移載が行われる第1移載箇所62と、第2移載装置32による物品Wの移載が行われる第2移載箇所63と、第1移載箇所62と第2移載箇所63との間で物品Wを搬送する連携搬送装置64と、を1つずつ備える構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、共用保管部61は、第1移載箇所62と第2移載箇所63と連携搬送装置64とを必ずしも備える必要はない。一方で、共用保管部61は、第1移載箇所62と第2移載箇所63と連携搬送装置64とのそれぞれを複数備える構成とすることもできる。そのような例を図8に示している。図8の例では、第1移載箇所62と第2移載箇所63とが3つずつ設けられており、これらに対応する連携搬送装置64も3つ設けられている。
【0046】
(6)上記実施形態では、共用保管部61は、物品Wがそれぞれ載置される少なくとも2つの物品載置部65を備えている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、共用保管部61は、物品載置部65を1つ備える構成としてもよい。そのような例を図8に示している。図8の例では、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5との間に、複数の連携搬送装置64と単一の物品載置部65とが並ぶように配置されている。また、第1移載装置22と第2移載装置32とのそれぞれの支持部23から比較的離れた位置に物品載置部65が配置されている。このように、各支持部23から比較的近い位置では、連携搬送装置64を用いて第1移載装置22と第2移載装置32との間で物品Wの受け渡しを行い、連携搬送装置64では搬送が難しい、各支持部23から離れた位置に物品載置部65を設けることで、重複領域6(ここでは、中間筒体9の内部空間P3)を有効活用することができる。また、共用保管部61は、必ずしも物品載置部65を備えていなくてもよい。そのような例を図9に示している。図9では、第1移載装置22と第2移載装置32との間に物品載置部65が配置されておらず、第1昇降軌跡4及び第2昇降軌跡5に対して正面側に、第1移載箇所62、第2移載箇所63、及び連携搬送装置64が1組設けられている。このように、第1移載装置22と第2移載装置32との間に物品載置部65等を配置しないことで、図10に示すように、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5とを並び方向Xに近づけて配置することが可能となる。この場合、第1筒体7と第2筒体8とを並び方向Xに互いに隣接した状態で配置することが可能となり、更には、中間筒体9を小さくすることも可能となる。よって、物品搬送設備100の小型化を図ることができる。また、図9では、重複領域6において、第1昇降軌跡4と第2昇降軌跡5との間に、壁体Kが設けられている。この壁体Kは、中間筒体9の一部の部材として設けられてもよく、互いに隣接する第1筒体7と第2筒体8との共通の側壁部分とされていてもよい。また、第1筒体7及び第2筒体8の少なくとも一方が、中間筒体9の内部空間P3の内部まで貫通するように配置することもできる(図2の2点鎖線)。
【0047】
(7)上記実施形態では、第1移載装置22と第2移載装置32とが同じ高さに配置された状態で、同じ高さに配置された少なくとも2つの物品載置部65のうち、第1移載装置22と第2移載装置32との一方の移載装置が物品Wの移載を開始した対象載置部66がある場合に、他方の移載装置による対象載置部66に対する物品Wの移載が禁止される構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、対象載置部66に対して、第1移載装置22と第2移載装置32との双方が、同時期に移載動作を行うようにしてもよい。例えば、第1移載装置22が対象載置部66に物品Wを引き渡す(載置する)動作を開始してから、物品Wが対象載置部66に載置される前に、第2移載装置32が当該対象載置部66に対して物品Wを受け取る動作を開始することで、第1移載装置22と第2移載装置32との間で物品Wを受け渡す期間を短くすることができる。
【0048】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0049】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備の概要について説明する。
【0050】
本開示に係る物品搬送設備は、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備であって、
上下方向に延在するように配置された第1案内体と、前記第1案内体に沿って昇降すると共に移載対象箇所との間で前記物品を移載する第1移載装置と、を備えた第1昇降搬送装置と、
上下方向に延在するように配置された第2案内体と、前記第2案内体に沿って昇降する共に移載対象箇所との間で前記物品を移載する第2移載装置と、を備えた第2昇降搬送装置と、を備え、
前記第1移載装置の昇降軌跡である第1昇降軌跡と、前記第2移載装置の昇降軌跡である第2昇降軌跡とが、上下方向視で重複しないように配置されていると共に、
前記第1昇降軌跡における当該第1昇降軌跡の下端部を含む一部の領域である第1対象領域と、前記第2昇降軌跡における当該第2昇降軌跡の上端部を含む一部の領域である第2対象領域とが、上下方向の同じ範囲に配置されており、
前記第1対象領域及び前記第2対象領域と上下方向の同じ範囲に配置された重複領域に、前記第1移載装置と前記第2移載装置との双方から前記物品を移載可能であると共に前記物品を保管可能である共用保管部が設けられている。
【0051】
本構成によれば、第1移載装置と第2移載装置とが、共用保管部に物品を保管できると共に当該共用保管部を介して物品を受け渡すことができるため、物品の保管場所を確保しやすくできると共に、第1移載装置の昇降可能範囲と第2移載装置の昇降可能範囲との全域に亘って物品を搬送することができる。また、本構成によれば、第1移載装置の昇降軌跡と第2移載装置の昇降軌跡とが上下方向視で重複しないように配置されているため、両者を同じ高さに配置した状態とすることができる。従って、第1移載装置と第2移載装置とがそれぞれ昇降する場合に、互いに制約を受けることがないため、設備全体として物品の搬送効率を高め易い。
このように本構成によれば、複数階層に亘って物品を搬送する物品搬送設備において、物品の保管場所を確保しつつ、物品の搬送効率を高めることができる。
【0052】
ここで、上下方向に延在するように配置され、前記第1昇降搬送装置を収容する第1筒体と、
上下方向に延在するように配置され、前記第2昇降搬送装置を収容する第2筒体と、
前記重複領域において前記第1案内体及び前記第2案内体を収容すると共に、前記共用保管部が設けられた中間筒体と、を備え、
前記第1筒体は、前記中間筒体よりも上側に配置されると共に、その下端部が前記中間筒体に連結され、
前記第2筒体は、前記中間筒体よりも下側に配置されると共に、その上端部が前記中間筒体に連結され、
前記第1筒体と前記第2筒体とは、上下方向視で重複しないように配置されていると好適である。
【0053】
本構成によれば、第1筒体は、中間筒体よりも上側において第1昇降搬送装置を収容可能な大きさであれば、それ以上に大きくする必要は無い。従って、第1筒体の上下方向視の大きさを抑えることで、第1筒体の周囲の空間を有効活用することができる。第2筒体においても同様であり、第2筒体の周囲の空間を有効活用することができる。また、中間筒体については、第1案内体と第2案内体と共用保管部とを収容可能な大きさとされる。このように、第1筒体と第2筒体と中間筒体とのそれぞれを各別に設け、第1筒体と前記第2筒体とが上下方向視で重複しないように配置することで、各筒体を適切な大きさとし、設備全体として空間効率を高め易い。
【0054】
また、上下方向における前記中間筒体を挟んで前記第1筒体とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第1配置空間が設けられ、
上下方向における前記中間筒体を挟んで前記第2筒体とは反対側に、他の部材や装置を配置可能な第2配置空間が設けられていると好適である。
【0055】
本構成によれば、第1配置空間や第2配置空間に他の部材や装置を配置することができ、設備全体として空間効率を効果的に高め易い。
【0056】
また、前記第1筒体と前記中間筒体との連結部、及び、前記第2筒体と前記中間筒体との連結部の少なくとも一方に防火扉が設けられ、
前記第1筒体と前記中間筒体との連結部に設けられる前記防火扉は、上下方向視で前記第1筒体の内部空間と重複すると共に上下方向視で前記第2筒体の内部空間と重複しない領域を開閉するように構成され、
前記第2筒体と前記中間筒体との連結部に設けられる前記防火扉は、上下方向視で前記第2筒体の内部空間と重複すると共に上下方向視で前記第1筒体の内部空間と重複しない領域を開閉するように構成されると好適である。
【0057】
本構成によれば、例えば、中間筒体の内部空間を開閉する防火扉を設ける場合に比べて、上下方向視での防火扉により開閉する面積を小さく抑えることができる。従って、防火扉の軽量化や低コスト化を図り易い。
【0058】
また、前記共用保管部は、前記第1移載装置による前記物品の移載が行われる第1移載箇所と、前記第2移載装置による前記物品の移載が行われる第2移載箇所と、前記第1移載箇所と前記第2移載箇所との間で前記物品を搬送する連携搬送装置と、を備えると好適である。
【0059】
本構成によれば、共用保管部に対して第1移載装置と第2移載装置とが同時に物品を移載することが可能となる。
また、本構成によれば、第1移載装置から第1移載箇所に移載された物品を連携搬送装置により第2移載箇所へ移動させ、第2移載装置に引き渡すことができる。同様に、第2移載装置から第2移載箇所に移載された物品を連携搬送装置により第1移載箇所へ移動させ、第1移載装置に引き渡すことができる。従って、第1移載装置と第2移載装置との干渉を回避しつつ、効率的に物品の受け渡しを行うことができる。よって、設備全体として物品の搬送効率を高め易い。
【0060】
また、前記共用保管部は、前記物品がそれぞれ載置される少なくとも2つの物品載置部を備え、
少なくとも2つの前記物品載置部が、同じ高さに配置されていると好適である。
【0061】
本構成によれば、第1移載装置と第2移載装置とが同じ高さに配置された状態であっても、第1移載装置と第2移載装置とは、同じ高さに配置された別々の物品載置部との間で同時に物品を移載することが可能となる。従って、設備全体として物品の搬送効率を高め易い。
また、本構成によれば、連携搬送装置を備える場合に比べて、上下方向視での設備の設置面積を小さく抑えやすい。
【0062】
また、前記第1移載装置と前記第2移載装置とが同じ高さに配置された状態で、同じ高さに配置された少なくとも2つの前記物品載置部のうち、前記第1移載装置と前記第2移載装置との一方の移載装置が前記物品の移載を開始した対象載置部がある場合に、他方の移載装置による前記対象載置部に対する前記物品の移載が禁止されると好適である。
【0063】
本構成によれば、第1移載装置と第2移載装置とが同じ高さに配置された状態において、1つの物品載置部に対して第1移載装置と第2移載装置とが同時に物品を移載しようとして互いに干渉する事態が生じることを回避することができる。
【0064】
本開示に係る物品搬送設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0065】
2 :第1昇降搬送装置
3 :第2昇降搬送装置
4 :第1昇降軌跡
5 :第2昇降軌跡
6 :重複領域
7 :第1筒体
8 :第2筒体
9 :中間筒体
11 :移載対象箇所
14 :防火扉
21 :第1案内体
22 :第1移載装置
31 :第2案内体
32 :第2移載装置
41 :第1昇降軌跡の下端部
51 :第2昇降軌跡の上端部
61 :共用保管部
62 :第1移載箇所
63 :第2移載箇所
64 :連携搬送装置
65 :物品載置部
66 :対象載置部
71 :第1筒体の下端部
72 :第1筒体と中間筒体との連結部
81 :第2筒体の上端部
82 :第2筒体と中間筒体との連結部
100 :物品搬送設備
P1 :第1筒体の内部空間
P2 :第2筒体の内部空間
P3 :中間筒体の内部空間
S1 :第1配置空間
S2 :第2配置空間
W :物品
X :並び方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10